| 【発明の名称】 |
汎用コンバインの脱穀部 |
| 【発明者】 |
【氏名】上窪 啓太
【氏名】広瀬 和義
【氏名】正野 潤一
【氏名】宮本 宗徳
【氏名】中村 隆正
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| 【要約】 |
【課題】揺動板上のチャフの排塵性能を向上し、選別ロスの低減と回収穀粒の精選向上を図ることができるコンバインの脱穀部を得ることを目的とする。
【解決手段】刈取部の後部に機体幅方向に回動軸を有するスクリュー型のロータを前後に平行に配置した脱穀部を備えた汎用コンバインにおいて、排稈を機外に排出する吸引装置をロータの排稈口の後方に配備する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 刈取部の後部に機体幅方向に回動軸を有するスクリュー型のロータを前後に平行に配置した脱穀部を備えた汎用コンバインにおいて、排稈を機外に排出する吸引装置をロータの排稈口の後方に配備したことを特徴とする汎用コンバインの脱穀部。 【請求項2】 前記吸引装置は機体幅方向を回転軸としたファンで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の汎用コンバインの脱穀部。 【請求項3】 前記吸引装置は機体幅方向を回転軸とした貫流可能なファンで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の汎用コンバインの脱穀部。 【請求項4】 前記吸引装置におけるファンの回転数は可変であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の汎用コンバインの脱穀部。 【請求項5】 前記吸引装置の吹出口には、そのケーシングとファンとの間に空隙が設けられていることを特徴とする請求項2乃至請求項4の何れかに記載の汎用コンバインの脱穀部。 【請求項6】 前記吸引装置は主として選別装置で処理した廃棄物を機外に排出することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の汎用コンバインの脱穀部。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、コンバインに係り、より詳しくは、汎用コンバインの選別装置の上方にスクリュー型ロータを機体幅方向に対して平行に配置した脱穀部の構成に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来より汎用コンバインは走行装置より前方に刈取部を突出し、該刈取部により刈取った穀稈を後方へ搬送して脱穀部へ供給し、該脱穀部によって脱穀を行い、脱粒後の排稈は機体後方より圃場面に放出される。脱穀部における受網を漏下した穀粒、藁屑或いはゴミ等は脱穀部下方に配置した選別装置によって選別され、藁屑やゴミ等は機体後部より排出され、整粒は脱穀部の側部に配置したグレンタンクに貯留されるように構成していた。そして、グレンタンクがいっぱいになると、グレンタンク上方に旋回及び昇降可能に配置した排出オーガによってトラックの荷台等へ排出できるように構成していた。 【0003】前記脱穀部として、ロータを機体の幅方向に対して平行に配置し、該ロータを前後に二個配置して脱穀を行う範囲を選別装置の前部上方に収めて、脱穀部の後方にエンジン等の動力部や穀粒を排出する排出コンベアの縦コンベアを配置するようにしていた。 【0004】また、前後の各ロータ上部には側面視略「コ」字状のカバーが配置され、開放面を下方に向けて内部にロータ上部を収納するようにし、ロータ下部は外径に沿うようにクリンプ網が敷設されて穀稈の脱粒が促進され、前方のロータの左右一側に穀稈を投入する投入口が開口され、前方のロータの左右他端より後方のロータに向けて連通口が開口され、後方のロータの左右他端に排出口が開口され、ロータ外周のスクリューによって穀稈を投入口より連通口に向けて搬送しながら脱粒し、連通口より後方のロータを受け渡し、後方のロータで左右逆方向に搬送しながら脱粒し、選別装置の前部上方において穀粒を完全に脱粒する技術は本出願人によって提案済みである。