| 【発明の名称】 |
酒米の生産情報の提供方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】佐竹 覺
【氏名】保坂 幸男
【氏名】丸山 秀春
【氏名】中村 信彦
|
| 【要約】 |
【課題】本発明では、酒米を生産するための情報を複数の生産者から収集して、施肥法等と品質・品位との関連を明らかにして、酒米を生産するための情報を広く公開できる酒米の生産情報の提供を可能にした方法の提供を課題とする。
【解決手段】生育段階で得られる葉身情報5と、生育段階で得られる施肥量を含む栽培情報6と、収穫した米のタンパク量を含む品質情報3及び、これら各情報を関連づけるコ−ドとを含む生産情報を蓄積する情報収集過程と、該情報収集過程で取り入れた品質情報から目的の米のコ−ドを抽出し、前記コ−ドの米における葉身窒素情報5と栽培情報6とを解析して目的の米のコ−ドを抽出する解析過程と、抽出したコ−ドに基づく前記各情報を体系的に整理して提供する情報提供過程とからなる酒米の生産情報の提供方法とした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】生育段階で得られる葉身情報と、生育段階で得られる施肥量を含む栽培情報と、収穫した酒米の心白量を含む品質情報及び、これら各情報を関連づけるコ−ドとを含む情報を蓄積する情報収集過程と、該情報収集過程で取り入れた情報を解析して目的の酒米のコ−ドを抽出する解析過程と、抽出したコ−ドに基づく前記各情報を体系的に整理して提供する情報提供過程とからなる酒米の生産情報の提供方法であって、解析過程で、品質情報から目的の酒米のコ−ドを抽出し、前記コ−ドの酒米における葉身情報と栽培情報とを解析することを特徴とする酒米の生産情報の提供方法。 【請求項2】分けつ終了時期から出穂期における葉身情報と栽培情報を解析することを特徴とする請求項1記載の酒米の生産情報の提供方法。 【請求項3】情報には、未熟粒の含有率を含む品位情報を含むことを特徴とする請求項1記載の酒米の生産情報の提供方法。 【請求項4】目的の酒米のコ−ドと情報提供先のコ−ドに基づいて情報を解析し、これらを比較可能に並記して提供することを特徴とする請求項1記載の酒米の生産情報の提供方法。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】酒米の生産者に、目的の酒米を生産するための稲の栽培などの生産情報を提供する方法に関する。 【0002】 【従来の技術】これまでの稲作の生産管理は、この管理の情報となる稲の葉色や草丈あるいは茎数などを生産者が独自に収集して稲の栄養診断を実施し、生産者の経験に基づく勘を頼りに独自の施肥を実施してきた。 【0003】しかしながら、生産者は必ずしも目的の酒米(例えば心白米の多い酒米)を生産するための原理や手法をすべて把握した上で施肥するのではなく、長年生産してきた圃場の施肥法を踏襲して行っていることも多く、そのような方法がその米の生産に妥当なものであるかどうかを他と比較して判断する機会は、JAや改良普及所の営農指導者から情報を得るときであった。 【0004】また一方では、収穫した後において心白の大きさや心白米の比率やタンパク質などの成分、あるいは粒揃いの割合などを測定する品質・品位測定装置は多く開発されているものの、これらの情報が体系的に集約された情報として生産者の栽培管理に効果的に反映されたことはなかった。ただ、これらの情報が提供されても、施肥量や施肥時期と品質・品位の情報との関係に基づき理解した上で栽培管理に反映することは難しく、結果的に勘と経験に頼ることになっていた。つまり、これまでは個々人の持っている米の栽培の管理技術が個人に留まり他者が利用できる形で公開される方法がなかった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】以上のように、これまで個人の経験やこれに基づく勘によってなされてきた栽培管理と、その結果得られる酒米の品質・品位とを関連づけて、体系づけることはなかったので、このような個人により確立された栽培管理はあくまで個人のノウハウとして広く公開されることはなかった。しかも生産者個人が持つ施肥法を中心とした栽培管理は、米を生産するためのノウハウとして個人レベルで体系的にまとめることは難しいことである。