| 【発明の名称】 |
コンバイン |
| 【発明者】 |
【氏名】里路 久幸
【氏名】井原 靖
【氏名】三宅 達也
【氏名】飯泉 清
【氏名】岡田 利彦
【氏名】奥本 康治
【氏名】越智 昌次
【氏名】高橋 伯郎
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| 【要約】 |
【課題】刈取前処理装置と脱穀装置との間に設ける穀稈供給搬送装置における引継ぎ性能を向上させ、稈こぼれを防止して引継搬送時の株の乱れをなくしたコンバインを提供すること。
【解決手段】刈取装置に設ける穀稈の搬送手段(株元側引継搬送装置)と脱穀装置へ穀稈を供給搬送する主供給搬送装置25との間に、上下に揺動可能な補助搬送装置(外)33を設け、該補助搬送装置(外)33の前端側に刈取装置側へ傾斜する部分(チェン38(外))を前下がりに構成して、補助搬送装置(外)33の始端位置を低くしたので、引継の際に落下しようとする穀稈を低い位置から引き上げることができ、穀稈の引継が確実であり、稈こぼれを防止し、かつ引継時の株の乱れを防いで株揃えを向上させることができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 刈取装置に設ける穀稈の搬送手段と脱穀装置へ穀稈を供給搬送する手段との間に、上下に揺動可能であり、かつ刈取速度に同調して変速し、かつ刈取速度に同調して変速する補助搬送手段置を設け、該補助搬送手段の前端側に刈取装置側へ前下がり傾斜する部分を設けたことを特徴とするコンバイン。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、圃場において穀類の収穫作業を行う農業用のコンバインに関する。 【従来の技術】コンバイン1は、図20に示すように機体フレーム2aの下部側に土壌面を走行する左右一対の走行クローラを有する走行装置2bを配設し、機体フレーム2aの前端側に分草具5、引起ケース6、植立穀稈を刈り取る刈刃9、該刈刃9にて刈取られた穀稈を挟持して後方に搬送する株元側搬送装置10、穂先側搬送装置11、扱深さ調節装置17、株元引継搬送装置19などからなる刈取前処理装置4が設けられている。機体フレーム2aの上方には、脱穀装置3が載置され、該脱穀装置3には刈取前処理装置4から搬送されてくる穀稈を引継いで供給搬送するフィードチェン28をもつ穀稈供給搬送装置18が設けられる。機体フレーム2には、さらに脱穀装置3で脱穀選別された穀粒を一時貯留するグレンタンク2cが載置される。 【0002】脱穀装置3は回転する扱胴を持ち、扱胴の扱歯によりフィードチェン28で供給搬送された穀稈から穀粒を脱穀し、枝梗、塵埃などを分離し、扱胴の下部に設けた揺動棚、唐箕送風機、シーブなどの作用により穀粒の選別を行い、選別された穀粒をグレンタンク2cに一時貯留する。 【0003】グレンタンク2cの後部に縦オーガと横オーガとからなる排出オーガ2dを設けており、グレンタンク2c内に一時貯留してある穀粒をコンバイン1の外部に排出できる構成としている。コンバイン1の走行、刈取、脱穀、穀粒排出運転などは、コンバイン1の機体フレーム2a上の運転席2eに搭乗するオペレータが運転席2eの操作装置を操作して行う。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】圃場に植立する穀稈は、品種、生育状況などにより背丈すなわち穀稈長さが変化する。したがって、オペレータが刈取前処理装置4を上下に操作して一定高さで刈取するようにしても、脱穀装置3に供給搬送される穀稈の長さは変化することになる。また、コンバイン1は平坦な圃場の穀稈を一定高さで刈り取るだけでなく、畦際など平面よりも上昇した枕地では、分草具5を畦などの枕地に衝突させないように、刈取前処理装置4を上昇して、いわゆる高刈りをする。高刈りした穀稈の長さは、通常の刈取穀稈よりも短いものとなる。 【0005】刈取した穀稈から高回収率で穀粒を脱穀して収穫するために、脱穀装置3の扱胴に対して適切な位置になるように穀稈を供給搬送することが必要であり、このため刈取前処理装置4には扱深さ調節装置17を設けている。扱深さ調節装置17は、刈取した穀稈を刈取前処理装置4内で搬送中に穀稈の長さ方向位置の調節移動を行い、穀稈供給搬送装置18のフィードチェン28が、穀稈を適切位置で把持して脱穀装置3へ供給搬送し、扱残しの少ない、最適な脱穀が行われるようにしている。 【0006】脱穀能率の向上のためには、上記の適切な位置に把持した穀稈供給を行うことのほかに、刈取前処理装置4から脱穀装置3へ穀稈を引継搬送する際に、引継を失敗して穀稈が落下するいわゆる稈こぼれの防止を図ることも必要である。稈こぼれは、収穫穀粒の損失となるだけでなく、こぼれた穀稈により刈取前処理装置4、主供給搬送装置25、補助搬送装置26、脱穀装置3などに詰まりを発生させ、コンバイン1の故障の原因ともなる。また、穀稈の供給搬送中の稈こぼれに到らない株の乱れも、株の乱れによりフィイードチェン28の穀稈把持位置が変化して、脱穀能率の低下を招くので、できるだけ株の乱れのない供給搬送を行う必要がある。 【0007】本発明の課題は、刈取前処理装置と脱穀装置との間に設ける穀稈供給搬送装置における引継ぎ性能を向上させ、稈こぼれを防止して引継搬送時の株の乱れをなくしたコンバインを提供することである。