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【発明の名称】 穀物の乾燥貯蔵装置
【発明者】 【氏名】金子 常雄

【氏名】森田 清

【要約】 【課題】貯蔵前の乾燥を省力化して大幅な省エネルギーを実現するとともに、穀物を所定の水分に保ち、品質を損なうことなく長期間にわたって貯蔵することができる穀物の乾燥貯蔵装置を提供する。

【解決手段】貯蔵ビン1は、一部ないし全体が中空二重壁構造であってその内壁14と外壁15との対向間隔を通気空間16とする。通気空間16を通して外気を貯蔵ビン1内に吸引通風させる吸引排風機10を有する。貯蔵ビン1の中空二重壁構造の外壁15は、外気の遮断性と壁面に沿って滞留する外気を吸入する通気性とを兼備した壁材で構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 収穫した穀物を貯蔵ビンに収容し、外気を通風して乾燥しながら貯蔵する穀物の乾燥貯蔵装置において、貯蔵ビンは、一部ないし全体が中空二重壁構造であってその内壁と外壁との対向間隔を通気空間とし、かつこの通気空間を通して外気を貯蔵ビン内に吸引通風させる吸気機能を有しており、貯蔵ビンの中空二重壁構造の外壁は、外気の遮断性と壁面に沿って滞留する外気を前記吸気機能により吸入する通気性とを兼備した壁材で構成されていることを特徴とする穀物の乾燥貯蔵装置。
【請求項2】 貯蔵ビンの中空二重壁構造の外壁は、波形状にして表面積を大きくした構成であることを特徴とする請求項1記載の穀物の乾燥貯蔵装置。
【請求項3】 収穫した穀物を貯蔵ビンに収容し、外気を通風して乾燥しながら貯蔵する穀物の乾燥貯蔵装置において、貯蔵ビンは、一部ないし全体が中空二重壁構造であってその内壁と外壁との対向間隔を通気空間とし、かつこの通気空間を通して外気を貯蔵ビン内に吸引通風させる吸気機能を有しており、貯蔵ビンの中空二重壁構造の外壁は、垂直方向に波形状に形成されていて外面側の凹部が暖気の滞留空間を成し、この暖気の滞留空間の上側面を通気性としたことを特徴とする穀物の乾燥貯蔵装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、穀物を所定の水分に保ち、品質を損なうことなく長期間にわたって貯蔵するための穀物の乾燥貯蔵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、籾の貯蔵にあたっては、収穫し脱穀した籾を変質しにくい水分まで乾燥したうえ、カントリーエレベータのサイロや貯蔵ビンで貯蔵するが、貯蔵している籾の品質を良好に保つため、穀温を20℃以下とし、さらに外気温の低下によりサイロや貯蔵ビン内で結露のおそれがある場合には、外気の通風による乾燥を施すことが行われている(特開平6−269687号公報または特開平6−281336号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、地球温暖化防止、環境悪化の防止、さらには省エネルギーのうえから、穀物の乾燥にも太陽熱の利用が推進されているが、穀物の乾燥においては未だ全て太陽熱の利用だけでまかなうことができず、化石燃料の燃焼による加温手段を主にして太陽熱の利用を補助手段としているのが実情である。
【0004】そこで、本発明は、収穫した穀物の乾燥と貯蔵とを一貫したものとしてとらえ、長期間にわたる貯蔵中において太陽熱の効果的利用による加温乾燥を継続することにより、貯蔵前の乾燥を省力化して大幅な省エネルギーを実現するとともに、穀物を所定の水分に保ち、品質を損なうことなく長期間にわたって貯蔵することができる穀物の乾燥貯蔵装置を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る穀物の乾燥貯蔵装置は、収穫した穀物を貯蔵ビンに収容し、外気を通風して乾燥しながら貯蔵する穀物の乾燥貯蔵装置において、貯蔵ビンは、一部ないし全体が中空二重壁構造であってその内壁と外壁との対向間隔を通気空間とし、かつこの通気空間を通して外気を貯蔵ビン内に吸引通風させる吸気機能を有しており、貯蔵ビンの中空二重壁構造の外壁は、外気の遮断性と壁面に沿って滞留する外気を前記吸気機能により吸入する通気性とを兼備した壁材で構成されていることを特徴とするものである。
【0006】本発明の請求項2に係る穀物の乾燥貯蔵装置は、請求項1の構成において、貯蔵ビンの中空二重壁構造の外壁は、波形状にして表面積を大きくした構成であることを特徴とするものである。
【0007】本発明の請求項3に係る穀物の乾燥貯蔵装置は、収穫した穀物を貯蔵ビンに収容し、外気を通風して乾燥しながら貯蔵する穀物の乾燥貯蔵装置において、貯蔵ビンは、一部ないし全体が中空二重壁構造であってその内壁と外壁との対向間隔を通気空間とし、かつこの通気空間を通して外気を貯蔵ビン内に吸引通風させる吸気機能を有しており、貯蔵ビンの中空二重壁構造の外壁は、垂直方向に波形状に形成されていて外面側の凹部が暖気の滞留空間を成し、この暖気の滞留空間の上側面を通気性としたことを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る穀物の乾燥貯蔵装置の一実施の形態を示す概略縦断面図、図2は図1に示す穀物の乾燥貯蔵装置の一部詳細断面図、図3は図1に示す穀物の乾燥貯蔵装置の概略横断面図、図4は図3の一部詳細断面図、図5は本発明に係る穀物の乾燥貯蔵装置の他の実施の形態を示す横断面図、図6は本発明に係る穀物の乾燥貯蔵装置のさらに他の実施の形態を示す一部詳細縦断面図、図7は図6の他例を示す一部詳細縦断面図である。
