| 【発明の名称】 |
室内用植物栽培キット |
| 【発明者】 |
【氏名】佐藤 茂
【氏名】吉岡 俊人
【氏名】小林 孝太郎
【氏名】小林 美奈子
|
| 【要約】 |
【課題】栽培器材の調達・準備及び管理等に要する時間や経費、労力の負担等を軽減し、植物の発芽から開花、受粉に至る一連の営み、生育を、室内で簡単かつ的確に観察、学習しながら栽培管理できるようにする。
【解決手段】用土及び容器入り液体肥料あるいは予め肥料が添加された成形された培養基材と、植物種子と、栽培用区画容器1と、プラスチックピペットと、支柱とを、透明又は半透明性の蓋付きプラスチックバットに収容する。さらに、支柱と植物体とをくっつけるためのクリップ用チューブ、栽培方法を記載した説明書等を組合せる。植物種子は、播種から開花までに要する日数が最適栽培条件下で2〜3週間のアブラナ科植物の種子とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 植物種子と、成形された培養基材と、プラスチックピペットと、支柱とを、容器に収容してなる室内用植物栽培キット。 【請求項2】 植物種子と、栽培用区画容器と、用土と、容器入り液体肥料と、プラスチックピペットと、支柱とを、容器に収容してなる室内用植物栽培キット。 【請求項3】 前記用土は、人工培土である請求項2に記載の室内用植物栽培キット。 【請求項4】 前記容器はプラスチックバットである請求項1〜3のいずれかに記載の室内用植物栽培キット。 【請求項5】 前記プラスチックバットは、透明又は半透明性の蓋付きプラスチックバットである請求項4に記載の室内用植物栽培キット。 【請求項6】 さらに、支柱に植物体を保持させるためのクリップ用チューブを収容してなる請求項1〜5のいずれかに記載の室内用植物栽培キット。 【請求項7】 さらに、栽培方法を記載した説明書を組合せてなる請求項1〜6のいずれかに記載の室内用植物栽培キット。 【請求項8】 さらに、培養基材又は栽培用区画容器の周りに立設可能な光反射性の板を組合せてなる請求項1〜7のいずれかに記載の室内用植物栽培キット。 【請求項9】 前記植物種子は、播種から開花までに要する日数が最適栽培条件下で2〜3週間の植物の種子である請求項1〜8のいずれかに記載の室内用植物栽培キット。 【請求項10】 前記植物種子は、種子の発芽から植物体の成長、開花と結実に至る生活環が55日以内の短期間であるアブラナ科植物の種子である請求項9に記載の室内用植物栽培キット。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、植物の発芽から開花、受粉に至る一連の営み、生育を、室内で簡単かつ的確に観察、学習しながら栽培管理することができる室内用植物栽培セットに関する。 【0002】 【従来の技術】近時、植物栽培の有用性が再認識され、植物の栽培を通して学習教育を行なうことや治療に役立てようとすること (園芸療法)が注目されている。しかし、植物を栽培するには植物種に応じて様々な栽培器材を準備する必要がある。従来、植物を栽培する際、必要な器材を個別に買い揃え、調達しているので、その選定、調達に要する時間や経費、労力は決して小さくない。また、栽培の進行に伴い栽培途中に器材を購入する必要が生じることもある。適正な栽培管理を行なうこと及びどのような植物を選定するかも大変重要でありかつ難しい問題である。 【0003】特に、植物の栽培管理に関する専門的知識を有しない場合、上記のように植物栽培の準備及び管理等に多大な労力を要する。このため、植物の栽培を通して学習教育や治療に役立てようとする場合にも、手間がかかり、困難を伴うことがあった。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のような事情を考慮してなされたもので、栽培器材の調達・準備及び管理等に要する時間や経費、労力の負担、さらには植物選定の困難さを軽減し、植物の発芽から開花、受粉に至る一連の営み、生育を、室内で簡単かつ的確に観察、学習しながら栽培管理することができる室内用植物栽培セットを提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】(1) 植物種子と、成形された培養基材と、プラスチックピペットと、支柱とを、容器に収容してなる室内用植物栽培キットである。 