| 【発明の名称】 |
コンバイン |
| 【発明者】 |
【氏名】十亀 治光
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| 【要約】 |
【課題】コンバインを小型化し、コンバイン内部の駆動機構を簡単化しながら、コンバインの運転席のキャビン内への塵埃の侵入を大幅に低減して、オペレータの作業環境を向上すること。
【解決手段】脱穀装置15の扱胴29の内周側に送風通路P、Qおよび送風手段(スポーク29d、29fを軸流羽根車形状にして送風する)を設け、また扱室26の後方の脱穀装置15内部に送風ガイド15a、第一整流板15b、および第二整流板15cからなる整流手段を設けたので、扱胴29を回転することにより前記送風手段29d、29fは、刈取装置6、供給搬送装置7で発生する塵埃を吸引して扱胴26内を軸方向に送風し、その後、整流手段15a〜15cにおいて唐箕39からの送風と合流して、脱穀装置15内の塵埃を含む空気を横断流ファンまたは多翼送風機を設けることなく、コンバイン1の外部に放出することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 穀稈から穀粒を脱穀するための扱胴を設けた脱穀装置を備えたコンバインにおいて、扱胴に通風路と送風手段とを設け、扱胴の後方の脱穀装置内に送風の整流手段を設けた構成を特徴とするコンバイン。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、圃場において穀類の収穫作業を行う農業用のコンバインに関する。 【0002】 【従来の技術】図23は従来例のコンバインの脱穀装置の内部の主要部平面図であり、図24は図23のX−X線矢視の脱穀装置主要部の立面断面図であり、図25は図24のY−Y線矢視の脱穀装置主要部の側面断面図である。 【0003】コンバインは、車体フレームの下部側に土壌面を走行する左右一対の走行クローラを有する走行装置を配設し、車体フレームの前端側に分草具と、引起しケースと、植立穀稈を刈り取る刈刃と、刈刃にて刈り取られた穀稈を挟持して後方に搬送する株元搬送装置と供給搬送装置とからなる刈取装置が設けられている。車体フレームの上方には、刈取装置の供給搬送装置から搬送されてくる穀稈を引き継いで搬送するフィードチェーン14を有する脱穀装置15と、脱穀装置15で脱穀選別された穀粒を一時貯溜するグレンタンクが載置されている。 【0004】図23ないし図25に示すように、脱穀装置15は、それぞれ回転する扱胴29、二番処理胴30、および排塵処理胴31をもち、扱胴29の扱歯29aにより穀稈から穀粒を脱穀し、二番処理胴30で枝梗を分離し、排塵処理胴31で塵埃を分離し、扱胴29の下部に設けた揺動棚21、唐箕39、シーブ22などの作用により穀粒の選別を行い、選別された穀粒を一番穀粒揚送筒によりグレンタンクに揚送する。 【0005】脱穀装置15の後方には、藁屑および塵埃を脱穀装置15内から吸引して圃場に放出する横断流ファン71を設け、かつ脱穀後の排藁は排藁チェーン69、排藁穂先チェーン70で搬送して、そのまま直接に圃場に放出するか、カッター73、73aで切断してから圃場に放出する。また、グレンタンクの後部に排出オーガを設けており、グレンタンク内に一時貯留してある穀粒をコンバインの外部に排出できる構成としている。 【0006】コンバインの走行、刈り取り、脱穀、穀粒排出運転などは、コンバインの運転席に搭乗するオペレータが運転席の操作装置を操作して行う。オペレータと操作装置を日照、風雨などから保護するために、運転席を覆うキャビンを設けている。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】コンバインは、クローラを走行装置とするから湿田など軟弱な地盤の圃場でも自由に走行することができる。したがって、コンバインを用いることにより、圃場に植立する穀稈の刈り取り、脱穀、選別、一時貯留、穀粒搬出などの収穫作業を極めて能率的に行うことができる。 【0008】圃場に植生する穀稈と、穀稈に結実した穀粒には、圃場の土壌や周辺環境の塵埃が付着しているので、刈り取り、搬送、脱穀、選別にともないこれらの穀稈や穀粒に付着した土壌や塵埃が分離して多量の塵埃が発生するほかに、穀稈自身および穀粒からも藁屑などを含む多量の塵埃が発生する。 