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【発明の名称】 園芸栽培用ハウス
【発明者】 【氏名】西巻 康雄

【要約】 【課題】寒冷地でも気温の高い地方でも、病気の発生を抑え、防虫効果が完全で、酷暑時でも安定した優れた品質の収穫が可能となり、また作業者の快適性の高い優れた園芸栽培用ハウスを提供する。

【解決手段】構造材を支柱とし、これに有孔シートを展張してなる園芸栽培用ハウスであって、有孔シートからなる屋根部と縮展可能な無孔シートからなる屋根部とを有する園芸栽培用ハウス。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 構造材を支柱とし、これに有孔シートを展張してなる園芸栽培用ハウスであって、有孔シートからなる屋根部と縮展可能な無孔シートからなる屋根部とを有することを特徴とする園芸栽培用ハウス。
【請求項2】 有孔シートからなる屋根部の下に上記無孔シートからなる屋根部を有することを特徴とする請求項1に記載の園芸栽培用ハウス。
【請求項3】 縮展可能な無孔シートからなる壁部を有することを特徴とする請求項2に記載の園芸栽培用ハウス。
【請求項4】 上記無孔シートからなる壁部を、有孔シートからなる壁部の内部に有していることを特徴とする請求項3に記載の園芸栽培用ハウス。
【請求項5】 有孔シートからなる屋根部が縮展可能であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の園芸栽培用ハウス。
【請求項6】 上記有孔シートが、孔の径が0.1mm以上で、かつ、孔の面積が0.16mm2以上1.0mm2以下であるものであることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の園芸栽培用ハウス。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、園芸栽培用ハウスに関する。
【0002】
【従来の技術】木、竹、鉄などの構造材(パイプ状の形状のものを含む)を支柱とし、これらを組み合わせてなる骨組みに塩化ビニル樹脂、ポリエチレンなどのポリオレフィン樹脂、あるいは、エチレン−酢酸ビニル樹脂からなる光透過性の高い無孔シートを展張してなる園芸栽培用ハウス(図8(a)に園芸栽培用ハウス、図8(b)にその断面のモデル図をそれぞれ示す。なお、このような従来技術に係るハウスを以下「ビニルハウス」とも云う)が広く使われている。
【0003】ビニルハウスは保温効果が高く、作物の促成栽培が可能となり、また、無孔シートからなる屋根部が雨よけともなるため、高湿時の病気の発生を防ぐことができ、寒冷時の霜除け効果も果たし、また、内部への害虫の侵入も阻むことができるため野菜・花卉の周年供給に役立っている。しかし、このようなハウス内は春以降でその温度が著しく高くなる。
【0004】通常の作物では35℃以上となると光合成の効率が低くなり、また、キュウリなどではいわゆる「死に花」となって収穫量が著しく減少し、ブドウでは色が悪くなり、またトマトでも着果率が低下する。特に二酸化炭素を始めとする各種温暖化ガスによる年々の気温の上昇が予想される将来にはこれらの問題はより拡大するおそれがある。
【0005】このようなハウスにおいて内部の温度を下げるために壁部のシートのかさなった部分をずらして換気するなどの対策は可能ではあるが屋根部にはこのような対策が施せない。例えば屋根部付近では42℃を超えるような環境となる。このため、上述程度の対策では草丈が高い植物などでは全く効果がない。さらに、このような環境は、園芸栽培用ハウス内で収穫作業を行う生産者にとっても劣悪なものとなり、特に最近の少子化による作業者の高年齢化が進んだ結果、健康・安全面の問題が生じたり、あるいは生産意欲の著しい低下などを引き起こす。
【0006】上記のような換気を行うと園芸栽培用ハウスの防虫効果が失われるなど見過ごすことのできない副作用が生じる。ここで最近のコナガなどの害虫は薬剤抵抗性が高くなり、また外国からの新規の害虫に対しては日本の農薬では有効に作用しないなど、農薬では解決できない問題が生じている。なお、換気の悪い、高温になりやすいハウス内での農薬散布作業及びその後の農作業では作業者への危険性が問題となる。
【0007】また、園芸栽培用ハウス内での肥料の使用の結果、内部土壌には含窒素物・塩類が集積し、しかも、灌水も人工的なものであるため、これらは土壌表面付近に多く残留してその結果、植物の生育に適さなくなり、あるいは、病気の発生の原因となる。
