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【発明の名称】 排ワラ切断装置
【発明者】 【氏名】矢島 洋

【要約】 【課題】スクレーパが均等に摩耗するようにする。

【解決手段】排ワラ切断装置6は、カッタケース側板11,13間に支持された切断軸12と、この切断軸12に軸支された大径刃31及び小径刃32と、前記切断軸12に略々平行に支持された掻込軸10と、この掻込軸10に取付けられた掻込板27及び掻込刃28とを有し、これら掻込板27と掻込刃28との間にはスクレーパ29が介装されている。そして、このスクレーパ29の基端側を、掻込軸10に略々平行に配置された断面四角形の取付軸47に回動不能に取付け、更にこのスクレーパ29の先端側を、掻込軸10と一体的に回転するスペーサ48の外周部に摺接可能に配置した。これにより、切換えレバー66の操作に基づき掻込軸10が移動すると、スクレーパ29もスペーサ48に摺接したまま取付軸47と一体的に移動し、個々に回転できずに均等に摩耗する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 カッタケース左右の側板間に支持された切断軸に、ディスク状の切断刃を軸支すると共に、前記切断軸に略々平行に支持された掻込軸に、前記切断刃を左右から挟むように対をなすディスク状の掻込板及び掻込刃を取付け、切換え手段の操作に基づき、前記切断軸と掻込軸との間の軸間距離を調整して排ワラ切断長を切換可能とし、更に、前記掻込板と掻込刃との間に、前記掻込軸への排ワラの巻付きを防止するスクレーパを夫々介装した排ワラ切断装置において、前記スクレーパの基端側を、前記掻込軸に略々平行に配置された取付軸に回動不能に取付けると共に、該スクレーパの先端側を、前記掻込軸の外周部又は該掻込軸と同軸上に配置され該掻込軸と一体的に回転する回転体の外周部に摺接可能に配置し、前記切換え手段の操作に基づく前記掻込軸の移動に伴い、該掻込軸に押圧されて前記各スクレーパが前記取付軸と一体的に移動可能とした、ことを特徴とする排ワラ切断装置。
【請求項2】 前記取付軸を、一端を前記カッタケース側に回動可能に軸着されたリンク部材の他端に回動不能に取付け、該リンク部材の回動に伴い、前記各スクレーパを前記取付軸と一体的に移動可能とした、ことを特徴とする請求項1記載の排ワラ切断装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコンバイン等の後部に設けられる排ワラ切断装置に係り、詳しくは掻込軸に設けられた掻込板と掻込刃との間に、該掻込軸への排ワラの巻付きを防止するスクレーパを介装した排ワラ切断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】コンバイン等の脱穀部の後部には、排ワラ切断装置が装着されたものがあり、このような排ワラ切断装置は、例えば、機体左右方向(幅方向)に沿って略々平行に延びる切断軸と掻込軸を有し、これら切断軸と掻込軸には、多数の切断刃と掻込刃が軸方向に沿い所定間隔を隔てて配置されている。前記掻込刃は周縁部に受け刃を有し、前記切断刃はこの掻込刃と受け刃との間に挟まれるように、側面視にて径方向にオーバラップした状態で対向配置されている。また、一般に前記掻込刃と受け刃との間には、前記掻込軸への排ワラの巻付きを防止するスクレーパが該掻込軸に嵌脱可能に夫々介装されている。そして、前記切断刃を互いに切断軸方向の所定ピッチ毎に大径刃と小径刃とで構成し、掻込軸と切断軸との軸間距離を調整して排ワラを長短に切分けることが可能となっていた。
【0003】具体的には、図7に示すように、掻込軸100は側板110に形成された長孔102内にカラー103を介して摺動自在に挿通され、前記側板110の外側方には、移動板104が側板110に対して摺動自在に設けられ、更に掻込軸100は移動板104の軸受に前記カラー103を介して嵌合されている。前記移動板104からは、斜め前の下方にアーム105が突出されていて、該アーム105の基端部は支点軸106に回転自在に支持されている。前記移動板104の上部は、連結ピン107を介してリンク108の一端が連結されており、また該リンク108の他端は取付アーム109に連結されていて、この取付アーム109はカッタケース111に支持された操作レバー112と一体的に揺動する。
