| 【発明の名称】 |
ハタケシメジの人工栽培用材 |
| 【発明者】 |
【氏名】大島 健一
【氏名】▲吉▼浜 義雄
【氏名】日下部 克彦
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| 【要約】 |
【課題】半球形やまんじゅう形を主体とした、平らなまんじゅう形以外のハタケシメジの子実体を得る人工栽培用材、及びそれを使用するハタケシメジの人工栽培方法を提供する。
【解決手段】種実の脱脂物を有効成分として含有することを特徴とするハタケシメジの人工栽培用材。種実の脱脂物を有効成分として使用することを特徴とするハタケシメジの人工栽培方法。種実の脱脂物の例には、脱脂ゴマ、ナタネ粕、コーン油粕、綿実油粕、大豆油粕からなる群から選択される、少なくとも1種類以上がある。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 種実の脱脂物を有効成分として含有することを特徴とするハタケシメジの人工栽培用材。 【請求項2】 種実の脱脂物が、脱脂ゴマ、ナタネ粕、コーン油粕、綿実油粕、大豆油粕からなる群から選択される、少なくとも1種類以上であることを特徴とする請求項1記載のハタケシメジの人工栽培用材。 【請求項3】 種実の脱脂物を有効成分として使用することを特徴とするハタケシメジの人工栽培方法。 【請求項4】 種実の脱脂物が、脱脂ゴマ、ナタネ粕、コーン油粕、綿実油粕、大豆油粕からなる群から選択される、少なくとも1種類以上であることを特徴とする請求項3記載のハタケシメジの人工栽培方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ハタケシメジ(学名 Lyophyllum decastes)の人工栽培用材、及びこれを使用するハタケシメジの人工栽培方法に関する。 【0002】 【従来の技術】ハタケシメジは、夏から秋にかけて人家の近くや、畑、林地等に広く発生するきのこで、形はホンシメジに良く似ている。味は非常に良く、肉質はホンシメジより固くて歯切れの良いきのこであり、好んで食用とされている。近年、エノキタケ、ヒラタケ、ブナシメジ、ナメコ等において、主に鋸屑と米糠を混合した培養基を用いて栽培を行なう菌床人工栽培方法が確立され、一年を通じて四季に関係なく、安定してきのこが収穫できるようになっている。ハタケシメジについても食用きのことして有用なことから、栽培方法が種々検討されている。ハタケシメジの人工栽培方法において、例えば福島県林業試験場では、バーク堆肥を培地素材の主体とし、栄養添加剤として米糠やフスマを加えた培地を袋に詰めて培養したものを施設で発生、あるいは野外に埋め込んで発生させている(福島県林業試験場研究報告 No.19、No20)。しかしながら、これらの方法では、発生に長期間を要し、作業効率が著しく悪い。また、特公平4−25766号、同5−15404号各公報においても、ハタケシメジの栽培方法が開示されているが、前者では、菌かき、注水処理後にビン口を逆さにして一週間程度栽培(逆向け栽培)し、あとビン口を上とする元の状態に戻し、再び栽培する工程を行っており、後者では、接種した種菌の菌糸が栽培容器内にまん延した時期に、微細粒子からなる鉱物質で栽培容器の開口部を被覆する工程(覆土工程)を行っている。しかしながら逆向け栽培や覆土工程は、操作が煩雑で、作業性も悪い。そこで、本発明者らは、各地よりハタケシメジの採集を行い、鋭意検討し、逆向け栽培や覆土工程のない菌床人工栽培方法で栽培を行っても、容易かつ高収量で良好な子実体を形成する能力を有する菌株をスクリーニングすることに成功した(特開平4−211308号)。また、培地の性質を改善し、安定してハタケシメジを発生させることのできる培地添加材を開発した(特開平5−192035号)。更に、この培地を用いても菌廻り(培養基全体に菌糸がまん延すること)が遅れないハタケシメジの人工栽培方法、及び該方法に使用する培地を開発した(特開平7−303419号)。