| 【発明の名称】 |
三重膜構造簡易建屋 |
| 【発明者】 |
【氏名】岸本 雅裕
【氏名】丸山 透
【氏名】平野 雄也
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| 【要約】 |
【課題】空気圧により自立して建屋として適度な強度を保持でき、組立て設置並びに撤去・運搬等が容易で建設費が安く、しかも外部との断熱性に非常に優れ、太陽光の影響が少なく、年間を通して気候等の変化にほとんど左右されず、建屋内の空調が少ないエネルギーで常に適正な状態に維持でき、植物栽培などに最適で、大幅な経費の節減が図れる三重膜構造簡易建屋を提供することにある。
【解決手段】建屋1の周面を、空気透過性の内側膜3と、各々空気不透過性の中間膜4及び外側膜5とからなる三重膜構造とし、これら内側膜3と中間膜4との間に内側空気室7を、中間膜4と外側膜5との間に外側空気室8を構成し、三重の膜3,4,5が空気圧により自立するように内側空気室7と外側空気室8とにそれぞれ所要の空気を空調設備20から吹き込み可能な構成としたことを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 建屋周面の一部または全部を、空気透過性の内側膜と、各々空気不透過性の中間膜及び外側膜とからなる三重膜構造として、これら内側膜と中間膜との間に内側空気室を、中間膜と外側膜との間に外側空気室を構成し、且つ前記三重の膜が空気圧により自立するように前記内側空気室と外側空気室とにそれぞれ所要の空気を空調設備から吹き込み可能な構成としたことを特徴とする三重膜構造簡易建屋。 【請求項2】 内側膜と中間膜との間並びに中間膜と外側膜との間にそれぞれ複数の補強リブを設けることにより内側空気室と外側空気室とを各々複数の区分室に区画し、これら内側空気室の区分室並びに外側空気室の各区分室に空調設備からの所要の空気を吹き込む吹込みダクトをそれぞれ設けると共に、外側空気室の各区分室の空気を排出する排気ダクトを設けたことを特徴とする請求項1記載の三重膜構造簡易建屋。 【請求項3】 中間膜と外側膜が断熱性膜であることを特徴とする請求項1又は2記載の三重膜構造簡易建屋。 【請求項4】 空調設備は、外気を外側空気室に吹き込む送風機と、外気と前記外側空気室からの排出空気の必要に応じた量とを空調用空気として取込み且つその空調用空気を所要の温度・湿度の調和空気として内側空気室に吹き込んで内側膜を透過させて建屋内に送り込ませる空調機と、この建屋内から排出される使用済調和空気を必要に応じ導通して前記空調機が取込む空調用空気と熱交換させる熱交換器とを備えてなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の三重膜構造簡易建屋。 【請求項5】 中間膜が赤外線遮断性或いは反射性膜で、外側膜が光透過性膜であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の三重膜構造簡易建屋。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は主に園芸等の植物の人工栽培ハウスやその他の作業場や展示場等の仮設小屋などとして幅広く利用可能な三重膜構造簡易建屋に関する。 【0002】 【従来の技術】この種の簡易構造の建屋としては、例えば野菜、果実、草花等の植物の人工栽培ハウスが代表的で、ビニールハウス(パイプハウス)等の名で多く知られている。この種の建屋は簡単に組立ができ、撤去も楽にでき、且つ建屋内の気温・湿度が外部気候にあまり左右されずに年間を通して一定に保てることが理想である。 【0003】例えば、特開平6−209658号公報に、冬期栽培工法として二重膜構造のパイプハウスが開示されている。これは大きなパイプハウス(ビニールハウス)内に苗床を囲む小ビニールトンネルを設け、その小ビニールトンネル内の土壌中にカーボン系面発熱体を埋設すると共に、その土壌の上部に該小トンネルパイプ内の空調と遠赤外線放射のために面発熱体を設置して、冬期間の植物栽培に適するようにしたものである(従来技術1)。 