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は刈取装置(刈取前処理装置4)に設ける穀稈の搬送手段(株元引継搬送装置19など)と脱穀装置(脱穀装置3)へ穀稈を供給搬送する手段(主供給搬送装置25と補助搬送装置26からなる穀稈供給装置18)との間に、上下に揺動可能であり、かつ刈取速度に同調して変速する補助搬送手段(補助搬送装置(外)33)を設け、該補助搬送手段の前端側に刈取装置側へ傾斜する部分(チェン(外)38)を前下がりに構成したコンバインにより解決できる。 本発明によれば、刈取穀稈を刈取装置(刈取前処理装置4)の株元引継搬送装置19から引継ぐ、補助搬送手段(補助搬送装置(外)33)のチェン38(外)を前下がりに構成して、補助搬送手段(補助搬送装置(外)33)の始端位置を低くしたので、引継の際に落下しようとする穀稈を低い位置から引き上げることができるので、穀稈の引継が確実であり、稈こぼれを防止し、かつ引継時の株の乱れを防いで株揃えを向上する。 【0009】また、コンバインの走行速度と同調して穀稈の搬送手段(株元引継搬送装置19)により円滑に搬送された穀稈の株元は、引き続き同じ搬送速度の補助搬送手段(補助搬送装置(外)33)にのみ引継がれて搬送され、次に、補助搬送手段(補助搬送装置(外)33)に株元が挟持搬送されている状態で、これよりやや穂先側が補助搬送装置(内)34に同じ搬送速度で引継がれる。こうして、搬送姿勢が搬送手段(株元引継搬送装置19)から変化する状態でも供給搬送する手段(主供給搬送装置25と補助搬送装置26からなる穀稈供給装置18)は補助搬送装置(外)33と補助搬送装置(内)34により確実に搬送する。 【0010】走行速度と同調して株元引継搬送装置19により円滑に搬送された穀稈の株元は、引き続き同じ搬送速度の補助搬送装置(外)33にのみ引継がれて搬送され、次に、補助搬送装置(外)33に株元が挟持搬送されている状態で、これよりやや穂先側が補助搬送装置(内)34に同じ搬送速度で引継がれる。 【0011】こうして、株元引継搬送装置19から送られて来る穀稈の搬送姿勢が変化する状態でも補助搬送装置26の補助搬送装置(外)33と補助搬送装置(内)34により確実に穀稈は搬送され、脱穀装置への穀稈の引継搬送供給を良くし、従来技術に比較して脱穀装置における脱穀性能を著しく向上させることができる。 【0012】なお、上記かっこ内は本発明の一実施の形態の例を記載したものであり、本発明はこれに限定されるものではない。 【0013】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図1ないし図11により説明する。図1は本発明の実施の形態の刈取前処理装置、穀稈供給搬送装置および脱穀装置における搬送手段と穀稈の流れを示すブロック図であり、図2は刈取前処理装置の側面図であり、図3は刈取前処理装置の平面図であり、図4は刈取前処理装置と穀稈供給搬送装置の側面図であり、図5は補助搬送装置の展開状態の概略平面図であり、図6は穂先側搬送装置、株元引継搬送装置、補助搬送装置の配置の展開状態概略平面図であり、図7は穂先側搬送装置、株元引継搬送装置、補助搬送装置(外)の配置の展開状態の概略背面図であり、図8は補助搬送装置とギヤボックスの展開状態の一部断面概略平面図であり、図9は脱穀装置の一部断面概略正面図であり、図10は刈取前処理装置と補助搬送装置の側面図であり、図11は補助搬送装置付近の一部断面概略平面図である。 【0014】本発明の実施の形態は従来例を改良したものであり、図面中の従来例と同じ部分には同一の符号を付している。コンバイン1は機体フレーム2aの下方に走行装置2bを配設し、走行装置2bの上方位置に脱穀装置3を設け、前記脱穀装置3の前方位置に刈取前処理装置4を設け、刈取前処理装置4の最前方部に分草具5を配し、分草した穀稈を引起ケース6で引起し、スターホイル7および掻き込み装置8で刈取前処理装置4に掻き込み、刈刃9で穀稈の根元付近を刈取、刈取した穀稈は株元側搬送装置10、および穂先側搬送装置11、11aで刈取前処理装置4内を搬送する。 【0015】これらの刈取前処理装置4は刈取フレーム12に取付けられ、刈取フレーム12は縦支持フレーム13の先端に取付け、縦支持フレーム13の基部には横伝動筒14を設け、横伝動筒14を機体フレーム2a側に設けた支持架台15に回動自在に取付ける。したがって、刈取前処理装置4は、横伝動筒14を中心に刈取上下シリンダ16により上下する(図2ないし図4)。 【0016】前記各搬送装置により搬送される搬送路の終端には扱深さ調節装置17の始端部を臨ませ、扱深さ調節装置17の終端部は前記脱穀装置3に穀稈を供給する穀稈供給搬送装置18に引継ぐ株元引継搬送装置19の始端部下方位置に臨ませ、扱深さ調節装置17は前記株元引継搬送装置19へ穀稈を引継ぐ位置を、穀稈の稈身方向に変更し、脱穀装置3の脱穀室に供給するときの扱深さを調節する。扱深さは扱深さ調節用アクチュエータ20により調節し、扱深さ調節用アクチュエータ20には扱深さ位置検出用のポテンショメータ17a,19aを設ける。また、該ポテンショメータ17a,19aは前記扱深さ調節装置17の取付部に設けてもよい(図2)。 【0017】また、扱深さ調節装置17により扱深さが調節されるだけでなく、更に、前記株元引継搬送装置19は、その引継搬送チェンの案内ローラ23が前記穀稈供給搬送装置18に対して稈身方向の離れる側に移動することにより、扱深さ調節装置17と共同して扱深さを調節して脱穀装置3に供給することができる。株元引継搬送装置19は引継搬送用アクチュエータ24により調節する。 【0018】前記穀稈供給搬送装置18は、前記脱穀装置3の側部に位置する主供給搬送装置25と該主供給搬送装置25の始端部と前記株元引継搬送装置19の終端側との間に設けた補助搬送装置26とに分割して構成する。