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平7−303419号公報記載の培地で発生工程が行われた場合、成熟子実体の傘形は野生でよく観察される平らなまんじゅう形が多く発生し、半球形やまんじゅう形を主体とした、平らなまんじゅう形以外のボリューム感のある傘形の子実体発生は少ない。ここでいう成熟子実体の傘形の分類については、今関六也及び本郷次雄監修、小川真編著、「見る・採る・食べる きのこカラー図鑑」、講談社、1987年発行に記載のある「きのこ(子実体の形)」によった。これらを図1に示す。本発明の目的は、半球形やまんじゅう形を主体とした、平らなまんじゅう形以外のハタケシメジの子実体を人工的に得ることを可能とするハタケシメジの人工栽培用材、及びそれを使用するハタケシメジの人工栽培方法を提供することにある。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本発明の第1の発明はハタケシメジの人工栽培用材に関する発明であってハタケシメジの人工栽培用材が種実の脱脂物よりなることを特徴とする。本発明の第2の発明はハタケシメジの人工栽培方法に関する発明であって、種実の脱脂物よりなるハタケシメジの人工栽培用材を使用して、ハタケシメジを培養することを特徴とする。 【0005】本発明者らは、ハタケシメジの人工栽培方法において種々の実験を行い鋭意検討を重ねた結果、培地に種実の脱脂物を添加することにより、半球形やまんじゅう形の子実体が得られることを見出し、本発明を完成した。 【0006】 【発明の実施の形態】以下に本発明を具体的に説明する。本発明において種実とは、油脂原料となる植物由来の種子、胚芽、果実であり、例えばゴマ、ナタネ、ダイズ、ヒマワリ、落花生、綿実、ヤシ、ベニバナ、アマ、カポック、トウゴマ、アブラギリ、カラシナ、エゴマ、アーモンド、カボチャ、ニガー、麻、ゴム、ババス、ヒマ等の種子、コメやトウモロコシ等の胚芽、オリーブ、ココヤシ、パーム等の果実及び須藤 浩著、「カス類飼料と給与法」、養賢堂、1976年発行に記載の油脂原料種実が挙げられるが本発明の種実はこれらに限定されるものではない。 【0007】本発明において種実の脱脂物とは、主に植物性油脂の採取過程で生ずる残渣で、植物性油脂の採取方法には原料を加熱して原料中の油を溶融流出させる融出法、原料に圧力をかけて油を絞る圧搾法、原料中の油分を溶剤で溶かして採る抽出法があり、更にこれらの方法を組合せた方法がある。本発明で使用する種実の脱脂物は、種実が脱脂された残渣であればよく、脱脂方法及び脱脂物中に残存する脂肪含量は問わない。例を挙げると、脱脂ゴマとはゴマ油採取過程で生ずる残渣で、動物飼料や肥料として用いられる比較的安価な材料である。また、ナタネ粕はナタネ油採取過程で生ずる残渣で、肥料として用いられる比較的安価な材料である。コーン油粕はトウモロコシ油採取過程で生ずる残渣で、肥料として用いられる比較的安価な材料である。綿実油粕は綿実油採取過程で生ずる残渣で、動物飼料として用いられる比較的安価な材料である。更に、大豆油粕は大豆油採取過程で生ずる残渣で、動物飼料として用いられる比較的安価な材料である。本発明を脱脂ゴマ、ナタネ粕、コーン油粕、綿実油粕及び大豆油粕により説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。 【0008】ハタケシメジの人工栽培方法としては、エノキタケ、ヒラタケ、ブナシメジなどのきのこ栽培に用いられている方法で、ビン栽培、袋栽培、箱栽培等があるが、ここでは一例としてビン栽培について述べると、その方法とは培地調製、ビン詰め、殺菌、接種、培養、菌かき、芽出し、生育、収穫の各工程からなる。次にこれらを具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 【0009】培地調製とは人工栽培に用いる各種基材を計量、かくはんし、加水して水分調整する工程をいう。