【0004】また、特開平5−308859号公報には、農業用栽培ハウスの空調装置として、ビニールハウス内に全長に亘りレールを介して夜冷カーテン(トンネル状中仕切り)を伸縮折り畳み可能に設けて二重膜構造とすると共に、そのビニールハウス内の夜冷カーテン内にダクトを介して調和空気を送る空調機即ち、ビニールハウス栽培において作物の成育に効果的な冷房及び除湿の両機能が調整可能な空調設備を設けた構成が開示されている(従来技術2)。 【0005】一方、特開平9−144382号公報には、船舶の修理、塗装、建築工事場、仮設展示物、球技場などで、風や埃の多い場所、雨天時などに、全体を覆って作業ができるように、上面膜と下面膜との間にリブ状ホホヅエ膜を形成する多数の穴空きリブを設けた2重膜構造の軽量なエアー注入型のレインダストガード空気膜屋根状物が開示されている(従来技術3)。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従来技術1では、屋根としてのパイプハウスとこの内部の小ビニールトンネルとで2重膜構造となっているが、各々が独立していて、空気圧で自立する構造では無く、各々に塩化ビニ−ル材等の膜を張るために、鉄製パイプ等の骨材や支柱材を多く必要とし、建屋として組立て設置並びに解体撤去・運搬等が面倒で多くの時間を要し、取り扱いが煩雑で建設費が高くつく。 【0007】また、ビニールハウスと小ビニールトンネルとの間に中間空気層が存在するが、その中間空気層並びに小ビニールトンネル内に新鮮な空気を吹き込む空調設備が無く、作物の育成のための適正な空調を維持するには不十分である。 【0008】従来技術2では、ビニールハウス内に夜冷カーテンを設けた2重膜構造であるが、前述の従来技術1と同様、空気圧で自立する構造では無く、鉄製パイプ等の骨材や支柱材を多く必要とし、建屋として組立て設置並びに解体撤去・運搬等が面倒で多くの時間を要し、取り扱いが煩雑で建設費が高くつく。 【0009】また、ビニールハウスと夜冷カーテンとの間に空気層が存在するが、空調装置により調和空気を夜冷カーテン内にダクトを介して直接吹き込む構成であるので、夜冷カーテン内のダクトに近い部分と壁に近い部分との温度差が大きくなり、均一性が無く、作物の育成のための適正な空調を維持するには不十分である。 【0010】一方、従来技術3の軽量なエアー注入型のレインダストガード空気膜屋根状物は、上面膜と下面膜との間に空気を注入することにより、その空気圧で全体が自立し且つリブを備えているので屋根としての強度を保持でき、鉄製パイプ等の骨材や支柱が不要で組立て設置並びに撤去・運搬等が容易であるが、植物栽培用等のビニールハウスとしてそのまま転用する場合には、下面膜が空気透過性に乏しく建屋内にエアー注入が殆どできずない上に、温度や湿度をコントロールする空調設備が無く、内部の空調が不十分である。 【0011】また、前述した従来技術1乃至3のいずれにおいても、2重膜構造で、その間に空気層が存在するので、ある程度の断熱効果が得られて外部の気候等の変化にあまり左右されずに建屋内の空調が可能であるが、太陽光の影響や、気象条件による外部からの熱侵入の対策などに不十分な点があり、適正な空調並びに省エネ効果がさほど期待できない。 【0012】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、空調設備から吹き込まれる空気圧により自立して建屋として適度な強度を保持でき、鉄製パイプ等の骨材や支柱が不要或いは少なくて済み、建屋として組立て設置並びに撤去・運搬等が容易で建設費が安く、しかも外部との断熱性に優れて常に新鮮な空気が吹き込まれて適切な空調が可能な三重膜構造簡易建屋を提供することにある。 【0013】また、断熱性に優れ、太陽光の影響が少なく、且つ気候等の変化にほとんど左右されずに、建屋内の空調が少ないエネルギーで常に適正な状態に維持でき、植物栽培等のビニールハウスなどとして最適で、非常に省エネタイプで経費の節減が図れる三重膜構造簡易建屋を提供することにある。 