【0006】(2) 植物種子と、栽培用区画容器と、用土と、容器入り液体肥料と、プラスチックピペットと、支柱とを、容器に収容してなる室内用植物栽培キットである。 【0007】(3) 前記用土は、人工培土であるのが好ましい。 【0008】(4) 前記容器はプラスチックバットであるのが好ましい。 【0009】(5) 前記プラスチックバットは、透明又は半透明性の蓋付きプラスチックバットであるのが好ましい。 【0010】(6) 前記室内用植物栽培キットには、さらに、支柱に植物体を保持させるためのクリップ用チューブを収容するのが好ましい。 【0011】(7) 前記室内用植物栽培キットには、さらに、栽培方法を記載した説明書を組合せるのが好ましい。 【0012】(8) 前記室内用植物栽培キットには、さらに、培養基材又は栽培用区画容器の周りに立設可能な光反射性の板を組合せるのが好ましい。 【0013】(9) 前記植物種子は、播種から開花までに要する日数が最適栽培条件下で2〜3週間の植物の種子であるのが好ましい。 【0014】(10) 前記植物種子は、種子の発芽から植物体の成長、開花と結実に至る生活環が55日以内の短期間であるアブラナ科植物の種子であるのが好ましい。 【0015】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について説明する。請求項1に係る発明は、植物種子と、成形された培養基材と、プラスチックピペットと、支柱とを、プラスチックバットに収容してなる室内用植物栽培キットである。請求項2に係る発明は、成形された培養基材に代えて栽培用区画容器と、用土と、容器入り液体肥料とを含んで構成される。 【0016】〔植物種子〕 本発明の室内用植物栽培キットには、植物種子を含めている。植物種子を予めキットに含ませることにより、植物種選定の困難さを解消することができる。学習教育や園芸療法への導入も円滑に行われる。 【0017】通常、播種から開花に至るまで数箇月以上を要する植物が多い。学習教材や園芸療法の素材として使用する植物は、生育が速く播種後短期間に開花に至るものが望ましい。この観点から、生活環の短期間な植物、例えば後述のとおりのアブラナ科の植物が好適である。 【0018】キットに含ませる種子の数は特に限定されるものではなく、使用目的に応じて選定することができるが、例えば学習教材としてキットを構成する場合、種子を後述の生活環の短期間なアブラナ科の植物としたとき、1植物個体の生育に必要な根の量及び植物の倒伏を防ぐために必要な根の量を考慮すると、1個の成形された培養基材当たり1〜2個、栽培用区画容器の1区画当たり1〜2個程度とするとよい。 【0019】〔成形された培養基材〕 用土に代わるものである。これを用いる場合は栽培用容器は不要である。成形された培養基材は、ピートモスを主材とした加工品あるいは合成樹脂成形発泡体等の定形性を有する培養基材が好適である。予め肥料が添加された成形された培養基材を用いることが望ましい。予め肥料が添加された成形された培養基材であってピートモスを主材とした加工品としては、商品名ジフィーセブン(Jiffy社製)が挙げられる。また、成形された培養基材としては、フェノール樹脂の連続気泡性発泡体に成形した植物育成用基材(例:商品名オアシス)等が挙げられるが、この場合は、後で述べる液体肥料を添付するとよい。 【0020】成形された培養基材の形状は特に限定されるものではないが、通常、予め肥料が添加された成形された培養基材であるピートモス加工品は乾燥状態で円柱形等とすることができる。また、大きさは特に限定されるものではないが、後述の生活環の短期間なアブラナ科の植物としたとき、好ましくは、直径3〜4cm、高さ0.5〜1cm程度のコンパクトなものが嵩張らず、キットとして取り扱い易く、かつ使用上も場所を採らないのでよい。吸水により膨潤し、吸水後の大きさは直径3〜4cm、高さ3〜4cmになる。このような培養基材は、乾燥した加工品に吸水させるだけで培養基材として使用できるため、取扱が簡単である。また、予め肥料が添加されているため、栽培途中に施肥を行なう手間が省ける。通常、キットには、上記の培養基材を複数個含ませる。複数の栽培条件による栽培を可能にするためである。 【0021】請求項2に係る発明は、成形された培養基材に代えて栽培用区画容器と、用土と、容器入り液体肥料とを含んで構成される。 【0022】〔栽培用区画容器〕 キットは、栽培用区画容器を含む。