この場合、前記主供給搬送装置25は、所謂挟扼杆27とフィードチェン28により穀稈を挟持搬送するように構成し、前記挟扼杆27は脱穀装置3の上部カバー29に設け、上部カバー29の上方回動によりフィードチェン28より退避する。前記フィードチェン28は前後方向のチェン案内レール30の前後に設けた前側受動輪体31および後側受動輪体32に掛け回す(図4)。 【0019】前記補助搬送装置26は、更に前記株元引継搬送装置19の終端部近傍に臨み、かつ、平面視前記主供給搬送装置25と同一直線上で該主供給搬送装置25の前方に位置する補助搬送装置(外)33と、前記主供給搬送装置25と平行であるが同一直線上になく、かつ上記補助搬送装置(外)33の終端側部と前記主供給搬送装置25の始端側部との夫々に臨んで重合する補助搬送装置(内)34とにより構成する(図4ないし図6)。 【0020】補助搬送装置26は前記株元引継搬送装置19と同一搬送速度にするとともに、走行速度と同調して変速するように構成している。即ち、刈取前処理装置4に伝達する回転は前記走行装置2bによる走行速度の変化に同調(シンクロ)させ、株元引継搬送装置19も刈取前処理装置4に伝達する回転と同調(シンクロ)させ、その結果、刈取前処理装置4と株元引継搬送装置19と補助搬送装置26の穀稈搬送速度は略同じになる。 【0021】前記補助搬送装置(外)33は、案内レール(外)35の前側に前側歯車(外)36を設け、案内レール(外)35の後側に後側歯車(外)37を設け、前側歯車(外)36と後側歯車(外)37にチェン(外)38を掛け回して構成する。前記後側歯車(外)37の取付軸39の内側部分には前記補助搬送装置(内)34の前側歯車(内)40を固定し、該前側歯車(内)40と前側歯車(内)40の後方に設けた後側歯車(内)41との間にチェン(内)42を掛け回して前記補助搬送装置(内)34を構成する(図4、図5、図8)。 【0022】補助搬送装置(外)33を長く形成し、補助搬送装置(内)34を短く形成し、補助搬送装置(内)34を補助搬送装置(外)33より内側に位置させ、補助搬送装置(外)33は主供給搬送装置25の前方に直線状に配置する。また、補助搬送装置(内)34の終端と前記主供給搬送装置25の始端部は側面視略重合させる。 【0023】穀稈供給搬送装置18は前記したように主供給搬送装置25と補助搬送装置26により2分割して構成する(図4)が、そのうち後側の主供給搬送装置25を、前後側の何れか一方に設けた回動軸44(図5)を中心に回動軸回動自在に設け、前記脱穀装置3の側部が開放できるようにする。 【0024】コンバイン1の走行速度と同調して刈取前処理装置4の回転(作業速度)が変速され、これに合わせて前記株元引継搬送装置19も変速され、さらに、これに合わせて補助搬送装置26も変速されるように構成しているので、この補助搬送装置26は機体側に残して、主供給搬送装置25を脱穀装置3の側部が開放するように移動させて、脱穀装置3の側部開放を容易にする構成とする。このとき、図11に示すようにチェン案内レール30(フィードチェン28)の終端(後側)を側方に回動させるように構成する。 【0025】図5および図8に示すように、前記後側歯車(内)41の回転軸48はギヤボックス50に軸装し、回転軸48はギヤボックス50の出力軸となる。ギヤボックス50内には減速用の歯車群51を設け、該歯車群51には入力軸52の入力歯車53を噛み合わせる。前記ギヤボックス50より突出する入力軸52には入力プーリ54を設ける。入力プーリ54は横伝動筒14の出力プーリ55に巻回されたベルト56により駆動され、駆動力は脱穀クラッチ56aによりON,OFFできる構成である。 【0026】前記出力プーリ55は前記横伝動筒14の一端に設けた刈取部入力プーリ57と同軸に設けられ、刈取部入力プーリ57に走行速度と同調して伝達される回転が出力プーリ55により前記補助搬送装置(外)33と補助搬送装置(内)34に伝達される。前記ギヤボックス50は図4に示す取付部材58の上部に固定され、取付部材58はその下部を前記支持架台15に固定されている。 【0027】図8に示すように前記ギヤボックス50の上部には筒部材60の基部を片持状態に取付け、該筒部材60に前記回転軸48を軸装し、回転軸48の内端のギヤボックス50内の部分の歯車61は小径に形成し、前記ギヤボックス50の高さを低くし、図9に示すようにギヤボックス50を脱穀装置3の穀稈供給口63に穀稈を案内する入口漏斗(ジョウゴ)62の下方に位置させる。また、図8に示すように前記筒部材60の外周にはボス64を嵌合させ、ボス64と筒部材60の重合部分にはブリーザ孔65を設け、筒部材60内の潤滑油がブリーザ孔65より漏出してボス64と筒部材60の間に滲むようにしている。 【0028】図9と図11に示すように、前記ギヤボクス50の入力プーリ54は、前記筒部材60の下方に位置させ、該入力プーリ54と横伝動筒14の左端の出力プーリ55とベルト56は平面視ギヤボックス50と前記補助搬送装置26との間の空間内に配置する。図8に示すように前記ボス64には回動アーム66の基部を固定し、回動アーム66には縦杆67をボルト68を緩めることで長さ方向に移動調節自在となるように取付ける。縦杆67の中間部には前記取付軸39を固定し、取付軸39に軸受け39aを介して前記後側歯車(外)37と補助搬送装置(内)34の前側歯車(内)40を回転のみ自在に取付ける。 【0029】また、縦杆67の先端側には横杆69の内端を固定し、横杆69の外端は取付体70を固定し、取付体70には前記補助搬送装置(外)33の案内レール(外)35をボルト71を緩めることで長さ方向に移動調節自在に取り付ける。