| 【発明の名称】 |
育苗用培土 |
| 【発明者】 |
【氏名】山本 惣一
【氏名】伊藤 栄二
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| 【要約】 |
【課題】割れたり崩れることがなく取扱いが容易であり、しかも安価でかつ量産することができる育苗用培土を得る。
【解決手段】育苗用培土10は、籾殻12と、芯部14A及び鞘部14Bから成る芯鞘型繊維14、及び育苗用肥料16とを含んで構成されており、各原材料を攪拌混合し、これらを加熱圧縮成形すると共にその直後に冷却圧縮成形して得られる。これにより、育苗用培土10は、所謂スポンジのような屈曲性及び保水性を有し、割れたり崩れることがなく取扱いが容易であり、しかも安価でかつ量産することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 籾殻と、芯部と前記芯部よりも軟化温度が低い鞘部とから成る芯鞘型繊維と、を攪拌混合し、前記攪拌混合した籾殻及び芯鞘型繊維を前記芯鞘型繊維の前記鞘部が軟化するが前記芯部は軟化しない温度で加熱しながら圧縮成形すると共に、前記加熱圧縮成形の直後の原材料を所定の温度で冷却しながら圧縮成形して成る育苗用培土。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、水稲等の作物の苗を育苗するために用いられる育苗用の培土に関する。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、水稲等の作物の苗を苗床によって育苗することが行われており、さらに、この苗床の床土としては一般的に土壌培土が用いられていた。ところが、このような土壌培土は、良質(均質)の床土が比較的高価で入手が困難であったり、重く運搬性等が悪かった。そこで、このような土壌培土に代わる床土(培土)が提案されている(一例として、特公昭56−18165号公報)。 【0003】前記公報に示される培土は、植物質培土材(樹皮、パルプチップ、オガクズなどを堆肥化したバーク堆肥等)を、親水性ウレタンプレポリマーを結合剤として用いて固結させ乾燥した構成となっている。なお、結合剤としては、ポリビニルアルコールやデンプン類も用いられる場合がある。この種の培土は、樹皮やパルプチップ等の所謂産業廃棄物を培土材として有効利用することができ、またこの植物質培土材も比較的安価である。 【0004】しかしながら、前述の如き従来の培土は、依然として以下の欠点があった。すなわち、培土材の結合(結合剤を用いた固結乾燥)に長い時間(例えば、1〜3時間程度)が掛かり、量産が困難で結果的にコスト高であった。また、完成した培土(すなわち,結合剤により固結され乾燥された培土材)は、硬質であるものの割れたり欠け易く、このため運搬中に形が崩れたりし、その取扱いが面倒で煩雑であった。また一方、実際の使用に際しては、前記従来の培土を育苗のために灌水すると、灌水前にも増して形が崩れ易くなる。このため、例えば自動田植機の苗台にセットして田植えを実施しようとしても、装置のフィンガー部分がうまく苗を掴み取ることができず、スムースな作業が困難となる場合もあった。また何より、前述の如き従来の培土では、培土材自体は比較的安価であるものの、親水性ウレタンプレポリマー等の結合剤が高価であり、結果的に全体としては依然として高価であった。 【0005】本発明は上記問題点を解消するために成されたものであり、割れたり崩れることがなく取扱いが容易であり、しかも安価でかつ量産することができる育苗用培土を提供することを目的としている。 【0006】 【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明の育苗用培土は、籾殻と、芯部と前記芯部よりも軟化温度が低い鞘部とから成る芯鞘型繊維と、を攪拌混合し、前記攪拌混合した籾殻及び芯鞘型繊維を前記芯鞘型繊維の前記鞘部が軟化するが前記芯部は軟化しない温度で加熱しながら圧縮成形すると共に、前記加熱圧縮成形の直後の原材料を所定の温度で冷却しながら圧縮成形して成ることを特徴としている。 【0007】請求項1記載の育苗用培土は、籾殻と芯鞘型繊維とを攪拌混合し、この攪拌混合した籾殻及び芯鞘型繊維を圧縮成形して得られる。すなわち、この育苗用培土では、芯部と鞘部から成る芯鞘型繊維は、籾殻と共に攪拌混合されることにより、複雑で細かい網状になって籾殻と絡み合い、籾殻を包み込む。