栽培用区画容器は、植物を栽培するために用土を入れる区画を複数個有する容器である。いわゆるセルトレイと呼ばれ、農業用セル苗育成用トレイとして使用されるものを用いることもできる。素材は、各種合成樹脂を用いることができる。軽量かつ安価に構成し得る。生分解性のプラスチックを用いてもよい。透明又は半透明性のものとするとよい。これにより根の生育状況を観察することができる。予め、栽培に適した栽培用区画容器が含まれているので、器材購入の手間が省け専門的知識がなくてもすぐに栽培に着手することができ、極めて便利である。 【0023】栽培用区画容器は、各区画の大きさが同じで用土の収容量が同じであり、区画が縦及び/又は横に複数個整列され一体に連設しているものがよい。各区画毎に栽培条件を変更してしかもきちんと整列された状態で栽培可能であるため、生育状況の把握や栽培管理がし易く簡単かつ確実に学習効果を高めることができるからである。 【0024】後述の生活環の短期間なアブラナ科の植物としたとき、1区画の大きさが、上端で2〜5cm四方、高さが4〜6cm程度の区画が縦・横に複数列整列され一体化されたもので全体の大きさは20cm四方以内に収まるようなものが好適である。例えば、栽培用区画容器1は、1区画の大きさが2.5cm×2.5cm程度で高さが4〜5cm、図1に示すように底部に向かって断面積がやや小さくなる形状が使い易く、このような区画2が、図示のように縦5×横5、合計25区画あるもの (約13cm四方)や縦2×横2、合計4区画あるもの等が好適な一例である。勿論、区画の数は必要に応じて設定し得る。 【0025】〔用土〕 本発明のキットは、上記栽培用区画容器に入れる栽培用の用土を含む。これにより用土の選定に悩むことなく専門的知識がなくてもすぐに栽培に着手することができ、極めて便利である。 【0026】〔人工培土〕 用土は、人工培土とするのが好ましい。人工培土とは、畑や田圃の土等の土壌 (天然培土)ではなく、天然の土壌を構成する成分又はその成分と類似した性質を持つ天然あるいは人工の素材を、単独で又は数種類混合する等して人為的に調製した培土をいう。土壌を用いず人工培土を用いることにより、室内栽培においてクリーンな環境を維持しながら育成・栽培することができる。 【0027】人工培土としては、例えば、後述の生活環の短期間なアブラナ科の植物としたとき、ピートモスとバーミキュライトとの等量混合物 (例:商品名「ジフィーミックス」Jiffy社製)、あるいは焼成培養土(例:商品名「クレハ培養土」クレハ化学社製)か、バーミキュライトの単独使用等が好ましい。 【0028】また、キットの用土は、栽培用土と被覆用土とから構成するのが好ましい。被覆用土はクリーンな環境を維持するため、栽培用土を詰めた後栽培用土の上に被せて使用するものである。栽培用土ととしては、上記のピートモスとバーミキュライトとの等量混合物、焼成培養土、バーミキュライトの単独等が好適である。 【0029】被覆用土としては、バーミキュライトやパーライト等を単独で用いるのが好適である。 【0030】用土の量は栽培用区画容器の各収容部の大きさ及び数に合わせて決定される。例えば、1区画の大きさが2.5cm×2.5cm程度で高さが4〜5cmの栽培用区画容器を用いる場合、この容器の1区画当たり栽培用土(ピートモスとバーミキュライトの等量混合物)60g、被覆用土(バーミキュライト)30g程度が適当である。 【0031】用土を人工培土とすることは好ましい態様の一つである。それは、一般に、植物栽培のために土壌を室内に持ち込むことによる汚染に対する心理的抵抗があると考えられるからである。インテリア観賞植物の他、学習教材に用いられる植物(学習教材植物)、園芸療法に用いられる植物(園芸療法植物)等の育成においては、植物栽培の場を身近な室内とすることが好ましい。したがって、このような目的の室内における植物の栽培においては、土壌に代わる清浄な培土の使用が望ましい。清浄な人工培土の使用によって、土壌からの植物病原菌の持ち込みを防ぐこともでき、健全な植物の発芽育成が可能である。 【0032】人工培土としては、上記の他に、多孔質の焼成物、中でもクリストバライトの微粉末を各種の粒径にして焼成して作成したもの(日鉄鉱業社製、商品名クリスライト)が好適である。この焼成物は、保水性を有し植物種子の発芽生育に適当である。また、粒状の焼成物のため、吸水しても崩壊することがなく、通気性に優れた人工培土を形成する。