| 【発明の名称】 |
コンバイン |
| 【発明者】 |
【氏名】今村 英一
【氏名】市丸 智之
【氏名】竹内 賢一朗
【氏名】水島 淳
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| 【要約】 |
【課題】脱穀装置に送られてくる被処理物の量を適正かつ迅速に測定して揺動棚の破損の防止、シーブの開度および唐箕の送風風量の適正な設定、により穀粒回収率を向上させること。
【解決手段】扱胴29と二番処理胴30とを具備する脱穀装置15に、籾流量検出センサ48を二番処理胴30に植設した枝梗分離用のツース30bの上方に設けたコンバインである。上記構成により、揺動棚21上に供給される被処理物の過度の堆積、シーブ22の詰まり、過負荷による揺動棚21の破損を防止するとともに、被処理物の選別能力を向上させることができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 扱胴手段と二番処理胴手段とを具備する脱穀装置を設けたコンバインにおいて、籾流量検出手段を二番処理胴手段に植設した枝梗分離手段の上方に設けたことを特徴とするコンバイン。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、圃場において穀類の収穫作業を行うコンバインに関する。 【0002】 【従来の技術】コンバインは、車体フレームの下部側に土壌面を走行する左右一対の走行クローラを有する走行装置を配設し、車体フレームの前端側に分草具と、引起しケースと、植立穀稈を刈り取る刈刃と、刈刃にて刈り取られた穀稈を挟持して後方に搬送する株元搬送装置と供給搬送装置とからなる刈取装置が設けられている。 【0003】車体フレームの上方には、刈り取り装置の供給搬送装置から搬送されてくる穀稈を引き継いで搬送するフィードチェーンを有する脱穀装置と、脱穀装置で脱穀選別された穀粒を一時貯溜するグレンタンクが載置されている。 【0004】脱穀装置は、それぞれ回転する扱胴、二番処理胴、および排塵処理胴をもち、扱胴の扱歯により穀稈から穀粒を脱穀し、二番処理胴で枝梗を分離し、排塵処理胴で塵埃を分離し、扱胴の下部に設けた揺動棚、唐箕送風機、シーブなどの作用により穀粒の選別を行い、選別された穀粒を一番穀粒揚送筒によりグレンタンクに揚送する。 【0005】脱穀装置の後方には、藁屑および塵埃を脱穀装置内から吸引して圃場に放出する横断流ファンを設け、かつ脱穀後の排藁は排藁チェーンで搬送して、そのまま直接に圃場に放出するか、カッターで切断してから圃場に放出する。脱穀装置の最後部に排藁を圃場に直接放出するか、カッターで切断後に放出するかを切り替えるドロッパーカバーを設けている。 【0006】グレンタンクの後部に縦オーガと横オーガとからなる排出オーガを設けており、グレンタンク内に一時貯留してある穀粒をコンバインの外部に排出できる構成としている。 【0007】コンバインの走行、刈り取り、脱穀、穀粒排出運転などは、コンバインの運転席に搭乗するオペレータが運転席の操作装置を手動操作により操作するほか、操作装置に組み込まれた自動制御装置により自動操作して行う。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】扱胴と二番処理胴とを有する脱穀装置(脱穀装置の構成については本発明の脱穀装置を示す図7を参照)のシーブの開度および唐箕の送風風量を、揺動棚上の被処理物ボリューム検出値を用いて自動制御することにより、効果的に揺動棚上の被処理物の過度の堆積、シーブの詰まり、過負荷による揺動棚の破損、唐箕送風の過大などを防止し、もって穀粒の良好な選別を実現する構成は知られている。 【0009】しかし上記構成によると、揺動棚の上に堆積した穀粒などの堆積高さが高くなった後にこれを棚上ボリュームセンサで検出してシーブの開度および唐箕の風量を大にする制御方法では、シーブの開度変化および唐箕の風量変化までの動作時間遅れと、シーブの開度および唐箕の風量が変化してから効果が現れるまでの時間遅れが避けられない。 【0010】この遅れ時間の間、揺動棚の堆積は解消せず、被処理物の堆積が引き続くので、揺動棚の堆積高さが過大となることがあり、揺動棚の堆積高さが過大になればシーブに目詰まりが発生し、さらに揺動棚の被処理物(脱穀されたものであり、穀粒と藁くずなど)堆積過大による過大荷重が負荷されて、過大負荷による揺動棚の破損が発生することさえあり、これらを避けるためにあらかじめシーブの開度および唐箕の送風風量を大に設定しておくことは、唐箕送風動力の増大からエネルギー損失増大と、風速過大に伴う穀粒同伴による穀粒回収率の低下を招いて、いずれも脱穀装置の性能を低下させてしまうという問題点があった。 【0011】そこで本発明の課題は、脱穀機に送られてくる被処理物の量を適正かつ迅速に測定して揺動棚の破損の防止、シーブの開度および唐箕の送風風量の適正な設定、により穀粒回収率を向上させることである。 【0012】 【課題を解決するための手段】本発明の課題は次の構成により解決される。すなわち、扱胴手段と二番処理胴手段とを具備する脱穀装置を設けたコンバインにおいて、籾流量検出手段を二番処理胴手段に植設した枝梗分離手段の上方に設けたことを特徴とするコンバインである。 【0013】本発明の上記構成により、脱穀装置に設けられる揺動棚上に供給される被処理物の過度の堆積、脱穀装置に設けられるシーブの詰まり、過負荷による揺動棚の破損を防止するとともに、被処理物の選別能力を向上させることができる。 【0014】 【発明の効果】本発明によれば、脱穀装置の扱胴の一側に二番処理胴を有するコンバインにおいて、籾流量検出手段を二番処理胴手段に植設した枝梗分離手段の上方に設けた(実施の形態では二番処理胴の長さ方向の中間部上部に取り付け、かつ籾流量検出手段の受圧面が二番処理胴の枝梗処理ツースの中心線の延長線上に位置する構成とした)ので、籾流量検出手段は二番処理物中の穀粒流量に比例した信号を出力し、この出力信号により脱穀装置を制御して、揺動棚上の過度の処理物堆積防止、シーブの詰まり防止、揺動棚の過負荷と破損防止、唐箕送風動力の損失防止、穀粒回収効率を向上などの効果を発揮することができる。 