【0014】 【課題を解決するための手段】本発明は、第1に、建屋周面の一部または全部を、空気透過性の内側膜と、各々空気不透過性の中間膜及び外側膜とからなる三重膜構造として、これら内側膜と中間膜との間に内側空気室を、中間膜と外側膜との間に外側空気室を構成し、且つ前記三重の膜が空気圧により自立するように前記内側空気室と外側空気室とにそれぞれ所要の空気を空調設備から吹き込み可能な構成としたことを特徴とする三重膜構造簡易建屋である。 【0015】つまり、内側膜と中間膜と外側膜との間の各空気室に空調設備から吹き込まれる空気により、該三重の膜が自立するので、建屋としての適度な強度を維持できる上に、鉄骨や支柱等がほとんど不要で、組立て設置、取外し撤去、運搬等が容易で建設費が安く済むようになる。 【0016】しかも、空調設備から空気が吹き込まれる空気室をそれぞれ介在させた三重膜構造であるので、外部との断熱性に優れ、気候等の変化にほとんど左右されずに、建屋内の空調が少ないエネルギーで常に適正な状態に維持でき、植物栽培等のビニールハウスなどとして最適で、非常に省エネタイプで経費の節減が図れるようになる。 【0017】第2に、前記第1の発明において、内側膜と中間膜との間並びに中間膜と外側膜との間にそれぞれ複数の補強リブを設けることにより内側空気室と外側空気室とを各々複数の区分室に区画し、これら内側空気室の区分室並びに外側空気室の各区分室に空調設備からの所要の空気を吹き込む吹込みダクトをそれぞれ設けると共に、外側空気室の各区分室の空気を排出する排気ダクトを設けたことを特徴とする三重膜構造簡易建屋である。 【0018】こうした構成であれば、三重膜間に補強リブが介在するので、建屋としての自立強度が一層向上すると共に、建屋内の空調の一層の均一化が図れて、作物の育成のための適正な空調維持が可能となる。 【0019】第3に、前記第1又は2の発明において、中間膜と外側膜が断熱性膜であることを特徴とする三重膜構造簡易建屋である。 【0020】これにて、外部との断熱性が更に一層向上して、気候等の変化にほとんど左右されずに、建屋内の空調が更に少ないエネルギーで常に適正な状態に維持できて、非常に省エネタイプで経費の節減が図れるようになる。 【0021】第4に、前記第1乃至3のいずれかの発明において、空調設備は、外気を外側空気室に吹き込む送風機と、外気と前記外側空気室からの排出空気の必要に応じた量とを空調用空気として取込み且つその空調用空気を所要の温度・湿度の調和空気として内側空気室に吹き込んで内側膜を透過させて建屋内に送り込ませる空調機と、この建屋内から排出される使用済調和空気を必要に応じ導通して前記空調機が取込む空調用空気と熱交換させる熱交換器とを備えてなることを特徴とする三重膜構造簡易建屋である。 【0022】これにより、建屋内の設定環境条件と気象条件によって、太陽光等の外部からの侵入熱の有効利用と、建屋内から排出される使用済調和空気の熱エネルギーの有効利用が可能で、省エネが実現出来るようになる。 【0023】第5に、前記第1乃至第4の発明のいずれかにおいて、中間膜が赤外線遮断性膜で、外側膜が光透過性膜であることを特徴とする三重膜構造簡易建屋である。 【0024】これにより、建屋内への太陽光の影響が少ない空調が可能となり、東北南部以南の地域で支配的となる冷房エネルギーを減じて更に一層の省エネの実現が可能となる。 【0025】 【発明の実施の形態】以下に図面を参照しながら本発明の三重膜構造簡易建屋の一実施の形態を説明する。図1は一部切欠した建屋略全体の斜視図で、図2は建屋の縦断面図、図3は建屋の一部分の拡大断面図である。 【0026】建屋1は、屋根部と側壁部を凸円弧状に一体的に構成した所謂全体が中空かまぼこ型の形態である。この建屋1の凸円弧状の周面である被覆体2は、内側膜3と中間膜4と外側膜5とからなる三重膜構造である。