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記脱穀部のロータを選別装置の前上方に収めた構造においては、選別装置の前半部に穀粒を落下させることができるが、脱穀部で脱粒された残りの排藁(排稈)が後方のロータ端部の排出口より落下されると、比重選別及び風選別が行われている選別装置上に落下され、選別性能を低下させるものとなっていた。特に、チャフ流量が増加した場合、揺動板の選別性能が低下し、選別不良や選別損失の増大を引き起こす。 【0006】また、前記の前後のロータは同一方向に回転される構成になっていたので、前方のロータ端部より後上方に持ち上げて連通口を介して後方のロータに送るようにしていたが、後方のロータ上部では連通口に戻すように回転されるので、穀稈の一部が後方のロータの回転によって前方のロータに押し戻されることがあり、受け継ぎがスムースになってはいなかった。さらに、前記脱穀部の連通口や排出口等はは単に口が開口される構成では穀稈を案内するには不十分であり、詰まりやすくスムースに受け継がすことができない等の不具合があった。本発明は、上記の不具合を解決すべくなされたものであり、揺動板上のチャフの排塵性能を向上し、選別ロスの低減と回収穀粒の精選向上を図ることができるコンバインの脱穀部を得ることを目的とするものである。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は、以上のような目的を達成するために、次のようなコンバインの脱穀部を提供するものである。すなわち、刈取部の後部に機体幅方向に回動軸を有するスクリュー型のロータを前後に平行に配置した脱穀部を備えた汎用コンバインにおいて、排稈を機外に排出する吸引装置をロータの排稈口の後方に配備したことを特徴とする汎用コンバインの脱穀部である。また、吸引装置は機体幅方向を回転軸としたファンで構成されていることを特徴とする汎用コンバインの脱穀部である。さらに、吸引装置は機体幅方向を回転軸とした貫流可能なファンで構成されていることを特徴とする汎用コンバインの脱穀部である。またさらに、吸引装置におけるファンの回転数は可変であることを特徴とする汎用コンバインの脱穀部である。さらにまた、吸引装置の吹出口には、そのケーシングとファンとの間に空隙が設けられていることを特徴とする汎用コンバインの脱穀部である。そして、吸引装置は主として選別装置で処理した廃棄物を機外に排出することを特徴とする汎用コンバインの脱穀部である。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1は汎用コンバインの全体側面図、図2は脱穀部及び選別装置の側面図、図3は脱穀部の平面図である。クローラ式走行装置(1)上に機枠フレーム(13)が搭載され、該機枠フレーム(13)上に選別装置(19)、脱穀部(18)及びエンジン(26)等を収納するエンジンルーム(33)が載置固定され、前記脱穀部(18)上にはグレンタンク(30)が配置され、該グレンタンク(30)側部にはその内部に貯留された穀粒を排出する排出オーガ(40)及び該オーガ(40)の前後向きの収納位置の回動オーガ(41)が配置されている。また、前記機枠フレーム(13)より前方に刈取部(8)が突出されている。刈取部(8)はプラットホーム(2)内に横送りオーガ(3)を左右方向に収納し、回転駆動することによって、穀稈を略左右中央に集めるようにしている。前記プラットホーム(2)前端下部には刈刃(4)が横設され、該刈刃(4)の前上方には掻込リール(5)が配設されている。前記プラットホーム(2)の両側の後部上に昇降リンク(6)の後部が枢支され、該昇降リンク(6)の前端に前記掻込リール(5)が回転自在に支持され、油圧モータ等によって掻込リール(5)が回転駆動される。また、前記プラットホーム(2)の両側前端には分草体(7)が配設されている。 