したがって、本発明では、米を生産するための情報を複数の生産者から収集して、栽培管理と品質・品位との関連を明らかにして、酒米を生産するための情報を広く公開できる酒米の生産情報の提供を可能にした方法の提供を課題とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明による請求項1では、生育段階で得られる葉身情報と、生育段階で得られる施肥量を含む栽培情報と、収穫した酒米の心白量を含む品質情報及び、これら各情報を関連づけるコ−ドとを含む情報を蓄積する情報収集過程と、該情報収集過程で取り入れた情報を解析して目的の酒米のコ−ドを抽出する解析過程と、抽出したコ−ドに基づく前記各情報を体系的に整理して提供する情報提供過程とからなる酒米の生産情報の提供方法であって、解析過程で、品質情報から目的の酒米のコ−ドを抽出し、前記コ−ドの酒米における葉身情報と栽培情報とを解析する酒米の生産情報の提供方法により、課題を解決するための手段とした。 【0007】つまり、これまで全く別個に取り扱われていた、生育段階で利用される葉身窒素量及び経験に基づいて施されていた施肥量等と、その結果生産された酒米の品質情報を、例えば生産者とか生産地、あるいは品種等のコ−ドに関連づけて蓄積し、品質情報から、目的の品質情報となる酒米のコ−ドに基づいて、栽培時期にフィ−ドバックさせて葉身情報と栽培情報を解析し、酒米を生産するにあたり、例えば酒米の心白の発現と収量とを決定づけるとされる時期の栽培条件である葉身窒素量と施肥量とを情報として提供するものである。解析は様々形態が可能であるが、例えば目的とする酒米のコ−ドから、そのコ−ドに連なる栽培情報や品質情報を引き出し、施肥の時期とこの施肥の前後の葉身情報から、特に最高分けつ期から出穂期における施肥と葉身情報との関係をグラフ化することもある。また、目的とする酒米と同等の酒米が多く記録されている場合には、複数の情報が利用でき、目的の酒米に連なる複数のコ−ドから、複数の品質情報を得て、心白粒歩合ごとの度数をグラフ化したり、たんぱく質の情報があれば心白と蛋白質との関係をグラフ化することもある。 【0008】これにより、酒米の粒揃い・未熟といった組成や心白の出現量という栽培結果の情報と、栽培途中における葉身窒素量や施肥量といった栽培段階での情報が、関連づけて提供できるだけでなく、目的の米を生産するための情報として提供できるので、個人の段階で留まっていたノウハウ的栽培情報が広く公開され、酒米の生産に大きく貢献できるようになった。ここで葉身窒素量は葉身情報として取り入れるものであるが、葉身情報は、葉身窒素量にかえて葉身窒素量と相関するクロロフィル量、このクロロフィル量と相関する葉色値を測定値として取り入れてもよい。 【0009】また、請求項2は請求項1に関し、分けつ終了時期から出穂期における葉身情報と栽培情報を解析する酒米の生産情報の提供方法とした。これは分けつ終了以前の他の時期における栽培方法を従来の栽培方法のままとしても、分けつ終了時期から出穂期における葉身情報と施肥量を含む本発明による生産情報を得ることにより、その後の籾殻の数や籾殻への実の充実度を制御することが可能であり、この期間の葉身窒素量を測定してその窒素量に応じて施肥量を決定することができる。つまり従来葉色の程度により経験に基づいて施肥量を決定するような施肥方法ではなく、過去の実績である、目的の酒米を生産するために得た米の生産情報の葉身窒素情報と栽培情報に基づき、現在の葉身窒素量を測定するだけで、目的の米を生産するため施肥量をいかほどにすべきかを容易に決定でき、計画性のある栽培方法とすることができる。より具体的には、ある時期に測定した葉身窒素量と、提供された情報による目的の酒米を得るための施肥量と葉身窒素量とから、葉身窒素量の差を求めその差から施肥量を決定実施して、更に別の時期に葉身窒素量を測定して前回の施肥量が適切な量であったかを提供された情報と比較して判断するとともに現在の窒素量の過不足を判断して、施肥量を決定実施することができる。 【0010】請求項3では、請求項1に関連して、情報には未熟粒の含有率を含む品位情報を含む米の生産情報の提供方法とした。品位情報では、未熟粒や死米などを測定して整粒歩合を求めてあるので、実の充実度をも生産情報として提供することができる。