この状態で、鞘部が軟化するが芯部は軟化しない温度で加熱圧縮成形することにより、芯鞘型繊維の鞘部同士が軟化溶着し合い、網状になって籾殻と絡み合う。さらに、加熱圧縮成形された原料材は、直ちに冷却されながら圧縮成形される。これにより、芯鞘型繊維の鞘部が籾殻と絡み合った状態のままで冷却されて、鞘部が網状となって籾殻と絡み合った状態のままで固化され、所謂マット状の育苗用培土が得られる。 【0008】しかして、この成形物は、芯部が軟化していないので、スポンジのように腰が強くて屈曲性及び保水性のある培土として構成される。このため、屈曲性及び保水性に富んでおり、割れたり欠け難く、運搬中に形が崩れることがない。また、育苗のために灌水しても形が崩れることがなく、その取扱いも容易になる。 【0009】さらに、このように成形される育苗用培土は、籾殻と芯鞘型繊維とを攪拌混合し加熱圧縮成形及び冷却圧縮成形することで得られるため、製造時間(培土基材としての籾殻と結合材としての芯鞘型繊維との結合)に長い時間を要することがなく、量産が可能になる。 【0010】また特に、この育苗用培土は、加熱圧縮成形によって芯鞘型繊維の鞘部同士が軟化溶着し網状になって籾殻と絡み合った状態とした直後に、直ちに冷却しながら圧縮成形して固化して得るため、軟化して溶着し籾殻と絡み合った芯鞘型繊維の鞘部が、例えば籾殻の弾力によって不要に膨らんで前記溶着絡み合い状態が不要に解除されることがなく、屈曲性及び保水性を継続的に維持することができ、一層効果的である。 【0011】このように、請求項1記載の育苗用培土は、割れたり崩れることがなく取扱いが容易であり、しかも安価でかつ量産することができる。 【0012】なお、前述した請求項1における芯鞘型繊維としては、例えば、芯鞘型ポリエステル(ユニチカ製)を用いることができる。この場合には、鞘部は110℃で軟化し、芯部は250℃で軟化する。このため、籾殻と前記芯鞘型ポリエステルを攪拌混合した後に130℃〜200℃(好ましくは、140℃前後)で加熱圧縮成形すれば、前記育苗用培土を得ることができる。またさらに、芯鞘型繊維としては、例えば、ビオノーレ(昭和高分子(株)製)を用いることができる。この場合には、鞘部は90℃で軟化し、芯部は115℃で軟化する。このため、籾殻と前記ビオノーレを攪拌混合した後に100℃で加熱圧縮成形すれば、前記育苗用培土を得ることができる。 【0013】また、籾殻は、圧縮粉砕した籾殻を用いることが好ましい。 【0014】さらに、籾殻と芯鞘型繊維の混合割合としては、例えば、籾殻が600gの場合に芯鞘型繊維を15gとすると良いが、この混合割合は、適宜変更可能である。 【0015】またさらに、攪拌混合した籾殻と芯鞘型繊維を加熱圧縮成形する際の加圧の程度としては、攪拌混合した原料(籾殻と芯鞘型繊維)の厚さを4cmとした場合に加圧後の厚さが2cmになる程度が好ましい。 【0016】また、前述した請求項1記載の培土製造装置において、ベルトコンベヤによって搬送される原材料(籾殻及び芯鞘型繊維)に、育苗用肥料を併せて攪拌混合して供給し、これらを圧縮成形するようにしてもよい。 【0017】この場合には、芯鞘型繊維によって絡み合い結合された籾殻によって、育苗用肥料が共に包み込まれて一体に内包されて成形される。 【0018】このため、育苗に際しては、別の新たな肥料をこの育苗用培土に加える必要がない。また、育苗する作物の種類や天候(気候)等に応じてこの育苗用肥料の種類や混合割合を適宜変更して、複数種類の異なる育苗用培土を準備しておけば、大幅に適用の範囲が拡大する。 【0019】なお、育苗用肥料としては、中期育成用肥料(例えば、商標:ロングM100)、良質土壌菌繁殖用剤(例えば、ゼオライト)、初期育成用肥料(例えば、硫加燐安)、健苗育成剤(例えば、商標:FTE)、発芽抑制物質除去剤(例えば、クエン酸)、等が含まれる。 【0020】さらに、籾殻と芯鞘型繊維、及び各育苗用肥料の混合割合としては、例えば、籾殻が600gの場合に、芯鞘型繊維を15g、中期育成用肥料を60g、良質土壌菌繁殖用剤を6g、初期育成用肥料を7g、健苗育成剤を0.36g、発芽抑制物質除去剤を1.2gとすると良いが、この混合割合は適宜変更可能である。 【0021】 【発明の実施の形態】図1には本発明の実施の形態に係る育苗用培土10の外観斜視図が示されている。 【0022】この育苗用培土10は、培土基材としての籾殻12と、結合剤としての芯鞘型繊維14、及び複数の育苗用肥料16を含んで構成されており、本実施の形態においては例えば、育苗箱60(図3参照)に入るように、縦寸法28cm、横寸法58cm、厚さ寸法2cmのマット形状に成形されている。