【0009】前記刈取部(8)と脱穀部(18)との間には搬送装置(9)が配置され、該搬送装置(9)は、フィーダハウス(10)内にコンベア(11)が収納され、前記プラットホーム(2)の後部左右中心よりやや進行方向に対して左側寄りで、前記横送りオーガ(3)のスクリュー羽根の送り終端位置に合わせてフィーダハウス(10)の前端が連通されている。該フィーダハウス(10)の終端は、脱穀入口(12)に連通されており、該脱穀入口(12)には左右水平方向に回転軸心を有する円筒状のビータ(34)が配置され、穀稈を強制的に脱穀部(18)へ送るようにしている。フィーダハウス(10)の後部は機枠フレーム(13)に昇降回動自在に支持されている。 【0010】そして、フィーダハウス(10)の下面と機枠フレーム(13)との間には図示せぬ油圧シリンダを介装して、刈取部(8)を昇降可能している。さらに、前記フィーダハウス(10)とビータ(34)の上方には運転席(15)や操向ハンドル(16)等を収納したキャビン(17)を配置し、該キャビン(17)は機体左右中央の上方位置に配置して視界を良好として、刈取作業を確認しやすくし、左右両側より乗り降りできるようにしている。また、前記フィーダハウス(10)、ビータ(34)及び脱穀入口(12)は、機体の進行方向に向かって左側寄りに設けられ、該脱穀入口(12)は第1ロータ(前ロータ)(21)の左前部に配置して、穀稈を脱穀部(18)の第1ロータ(21)の回動によって右方へ搬送するようにしている。 【0011】前記脱穀部(18)は、図1乃至図3に示すように、第1ロータ(前ロータ)(21)と第2ロータ(後ロータ)(22)からなるロータ部(20)及び受網(23)(24)等からなり、前記機枠フレーム(13)上部に収納されている。前記第1ロータ(21)と第2ロータ(22)は略同じ形状に構成されており、筒の外周にスクリュー羽根(21a)(22a)を設けたスクリュー型に構成されて、軸心は左右水平方向に向けられて、前後平行に配置されている。前後方向に軸心を有するロータを配置した脱穀部(18)では前後方向に長くなるが、左右に軸心を有するロータ(21)(22)を設けた脱穀部(18)では前後方向に短くすることができ、選別装置(19)後部の上方の空間を利用してエンジンルーム(33)を設けることができ、効率良くレイアウトが出来る。 【0012】前記第1ロータ(21)と第2ロータ(22)の下方には、それぞれ受網(23)(24)が配置され、第1ロータ(21)と第2ロータ(22)の上方は、それぞれ上部カバー(35)(36)が配置されて、前ロータ室と後ロータ室を構成している。該上部カバー(35)(36)と機枠フレーム(13)の間にはゴムや樹脂等で形成されるシール部材(39)を介装してシールしている。 【0013】また、図2及び図3に示すように、前記第1ロータ(21)下方の受網(23)右側の後部は前低後高に緩やかな円弧状で傾斜させ、第2ロータ(22)の上外周の接線方向に向かって延出されて連通部(23a)が形成され、該連通部(23a)後端は第2ロータ(22)の回転軌跡の前端部近傍まで延出されている。さらに図2に示すように前記受網(24)の左後部に排出口(24a)が開口されている。 【0014】前記第1ロータ(21)と第2ロータ(22)の上部カバー(35)(36)は、側面視で下方を開放させた略「コ」字状に形成され、上部カバー(35)内周面の後部側に第1ロータ(21)の外周面に向けて側面視略三角形状の案内板(37)が固設されている。同様に、第2ロータ(22)の上部カバー(36)内周面の前部側に第2ロータ(22)の外周面に向けて側面視略三角形状の案内板(38)が固設され、第1ロータ(21)と第2ロータ(22)で搬送される穀稈の束を反転させて脱粒を促進させている。 【0015】さらに、略「コ」字状に形成した前記上部カバー(35)(36)の水平状に形成した上部の内周面に複数の送塵弁(49)(49)が左右方向に適宜間隔を開けて設けられ、上部カバー(35)(36)上部に上下方向の回動支点を中心に回動自在に枢支されている。