【0004】この構造により、掻込軸100と切断軸101との軸間距離を調整する際、操作レバー112を前後に揺動することによって、掻込軸100は支点軸106を中心として機体前後方向に平行移動し、切断軸101との軸間距離が調整されて排ワラ切断長が切換えられ、同時に、図示しないが、前記スクレーパにより、掻込軸への排ワラの巻付きが防止されるようになっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述した従来技術によると、前記スクレーパを貫通支持していた取付軸(図示せず)は、丸軸又は丸パイプから成り、このため前記スクレーパはこの取付軸を中心として個々に回動することができ、軸方向に沿って穀稈の量が多いところでは、スクレーパの摩耗が早くなるという課題があった。
【0006】本発明は、斯かる課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、スクレーパが均等に摩耗するようにしてこの摩耗に伴うスクレーパの掻込軸からの離脱を防止すると共に、該スクレーパの耐久性の向上を図り得る排ワラ切断装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、カッタケース(15)左右の側板(11,13)間に支持された切断軸(12)に、ディスク状の切断刃(30)を軸支すると共に、前記切断軸(12)に略々平行に支持された掻込軸(10)に、前記切断刃(30)を左右から挟むように対をなすディスク状の掻込板(27)及び掻込刃(28)を取付け、切換え手段(66)の操作に基づき、前記切断軸(12)と掻込軸(10)との間の軸間距離を調整して排ワラ切断長を切換可能とし、更に、前記掻込板(27)と掻込刃(28)との間に、前記掻込軸(10)への排ワラの巻付きを防止するスクレーパ(29)を夫々介装した排ワラ切断装置(6)において、前記スクレーパ(29)の基端側を、前記掻込軸(10)に略々平行に配置された取付軸(47)に回動不能に取付けると共に、該スクレーパ(29)の先端側を、前記掻込軸(10)の外周部又は該掻込軸(10)と同軸上に配置され該掻込軸(10)と一体的に回転する回転体(27a,48)の外周部に摺接可能に配置し、前記切換え手段(66)の操作に基づく前記掻込軸(10)の移動に伴い、該掻込軸(10)に押圧されて前記各スクレーパ(29)が前記取付軸(47)と一体的に移動可能とした、ことを特徴とする。
【0008】請求項2記載の発明は、前記取付軸(47)を、一端を前記カッタケース(15)側に回動可能に軸着されたリンク部材(46)の他端に回動不能に取付け、該リンク部材(46)の回動に伴い、前記各スクレーパ(29)を前記取付軸(47)と一体的に移動可能とした、ことを特徴とする。
【0009】[作用]以上の発明特定事項に基づき、排ワラ切断装置(6)によれば、切換え手段(66)の操作により排ワラ切断長の切換えを行うが、例えば切換え手段(66)を図4のA側に揺動させると、移動板(18)が支点軸(26)を中心としてa方向に揺動し、掻込軸(10)と切断軸(12)との軸間距離が近接する結果、切断刃(30)の大径刃(31)及び小径刃(32)と掻込板(27)及び掻込刃(28)の外周部とが側面視においてオーバラップして排ワラは短尺切断となる。次に、切換え手段(66)を図4のB側に揺動させると、移動板(18)が支点軸(26)を中心としてb方向に揺動し、掻込軸(10)と切断軸(12)との軸間距離が離間する結果、切断刃(30)のうち大径刃(31)と掻込板(27)及び掻込刃(28)の外周部とが側面視においてオーバラップして排ワラは長尺切断となる。
【0010】この軸間距離の調整の際、スクレーパ(29)は取付軸(47)に回動不能に取付けられているため、該スクレーパ(29)自身が個々に取付軸(47)の周りに回転することはできず、掻込軸(10)の外周部、又は掻込軸(10)と同軸上に配置されて該掻込軸(10)と一体的に回転する回転体(27a,48)の外周部に押圧されて密接したまま取付軸(47)と一体的に移動する。このため、掻込軸(10)の軸方向に沿って穀稈の量にバラツキがある場合等においても、スクレーパ(29)の摩耗量は均等化され、特定のスクレーパ(29)のみが摩耗して掻込軸(10)から外れる等のおそれが回避される。