焼成物の粒径を変えることにより、粒径の異なる植物種子の発芽生育に対応することができる。焼成操作により滅菌がなされるので、清浄な人工培土が形成される。 【0033】もっとも、人工培土は、上記に限定されるものではなく、クリストバライトの焼成物や同様の性質を有するゼオライト、ケイソウ土、発泡煉石等、さらには、園芸用として使用されている素焼き鉢の廃棄品等を成形した培土等、産業廃棄物を利用することもできる。また、これら人工培土の混合物の使用や、さらに植物成長に必要な肥料を添加した人工培土混合物を使用してもよい。 【0034】人工培土の粒子の粒径は、通常1〜5mm程度であるが、使用する植物種子の形状と大きさ等に応じて、最も適当な粒径のものを用いることができる。 【0035】〔容器入り液体肥料〕 植物の生育を促進するために補給するもので、例えば、窒素、リン酸、カリ等の基本要素を含む。肥料とは別にジベレリンその他のホルモン等の薬剤を収容したものをキットに含ませてもよい。プラスチック又はガラス製の容器に充填したものが好適である。例えば、前記の合計25区画の栽培用区画容器を用いる場合、1mlの肥料を充填したものをキットに含ませ、これの0.2mlを100mlの水に希釈して用い、5回の施肥を行なうことができるようにする。 【0036】〔プラスチックピペット〕 水や液体肥料を計量して与えるために用いるものである。プラスチックピペット3は、図2に例示するよう形状で、プラスチック製で1ml程度の容量のものが好ましい。一滴が0.05ml位になるものが上記液体肥料のおよその軽量に便利であることによる。 【0037】〔支柱〕 種子が発芽し背丈が高くなるにつれ植物体が不安定になる。そこで、植物を安定した状態で支えるために用いるものである。例えば、木製又は合成樹脂製の棒片により構成される。竹串やストロー等を構成部材とすることもできる。通常、直径2〜3mm、長さ15〜20cm程度である。成形された培養基材の数又は栽培用区画容器の区画の数と同数キットに含ませる。 【0038】〔容器〕 容器は、上記各器材等を収容するものである。各器材等を収容することにより、輸送・運搬等が楽であり、一つのパッケージ製品として市場での流通も円滑に行なわれることになる。紙製の箱等を使用し得る。箱状体の他、合成樹脂製袋等の袋状体として構成してもよい。 【0039】〔プラスチックバット〕 前記容器はプラスチックバットであるのが好ましい。上記各器材等を収容するとともに、栽培時に給水用の置き皿として使用し得る。また、軽量かつ安価である。 【0040】プラスチックバットの形状は、特に限定されるものではない。例えば、直方体として構成し得る。大きさは、上記各器材等を収容可能な大きさであって、好ましくは、縦12〜15cm、横約20cm、高さ5〜7cm程度以下の大きさがよい。前記の25区画の栽培用区画容器及びその他の添付器材をすべて収容できるとともに取扱も容易な大きさである。 【0041】プラスチックバットは蓋付きとするのがよい。プラスチックバット本体と蓋からなり、蓋を被せることにより、各器材等が確実に収容される。本体又は蓋を栽培時に給水用の置き皿として使用し得る。蓋は、通常、重箱のように本体に被せる構造とする。 【0042】プラスチックバットは透明又は半透明性のものとするのがよい。これにより、収容物の確認が容易であるとともにバットを給水用置き皿として使用する際に水の量を目視により容易に確認することができる。 【0043】〔支柱に植物体を保持させるためのクリップ用チューブ〕 このチューブは通常太さ5mm程度であって、透明ビニルその他の合成樹脂等の弾性を有する素材からなる。図3に示すとおり、使用の際、このチューブを約1mmの厚さに切ってリング体5となし、さらにリング体5に一箇所切れ目6を入れる。植物の草丈が6〜7cm程度になり倒伏するようになったら、支柱7を立てるとともに、植物6を支柱7に沿わせた状態でリング体5をその切れ目の部分で開いてリング体5で植物6と支柱7とを囲み、リング体5の弾性を利用して一緒に保持する。これにより、植物6の倒伏は確実に防止される。 【0044】〔栽培方法を記載した説明書〕 キットには、器材の使用方法、栽培方法等を記載した説明書、マニュアルを含ませるとよい。播種から受粉、採種に至る栽培方法、管理方法等について詳細に記載することにより、専門的知識を有しない者でも容易かつ的確に栽培管理を行なうことができる。