前記上部カバー(35)側の送塵弁(49)(49)と、上部カバー(36)側の送塵弁(49)(49)とが個別に回動操作され、穀稈が第1ロータ(21)内を移動する時間と、第2ロータ(22)内を移動する時間とを穀稈の品種や穀稈の状態に合わせて各々調整することができ、様々な品種等に合わせて汎用性のある脱穀部(18)が構成されるのである。 【0016】図3に示すように、前記第1ロータ(21)(及び第2ロータ(22))のスクリュー羽根(21a)(スクリュー羽根(22a))や送り羽根(21b)(送り羽根(22b))が固設されるドラム(21c)(ドラム(22c))は筒状に形成され、該ドラム(21c)(ドラム(22c))の左右端部内には巻付防止板(48)(48)が配置されている。また、機枠フレーム(13)の内周面の第1ロータ(21)(及び第2ロータ(22))位置の側方に巻付防止板(48)(48)が固設されている。該巻付防止板(48)は中心部に第1ロータ(21)の駆動軸を挿入可能な孔(48a)を開口し、ドラム(21c)の内径に略等しい外径を有する円盤状に形成されている。さらに、該巻付防止板(48)の外周部を内側に向けて屈曲させて縁部(48b)を形成し、該縁部(48b)をドラム(21c)端部の内周面に沿って若干の隙間を開けて挿入させて機枠フレーム(13)内周面との間の隙間をなくして、穀稈が第1ロータ(21)(及び第2ロータ(22))の駆動軸に絡みつくことがないようにしている。 【0017】このような構成において、フィーダハウス(10)から脱穀入口(12)へ刈取った穀稈が送られると、第1ロータ(21)の回転によって、刈取穀稈は右方へ搬送されながら脱粒される。そして、第1ロータ(21)の右端に至ると緩傾斜状に形成した連通部(23a)及び連通上部(36a)で形成する連通口から第2ロータ(22)の脱穀空間に送られる。このとき、左側面視で反時計回り回転する第1ロータ(21)によって穀稈が後上方に持ち上げられて連通口を介して第2ロータ(22)の脱穀空間に送られれているが、第2ロータ(22)の高さ位置が第1ロータ(21)より低いので第2ロータ(22)の前上部に送ることができ、該第2ロータ(22)の回転方向が時計回りとなっているので穀稈の搬送方向をそのまま後上方に受け継ぐことができ、受け継ぎ性能が良いのである。 【0018】そして、前記第2ロータ(22)の回転によって左方に搬送しながら脱粒されている。また、第1ロータ(21)及び第2ロータ(22)の両スクリュー羽根(21a)(22a)によって穀稈が束となって螺旋状に搬送されて行くが、穀稈の束が前記案内板(37)(38)に当たって螺旋状の搬送方向が変えられたり、スクリュー羽根(21a)(22a)との間で揉まれて反転し、束状の穀稈の脱粒を促進し、この脱穀部(18)内で穀稈を確実に脱粒することができ、下方の選別装置(19)前半部に穀粒を確実に落下させている。そして、残された排稈は第2ロータ(22)の左端に送られて、排出口(24a)より落下されている。また、排出口(24a)で落下された排稈が、選別装置(19)後部に落下されないように、排出口(24a)下部より後方にガイドプレート(50)を延出している。 【0019】即ち、図2及び図3に示すように、前記ガイドプレート(50)は選別装置(19)後部の途中まで延出され、ガイドプレート(50)後部の上方とエンジンルーム(33)底面との間位置には、強制的に排稈を後方に送り出す排稈ビータ(51)が設けられている。該排稈ビータ(51)は前記ロータ(21)(22)の外径に比べ外径を小さくしたコンパクトとし組立容易な形状とし、排稈ビータ(51)の回転速度を第2ロータ(22)の回転速度より速くして排稈ビータ(51)の周速度をロータ(21)(22)より同等以上の速さとし、排稈を後方に送り出す性能を高めている。因みに、本件出願人が実験において、第2ロータの回転数を718rpm、排稈ビータの回転数を1682rpmで運転した結果、第2ロータ、排稈ビータの周速度は共に24m/ sの値が得られ、排稈を効率よく後方に送り出すことが確認できた。なお、排稈ビータ(51)と第2ロータ(22)の各回動軸心は共に略同じ高さの位置に配置されている。 