ここで、以下に育苗用培土10の各構成材の種類及び含有量の一例を示す。 【0023】 籾殻 :600g 芯鞘型繊維(芯鞘型ポリエステル:ユニチカ製) : 15g 中期育成用肥料(商標:ロングM100) : 60g 良質土壌菌繁殖用剤(ゼオライト) : 6g 初期育成用肥料(硫加燐安) : 7g 健苗育成剤(商標:FTE) : 0.36g 発芽抑制物質除去剤(クエン酸) : 1.2g前記の芯鞘型繊維14として用いた芯鞘型ポリエステル(ユニチカ製)は、芯部14A及び鞘部14B(図2に概略的に図示)によって構成されており、鞘部14Bは110℃で軟化し、芯部14Aは250℃で軟化する。また、芯鞘型繊維14としては、例えば、ビオノーレ(昭和高分子(株)製)を用いることができる。この場合には、鞘部14Bは90℃で軟化し、芯部14Aは115℃で軟化する。 【0024】なお、前記籾殻12や芯鞘型繊維14及び複数の育苗用肥料16の混合割合は、適宜変更可能である。 【0025】次に、本実施の形態に係るこの育苗用培土10を製造するための培土製造装置20について説明する。 【0026】図4には、培土製造装置20の全体構成が概略的に示されている。この培土製造装置20は、上下一対のベルトコンベヤ22、23を備えている。下側に位置するベルトコンベヤ22は、一対のロール24、26及びベルト28によって構成されている。ベルト28は、例えば、スチールベルトとされており、あるいは、テフロンとグラスファイバーを併用した合成樹脂繊維ベルトとされている。このベルト28が図4矢印方向に移動することにより、原料材Gを搬送することができる。 【0027】一方、ベルトコンベヤ22の搬送方向上流側端部(ロール24)上方には、原料供給口32が設けられており、前記籾殻12や芯鞘型繊維14及び複数の育苗用肥料16を攪拌混合した原料材Gを下方(すなわち、ベルトコンベヤ22)へ落下供給することができる。これにより、ベルトコンベヤ22の作動に伴って、ベルトコンベヤ22上に前記原料材Gが順次落下して積層されながら図4矢印方向に搬送される構成である。 【0028】また、ベルトコンベヤ22の直上には、上側に位置するベルトコンベヤ23が配置されている。ベルトコンベヤ23は、一対のロール25、27及びベルト29によって構成されている。ベルト29も、ベルト28と同様に、スチールベルトあるいは合成樹脂繊維ベルトとされている。このベルト29がベルトコンベヤ22のベルト28と共に図1矢印方向に移動することにより、原料材Gをベルトコンベヤ22のベルト28と共に挟持しながら搬送する構成である。 【0029】ベルトコンベヤ22のベルト28とベルトコンベヤ23のベルト29の対向部分(原料材Gの挟持搬送部分)には、上下一対の加熱圧縮盤38、40が配置されている。下側に位置する加熱圧縮盤38は、ベルトコンベヤ22のベルト28の無端状内側に設けられており、上側に位置する加熱圧縮盤40は、ベルトコンベヤ23のベルト29の無端状内側に設けられており、互いに対向し合っている。 【0030】ここで、図5にはこの加熱圧縮盤38、40の詳細が断面図にて示されている。加熱圧縮盤38、40の内部には、ワイヤヒータ(熱管)50が設けられている。このワイヤヒータ50は、コイル状に巻いた発熱体を金属管の中央に挿入すると共にその金属管内に高温度に耐える耐熱性電気絶縁粉末を高圧固形化した構造になっており、通電することで発熱して加熱圧縮盤38、40を所定温度(例えば、150℃)に昇温することができるようになっている。このワイヤヒータ50の長手方向両端部は、それぞれ端子51に電気的に接続されている。さらに、端子51は電源53に接続されている。これにより、端子51を介してワイヤヒータ50に通電することができる構成である。なお、ワイヤヒータ50の本数は適宜変更可能である。 【0031】以上の構成の加熱圧縮盤38、40は、ワイヤヒータ50の発熱によって所定温度に昇温し、これにより、前記ベルトコンベヤ22のベルト28とベルトコンベヤ23のベルト29によって挟持搬送される原材料Gを挟み込むことで加熱しながら圧縮成形することができる。 【0032】また、一対の加熱圧縮盤38、40の搬送方向下流側には、前記加熱圧縮盤38、40と同様に、ベルトコンベヤ22のベルト28とベルトコンベヤ23のベルト29の対向部分(原料材Gの挟持搬送部分)に、上下一対の冷却圧縮盤42、44が配置されている。下側に位置する冷却圧縮盤42は、ベルトコンベヤ22のベルト28の無端状内側に設けられており、上側に位置する冷却圧縮盤44は、ベルトコンベヤ23のベルト29の無端状内側に設けられており、互いに対向し合っている。 