| 【発明の名称】 |
植木鉢およびその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】大杉 克仁
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| 【要約】 |
【課題】簡単な構造で水分の補給なども容易で、かつ陶磁器製であっても生産性を低下させることなく製造できる。
【解決手段】底面に通気孔を備えた内鉢と、この内鉢の外側に所定の空隙を有して設けられた外鉢とが同一底面にて一体となった植木鉢であって、内鉢の高さが外鉢の高さより高く、かつ内鉢の側壁が透水性である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 底面に通気孔を備えた内鉢と、この内鉢の外側に所定の空隙を有して設けられた外鉢とが同一底面にて一体となった植木鉢であって、前記内鉢の高さが前記外鉢の高さより高く、かつ前記内鉢の側壁が透水性であることを特徴とする植木鉢。 【請求項2】 外鉢と、この外鉢に内設でき、かつ高さが前記外鉢の高さより高い内鉢とをそれぞれ成形する工程と、うわぐすりを少なくとも内鉢と外鉢との接触面に塗り乾燥させて焼成する工程とを含むことを特徴とする陶磁器製植木鉢の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は植木鉢およびその製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】植木鉢は、園芸を楽しむ人々にとって草花の成育時に、あるいは観賞時に重要な要素となっている。このため、従来より多くの植木鉢が知られている。例えば、容器内を環状に二重に仕切り、外側に環状の隙間を形成した二重植木鉢としては、実開昭55−155453号公報、実開昭59−23942号公報、特開平7−298788号公報、特開平9−191770号公報等が開示されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の二重植木鉢は、構造が複雑であるものが多く、植木鉢自体の洗浄が困難であったり、水分の補給なども容易にできないなどの問題があった。また、陶磁器製植木鉢の場合、二重構造植木鉢とすることが製造工程上困難であるという問題があった。 【0004】本発明は、このような問題に対処するためになされたもので、簡単な構造で水分の補給なども容易で、かつ陶磁器製であっても生産性を低下させることなく製造できる植木鉢を提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明の植木鉢は、底面に通気孔を備えた内鉢と、この内鉢の外側に所定の空隙を有して設けられた外鉢とが同一底面にて一体となった植木鉢であって、内鉢の高さが外鉢の高さより高く、かつ内鉢の側壁が透水性であることを特徴とする。 【0006】また、本発明の陶磁器製植木鉢の製造方法は、外鉢と、この外鉢に内設でき、かつ高さが上記外鉢の高さより高い内鉢とをそれぞれ成形する工程と、うわぐすりを少なくとも内鉢と外鉢との接触面に塗り乾燥させて焼成する工程とを含むことを特徴とする。 【0007】本発明の植木鉢は、内鉢の高さが外鉢の高さより高く、かつ内鉢の側壁が透水性である二重構造の植木鉢とすることにより、内鉢と外鉢との所定の空隙に水分の補給を容易にできる。また、内鉢の側壁を透水性とすることにより、植木鉢に植えられた植物に水を補給し続けることができる。 【0008】また、陶磁器製の植木鉢を製造する場合に、うわぐすりを少なくとも内鉢と外鉢の接触面に塗り乾燥させて焼成することにより、うわぐすりが融着するときに内鉢と外鉢とが接着し一体化される。その結果、本焼き時に一体化された植木鉢が得られるため、製造工程が容易となる。 【0009】 【発明の実施の形態】本発明を図1により説明する。図1は陶磁器製植木鉢の断面図である。植木鉢1は、内鉢2と外鉢3とが所定の空隙4および同一の底面5を有して一体化された二重構造となっている。底面5には通気孔6が設けられている。また、内鉢2は長さhの差を有して外鉢3より突出している。長さhは、植木鉢全体のデザイン、植木鉢に必要とされる保水量、および空隙4への水供給のし易さにより調整する。具体的には、直径 120mmφ、高さ 120mm程度の内鉢2の場合、長さhは、10〜60mmが好ましい。10mm未満であると空隙4への水供給時に内鉢2に水が供給されてしまったり、あるいは外鉢3からこぼれてしまうなどの不具合が生じる。また、60mmを越えると保水量が少なくなり、デザイン的にも好ましくなくなる。内鉢2の高さが変化した場合には、長さhは、内鉢2の高さの約一割から五割の長さなることが好ましい。 【0010】内鉢2は、その側壁部2aが透水性構造となっている。陶磁器製植木鉢の場合、最終製品状態において、内鉢2を素焼き状態とすることにより透水性構造を得ることができる。内鉢2における側壁部2aの面積は、うわぐすりの塗布状態により、任意に変化させることができる。すなわち、うわぐすりを塗布しない部分のみが透水性構造となる。本発明の植木鉢は、側壁部2aを除いた他の部分、すなわち内鉢2の上部、外鉢3の全面、底面5の全面部分は、うわぐすりを塗布して焼成することにより、非透水構造とすることが好ましい。特に、外鉢3の全面、底面5の全面部分は、うわぐすりを塗布することにより、美的な外観と空隙4に供給された水が側壁部2aを通して内鉢2のみに浸透するので好ましい。