本発明で用いられるハタケシメジの培地は、例えば鋸屑等の培地基材、腐葉土等の腐植性基材、種実の脱脂物、及びその他栄養材の組合せや、鋸屑等の培地基材、種実の脱脂物、その他栄養材、及び特開平5−192035号公報記載の発生率向上材、すなわち下記(1)〜(4)からなる群から選択される1以上の材料(1)アルミニウム、(2)アルミニウム化合物、(3)アルカリ土類金属化合物、(4)オカラの組合せ、更には鋸屑等の培地基材、種実の脱脂物、その他栄養材、前出の特開平5−192035号公報記載の発生率向上材、及び特開平7−303419号公報記載の菌廻り改善材、すなわちクエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、アルギン酸、イタコン酸、ケイ酸、コハク酸、マレイン酸、酒石酸、及び乳酸からなる群から選択される酸の組合せなどがある。種実の脱脂物を培地に添加する場合、例を挙げると脱脂ゴマの場合一ビン当り1〜50g、好ましくは一ビン当り5〜20g添加する。ナタネ粕の場合一ビン当り1〜50g、好ましくは一ビン当り5〜30g添加する。コーン油粕の場合一ビン当り1〜50g、好ましく一ビン当り5〜40g添加する。綿実油粕の場合一ビン当り1〜50g、好ましくは−ビン当り5〜20g添加する。大豆油粕の場合一ビン当り1〜50g、好ましくは一ビン当り5〜20g添加する。本発明を脱脂ゴマ、ナタネ粕、コーン油粕、綿実油粕及び大豆油粕により説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。 【0010】ビン詰めとは、培地をビンに詰める工程であり、通常800〜1000ml容、好ましくは850ml容の耐熱性広口培養ビンに、調製した培地を450〜750g、好ましくは550g圧詰し、中央に1〜3cm程度の穴を開け、打栓する工程をいう。殺菌とは、蒸気により培地中のすべての微生物を死滅させる工程であれば良く、通常常圧殺菌では98℃、4〜12時間、高圧殺菌では118℃〜121℃、好ましくは120℃、30〜90分間行われる。 【0011】接種とは、放冷された培地に種菌を植えつける工程であり、通常種菌としてはハタケシメジ菌株をPGY液体培地で25℃、10〜15日間培養したものを用い、1ビン当り20mlほど無菌的に植えつける。また、ここまで説明した工程で得られる液体種菌接種済みの培養基を、25℃で30〜60日間培養し、菌廻りしたものも固体種菌として用いることができ、1ビン当り15gほど無菌的に植えつける。培養とは、菌糸を生育、熟成させる工程で、通常接種済みの培養基を温度20〜25℃、湿度40〜70%において菌糸をまん延させ、更に熟成をさせる。この工程は通常50〜120日間、好ましくは80日間前後行われる。菌かきとは、種菌部分と培養基表面をかき取り、原基形成を促す工程で、通常菌かき後は、直ちにビン口まで水を入れ3〜5時間後排水するが、この加水操作は省略することもできる。 【0012】芽出しとは、子実体原基を形成させる工程で、通常10〜20℃、好ましくは15℃前後、湿度80%以上、照度1000ルクス以下で10〜20日間行う。また、加湿で結露水が発生しやすいため、濡れを防ぐ目的で、菌床面を有孔ポリシートや波板等で覆っても良い。 【0013】生育とは、子実体原基から成熟子実体を形成させる工程で、通常芽出し工程とほぼ同じ条件で5〜15日間行う。生育工程では、結露水による濡れの影響を受けにくいので、被覆は施さないほうが好ましい。以上の工程により、傘の形状が半球形やまんじゅう形主体の成熟子実体を得ることができ、収穫を行って栽培の全工程は終了する。本発明をビン栽培方法により説明したが、本発明は上記ビン栽培に限定されるものではない。 【0014】次に、本発明の人工栽培方法に好適なハタケシメジの菌株の例としては、ハタケシメジK−3303株(FERM BP−4347)、ハタケシメジK−3304株(FERM BP−4348)、ハタケシメジK−3305株(FERMBP−4349)、ハタケシメジF−623株(FERM P−13165)、ハタケシメジF−1154株(FERM P−13166)、ハタケシメジF−1488株(FERM P−13167)等があるが、本発明で使用できる菌株はこれらの菌株に限られるものではない。本発明において、平らなまんじゅう形以外の子実体とは、半球形、まんじゅう形、中高形、円錐形、つりがね形、円筒形より選択される形状の子実体を意味し、本発明により、商品価値の高い、ボリューム感に優れたハタケシメジの人工栽培用材及びこれを使用した人工栽培方法が提供された。 