【0033】ここで、図6にはこの冷却圧縮盤42、44の詳細が断面図にて示されている。冷却圧縮盤42、44の内部には、水管58が設けられている。この水管58は、水が供給されて循環することで冷却圧縮盤42、44を所定温度(例えば、20℃〜30℃)に冷却することができるようになっている。この水管58は、パイプ59を介してポンプ34及びタンク36に接続されて循環路を構成しており、ポンプ34の作動により水が循環する構成である。なお、水管58の本数は適宜変更可能である。 【0034】以上の構成の冷却圧縮盤42、44は、水管58に水が循環することで所定温度に冷却され、これにより、加熱ロール38、40によって加熱圧縮成形された直後の原材料Gを、更に冷却しながら圧縮成形することができる。 【0035】次に、この育苗用培土10の製造手順を説明する。 【0036】先ず、籾殻12と芯鞘型繊維14及び前記各育苗用肥料16を攪拌混合する。籾殻12は、圧縮粉砕した籾殻を用いることが好ましい。芯部14Aと鞘部14Bから成る芯鞘型繊維14は、籾殻12及び各育苗用肥料16と共に攪拌混合されることにより、複雑で細かい網状になって籾殻12及び各育苗用肥料16と絡み合い、籾殻12及び各育苗用肥料16を包み込む。 【0037】次いで、この攪拌混合した籾殻12と芯鞘型繊維14及び育苗用肥料16(原料材G)を培土製造装置20によって所定の状態に積層する。 【0038】すなわち、培土製造装置20では、原料供給口32から前記攪拌混合した原料材Gが下方へ落下供給される。これにより、ベルトコンベヤ22、23の作動に伴って、ベルトコンベヤ22上に原料材Gが順次層状に積層されて図4矢印方向に搬送され、さらに、ベルトコンベヤ22のベルト28とベルトコンベヤ23のベルト29の対向部分へ挟持されながら搬送される。 【0039】次いで、以上のように挟持されながら搬送される積層された籾殻12と芯鞘型繊維14及び育苗用肥料16(原料材G)は、加熱圧縮盤38、40によって挟み込まれて、加熱されながら圧縮成形される。 【0040】ここで、加熱圧縮盤38、40により加熱圧縮成形するに当たっては、原料材Gに含有する芯鞘型繊維14の鞘部14Bが軟化するが芯部14Aは軟化しない温度で加熱圧縮成形する。この場合、例えば、芯鞘型繊維14として芯鞘型ポリエステル(ユニチカ製)を用いた場合には、鞘部14Bは110℃で軟化し芯部14Aは250℃で軟化するため、130℃〜200℃(好ましくは、140℃前後)で加熱成形する。一方、例えば、芯鞘型繊維14としてビオノーレ(昭和高分子(株)製)を用いた場合には、鞘部14Bは90℃で軟化し芯部14Aは115℃で軟化するため、100℃で加熱成形すればよい。 【0041】またこの場合、加圧の程度としては、前述の如く攪拌混合し所定の状態に積層した原料材G(籾殻12と芯鞘型繊維14及び育苗用肥料16、及び不織布18、19)の厚さを4cmとした場合に、加圧後の厚さが2cmになる程度が好ましい。 【0042】このようにして加熱ロール38、40により加熱圧縮成形することで、芯鞘型繊維14の鞘部14Bが軟化して溶着し合い、網状になって籾殻12と絡み合う。 【0043】さらに、加熱圧縮盤38、40により加熱圧縮成形された原料材G(籾殻12と芯鞘型繊維14及び育苗用肥料16)は、直ちに冷却圧縮盤42、44によって冷却圧縮成形される。これにより、芯鞘型繊維14の鞘部14Bが軟化して溶着し合い網状になって籾殻12と絡み合った状態のままで直ちに冷却されて、前記鞘部14Bが籾殻12と絡み合った状態のままで固化され、所謂マット状の成形物が得られる。 【0044】さらに、この成形物は、図示しない第2コンベヤによって次の切断工程へと搬送され、所定寸法に切断されて育苗用培土10が完成する。 【0045】このようにして完成した育苗用培土10は、芯鞘型繊維14の鞘部14Bが軟化して溶着し合い、網状になって籾殻12と絡み合い結合された状態に成形される。ここで、図2には、前述の如き圧縮成形された後の芯鞘型繊維14の状態が、一部簡略化して模式的に示されている。この図2で示す如く、鞘部14Bが軟化し溶着し合うことによって、軟化していない芯部14Aが互いに網目状に絡み合って結合されており、籾殻12及び育苗用肥料16を包み込んでいる。これにより、所謂スポンジのような屈曲性及び保水性のある育苗用培土10が得られる。 