トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 コンバインにおける圧風ファンのカバー体
【発明者】 【氏名】福田 禎彦

【要約】 【課題】クローラ走行装置により巻き上げられる泥土の圧風ファンへの飛散を未然に防止して、円滑な選別風の送風作用と脱穀物の品質保持を確保することができるコンバインにおける圧風ファンのカバー体を提供する。

【解決手段】選別風路26を形成する圧風ファン25の吸気口25aの下方後側に適宜の間隔を存してカバー体34を取着し、クローラ走行装置2から飛散する泥土Bの圧風ファン25への付着を阻止するようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 扱室に軸架した扱胴と、その下方で前後揺動する搖動選別体と、一番樋と二番樋との間で機体幅方向に横設した圧風ファンを介して風選作用を行う選別風路とを有して構成した脱穀機を、クローラ走行装置を下部に設けた機体フレーム上に搭載してなるコンバインにおいて、上記圧風ファンの吸気口の下方後側に適宜の間隔を存してカバー体を取着し、前記クローラ走行装置から飛散する泥土の圧風ファンへの付着を阻止するようにしたことを特徴とするコンバインにおける圧風ファンのカバー体。
【請求項2】 上記カバー体は、圧風ファンの後方近傍に配設した二番樋の底面の前部に配設されていることを特徴とする請求項1記載のコンバインにおける圧風ファンのカバー体。
【請求項3】 上記カバー体は前傾状に延設されていることを特徴とする請求項1または2に記載のコンバインにおける圧風ファンのカバー体。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クローラ走行装置と脱穀機を備えたコンバインに係り、特にクローラ走行時に、脱穀機の圧風ファンに向けて飛散する泥土の付着を防止するカバー体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、前部に前処理部を昇降自在に設けた機体フレーム上に脱穀機を備え、かつ該機体フレーム下部の左右に巻装した一対の弾性体クローラからなるクローラ走行装置で圃場を走行するように構成したコンバインでは、脱穀機の下部側に唐箕ファンと圧風ファンを機体幅方向に設けて選別風路を形成し、扱室に軸架した扱胴およびその下方で前後揺動する搖動選別体との協働で機体走行による刈取作業を行いながら脱穀処理作業をするようになっている。
【0003】しかしながら圃場が軟泥な湿田である場合には、走行するクローラ走行装置が巻き上げる泥土が、圃場面から弾性体クローラの巻装上面域まで連れ廻りされて脱穀機の下面、特に弾性体クローラの後端側でその上方に位置する圧風ファンに向けて飛散し易く、この飛散した泥土が圧風ファンケースや圧風ファン自体に付着して半固形化すると、当該ファンの円滑な回転駆動に支障を来して圧風ファンに回転駆動力を伝達するベルト体のスリップや焼損を誘発すると共に、上記圧風ファンに付着した泥土が回転駆動により選別風とともに脱穀機内に混入して脱穀処理物の品質を低下させる可能性がある、という改善の余地を残すものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の如き実状に鑑み軟泥な湿田におけるコンバインの性能向上を追求する研究、開発の過程で創案されたものであって、その目的とするところは、簡単な構成でありながら、クローラ走行装置により巻き上げられる泥土の圧風ファンへの飛散を未然に防止して、円滑な選別風の送風作用と脱穀物の品質保持を確保することができるコンバインにおける圧風ファンのカバー体を提供しようとするもである。
【0005】
【課題を解決するための手段】課題を解決するため、本発明が採用した技術的手段は、扱室に軸架した扱胴と、その下方で前後揺動する搖動選別体と、一番樋と二番樋との間で機体幅方向に横設した圧風ファンを介して風選作用を行う選別風路とを有して構成した脱穀機を、クローラ走行装置を下部に設けた機体フレーム上に搭載してなるコンバインにおいて、上記圧風ファンの吸気口の下方後側に適宜の間隔を存してカバー体を取着し、前記クローラ走行装置から飛散する泥土の圧風ファンへの付着を阻止するようにしたことを特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本考案の構成を、図面に示した実施例ついて詳細に説明する。図1において、1はコンバインであって、該コンバイン1は左右一対の弾性体クローラ2´、2´からなるクローラ走行装置2を備えた機体フレーム3の前部に、穀稈梳起し体4、分草体5等からなる前処理部6が昇降自在に装着されており、その後方には、運転操作部7を前部および側部に備えた運転席8が配設されていると共に、上記運転席8後部の機体進行方向の右側にはグレンタンク9が水平回動自在に配設され、かつ該グレンタンク9の左側には脱穀機10が配けられている。
【0007】また上記グレンタンク9の後方には、図示しない縦送りラセンを内装した縦搬送パイプ11が立設されており、脱穀機10で脱穀選別処理された籾を揚上搬送してグレンタンク9に貯留した後、グレンタンク9の底部に配設した横送りラセンから縦搬送パイプ11の縦送りラセンを経て、排出オーガ12の排出口12aから機外に放出するようにコンバイン1が構成されている。
