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【発明の名称】 コンバイン
【発明者】 【氏名】山崎 弘章

【氏名】江田 秀弥

【氏名】門脇 隆志

【氏名】錦織 将浩

【要約】 【課題】排出オーガ8に、オペレータ等の保護のため旋回規制範囲を設けたものにおいて、機体整備時等においてこの旋回規制範囲での規制制御が邪魔になる。

【解決手段】旋回範囲設定操作具13を旋回規制解除位置にセットすることで、旋回規制が解除され、この状態では、手動操作スイッチ10を操作することにより、旋回規制が解除されることになる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 脱穀および選別処理された穀粒を機外に排出するための排出オーガを旋回自在に設けてなるコンバインにおいて、前記排出オーガの旋回規制範囲を設定し、該旋回規制範囲での排出オーガの旋回を規制する構成にするにあたり、前記旋回規制の解除をする旋回規制解除手段を設けて、旋回規制の解除を選択実行できる構成にしたことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】 請求項1において、旋回規制解除手段の旋回規制解除の実行は、排出オーガの旋回位置をセットするための旋回位置設定操作具を予め設定される特定位置にセットすることで実行されるものであることを特徴とするコンバイン。
【請求項3】 脱穀および選別処理された穀粒を機外に排出するための排出オーガを旋回自在に設けてなるコンバインにおいて、前記排出オーガの旋回位置を検知するための旋回位置検知センサと、該旋回位置検知センサのセンサ値を微調整するための微調製用操作具とを備えていることを特徴とするコンバイン。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、穀粒を脱穀処理するコンバインの技術分野に属するものである。
【0002】
【従来技術】一般に、この種コンバインのなかには、脱穀および選別処理された穀粒を機外に排出するための排出オーガが設けられたものがあるが、該排出オーガは、例えば機体後部に旋回(回動)自在に支持されていて、任意の排出位置にセットできるように構成されている。そしてこの様な排出オーガは、長いものであるため自由旋回させた場合に、運転席を横切ることがあり、このときオペレータの頭等に当たる惧れがある。そこで従来は、排出オーガの旋回について、手動、自動の何れの制御においても運転席およびその周囲に旋回規制範囲を設定し、この旋回規制範囲に排出オーガが位置する場合には、原則として排出オーガの旋回をしないよう規制する制御をしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、機体整備時のような特殊な場合、前記旋回規制範囲を通って回動させたい場合に、排出オーガが旋回規制範囲に位置するかぎりは、例えば排出オーガを予め設定される安全高さ(オペレータに当たらない高さ)までいちいち上昇させて旋回規制の解除をしなければ旋回させることができず作業性に劣るうえ、特にこの安全高さを検知する高さ検知センサが故障したような場合には排出オーガを旋回規制範囲を越えて旋回することができなくなるという問題があり、ここに本発明の解決すべき課題がある。また、この様なコンバインには、排出オーガの旋回位置を検知する旋回位置検知センサが設けられるが、この旋回位置検知センサの取付け誤差、センサ自体の特性のバラツキ等によりセンサ値が正値からズレることがあるが、従来はこれを調製するための手段がなく、この結果、制度の高い排出オーガの旋回制御を行うことができないという問題があり、ここにも本発明が解決せんとする課題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、脱穀および選別処理された穀粒を機外に排出するための排出オーガを旋回自在に設けてなるコンバインにおいて、前記排出オーガの旋回規制範囲を設定し、該旋回規制範囲での排出オーガの旋回を規制する構成にするにあたり、前記旋回規制の解除をする旋回規制解除手段を設けて、旋回規制の解除を選択実行できる構成にしたことを特徴とするものである。そしてこのようにすることにより、排出オーガの旋回規制範囲での旋回を必要において任意に出来るようにしたものである。そしてこのものにおいて、旋回規制解除手段の旋回規制解除の実行は、排出オーガの旋回位置をセットするための旋回位置設定操作具を予め設定される特定位置にセットすることで実行されるものであることを特徴とするようにすることができ、このようにした場合には、旋回規制の解除を、排出オーガの先回位置を設定するための旋回位置設定操作具を有効に利用してできることになる。また本発明は、脱穀および選別処理された穀粒を機外に排出するための排出オーガを旋回自在に設けてなるコンバインにおいて、前記排出オーガの旋回位置を検知するための旋回位置検知センサと、該旋回位置検知センサのセンサ値を微調整するための微調製用操作具とを備えていることを特徴とするものでもある。そしてこのようにしたものでは、旋回位置検知センサのセンサ値が正値からズレていた場合の微調製を必要においででき、排出オーガの旋回制御の精度アップが計れる。
