| 【発明の名称】 |
植栽用ボックス |
| 【発明者】 |
【氏名】大島 礼治
【氏名】今崎 敏志
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| 【要約】 |
【課題】箱体が傾斜して載置された場合にあっても、箱体内底面全域に適量の水をほぼ均等に保持しておくことが出来る植栽用ボックスを提供すること。
【解決手段】植栽用ボックス1内に水が供給されると、底部3に設けられた凹部5内に所定量の水が保持され、余分な水は連通孔9から外部に排出されるようになっているとともに、植栽用ボックス1が傾斜された状態に配設された場合において、水は植栽用ボックス1内の傾斜下位側に偏り傾斜下位側の連通孔9より排出されるが、一部の水は所定深さを有する各凹5部内にそれぞれ貯留されて傾斜下位側への流出が防止されるので、傾斜下位側と傾斜上位側とにそれぞれ水が均等に保持される。よって適宜期間内に植栽用ボックス1内の局所に必要量以上の水が保持されて植栽された植物が根腐れを起こしたり、逆に必要量の水が供給されず、植物が枯死することがない。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内部に盛土出来るように箱状に構成された植栽用ボックスであって、前記ボックスの底部には、該底部を規定する区画基準面が形成されるとともに、この区画基準面により所定深さを有する凹部が前記底部全域に複数形成され、さらに前記ボックスの側部には、ボックス内部と外部とを連通する連通孔が、少なくとも前記区画基準面とほぼ同高さ位置、もしくはそれより上方位置に形成されていることを特徴とする植栽用ボックス。 【請求項2】 前記側部外面には、前記連通孔より側部の端縁部まで延びる凹溝が形成されている請求項1に記載の植栽用ボックス。 【請求項3】 前記底部の下面に、前記ボックスの載置面に当接する突部が複数設けられている請求項1または2に記載の植栽用ボックス。 【請求項4】 前記区画基準面所定箇所に、所定高さを有する支柱が複数突設されている請求項1ないし3のいずれかに記載の植栽用ボックス。 【請求項5】 前記支柱の側面、及び側部内面に、上下方向に伸びる複数のスリットが形成されている請求項4に記載の植栽用ボックス。 【請求項6】 複数ある前記支柱のうち少なくともいずれか1つの支柱に、放射状に延びる少なくとも1つのフィンが形成されている請求項4または5に記載の植栽用ボックス。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、植物や農作物等の苗または苗木等を植栽する際に用いられる植栽用ボックスに関する。 【0002】 【従来の技術】従来、内部に盛土可能な箱体等を利用して植栽を行う場合、植栽された苗または苗木への給水時において苗または苗木の根や土中内に吸収、もしくは保持されなかった水が箱体内下方に貯留されたままになると苗または苗木の根腐れ等を引き起こす要因となり得るため、この種の箱体には一般的に水抜き穴が設けられ、箱体内の水を外部に排出出来るようになっている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この水抜き穴を箱体の底板所定箇所に設けると、適宜量の給水がなされた際に、苗または苗木の根や土中に吸収、もしくは保持されなかった水は水抜き穴から随時外部に排出されてしまうため、給水を定期的に行う必要があり、手間がかかるといった問題があった。 【0004】そこで、水抜き穴を箱体の側面に設けて、箱体内に適量の水を保持し、給水後所定期間はその保持された水が根に供給されるようにすることが考えられるが、このような場合においても、例えば箱体が傾斜地等において傾斜状態に載置されると、箱体内の水が傾斜下位側に偏り、傾斜下位側の苗または苗木が根腐れを起こしやすくなったり、あるいは傾斜上位側には水が保持されず、傾斜上位側の苗または苗木が枯れやすくなることがあった。 【0005】本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、箱体が傾斜して載置された場合にあっても、箱体内底面全域に適量の水をほぼ均等に保持しておくことが出来る植栽用ボックスを提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明の植栽用ボックスは、内部に盛土出来るように箱状に構成された植栽用ボックスであって、前記ボックスの底部には、該底部を規定する区画基準面が形成されるとともに、この区画基準面により所定深さを有する凹部が前記底部全域に複数形成され、さらに前記ボックスの側部には、ボックス内部と外部とを連通する連通孔が、少なくとも前記区画基準面とほぼ同高さ位置、もしくはそれより上方位置に形成されていることを特徴としている。