【0046】以上により得られた育苗用培土10を使用する際には、図3に示す如く、この育苗用培土10を育苗箱60に敷き、灌水し、水稲等の作物の苗62を播種し、さらに覆土64を施した上で、日々灌水及び温度管理をして育苗する。 【0047】この育苗用培土10を使用した育苗に際して、例えば芯鞘型繊維14として芯鞘型ポリエステル(ユニチカ製)を用いた場合には、この芯鞘型ポリエステルは加水分解して長期の間には圃場で分解し、一方、例えば芯鞘型繊維14としてビオノーレ(昭和高分子(株)製)を用いた場合には、このビオノーレは生分解して長期の間には圃場で分解する。このため、他に悪影響を与えることはない。 【0048】ここで、前述の如く培土製造装置20によって製造された育苗用培土10は、籾殻12と芯鞘型繊維14及び育苗用肥料16を攪拌混合して積層されこれらを圧縮成形して得られる。この育苗用培土10は、芯鞘型繊維14が細かい網状になって籾殻12と絡み合って結合されスポンジのように腰が強くて屈曲性及び保水性のある培土として構成される。このため、屈曲性及び保水性に富んでおり、割れたり欠け難く、運搬中に形が崩れることがない。また、育苗のために灌水しても形が崩れることがなく、その取扱いも容易になる。したがって、実際の使用に際して例えば自動田植機の苗台にセットして田植えを実施する場合にも、装置のフィンガー部分がうまく苗を掴み取ることができ、スムースな作業を行うことができる。 【0049】さらに、この育苗用培土10では、培土基材としての籾殻12自体が極めて安価であり(更に言えば、所謂産業廃棄物としての籾殻12を培土基材として有効利用することができ)、かつ、結合剤としての芯鞘型繊維14も安価なものを適用することができるため、全体としても大幅に安価になる。 【0050】またさらに、この育苗用培土10は、育苗用肥料16を含んで構成されているため、育苗に際して別の新たな肥料を加える必要がない。また、育苗する作物の種類や天候(気候)等に応じて前述した各育苗用肥料16の種類や混合割合を適宜変更して、複数種類の異なる育苗用培土10を準備しておけば、大幅に適用の範囲が拡大する。 【0051】また特に、この育苗用培土10は、加熱圧縮成形によって芯鞘型繊維14の鞘部14B同士が軟化溶着し網状になって籾殻12と絡み合った状態とした直後に、直ちに冷却しながら圧縮成形して固化して得るため、軟化して溶着し籾殻12と絡み合った芯鞘型繊維14の鞘部14Bが、例えば籾殻12の弾力によって不要に膨らんで前記溶着絡み合い状態が不要に解除されることがなく、屈曲性及び保水性のある成形培土として構成される。したがって、屈曲性及び保水性を継続的に維持することができ、割れたり欠け難く、運搬中に形が崩れることがなく、また育苗のために灌水しても形が崩れることがなく、その取扱いも容易になり、一層効果的である。 【0052】このように、本実施の形態に係る育苗用培土10は、割れたり崩れることがなく取扱いが容易であり、しかも安価でかつ量産することができる。 【0053】なお、前述した実施の形態においては、育苗用培土10を製造するに際して、加熱圧縮盤38、40あるいは冷却圧縮盤42、44の如く平盤状の部材によって加熱圧縮あるいは冷却圧縮を行うように説明したが、これに限らず、この育苗用培土10は、例えば加熱圧縮ロールや冷却圧縮ロール等を用いて成形することもでき、加熱圧縮成形あるいは冷却圧縮成形を実施する装置は適宜のものが適用可能である。 【0054】 【発明の効果】以上説明した如く本発明に係る育苗用培土は、割れたり崩れることがなく取扱いが容易えあり、しかも安価でかつ量産することができるという優れた効果を有している。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000144898 【氏名又は名称】株式会社山本製作所
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| 【出願日】 |
平成10年6月30日(1998.6.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100079049 【弁理士】 【氏名又は名称】中島 淳 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−23561(P2000−23561A) |
| 【公開日】 |
平成12年1月25日(2000.1.25) |
| 【出願番号】 |
特願平11−181401 |
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