【0009】図1ないし図4において、1は貯蔵ビンである。この貯蔵ビン1は密閉状のものであって、その底壁2は多孔板で構成されていて下部通気面を成しており、中央に集中するように傾斜し、その中央の傾斜下端が穀物流出口3と成っている。穀物流出口3には穀物搬出コンベア4が接続されている。貯留ビン1は、底壁2の上が穀物貯留室5であり、底壁2の下は吸気室6である。7は複数の支脚である。貯留ビン1の頂部は穀物搬入口8と成っており、穀物搬入口8には穀物搬入樋9が接続されている。吸気室6には吸引排風機10が接続されている。
【0010】貯蔵ビン1内の頂部には上記穀物搬入口8に対応して穀物均分装置11が設けられている。この穀物均分装置11は、回転放擲板12を備えて成るものであり、13はその駆動モータである。
【0011】貯蔵ビン1は、その全周面および上面が中空二重壁構造であって、内壁14と外壁15との対向間隔が通気空間16と成っている。この通気空間16は周面の下端が開口していて外気に通じており、貯留ビン1内の頂部で穀物貯留室5に連通している。貯蔵ビン1の中空二重壁構造の外壁15は、外気の遮断性と壁面に沿って滞留する外気を前記吸気機能により吸入する通気性とを兼備した壁材で構成されており、図示の実施の形態では面積比にして微細孔17を全面にわたって均等または一定の集団ごとに多数穿孔して成るものである。外壁15は必ずしも断熱性を要求されないが、断熱蓄熱性にすぐれたものが好適である。
【0012】貯蔵ビン1の中空二重壁構造の外壁15は、図3および図4に示すように、水平方向に波形状を成していて表面積を大きくした構成である。内壁14は円筒状であるが、強度を増すために垂直方向に緩やかな波形状と成っている。
【0013】貯蔵ビン1の周囲は、図5に示すように、その外周囲を複数の円弧状覆体18で囲む構成とすることができる。これらの円弧状覆体18は、貯蔵ビン1の軸心に対して円周方向に回転させることができ、図5に示すように、朝、昼、夕の貯蔵ビン1に対する日照の状態などに応じて貯蔵ビン1に取り入れる太陽熱をコントロールすることができるようにしてある。
【0014】図6または図7は、それぞれ本発明の他の実施形態であるが、図6の構成では、貯蔵ビン1の中空二重壁構造の外壁15を、垂直方向に波形状に形成してあり、その外面側の凹部が太陽熱により暖められた暖気の滞留空間19を成している。そして、この暖気の滞留空間19の上側面に微細孔17を穿孔してある。なお、その他の構成は図1ないし図4に示すものと同構成である。
【0015】図7に示すものは、図6のものと大略同構成であるが、外側面の凹部で成る暖気の滞留空間19の上面を略水平状にしてあり、暖気の滞留空間19に暖気が多く滞留し、かつ滞留した暖気が逃げにくいようにしている。なお、その他の構成は図1ないし図4に示すものと同構成である。
【0016】穀物の貯蔵にあたっては、予備乾燥した穀物を穀物搬入樋9により穀物搬入口8から貯蔵ビン1に搬入し、穀物貯留室5に所定量堆積貯蔵する(図1参照)。そして、貯蔵中は、所定の条件にしたがって吸引排風機10を運転して、通気空間16を通して外気を吸引し、貯蔵中の穀物層に流通させる。なお、貯蔵中の穀物は必要に応じて適宜循環させてもよい。
【0017】ところで、中空二重壁構造を成す貯蔵ビン1に太陽光線が照射されると、その外壁15の外側面に沿った外気が太陽熱で暖められ、その暖気は外壁15の外側面に沿って滞留する。そして、その滞留する暖気は吸引排風機10による吸引作用によって多数の微細孔17を有する面から通気空間16に導入され、通気空間16に吸引される外気と混合して加温空気となり、貯蔵中の穀物層に流通して太陽熱の利用による加温空気により通風乾燥が行われる。
【0018】図6または図7に示すものは、貯蔵ビン1の中空二重壁構造の外壁15を、垂直方向に波形状に形成してあって、その外面側の凹部が太陽熱により暖められた暖気の滞留空間19を成しており、しかも、この暖気の滞留空間19の上側面に微細孔17を穿孔してあるので、太陽熱により暖められた暖気は、暖気の滞留空間19に滞留して逃げにくいうえ、滞留する暖気は上昇して暖気の滞留空間19の上側面から多数の微細孔17を通して効率よく通気空間16に取り込まれる。このため、これらの実施の形態によれば、太陽熱の利用効率が大幅に向上する。
【0019】以上のように、本発明に係る実施の形態によれば、穀物の貯蔵中においても太陽熱を効果的に利用して通風乾燥を施すことができるので、貯蔵ビン1に貯蔵する前の予備乾燥を簡略化することが可能であり、穀物の乾燥と貯蔵において省エネルギーを図ることができる。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、収穫した穀物の乾燥と貯蔵とを一貫したものとしてとらえ、長期間にわたる貯蔵中において太陽熱の効果的利用による加温乾燥を継続することにより、貯蔵前の乾燥を省力化して大幅な省エネルギーを実現するとともに、穀物を所定の水分に保ち、品質を損なうことなく長期間にわたって貯蔵することができる穀物の乾燥貯蔵装置が得られる。
【出願人】 【識別番号】000001465
【氏名又は名称】金子農機株式会社
【出願日】 平成11年4月6日(1999.4.6)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−287534(P2000−287534A)
【公開日】 平成12年10月17日(2000.10.17)
【出願番号】 特願平11−98513