【0015】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図1ないし図20を用いて説明する。図1には穀類の収穫作業を行うコンバインの左側面図を示し、図2はコンバインの一部切り欠き断面右側面図を示し、図3はコンバインの正面立面図を示し、図4は内部の刈取装置と供給搬送装置などを示す左側面略図であり、図5は図1のA−A線矢視断面の脱穀装置の主要部平面図であり、図6は図5のB−B線矢視の脱穀装置主要部の立面断面図であり、図7は図6のC−C線矢視の脱穀装置主要部の側面断面図であり、図8は本発明の実施の形態の脱穀装置のシーブおよび唐箕の制御のフローを示す図である。 【0016】図1ないし図4に示すように、コンバイン1は、車体フレーム2の下部側に土壌面を走行する左右一対の走行クローラ3を有する走行装置4を配設し、該車体フレーム2の前端側に刈取装置6と供給搬送装置7が設けられている。刈取装置6には、植立穀稈を分草する分草具8と、植立穀稈を引き起こす引起しケース9と、植立穀稈を刈り取る刈刃11と該刈刃11にて刈り取られた穀稈を挟持して後方に搬送する株元搬送装置12から構成されている。この株元搬送装置12の後方には、該株元搬送装置12から搬送されている穀稈を引き継いで搬送する供給搬送装置7が設けられている。 【0017】前記刈取装置6は、走行装置4の上方の支点を中心にして上下に揺動する刈取装置支持フレーム13で支持されているので、刈取装置6の分草具8、刈刃11などは刈取装置支持フレーム13の上下揺動により上下に昇降する構成である(図4参照)。 【0018】車体体フレーム2の上方には、前記供給搬送装置7から搬送されてくる穀稈を引き継いで搬送するフィードチェーン14を有する脱穀装置15と、該脱穀装置15で脱穀選別された穀粒を一時貯溜するグレンタンク10(図2)が載置されている。 【0019】フィードチェーン14は、穀粒のついた穀桿を脱穀装置15に供給し、該脱穀装置15は詳細を後に述べるように穀粒を穀桿から脱穀し、選別分離した穀粒はグレンタンク10へ搬送する。脱穀装置15の後方には、排藁チェーン69から搬送されてくる排稈を切断するカッター73、73aを設けている(図5)。穀粒を脱穀した穀桿や排藁は、そのまま、またはカッター73、73aで裁断して圃場へ放出する。 【0020】図1ないし図3に示すように、グレンタンク10の後部に縦オーガ18を連接し、縦オーガ18の上端部に横オーガ19を連接している。縦オーガ18は縦オーガ軸を中心に旋回可能であり、横オーガ19は、縦オーガ18との連接部を中心に上下方向に回動可能であると共に、横オーガ19の前後方向にズーム伸縮可能であるから、横オーガ19の先端部の穀粒排出口19aを可動範囲の左右、上下、前後の任意の位置に移動して、グレンタンク10内に貯留してある穀粒をコンバイン1の外部に排出することができる。 【0021】これらの操作は、コンバイン1上の一側に設けた運転席20に搭乗したオペレータが各種レバー、スイッチ等を操作して行うほか、横オーガ19の移動操作は横オーガ19の先端部の排出口19a付近に設けた操作スイッチでも操作を行うことができる構成である。 【0022】図5ないし図7により脱穀装置15を説明すると、主脱穀部は、扱室26に扱胴29を設けたもので、扱胴29には多数のこぎ歯29aを植設してある。フィードチェーン14により図4、図5の矢印A方向に移送される穀粒のついた穀桿を扱室入口26a(図6)で受け入れ、扱室26で図示しない駆動機構により図6の矢印B方向に回転する扱胴29のこぎ歯29aと、フィードチェーン14により図5の矢印A方向に移送される穀桿との相対運動によるこぎ作用により脱穀し、穀粒や藁くずは扱網34を矢印C1方向(図6)に通過させて、揺動棚21で受け止める。 【0023】揺動棚21は図7に示すように傾斜しており、かつ支点21aを揺動中心として上下前後方向に揺動するので、穀粒は図7の矢印D方向に移動しながら、シーブ22の上で唐箕送風翼39aの送風を受けて風力選別され、比重の重い穀粒はシーブ22および選別網23を図7の矢印E方向に通過し、一番棚板24で集積され、一番ラセン25で図示しない一番揚穀筒へ輸送される。 【0024】揺動棚21の上の残りの二番穀粒および藁くずは揺動作用と唐箕39の選別風に吹き飛ばされてシーブ22の上を図7の矢印D1方向に移動し、選別風の弱まりと共に残った二番穀粒は矢印G方向に落下して二番棚板58に集められ、二番ラセン59で二番揚穀筒60へ搬送される。比較的大きな藁くずなどはストローラック16上にのって、揺動棚21の揺動作用で矢印Fの方向に進みコンバイン1から圃場へ排出される。 【0025】二番穀粒は、正常な穀粒、枝梗粒、藁くずの混合物であり、図6、図7に示すように二番揚穀筒60により矢印H方向に揚送されて、二番揚穀筒放出口60aから矢印H1に示すように二番処理室27の上方に放出され、二番処理室27に落下する。二番処理室27内部の二番処理胴30には、多数の処理羽根30aおよびツース30bが植設され、図示しない駆動装置により図6の矢印J方向に回転する。 【0026】投入された二番穀粒は、回転する処理羽根30aに衝突しながら矢印I方向に搬送される間に、ツース30bとも衝突して、二番穀粒の分離が行われる。ツース30bは丸棒状であり、二番穀粒と衝突して主として枝梗粒から枝梗を分離する作用を行う。分離された穀粒は二番処理胴受網35を矢印C2方向に通過して揺動棚21に落下し、残りの穀粒と藁くずは二番処理胴30の搬送終端部に植設された回転羽根30cにより跳ね上げられ、かつ巻きこまれて二番処理室27の終端部27aから矢印C3方向に案内され揺動棚21上に落下し、再び揺動棚21の上を矢印D方向に進行して分離選別される。 