【0009】従来技術では、脱穀装置15の後部に横断流ファン71(図23、図25)またはシロッコ型の多翼送風機を設けて、脱穀装置15の排塵処理室28および揺動棚21の塵埃を含む空気を吸引してコンバインの外部へ放出していた。しかしながら、横断流ファン71または多翼送風機を大型にして十分な能力を保持させないと、脱穀装置15内の塵埃の排出が不十分となり、塵埃を含む空気の一部が脱穀装置15から漏えいして運転席の環境を低下させるなどの問題があった。横断流ファン71または多翼送風機を大型にすれば、コンバイン自体も大型となり経済的に好ましくない。また、横断流ファン71または多翼送風機は脱穀装置15の後部に設けるので、他の運動機構と離れていて駆動機構を独立に設ける必要があり、コンバインの機構を複雑にし、かつコンバインの重量を大にする原因となっていた。 【0010】また、従来技術では、脱穀装置内の塵埃については上記横断流ファン71または多翼送風機により吸引処理していたが、刈取装置、搬送装置において発生する塵埃については吸引排除する対策を講じていないので、発生する塵埃が運転席のキャビン内に侵入してオペレータの作業環境を悪化することなどがあった。 【0011】そこで、本発明の課題は、従来技術で処理できなかった刈取装置と供給搬送装置において発生する塵埃を吸引排除するだけでなく、コンバインを小型化しコンバイン内部の駆動機構を簡単化しながら、コンバインの運転席のキャビン内への塵埃の侵入を大幅に低減して、オペレータの作業環境を向上するさせることである。 【0012】 【課題を解決するための手段】本発明の課題は穀稈から穀粒を脱穀するための扱胴を設けた脱穀装置を備えたコンバインにおいて、扱胴に通風路と送風手段とを設け、扱胴の後方の脱穀装置内に送風の整流手段を設けたコンバインにより解決される。 【0013】本発明によれば、扱胴を回転することにより送風手段は、塵埃を吸引して扱胴内を軸方向に送風し、その後、整流手段において整流されて、脱穀装置内の塵埃を含む空気をコンバインの外部に放出するので、従来のコンバインに設けられていたような塵埃排出専用の横断流ファンまたは多翼送風機を設けることなく、塵埃を含む空気をコンバインの外部へ放出することができる。 【0014】ここで、上記整流手段は扱胴からの送風と唐箕からの送風とを合流させて後方に送るために用いる事ができる。また、扱胴に設けられた送風手段は脱穀装置内で発生する塵埃だけでなく、その上流側に設けられる収穫穀物の刈取装置と供給搬送装置において発生する塵埃を吸引する事もできる。 【0015】 【発明の効果】本発明によれば、従来技術で処理できなかった刈取装置と供給搬送装置において発生する塵埃を吸引排除するだけでなく、コンバインを小型化し、コンバイン内部の駆動機構を簡単化しながら、コンバインの運転席のキャビン内への塵埃の侵入を大幅に低減して、オペレータの作業環境を向上するさせることができる。 【0016】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図1ないし図22を用いて説明するが、従来技術で説明した図23ないし図25のコンバインの構成に改良を加えたものであり、図23と図5、図24と図6、および図25と図7とがそれぞれ対応し、図23ないし図25と同じ構成部材には同一の符号を付している。 【0017】図1には穀類の収穫作業を行うコンバインの左側面図を示し、図2はコンバインの右側面図を示し、図3はコンバインの正面立面図を示し、図4は内部の刈取装置と供給搬送装置などを示す左側面略図であり、図5は図1のA−A線矢視断面の脱穀装置の主要部平面図であり、図6は図5のB−B線矢視の脱穀装置主要部の立面断面図であり、図7は図6のC−C線矢視の脱穀装置主要部の側面断面図である。 【0018】図1ないし図4を参照して説明すると、コンバイン1は車体フレーム2の下部側に土壌面を走行する左右一対の走行クローラ3を有する走行装置4を配設し、該車体フレーム2の前端側に刈取装置6と供給搬送装置7が設けられている。刈取装置6には、植立穀稈を分草する分草具8と、植立穀稈を引き起こす引起しケース9と、植立穀稈を刈り取る刈刃11と該刈刃11にて刈り取られた穀稈を挟持して後方に搬送する株元搬送装置12から構成されている。この株元搬送装置12の後方には、該株元搬送装置12から搬送されている穀稈を引き継いで搬送する供給搬送装置7が設けられている。 