回動アーム66に対して縦杆67を、取付体70に対して案内レール(外)35を夫々移動させることによりテンション機構とする。 【0030】前記横杆69にはロッド72の上端を取付け、ロッド72の下端はアクチュエータ73のアーム74に軸着する。アクチュエータ73はアーム74を回動させてロッド72を上下させ、ロッド72の上下により横杆69を上下動させ、横杆69の上下動により回動アーム66をボス64中心に回動させ、補助搬送装置(外)33の前側歯車(外)36の高さを上下調節する。したがって、アクチュエータ73は、作動しないとき回動アーム66の荷重を支受している(図8、図10)。 【0031】上記構成からなるコンバインにおいて、走行装置2bによりコンバイン1を前進させて分草具5により分草し、分草具5により分草された穀稈は引起ケース6により引起こされ、スターホイル7により後方に掻込まれ、刈刃9により切断され、切断された穀稈は株元側搬送装置10と穂先側搬送装置11、11aにより搬送され、搬送された穀稈は扱深さ調節装置17に挟持搬送されて株元引継搬送装置19に引継がれ、株元引継搬送装置19により穀稈供給搬送装置18に穀稈を引継ぐ。 【0032】この場合、株元引継搬送装置19の始端部に対して扱深さ調節装置17の終端部は穀稈の稈身方向に遠近調節自在であるから、図示しない株元側センサや穂先側センサ等の信号により、扱深さ調節装置17の終端部位置を調節することにより穀稈の挟持位置を変更して、脱穀装置3の扱室に供給する穀稈の扱深さが略一定になるように調節する。 【0033】そして、前記穀稈供給搬送装置18は前記脱穀装置3の側部に位置する主供給搬送装置25と該主供給搬送装置25の始端部と前記株元引継搬送装置19の終端側との間に設けた補助搬送装置26とにより構成し、補助搬送装置26は、更に、前記株元引継搬送装置19の終端部近傍に臨み、かつ、平面視で前記主供給搬送装置25と同一直線状に主供給搬送装置25の前方に位置する補助搬送装置(外)33と前記主供給搬送装置25の始端部の側方に臨んで側面視で重なり合う補助搬送装置(内)34とにより構成され、該補助搬送装置26は前記株元引継搬送装置19と同一搬送速度にするとともに、コンバイン1の走行速度と同調して変速するように構成している。 【0034】従って、まず、コンバイン1の特に、また、コンバインの走行速度と同調して株元引継搬送装置19により円滑に搬送された穀稈の株元は、引き続き同じ搬送速度の補助搬送装置(外)33にのみ引継がれて搬送され、次に、補助搬送装置(外)33に株元が挟持搬送されている状態で、これよりやや穂先側が補助搬送装置(内)34に同じ搬送速度で引継がれる。こうして、搬送姿勢が株元引継搬送装置19から変化する状態でも、主供給搬送装置25と補助搬送装置26からなる穀稈供給装置18は補助搬送装置(外)33と補助搬送装置(内)34により確実に搬送する。主供給搬送装置25の前側に補助搬送装置26の補助搬送装置(外)33を設けているから、株元引継搬送装置19からの引継が良好になる。 【0035】前述のように株元引継搬送装置19と補助搬送装置26の搬送速度は刈取装置3すなわちコンバイン1の走行速度に同調してそれぞれほぼ等しいが、主供給搬送装置25の搬送速度は脱穀装置3の運転速度に同調していて、脱穀装置3は前記走行速度に無関係に、常に脱穀に最適なほぼ一定速度で運転されるので、株元引継搬送装置19の搬送速度と主供給搬送装置25の搬送速度とは等しくないことがある。 【0036】そこで、補助搬送装置26を設けることにより搬送速度の相違する株元引継搬送装置19から主供給搬送装置25に直接引継ぐことによる不具合を防止する。また、補助搬送装置26の補助搬送装置(内)34と主供給搬送装置25とでは搬送速度が相違するが、既に搬送姿勢は横向きになっており、主供給搬送装置25は補助搬送装置(内)34により搬送されたものをそのまま引継ぐことになるので、搬送乱れは生じない。 【0037】また、補助搬送装置(外)33は相対的に長く形成し、補助搬送装置(内)34は相対的に短く形成し、補助搬送装置(外)33を補助搬送装置(内)34より外側に位置させているから、株元引継搬送装置19から穀稈が引継がれるとき、より穀稈の株元が補助搬送装置(外)33に引継がれて、稈こぼれ等を防止できる。また、補助搬送装置(外)33は主供給搬送装置25の前方にほぼ直線状に配置されているから、補助搬送装置(外)33と主供給搬送装置25の夫々の挟持位置も変化せず、この点も引継を円滑に、確実にする。 【0038】また、図4の1点鎖線Xと図7に示すように、前記穂先側搬送装置11のうち前記終端が前記株元引継搬送装置19の終端部と略重合する穂先側搬送装置11aの搬送ラグ43の終端部分の作用終了域と、前記株元引継搬送装置19の案内ローラ23の位置と、前記補助搬送装置(外)33の前側歯車(外)36の位置は、穀稈搬送姿勢と略一致するように配置しているから、穀稈は同時に3カ所挟持搬送されて稈こぼれを防止でき、しかも、配置の工夫であるから、コストを上昇させずに、コンパクトに無駄のない合理的な構成にできる。また、補助搬送装置26の補助搬送装置(内)34の高さと主供給搬送装置25の高さとを同じにしているから、補助搬送装置(内)34から主供給搬送装置25への引継も良好になる。 【0039】また、図9に示すようにギヤボックス50の上部には筒部材60の基部を片持状態に取付け、筒部材60に後側歯車(内)41の回転軸48を軸装しているから、ギヤボックス50は補助搬送装置26に対して内側にオフセットさせることができる。