この特徴によれば、植栽用ボックス内に水が供給されると、底部に設けられた凹部内に所定量の水が保持され、余分な水は連通孔から外部に排出されるようになっているとともに、植栽用ボックスが傾斜された状態に配設された場合において、水は植栽用ボックス内の傾斜下位側に偏り傾斜下位側の連通孔より排出されるが、一部の水は所定深さを有する各凹部内にそれぞれ貯留されて傾斜下位側への流出が防止されるので、傾斜下位側と傾斜上位側とにそれぞれ水が均等に保持される。よって適宜期間内に植栽用ボックス内の局所に必要量以上の水が保持されて植栽された植物が根腐れを起こしたり、逆に必要量の水が供給されず、植物が枯死することがない。 【0007】本発明の植栽用ボックスは、前記側部外面には、前記連通孔より側部の端縁部まで延びる凹溝が形成されていることが好ましい。このようにすれば、互いの側板同士が当接するように複数の植栽用ボックスが連続して配設され、一方の連通孔が他方の側板により閉塞された場合にあっても、凹溝により植栽用ボックス内と外部との連通路が確保されるので、水の排出、あるいは空気の供給機能が損なわれることがない。 【0008】本発明の植栽用ボックスは、前記底部の下面に、前記ボックスの載置面に当接する突部が複数設けられていることが好ましい。このようにすれば、底板の底面と載置面との間に形成される隙間により、植栽用ボックスを表面が凹凸状の載置面等に載置した場合における植栽用ボックスの安定性が向上する。また、傾斜面上に複数の植栽用ボックスが連続して配設された場合、植栽用ボックスの下方に水の排出路が確保される。 【0009】本発明の植栽用ボックスは、前記区画基準面所定箇所に、所定高さを有する支柱が複数突設されていることが好ましい。このようにすれば、支柱上方には植物が生育しにくくなるので、間引きと同様の効果が得られるとともに、植栽用ボックスが傾斜して載置された時に植栽用ボックス内の土が支柱により支持されるので、土の傾斜下位側への流出が防止され、土圧に偏りが生じにくくなり、根周りが安定する。 【0010】本発明の植栽用ボックスは、支柱の側面、及び側部内面に、上下方向に伸びる複数のスリットが形成されていることが好ましい。このようにすれば、苗または苗木の根が周辺に設けられたスリット方向に向けて伸びようとするため、根が絡みにくくなるとともに、根周りが安定する。 【0011】本発明の植栽用ボックスは、複数ある前記支柱のうち少なくともいずれか1つの支柱に、放射状に延びる少なくとも1つのフィンが形成されていることが好ましい。このようにすれば、支柱より外方に張り出されたフィンにより土の傾斜下位側への移動が効果的に防止される。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明すると、まず図1には本発明の実施例としての植栽用ボックス1を利用して植物の苗木Pが植栽された状態が示されている。この植栽用ボックス1は側部としての側板2と、底部としての底板3とから上面が開口する箱体状に形成されており、植栽用ボックス1内部に養土等を盛土出来るようになっている。 【0013】図1〜3に示されるように、底板3には、区画壁4がそれぞれ平面視でマトリックス状に配設されており、この区画壁4の上面4aにより、植栽用ボックス1の底部の区画基準面が構成されているとともに、この上面4aに対して、植栽用ボックス1内に適量の水を保持すべく複数の凹部5がそれぞれ個々に独立して形成されている。また、本実施例におけるこれら複数の凹部5は、深さが全てほぼ均一であるとともに、底板全域にわたって均等間隔に形成されている。 【0014】縦横方向に配設される区画壁4の交差部には、植栽された苗木の根周りを安定支持するための支柱7がそれぞれ所定高さに複数立設されているとともに、この支柱7が立設される交差部を除く区画壁4の上面(区画基準面)4aには複数の丸穴6が形成されており、この丸穴6内部にも水が保持されるようになっている。 【0015】また、支柱7の外側面、及び側板2の内側面には、複数のスリット8が縦方向に形成されている。植物の根は、暗く、細い空間方向に向かって生育するという性質を有するため、このようにスリット8が形成されることにより、植栽された植物の根がそれぞれ周辺のスリット8方向に広がるように延びるため、根が土中において絡み合いにくくなり、根付き性が向上する。 【0016】植栽用ボックス1の側面を構成する四方の側板2には、それぞれ植栽用ボックス1内と外部とを連通する連通孔9がそれぞれ所定間隔おきに複数形成されており、植栽用ボックス1内の余分な水を適宜外部に排出出来るようになっているとともに、通常時においては土中と外部とが連通されて土中の根にも空気の供給がなされ、根腐れ等が防止されるようになっている。