【0019】前記刈取装置6は、走行装置4の上方の支点を中心にして上下に揺動する刈取装置支持フレーム13で支持されているので、刈取装置6の分草具8、刈刃11などは刈取装置支持フレーム13の上下揺動により上下に昇降する構成である(図4参照)。 【0020】車体体フレーム2の上方には、前記供給搬送装置7から搬送されてくる穀稈を引き継いで搬送するフィードチェーン14を有する脱穀装置15と、該脱穀装置15で脱穀選別された穀粒を一時貯溜するグレンタンク10(図2)が載置されている。 【0021】フィードチェーン14は、穀粒のついた穀稈を脱穀装置15に供給し、該脱穀装置15は詳細を後に述べるように穀粒を穀稈から脱穀し、選別分離した穀粒はグレンタンク10へ搬送する。脱穀装置15の後方には、排藁チェーン69から搬送されてくる排稈を切断するカッター73、73aを設けている(図5)。穀粒を脱穀した穀稈や、排藁は、そのまま、またはカッター73、73aで切断して圃場へ放出する。 【0022】図1ないし図3に示すように、グレンタンク10の後部に縦オーガ18を連接し、縦オーガ18の上端部に横オーガ19を連接している。縦オーガ18は縦オーガ軸を中心に旋回可能であり、横オーガ19は、縦オーガ18との連接部を中心に上下方向に回動可能であると共に、横オーガ19の前後方向にズーム伸縮可能であるから、横オーガ先端部の穀粒排出口19aを可動範囲の左右、上下、前後の任意の位置に移動して、グレンタンク10内に貯留してある穀粒をコンバイン1の外部に排出することができる。 【0023】これらの操作は、コンバイン1上の一側に設けた運転席20に搭乗したオペレータが各種レバー、スイッチ等を操作して行うほか、横オーガ19の移動操作は横オーガ先端部の排出口19a付近に設けた操作スイッチでも操作を行うことができる構成である。 【0024】図5ないし図7により本発明の実施の形態の脱穀装置15を説明すると、主脱穀部は、扱室26に扱胴29を設けたもので、扱胴29には多数のこぎ歯29aを植設してある。フィードチェーン14により図4、図5の矢印A方向に移送される穀粒のついた穀稈を扱室入り口26i(図6)で受け入れ、扱室26内で図示しない駆動機構により図6の矢印B方向に回転する扱胴29の回転胴29bの外側に植立した多数のこぎ歯29aと、フィードチェーン14により図5の矢印A方向に移送される穀稈との相対運動によるこぎ作用により脱穀し、穀粒や藁くずは扱網34を矢印C1方向(図6)に通過させて、揺動棚21で受け止める。 【0025】本実施の形態では、回転する扱胴29の回転胴29bの内側を通風路とし、かつここに送風手段を設け、扱胴29の回転により送風力を発生して、刈取装置6、供給搬送装置7付近の空気を吸引すると共に、発生した送風を扱室26後方から後に詳細を述べる整流手段を経由して排塵処理室28方向に送風する。 【0026】揺動棚21は図7に示すように傾斜しており、かつ支点21aを揺動中心として上下前後方向に揺動するので、穀粒は図7の矢印D方向に移動しながら、シーブ22の上で唐箕送風翼39aの送風を受けて風力選別され、比重の重い穀粒はシーブ22および選別網23を図7の矢印E方向に通過し、一番棚板24で集積され、一番ラセン25で図示しない一番揚穀筒へ輸送され、グレンタンク10に一時貯留される。 【0027】揺動棚21の上の残りの二番穀粒および藁くずは揺動作用と唐箕39の選別風に吹き飛ばされてシーブ22の上を図7の矢印D1方向に移動し、選別風の弱まりと共に残った二番穀粒は矢印G方向に落下して二番棚板58に集められ、二番ラセン59で二番揚穀筒60へ搬送される。比較的大きな藁くずなどはストローラック16上にのって、揺動棚21の揺動作用で矢印Fの方向に進みコンバイン1から圃場へ排出される。 【0028】二番穀粒は、正常な穀粒、枝梗粒、藁くずおよび藁くずの中に正常な穀粒が刺さっているササリ粒の混合物であり、図6、図7に示すように二番揚穀筒60により矢印H方向に揚送されて、二番揚穀筒放出口60aから矢印H1に示すように二番処理室27の上方に放出され、二番処理室27に落下する。二番処理室27内部の二番処理胴30には、多数の処理羽根30aとツース30bが植設され、図示しない駆動装置により図6の矢印J方向に回転する。 【0029】投入された二番穀粒は、回転する処理羽根30aに衝突しながら矢印I方向に搬送される間に、ツース30bとも衝突して、二番穀粒の分離が行われる。