【0015】 【実施例】以下に本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例の範囲のみに限定されるものではない。 【0016】実施例1PGY液体培地(組成:グルコース2.0%、ペプトン0.2%、酵母エキス0.2%、KH2PO4の0.05%、及びMgSO4・7H2Oの0.05%、pH6.0)100mlにハタケシメジK−3304(FERM BP−4348)を接種して、25℃で10日間培養し液体種菌とした。一方、ポリプロピレン製の広口培養ビン(850ml)に鋸屑(スギ材)100g、米糠100gをよく混合し、水350gを加えてよく混合し湿潤状態にしたものを圧詰して、中央に直径1cm程度の穴を開け、打栓後120℃、60分間高圧蒸気殺菌を行い、放冷して固形培養基としたものを用意した。これに上記の液体種菌を接種、培養して固体種菌とした。一方、ポリプロピレン製の広口培養ビン(850ml)に、鋸屑(スギ材)100g、脱脂ゴマ〔かどや製油(株)製〕10g、米糠90gをよく混合し、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム〔富士化学工業(株)製、商品名ノイシリンFH1〕2g、炭酸カルシウム〔ナカライテスク(株)製、試薬一級〕3g、クエン酸一水塩〔ナカライテスク(株)製、試薬一級〕2g、水350gを加えてよく混合し湿潤状態にしたものを圧詰して、中央に直径3cm程度の穴を開け、打栓後120℃、60分間高圧蒸気殺菌を行い、放冷して固形培養基としたものを用意した。これに上記の固体種菌約15gを接種し、まず暗所にて温度25℃、湿度55%の条件の下、培養基に見掛け上菌糸が廻るまで40日間培養し、更に30日間培養を続け熟成させた。次に、菌かきをして培養基の上部から約1cmほどの菌糸層を種菌ごと除いてから、水道水をビン口まで加えて3時間放置後排水し、照度500ルクス、温度15℃、加湿90%、結露水を避けるために有孔ポリシート〔辻野プラスチック工業(株)製、商品名ミリオンマット〕で被覆をし、14日間培養を続け、子実体原基を形成させた。原基が形成された培養基は、被覆をはずし照度500ルクス、温度15℃、加湿90%で更に14日間培養を続けて、成熟子実体を得た。収穫されたハタケシメジについて、一ビン当りの子実体収量、一ビン当りの直径1cm以上の傘の数、一ビン当りの傘の形を測定し、ハタケシメジの人工栽培において、培地に脱脂ゴマを添加することによって子実体の傘の形状が受ける効果について調べた。結果を表1に示す。傘の形は主流の傘形を示す。 【0017】 【表1】
【0018】表1より明らかなように、得られる子実体の傘の形状が半球形やまんじゅう形主体のボリューム感に優れたものになった。 【0019】実施例2実施例1と同様にして、ハタケシメジK−3304株の固体種菌を用意した。一方、ポリプロピレン製の広口培養ビン(850ml)に、鋸屑(スギ材)100g、脱脂ゴマ〔かどや製油(株)製〕10g、米糠90gをよく混合し、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム〔富士化学工業(株)製、商品名ノイシリンFH1〕2g、炭酸カルシウム〔ナカライテスク(株)製、試薬一級〕3g、クエン酸一水塩〔ナカライテスク(株)製、試薬一級〕2g、水350gを加えてよく混合し湿潤状態にしたものを圧詰して、中央に直径3cm程度の穴を開け、打栓後120℃、60分間高圧蒸気殺菌を行い、放冷して固形培養基としたものを用意した。これに上記の固体種菌約15gを接種し、まず暗所にて温度25℃、湿度55%の条件の下、培養基に見掛け上菌糸が廻るまで40日間培養し、更に30日間培養を続け熟成させた。次に、菌かきをして培養基の上部から約1cmほどの菌糸層を種菌ごと除いてから、水道水をビン口まで加えて3時間放置後排水し、照度500ルクス、温度15℃、加湿は(株)鷺宮製作所製:ヒューミアイ100の表示値として115〜120%の範囲にタイマーで制御し、結露水を避けるために有孔ポリシート〔辻野プラスチック工業(株)製、商品名ミリオンマット〕で被覆をし、14日間培養を続け、子実体原基を形成させた。