| 【発明の名称】 |
育苗用ポット及びその製造法 |
| 【発明者】 |
【氏名】市川 雅常
【氏名】高橋 英勝
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| 【要約】 |
【課題】醤油粕の再資源化するための方法を提供する。
【解決手段】醤油粕とパルプを使用して調製された育苗用ポットおよびその製造法に関する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 醤油粕とパルプを用いて調製された育苗用ポット。 【請求項2】 塩分濃度が乾燥重量当たり2重量%以下である、請求項1記載のポット。 【請求項3】 塩分濃度が乾燥重量当たり1重量%以下である、請求項1記載のポット。 【請求項4】 醤油粕が加熱乾燥醤油粕である、請求項1記載のポット。 【請求項5】 ポットの外側にパルプ層、内側に醤油粕層からなるパルプ層/醤油粕層の二層構造を有する、請求項1記載のポット。 【請求項6】 パルプ層/醤油粕層/パルプ層の三層構造を有する、請求項1記載のポット。 【請求項7】 醤油粕とパルプを水に混合し、これをポットに成形後乾燥させることを特徴とする、育苗用ポットの製造法。 【請求項8】 醤油粕とパルプを別々の水に懸濁し、まずパルプ懸濁液を用いてポットに成形後、次に醤油粕懸濁液を用いてパルプ層の内側に醤油粕層を形成後、乾燥させることを特徴とする、パルプ層/醤油粕層の二層構造を有する育苗用ポットの製造法。 【請求項9】 醤油粕とパルプを別々の水に懸濁し、まずパルプ懸濁液を用いてポットに成形後、次に醤油粕懸濁液を用いてパルプ層の内側に醤油粕層を形成後、さらに醤油粕層の内側にパルプ層形成後乾燥させることを特徴とする、パルプ層/醤油粕層/パルプ層の三層構造を有する育苗用ポットの製造法。 【請求項10】 醤油粕が加熱乾燥醤油粕である、請求項7、8または9記載の製造法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明が属する技術分野】本発明は、醤油粕を使用して調製された育苗用ポット及びその製造法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】醤油醸造に伴い発生する醤油粕は日本全国で年間十数万トンとされ、その一部は飼料または肥料の原料として使用されているものの、大部分は焼却処分されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、リサイクル時代も反映し、醤油粕の再資源化は醤油醸造メーカーとして急務の課題であり、そのための研究開発が強く求められている。 【0004】 【課題を解決するための手段】そこで、発明者らは「地球に優しく」を合い言葉に、醤油粕の再資源化の方法に関し鋭意検討を重ねた結果、醤油粕を用いて調製した育苗用ポットが従来のポットと比較して意外にも様々な利点を有することを見いだし、本発明を完成させた。したがって、本発明は醤油粕を使用して調製された育苗用ポット及びその製造法に関するものである。 【0005】 【発明の実施の形態】本発明は、上述したように、醤油粕を使用して調製された育苗用ポットおよびその製造法に関するものである。ポット調製に用いる醤油粕は特別なものに限定されない。すなわち、本醸造方式、新式醸造方式、アミノ酸液混合方式などの各種方式により副製する醤油粕を原料として使用することができる。また、上述した通常の醤油粕以外にも、醤油様調味料、魚醤油、昆布醤油などを製造する際に発生する水不溶性画分も本発明においては醤油粕として利用することができる。 【0006】醤油粕は、圧搾などの固液分離手段を経て得られた乾燥前の醤油粕(生醤油粕)であってもかわないが、取扱い易さなどの点で加熱乾燥された醤油粕を用いるのが好ましく、特に乾燥脱臭された醤油粕(特開平6−153856号参照)が好適である。また、パルプとしては、針葉樹由来、広葉樹由来、古紙由来等の通常のものを使用でき、それらを混合して使用してもかまわない。 【0007】醤油粕とパルプの使用割合は、醤油粕1重量に対し、パルプを0.1〜10倍重量、好ましくは0.5〜5倍重量の範囲から目的とするポットの強度により適宜選択すればよい。また、醤油粕とパルプの水への添加量は、固形物の濃度として、0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%の範囲から適宜選択すればよい。育苗用ポットの調製は、上述の割合で醤油粕とパルプを水に混合し、これをポットの形に成形後乾燥させることにより行うことができる。すなわち、必要により予め粉砕した醤油粕とパルプを水に混合・撹拌し、これを通常のモルディングマシーンなどの成形機を用いて角形、円柱形など目的とするポットの形状に成形後、加熱などにより乾燥することで育苗用ポットを製造することができる。 【0008】上記の方法は、成形前にパルプと醤油粕が混合されているので、パルプと醤油粕の使用割合によっては、形成時のモルディングマシーンの金型のメッシュが目詰まりを起こしたり、醤油粕中の有機物の一部が予想以上に水相に流出しまうことがある。 