【0027】扱室26を図5の矢印A方向に進行し、扱室26終点に到達した穀粒を脱穀した後の穀桿のうち長尺のままのものは、図5に示したように矢印A1方向に進み、排藁チェーン69および排藁穂先チェーン70に挟持されてコンバイン1の後部に搬送され、ここで後に述べるドロッパーカバー75(図16参照)を経て直接圃場へ放出されるか、または藁用カッター73、73aに投入されて切断されたのちに圃場に放出される(図5)。 【0028】扱室26を矢印A方向に進行し、扱室26の終点に到達した穀粒を脱穀した後の穀桿のうち、藁くずなど短尺のものは、矢印A2方向に排塵処理室28へ投入される。藁屑などは、排塵処理室28において二番処理胴30と一体的に回転する排塵処理胴31に周設されたスクリュウ状の送り羽根31aによって矢印K方向に搬送されながら、衝突、裁断、分離され、残留していた穀粒は排塵処理胴受網36を図7の矢印C4方向に通過して揺動棚21の上に落下する(図5、図7)。 【0029】排塵処理室28と揺動棚21の後部上方は脱穀装置15の後部に設けた横断流ファン71に連通していて、横断流ファンの羽根車71aを回転させると排塵処理室28と揺動棚21の後部上方の藁くず、枝梗および塵埃を含む空気は吸引され、横断流ファン出口71bから矢印L方向のコンバイン1の外部へ放出される(図5、図7)。 【0030】脱穀装置15内において処理される単位時間当たりの穀稈の量、したがって脱穀される穀粒の量、および分離して排出すべき排藁などの量は、コンバイン1の刈り取り速度が一定であっても、圃場植物の植生状況、生育状況により変動する。 【0031】穀粒および排藁の量が変動しても穀粒を適正かつ効率的に選別できるようにするために、脱穀装置15内の揺動棚21には開度および送風角度を調節できるシーブ22が設けてあり、かつ送風風量は唐箕39の送風翼39aの回転速度またはダンパー開度を変更して調節できる構成としている。 【0032】コンバイン1に搭乗するオペレータは、脱穀装置15内での処理量が増えたと判断した場合には、手動でシーブ22の開度を大に、かつ唐箕39の送風風量を大に調節する。しかし、オペレータがこの手動操作を、コンバイン1の走行速度および走行方向操舵と、刈り取り装置6の昇降操作と平行して行うことは、極めて困難であるので、次のように自動制御することが行われている。 【0033】扱網34の下面に棚上ボリュームセンサ49により検出される揺動棚21の上に落下し、堆積した穀粒や藁くずの堆積高さが大であれば、シーブ22の開度を大に、かつ唐箕39の送風風量を大に調節する自動制御を行う場合には次のようなことが問題点としてあった。 【0034】すなわち、揺動棚21の上に堆積した穀粒などの堆積高さが高くなった後にこれを棚上ボリュームセンサ49で検出してシーブ22の開度および唐箕39の風量を大にする制御方法では、シーブ22の開度変化および唐箕39の風量変化までの動作時間遅れと、シーブ22の開度および唐箕39の風量が変化してから効果が現れるまでの時間遅れが避けられない。 【0035】この遅れ時間の間、揺動棚21の堆積は解消せず、被処理物の堆積が引き続くので、揺動棚21の堆積高さが過大となることがあり、揺動棚21の堆積高さが過大になればシーブ22に目詰まりが発生し、さらに揺動棚21の被処理物(脱穀されたものであり、穀粒と藁くずなど)堆積過大による過大荷重が負荷されて、過大負荷による揺動棚21の破損が発生することさえあり、これらを避けるためにあらかじめシーブ22の開度および唐箕39の送風風量を大に設定しておくことは、唐箕送風動力の増大からエネルギー損失増大と、風速過大に伴う穀粒同伴による穀粒回収率の低下を招いて、いずれも脱穀装置15の性能を低下させてしまうという問題点があった。 【0036】そこで、揺動棚21上の被処理物の堆積を検出する棚上ボリュームセンサー49のほかに、二番処理胴30の被処理物の中に含まれる二番還元物の中の籾の流量だけを検出する、該籾流量検出センサー48による検出値と、前記棚上ボリュームセンサー49の検出値とを、それぞれの設定値との比較により揺動棚21上の被処理物の量を適正量にするようにシーブ22の開閉度合と唐箕39の送風風量を制御するようにした。 【0037】すなわち、二番還元被処理物の中に含まれる穀粒流量だけを検出する籾流量検出センサー48が規定値以上であることを感知し、かつ棚上ボリュームセンサー49が規定値未満である場合には、二番処理室27を通過する被処理物(二番還元物)の流量が規定値以上であることを示しているので、現時点で揺動棚21上の被処理物堆積高さが低くても短時間経過後には揺動棚21上の被処理物堆積高さが増大すると予測できるので、シーブ22の開度を、例えば2段階開いて被処理物の通過を容易にするとともに、唐箕送風翼39aの回転数を例えば、1段階上げて唐箕39の送風風量を増大して被処理物選別能力を増大しておき、所定時間後において揺動棚21上の被処理物堆積高さが過大になることをあらかじめ防止する制御を行う。 【0038】また、棚上ボリュームセンサー49が規定値以上であり籾流量検出センサー48が規定値未満の場合には、二番処理室27を通過する被処理物の流量が規定値未満であることを示しているので、現時点で揺動棚21上の被処理物堆積高さが高くても短時間経過後には揺動棚21上の被処理物堆積高さが減少すると予測できるので、シーブ22の開度を小さくして被処理物の通過を緩やかにするとともに、唐箕39の送風量を大に調節して、シーブ22の開度を小さくしたことによる唐箕39の送風風量低下を防ぎ、被処理物選別能力を維持できるようにし、また、次の時点において揺動棚21上の被処理物堆積高さが過小になり被処理物選別能力が低下することをあらかじめ防止する制御を行う。 