これら三重膜3,4,5は各々可撓性ビニールシート状のもので、しかもその内側膜3は伝熱性で且つ空気透過性、中間膜4と外側膜5は断熱性で且つ空気不透過性のものである。 【0027】これら三重膜の被覆体2の両端(正面と背面のつま面)には、空気不透過性並びに断熱性の膜或いはパネル等の壁6(正面は手前で断面しているので図示されていない)がそれぞれ設けられ、これら壁6により被覆体2の両端が気密状態に閉塞されている。なお、この壁6は可撓性シート状膜とし、且つファスナー(図示せず)により被覆体2の端部に脱着及び開閉可能に連結しておくのが便利である。 【0028】前記建屋1の被覆体2の三重膜の間、即ち内側膜3と中間膜4との間に内側空気室7が、中間膜4と外側膜5との間に外側空気室8が構成されている。これら内側空気室7と外側空気室8とにそれぞれ所要の空気を後述する空調設備から吹き込むことにより、その空気圧により内側膜3と中間膜4と外側膜5とが膨らんで自立するように構成されている。この三重膜3,4,5の自立と同時に壁6も引っ張り上げられて張設状態になる構成としておくことが望ましい。 【0029】なお、本実施形態では、前記内側膜3と中間膜4との間並びに中間膜4と外側膜5との間にそれぞれ複数の補強リブ9,10が各々屋根の長手方向に等間隔を存して設けられ、これら補強リブ9,10により前記内側空気室7と外側空気室8とが各々複数の区分室7a,8aに区画されている。この補強リブ9,10の枚数及び間隔並びに向きは建屋1の大きさ等によって適宜設定される。 【0030】これら補強リブ9,10は、前記三重膜3,4,5と同様に可撓性シートで構成されていると共に、空気透過性膜でも空気不透過性膜でもどちらでも可である。また、これら補強リブ9,10は、図3に一部分のみ拡大して示す如く断面溝型で、両側のり代部を内側膜3と中間膜4に、中間膜4と外側膜5に接着或いは縫着又は融着することにより凸円弧状に亘るホホズエ膜を構成するように設けられている。 【0031】これら補強リブ9,10により区画された内側空気室7の各区分室7a並びに外側空気室8の各区分室8aに空調設備から所要の空気を吹き込むために、空気吹込みダクト11,12がそれぞれ一対ずつ設けられている。つまり、空気吹込みダクト11,12は内側空気室7と外側空気室8との各々の両側下端(両側裾部)に一本ずつ各区分室7a,8aを貫くべく屋根長手方向全長に亘って設けられている。 【0032】これら空気吹込みダクト11,12は空気不透過性で且つ可撓性シートなどの膜材を用いた円筒状パイプで、前記三重膜3,4,5と接着或いは縫着などで一体化されている。これら空気吹込みダクト11,12の上面部に長手方向に等間隔を存して複数の空気吹込み口11a,12aがそれぞれ開口され、これら空気吹込み口11a,12aが各区分室7a,8a内と一個ずつ連通する状態とされている。 【0033】また、一本の排気ダクト13が前記中間膜4と外側膜5との間の外側空気室8内の天井頂部に各区分室8aを貫くべく屋根長手方向全長に亘って設けられている。この排気ダクト13は前記空気吹込みダクト11,12と同様の膜材を用いた円筒状パイプで、中間膜4と外側膜5と接着或いは縫着などで一体化されている。この排気ダクト13の両側部に各々長手方向に等間隔を存して排気口13aが開口され、これら両側の排気口13aが一個ずつ前記区分室8a内と連通する状態とされている。 【0034】以上の三重膜構造の建屋1は、この被覆体2の周囲、つまり三重膜3,4,5の両側裾部と正面及び背面の壁6の裾部を地面14に杭などにより固定することで設置するが、建屋1内の環境調整を厳密に行なう必要があるときは、地面(基礎)14に溝14aを掘り、この溝14a内に前記被覆体2の周囲を埋め込み固定して設置する。 【0035】前記三重膜構造の建屋1の内側空気室7や外側空気室8に対し所要の空気を吹き込む空調設備20として、送風機21と、空調機22と、熱交換器23とを備えている。 