原基が形成された培養基は、被覆をはずし照度500ルクス、温度15℃、加湿はヒューミアイ100の表示値として115〜120%の範囲にタイマーで制御し、更に9日間培養を続けて、成熟子実体を得た。収穫されたハタケシメジについて、一ビン当りの子実体収量、一ビン当りの直径1cm以上の傘の数、一ビン当りの傘の形を測定し、ハタケシメジの人工栽培において、培地に脱脂ゴマを添加することによって子実体の傘の形状が受ける効果について調べた。結果を表2に示す。傘の形は主流の傘形を示す。 【0020】 【表2】
【0021】表2より明らかなように、得られる子実体の傘の形状が半球形やまんじゅう形主体のボリューム感に優れたものになった。 【0022】実施例3実施例1と同様にして、ハタケシメジK−3304株の固体種菌を用意した。一方、ポリプロピレン製の広口培養ビン(850ml)に、鋸屑(スギ材)100g、ナタネ粕〔ボーソー油脂(株)製〕10g、米糠90gをよく混合し、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム〔富士化学工業(株)製、商品名ノイシリンFH1〕2g、炭酸カルシウム〔ナカライテスク(株)製、試薬一級〕3g、クエン酸一水塩〔ナカライテスク(株)製、試薬一級〕2g、水350gを加えてよく混合し湿潤状態にしたものを圧詰して、中央に直径3cm程度の穴を開け、打栓後120℃、60分間高圧蒸気殺菌を行い、放冷して固形培養基としたものを用意した。これに上記の固体種菌約15gを接種し、まず暗所にて温度25℃、湿度55%の条件の下、培養基に見掛け上菌糸が廻るまで40日間培養し、更に30日間培養を続け熟成させた。次に、菌かきをして培養基の上部から約1cmほどの菌糸層を種菌ごと除いてから、水道水をビン口まで加えて3時間放置後排水し、照度500ルクス、温度15℃、加湿はヒューミアイ100の表示値として115〜120%の範囲にタイマーで制御し、結露水を避けるために有孔ポリシート〔辻野プラスチック工業(株)製、商品名ミリオンマット〕で被覆をし、14日間培養を続け、子実体原基を形成させた。原基が形成された培養基は、被覆をはずし照度500ルクス、温度15℃、加湿はヒューミアイ100の表示値として115〜120%の範囲にタイマーで制御し、更に10日間培養を続けて、成熟子実体を得た。収穫されたハタケシメジについて、一ビン当りの子実体収量、一ビン当りの直径1cm以上の傘の数、一ビン当りの傘の形を測定し、ハタケシメジの人工栽培において、培地にナタネ粕を添加することによって子実体の傘の形状が受ける効果について調べた。結果を表3に示す。傘の形は主流の傘形を示す。 【0023】 【表3】
【0024】表3より明らかなように、得られる子実体の傘の形状が半球形やまんじゅう形主体のボリューム感に優れたものになった。 【0025】実施例4実施例1と同様にして、ハタケシメジK−3304株の固体種菌を用意した。一方、ポリプロピレン製の広口培養ビン(850ml)に、鋸屑(スギ材)100g、コーン油粕〔太田油脂(株)製〕30g、米糠70gをよく混合し、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム〔富士化学工業(株)製、商品名ノイシリンFH1〕2g、炭酸カルシウム〔ナカライテスク(株)製、試薬一級〕3g、クエン酸一水塩〔ナカライテスク(株)製、試薬一級〕2g、水350gを加えてよく混合し湿潤状態にしたものを圧詰して、中央に直径3cm程度の穴を開け、打栓後120℃、60分間高圧蒸気殺菌を行い、放冷して固形培養基としたものを用意した。これに上記の固体種菌約15gを接種し、まず暗所にて温度25℃、湿度55%の条件の下、培養基に見掛け上菌糸が廻るまで40日間培養し、更に30日間培養を続け熟成させた。