したがって、ギヤボックス50と補助搬送装置26の間に空間を形成することができ、この空間内にギヤボックス50の入力プーリ54と、刈取前処理装置4の縦支持フレーム13の基部の横伝動筒14の左端に設けた出力プーリ55とを配置することができ、搬送穀稈とベルト56との干渉を防止でき、ベルト56に藁屑が巻き付くのを防ぐことができる。 【0040】また、ギヤボックス50内の回転軸48に固定の歯車61は小径に形成しているから、ギヤボックス50の高さを低くでき、それゆえ、ギヤボックス50を入口漏斗62の下方に位置させることができ、空間を有効利用でき、機体全体をコンパクトにできる。 【0041】また、図8に示すように筒部材60の外周にはボス64を嵌合させ、ボス64と筒部材60の重合部分にはブリーザ孔65(図8)を設け、筒部材60内の潤滑油がブリーザ孔65より漏出してボス64と筒部材60の間に滲むようにしているから、筒部材60に対するボス64の回転を良好にし、後述する補助搬送装置26の傾斜変更を円滑にする。また、ブリーザ孔65はボス64により外気と遮断されているので、油の吹き出しあるいは異物混入を防止できる。 【0042】さらに、図8、図10に示すようにアクチュエータ73を作動させると、アーム74を回動させてロッド72の上下動と横杆69の上下動によりボス64を中心に回動アーム66を回動させ、補助搬送装置(外)33の前側歯車(外)36の高さを上下方向に調節できる。したがって、補助搬送装置26は筒部材60の軸心を中心に上下方向に回動して傾斜角度を変更できる。 【0043】この場合、回動アーム66の回動中心を筒部材60に嵌合させたボス64の軸心としたので、別途回動支点部材を設けなくてすみ、コンパクトで強固な支点にすることができる。 【0044】また、ギヤボックス50の入力プーリ54は筒部材60の下方に位置させ、刈取前処理装置4の横伝動筒14に出力プーリ55を設け、出力プーリ55と前記入力プーリ54とベルト56は平面視ギヤボックス50と前記補助搬送装置26との間の空間内に配置しているから、穀稈供給搬送装置18の補助搬送装置26を筒部材60中心に上下させるときにも入力プーリ54とベルト56は干渉せず、上下動の範囲を広くすることができ、また、ベルト56のメンテナンスが容易になる。 【0045】また、前記出力プーリ55と前記入力プーリ54とベルト56の一部または全部は、株元引継搬送装置19の下方(これより内側)に位置させているから、株元引継搬送装置19のフレームやチェン案内レール等の各部材が、これらの上方を覆うので、カバーの作用を奏し、藁屑、塵埃の付着を防止でき、特に、穀稈供給搬送装置18の補助搬送装置26を筒部材60中心に下げたとき搬送穀稈ベルト56の干渉を防止でき、ベルト56に藁屑が巻き付くのを防止する。 【0046】また、アクチュエータ73のアーム74がロッド72を上下動させることに基づく、前述の一連の動きで回動アーム66をボス64中心に回動させると補助搬送装置26の始端部は上下動するから、補助搬送装置26の始端部は、株元引継搬送装置19の終端(案内ローラ23)に対して距離(間隔)を遠近させることができ、一層、穀稈の挟持位置の変更し得る範囲を広げることができる。即ち、株元引継搬送装置19と補助搬送装置26とは相互に遠近自在に構成されることになって、調節範囲を広げることができる。 【0047】図7に示すように補助搬送装置26(チェン38:実線)を上動させると、株元引継搬送装置19とチェン38の距離が短くなる。穀稈の挟持距離L1は長稈と短稈で変わることが無いので、短稈の場合には、株元引継搬送装置19の挟持位置から株元端間での長さL2は短くなる。したがって補助搬送装置26を上動させることにより、短稈でも穀稈の株元を挟持搬送できる。 【0048】また、一方、補助搬送装置26(チェン38:点線)を下動させると、株元引継搬送装置19とチェン38の距離が長くなる。長稈の場合、株元引継搬送装置19の挟持位置から株元端までの長さL3は長くなる。したがって補助搬送装置26を下動させることにより、穀稈のより株元を挟持搬送でき、搬送姿勢の乱れが無く、安定した搬送ができる。 【0049】また、補助搬送装置26の回動を扱深さ調節装置17の扱深さ調節と連動して行う場合は、前記ポテンショメータ17a,19a(図3)により扱深さ調節装置17の角度を検出してアクチュエータ73を連動させると、部品点数を増加させることなく、連動構成にすることができる。また、扱深さ調節装置17の扱深さ調節用の扱深さセンサ77(図3、図4)によりアクチュエータ73(図10)を連動させても、同様の作用がある。 【0050】また、図8に示すように取付体70に対して補助搬送装置(外)33の案内レール(外)35を前側移動させて補助搬送装置(外)33のチェン(外)38を緊張させ、この状態で縦杆67を回動アーム66に対して前側に移動させると、補助搬送装置(内)34のチェン(内)42を緊張させる個とができる。したがって、補助搬送装置26の補助搬送装置(外)33及び補助搬送装置(内)34の夫々のチェン38、42を独立して調節可能となる。 【0051】また、本発明の実施の形態によれば、穀稈供給搬送装置18を刈取前処理装置4側に設けた株元引継搬送装置19から刈取穀稈を受取る補助搬送装置26と、該補助搬送装置26から前記刈取穀稈を受け取って機体後方に搬送する主供給搬送装置25とに分割形成した。 