【0036】その送風機21は、前記外側空気室8の両側裾部の吹込みダクト12に接続した送風ダクト24を備え、外気を取り込んで該吹込みダクト12から建屋1の外側空気室8の各区分室8a内に両側より吹き込むようになっている。なお、その外側空気室8の各区分室8a内に吹き込まれた空気は、中間膜4と外側膜5を自立させるに足りる空気圧(陽圧)を維持しながら、前記排気ダクト13の両側排気口13aより該排気ダクト13に流れ、このダクト13の端部に接続する導通ダクト25を介し必要に応じて熱交換器23に送られるようになっている。 【0037】前記空調機(空気調和機)22は、前記熱交換器23に接続する吸込みダクト26と、前記内側空気室7の両側裾部の空気吹込みダクト11にそれぞれ接続する送風ダクト27を備えている。 【0038】この空調機22は、大気中の新鮮な外気と、前記外側空気室8内から排気ダクト13及び導通ダクト25を介して必要に応じ導通されて来る排出空気とを空調用空気として熱交換器23及び吸込みダクト26を介し取込んで、その空調用空気を所要の温度・湿度の調和空気とし、この調和空気を送風ダクト27より空気吹込みダクト11を介して建屋1の内側空気室7の各区分室7a内に両側より吹き込むようになっている。 【0039】この内側空気室7の各区分室7a内に吹き込まれた調和空気は、内側膜3と中間膜4を自立させるに足りる空気層を形成しながら、即ち空気圧(陽圧)を維持しながら、矢印に示すように内側膜3(空気透過性の膜)を透過して該膜3の略全域より建屋内1aに送り込まれ、その建屋内1aを均一に空調するようになっている。 【0040】なお、その建屋内1aを空調した調和空気は、図示しない換気装置により建屋1の背面の壁6の排出口6aから排出されるようになっている。 【0041】前記熱交換器23は、前述の如く空調機22に取込ませるための空調用空気(大気中の新鮮な外気と、外側空気室8内からの排出空気の必要に応じた量)を導入すると同時に、前記建屋内部1aから排出口6aを介して排出される使用済調和空気を必要に応じて導通ダクト28を介して導通して、この使用済調和空気と前記空調用空気との間で熱交換させるようになっている。 【0042】前記建屋1の被覆体2を構成する三重膜即ち、内側膜3と中間膜4と外側膜5とを更に詳述すると、まず、内側膜3は空気透過性であることが必要である。その通気度は0.1〜10cc/sec/cm3 程度のものが良い。この適度な通気度は内側膜3と中間膜4との自立性と、空調に必要な気流量から適宜選択される。この空気透過性の膜3で凸円弧状被覆体2の天井面と両側面の大部分を構成するが、部分的に空気不透過性の膜部が存在しても良い。 【0043】また、この内側膜3は伝熱性が望ましく、且つ赤外線遮断性が望ましい。この膜材の例としては、難燃性のナイロン又はポリエステル等の織編物を基布として、適度な通気度にするために樹脂加工したもの等が用いられる。 【0044】前記中間膜4は、空気不透過性であることが必要である。しかし0.1cc/sec/cm3未満程度の漏れは許容できる。また、この中間膜4は、年間の昼夜を問わず適正な空調空気で野菜、果実、草花等の人工栽培ができるように断熱性が高いことが望ましい。冬期を除くと冷房する場合が多いので、空調空気に不規則に影響を与える赤外線を遮断させる赤外線不透過性(遮断性)或いは反射性の膜を用いるのが望ましい。 【0045】この中間膜4の膜材の例としては、難燃性のナイロン又はポリエステル等の織編物を基布として、上述した特性を付与するために塩化ビニール樹脂等の樹脂加工を施し、又は赤外線遮断処理をしたシートが用いられる。 【0046】前記外側膜5は、前記中間膜4と同様に空気不透過性で且つ断熱性であることが必要である。また、一般に建屋1は屋外に設けられる場合が多いので、外側膜5は年間を通して雨等の気候に左右されずに利用可能な膜即ち、水を通さず各種気象条件にも耐え得る耐候性膜であることが良い。しかも太陽光の熱を外側空気室8aに吸収可能に光透過性の膜が好ましい。 【0047】この外側膜5の膜材としては、難燃性のナイロン又はポリエステル等の織編物を基布として、上述した特性を付与するために塩化ビニール樹脂等の樹脂加工を施したものが利用できる。 