施肥量の大小によって、収量と心白が相反する形で変動するので、品位情報を取り入れることで、食味だけでなく収量の面での栽培制御が可能となる。 【0011】請求項4では、請求項1に関連して、目的の酒米のコ−ドと情報提供先のコ−ドに基づいて情報を解析し、これらを比較可能に並記して提供する米の生産情報の提供方法とした。 【0012】目的の酒米のコ−ドにおける酒米の生育段階の栽培情報と、情報提供先の生育段階の栽培情報とを並記して情報提供するので、客観的に良食味米を生産する栽培方法と自らの栽培方法にどの程度の違いがあるのか、あるいはどこをどの程度修正すれば良いのかを理解できる情報を提供することができる。目的の酒米とは、心白米が多いとか粒張り粒揃いがよい酒米といった良い見本となる酒米であったり、逆に心白米が少なく粒揃いが悪い酒米といった悪い見本となる酒米であったりと、決して良い例だけが目的の酒米となるとは限らない。つまり、良い例は良い酒米を栽培するための情報として参考とし、悪い例は好ましくない酒米を栽培しないための情報として参考とするなど、目的の酒米とは、利用者の必要性に応じて変わるものである。 【0013】 【発明の実施の形態】本発明による好適な実施例を図1乃至図3により説明する。図1は本発明の酒米の生産情報の提供方法1を示すブロック図であり、図2は、本発明の酒米の生産情報の提供方法により提供される情報の一例である。また、図3は、稲の生育を示す図である。本発明は、多品種で大量の穀物が持ち込まれる穀物処理施設、例えばライスセンタ−やカントリ−エレベ−タあるいはJA・営農指導において活用できるものである。 【0014】ここでは良い酒米の生産を目的としていることを前提として以下説明する。まず、良酒米生産情報の提供方法のシステムについて説明する。システムの中心部には、各種情報を総合的に解析する解析部2があり、この解析部2は一般的なパ−ソナルコンピュ−タ(以下「PC」という)とデ−タ蓄積装置及びPCに使用されるデ−タ解析のためアプリケ−ションから構成される。このPCには、生産者が持ち込む穀物そのものを穀物処理施設に設置される米形状分析装置(以下「形状測定機」という)や米食味評価装置(以下「食味計」という)で測定して得られるデ−タである品質情報3(心白、蛋白質、水分、食味値)や米粒の品位測定機で測定して得られる品位情報4(未熟粒、被害粒、死粒、着色粒、整粒歩合)を入力する。ここでの入力は、形状測定機、食味計及び品位測定機で得られたデ−タを手入力しても良いし、各装置と解析部2とを電気的に接続してデ−タを直接送信してもよい。 【0015】更に解析部2には、各生産者が稲の生育段階で測定あるいは記録した稲の葉身窒素量情報5と、生育段階で得られる施肥量を含む栽培情報6(施肥量、施肥時期、防除、水管理)とを入力する。稲の葉身窒素量情報5は、生育段階での稲の葉に含まれる窒素量を測定したものであり、図3で示すような稲の田植後の分けつ期から成熟期までの生育段階全般に亘る測定情報であることが最適であるが、実りの重要な時期である少なくとも幼穂形成期から出穂期の期間の測定値であれば良い。その中でも幼穂形成期と減数分裂期、更に出穂期前という稲の生育段階での特徴的な変化を見せる時期のデ−タが含まれていることが重要である。この葉身窒素量情報5は、近赤外線を照射して得られる窒素量に関連する波長の吸光度と、窒素量と吸光度との関係から得た検量線とから求めるようにした葉の窒素量測定装置で求め、電気的記録媒体に記憶できるデ−タとして蓄積することにより、デ−タの受け渡しと解析部2によるデ−タ解析が容易となる。 【0016】栽培情報6は、生産者によって記録されたものであり、前述した各生育段階における施肥量の他に、茎数及び草丈の推移等の情報を含めることもあるが、施肥量においては少なくとも穂肥(あるいは実肥を含めて)と称される時期の施肥量が含まれていることが重要である。なお、この手の情報の記録は手作業によるものが一般的であるが、記録のフォ−マットを定めて生産者のPC等に記録して電気的記録媒体に記憶できるデ−タとして蓄積することにより、デ−タの受け渡しと解析部2によるデ−タ解析が容易となる。 【0017】また、以上の品質情報3、品位情報4、葉身窒素量情報5及び栽培情報6等の生産情報収集では、この情報の収集とともに個別のデ−タを任意のコ−ドでリンクさせて整理することが重要である。