【0011】なお、上述したカッコ内の符号は図面を参照するためのものであって、本発明を何ら限定するものではない。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0013】図1は、本発明が適用されたコンバインの外観斜視図であり、同図において、コンバインCは、機体1を左右一対のクローラ走行装置7,7により支持され、機体1の前方には前処理部2が、また前部右上方には運転席3が設けられている。この運転席3の左側には、刈り取った穀稈を脱穀する脱穀部4が設置され、該脱穀部4の後方には、脱穀後の排ワラを搬送する排ワラチェン5が設けられている。更に、排ワラチェン5の後方には、該排ワラチェン5によって搬送されてきた排ワラを切断する排ワラ切断装置6が装備されている。
【0014】この排ワラ切断装置6の上部には、開閉自在な切換板(図示せず)が付設されていて、この切換板が開放しているときは排ワラが排ワラ切断装置6に取り込まれて所定長に切断され、切換板が閉じているときは排ワラが切換板の上面を滑ってそのまま機体後方に放出される。
【0015】前記排ワラ切断装置6は、図2に示すように、カッタケース15の左右のカッタ側板13,11間に切断軸12が回転自在に軸支されていて、この切断軸12には複数のディスク状の切断刃30が軸支されている。また、この切断軸12の斜め上前方に、該切断軸12に対して略々平行に掻込軸10が回転自在に支持されている。この掻込軸10の下方には、支点軸26が左側のカッタ側板13に回転可能に支持されている。更に、この掻込軸10には、前記切断刃30を夫々左右から挟むように対をなすディスク状の掻込板27及び掻込刃28が取付けられている。なお、前記掻込軸10は、後述する切換え手段(66)により切断軸12に対して軸間距離が調整可能とされている。
【0016】前記切断刃30は、大径刃31と小径刃32の2種類からなり、寸法Tの間隔に大径刃31が設けられ、またこの大径刃31,31間に寸法tの間隔で3個の小径刃32が設けられている。そして、大径刃31と小径刃32の外周には夫々鋸刃状の歯が形成されている。
【0017】また、掻込刃28は外周に鋸刃状の歯が形成され、掻込板27は受け刃としての役目をなしていて、前述した大径刃31と小径刃32とを夫々左右から挟むようにこれら掻込板27と掻込刃28が設けられている。更に、前記掻込板27と掻込刃28との間には、スクレーパ29が夫々介装されていて、このスクレーパ29により、前記掻込軸10への排ワラの巻付きを防止している。
【0018】次に、切断軸12と掻込軸10の駆動機構について説明する。
【0019】図2及び図3に示すように、前記切断軸12はカッタ側板13から外方に突出しており、この突出した端部には、入力プーリ34(図3参照)と該入力プーリ34よりも内側方に駆動用スプロケットホイール36が夫々切断軸12と一体回転可能に軸支されている。一方、前記支点軸26には、従動用スプロケットホイール38が該支点軸26と一体回転可能に支持されていて、該従動用スプロケットホイール38は前述の駆動用スプロケットホイール36とチェン39にて連結されている。また、この支点軸26には、従動用スプロケットホイール38の内側方に駆動ギヤ40が支点軸26と一体回転するように軸支されていて、この駆動ギヤ40は、掻込軸10に軸支された従動ギヤ42と噛合している。
【0020】そして、脱穀部側から駆動ベルト35(図3参照)を介して切断軸12の入力プーリ34に入力された駆動力は、チェン39によって支点軸26を駆動し、更に該支点軸26に取付けられた駆動ギヤ40を介して従動ギヤ42を駆動し、掻込軸10を駆動する。
【0021】また、カッタ側板13,11の外側方には、略々扇形状の移動板18が支点軸26を中心としてカッタ側板13,11に対し揺動自在に対面配置されている。この移動板18は、略々中央部に軸受(図示せず)が内装されていて、この軸受を介して掻込軸10が嵌合されている。一方、カッタ側板13,11には夫々図示しない調整穴が形成されていて、この調整穴内において前記掻込軸10が支点軸26を中心として揺動自在とされている。
【0022】図3及び図4に示すように、前記移動板18の上部には、連結ピン50により切換えリンク52の一端が連結され、該切換えリンク52の他端は、リンクブラケット56に植設されたピン54に連結されている。このリンクブラケット56は、上辺56a及び下辺56bと縦辺56cからなる断面コ字状に折曲されていて、その下辺56bには前記ピン54が植設され、前記縦辺56cは溶接等により切換えレバー66と一体的に固定されている。この切換えレバー66は、カッタ側板13に回動可能に配設されている。