【0009】このような不具合を改善するため、醤油粕とパルプを別々の水に懸濁し、まずパルプ懸濁液を用いてモルディングマシーンによりポットを成形後、次に醤油粕懸濁液を用いてパルプ層の内側に醤油粕層を形成後乾燥させることで、外側にパルプ層、内側に醤油粕層の二層構造を有する育苗用ポットを製造法することができる。また、醤油粕とパルプを別々の水に懸濁し、まずパルプ懸濁液を用いてポットに成形後、次に醤油粕懸濁液を用いてパルプ層の内側に醤油粕層を形成後、さらに醤油粕層の内側にパルプ層形成後乾燥させることで、パルプ層/醤油粕層/パルプ層の三層構造を有する育苗用ポットも製造可能である。 【0010】 【発明の効果】このようにして得られた育苗ポットは、従来のポットと比較して下記の(1)〜(4)の利点を有している。 (1)育苗ポットの塩分濃度は乾物当たり2重量%以下である。すなわち、醤油粕とパルプを一緒に、または別々に水に混合・撹拌し、これをモルディングマシーンなどの成形機を用いて成形する、いわゆる湿式成形法を採用しているため、ポット成形時に塩分が水相側に抜け、得られたポットの塩分濃度は乾燥重量当たり2重量%以下となる。醤油粕は優良な有機肥料であるにもかわらず、塩分濃度が高い(約6重量%)ためにその利用が制限されてきたが、本発明のポットはそのような欠点はない。 【0011】(2)苗とポットを丸ごと移植できる生分解性育苗用ポットである。すなわち、醤油粕は優良な有機肥料であり、しかも塩分濃度が2重量%以下、好ましくは1重量%以下に押さえられているため、塩分による植物の生育障害を起こす可能性もない。また、醤油粕は既に発酵が完了しているため、未発酵の有機資材(例えば、油粕、食品製造残渣、古紙パルプのみ)を用いた場合の欠点とされる土中における有機資材の発酵による植物生育障害を引き起こさない。さらに、加熱乾燥された醤油粕を用いることで、発酵済みの有機物(例えば、バ−ク)を使用した場合の分解が速すぎてポットが壊れ易くなるといった欠点も改善される。これは、醤油粕中の蛋白が加熱により変性を受けたために、土中における分解速度が遅延するためと思われる。 【0012】(3)保水性、通気性に富んだ育苗用ポットを低コストで製造できる。すなわち、有機資材を用いた従来の育苗用ポットで必要とされていた紙力強力剤などの高価なバインダーを必要としない(特開平4ー173024号参照)。また、醤油粕は保水性、通気性に富み、価格もハルプ同様非常に安価であり、醤油粕とパルプだけを必須とする本発明の育苗用ポットは低コストで製造することが可能である。ただし、任意により、殺菌剤や化学肥料を更に添加することは何等差し支えない。 【0013】(4)パルプ層/醤油粕層の二層構造またはパルプ層/醤油粕層/パルプ層の三層構造を有する育苗用ポットの場合には、成形時の目詰まりもなく、ポットの強度も確保でき、醤油粕中の有機物の流出も少ないので、パルプと醤油粕の混合物を用いて調製したポットよりもさらに有用なものである。 【0014】 【実施例】以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明がこれに限定されないことは明らかである。 実施例1醤油粕1kgを粉砕し、加熱乾燥後、水100リットル(L)の入ったタンクに添加し、撹拌してスラリ−状とした。これに、古紙パルプ1kgを加え、撹拌しながら更に水を約100L加え、乾燥固形物換算で1重量%になるように調整した。得られたスラリー液をモルデイングマシンに供給し、植木鉢状に成型後、加熱乾燥して育苗ポットとした。得られたポットの塩分濃度を測定した結果、0.1重量%程度であった。 【0015】実施例2醤油粕1重量に対し、古紙パルプを0.1〜10重量使用し、実施例1と同様に育苗用ポットを製造した。その結果、いずれの範囲でもポットを製造することは可能であった。 【0016】実施例3加熱乾燥醤油粕の1重量%のスラリー液と古紙パルプの1重量%のスラリー液を別々に用意し、まず古紙パルプのスラリー液をモルデイングマシンに供給してポットを成型後、続けて加熱乾燥醤油粕の1重量%のスラリー液をモルデイングマシンに供給し、醤油粕を重層後、乾燥してパルプ層/醤油粕層の二層構造を有する育苗用ポットを調製した。得られたポットは外側にパルプ層、内側に醤油粕層を有する。上記と同様の方法にて、パルプ層/醤油粕層/パルプ層の三層構造を有する育苗用ポットも調製した。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006770 【氏名又は名称】ヤマサ醤油株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年8月12日(1998.8.12) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2000−50742(P2000−50742A) |
| 【公開日】 |
平成12年2月22日(2000.2.22) |
| 【出願番号】 |
特願平10−227714 |
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