なお、この連通孔9は特に図3、5に示されるように最下部が区画壁4の上面4aよりも若干上方に位置するように形成されているが、ほぼ同高さ位置に形成されていてもよい。 【0017】側板2の外面には、側板2の下端部まで延びる凹溝10が連通孔9から連設されているので、例えば図6に示されるように、複数の植栽用ボックス1を互いの側板2同士が当接するように隣接して設けるような場合において、一方の連通孔9が他方の側板2により閉塞されても、凹溝10を介して連通孔9と外部との連通が保持されるようになっている。 【0018】また、側板2の上端部内側には、内方に向かって下方に傾斜するテーパ面2aが形成されているので、植栽用ボックス1内に土がテーパ面2a近傍まで盛土された時に側板2の上端面が外部に露呈されにくくなり、特に複数の植栽用ボックス1を隣接して配設した場合における上面からの見栄えが向上する。 【0019】底板3の下面には、図3に示されるように複数の突部11が下方に向けて突設されており、植栽用ボックス1が載置面G上に載置された時に、底板3の下面3aと載置面Gとの間に適宜隙間が保持されるようになっている。 【0020】このように構成される本実施例における植栽用ボックス1は、発泡ポリプロピレンによる一体成形により構成されているので、軽量で持ち運びが容易になっているとともに、植栽された苗木に対して断熱、保温、防カビ効果等を有するほか、加工性に優れているので、現場において連通孔を増やす等の施工作業を容易に行うことが出来るようになっている。なお、言うまでもなくこの植栽用ボックス1は発泡ポリプロピレンに限らず、木材、樹脂等の種々の素材により構成されていてもよく、形状も四角形に限らず、円形、多角形状に形成されていてもよい。 【0021】次に植栽用ボックス1を用いた植栽方法及びその作用を図面に基づいて説明していくと、まず図1に示されるように植栽用ボックス1を用いて植栽する場合、図4に示されるように各凹部5内(もしくは区画壁4の上面4aにかかる程度に)に、植栽する内容に応じて補水骨材12を敷き詰めるとともに、上方に適宜養土13を盛土し、苗木を植栽する。なお、14は連通孔9からの土の流出を防止するネットであり、盛土の前に側板2の内面に予め設けておく。 【0022】そして降雨、もしくは人為的な給水が行われた場合、苗木の根や土中に吸収・保持されずに下方に落下される水は、図5のように各凹部5内に保持され(図中凹部5内の斜線部は水を示す)、これ以上の給水がなされた場合、余分な水は全て連通孔9から外部に排出されるようになっている。よって給水により適宜量の水は底板3全域に設けられた凹部5内にそれぞれ保持されるので、給水後所定期間、根にはこの凹部5内に保持された水が供給されるので、メンテナンスの手間が省けるとともに、必要以上の余分な水は適宜排出されるので、根腐れ等が効果的に防止される。 【0023】また、特にこのような植栽用ボックス1を図7(a)、(b)に示されるような水平面に対して所定角度θ傾斜された傾斜面G’上に載置して使用される場合において、図7(a)のように水が傾斜上位側にある凹部5より上方まで貯まるほど供給されることがあっても、最終的には図7(b)に示されるように、最下位側の連通孔9よりも上方にある水は全て適宜連通孔9より外部に排出されることになる。 【0024】水が排出された後、通常であれば植栽用ボックス1内の傾斜下位側にのみ少量の水が貯留されることになるが、傾斜下位側から傾斜上位側にある全ての凹部5内にはそれぞれ水が均等に保持されているので、傾斜上位側、及び傾斜下位側に植栽された苗木にそれぞれ同量の水が供給される。よって傾斜された状態に載置された植栽用ボックス1に給水がなされた場合、水の保持量が部分的に異なることなく、常に底面3全域に同量の水を供給することが出来るので、苗木の根腐れや枯死が効果的に防止される。 【0025】また、所定高さの支柱7が複数立設されていることで、植栽用ボックス1が傾斜された場合にあっても、土が支柱7により支持されて傾斜下位側への流出が防止され、傾斜下位側への土圧の偏りが抑制されるため、苗木の根周りが安定する。 【0026】この支柱7が所定間隔おきに設けられることで、例えば土面上に苗木をランダムに植栽した場合にあっても、支柱7の上方では苗木の根が下方に伸びにくく、生育が妨げられるので、間引きと同様の効果が得られる。 【0027】さらに図8には本発明の他の実施例が示されている。本実施例における複数の支柱7のうち、所定の支柱7の外面にはフィン15が放射状に延びるように設けられている。