【0008】上記クローラ走行装置2は、前端に駆動輪13を軸支したトラックフレーム14の後端に伸縮自在な支持機構15を介して遊動輪16を軸支し、当該駆動輪13と遊動輪16との間に弾性体クローラ2´を巻装して構成され、更に上記トラックフレーム14の前後端間には、複数の遊転輪17、17…と転動輪18がそれぞれ配設されている。
【0009】ここで前記脱穀機10は、図2および図3に示すように、扱室19に軸架した第一扱胴20aおよび第2扱胴20bの下方位置に前後揺動自在な揺動選別体21を配設し、かつ当該搖動選別体21の下方には一番螺旋22、二番螺旋23と、これらに対応する一番樋22a、二番樋23aが設けられていると共に、機体進行方向の前部側に唐箕ファン24、上記各樋22a、23a間に圧風ファン25が機体幅方向にそれぞれ配設されて、図2に白抜き矢印で示す選別風路26が形成されている。
【0010】そして刈取脱穀作業時には、揺動選別体21から漏下した一番物を一番樋22a、揚穀筒27を介して前記グレンタンク9に搬送し、また二番物は二番樋23a、還元筒28を介して揺動選別体21での再選に供すると共に、脱穀機10内で発生する粉塵、屑類等は、選別風路26を吹き抜ける選別風により機内後方に誘導されて排塵ファン29を介して機外に放出されるようになっている。30は穀稈搬送チェン、31は排藁搬送チェンである。
【0011】一方、上記脱穀機10を搭載する機体フレーム3は、図4および図5に示すように、中空角パイプ3a、3bを機体幅方向に段差状に離間並設して構成されており、上記パイプ3aに固着した断面コ字形のブラケット32と、パイプ3bの上面に固定したL形ブラケット33との間には、板状のカバー体34が前方に位置する圧風ファン25の吸気口25aの下方後側に適宜の間隔を存して前傾状に螺設されている。
【0012】すなわち上記カバー体34は、その上端縁34aを二番樋23aを形成する底面23bの前部から機体進行方向に傾斜姿勢を保持して延出され、かつ当該カバー体34の下端縁34bを水平状に曲成して構成することにより、圧風ファン25に向けて弾性体クローラ2´の巻装上面域Aの後部側から飛散する泥土Bの付着を阻止するようになっている。なお、35a、35bは圧風ファン25の送風口25bを形成する上部ケースカバーである。
【0013】本発明は叙上の如く構成されているから、刈取脱穀作業におけるコンバイン1の圃場走行、特に軟泥な湿田での走行時には、当該コンバイン1の自重で沈み込みが大となることと相俟って、クローラ走行装置2の弾性体クローラ2´、2´に巻き上げられて巻装上面域Aまで連れ廻りされた泥土Bが、当該弾性体クローラ2´、2´の後端側の上方に位置する圧風ファン25に向けて飛散することになるが、上記圧風ファン25の吸気口25aの下方後側に適宜の間隔を存してカバー体34が設けられているので、圧風ファン25自体やその上部ケースカバー35a、35bの内面に泥土Bが付着することがなく、当該ファン25の円滑な回転駆動を保持することができる。また、回転する圧風ファン25を介して泥土Bが脱穀機10内に侵入することがなく、脱穀処理物に泥土が混入するような不具合を一掃することができる。
【0014】
【発明の効果】これを要するに本発明は、扱室に軸架した扱胴と、その下方で前後揺動する搖動選別体と、一番樋と二番樋との間で機体幅方向に横設した圧風ファンを介して風選作用を行う選別風路とを有して構成した脱穀機を、クローラ走行装置を下部に設けた機体フレーム上に搭載してなるコンバインにおいて、上記圧風ファンの吸気口の下方後側に適宜の間隔を存してカバー体を取着し、前記クローラ走行装置から飛散する泥土の圧風ファンへの付着を阻止するようにしたから、■圧風ファン本体およびそのケースに泥土が付着しないので、選別風とともに泥土を脱穀機内に送出してしまうような不具合や、圧風ファンを駆動する機構部の回転不良を防止することができる。また上記カバー体は、圧風ファンの後方近傍に配設した二番樋の底面の前部に配設されているから、■泥土の飛散方向に向く圧風ファン下面の回転域のみをカバー体で包覆する構成とすることで、当該圧風ファンやその近傍の一番螺旋、二番螺旋の点検保守作業を簡単に行うことができる。更に上記カバー体は前傾状に延設されているから、■泥土の飛散方向に沿って前傾状にカバー体を設けることにより、圧風ファン本体およびそのケースへの泥土の付着を防止しつつ、カバー体自体への泥土の付着をも可及的に抑制し得て、当該部位の清掃や点検保守を容易に行うことができる。
等という有用な新規的効果を奏するものである。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成11年4月27日(1999.4.27)
【代理人】 【識別番号】100066876
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 昭治
【公開番号】 特開2000−308410(P2000−308410A)
【公開日】 平成12年11月7日(2000.11.7)
【出願番号】 特願平11−120720