【0020】前記排稈ビータ(51)は、左右に回動軸を有する筒体であり、その外周面に側面視逆V型の送り歯(51a)(51a)を有するものである。また、前記排稈ビータ(51)は、左端部が排出口(24a)の左端部と一致し、排稈ビータ(51)の右端部は排出口(24a)右端部よりさらに右側に延出し、排出口(24a)より排出された排稈を後方に左右幅広く搬送して、機体後端部に左右全幅に亘って横架された横断流ファン(55)から成る吸引装置(54)によって、機体後端部より排出される。なお、前記排稈ビータ(51)は側面視逆V型の送り歯(51a)(51a)を形成しているが、側面視三角形状の板体を形成したり、単に左右方向に長い板状の送り羽根を設けた構成としても同様に後方に送り出すことができる。 【0021】このように、排出口(24a)より落下された排稈が、排稈ビータ(51)によって後方に強制的に送り出されて、排稈を選別装置(19)上に落下させることがないようにし、選別装置(19)での選別性能を低下させることがないのである。また、前記排稈ビータ(51)の駆動軸(51b)は、選別装置(19)の左右側方を被装する機枠フレーム(13)下部の左右側面に枢支され、排稈ビータ(51)より右側に突出する駆動軸(51b)を筒体(52)で被装して排稈や藁屑等が絡みついて駆動損失とならないようにしている。 【0022】また、図2に示すように、前記脱穀部(18)下方には選別装置(揺動選別装置)(19)が配置され、その構造は、流穀板(25)、揺動本体(42)、選別風を発生させる唐箕(27)、選別された一番物を左右方向に搬送する一番コンベア(28)と二番物を搬送する二番コンベア(31)等より構成されている。前記一番コンベア(28)及び二番コンベア(31)は側面視でクローラ式走行装置(1)の後方に横設され、一番コンベア(28)の左端部に連接して縦状に配したバケット式の揚穀コンベア(29)や、一番コンベア(28)の左端部に連接する還元コンベア(32)とクローラ式走行装置(1)とが干渉することのない効率的なレイアウトとしている。さらに、図1に示すように、選別装置(19)は機枠フレーム(13)の前後途中部より後部の間に収納され、選別装置(19)の前方の機枠フレーム(13)前部とフィダーハウス(10)後方位置に走行駆動用ミッション装置(14)が配置でき、効率の良いレイアウトとして全長を短くすることができる。 【0023】前記揺動本体(42)は、前記第1ロータ(21)前端の下方より選別装置(19)の後端までに亘って配置され、揺動リンク機構(43)によって揺動自在に支持されている。該揺動本体(42)前部には第1ロータ(21)と第2ロータ(22)の下方に亘って落下された穀稈を受けるグレーンパン(42a)が形成されている。前記グレーンパン(42a)は側面視で波状に形成された揺動本体(42)の揺動で後方に搬送するようにしている。また、該グレーンパン(42a)の後端に連接して篩線(44)が配置されている。該篩線(44)の下方より揺動本体(42)の後端部にかけて、揺動本体(42)の幅方向に横架した複数のチャフフィンより成るチャフ部が形成されている。該チャフ部は、前側より脱粒された穀稈量に応じてチャフフィンの前下がり傾斜角度が変わる可動チャフ(45)と、手動によってチャフフィンの前下がり傾斜角度を変える手動チャフ(46)と、チャフフィンの前下がり傾斜角度が固定された固定チャフ(47)より構成されている。該チャフ部下方の揺動本体(42)底面には落下口(42b)が開口され、図示せぬクリンプ網によって被装されている。 【0024】また、前記揺動本体(42)のグレーンパン(42a)の前後途中部の下方に唐箕(27)が横設され、ガイドに従って後方に選別風を送り落下口(42b)等より揺動本体(42)内に選別風を送風して、前記チャフ部で比重選別と風選別とを行い、一番物と二番物とに選別している。 【0025】このように構成して、前記第1ロータ(21)と第2ロータ(22)の受網(23)(24)より落下された穀粒や藁屑を揺動本体(42)のグレーンパン(42a)上に受け止められて後方に搬送している。