次に、菌かきをして培養基の上部から約1cmほどの菌糸層を種菌ごと除いてから、水道水をビン口まで加えて3時間放置後排水し、照度500ルクス、温度15℃、加湿はヒューミアイ100の表示値として115〜120%の範囲にタイマーで制御し、結露水を避けるために有孔ポリシート〔辻野プラスチック工業(株)製、商品名ミリオンマット〕で被覆をし、14日間培養を続け、子実体原基を形成させた。原基が形成された培養基は、被覆をはずし照度500ルクス、温度15℃、加湿はヒューミアイ100の表示値として115〜120%の範囲にタイマーで制御し、更に10日間培養を続けて、成熟子実体を得た。収穫されたハタケシメジについて、一ビン当りの子実体収量、一ビン当りの直径1cm以上の傘の数、一ビン当りの傘の形を測定し、ハタケシメジの人工栽培において、培地にコーン油粕を添加することによって子実体の傘の形状が受ける効果について調べた。結果を表4に示す。傘の形は主流の傘形を示す。 【0026】 【表4】
【0027】表4より明らかなように、得られる子実体の傘の形状が半球形やまんじゅう形主体のボリューム感に優れたものになった。 【0028】実施例5実施例1と同様にして、ハタケシメジK−3304株の固体種菌を用意した。一方、ポリプロピレン製の広口培養ビン(850ml)に、鋸屑(スギ材)100g、綿実油粕〔岡村製油(株)製〕10g、米糠90gをよく混合し、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム〔富士化学工業(株)製、商品名ノイシリンFH1〕2g、炭酸カルシウム〔ナカライテスク(株)製、試薬一級〕3g、クエン酸一水塩〔ナカライテスク(株)製、試薬一級〕2g、水350gを加えてよく混合し湿潤状態にしたものを圧詰して、中央に直径3cm程度の穴を開け、打栓後120℃、60分間高圧蒸気殺菌を行い、放冷して固形培養基としたものを用意した。これに上記の固体種菌約15gを接種し、まず暗所にて温度25℃、湿度55%の条件の下、培養基に見掛け上菌糸が廻るまで40日間培養し、更に30日間培養を続け熟成させた。次に、菌かきをして培養基の上部から約1cmほどの菌糸層を種菌ごと除いてから、水道水をビン口まで加えて3時間放置後排水し、照度500ルクス、温度15℃、加湿はヒューミアイ100の表示値として115〜120%の範囲にタイマーで制御し、結露水を避けるために有孔ポリシート〔辻野プラスチック工業(株)製、商品名ミリオンマット〕で被覆をし、14日間培養を続け、子実体原基を形成させた。原基が形成された培養基は、被覆をはずし照度500ルクス、温度15℃、加湿はヒューミアイ100の表示値として115〜120%の範囲にタイマーで制御し、更に10日間培養を続けて、成熟子実体を得た。収穫されたハタケシメジについて、一ビン当りの子実体収量、一ビン当りの直径1cm以上の傘の数、一ビン当りの傘の形を測定し、ハタケシメジの人工栽培において、培地に綿実油粕を添加することによって子実体の傘の形状が受ける効果について調べた。結果を表5に示す。傘の形は主流の傘形を示す。 【0029】 【表5】
【0030】表5より明らかなように、得られる子実体の傘の形状が半球形やまんじゅう形主体のボリューム感に優れたものになった。 【0031】実施例6実施例1と同様にして、ハタケシメジK−3304株の固体種菌を用意した。一方、ポリプロピレン製の広口培養ビン(850ml)に、鋸屑(スギ材)98g、大豆油粕〔不二製油(株)製〕10g、米糠100gをよく混合し、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム〔富士化学工業(株)製、商品名ノイシリンFH1〕2g、炭酸カルシウム〔ナカライテスク(株)製、試薬一級〕3g、クエン酸一水塩〔ナカライテスク(株)製、試薬一級〕2g、水350gを加えてよく混合し湿潤状態にしたものを圧詰して、中央に直径3cm程度の穴を開け、打栓後120℃、60分間高圧蒸気殺菌を行い、放冷して固形培養基としたものを用意した。これに上記の固体種菌約15gを接種し、まず暗所にて温度25℃、湿度55%の条件の下、培養基に見掛け上菌糸が廻るまで40日間培養し、更に30日間培養を続け熟成させた。