【0039】図8は、上記の制御の形態をフロー図として示したもので、棚上ボリュームセンサ49と籾流量検出センサー48との2種類の検出器を用いて行う脱穀装置15のシーブ22の開度および唐箕39の風量制御の作動を説明する。まずステップs1でシーブ22の開度を設定する。ここでは一例としてシーブ22の開度が5段階あるとしてその中間である第3段階に設定する。ついでステップs2で唐箕39の風量を設定する。ここでは一例として風量段階が5段階あるとしてその第2段階に設定する。 【0040】ステップs3で手動運転か自動運転かを選択して、手動運転であればステップs4に進み、先に設定したシーブ22の開度を第3段階とし、唐箕39風量第2段階で運転が継続される。もし必要であればシーブ開度設定ダイヤル、唐箕風量段階設定ダイヤルを変更することによりシーブ22の開度および唐箕39風量段階を変更して手動運転を継続する。 【0041】ステップs3で自動を選択した場合はステップs105に進み、籾流量検出センサー48により二番処理室27を通過する穀粒の流量を検出して検出値が規定値よりも高いか判定して、NOであればステップs106に進み揺動棚21の上に落下し堆積した穀粒や藁くずの堆積高さを棚上ボリュームセンサ49により検出して、検出値が規定値よりも高いかを判定し、NOであればステップs107へ進みシーブ22の開度をダイヤル設定値(ここでは第3段階)に調節する。 【0042】次いでステップs108に進み唐箕風量段階をダイヤル設定値(ここでは第2段階)に調節したのち、ステップs109に進み脱穀装置15の運転をチェックしてYESであればステップs110のタイマーで一定時間の経過を待ちステップs105に戻る。ステップs109で脱穀装置15の運転がNOであればステップs111へ進み脱穀装置15の運転をストップする。 【0043】ステップs105において、YESの場合はステップs114に進み揺動棚21の上に堆積した穀粒や藁くずの堆積高さを棚上ボリュームセンサ49により検出して、検出値が規定値よりも高いかを判定し、NOであればステップs115へ進み、シーブ22の開度を2段階開き(ここでは第5段階となる)、次いでステップs116に進み唐箕39の風量段階を1段階上昇し(ここでは第3段階となる)、その後はステップs109に進む。 【0044】ステップs114において揺動棚21の上に堆積した穀粒や藁くずの堆積高さの検出値が規定値よりも高いとステップs117へ進みシーブ22の開度を最大に開き(ここでは第5段階となる)、次いでステップs118に進み唐箕39の風量を最大にする(ここでは第5段階となる)。 【0045】ステップs105において、二番処理室27を通過する穀粒の流量の検出値が規定値よりも高くないと判断したときは、ステップs106に進み揺動棚21の上に堆積した穀粒や藁くずの堆積高さが規定値よりも高いとステップs112へ進みシーブ22の開度を最小に閉じ(ここでは第1段階となる)、次いでステップs113に進み唐箕39の風量を最大にする(ここでは第5段階となる)。 【0046】このように本実施の形態では、籾流量検出センサー48が規定値以上であることを感知して棚上ボリュームセンサー49が規定値未満である場合(ステップs115、ステップs116)には、二番処理室27を通過する被処理物の流量が規定値以上であることを示しているので、現在揺動棚21上の被処理物堆積高さが低くても短時間経過後には揺動棚21上の被処理物堆積高さが増大すると予測できるので、シーブ22の開度を2段階開いて被処理物の通過を容易にするとともに、唐箕39の風量段階を1段階上昇して唐箕39の送風風量を増大し穀粒選別能力を増大しておき、次の時点において揺動棚21上の被処理物堆積高さが過大になることをあらかじめ防止する制御を行う。 【0047】また、棚上ボリュームセンサー49が規定値以上であり籾流量検出センサー48が規定値未満の場合(ステップs112、ステップs113)には、二番処理室27を通過する被処理物の流量が規定値未満であることを示しているので、現在揺動棚21上の被処理物堆積高さが高くても短時間経過後には揺動棚21上の被処理物堆積高さが減少すると予測できるので、シーブ22の開度を最小に閉じて、唐箕39の風量段階を最大にして、シーブ22の開度を最小に閉じたことによる唐箕39の送風風量低下を防ぎ、穀粒選別能力を維持できるようにしておく。 【0048】揺動棚21上の被処理物が少ない状態でシーブ22を開けた場合に、唐箕風が強すぎると、穀粒が一番ラセン25内に落ちずに吹き飛ばされ、機体後方から機外へ排出されてしまうが、本実施の形態では上記した穀粒が機外へ排出されることを防止する。 【0049】こうして、本実施の形態では揺動棚21上の被処理物の過度の堆積、シーブ22の詰まり、過負荷による揺動棚21の破損を防止するとともに、被処理物の選別能力を向上させ、脱穀装置15の性能向上効果を発揮することができる。 【0050】図6、図7および図9に示す実施の形態は脱穀装置15内の、二番処理室27に設けた籾流量検出センサ48に関する。籾流量検出センサ48は、穀粒流量に比例して衝撃受圧板の受ける衝撃力が大になる特性を利用して、受圧板の衝撃力を電気信号に変換して出力する圧電式検出器を用いるが、穀粒流量に比例した信号を出力できるものであれば、検出器の形式には制限はない。 【0051】この場合は、籾流量検出センサ48を、二番処理室27内の脱穀装置15の内壁面15bで、二番処理胴30の長さ方向の中間部上部に取り付け、かつ籾流量検出センサ48の受圧面48aが二番処理胴30に植設したツース30bの中心線の延長線上に位置する(図9)ように取り付ける構成を特徴とする。 【0052】二番処理胴30には多数の二番処理羽根30aおよびツース30bが植設され、かつ最後部端に回転羽根30cが設けてあり、正常な穀粒、枝梗粒、藁くずの混合物である二番穀粒を処理する(図7)。 【0053】処理羽根30aは回転しながら二番穀粒と衝突し、二番穀粒の分離と二番穀粒を矢印I方向へ搬送させる。