【0052】また、前記補助搬送装置26はその始端部を前記株元引継搬送装置19の終端部近傍に臨ませ、かつ前記主供給搬送装置25と略同一直線状であって該主供給搬送装置25の前方に位置する補助搬送装置(外)33と、該補助搬送装置(外)33の終端側部と前記主供給搬送装置25の始端側部の夫々に臨んで重合する補助搬送装置(内)34とにより構成した。 【0053】そして、該補助搬送装置26(補助搬送装置(外)33と補助搬送装置(内)34)は前記株元引継搬送装置19と同一搬送速度にするとともに、走行速度と同調して変速するように構成したので、株元引継搬送装置19は走行速度と同調して搬送して、引き続き同じ搬送速度の補助搬送装置(外)33にのみ引継ぐので、引継ぎが円滑、かつ確実である。次に、補助搬送装置(外)33に株元が挟持搬送されている状態で、これよりやや穂先側が補助搬送装置(内)34に同じ搬送速度で引継がれるので、ここでも引継は円滑、かつ確実である。次に補助搬送装置(内)34が挟持搬送している状態で主供給搬送装置25に引継ぐので、搬送速度が相違にするにもかかわらず円滑、かつ確実に引継がれ、搬送乱れは生じない。 【0054】本発明の図10に示す補助搬送装置26とは構成の異なる補助搬送装置26の側面図を図12に示すが、本例によれば株元引継搬送装置19から補助搬送装置(外)33への穀稈の引継性能を一層向上させることができることに特徴がある。すなわち、補助搬送装置(外)33のチェン(外)38を巻回する2個の歯車、前側歯車(外)36および後側歯車(外)37のほかに、前側歯車(外)36の前方で下側に前下側歯車(外)36aを設け、チェン(外)38の走行経路を前下側歯車(外)36a、前側歯車(外)36、後側歯車(外)37、前下側歯車(外)36aとする側面視不等辺三角形状にして、扱深さ調節装置17側を前下がりに構成することを特徴とする。 【0055】補助搬送装置26は補助搬送装置(内)34の後側歯車(内)41の軸心を中心に上下に揺動できる。また、補助搬送装置26が上下に揺動しても、補助搬送装置(外)33の終端部の高さと補助搬送装置(内)34の始端部の高さとは同一であり、補助搬送装置(内)34の終端部の高さとフィードチェン28の始端部の高さは同一である。 【0056】図12に示す構成により株元引継搬送装置19から穀稈を引継ぐ補助搬送装置(外)33のチェン(外)38の始端位置を低くできるので、引継時に落下しようとする穀稈を引き上げ、稈こぼれを防止することができ、かつ穀稈の引継が確実であり、引継時の株の乱れを防いで株揃えが良くできる。 【0057】また、補助搬送装置(外)33から補助搬送装置(内)34への引継、補助搬送装置(内)からフィードチェン28への引継は、前述の通り、いずれも高さの変化がない状態で行われるので、引継性能が良好となる。 【0058】図13、図14および図15には本発明の別の実施の形態を示す。図13は図10で示す補助搬送装置26とは形状が異なる補助搬送装置26付近の側面図であり、図14は図13の補助搬送装置26を下方に揺動させた場合の側面図であり、図15は図13の補助搬送装置26付近の平面図である。本例によればコンバイン1が上下に揺動した場合においても補助搬送装置26における搬送穀稈の挟持を一層確実にすることができる。 【0059】補助搬送装置26の補助搬送装置(外)33および補助搬送装置(内)34は、いずれも穀稈を確実に挟持しながら搬送することが必要で、このためにチェン(外)38およびチェン(内)42の上方にそれぞれ挟持ガイド(外)38aおよび挟持ガイド(内)42aを設ける。 【0060】前述のように補助搬送装置26は、補助搬送装置(内)34の後側歯車(内)41の軸心を中心に上下に揺動するので、補助搬送装置(外)33および補助搬送装置(内)34は、上下に揺動した場合でも、搬送穀稈を確実に挟持しながら搬送することが必要である。すなわち挟持ガイド(外)38aおよび挟持ガイド(内)42aは、補助搬送装置(外)33および補助搬送装置(内)34が上下に揺動しても、挟持ガイド(外)38aとチェン(外)38との挟持間隔、および挟持ガイド(内)42aとチェン(内)42との挟持間隔がいずれも所定値に維持できるように構成する必要がある。 【0061】図13〜A15に示す例では、主供給搬送装置25の挟扼杆27をフィードチェン28の前端よりも若干前方に延長して設け、該挟扼杆27の前端部分にリンク支点ブラケット(外)27aを水平方向で、挟扼杆27の長手方向に対して垂直外側向きに突出して固着し、該リンク支点ブラケット(外)27aの中心にリンク支点(外)27bを穿設し、挟持ガイド(外)38aを上下回動自在に遊嵌する。挟持ガイド(外)38aは平面視ほぼL字形をなし、L字の一辺を上記リンク支点27bに遊嵌挿入するが、L字の他の一辺は補助搬送装置(外)33のチェン(外)38の上面に沿って前方に延在して補助搬送装置(外)33の前端部よりも若干突出し、側面視で最前端部は部分円弧状に上方に湾曲し、中央部分はチェン(外)38に接近して平行し、補助搬送装置(外)33の終端部ではチェン(外)38の上面よりも離隔するように屈曲上昇する形状とする。 【0062】補助搬送装置(外)33の挟持ガイド(外)38aのほぼ中央部で補助搬送装置(内)の前端よりも若干前方にリンク支点ブラケット(内)38bを上方に突出して固着し、該リンク支点ブラケット(内)38bの上部を水平方向で、補助搬送装置(内)34の長手方向に対し直交する内側向きに折り曲げた形状とし、この折り曲げ部分の中心にリンク支点(内)38cを穿設し、該リンク支点(内)38cに挟持ガイド(内)42aを上下回動自在に遊嵌する。 