資料を別途購入する手間も省ける。 【0045】〔培養基材又は栽培用区画容器の周りに立設可能な光反射性の板〕 この光反射性の板を、培養基材又は栽培用区画容器の周りに立設させ、立設した板内に光を反射させて集め、植物にその周りから光を供給し、植物の成長を促進させるために使用する。光反射性の板を用いることにより短期間で成長開花させることができる。 【0046】通常、アルミニウム板、アルミニウム層を施した紙又はプラスチック等の板材・シート材により構成される。光反射性の板9は嵩張らないようにかつ組立を簡単にするため、折り畳み可能なものとし (図4参照)、プラスチックバット内に収容できるようにするのがよい。図示のように、複数の平板部(少なくとも三方9a,9b,9c好ましくはさらに四方9d、さらにこれに加えて上方9e)が折り曲げ部10にて一体的に連結されたものがよい。 【0047】〔播種から開花までに要する日数が最適栽培条件下で2〜3週間の植物の種子〕 通常、播種から開花に至るまで数箇月以上を要する植物が多いが、学習教材や園芸療法の素材として使用する植物は、生育が速く播種後短期間に開花に至るものが望ましい。上記のように播種から開花までに要する日数が最適栽培条件(例:22〜26℃、100〜150μmol・m-2・s-1)下で2〜3週間の植物の種子を用いれば、結果を出すまでの期間が短いので、学習計画等をたて易い。集中的な学習により飽きにくく、学習効果も高い。栽培期間が短いことは、植物の栽培に習熟していない者にもとりつき易いので、学習教材植物あるいは園芸療法植物として好適である。 【0048】〔種子の発芽から植物体の成長、開花と結実に至る生活環が55日以内の短期間であるアブラナ科植物の種子〕 インテリア観賞植物や学習教材植物、園芸療法植物として使用するのに好適な植物種であって、給水開始後1カ月未満の短期間で開花に至る植物種としては、吸水・発芽から開花・結実に至るまでの生活環が約1カ月で終わるアブラナ科植物の一種が好適である。 【0049】それは、ブラシカ ラパ(Brassica rapa)の変種であって、ウィスコンシンファーストプランツ(WFP,商品名)として開発された、表現される形質が異なる数多くの系統の植物群の中から、上述した目的を達成するために選びJ−WFP(商品名)と名づけられた植物が好適である。 【0050】このアブラナ科植物の一種は、給水開始後1カ月ほどの短期間で開花に至る。開花時の草丈は系統の違いによって5〜25cmほどであり観賞価値がある。この植物を使用した製品は、インテリア観賞植物としても室内栽培するにふさわしい。我が国の国民性からみても、早春の菜の花や菜の花畑に対する郷愁があると考えられ、馴染み易く、インテリアとしても好まれるものである。 【0051】種子の発芽から植物体の成長、開花と結実に至る生活環が55日以内の短期間であるアブラナ科植物の種子を用いることにより、これを食用に供するべく野菜の非常食栽培セットとして使用することも可能である。 【0052】上記のアブラナ科植物の特徴を列挙すると、以下のとおりである。播種から開花までの期間が短い(14〜21日)。ライフサイクルが短い(35〜55日)。草丈が小さい(系統によって異なるが、通常5〜25cm程度)。植物を密植しても種子が得られる。種子の成熟が早い。種子の休眠性がない。窓辺や蛍光灯による連続照明下で成長する。市販の培養土で成長する。 【0053】ちなみに、上記の植物と学名が同じ植物としてカブがあるが、カブは通常、秋に播種し、冬を越して3〜4月に開花する、すなわち播種から開花まで数箇月を要するものである。 【0054】前述のような各器材を収容した本発明のキットは、特にこのような植物の種子を使用した場合の最適な開花条件等を種々実験して検討した結果、植物の発芽から開花、受粉に至る一連の営み、生育を簡単かつ的確に観察、学習しながら栽培管理することができるようにする上で重要な器材を選抜して得られた、という側面を有するものでもある。 【0055】もっとも、採用する植物種は、アブラナ科植物の一種に限られるものではない。生活環が1カ月ほどで終わり、個体サイズが小さく、観賞価値の高い花を咲かせる植物であれば、好適に使用し得る。例えば、ソバは播種後3〜4週間で開花に至る。ソバから個体サイズの小さいものを選抜・固定してこのような目的に用いる可能性がある。 