処理羽根30aとともに回転するツース30bは、主として枝梗粒と衝突して、枝梗粒から枝梗を分離する。二番処理胴30の搬送終端部に設けられた回転羽根30cは、二番処理胴受網35を矢印C2方向に通過して揺動棚21に落下した残りの穀粒と藁くずを跳ね上げ、穀粒と藁くずなどを二番処理室27の終端部27aから矢印C3方向に、揺動棚21上に落下させる。 【0054】回転羽根30cは、二番処理胴受網35を通過した残りの穀粒と藁くずを跳ね上げるから、回転羽根30cの上方に籾流量検出センサ48を設けて二番処理胴を通過する穀粒流量を検出することができる。しかし、回転羽根30cによる跳ね上げ作用は強力であるため、二番処理流量が増大してくると藁屑なども多量になり、多量の藁屑が受圧面48aに跳ね上げられて固着し、受圧面48aは固着した藁屑により穀粒の衝突衝撃を感知し難くなる。したがって、回転羽根30cの上方に籾流量検出センサ48を設置することは、穀粒流量に比例したセンサ出力が得られず、穀粒流量の増大によりかえってセンサ出力が低下するので、好ましくない。 【0055】そこで図9に示す例では、籾流量検出センサ48を、二番処理室27内の脱穀装置15の側壁面15aで、二番処理胴30の長さ方向の中間部上部に取り付け、かつ籾流量検出センサ48の受圧面48aが二番処理胴30に植設したツース30bの中心線の延長線上に位置する(図9)ように取り付ける構成とした。 【0056】ツース30bは丸棒状であって枝梗の分離に適切な比較的弱い衝突力を及ぼすので、ツース30bによる二番処理物の跳ね上げ力は比較的弱く、処理流量が増大しても藁屑などは弱く跳ね上げられて受圧面48aに固着することがなく、したがって受圧面48aは常に穀粒流量に比例した衝撃力を受圧するので、籾流量検出センサ48は二番処理物中の穀粒流量に比例した信号を出力する。 【0057】この出力信号により図8に示す制御のフローにより脱穀装置15を制御すれば、揺動棚21上の過度の処理物堆積防止、シーブ22の詰まり防止、揺動棚21に過負荷と破損防止、適切な唐箕39の風量調節による送風動力の損失防止、穀粒回収効率の向上などが図れる。また、受網35からの穀粒漏下によって二番処理胴内の穀粒含有率は出口方向(矢印I)へ進む程低下するため、終端部羽根30cで検出するよりも、脱穀処理流量に対して相関のより強い入力が得られる(図7)。 【0058】なお、上述の籾流量検出センサ48を、二番処理室27の取り外し可能な掃除口の蓋15b(図2、図6、図7および図9参照)の内面側に設けることにより、籾流量検出センサ48自身の点検、メンテナンスが容易になると共に、二番処理室27内部の点検、掃除などを行う際には籾流量検出センサ48は必ず取り外される構造となるから、掃除棒、掃除用の刃物などにより籾流量検出センサ48の受圧板48aなどの重要部分を損傷させないという効果も得られる。 【0059】また、図2のコンバイン1の右側面図に示すように、脱穀、選別された収穫穀粒は、コンバイン1の車体フレーム2の後部上部に載置されたグレンタンク10に一時貯留される。図10と図11に示す例はグレンタンク10の構造に関する工夫を行ったものであり、図10はグレンタンク10の正面立面図(コンバイン1の右側面立面)であり、図11(a)は図10のD−D線矢視のグレンタンク側面立面図(コンバイン1の背面立面)である。 【0060】図10および図11に示すように、グレンタンク10は箱形のタンクであり、タンク下部を傾斜面としてホッパーを形成し、ホッパーの下部に図示しないスクリューコンベアを配置して、タンク内に貯留した穀粒を排出できるようにしている。グレンタンク10の側面(コンバイン1の後方)下部には、上記スクリューコンベアに連接し、縦オーガ接続部18aを介して縦オーガ18を配置している。 【0061】グレンタンク10は、収穫穀粒を大量に収納できるように内容積は大きくし、かつコンバイン1の重量を軽減するために比較的軽量に構成することが望ましい。しかし、タンク10の軽量化を図るために、タンク10の外壁板10a、10b、10cの板厚を薄くすると、タンク10内に穀粒を貯留した時に穀粒の重量および、穀粒の圧力により、大きな平面積をもつタンク外壁板10a、10b、10cが変形するという問題があった。 【0062】そこで、図10および図11に示す例では、グレンタンク10の外壁板10a、10bの変形を防止する外壁板に設ける補強リブ10d、10eおよび補強パイプ10f,10gを有する構造とする。すなわち、グレンタンク10に設ける補強リブ10d、10eは、タンク10の外側への突出を避けてタンク10内面側に設ける。コンバイン1の前方側のグレンタンク10の側壁面10aには、断面「コ」字形の補強リブ10d(図11(b)に示す図11(a)のE−E線矢視断面参照)をタンク内面側で、垂直方向にスポット溶接などで取り付けて、側壁面10aの補強を図り変形を防止すると共に、該側壁面の外面に取り付けるサンバイザー取付アングル20a(図10)の取付部の補強を兼ねる構成としている。 【0063】コンバイン1の後方側のグレンタンク10の側壁面10bには、断面「コ」字形の補強リブ10eをタンク内面側で、垂直方向にスポット溶接などで取り付けて、側壁面10bの補強を図り変形を防止すると共に、該側壁面の外面に取り付けるグレンタンク回動支点10iの取付部の補強を兼ねる構成としている。 【0064】コンバイン1の前方側のグレンタンク10の側壁面10aの補強リブ10dとコンバイン1の後方側のグレンタンク10の側壁面10bの補強リブ10eとは、タンク内の上方および下方の水平方向に、それぞれ補強パイプ(上)10gおよび補強パイプ(下)10hの両端を溶接などで強固に接続し、補強リブ10d,10eによる補強と変形防止効果をさらに増強している。 