例えば生産者固有のコ−ドのほか圃場や地域別あるいは品種別のコ−ドを付加することで、解析部2での解析が、生産者別や圃場別あるいは地域別と、より細かく実施できる。 【0018】このように収集された情報は、解析部2において以下のように解析される。つまり、この収集によって取り入れた生産情報のうち、品質情報と品位情報とから、心白米が多く低タンパク値となった米であり整粒歩留まりの良い米のコ−ド、または全てについて良い値を示した米のコ−ドを抽出する。抽出したコ−ドには個別のデ−タがリンクしているので、コ−ドに基づく葉身窒素量情報5及び栽培情報6を引き出し前記各情報を体系的に、例えば稲の生育過程順に整理することで、心白米が多く低タンパクで整粒歩留まりの良い米を栽培するための栽培情報である、例えば施肥の時期や施肥量の情報が抽出できるようになる。このようにして良い酒米の生産情報7が提供される。 【0019】ここで得られる施肥の時期や施肥量の情報は、良い酒米を生産した生産者の情報で、適当な時期の葉身窒素量や施肥の時期と施肥の量を体系的にまとめた情報である。この情報はこれまで個人の経験に基づいて蓄積されたノウハウ的要素の大きいものであり、数値的にまた体系的にまとめることができなかった情報であるが、本発明ではこれを生産情報7として開示するだけでなく、稲の栽培において比較的重要な時期である、幼穂形成期(あるいは減数分裂期と出穂期前を含めた)分けつ終了時期から出穂期における葉身窒素量情報と施肥量を含む栽培情報の関係を数値で明確に表すことができる。 【0020】例えば、良い酒米を生産した生産者の栽培デ−タのうち、幼穂形成期の稲の最適な葉身窒素量とその時期に施される穂肥の量(あるいは減数分裂期、出穂期前の稲の最適な葉身窒素量とその時期に施される穂肥の量と)を生産情報として各生産者へ提供することにより、他の生産者は次期の生産において、この時期の葉身窒素量の値を最適な葉身窒素量となるべく施肥量等を調整することができる。多くの情報の中から良い酒米となった米を探索してその米の過去の一定時期の葉身窒素量と施肥量との関係を数値的にまとめて解析しそれを栽培情報として提供するものである。 【0021】 【実施例】さらに良い酒米となるコ−ドと情報提供先のコ−ドに基づいて情報を解析し、これらを比較可能に並記して提供するものを図2に示す。まず図2(a)では、収集された生産者の米の個々のタンパク量を集計してグラフ化し、情報提供先の生産者の位置を示している。タンパク質の値は酒米の心白米の量を大きく左右することや、更にタンパク質の含量が高いと吸水性、消化性が劣り、アミノ酸度が高くなることが知られており、情報提供先の生産者のこの全体における位置とタンパク質の量を知ることで、生産した米の品質を知るだけでなく、タンパク質の量を左右する施肥量をどのように加減すれば良いかを判断することができる。 【0022】図2(b)には、収集された生産者の米の個々の心白粒歩合を集計してグラフ化し、情報提供先の生産者の位置を示している。登熟は稲の葉における光合成により生産される澱粉が籾殻の中に米粒として十分蓄積された状態を指しているが、この光合成の過程で葉の窒素分も同時に穂に流れ込み葉身窒素量も徐々に低下してくる。したがって、ある程度土壌から窒素分補給が必要であるが、窒素量が低下したままだと光合成が低下して、未熟米や死米が発生する原因となる。つまり窒素量が不足すると、登熟期における籾殻への米粒としての澱粉の蓄積が十分になされず整粒歩合が低下するが、逆に窒素量過多となると心白発現が低下することから、この図2(b)から、全体における位置と心白粒歩合を知ることで、生産した米の品位を知るだけでなく、心白粒歩合を左右する施肥量をどのように加減すれば良いかを判断することができる。 【0023】図2(c)では、良い酒米を生産した優良生産者が実際にどの程度の施肥量であったのか、重要な時期の施肥量に対する葉身窒素量の変化はどのようであったかを、葉身窒素量のデ−タと経過時間とによりグラフ化し、更に情報提供先の生産者のデ−タと比較表示したものである。優良生産者は、基肥(1)、穂肥(1)及び穂肥(2)とを、それぞれ4(Kg/10a)、2及び1と施している。またその中でも穂肥(1)は出穂期の15日前に、穂肥(2)は出穂期の7日前に実施していることが理解できる。