【0005】
【発明の実施の形態】次ぎに、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図中、1はコンバインの走行機体であって、該走行機体1は、茎稈の刈取をする前処理部2、該刈取られた茎稈の脱穀処理をする脱穀部3、脱穀された穀粒の選別処理をする選別部(図示せず)、選別された穀粒を貯留する穀粒タンク4、機体の前部既刈り地側に偏寄して配される運転操縦席5、クローラ型の走行装置6等の各種部材装置を用いて構成されていること等は何れも従来通りである。
【0006】前記穀粒タンク4の後部には、該穀粒タンク4に貯留された穀粒を揚上搬送する揚穀筒7が設けられ、該揚穀筒7の上端部に排出オーガ8が上下および水平方向に回動(旋回)自在に設けられている。9は排出オーガ8を回動(旋回)するための旋回用モータ、9aは排出オーガ8を上下揺動させるための揺動用シリンダ、10は排出オーガ8の旋回移動位置を検知する旋回位置検知センサ(本実施の形態ではポテンショメータを用いて構成されている)で、これらについても前記と同様、従来通りの構成になっている。そしてこの排出オーガ8の旋回制御は次ぎのように設定されている。
【0007】まず、本実施の形態では、排出オーガ8の旋回制御は、前記旋回用モータ9の駆動制御によって行うが、その駆動制御はマイクロコンピュータ等を用いて構成される制御部11によって行うよう設定されている。つまり制御部11は、入力側に手動操作するための手動操作スイッチ12(レバー起倒式操作スイッチ)、前記排出オーガ8の旋回位置検知センサ10、自動制御において排出オーガ8の回動位置を設定するための旋回位置設定操作具(ポテンショメータ)13、排出オーガ8の左右各旋回限界位置の検知をする左右限界位置検知センサ14L、14R、排出オーガ8の上下揺動高さの検知をする高さ検知センサ15等のスイッチ、センサ類が接続される一方、出力側には前記各モータ9、シリンダ9aと表示具16等のアクチュエータ類が接続されている。
【0008】そして次ぎに、サブルーチンとして設定される排出オーガ8の回動制御(旋回制御)のルーチンについて図5に示すフローチャート図に基づいて説明する。因みに、メインルーチンについては本考案と直接関係がないので説明を省略する。図5は排出オーガ8の旋回制御のためのサブルーチンの実行ルートであるが、このものは、まず前記手動操作スイッチ12がON操作されているか否かが判断され、ON操作されていない、つまりOFF状態(自動制御状態)であると判断された場合、旋回位置設定操作具13の操作位置が、予め設定される旋回規制解除位置(本実施の形態では、左右旋回の限界位置(左右限界位置検知センサ14L、14Rで検知される位置)を越えた任意の位置に設定されている)Aであるか否かが判断される。そして該旋回規制解除位置Aであると判断された場合、表示具(表示具は、本実施の形態では運転操縦部に配した警告灯であるが、ブザー等の音を発生するもので注意を促しても勿論良い)15の表示をするだけで、排出オーガ8の自動位置セット制御を実行しない。つまり排出オーガ8の自動旋回制御は、位置設定操作具13が特定位置Aにセットされている場合には行われない設定になっている。これに対し、旋回位置設定操作具13が旋回規制解除位置Aを外れた自動制御可能な旋回位置にセットされていると判断された場合、旋回位置検知センサ10の検知値が旋回セット値になるよう排出オーガ8の旋回自動制御をするように設定されているが、この排出オーガの自動旋回制御の詳細については本発明とは直接関係がないので省略する。
【0009】これに対し、前記手動操作スイッチ12がON操作されていると判断された場合、先回位置設定操作具13が前記旋回規制解除位置Aにセットされているか否かの判断が成され、旋回規制解除位置Aにセットされていないと判断された場合には、さらに旋回位置検知センサ10による検知値が、排出オーガ8が予め設定される旋回規制範囲(例えば、運転席操縦席5を基準としてその周囲に設定され、オペレータを保護する範囲、またキャビンの有るものについてはキャビンに干渉する範囲を含むその周囲として設定される。排出オーガ8の右旋回と左旋回で範囲を換える等は自由に設定されるが、本実施の形態では説明を簡単にするため同じ設定になっている)B内であるか否かが判断され、該旋回規制範囲B内であると判断された場合に、さらに高さ検知センサ15の排出オーガ8の高さ検知値が予め設定される安全高さ(オペレータやキャビンに干渉することがない高さ)を越えているか否かが判断され、越えていると判断された場合には、手動操作スイッチ12のON操作(右旋回ON操作と左旋回ON操作とがある)に対応して排出オーガ8は手動による左右何れかの旋回をすることになるが、高さ検知値が安全高さ以下であると判断された場合には手動操作スイッチ10のON操作を無視して排出オーガ8の手動旋回は実行されない設定となっている。また、前記旋回規制解除状態において排出オーガ8が旋回規制範囲Bにないと判断された場合には、安全高さを越えているか否かの判断をすることなく手動操作スイッチ12のON操作に応じた排出オーガ8の手動による左右旋回制御が実行される。これに対し、旋回位置設定操作具13が旋回規制解除位置Aにセットされていると判断される場合には、排出オーガ8が旋回規制範囲に位置するか否かの判断をすることなく表示具16の表示を伴いながらの手動操作スイッチ10のON操作による排出オーガ8の旋回制御が実行されるように設定されている。