そして、グレーンパン(42a)後部より篩線(44)で後方に跳ね飛ばしたり、そのままチャフ部に落下させて比重選別と風選別とを行っているが、前述したように脱穀部(18)後端部より排稈等が落下されることがないので、選別を行っているチャフ部上の流れがスムースになって選別性能が向上され、一度に大量の穀稈を脱粒してもこの選別装置(19)で確実に処理することができるのである。そして、二番物を二番コンベア(31)より還元コンベア(32)を介して揺動本体(42)のグレーンパン(42a)の前後途中部上に落下させて、再度選別するようにし、完全に選別された一番物を一番コンベア(28)上に落下して揚穀コンベア(29)で上方に搬送してグレンタンク(30)に収納している。 【0026】以上のように、完全に選別された穀粒はグレンタンク(30)に収納されるが、揺動本体(42)における可動チャフ(45)、手動チャフ(46)及び固定チャフ(47)上には、スクリュー型ロータを前後に配置した横置タイプに起因して排藁、ゴミ等が堆積することがある。そこで、前記チャフ部に堆積する排藁、ゴミ等を吸込み、機体外部に放出するための装置、即ち第2ロータ(22)の排稈口より後方に機体幅方向を回転軸とする吸引装置(54)が水平に配備され、さらに前記吸引装置(54)の後方には左右に全幅に亘って横架されたチッパー式のスプレッダー(58)に受け継いで、該スプレッダー(58)の複数の鉈状の刃によって切断され、機体後端部より圃場へ排出される。前記吸引装置(54)と揺動本体(42)の位置関係は、吸引装置(54)を固定チャフ(47)上方に設けた場合、流穀板(25)に沿った唐箕(27)から発生された選別風は篩線(44)から上方への抜けが良く、排塵性能を向上させる。また、吸引装置(54)を揺動本体(42)終端よりもさらに後方に設けた場合、揺動部の選別面積を有効に活用でき、排塵処理能力を向上させる。さらに、吸引装置(54)はコンバインの機種に応じて、機体本体の幅方向全幅或いは一部分に適宜設置することができる。 【0027】ここで、前記吸引装置(54)について詳しく説明する。吸引装置(54)は貫流可能な横断流ファン(55)が用いられ、該ファンの回転数を穀稈の品種や穀稈の状態に合わせて可変制御することにより、揺動板上のチャフの排塵性能がより向上し、選別ロスの低減と回収穀粒の精選向上に寄与するものである。また、吸引装置(54)の駆動源は排稈ビータ(51)の駆動軸(51b)右端部に固設された選別装置伝動プーリ(53)のベルトを介して駆動回転軸(56)に伝達され、さらに、前記駆動回転軸(56)右端部に固設された伝動プーリ(58)を介してスプレッダー(59)に動力伝達されるように構成されている。そして、吸引装置(54)を覆うケーシング(57)と横断流ファン(55)のブレード(55a)の空隙を広く採ることにより排稈通路が確保されると共に排稈の一部は前記ブレード(55a)に当たり、ほぐされるので、排稈中の穀粒を揺動板上に落として回収することができる。 【0028】以上のような構成を備えたコンバインにおいて、刈取部(8)によって刈取った穀稈を後方へ搬送して脱穀部(18)へ供給し、該脱穀部(18)によって脱穀を行い、脱粒後の排稈は吸引装置(54)を介して機体後方より圃場面に放出される作業過程にあって、吸引装置(54)をロータ部(20)後方に位置して強制的に排稈を後方に送り出す排稈ビータ(51)よりさらに後方に、機体幅方向に水平に全幅或いは一部に配備すると共に、吸引装置(54)とケーシング(57)の空隙を広く採るように構成したので、排稈通路が確保され、排塵性能が向上し、選別ロスの低減と回収穀粒の精選に寄与する。また、吸引装置(54)は機体幅方向を回転軸としたファンで構成されているので、排稈は圃場に均等に排出される。その際、ファンの回転数を可変にすることで適応作物と作業条件に広く対応が可能になる。さらに、吸引装置(54)に貫流可能な横断流ファン(55)を採用すことにより、小さな塵は該ファン(55)の内部を貫通し、排稈等の大きな塵は横断流ファン(55)外周を通過して機外に排出されるため、排稈の機外排出をさらに向上させる役割を果たしている。