【0063】挟持ガイド(内)42aは平面視ほぼL字形をなし、L字の一辺を上記リンク支点38cに遊嵌挿入するが、L字の他の一辺は補助搬送装置(内)34のチェン(内)42の上面に沿って後方に延在させて補助搬送装置(内)34の後端部よりも若干突出し、側面視前端部はリンク支点(内)38cから部分円弧状に下方に湾曲してチェン(内)42の上面に接近し、補助搬送装置(内)34の終端部ではチェン(内)42の上面よりも離隔するように屈曲上昇する形状とする。 【0064】こうして、穂先側搬送装置11aおよび株元引継搬送装置19により搬送された穀稈は、補助搬送装置(外)33の前端部よりも若干突出し、側面視部分円弧状に上方に湾曲した挟持ガイド(外)38aにより補助搬送装置(外)33に取り込まれ、該挟持ガイド(外)38aとチェン(外)38により穀稈の株元付近を挟持されながら搬送され、ついで、側面視部分円弧状に湾曲した挟持ガイド(内)42aにより補助搬送装置(内)34に取り込まれ、該挟持ガイド(内)42aとチェン(内)42により穀稈のやや穂先寄りの株元付近を挟持されながら搬送され、さらに、前方に延長された挟扼杆27により主供給搬送装置25に取り込まれ、該挟扼杆27とフィードチェン28により穀稈の株元付近を挟持されながら脱穀装置3に供給搬送される。 【0065】補助搬送装置(外)33の挟持ガイド(外)38aは、チェン(外)38の前端よりも前方に突出して大きく開口し、かつ側面視で部分円弧状に湾曲してチェン(外)38に接近するから、株元引継搬送装置19から搬送されてくる穀稈を円滑に取り込むことができる。 【0066】また、挟持ガイド(外)38aは、補助搬送装置26の上下揺動の回動中心の後側歯車(内)41に近接した挟扼杆27に設けたリンク支点(外)27bを中心に上下に揺動するから、補助搬送装置26の上下揺動があっても、挟持ガイド(外)38aとチェン(外)38との相対位置はほとんど変化せずにチェン(外)38の上面に接近して位置するから、補助搬送装置(外)33の穀稈挟持状態は上下揺動にかかわらずほとんど変化せず、したがって常に良好な搬送作用を行うことができる。 【0067】また、挟持ガイド(内)42aは挟持ガイド(外)38aから立設するリンク支点(内)38cを中心に揺動するから、補助搬送装置26の上下の揺動があっても、挟持ガイド(内)42aとチェン(内)42との相対位置はほとんど変化せず、チェン(内)42の上面に位置するから、補助搬送装置(内)34の穀稈挟持状態は上下方向の揺動により変化しない。補助搬送装置(内)34の挟持ガイド(内)42aのリンク支点(内)38cは、補助搬送装置(内)34の始端よりも前方に設けてあり、かつ側面視で部分円弧状に湾曲して拡開しているので、搬送されてくる穀稈を抵抗なく円滑に取り込むことができ、また、補助搬送装置(外)33の挟持ガイド(外)38aが上昇しても挟持ガイド(内)42aの作用部は下がったままであり、補助搬送装置(内)34の搬送作用を損なうことはない。 【0068】また、主供給搬送装置25の挟扼杆27はフィードチェン28の前端部よりも前側に延在して入り口部を拡開する構成としているので、補助搬送装置26から搬送されてくる穀稈の受け入れ、取り込みが良好であり、早期に穀稈を下方に押さえて挟持するために、補助搬送装置26から主供給搬送装置25への引継部での稈こぼれ、株の乱れを発生させることなく、穀稈の供給搬送を安定化させることができる。 【0069】上記構成によれば、補助搬送装置26および主供給搬送装置25における穀稈の取り込みと搬送が良好になり、稈こぼれを防止し、株の乱れを極小にするなど、コンバインの脱穀、穀粒回収能率向上効果がある。 【0070】なお、挟持ガイド(外)38aおよび挟持ガイド(内)42aの挟持力は、それぞれの挟持ガイド38a、42a自身に作用する重力により発生するが、リンク支点(外)27bおよび/またはリンク支点(内)38cにねじりスプリングなどによる機械的付勢手段を設けて挟持ガイド(外)38aおよび挟持ガイド(内)42aを下向きに付勢し、挟持力を発生させる構成としてもよい。 【0071】前記図13〜図15の変形例を図16および図17に示す。図16は補助搬送装置34付近の平面図であり、図17は図16のS−S線矢視の断面図である。本例によれば補助搬送装置34から主供給搬送装置25の挟扼杆27などへの穀稈の搬送をより円滑にし、かつ補助搬送装置34を軽量化するという課題を解決することができる。図16に示すように補助搬送装置(内)34の終端部と主供給搬送装置25の始端部とは平面視で重ね合わさっており、図17に示すように補助搬送装置(内)34の終端部のチェン42の上面位置を、主供給搬送装置25の始端部のフィードチェン28の上面位置と略同じ高さにしていることに特徴がある。 【0072】このように構成することにより、補助搬送装置(内)34から主供給搬送装置25へ搬送穀稈を引継ぐ際に、穀稈が上下に波打つことなく補助搬送装置(内)34から主搬送装置25に一直線に搬送されて引き継ぎ時の乱れ、詰まりがなく、安定して扱胴に供給できる。 【0073】なお、図16に示すように補助搬送装置(内)34の幅を、補助搬送装置(外)33の幅よりも狭くすることにより、穀稈は主として補助搬送装置(外)33および主供給搬送装置25で搬送されるので搬送能力を低下させることなく、かつ狭幅であっても補助搬送装置(内)34が存在するので引継搬送性能を低下させることなく、補助搬送装置26全体を軽量化することができる。 