【0023】前記リンクブラケット56には、その上辺56a及び下辺56bを貫通してロックレバー60が設けられ、該リンクブラケット56から突出したロックレバー60の先端は、カッタ側板13に形成された位置決め孔57に嵌入されている。この位置決め孔57は、排ワラの切断長に応じて選択可能なように切換えレバー66を回動中心とする半径位置に複数個形成されている。また、前記リンクブラケット56の内側の上辺56a及び下辺56b間には、ロックレバー60の先端側をカッタ側板13に向けて弾圧付勢するスプリング58が装着されている。
【0024】図4に示すように、切換えレバー66を操作するには、ロックレバー60を同時に把持して該ロックレバー60を矢印方向(切換えレバー66側)に引き、カッタ側板13の位置決め孔57に嵌入されているロックレバー60の先端を引上げる。そして、切換えレバー66とロックレバー60を一緒に握ったまま、これら両レバー66,60を操作すると、前記ピン54を介して切換えリンク52が移動して排ワラの切断長が切換えられる。切換え操作が終了したら、ロックレバー60を放し、該ロックレバー60の先端をカッタ側板13の位置決め孔57に嵌入する。
【0025】そして、切換えレバー66を図4のA方向に揺動した位置においては、移動板18は支点軸26を中心としてa方向に揺動し、切断軸12との軸間距離が小さくなるように調整され、切換えレバー66を図4のB方向に揺動した位置においては、掻込軸10は移動板18と共に支点軸26を中心としてb方向に揺動し、切断軸12との軸間距離が大きくなるように調整される。
【0026】以上により、切換えレバー66を図4のA側に揺動させて、掻込軸10と切断軸12との軸間距離を近接させると、大径刃31及び小径刃32と掻込板27及び掻込刃28の外周部とが側面視においてオーバラップし、また、切換えレバー66をB側に揺動させて、掻込軸10と切断軸12との軸間距離を離間させると、小径刃32と掻込板27及び掻込刃28の外周部が側面視において干渉しなくなり、大径刃31と掻込板27及び掻込刃28の外周のみが側面視においてオーバラップすることになる。
【0027】これにより、切換えレバー66をA側に揺動させて排ワラの切断動作を行わせると短尺切断となり、B側に揺動させて排ワラの切断動作を行わせると長尺切断となる。なお、掻込軸10への駆動力の伝達は、支点軸26の駆動ギヤ40と掻込軸10の従動ギヤ42との噛合によって行われるが、掻込軸10が支点軸26を中心に移動するので、伝達効率に変化はない。
【0028】ここで本発明は、前記スクレーパ29の基端側を、前記掻込軸10に略々平行に配置された取付軸に回動不能に取付けると共に、該スクレーパ29の先端側を、前記掻込軸10の外周部又は該掻込軸10と同軸上に配置され該掻込軸10と一体的に回転する回転体の外周部に摺接可能に配置している。
【0029】すなわち、図2及び図5に示すように、前記カッタ側板11,13には、リンク取付部材44がボルト45により固定され、該リンク取付部材44の一端は、回動支点49により揺動リンク46の一端が回動可能に軸着されている。また、この揺動リンク46の他端には、前記掻込軸10に略々平行に配置された断面四角鋼の取付軸47が取付けられていて、この取付軸47に、前記スクレーパ29の基端側が回動不能に取付けられている。
【0030】一方、前記掻込軸10には、所定間隔にて取付けられた各掻込板27及び掻込刃28の相互間と掻込板27と掻込刃28との間に、これら掻込板27及び掻込刃28よりも小径のスペーサ48が掻込軸10と一体的に回動可能に取付けられている。そして、このスペーサ48の外周部に、スクレーパ29の先端側に形成された凹部29aが摺接可能に嵌合されている。なお、前記取付軸47は、図示しない弾発部材により掻込軸10に向けて常時付勢されており、また、前記凹部29aは、スクレーパ29の半円を超える程度にまで形成されている。
【0031】これにより、前記切換えレバー66の操作に基づき、支点軸26を中心として掻込軸10が図5のa方向に移動すると、スクレーパ29はスペーサ48(又は掻込軸10)に密接した状態で回動支点49を中心として前記取付軸47と一体的に移動する。また、掻込軸10が支点軸26を中心としてb方向に移動すると、スクレーパ29はスペーサ48(又は掻込軸10)に押圧された状態で回動支点49を中心として取付軸47と一体的に移動する。なお、スクレーパ29の移動は、該スクレーパ29の凹部29aとスペーサ48(又は掻込軸10)との摺接面のガタ等によって可能となる。また、スクレーパ29は取付軸47に回動不能に取付けられているので、スペーサ48に対しスクレーパ29が外れることはない。