次に、菌かきをして培養基の上部から約1cmほどの菌糸層を種菌ごと除いてから、水道水をビン口まで加えて3時間放置後排水し、照度500ルクス、温度15℃、加湿はヒューミアイ100の表示値として115〜120%の範囲にタイマーで制御し、結露水を避けるために有孔ポリシート〔辻野プラスチック工業(株)製、商品名ミリオンマット〕で被覆をし、14日間培養を続け、子実体原基を形成させた。原基が形成された培養基は、被覆をはずし照度500ルクス、温度15℃、加湿はヒューミアイ100の表示値として115〜120%の範囲にタイマーで制御し、更に10日間培養を続けて、成熟子実体を得た。収穫されたハタケシメジについて、一ビン当りの子実体収量、一ビン当りの直径1cm以上の傘の数、一ビン当りの傘の形を測定し、ハタケシメジの人工栽培において、培地に大豆油粕を添加することによって子実体の傘の形状が受ける効果について調べた。結果を表6に示す。傘の形は主流の傘形を示す。 【0032】 【表6】
【0033】表6より明らかなように、得られる子実体の傘の形状が半球形やまんじゅう形主体のボリューム感に優れたものになった。 【0034】実施例7実施例1と同様にして、ハタケシメジK−3304株の固体種菌を用意した。一方、ポリプロピレン製の広口培養ビン(850ml)に、鋸屑(スギ材)53g、コーンコブ100g、脱脂ゴマ〔かどや製油(株)製〕10g、米糠90gをよく混合し、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム〔富士化学工業(株)製、商品名ノイシリンFH1〕2g、炭酸カルシウム〔ナカライテスク(株)製、試薬一級〕3g、クエン酸一水塩〔ナカライテスク(株)製、試薬一級〕2g、水350gを加えてよく混合し湿潤状態にしたものを圧詰して、中央に直径3cm程度の穴を開け、打栓後120℃、60分間高圧蒸気殺菌を行い、放冷して固形培養基としたものを用意した。これに上記の固体種菌約15gを接種し、まず暗所にて温度25℃、湿度55%の条件の下、培養基に見掛け上菌糸が廻るまで40日間培養し、更に30日間培養を続け熟成させた。次に、菌かきをして培養基の上部から約1cmほどの菌糸層を種菌ごと除いてから、水道水をビン口まで加えて3時間放置後排水し、照度500ルクス、温度15℃、加湿はヒューミアイ100の表示値として115〜120%の範囲にタイマーで制御し、結露水を避けるために有孔ポリシート〔辻野プラスチック工業(株)製、商品名ミリオンマット〕で被覆をし、14日間培養を続け、子実体原基を形成させた。原基が形成された培養基は、被覆をはずし照度500ルクス、温度15℃、加湿はヒューミアイ100の表示値として115〜120%の範囲にタイマーで制御し、更に9日間培養を続けて、成熟子実体を得た。収穫されたハタケシメジについて、一ビン当りの子実体収量、一ビン当りの直径1cm以上の傘の数、一ビン当りの傘の形を測定し、ハタケシメジの人工栽培において、培地に脱脂ゴマを添加することによって子実体の傘の形状が受ける効果について調べた。結果を表7に示す。傘の形は主流の傘形を示す。 【0035】 【表7】
【0036】表7より明らかなように、得られる子実体の傘の形状が半球形やまんじゅう形主体のボリューム感に優れたものになった。 【0037】比較例1実施例1と同様にして、ハタケシメジK−3304株の固体種菌を用意した。一方、ポリプロピレン製の広口培養ビン(850ml)に、鋸屑(スギ材)100g、米糠100gをよく混合し、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム〔富士化学工業(株)製、商品名ノイシリンFH1〕2g、炭酸カルシウム〔ナカライテスク(株)製、試薬一級〕3g、クエン酸一水塩〔ナカライテスク(株)製、試薬一級〕2g、水350gを加えてよく混合し湿潤状態にしたものを圧詰して、中央に直径3cm程度の穴を開け、打栓後120℃、60分間高圧蒸気殺菌を行い、放冷して固形培養基としたものを用意した。これに上記の固体種菌約15gを接種し、まず暗所にて温度25℃、湿度55%の条件の下、培養基に見掛け上菌糸が廻るまで40日間培養し、更に30日間培養を続け熟成させた。