さらにまた、排稈を一度横断流ファン(55)のブレード(55a)に当ててほぐすことにより、排稈の穀粒を揺動板上に落として回収することができ脱粒損失の低減にも寄与している。そして、吸引装置(54)を主として選別装置(19)で処理した廃棄物を機外に排出させるようしたので、脱穀部(18)を通過する大きな藁、稈切れは選別装置(19)を通過せず、直接機外に排出されるので、吸引装置(54)の詰まりがなく、また選別装置(19)への落下もないので脱穀部(18)、選別装置(19)の性能向上に有効である。 【0029】また、コンバインの脱穀部を図4のように構成してもよい。図4は、ロータ、排稈ビータ及び吸引装置の概略図である。第2ロータ(22)の回動軸心より下方位置に排稈ビータ(51)の回転軸心が位置し、前記排稈ビータ(51)のガイドプレート(50)の放出口は該ビータ(51)の回転軸心より下方に位置し、かつ横断流ファン(55)の軸心よりも上方に位置するように配置されている。前記ガイドプレート(50)は排稈ビータ(51)の下方に位置し、その長さは排稈ビータ(51)の外径と略等しい場合を示しているが(図4(イ)参照)、さらにガイドプレート(50)を横断流ファン(55)の直近まで延設してもよい(図4(ロ)参照)。このようにガイドプレート(50)を延設することで、横断流ファン(55)の吸引力をより強力に排稈に作用させることが可能になる。また、ガイドプレート(50)の長さにかかわらず、ガイドプレート(50)の角度を所望の傾斜角に変更できるように構成されている。上記の例は排稈ビータが付設された例で説明したが、該ビータが付設されていない場合には、ロータの排稈ガイドの放出口を横断流ファンの軸心よりも上方に位置するように配置される。 【0030】このような構成を採ることにより、排稈を揺動板上に落とすことがなく機体外に放出可能である。また、穀稈の品種や穀稈の状態に合わせて排稈ガイドの位置を変化させることにより、横断流ファンの吸引力の加減を適宜変化でき、直接排出と拡散排出の度合いを変化させることができ作物条件等に応じた適応範囲が広くなる。 【0031】さらに、図5(イ)及び(ロ)に示すように構成してもよい。図5(イ)は、排稈ビータ(51)の回転軸心が第2ロータ(22)の軸心より上方に位置し、該排稈ビータ(51)のガイドプレート(50)は横断流ファン(55)の上方に位置して配置されている概略図である。また、図5(ロ)は、排稈ビータ(51)の回転軸心が第2ロータ(22)の軸心より上方に位置し、かつ排稈ビータ(51)のガイドプレート(50)は横断流ファン(55)の下方に位置して配置されている概略図である。このような変形例においても、排稈を揺動板上に落とすことがなく、機体外に排出が可能である。 【0032】またさらに、コンバインの脱穀部を図6に示すように構成してもよい。図6は、ロータ、排稈ビータ及び吸引装置の概略図である。第2ロータ(22)及び排稈ビータ(51)の各回転軸心は同一の高さに位置し、排稈ビータ(51)のガイドプレート(50)の放出口は該ビータ(51)の回転軸心より下方に位置し、かつ横断流ファン(55)の軸心よりも上方に位置するように配置された構成において、前記横断流ファン(55)のケーシング(57)を機体前方に延設し、前記ケーシング(57)の一端は所定角度に開閉可能に機体本体に蝶着され、他方機体前方に延設されたケーシング(57)の先端部は機体ケースの天板(60)またはガイドプレート(50)のそれぞれ先端部に接する位置に配置され、横断流ファン(55)の送風を切換え可能に構成されている。 【0033】このように構成されたコンバインの脱穀部によれば、排稈を延設されたケーシングに沿って吸引装置に導くことができ、機体本体の天井部の突出物への引っかかりの懸念がない。また、ケーシングの先端部を切換え可能にしたので、吸引装置を排稈の吸引に作用させずに、選別部のみに使用することで、選別性能を向上し、排稈中の石等による吸引装置の損傷を防止することが可能である。 