ここで優良生産者が穂肥(1)を実施する時期の稲の葉身窒素量が2.8%であったのに対して、同じ時期の情報提供先の生産者の稲の葉身窒素量は3.4%であったことを示し、更に穂肥(2)を実施する時期の稲の葉身窒素量が2.2%であったのに対して、同じ時期の情報提供先の生産者の稲の葉身窒素量は2.8%であったことを示している。これらから、情報提供先の生産者の栽培は全般的に施肥量が多く葉身窒素量が優良生産者のそれよりも多くなっており、最終的に図2(a)のようにタンパク質の含有量が多い米となってしまったことが理解できる。同じく整粒歩合は、幼穂形成期における施肥量が多いと草丈が大きく籾殻の数が多く形成されるようなことから、全ての籾殻に米粒として澱粉が蓄積されず十分登熟しない状態で刈り取りされると整粒歩合が自ずと低下するものとなる。 【0024】ここでは穂肥について言及したが、基肥の時期とその時期における葉身窒素量及び施肥の時期を加え、全体的な栽培調整をすることも可能である。このときにおいても、施肥と葉身窒素量のデ−タをほぼ同時期に取得することにより、施肥の効果を次回の葉身窒素量測定において確認することができ、それに応じて施肥量を決定することができるので、施肥量を勘に頼ることなく数値で的確に把握することができる。 【0025】以上は良い酒米を生産するための情報を提供する実施例であるが、逆に悪い酒米が生産されたときの情報を提供することにより、米の生産にあたり禁じ手となる栽培方法を公開することができ、やってはならない栽培情報を知ることで大きな失敗のない栽培が可能となる。あるいは米の収量が多い場合の情報を提供することで、最良の酒米であることよりも収量を目的として生産する生産者に最適の生産情報を提供することも可能である。 【0026】 【発明の効果】請求項1によると、品質情報から、目的の酒米となる米のコ−ドに基づいて、栽培時期にフィ−ドバックさせて葉身窒素情報と栽培情報を解析し、米を生産するにあたり、例えば米の心白粒の量と収量とを決定づけるとされる時期の生育条件である窒素量と施肥量とを情報として提供するものである。 【0027】つまり、整粒・未熟といった組成や心白粒の量という生育結果の情報と、葉身窒素量や施肥量といった生育段階での情報が、関連づけて提供できるだけでなく、目的の米を生産するための情報として提供できるので、個人の段階で留まっていたノウハウ的生育情報が広く公開され、米の生産に大きく貢献できるようになった。 【0028】また、請求項2によると、分けつ終了時期から出穂期における葉身窒素量情報と施肥量を含む本発明による生産情報を得ることにより、その後の籾殻の数や籾殻の中の実の充実度を制御することが可能であり、この期間の葉身窒素量を測定してその窒素量に応じて施肥量を決定することができる。つまり従来の葉色の程度により施肥量を勘で決定するような経験に基づく施肥方法ではなく、過去の実績である、目的の酒米を生産するために得た酒米の生産情報の葉身窒素情報と栽培情報から、現在の葉身窒素量を測定するだけで、目的の酒米を生産するため施肥量をいかほどにすべきかを容易に決定でき、計画性のある栽培方法とすることができる。 【0029】請求項3によると、品位情報では、未熟粒や死米などを測定して整粒歩合を求めてあるので、実の充実度をも生産情報として提供することができる。施肥量の大小によって、収量と心白粒の量が相反する形で変動するので、品位情報を取り入れることで、心白粒の量だけでなく例えば収量の面での栽培制御が可能となる。 【0030】請求項4によると、目的の米のコ−ドにおける米の生育段階の栽培情報と、情報提供先の生育段階の栽培情報とを並記して情報提供するので、客観的に良い酒米を生産する栽培方法と自らの栽培方法にどの程度の違いがあるのか、あるいはどこをどの程度修正すれば良いのかを理解できる情報を提供することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000001812 【氏名又は名称】株式会社佐竹製作所
|
| 【出願日】 |
平成10年8月11日(1998.8.11) |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開2000−50732(P2000−50732A) |
| 【公開日】 |
平成12年2月22日(2000.2.22) |
| 【出願番号】 |
特願平10−227062 |
|