【0065】コンバイン1の側面側のグレンタンク10の正面壁面10cには、断面「く」字形の補強リブ10fをタンク内面側で、水平方向にスポット溶接などで取り付けて、正面壁面10cの補強を図り正面壁面10cの変形を防止するようにしている。 【0066】上記構成によれば、グレンタンク10の外壁板10a、10bの内面に補強リブ10d、10eおよび補強パイプ10f,10gを設け、グレンタンク10の外壁板10a、10bを補強し、変形を防止する構造とし、グレンタンク10の外壁板10cの内面に補強リブ10fを設け、グレンタンク10の外壁板10cを補強し、変形を防止する構造としている。 【0067】各補強手段によりグレンタンク10の外壁板は必要最小厚さのものであればよく、軽量でありながら十分な強度を有し、穀粒を貯留してもグレンタンク10が変形することない。さらに、補強リブ10dによりサンバイザー取付部20aを強固に支持するので、サンバイザーがコンバイン1の走行時に振動したり、振動により破損することがない。 【0068】また、補強リブ10eにより回動支点10iを強固に支持するのでグレンタンク10を収納位置から開放位置に回動させる場合に、グレンタンク10の回動を円滑にかつ安全に支持する。しかも補強リブ10dおよび補強リブ10eはタンク内にあっても垂直方向に取り付けられるので穀粒の付着、堆積を引き起こすことがなく、かつ補強リブの断面積は必要最小限としてグレンタンク10の内容積の減少を最低限にとどめることができる。 【0069】また補強パイプ10f,10gは水平方向に設置するが必要最低の直径を有するので若干の穀粒が堆積することはあっても、穀粒が付着し、ブリッジを発生して穀粒排出に悪影響を及ぼすことがなく、さらに補強パイプ10fは水平方向に設置するが壁面の突出量が小さくかつ上面は下向き傾斜して穀粒が堆積しがたい形状とし、グレンタンク10の内容積の減少を最低限にとどめることができる。 【0070】本発明実施例2のグレンタンク10のいずれの補強手段も、グレンタンク10を軽量化し、かつ穀粒貯留時に変形することを防止するとともに、各補強手段の断面積は大きくないので各補強手段による穀粒貯留の減少は無視できるほど小さく、また各補強手段に貯留穀粒が堆積付着することがほとんど無く、グレンタンクからの穀粒排出機能に影響を与えることがない。 【0071】なお、上方の補強パイプ10gは中空であるから、該パイプ10gの両端をグレンタンク外壁板10a,10bを貫通してタンク外に突出開口させる構造とすることにより、分解修理などのためにコンバイン1からグレンタンク10をつり下ろす場合のグレンタンク10の棒状つり金具(図示せず)の挿入穴とすることができる。 【0072】図12ないし図14に示す例は、グレンタンク10に穀粒を貯留する前と、穀粒貯留中および穀粒を貯留した後とのコンバイン1の全体の重量バランスを改善するための実施の形態である。 【0073】図12ないし図14は、図10に示したグレンタンク10の正面図のF−F線矢視のグレンタンク断面略図であり、本例の作動を示す図である。図12はグレンタンク10に穀粒を貯留する以前の状態を、図13はグレンタンク10に穀粒を貯留中の状態を、また図14はグレンタンク10に穀粒を貯留後の状態をそれぞれ示す。 【0074】本例は、グレンタンク10の内部に可撓性の水袋80、第一可動板81および第二可動板82ならびにグレンタンク10の外部に接続パイプ83および水タンク84を設ける構成を特徴とする。水袋80の下部80aはグレンタンク10の内壁下部に水密に固着し、上部80bは第一可動板81の端部に水密に固着する。水袋80の一端に開口部を設け接続パイプ83を水密に接続し、接続パイプ83の他端は脱穀装置15の上部高所に設置した水タンク84に水密に接続する。 【0075】第一可動板81はグレンタンク10の横幅とほぼ等しい幅を持ち、上記水袋上部80bを固着した端部とは反対側の端部を、ヒンジ81aによりグレンタンク10の壁面上部内部に揺動可能に固着している。第二可動板82はグレンタンク10の横幅よりもやや小さい幅(したがって第一可動板81よりもやや小さい幅)を持ち、ヒンジ82aにより上記第一可動板のヒンジ81aとは反対側のグレンタンク壁面上部内部に揺動可能に固着している。 【0076】図12に示すように、グレンタンク10に穀粒を受け入れる前の状態では、水袋80に水(A)を充満し、第一可動板81はほぼ水平位置にあり、第二可動板82は第一可動板81の上側でほぼ水平位置にあり、水タンク84は空であるように構成する。 【0077】図13に示すグレンタンク10に穀粒を受け入れつつある状態では、穀粒(B)の受け入れにより第一可動板81および第二可動板82が共に回動降下して水袋80が圧縮され、その結果水袋80内の水(A)の一部が接続パイプ83を経由して水タンク84に輸送される。 【0078】図14に示すグレンタンク10内に穀粒を受け入れ終わった状態では、穀粒(B)はグレンタンク10内に充満し、第一可動板81および第二可動板82はともにグレンタンク内壁に平行となる位置まで回動降下して水袋80は完全に圧縮され、その結果水袋80内の水(A)の全部が接続パイプ83を経由して水タンク84に輸送され、水タンク84が充満する。 【0079】なお、図12ないし図14には、グレンタンク10の下部の穀粒排出用のスクリュウコンベア10jおよび該スクリュウコンベア10jを覆う三角屋根10kを示した。 【0080】本例によれば、グレンタンク10内の水袋80の水(A)が穀粒(B)の受け入れに伴い脱穀装置15の上部高所の水タンク84に移動するように作用するので、水袋80に水(A)を一度供給すれば、その後は補給することなく、繰り返し重量バランス作用して、グレンタンク10内の穀粒(B)の収納状態の変化によるコンバイン1の重量バランスの変化を改善するので、軟弱地盤における操縦操作や傾斜地移動時の運転操作を容易かつ安全にすることができ、また、水タンク内の水量を見ることによりグレンタンク内の穀粒貯留量を概算することができる。 