| 【発明の名称】 |
脱穀機における揚穀筒の立設構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】児玉 啓治
【氏名】梅林 竜司
【氏名】福頼 弘運
|
| 【要約】 |
【課題】脱穀作業に連繋して稼動する揚穀筒を剛性を高めた脱穀部の壁板構造で支持することができる脱穀機における揚穀筒の立設構造を提供する。
【解決手段】脱穀部1と穀粒タンク3との間に位置して立設される揚穀筒12を、該脱穀部1の内方に入込ませて配置した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 離間対向する入口側板と出口側板の各側縁間に、穀粒タンクに隣接する壁板を張設して脱穀部を形成し、かつ当該両側板間に回転自在に支持させた扱胴の下方位置に、前後方向揺動自在となす揺動選別体を選別風路内に臨ませて装架してなる脱穀機において、上記脱穀部と穀粒タンクとの間に位置して立設される揚穀筒を、脱穀部内方に入込ませて配置したことを特徴とする脱穀機における揚穀筒の立設構造。 【請求項2】 上記扱室の終端側に形成した送塵口と対向する壁板位置で、揚穀筒を脱穀部内方に入込ませたことを特徴とする請求項1記載の脱穀機における揚穀筒の立設構造。 【請求項3】 上記脱穀部内方に入込んで立設される揚穀筒の上位中途部は、壁板と出口側板との間に跨設した固定部材を介して固定されることを特徴とする請求項1または2に記載の脱穀機における揚穀筒の立設構造。
|
【発明の詳細な説明】【発明の属する技術分野】 【0001】本発明は、脱穀機における揚穀筒の立設構造に係り、特に、脱穀作業に連繋して稼動する揚穀筒を剛性を高めた脱穀部の壁板構造で支持することができるうえ、脱穀部内方に揚穀筒を入込ませることにより、穀粒タンクとの間の限られた空間部を有効に利用して揚穀筒を配置することができる脱穀機における揚穀筒の立設構造に関するものである。 【0002】 【従来の技術】一般に扱胴、揺動選別体等からなる脱穀部は、離間対向する入口側板と出口側板の各側縁間に壁板を張設して形成され、この壁板とグレンタンク、ホッパー等の穀粒タンクとの間の空間部に立設される揚穀筒を、出口側板に近接する当該壁板の外面位置に固定するようになっている。 【0003】しかしながら、上記のように広範な面積を有する壁板を入口側板と出口側板との間に単に張設して脱穀部を構成した場合には、該両側板が壁板に対して片持ち支持の構成となるため、両側板間に支持する扱胴の重量や壁板の外面に固定する揚穀筒の重量に抗するだけの剛性を脱穀部自体に付与することができず、入口側板から出口側板に至る横架部材を壁板の内外に付設して脱穀部の剛性を補強しないと、扱胴、揚穀筒を含む各機構、装置の稼動時において脱穀部全体に亘る振動、変形やこれに伴う騒音を誘発し易く、また上記横架部材を必然的に付設することで脱穀部の構成が複雑になる、という改善の余地を残すものであった。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のような実状に鑑み従来の問題を解消すべく創案されたものであって、その目的とするところは、簡易な構成でありながら、入口側板から出口側板に至る横架部材の付設を要することなく壁板自体の剛性を高めて、脱穀部内外に設けられる各構成部材の支持を強固にすることができる脱穀機における揚穀筒の立設構造を提供しようとするものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】課題を解決するため、本発明が採用した第1の技術的手段は、離間対向する入口側板と出口側板の各側縁間に、穀粒タンクに隣接する壁板を張設して脱穀部を形成し、かつ当該両側板間に回転自在に支持させた扱胴の下方位置に、前後方向揺動自在となす揺動選別体を選別風路内に臨ませて装架してなる脱穀機において、上記脱穀部と穀粒タンクとの間に位置して立設される揚穀筒を、脱穀部内方に入込ませて配置したことを特徴とし、第2の技術的手段として、上記扱室の終端側に形成した送塵口と対向する壁板位置で、揚穀筒を脱穀部内方に入込ませたことを特徴とし、第3の技術的手段として、上記脱穀部内方に入込んで立設される揚穀筒の上位中途部は、壁板と出口側板との間に跨設した固定部材を介して固定されることを特徴とするものである。 【0006】 【発明の実施の形態】本発明の構成例を添付した図面に基づいて詳細に説明する。図1ないし図4において、1は離間対向する入口側板2と出口側板3の側縁間に壁板1aを張設して形成される脱穀部であり、該脱穀部1内には、上記両側板2、3間に扱胴4が回転自在に支持されており、その下方位置には、選別始端側5aを支持アーム6を介して支持し、かつ選別終端側5bを駆動機構7に連動連結してなる揺動選別体5が前後方向揺動自在に配設されていると共に、上記揺動選別体5の下方には、唐箕8、一番流板9、二番流板10等からなる選別風路11が、一番物を揚穀筒12を介して継送口12aから穀粒タンク13に搬送する一番樋14、二番物を還元筒15を介して揺動選別体5上に還元する二番樋16とともに形成されており、脱穀部1内で発生する粉塵、屑類等は、選別風路11を吹き抜ける選別風により機内後方に誘導されて、排塵ファン17を介して機外に放出されるようになっている。 