【0056】〔使用方法〕 請求項1に係る発明においては、プラスチックバット(本体又は蓋いずれかを用いるかは植物の大きさ等によって適宜選択する)を置き皿として、成形された培養基材を置き、培養基材に水を与える。培養基材は吸水して、膨潤する。培養基材の上に植物種子を載せる (播種)。 【0057】請求項2に係る発明においては、プラスチックバット本体又は蓋を置き皿として水を入れ、用土(人工培土)を詰めた栽培用区画容器を置く。プラスチックバットを給水容器とした半水耕栽培の形態により予め必要充分な水を給水しておくことができるので、週末の土曜日、日曜日が休みになる学校等においても水切れによる植物の枯死を防ぐことができる。 【0058】〔その他〕 キットには給水布を含ませてもよい。給水された水を保持可能な織布、不織布等により構成される。1cm四方程度に切って栽培用区画容器の底に敷いて、区画の底の孔から用土がもれないようにするために用いる。水の吸水性が大きいものがよい。例えば、公知の農業用吸水布、キッチン用タオルペーパー等を用いることができる。 【0059】さらに、キットには種子を入れておく容器としてプラスチックチューブを含ませてもよい。このプラスチックチューブとしては例えばマイクロチューブ(1.5ml容量)を用いることができる。また、栽培用区画容器につめた用土をつき固める目的でも使用することが可能なプラスチック試験管、例えば直径1.6cm、高さ10cm程度で平面の蓋(直径20mm程度)が付いたものを用いることもできる。 【0060】さらに、キットにはプラスチックピンセットを含ませてもよい。成形された培養基材にあるいは栽培用区画容器内の用土に種子を播くときに使用するものである。プラスチック製のものが軽量かつ安価であるため好適である。 【0061】また、受粉用の小ブラシを含ませることもできる。受粉用の小ブラシ11としては、乾燥したミツバチの胴体部分をつまようじ等の小さい棒の先端に接着剤で固定したものが好適である (図5参照)。受粉作業を行なうには医療用の綿棒を代用することもできるが、上記小ブラシは、ミツバチの胴体の微細な毛が花粉をよくつけるので好適である。 【0062】また、観察記録用ノートを含ませることもできる。予め観察学習に必要な所定事項を記載した観察記録用ノートによって、専門的知識を有しない者でも観察、学習を的確に要領よく行なうことができる。観察記録のためのノートを別途考慮して作成する手間が省ける。観察記録用ノートは、例えば、観察月日、植物の生育状況、作業内容等の欄を設けたものとする。 【0063】以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記に記載の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲で適宜変更、付加等して実施することができるものである。 【0064】 【発明の効果】本発明は、上記のように構成されているので、栽培器材の調達・準備及び管理等に要する時間や経費、労力の負担、さらには植物選定の困難さが軽減され、植物の発芽から開花、受粉に至る一連の営み、生育を、室内で簡単かつ的確に観察、学習しながら栽培管理することができる。 【0065】したがって、小学校での情操教育を主とした生物教育の教材、中学校、高等学校での科学教育の一環としての教材として極めて有益である。輸送・運搬等も簡便であるので、製品としての流通も円滑に行なわれ、製品の普及によって、さらに学習教育の効果の向上が期待される。 【0066】また、キットは天候の影響を直接受けにくい室内での栽培を前提として適切な器材を選抜して組まれているので、安定した植物の栽培管理が行なわれるものである。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】393018082 【氏名又は名称】小林ハードウェア株式会社
|
| 【出願日】 |
平成10年7月10日(1998.7.10) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100071847 【弁理士】 【氏名又は名称】木村 芳男 (外1名)
|
| 【公開番号】 |
特開2000−23566(P2000−23566A) |
| 【公開日】 |
平成12年1月25日(2000.1.25) |
| 【出願番号】 |
特願平10−210256 |
|