【0081】なお、上記図12〜図14の変形例として、図15に示すように水タンク84を設けることなく、また接続パイプ83を短い給排水パイプ85に代えることにより、穀粒(A)の受け入れにより水袋80内の水(A)を自動的に排水して、穀粒(A)の多少によるグレンタンク10の重量変化を大幅に低減することができるので、電気あるいは機械的制御機構を用いることなしに、コンバイン1の重量バランスを一層向上するという優れた効果を得ることができる。 【0082】コンバイン1の脱穀装置15の後部終端に設ける脱穀後の穀稈の処理手段に関する実施の形態について、図5および図16ないし図18を用いて説明する。図16は、図5のG−G線矢視の脱穀装置15後部の側面断面略図であり、図17はドロッパーカバー75付近の側面断面略図であり、図18はドロッパーカバー75の組立説明斜視図である。 【0083】脱穀後の穀稈の処理手段について、図5および図16を参照して説明すると、脱穀装置15内の扱胴29により脱穀された後の穀稈は、排藁チェーン69および穂先チェーン70により脱穀装置15の最後部に搬送され、排藁処理室72に投入される。排藁処理室72の下部は、後述する藁用カッター73,73aの上部との間を排藁ダンパー72aにより区画され、排藁処理室72の後部はドロッパーカバー75によって区画される。 【0084】脱穀された穀稈をそのまま圃場に放出する場合(以下「ドロッパー作業時」と言う)は、図16の実線で示すように、ドロッパーカバー75を開放し、脱穀された穀稈を、短尺に切断してから圃場に放出する場合(以下「カッター作業時」と言う)は、図16の参考線で示すように、排藁ダンパー72aを開放し、ドロッパーカバー75を閉鎖し、穀稈を藁用カッター73、73aで切断し、排藁室76に一時貯留し、排藁室ダンパー77を開放して切断した排藁を圃場に放出する。 【0085】このように、脱穀後の穀稈を長尺のまま、または切断して圃場に放出するコンバイン1において、揺動開閉するドロッパーカバー75のがたつきなど振動を制止し、かつ排藁短尺処理のため藁用カッタ−73、73aの稼働中に生じる排藁の詰まりの防止、排藁詰まり時のドロッパーダンパー75の破損の防止などを解決する必要があった。 【0086】そこで、図17および図18に示すように、ドロッパーカバー75の本体75aを支持アーム75bで支持し、該支持アーム75bは中間部に嵌合ピン75cを固着し、上部端部に支持軸75dを軸着する。嵌合ピン75cの基部は太径で、先端側に小径部75c’をもつ。支持プレート75eは脱穀装置15の後部にある排藁処理室72に固着され、支持プレート75eの上部に設けた軸受穴75fは、上記支持軸75dを回転可能かつ若干の軸方向移動可能に支持する。 【0087】支持プレート75eの下部に上記軸受穴75fの中心を円弧半径の中心とする部分円弧状長穴75hを設け、該部分円弧状長穴75hの大きさは上記嵌合ピン75cの小径部75c’は摺動可能であるが、嵌合ピン75cの大径部は挿入不能の幅をもつものとする。 【0088】部分円弧状長穴75hの下端は大径穴75gとし、該大径穴75gの直径は上記嵌合ピン75cの大径の基部が遊嵌可能とする。支持軸75dは軸受穴75fに挿入した後圧縮スプリング75iを嵌装し、該圧縮スプリング75iは割ピン75jで支持軸75dに係止する。 【0089】上記構成により、ドロッパー作業時には、ドロッパーカバー75を手動で押し上げて回動すると、嵌合ピン75cの小径部75c’が円弧状長穴75hを摺動し、回動の最後に嵌合ピン75cが大径穴75gに到達すると、圧縮スプリング75iが軸方向力を及ぼして嵌合ピン75cの大径の基部が大径穴75gに嵌合して、ドロッパーカバー75を開放状態に支持する。 【0090】ドロッパー作業からカッター作業に切り替える時には、圧縮スプリング75iの軸方向力に抗して支持軸75dを軸方向に手動で若干押圧すると、嵌合ピン75cが大径穴75gから離脱し、嵌合ピン75cの小径部75c’が円弧状長穴75hを摺動し、ドロッパーカバー75を閉鎖することができる。 【0091】カッター作業時などでドロッパーカバー75の閉鎖中は、圧縮スプリング75iの圧縮力を適切に調節することにより、嵌合ピン75cが支持プレート75eを押圧して摩擦力を発生して制止するので、ドロッパーカバー75ががたついたり振動することはない。 【0092】また、カッター作業時でカッター73,73aに藁屑が詰まった場合には、排藁処理室72の排藁の圧力の増大によりドロッパーカバー75が押圧され、嵌合ピン75cの発生する摩擦力に抗してドロッパーカバー75を開放することができる。また、ドロッパーカバー75の開放忘れの時のドロッパー作業時において、穀稈圧力によりドロッパカバー75が開放し、カバー75及び排藁チェーン69の破損を防止する。 【0093】こうして、コンバイン1における収穫作業の、ドロッパー作業時にはドロッパーカバー75を開放位置に確実に係止し、カッター作業時には、閉鎖したドロッパーカバー75ががたついたり振動することがなく、かつカッター73、73aが詰まった場合には、ドロッパーカバー75が排藁の圧力増大により自動的に開放されるので、カッター73,73aおよびドロッパーカバー75の破損を防止できる。 【0094】図19および図20に示す実施の形態はコンバイン1から横オーガ19を経由して穀粒をトラックなどの穀粒運搬手段に搬送する作業を安全かつ容易にするためのものである。図19はコンバイン1のズーム伸縮可能な横オーガ19の排出口付近の側面図であり、図20は横オーガ19の排出口に取り付ける自動操作スイッチの内部構造図である。 【0095】ズーム伸縮可能な横オーガ19をもつ排穀オーガを用いてグレンタンク10に一時貯留した穀粒を、トラックなどの穀粒運搬手段上に搬送する作業は、横オーガ19の排出口19aの位置を自在に移動、設定できる構成を備えたコンバイン1は穀粒搬送作業が容易かつ能率的に行うことができる。 