【0048】更に、前記三重の膜3,4,5は、建屋内1aで人口栽培される植物の光合成に有用な可視光などが透過し易いように透明或いは半透明の膜材のものが望ましい。 【0049】しかして、前述した実施形態の三重膜構造簡易建屋の作用を述べる。空調設備20の送風機21及び空調機22の働きで、所要の空気が内側膜3と中間膜4との間の内側空気室7と、中間膜4と外側膜5との間の外側空気室8とに圧送され、この空気圧により該三重の膜3,4,5が自立し、被覆体2が凸円弧状になり、正面及び背面の壁6も張設され、建屋1全体が中空かまぼこ型状となると共に、内側空気室7に圧送された空調空気が内側膜3を透過して建屋内1aに送り込まれて該建屋内1aの空調を行うようになる。 【0050】つまり、鉄骨や支柱等を用いずに、組立て設置ができて、建屋1のとしての適度な強度をも維持できるようになり、引いては、取外し撤去、運搬等も容易で建設費が安く済むようになる。 【0051】また、空調設備20から空気が吹き込まれる空気室7,8をそれぞれ介在した三重膜構造であるので、外部との断熱性に優れて外部の気候等の変化にほとんど左右されず、しかも、空調空気が空気透過性の内側膜3の略全面を通じて建屋内1aに供給されるため、建屋内1a全域が均一に空調されているなど、建屋内1aの空調が少ないエネルギーで常に適正な状態に維持でき、植物栽培等のビニールハウスなどとして最適で、非常に省エネタイプで経費の節減が図れるようになる。 【0052】また、内側膜3と中間膜4との間並びに中間膜4と外側膜5との間に複数の補強リブ9,10を設けて、内側空気室7と外側空気室8とを各々複数の区分室7a,8aに区画して、これら各区分室7a,8aに吹込みダクト11,12を介し空調設備20から所要の空気を吹き込んでいるので、建屋1としての自立強度が一層向上すると共に、建屋内1aの空調の一層の均一化が図れて、作物の育成のための適正な空調維持が可能となる。 【0053】更に、中間膜4と外側膜5が断熱性膜であるので、外部との断熱性が更に一層向上して、気候等の変化にほとんど左右されずに、建屋内1aの空調が更に少ないエネルギーで常に適正な状態に維持できて、非常に省エネタイプで経費の節減が図れるようになる。 【0054】一方、前述した空調設備20(送風機21と空調機22と熱交換器23など)を備えることで、新鮮な外気と共に、外側空気室8からの排出空気を必要に応じて空調用空気として空調機22に取込んで調和空気として建屋内1aに送り込んだり、建屋内1aから排出される使用済調和空気を必要に応じ熱交換器23に導通して前記空調機22が取込む空調用空気と熱交換させたすることができ、建屋内1aの設定環境条件と気象条件によって、太陽光等の外部からの侵入熱の有効利用と、建屋内1aから排出される使用済調和空気の熱エネルギーの有効利用が可能で、更に一層エネルギー使用量の少ない安価で省エネが実現出来るようになる。 【0055】しかも、内側膜3と中間膜4とが赤外線遮断性膜で、外側膜5が光透過性膜で構成されて、建屋内1aには赤外線を除いた太陽光線が透過することになる。つまり、建屋内1aには空調空気の温度上昇など不規則に影響を与える赤外線を遮断しているので、夏場などの冷房時の太陽光の影響が少ない空調が可能となり、消費エネルギーの増加を防止でき、更に一層の省エネの実現が可能となる。 【0056】一方、外側膜5から中間膜4を通過した赤外線以外の太陽光線は、内側膜3をも透過して建屋内部1aを照らす。この光は建屋内1aで栽培する植物の光合成などに必要な光線になる。照度が不足する場合には電灯などで補光するが、透過してくる太陽光線の分だけ電力が少なくて済む。 【0057】例えば、夏季などで外気温が高く建屋内1aの冷房が必要な場合、日中の太陽光線は外側膜5を透過して外側空気室8に入射するが、中間膜4が赤外線遮断性或いは反射性であるので、太陽光線のうち赤外線が透過できず外側空気室8の空気が暖められる。