【0034】さらにまた、コンバインの脱穀部を図7に示すように構成してもよい。図7は、脱穀部及び選別装置の側面図である。第1ロータ(21)と第2ロータ(22)の回転軸心は同一の高さに位置し、前記第2ロータ(22)の回転軸心より上方位置に排稈ビータ(51)の回転軸心が位置し、前記排稈ビータ(51)のガイドプレート(50)には横断流ファン(55)から機体前方に延設したケーシング(57)の先端が固着されている。一方、横断流ファン(55)の下部ケーシング(57a)を揺動装置(42)の後端上部近傍に位置させ、前記ケーシング(57)と揺動本体(42)及び下部ケーシング(57a)とに囲まれた空間を設け、横断流ファン(55)の吸引作用が選別部にのみ専用に作用するように構成されている。また、前記機体前方に延設したケーシング(57)と機体ケースの天板(60)との間には排稈排出口が形成されているので、脱穀部を通過する排稈は第ロータ(21)、第2ロータ(22)及び排稈ビータ(51)を経由して直接機外の排出される。 【0035】このように構成されたコンバインの脱穀部によれば、脱穀部で発生する大きな藁、稈切れは直接機外に排出されるので、吸引装置が詰まることがなく、また選別部に落下する怖れがないので、脱穀部の性能の向上に寄与している。また、吸引装置を選別部専用に作用させるので、揺動板上の排塵機能がより向上し回収穀粒の精選向上に効果的である。 【0036】 【発明の効果】以上実施例から明らかなように、本発明の汎用コンバインの脱穀部において、請求項1のものによれば、排稈を機外に排出する吸引装置をロータの排稈口の後方に配備したので、揺動板上のチャフの排塵機能が向上し、選別ロスの低減と回収穀粒の精選向上に結びつく。また、請求項2のものによれば、吸引装置は機体幅方向を回転軸としたファンで構成されているので、排稈は圃場に均等に排出される。さらに、請求項3のものによれば、吸引装置は機体幅方向を回転軸とした貫流可能なファンで構成されているので、小さな塵はファンの内部を貫通し、排稈等の大きな塵はファンの外周を通過して機外に排出されるため、排稈の機外排出をさらに向上させることができる。さらにまた、請求項4のものによれば、ファンの回転数は可変であるから、適応作物と作業条件に広く対応ができる。またさらに、請求項5のものによれば、吸引装置の吹出口には、そのケーシングとファンの間に空隙が設けられているので、排稈通路を十分に確保でき、さらに排稈を一度ファンのブレードに当ててほぐすことにより、排稈中の穀粒を揺動板上に落として回収でき、脱穀損失の低減が図れる。そして、請求項6のものによれば、吸引装置は主として選別装置で処理した廃棄物を機外に排出するように構成されているので、脱穀部で発生する大きな藁、稈切れは直接機外に排出されるので、吸引装置が詰まることがなく、また選別装置に落下することがなく、しかも選別装置には吸引装置が専用に作用するので排藁、ゴミ等を積極的に吸引し選別性能をより向上させることで、脱穀部、選別装置のそれぞれの能力がアップする。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006851 【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年4月2日(1999.4.2) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100090893 【弁理士】 【氏名又は名称】渡邊 敏
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| 【公開番号】 |
特開2000−287533(P2000−287533A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月17日(2000.10.17) |
| 【出願番号】 |
特願平11−96553 |
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