【0007】上記脱穀部1を形成する壁板1aの後端縁には、図2に示すように、平面視で脱穀部1の内方に向く段差面18が、扱室1´の終端側に形成した送塵口19と対向する位置で当該壁板1aの上下方向に亘って折曲形成されていると共に、上記段差面18の外面域には、前記一番樋14に連接される揚穀筒12が脱穀部1の内方に入込ませて立姿状に配置されている。 【0008】また上記揚穀筒12の上位中途部12bは、壁板1aと出口側板3との間に跨設した固定部材20を介して壁板1aに固定される構成となっており、該固定部材20の両端部20a、20bは、壁板1aの内面側に設けたアングル部材21と、出口側板3の端縁をアングル状に折曲した取付け部3aにそれぞれ固定ボルト22、22を介して当該部位の壁板1aを挟着した状態で固定されている。 【0009】本発明は叙上の如く構成されているから、扱室1´内の扱胴4で脱穀処理されて漏下した脱穀物は、揺動選別体5上での前後揺動作動および選別風による選別作用を受けて選別され、一番物は一番流板9から一番樋14および揚穀筒12を介して穀粒タンク13に収容されると共に、二番物は、二番樋16および還元筒15を介して揺動選別体5の前方に還元されて再選別が行われることになる。また、機体1内で発生する粉塵、屑類等の排塵物は、唐箕8から排塵ファン17に至る選別風路11に沿って機外に向けて排出される。 【0010】上記のような脱穀選別作業の稼動中においては、脱穀部1の壁板1aに内方に入込む段差部18を一体に折曲形成したので、脱穀選別作業に連繋して稼動する揚穀筒12を剛性の高い壁板1aの構造で強固に支持することができ、当該脱穀部1側と揚穀筒12の剛性を相互に補完して脱穀作業中の振動や共振現象を誘発することがないうえ、脱穀部1の内方に揚穀筒12が入込む構造なので、穀粒タンク13との間の限られた空間部を有効に利用して揚穀筒12を配置することができる。 【0011】また、脱穀部1の内方に入込む揚穀筒12は、扱室1´の終端側に形成される送塵口19と対向する壁板1aの位置に配置されるので、その配置構成が揺動選別体5の駆動時における籾の漏下作用に直接影響を与えることがなく、更に上記揚穀筒12の上位中途部12bは、壁板1aと出口側板3との間に跨設した固定部材20の両端部20a、20bを介して固定されるので、剛性の高い壁板1aの構造とともに出口側板3と壁板1aとの接合部位を補強する補強部材として兼用することができる。 【0012】図5(a)は、壁板1aと出口側板3との間に跨設される固定部材20を、揚穀筒12の上位中途部12bの外周面に予め溶着した他の実施例を示すものであって、同図(a)の構成とすれば、固定部材20の脱着作業で誤って当該部材を脱落させてしまうことがなく安全に作業を進めることができる上、揚穀筒12と壁板1aとの剛性の相互補完をより強固とすることができる。また図5(b)は、上述の溶着構造に加えて段差部18に代えて壁板1aに凹部18´を折曲形成した場合を示し、この構成では凹部18´が壁板1aに対する補強リブ構造をなすので壁板1aの剛性をより一層高めることができ、更に当該壁板1aと出口側板3の取付け部3aとの位置決めが容易かつ正確に行えるようになる。 【0013】 【発明の効果】これを要するに本発明は、離間対向する入口側板と出口側板の各側縁間に、穀粒タンクに隣接する壁板を張設して脱穀部を形成し、かつ当該両側板間に回転自在に支持させた扱胴の下方位置に、前後方向揺動自在となす揺動選別体を選別風路内に臨ませて装架してなる脱穀機において、上記脱穀部と穀粒タンクとの間に位置して立設される揚穀筒を、脱穀部内方に入込ませて配置したから、■ 簡単な構造でありながら、脱穀作業に連繋して稼動する揚穀筒を剛性を高めた脱穀部の壁板構造で支持することができ、しかも脱穀部の内方に入込む構造なので、穀粒タンクとの間の限られた空間部を有効に利用して揚穀筒を配置できると共に、脱穀部側と揚穀筒の当該各部における剛性を相互に補完しつつ、脱穀作業中の振動や共振現象を伴うことなく効率良く脱穀、搬送を行うことができる。また上記扱室の終端側に形成した送塵口と対向する壁板位置で、揚穀筒を脱穀部内方に入込ませたから、■ 揺動選別駆動時における籾の漏下作用に直接影響を与えることがなく、円滑な揺動選別作動を確保できる。更に上記脱穀部内方に入込んで立設される揚穀筒の上位中途部は、壁板と出口側板との間に跨設した固定部材を介して固定されるから、■ 簡易な構造で揚穀筒を脱穀部側に強固に支持することができ、当該揚穀筒の下部構造に無理な機械的負担を与えることがない上、上記固定部材を、脱穀部を形成する出口側板と壁板との接合部位を補強する補強部材として兼用することができる。等という有用な新規的効果を奏するものである。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000001878 【氏名又は名称】三菱農機株式会社
|
| 【出願日】 |
平成11年2月9日(1999.2.9) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100066876 【弁理士】 【氏名又は名称】稲葉 昭治
|
| 【公開番号】 |
特開2000−228913(P2000−228913A) |
| 【公開日】 |
平成12年8月22日(2000.8.22) |
| 【出願番号】 |
特願平11−30844 |
|