すなわち、本発明においては、うわぐすりを用いて、内鉢2と外鉢3とを接着するとともに、うわぐすりの有する非透水性を利用して水の補給槽を内鉢2と外鉢3との空隙に形成し、うわぐすりを塗布していない側壁部2aを通して水を内鉢2に供給するものである。 【0011】陶磁器製植木鉢の陶磁器原料としては、粘土類、カオリン、ロウ石、セリサイト、ベントナイト等の可塑性原料、けい砂、けい石などの石英類、焼粉、素地粉などの非可塑性原料、長石、石灰石、マグネサイト、ドロマイト、滑石、ケイ灰石、骨灰などのリン酸カルシウム類、フリット類などの媒溶材原料を必要に応じて配合することができる。 【0012】なお、本発明は、図1に示す二重構造であれば、陶磁器製に限らず、他の材料も使用することができる。例えば、植木鉢全体をプラスチックス材料で作製して、内鉢2の側壁を多孔質プラスチックス、あるいは微細な細孔を設けたプラスチックスとすることにより透水性内鉢を有する二重構造植木鉢とすることができる。また、二重構造であれば、内鉢2および外鉢3の平面図よりみた形状はそれぞれ円形のみでなく、方形であってもよく、内鉢2および外鉢3の形状が相似形状であっても、異形状であってもよい。 【0013】陶磁器製植木鉢の製造方法について図2により説明する。図2は製造工程を示す斜視図である。なお、図2(a)および(b)において、外鉢3は一部切り欠き断面を示している。それぞれ調合された陶磁器原料用いて、内鉢2と外鉢3とが成形される(図2(a))。成形方法としては、鋳込み成形、ろくろ成形、押出し成形、プレス成形、あるいはこれらの組合せ等を用いることができる。また、内鉢2と外鉢3との底面を同一とするために、内鉢2の底面部分は大径とし、直径方向断面でみた場合、L字型となるように成形することが好ましい。このような形状とすることにより、焼成時における底面の歪みを少なくし、かつ、うわぐすりにより内鉢2と外鉢3とを容易に接着することができる。また、軽量化も図ることができる。外鉢3は、その底面に植木鉢全体の通気孔6を設けて成形する。なお、外鉢3自体のみでも単独の植木鉢として使用できる。 【0014】次に、成形された内鉢2と外鉢3との素焼きを行なった後、必要な部分にうわぐすり7を塗布する(図2(b))。なお、陶磁器原料によっては、成形された内鉢2と外鉢3を乾燥後、うわぐすり7を塗布することもできる。うわぐすり7は、内鉢2と外鉢3とを接着させる機能を有しているため、少なくとも内鉢2と外鉢3の接触面に塗布する。うわぐすりの好ましい塗布方法としては、外鉢3の全面、および透水性部分となる側壁部を除いた内鉢2の上部部分に塗布することが好ましい。特に、内鉢2の高さが外鉢3の高さより高い場合、うわぐすり7を内鉢2の上部のみに塗布することができるため、好ましい植木鉢構造である。 【0015】外鉢3の内部に内鉢2を設置して本焼き焼成を行なって植木鉢1が得られる(図2(c))。この焼成工程で、うわぐすり7を塗布された部分に薄いガラス質が形成され、非透水性となり、また表面に光沢が出る。それとともに、内鉢2の底部が外鉢3の内面に接着硬化することによって内鉢2と外鉢3とが一体化して植木鉢1が得られる。なお、焼成工程後に種々の顔料などを用いて彩飾を行なってもよい。 【0016】本発明の方法は、内鉢2と外鉢3とをそれぞれ別個に作製して焼成工程で一体化させるため、二重構造の植木鉢であっても容易に作製することができる。また、複雑な形状であっても容易に作製することができることから、例えば、外鉢3の内部に傾斜した内鉢2を設けること、あるいは、その逆とすることもできる。このように、本発明はデザイン的にも自由度のある植木鉢を得ることのできる製造方法といえる。 【0017】 【発明の効果】本発明の植木鉢は、内鉢の高さが外鉢の高さより高く、かつ内鉢の側壁が透水性であるので、植木鉢に植えられる草花等の水分の補給などが容易にできる。すなわち、内鉢と外鉢との空隙部に水を供給する際に、内鉢に水分を誤って補給することなく空隙部に水を補給できる。また、補給された水が空隙部を通して徐々に内鉢内に供給される。 【0018】本発明の陶磁器製植木鉢の製造方法は、外鉢と内鉢とをそれぞれ成形する工程と、うわぐすりを少なくとも内鉢と外鉢の接触面に塗り乾燥させて焼成する工程とを含むので、複雑な形状の二重構造植木鉢であつても、生産性を低下させることなく容易に製造することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】598106382 【氏名又は名称】株式会社カサダ
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| 【出願日】 |
平成10年8月7日(1998.8.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100100251 【弁理士】 【氏名又は名称】和気 操
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| 【公開番号】 |
特開2000−50734(P2000−50734A) |
| 【公開日】 |
平成12年2月22日(2000.2.22) |
| 【出願番号】 |
特願平10−223804 |
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