【0008】一方、上記無孔シートの代わりに、有孔シートを展張してなる園芸栽培用ハウス(図9(a)に園芸栽培用ハウス、図9(b)にその断面のモデル図をそれぞれ示す)が、沖縄などの気温の高い地方で用いられている。
【0009】このような有孔シートを展張してなる園芸栽培用ハウスは、有孔シートからなる屋根部により日照が和らげられ、及び、その通風性による高温障害防止効果により酷暑期でも野菜の栽培が可能となる園芸栽培用ハウスであり、その有孔率や孔径を最適化することで害虫の侵入を防止できる。さらに、雨水が利用できるなどの利点が多いが、長雨による病気発生を防止できず、また寒冷地などでは日照不足や低温障害を引き起こすため、上記のように沖縄などの気温の高い地方での利用に限られていた。
【0010】また、一般に、野菜等の鮮度が要求される作物は雨で濡れている状態で収穫すると鮮度が著しく低下するが、上記のような有孔シートを展張してなる園芸栽培用ハウスではこのような作物には対応できない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した従来の園芸栽培用ハウスでの問題点を改善する、すなわち、寒冷地でも気温の高い地方でも、病気の発生を抑え、防虫効果が完全で、酷暑時でも安定した優れた品質の収穫が可能となり、また作業者の快適性の高い優れた園芸栽培用ハウスを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の園芸栽培用ハウスは上記課題を解決するため、請求項1に記載の通り,構造材を支柱とし、これに有孔シートを展張してなる園芸栽培用ハウスであって、有孔シートからなる屋根部と縮展可能な無孔シートからなる屋根部とを有する園芸栽培用ハウスである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明において、支柱に有孔シートを展張してなる園芸栽培用ハウスであることが必要である。この構成により、酷暑期の日差しを和らげ、また、散乱効果により均一に被栽培植物に供給することができる。なお、有孔シートにより光合成に寄与する可視光を不必要に減少させることなく、被栽培植物に障害を及ぼす紫外線を著しくカットすることができる。
【0014】また、上記構成により充分な換気が可能となり、ハウス内の温度の高温化を防止できる。このため、被栽培植物の高温障害や、あるいはハウス内作業者への悪影響を防止することができる。同時に、雨水のハウス内への直接導入が可能となる。そのため、灌水の手間が大幅に省けると共に、ハウス内土壌表面への有害物の蓄積を防止することができ、被栽培植物の根の活力を向上させ障害や病気の発生を未然に防ぐことができる。同時に大降水時の雨滴を小さくし、被栽培植物への悪影響を防止することができる。さらに有孔シートの孔径を最適なものとすることにより、コナガなどの害虫の侵入を阻止することが可能となる。また、被栽培植物への強風による悪影響を防止することができる。
【0015】一般に害虫の侵入防止には孔の径が0.1mm以上で、孔の面積が1.0mm2である通気孔を有する有孔シートを用いることで充分な効果が得られる。なお、孔の面積があまり小さいと雨滴が充分に通過できず、本発明の効果が得られないことがあるため、孔の面積は0.16mm2以上であることが望ましい。
【0016】このような有孔シートとしては、特許第2566712号などに係る、繊維構造体に樹脂を添着して得られたものが知られている。この有孔シートはポリエステルなどの透明合繊繊維からなる糸条による構成された網目状シートに該糸条より低い融点を有しかつ高周波融着性を有する塩化ビニル等の透明合成樹脂を付着させ、孔の径が0.1mm以上で、孔の面積を特定の範囲にある通気孔を網目状に形成してなる通気性施設園芸用被覆材である。
【0017】この有孔シートは、強度、耐久性に優れ、紫外線をカットし、また、光の散乱効果により均一な光を被栽培植物に供給するものであり、かつ、一般に入手可能である。なお、有孔シートとしては、通常は無色のものを用いるが、日照の強さ、被栽培植物の種類などにより、必要に応じて有色のものを用いることができる。
【0018】本発明の園芸栽培用ハウスは、有孔シートからなる屋根部の他、縮展可能な無孔シートからなる屋根部とを有する。このような構成により、長雨時の雨水のハウスへの侵入を調整することができ、病気の発生を防止することができる。なお、春以降の晴天などの高温時は、無孔シートからなる屋根部を縮収して、ハウス内が被栽培植物に適した温度となるようにする。