【0074】図18の主供給搬送装置25および補助搬送装置26付近の側面図と図19の主供給搬送装置25および補助搬送装置26付近の平面図に示す例では、脱穀装置3の内部に不具合が発生した場合などに、脱穀装置3の内部を点検し、清掃し、不具合部品等を交換するなどのメンテナンス作業を簡易に行うことができるようにするためのフィードチェン28を含む穀稈供給搬送装置18の回動操作を容易にすることができる。 【0075】脱穀装置3のメンテナンスのために脱穀装置3の側部を開放するのに、穀稈供給搬送装置18全体を回動させるのではなく、主供給搬送装置25のフィードチェン28の前端付近を中心として横方向に回動させるが、それでもフィードチェン28はかなり長尺の重量物であり、かつ縦方向の回動軸44をフィードチェン28の長尺の一端部に設けて片持ち梁状態で軸支させると、フィードチェン28の回動支点から離れた他端部が下方へ垂れ下がり不安定となることがある。また、重量物であるフィードチェン28を回動軸44の回りに回動させるにはかなり大きな力が必要であり、かつ回動完了後に安定に回動完了状態に保持することも必要である。 【0076】図18に示すようにコンバイン1の機体フレーム2aに支持体45を強固に立設し、該支持体45に回動軸44を回動自在に支承する支持部材46を取り付ける。回動軸44の軸心の方向は側面視前方に傾斜する構成である。回動軸44はほぼL字型の回動アーム47の一辺に取り付けられ、回動アーム47の他の一辺に回動アーム取付ブラケット30aを介してチェン案内レール30の前端近くを固着する。フィードチェン案内レール30には、脱穀装置3の一側の前後方向で、後方向に向けて緩い上昇勾配を持つ主供給搬送装置25のフィードチェン28を張設する。 【0077】前記フィードチェン案内レール30の終端部側には係止機構30bを設け、この係止機構30bを脱穀装置3から突出する係止ピン3aに係止することにより、脱穀運転中は主供給搬送装置25を脱穀装置3の一側面に係着する。 【0078】脱穀装置3の側面を開放するときには、係止機構30bを開操作して、係止ピン3aの係合を解除したのちに、フィードチェン28を手動で外側方向へ押す操作を行う。このとき主供給搬送装置25の挟扼杆27は脱穀装置3側に取り付けたままとする。フィードチェン28は、該フィードチェン28の前端側で、斜め前方に傾斜した回動アーム47の回動軸44を回動中心として、外側方向へ向けて回動し、脱穀装置3の左側部が開放状態になる構成である。フィードチェン28の後端側の端部は、回動アーム47の回動軸44が斜め前方に傾斜しているので、外側方向へ向けて回動するに伴い高さが低下し、遂に圃場などの地面に接触する直前まで回動する。脱穀装置3の左側部の回動完了点はストッパワイヤ49が作用する点とする。 【0079】上記構成によれば、脱穀装置3の点検、修理などのために脱穀装置3の側面を開放するためにフィードチェン28を回動すると、フィードチェン28の端部が地面に接触するまでの広い角度に回動することができ、脱穀装置3の点検、修理が容易になると共に、フィードチェン28は端部が地面に接触して極めて安定に支持された状態となり、フィードチェン28自身の点検、修理もフィードチェン28の高さが低下していて極めて容易になり、かつフィイードチェン28の回動に際し必要な力も少なくて済む。 【0080】また、穀稈供給搬送装置18全体を側方回動させるのに比して補助搬送装置26の長さ分だけ短い主供給搬送装置25を側方回動させるので、回動半径を小さく、回動スペースを狭くして、狭いスペースでも回動させて開放することができるし、その短い分だけフィードチェン案内レール30の長さを短くすることができる。 【0081】また、補助搬送装置26は、走行速度と同調して変速される刈取前処理装置4の回転(作業速度)に合わせるように構成しているが、この補助搬送装置26を機体側に残して、主供給搬送装置25を回動させるから、脱穀装置3の側部の穀稈供給搬送装置18の開放を簡単に行うことができる。 【0082】また、フィードチェン28を大きく回動して脱穀装置3の側方を広く解放することにより脱穀装置3の揺動棚部や、懸架部の点検、清掃、修理が容易になるとともに、補助搬送装置26の前端部を降下させることにより脱穀装置3の入り口漏斗62部の点検、清掃、修理が容易になる。 【0083】また、上述した構成によれば、回動アーム47に設けた回動軸44を介してフィードチェン28を支持する支持体45と、揺動アクチュエータ73を介して補助搬送装置26を支持する支持体75は、機体フレーム2a上の相互に接近した位置に立設されるので、機体フレーム2aの補強を一個所に集中して行うことができるという、機体フレーム2aの構成を簡略化できるという効果もえられる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000125 【氏名又は名称】井関農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年4月2日(1999.4.2) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100096541 【弁理士】 【氏名又は名称】松永 孝義
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| 【公開番号】 |
特開2000−287530(P2000−287530A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月17日(2000.10.17) |
| 【出願番号】 |
特願平11−95820 |
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