この暖められた空気は排気ダクト13から導通ダクト25を通じて熱交換器23に導通されるが、建屋内1aの所要の空調温度より高いため空調用空気としたり熱交換に利用したりせずに、そのまま外に排出する。つまり、外側空気室8の空気は建屋内の冷房状態を維持する断熱層として作用する。 【0058】空調機22には、上記外側空気室8の排出空気より温度の低い大気中の外気が熱交換器23から吸込みダクト26を介して取入れられ、この外気が空調機22で所要の温度・湿度の調和空気とされて、送風ダクト27から空気吹込みダクト11を介して内側空気室7に送られ、内側膜3を透過して建屋内1aに供給されて該建屋内1aを空調(冷房)する。 【0059】この建屋内1aの使用済空調空気は、ある程度は低温状態であるので、排気口6aから導通ダクト28を介して熱交換器23に導通し、そこで空調機22に空調用空気として取込まれる外気と熱交換する。これである程度低温化された外気が空調機22で更に所定の温度・湿度に空気調和(低温化)されて前述同様に内側空気室7から建屋内1aに供給されるようになる。つまり、屋内1aの使用済空調空気の低温状態の熱エネルギーを有効活用できるようになる。 【0060】冬季などの外気温が低く建屋内1aに暖房が必要な場合、前述の如く外側膜5を透過して外側空気室8に入射した太陽光線のうち赤外線が中間膜4を透過できず、そのまま外側空気室8に残って伝熱により該外側空気室8の空気が暖められる。この暖められた空気は排出ダクト13から排出されるが、このは排出空気は外気より高温で建屋内1aの所要の空調温度に近いので、導通ダクト25を通じて熱交換器23に導通し、この排出空気と大気中から取込む新鮮な外気とを必要量ずつ混合して、空調機22に空調用空気として取り込ませる。 【0061】これで、予め高温化した空調用空気を空調機22で更に所要の温度・湿度に調和して空調空気とし、送風ダクト27から空気吹込みダクト11を介して内側空気室7内に圧送し、そこから内側膜3を透過して建屋内部1aに供給し、該建屋内1aを空調(所要の温度に暖房)する。 【0062】以上の実施の形態によれば、年間の季節や昼夜を問わず気温・日射量などの外部変化に対して、建屋内1aの空調空気を常に野菜、果実、草花等の人工栽培ができ適正な状態に維持できるようになる。 【0063】 【発明の効果】本発明の三重構造簡易建屋は、以上詳述したようになしたから、空調設備から吹き込まれる空気圧により自立して建屋として適度な強度を保持でき、鉄製パイプ等の骨材や支柱が不要或いは少なくて済み、建屋として組立て設置並びに撤去・運搬等が容易で建設費が安く、しかも外部との断熱性に優れて常に新鮮な空気が吹き込まれて適切な空調が可能である。 【0064】また、断熱性に優れ、太陽光の影響が少なく、且つ年間を通して気候等の外部の変化にほとんど左右されずに、建屋内の空調が少ないエネルギーで常に適正な状態に維持でき、植物栽培等のビニールハウスなどとして最適で、非常に省エネタイプで経費の節減が図れる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004123 【氏名又は名称】日本鋼管株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年8月6日(1998.8.6) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100058479 【弁理士】 【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外4名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−50744(P2000−50744A) |
| 【公開日】 |
平成12年2月22日(2000.2.22) |
| 【出願番号】 |
特願平10−223105 |
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