【0019】さらに、強風時において、図8に示したような従来の園芸栽培用ハウスでは、無孔シートを破くなどの手段によって除去することによりハウス自体の破壊を防止していたが、本発明では無孔シートを縮めることにより、容易にハウス自体の破壊を防止することができるのと同時に、無孔シート自体の破れを防止することができ、農業用シートの長寿命化による廃棄・処理問題を少なくすることができ、環境問題改善にも貢献できる。
【0020】なお、本発明においてシートの縮展は、シート自体をプリーツ状にたくし上げまた伸すことにより実施することができるが、手動、あるいは電動によって巻き取ることにより、シートを傷めることなく縮展することができる。このときシートの寿命を長くすることができるので好ましい。
【0021】本発明の園芸栽培用ハウスにおいて、縮展可能な無孔シートからなる壁部を有することによって、寒冷地、春秋冬季の低温において、この無孔シートを展伸して壁部を形成することにより、通常のビニールハウス(図8にモデル的に示された園芸栽培用ハウス)に近いレベルに保温性を向上させることができる。なおこのとき有孔シートからなる屋根部が縮展可能であれば、これを縮収させることによりハウス内へ入射する日光を遮らないようにすることができ、その結果、寒冷期や曇天日・雨天日が続くなど日射量が少ないときには通常のビニールハウスと全く同様の条件で栽培を行うことができる。このとき、必要に応じて内部を暖房等の手段によって積極的に加熱させることも可能である。なお、上記のような無孔シートからなる壁部は、保温のために用いられるものであるため、通常、沖縄などの高温地域では不要である。
【0022】本発明の園芸栽培用ハウスにおいて、有孔シートからなる屋根部の下に上記無孔シートからなる屋根部を、有孔シートからなる壁部の内側に上記無孔シートからなる壁部を配することにより、比較的強い風を伴う雨の際でも外側の有孔シートにより内部の無孔シートに当たる風を弱めることが可能となって無孔シートを縮収させる必要がなくなり、ハウス自体の倒壊は勿論、被栽培植物への悪影響を防止することができるとともに、ハウス支柱の細径化などが可能となり、設備費を低減することが可能となる。
【0023】またこのような構成により無孔シートが汚れにくくなり、光透過性の低下が防止される。また、従来のビニールハウスで用いられていた無孔シートと比べ、薄いものを用いることが可能となり、経済的に有利になるとともに、廃棄時の廃棄物量を減らすことができる。
【0024】ここで、ポリエステル等からなる繊維構造体に樹脂を添着して得られたもの有孔シートとして屋根部を形成し、その下に塩ビなどの無孔シートの屋根部を配した場合、有孔シートの強度が非常に高いため、積雪あるいは強風時の折れ枝等によってもこれらシートに障害が生じない。さらにこのとき、日照が外側の有孔シートにより均一に散乱するため、ハウス支柱による陰が生じにくく、被栽培植物の生育に斑が生じない。
【0025】また、本発明の園芸栽培用ハウスにおいて、無孔シートからなる屋根部は巻き取りなどの手段によって縮展させる必要があるが、上述のように有孔シートからなる屋根部の内部に無孔シートからなる屋根部を、また有孔シートからなる壁部の内部に無孔シートからなる壁部を保つことにより日光などの環境要因等による無孔シートの脆化・劣化を防止することができるため、長期間に亘って縮展が可能となり、無孔シートの長寿命化が可能となると同時に、ハウス内の実容積を小さくすることができるため保温が容易となる。
【0026】さらに、このとき、無孔シートからなるハウスを有孔シートにより完全に覆う構成となるため、無孔シートからなるハウスの外に緩衝空気層を有する構造となり、その結果、無孔シートにおける結露を防止することができ、結露による光線透過率の低下が著しく低減される。
【0027】なお、上記と逆に、無孔シートからなる屋根部の下に有孔シートからなる屋根部を、無孔シートからなる壁部の内側に上記有孔シートからなる壁部を設けた場合であっても従来のビニールハウスと同等の耐風性が得られる。
【0028】なお、屋根部における有孔シート及び無孔シート、及び、壁部における有孔シート及び無孔シートがすべて縮展可能であれば、台風などの極めて強い風であっても、これらをすべて縮収させることにより、これらシート、また、構造材からなる支柱等を含めて被害を免れることができ、そのため、台風通過後直ちに、かつ、容易に栽培を再度開始することができ、そのため経済的被害を最小限に留めることができる。