次に、菌かきをして培養基の上部から約1cmほどの菌糸層を除いてから、水道水をビン口まで加えて3時間放置後排水し、照度500ルクス、温度15℃、加湿90%、結露水を避けるために有孔ポリシート〔辻野プラスチック工業(株)製、商品名ミリオンマット〕で被覆をし、14日間培養を続け、子実体原基を形成させた。原基が形成された培養基は、被覆をはずし照度500ルクス、温度15℃、加湿90%で更に10日間培養を続けて、成熟子実体を得た。収穫されたハタケシメジについて、一ビン当りの子実体収量、一ビン当りの直径1cm以上の傘の数、一ビン当りの傘の形を測定し、ハタケシメジの人工栽培において、培地に種実の脱脂物を添加しない場合の子実体の傘の形状が受ける効果について調べた。結果を表8に示す。傘の形は主流の傘形を示す。 【0038】 【表8】
【0039】表8より明らかなように、培地に種実の脱脂物を添加しない場合、得られる子実体の傘の形状が平らなまんじゅう形主体のボリューム感に欠けるものになった。 【0040】比較例2実施例1と同様にして、ハタケシメジK−3304株の固体種菌を用意した。一方、ポリプロピレン製の広口培養ビン850mlに、鋸屑(スギ材)53g、コーンコブ100g、米糠100gをよく混合し、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム〔富士化学工業(株)製、商品名ノイシリンFH1〕2g、炭酸カルシウム〔ナカライテスク(株)製、試薬一級〕3g、クエン酸一水塩〔ナカライテスク(株)製、試薬一級〕2g、水350gを加えてよく混合し湿潤状態にしたものを圧詰して、中央に直径3cm程度の穴を開け、打栓後120℃、60分間高圧蒸気殺菌を行い、放冷して固形培養基としたものを用意した。これに上記の固体種菌約15gを接種し、まず暗所にて温度25℃、湿度55%の条件の下、培養基に見掛け上菌糸が廻るまで40日間培養し、更に30日間培養を続け熟成させた。次に、菌かきをして培養基の上部から約1cmほどの菌糸層を除いてから、水道水をビン口まで加えて3時間放置後排水し、照度500ルクス、温度15℃、加湿90%、結露水を避けるために有孔ポリシート〔辻野プラスチック工業(株)製、商品名ミリオンマット〕で被覆をし、14日間培養を続け、子実体原基を形成させた。原基が形成された培養基は、被覆をはずし照度500ルクス、温度15℃、加湿90%で更に10日間培養を続けて、成熟子実体を得た。収穫されたハタケシメジについて、一ビン当りの子実体収量、一ビン当りの直径1cm以上の傘の数、一ビン当りの傘の形を測定し、培地に種実の脱脂物を添加しない場合の子実体の傘の形状が受ける効果について調べた。結果を表9に示す。傘の形は主流の傘形を示す。 【0041】 【表9】
【0042】表9より明らかなように、培地に種実の脱脂物を添加しない場合、得られる子実体の傘の形状が平らなまんじゅう形主体のボリューム感に欠けるものになった。 【0043】 【発明の効果】以上、説明したとおり、本発明による栽培方法によれば、傘の形状が半球形やまんじゅう形主体の、平らなまんじゅう形以外のボリューム感に優れたハタケシメジ子実体を得ることが可能となった。
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| 【出願人】 |
【識別番号】597008201 【氏名又は名称】タカラアグリ株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年4月27日(1999.4.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100078503 【弁理士】 【氏名又は名称】中本 宏 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−23564(P2000−23564A) |
| 【公開日】 |
平成12年1月25日(2000.1.25) |
| 【出願番号】 |
特願平11−119058 |
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