このフィン15が設けられることにより、植栽用ボックス1が任意の方向に傾斜された場合にあっても、各支柱7間に傾斜上位側から傾斜下位側に向かって幅広の空間が直線状に形成されることがなくなるため、土の傾斜下位側への移動が効果的に防止されることになる。なお、このようなフィン15の配設パターンや形状等は任意であり、種々に変形可能である。さらに、このようなフィン15を設けなくとも、支柱7の配設パターンの変更だけで、各支柱7間に傾斜上位側から傾斜下位側に向かって幅広の空間が直線状に形成されないようにすることも可能である。 【0028】以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。 【0029】例えば、区画壁4は板状のものであっても良く、また、区画パターンは種々に変形可能であり、必ずしも本実施例のように均等間隔おきに同一形状の凹部が形成されるように設けられていなくても良い。 【0030】また、支柱7の高さ、形状等は任意であり、支柱7が盛土された土面上に露呈されるように設けられていてもよい。 【0031】なお、言うまでもなくこのような植栽用ボックス1は実施例のように植物の苗木の植栽のみに限らず、例えば大きさ、深さ等を種々に変形させれば農作物の苗の植栽等、幅広い分野における使用が可能となる。 【0032】 【発明の効果】本発明は以下の効果を奏する。 【0033】(a)請求項1項の発明によれば、植栽用ボックス内に水が供給されると、底部に設けられた凹部内に所定量の水が保持され、余分な水は連通孔から外部に排出されるようになっているとともに、植栽用ボックスが傾斜された状態に配設された場合において、水は植栽用ボックス内の傾斜下位側に偏り傾斜下位側の連通孔より排出されるが、一部の水は所定深さを有する各凹部内にそれぞれ貯留されて傾斜下位側への流出が防止されるので、傾斜下位側と傾斜上位側とにそれぞれ水が均等に保持される。よって適宜期間内に植栽用ボックス内の局所に必要量以上の水が保持されて植栽された植物が根腐れを起こしたり、逆に必要量の水が供給されず、植物が枯死することがない。 【0034】(b)請求項2項の発明によれば、互いの側板同士が当接するように複数の植栽用ボックスが連続して配設され、一方の連通孔が他方の側板により閉塞された場合にあっても、凹溝により植栽用ボックス内と外部との連通路が確保されるので、水の排出、あるいは空気の供給機能が損なわれることがない。 【0035】(c)請求項3項の発明によれば、植栽用ボックスを表面が凹凸状の載置面等に載置した場合においても、底板の底面と載置面との間に形成される隙間により、植栽用ボックスの安定性が向上する。また、傾斜面上に複数の植栽用ボックスが連続して配設された場合、植栽用ボックスの下方に水の排出路が確保される。 【0036】(d)請求項4項の発明によれば、支柱上方には植物が生育しにくくなるので、間引きと同様の効果が得られるとともに、植栽用ボックスが傾斜して載置された時に植栽用ボックス内の土が支柱により支持されるので、土の傾斜下位側への流出が防止され、土圧に偏りが生じにくくなり、根周りが安定する。 【0037】(e)請求項5項の発明によれば、苗または苗木の根が周辺に設けられたスリット方向に向けて伸びようとするため、根が絡みにくくなるとともに、根周りが安定する。 【0038】(f)請求項6項の発明によれば、ボックスが任意の方向に向けて傾斜された場合にあっても、ボックス内所定箇所の土の近傍傾斜下位側にいずれかの支柱が存在するため、土の傾斜下位側への移動が確実に防止される。 【0039】
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| 【出願人】 |
【識別番号】594176969 【氏名又は名称】株式会社オーシマ・デザイン設計 【識別番号】592002651 【氏名又は名称】株式会社ニッケンメタル
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| 【出願日】 |
平成10年7月13日(1998.7.13) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100098729 【弁理士】 【氏名又は名称】重信 和男 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−23568(P2000−23568A) |
| 【公開日】 |
平成12年1月25日(2000.1.25) |
| 【出願番号】 |
特願平10−213492 |
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