【0029】その結果、本発明の園芸栽培用ハウスを用いれば、台風が近づく季節以後栽培を行わないことが通常であるような地方でも、新たにハウスを作製しなおしたり、あるいは再度シートを購入したりすることなしに、台風のおそれがある季節以後における栽培が可能となる。
【0030】本発明の園芸栽培用ハウスで用いる支柱は、鉄製パイプなど園芸栽培用ハウスで通常用いられる素材すべてを用いることができ、強度、耐久性を勘案して適宜選択する。
【0031】また無孔シートは光透過性の高いものであることが望ましく、耐候性、耐紫外線性、強度等通常園芸栽培用ハウスで用いられる無孔シートの特性の他、巻き取りなどの縮展を容易にするため、柔軟性が特に必要となる。このようなものとして塩化ビニル樹脂、ポリエチレンなどのポリオレフィン樹脂、あるいは、エチレン−酢酸ビニル樹脂などからなる光透過性の高い無孔シートであることが望ましい。また、特に光透過性が高く、かつ、汚れにくいと云う特性を有するフッ素系樹脂フィルムも好適に用い得る。(なお、フッ素系樹脂フィルムは使用後、そのメーカーによる回収制度が広く普及しているため、需要者による処理が不要であると云う利点もある。)
【0032】なお、本発明の園芸栽培用ハウスは、ハウス内土壌での栽培には勿論、その他、鉢物の栽培、あるいは養液栽培にも好適に用いることができる。すなわち、これらでは通常のハウス内土壌栽培での場合に比べて、被栽培植物が高く位置するため、従来のハウスではハウス内高所における高温の影響を特に受けやすかった。
【0033】以下に本発明の園芸栽培用ハウスについて図面を用いて具体的に説明する。図1(a)に本発明の園芸栽培用ハウスの断面を示す。これは構造材(図示しない)を支柱とし、これに有孔シートを展張してなる園芸栽培用ハウスであって、有孔シートからなる屋根部と縮展可能な無孔シートからなる屋根部とを有する園芸栽培用ハウスである。
【0034】この園芸栽培用ハウスにおいて、無孔シートからなる屋根部は有孔シートからなる屋根部の下に配されている。このため、ある程度の強風を伴う雨のときであっても、無孔シートに当たる風は有孔シートによって和らげられ、無孔シートを展伸したままの状態を保つことが可能であり、その結果無孔シートからなる屋根部の下の栽培植物への過剰な雨滴の供給を防止することができる。
【0035】なお、この図1(a)における無孔シートは展伸されている状態であるが、図中矢印方向に巻き取られて縮収することが可能となっている。図1(b)はその巻き取り中の様子を示す図である。ここで無孔シートからなる屋根部はハウス内に張られたワイヤ(図示せず)により保持されている。このような園芸栽培用ハウスは沖縄などの、保温が不要な地方に適している。
【0036】本発明の園芸栽培用ハウスの場合、図1(b)に示したように屋根部の縮展可能な無孔シートは上部の部分から縮展されることにより、いわゆる「煙突効果」を調整することができ、ハウス内温度の調整が容易になると同時に、速やかに調整を行うことができる。
【0037】なお、図1に示したようなハウスは、内部に遮光・断熱用の不織布などのシートを展張するためのワイヤを有する従来のビニールハウスを改造して安価で容易に形成することができる。
【0038】一方、寒冷地など冬季に保温が必要な場合では図2(a)にその断面をモデル的に示した園芸栽培用ハウスが適している。すなわち、このハウスは、図1に示した園芸栽培用ハウスの構造の他、縮展可能な無孔シートからなる壁部を、有孔シートからなる壁部の内部に有している。その結果図1に示したハウスの利点の他、寒冷時には無孔シートからなる屋根部及び壁部をこれらシートを展伸させることにより形成して、保温効果を持たせることができる。なお、このとき、雨天時には、屋根部からの雨水の侵入のみならず、壁部からの雨水の浸入を防止することが可能となり、病気の発生防止に効果的である。
【0039】図2(b)には、これら無孔シートからなる屋根部及び壁部を巻き取ることにより縮収するる過程を示すモデル図を示す。なお、屋根部や壁部を構成する無孔シートは同時に連動して巻き取られても良いが、独立していることにより、ハウス内部への風、雨水の導入量、あるいは、内部の温度の調整が容易となる。
【0040】図1及び図2に示した園芸栽培用ハウスは内部の無孔シートからなる屋根部が直線的にワイヤ(図示せず)によって保持されている。このため。この無孔シートのたわんだ部分に雨水が溜まり、その結果シートが破けたり、構造材からなる支柱に悪影響が及んだり、あるいは、被栽培植物への日照に斑が生じるおそれがある。ここで、図3(a)にモデル的に断面を示すような、すなわち無孔シートからなる屋根部がアーチ状のフレーム(図示せず)により指示されている園芸栽培用ハウスではこのような雨水溜まりによる障害を防止することができる。