【0010】そしてさらにこのものでは、次ぎのような配慮もなされている。つまり、前記旋回位置検知センサ10はポテンショメータからなり、この結果、旋回位置検知センサ10の取付け誤差、センサ自体の設定値のバラツキ等によりボリューム値が異なってくる。このため、例えば、排出オーガ8が真右を向いたときの旋回位置検知センサ10のセンサ値について、154が正値であるところ、前記等の理由により156になってしまう場合があり、これを調製しようとするもので、そのため制御部11には微調製用操作具17が接続されている。そしてこの微調製用操作具17は、例えば前記センサ値を+7〜−7の範囲で調製できるものとし、前記例の場合には微調整用操作具17を−2にセットすることで旋回位置検知センサ10の真右のセンサ値が154にセットされ、このセンサ値に基づいた先回位置の検知が成される設定になっている。そしてこのセンサ値の微調製は、真右位置で調整することに限定されず、例えば旋回位置検知センサ10を収納位置にセットした場合に、実際に排出オーガ8がセットされる位置が旋回位置からズレた場合、このズレを微調製用操作具17の操作により調整することで対応しても良く、微調整をする場合の排出オーガ8の位置は、さらには左右旋回限界位置の微調整等、必要において適宜設定できることは言うまでもない。
【0011】叙述の如く構成されたものにおいて、排出オーガ8の旋回制御について、手動操作スイッチ12をON操作しないときには自動による旋回制御が、ON操作したときには手動による旋回制御がそれぞれ実行でき、しかも手動制御においては、排出オーガ8が旋回規制範囲内に位置している場合には、排出オーガ8が安全高さを越えている場合のみ該範囲内でのオーガ旋回が実行できるようになっているものであるが、この排出オーガ8が旋回規制範囲に位置している場合の旋回規制の解除を、旋回位置設定操作具13を旋回規制解除位置Aにセットすることで必要において任意に解除することができる。
【0012】このように本発明が実施されたものにおいては、オペレータやキャビンに輩出オーガ8が当たらないよう旋回規制をするものでありながら、該旋回規制の解除を必要において実行することができるので、例えば機体の整備時等、旋回規制の必要がないときにこれを解除できることになって作業性が向上する。そしてこの旋回規制の解除は、高さ検知センサ15が故障(自動旋回制御も実行できない)して高さ検知値の入力がない場合においても実行することができ、これによって、該高さ検知センサ15の故障により排出オーガ8を旋回規制範囲を越えて収納位置にセットできなくなるという不具合を回避でき、故障時の緊急対処が可能となる。
【0013】しかもこのものでは、排出オーガ8が自動旋回制御状態になっている場合に、旋回位置設定操作具13が旋回規制位置Aにセットされている場合には、該自動旋回制御の実行がなされないため、オペレータは旋回位置設定操作具13のセット誤りであることを認識でき都合が良いが、このものではさらにこれを表示具16の表示で積極的に認識するよう促している。この表示具16の表示は、手動での旋回制御の場合にも同様に実行されるため、オペレータのセット誤りの回避に貢献する。
【0014】そして前記旋回規制の解除操作は、専用の操作具を用いることなく、排出オーガ8の旋回位置をセットするための旋回位置設定操作具13を有効に採用して実行でき、しかも規制解除位置は、旋回範囲外の位置に設定されているため、旋回位置のセットに影響されることなく部品の兼用化が達成できるという利点がある。
【0015】またこのものでは、旋回位置検知センサ10のセンサ値を微調整することが出来るため、該検知センサ10の取付け誤差やセンサのバラツキ等があっても、これを補正することができて、高精度の旋回制御を実行することに寄与できる。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成11年3月19日(1999.3.19)
【代理人】 【識別番号】100085394
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 哲夫
【公開番号】 特開2000−262142(P2000−262142A)
【公開日】 平成12年9月26日(2000.9.26)
【出願番号】 特願平11−75731