【0032】図6は、本発明の他の実施の形態を示すもので、この実施の形態では、掻込板27の中央部が円筒状に絞り加工されたボス部27aを有し、このボス部27aの端面が掻込刃28に密着固定されていて、これら掻込板27と掻込刃28とで対をなしている。また、隣接配置された掻込板27と掻込刃28との間には夫々スペーサ48が配置されていて、前記ボス部27aの外周側に、スクレーパ29の先端側に形成された前記凹部29aが摺接可能に嵌合されている。なお、以上説明した本実施の形態では、スクレーパ29の先端側に形成された凹部29aがスペーサ48等の外周部に嵌合されている場合について説明したが、これに限らず、例えば、スクレーパ29の先端側に穴を形成し、この穴に前記スペーサ48やボス部27aの外周部が摺接可能に嵌合されるようにしても良い。
【0033】次に、本実施の形態の作用について説明する。
【0034】排ワラ切断長を切換えるには、図4において、切換えレバー66とロックレバー60を一緒に握ったまま、レバー操作をして、操作が終了したら切換えレバー66とロックレバー60を放してロックレバー60の先端をカッタ側板13の位置決め孔57に挿入してロックするが、例えば切換えレバー66をA側に揺動させると、切換えリンク52を介して移動板18が支点軸26を中心としてa方向に揺動し、掻込軸10と切断軸12との軸間距離が近接して、切断刃30の大径刃31及び小径刃32と掻込板27及び掻込刃28の外周部とが側面視においてオーバラップする結果、排ワラは小径刃32,32の間隔tの短い短尺切断となる。
【0035】次に、切換えレバー66をB側に揺動させると、切換えリンク52を介して移動板18が支点軸26を中心としてb方向に揺動し、掻込軸10と切断軸12との軸間距離が離間して、切断刃30の小径刃32と掻込板27及び掻込刃28の外周部が側面視において干渉しなくなり、大径刃31と掻込板27及び掻込刃28の外周のみが側面視においてオーバラップする結果、排ワラは大径刃31,31の間隔Tの大きい長尺切断となる。
【0036】なお、作業中、掻込軸10には切断軸12と離間する方向に力が加わるが、リンクブラケット56と切換えリンク52とは、途中で支点越えをして連結されているので、掻込軸10が不用意に移動することはない。
【0037】以上において、切換えレバー66による切断軸12と掻込軸10との間の軸間距離の調整操作を行う際に、掻込軸10の移動に伴いスクレーパ29も移動するが、このスクレーパ29は断面四角形の取付軸47に回動不能に取付けられているため、該スクレーパ29自身が個々に取付軸47の周りに自由に回転することはできず、掻込軸10の外周部(又はスペーサ48、若しくは掻込板27のボス部27a)に押圧されて互いに密接した状態のまま取付軸47と一体的に移動する。このため、掻込軸10の軸方向に沿って穀稈の量にバラツキがある場合においても、スクレーパ29の摩耗量は均等化されることとなり、特定のスクレーパ29のみが摩耗して掻込軸10から外れる等のおそれがない。
【0038】
【発明の効果】以上説明した通り、請求項1記載の発明によれば、スクレーパの基端側を取付軸に回動不能に取付けると共に、該スクレーパの先端側を、掻込軸の外周部又は該掻込軸と同軸上に配置され該掻込軸と一体的に回転する回転体の外周部に摺接可能に配置し、切断軸と掻込軸との間の軸間距離の調整操作に基づき、掻込軸に押圧されて前記スクレーパが前記取付軸と一体的に移動可能としたことで、スクレーパの摩耗量を均等化することができ、また、特定のスクレーパのみが摩耗して掻込軸から外れることに起因する掻込刃の割れや掻込軸の曲がりを防止することができる。
【0039】請求項2記載の発明によれば、前記取付軸を、一端を回動可能に軸着されたリンク部材の他端に回動不能に取付け、該リンク部材の回動に伴い、前記スクレーパを前記取付軸と一体的に移動可能としたことにより、スクレーパの摩耗量を均等化することができる。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成11年4月6日(1999.4.6)
【代理人】 【識別番号】100082337
【弁理士】
【氏名又は名称】近島 一夫 (外1名)
【公開番号】 特開2000−287531(P2000−287531A)
【公開日】 平成12年10月17日(2000.10.17)
【出願番号】 特願平11−99413