【0041】なお、図3(b)にはこの園芸栽培用ハウスの無孔シートからなる屋根部及び壁部を縮収する過程のモデル図を示す。
【0042】上記のように図2及び図3に示した園芸栽培用ハウスにおいて無孔シートが展伸されているときには、無孔シートからなる屋根部及び壁部が形成されているため、虫、風あるいは雨水の浸入のおそれがない。しかしながら、日照は無孔シートにより遮られているため、季節あるいは被栽培植物によっては不利となることがある。
【0043】図4(a)にその断面をモデル的に示した園芸栽培用ハウス構造により、屋根部及び壁部を構成する有孔シートを縮収させることができ、その結果、図2及び図3に示した園芸栽培用ハウスでの弱点を除去することができる。すなわち、この構造により、保温が必要な時期には、図8に示された従来のビニルハウスと同等の保温性と日照量が得られる。なお、このとき、有孔シートと無孔シートとはそれぞれ独立して展張可能であることが必要である。
【0044】なお、図4(a)に示された園芸栽培用ハウスでは台風などの極めて強い風によりシートが破損したり、あるいは、構造材が破壊されるおそれがあるときには図4(b)にその過程を示すように無孔シート及び有孔シートを共に巻き取って縮収させることにより損害の発生を防止することができる。なお、この園芸栽培用ハウスでは屋根部及び壁部の無孔シートを展伸したときに、害虫が入り込む隙間がないように特に注意して設計する必要がある。
【0045】図4に示された例では屋根部を形成する無孔シート及び有孔シートは、下方へ巻き取られたが、図5に、これらシートを屋根部中央で巻き取る例を示す。一般に屋根部を形成するシートを下方へ巻き取る図1〜4に示される形式のハウスでは巻き取り装置などの施設を新規に設計する必要が多い。しかし、図5に示される形式のハウスでは既存の設備・装置を応用することが比較的容易であるため、設備費を低く抑え、同時に、工期の短縮が可能となる。
【0046】なお、この屋根部中央で巻き取る方式は図1〜図3における園芸栽培用ハウスの無孔シートからなる屋根部にも応用でき、従来設備・装置の利用による設備費の低減、工期短縮効果が得られる。
【0047】以上、有孔シートからなる屋根部の下に上記無孔シートからなる屋根部を有する園芸栽培用ハウスの具体例について説明したが、これらは比較的高価な設備となる。次に、従来の図9に示されたような有孔シートを展張してなる既存の設備を用いて、本発明の効果を得る例について説明する。
【0048】図6(a)に有孔シートを展張してなる既存の設備を応用した本発明の園芸栽培用ハウスのモデル断面図を示す。このハウスは従来の有孔シートを展張してなる既存の園芸栽培用ハウスに、改造によって縮展可能な無孔シートからなる屋根部及び壁部を設けたものであり、それぞれの無孔シートが不要な際には図6(b)にその過程を示したように巻き取り可能となっている。このような改造を行うことにより既存の設備を用いて、容易に本発明の園芸栽培用ハウスを得ることが可能である。
【0049】また、図7には、ほぼ同様な形式を有しながら、屋根部を形成する無孔シートを屋根部中央で巻き取る園芸栽培用ハウスの例を示す。この場合、資材の入手が容易であるため、既存のハウスの改造を迅速かつ安価に行うことが可能となる。
【0050】なお、上記具体例においてはアーチ型外観のハウスについて述べたが、本発明はこれらに限定されず、図8に示されたような屋根型ハウスを始め、一般に用いられる形状のハウスでの実施が可能である。
【0051】
【発明の効果】本発明の園芸栽培用ハウスは、寒冷地でも気温の高い地方でも、病気の発生を抑え、防虫効果が完全で、酷暑時でも安定した優れた品質の収穫が可能となり、また作業者の快適性の高い優れた園芸栽培用ハウスである。
【出願人】 【識別番号】000227951
【氏名又は名称】日本ウエーブロック株式会社
【出願日】 平成10年6月16日(1998.6.16)
【代理人】 【識別番号】100060690
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 秀雄
【公開番号】 特開2000−33(P2000−33A)
【公開日】 平成12年1月7日(2000.1.7)
【出願番号】 特願平10−168396