【0096】このとき、横オーガ19の排出口19aは運転席20に搭乗するオペレータからは視認しにくい位置にあるので、排出口19a付近に先端操作スイッチを設けることにより、該先端操作スイッチをオペレータの補助者が排出口19a付近に立って操作し、排出口19aの移動調節操作を容易にする構造としている。 【0097】しかし、横オーガ19の排出口19aは上下、左右、前後の三次元方向に自在に移動できるから、運転席のオペレータに比べて未熟練の補助者にとっては、反対方向にスイッチ操作するなど、かえって誤操作しやすいという問題があった。 【0098】そこで、図19および図20に示す例では、横オーガ19の先端部の排出口19aに操作ステック91をもつ操作スイッチ90を設ける。図20に示すように操作スイッチ90の内部には、基盤90aを設け、該基盤90aに板バネ90bと6個のリミットスイッチ90c,90d,90e、90f、90g、90h(図示せず)を取り付ける。 【0099】操作ステック91は棒状の本体部91aの下端に膨大部91bを設け、本体部91aの上部は取付部91cとして、板バネ90bの中間部に結合する。本体部91aは、基盤中央の基盤穴90iを非接触に通過し、基盤90aの下部に設けたリミットスイッチ90e、90f、90g、90h(図示せず)に接触できる接触子91dを固着する。 【0100】板バネ90bの先端は、ステック91の上下運動によりリミットスイッチ90cまたは90dに接触する。接触子91dはステック91の左右動によりリミットスイッチ90eまたは90fと、またステック91の前後動によりリミットスイッチ90gまたは90h(図示せず)と接触する。ステック91と操作スイッチ90との間には可撓性のブーツを設けて、ステック91の上下、左右、前後運動を妨げることなく塵埃、湿気などの侵入を防止する構造である。 【0101】上記構成により、グレンタンク10に一時貯留した穀粒を横オーガ19を経由して穀粒をトラックなどの穀粒運搬手段Dに搬送する作業を行う場合は、まず運転席20の図示しない操作レバー、スイッチを操作して横オーガ19の排出口19aを穀粒運搬手段Dの穀粒受け入れ口に臨ませる。 【0102】図19は排出口19aを袋状のフレックスコンテナCの開口部に臨ませた状態を示している。ついで穀粒搬送運転を開始するとフレックスコンテナCの中に穀粒Bが貯留されはじめる。図19に示すようにステック91の膨大部91bが貯留された穀粒Bの表面に接触し、更に穀粒Bが蓄積すると膨大部91bは押し上げられ、ステック91の上昇により、板バネ90bの先端がリミットスイッチ90cに接触して、スイッチをONにする。 【0103】図示しない制御回路はリミットスイッチ90cのONにより横オーガ19を上昇するように制御する。横オーガ19の上昇により膨大部91bと穀粒Bの表面との接触が絶たれると、ステック91、板バネ90bは下降し、リミットスイッチ90cはOFFとなり、横オーガ19の上昇制御を終了する。 【0104】反対に、ステック91の膨大部91bが貯留された穀粒Bの表面から離隔した場合は、ステック91の下降により、板バネ90bの先端がリミットスイッチ90dに接触して、スイッチをONにより横オーガ19を下降するように制御する。横オーガ19の下降により膨大部91bと穀粒Bの表面とが接触すると、ステック91、板バネ90bは上昇し、リミットスイッチ90dはOFFとなり、横オーガ19の下降制御を終了する。 【0105】同様にして、ステック91の膨大部91bが貯留された穀粒Bの表面またはフレックスコンテナCに接触し膨大部91bが左に押圧されると、ステック91が傾動して接触子90gはリミットスイッチ91dに接触し、スイッチをONにして、横オーガ19を右旋回するように制御し、膨大部91bが右に押圧されると、ステック91が傾動して接触子91dはリミットスイッチ90fに接触し、スイッチをONにして、横オーガ19を左旋回するように制御する。 【0106】また、ステック91の膨大部91bが後方に押圧されると、ステック91が傾動して接触子91dはリミットスイッチ90gに接触し、スイッチをONにして、横オーガ19を前進(伸張)するように制御し、膨大部91bが前に押圧されると、ステック91が傾動して接触子91dはリミットスイッチ90h(図示せず)に接触し、スイッチをONにして、横オーガ19を後進(短縮)するように制御する。 【0107】こうして、操作ステック91の操作方向と横オーガ19の動作方向が完全に一致するように作用するので、穀粒運搬手段上の補助者は、最初に操作ステック91の先端をフレックスコンテナCの開口部の方向へ向けるだけで横オーガ19を誘導することができる。 【0108】また、穀粒排出運転開始後は、自動的に横オーガ19を移動調節することができるので、未熟練の補助者であっても誤操作することなく、操作の容易さと安全性を向上するので、コンバイン1の穀粒搬出運転を能率的に行うことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000125 【氏名又は名称】井関農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年2月17日(1999.2.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100096541 【弁理士】 【氏名又は名称】松永 孝義
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| 【公開番号】 |
特開2000−232817(P2000−232817A) |
| 【公開日】 |
平成12年8月29日(2000.8.29) |
| 【出願番号】 |
特願平11−38617 |
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