ツース30bは丸棒状であり、二番穀粒と衝突して主として枝梗粒から枝梗を分離する作用を行う。 【0030】分離された穀粒は二番処理胴受網35を矢印C2方向に通過して揺動棚21に落下し、残りの穀粒と藁くずは二番処理胴30の搬送終端部に植設された回転羽根30cにより跳ね上げられ、かつ巻きこまれて二番処理室27の終端部27aから矢印C3方向に案内され揺動棚21上に落下し、再び揺動棚21の上を矢印D方向に進行して分離選別される。 【0031】扱室26を図5の矢印A方向に進行し、扱室26終点に到達した穀粒を脱穀された穀稈のうち長尺のままのものは、図5に示したように矢印A1方向に進み、排藁チェーン69および排藁穂先チェーン70に挟持されてコンバイン1の後部に搬送され、直接圃場へ放出されるか、または藁用カッター73、73aに投入されて切断されたのちに圃場に放出される(図5)。 【0032】扱室26を矢印A方向に進行し、扱室26終点に到達した穀粒を脱穀された穀稈のうち藁くずなど短尺のものは、矢印A2方向に排塵処理室28へ投入される。藁屑などは、排塵処理室28において二番処理胴30と一体的に回転する排塵処理胴31に周設されたスクリュウ状の送り羽根31aによって矢印K方向に搬送されながら、衝突、裁断、分離され、残留していた二番穀粒を排塵処理胴受網36を図7の矢印C4方向に通過して揺動棚21の上に落下する(図5、図7)。 【0033】排塵処理室28と揺動棚21の後部上方は相互に連通していて、排塵処理室28と揺動棚21の後部上方の藁くず、枝梗および塵埃を含む空気は、扱胴29の回転により発生する送風力と唐箕39の発生する送風力とにより圧送されて、塵埃出口75から矢印L方向のコンバイン1の外部へ放出される(図5、図7)。 【0034】こうして、本実施の形態では扱胴に付設する送風手段による送風力と、唐箕の送風力とを合わせることにより、横断流ファンを設けることなく、したがってコンバインを小型化し、コンバインの構造を簡単化しながら、刈取装置、供給搬送装置で発生する塵埃を吸引し、この塵埃を含む空気と、脱穀装置で発生する藁屑などの塵埃を含む空気とをコンバインの外部へ排出できる。 【0035】図8に本実施の形態の脱穀装置15に設けた送風手段および整流手段を示す。図8は扱胴29と脱穀装置15の一部の側面断面図である。脱穀装置15の扱胴29の回転胴29bの外周側は、従来通り扱歯29aを多数植立して脱穀作用させるが、扱胴29の回転胴29bの内周側は前後端とも開口して、前方端をスポーク29dで、後方端をスポーク29fでそれぞれ支持し、回転胴29bの内周側を送風通路として開通する。回転胴29bを支持するスポーク29dおよび29fの半径方向の腕は薄型で軸流羽根車型にねじれた形状とすることにより、扱胴29が回転すれば回転胴29b内を軸方向に空気流を発生して送風を行うことができる。 【0036】スポーク29dおよび29fの中心部はボス29eおよび29gとしてそれぞれ回転軸29cに軸着する。回転軸29cは、扱室26の前方壁板26aおよび後方壁板26dに設けた軸受26cおよび26fにより回転自在に支持し、図示しない駆動装置により回転駆動され扱胴29を回転させる。 【0037】回転胴29bの前方端のスポーク29dおよび後方端のスポーク29fに対面する扱室26の前方壁板26aおよび後方壁板26dには、それぞれ開口部26bおよび26eを設けて、扱室26外から扱胴29の内周側を経由して空気が流通できる構成とする。扱室26の後方の脱穀装置15内部に送風ガイド15a、第一整流板15b、第二整流板15cを設けて空気流の整流を図る構成としている。 【0038】上記の構成により、脱穀装置15を運転して扱胴29が回転すると、扱胴29の外周側は収穫穀稈の脱穀を行うことは従来通りであるが、回転する扱胴29の内周側は前後両端部がスポーク29dおよび29fで開放されており、スポーク29dおよび29fは軸流羽根車形状であり、扱室26の前方壁板26aおよび後方壁板26dも開口しているので、扱室前方の空気を矢印Pのように吸い込み扱胴29の内周側を通過して、矢印Qのように脱穀装置15内に入り、送風ガイド15aおよび第一整流板15bにより整流される。 【0039】一方、唐箕39により穀粒選別用に送風された空気流は、シーブ22を矢印Rのように流れて第二整流板15cにより矢印Sのように整流される。第一整流板15bおよび第二整流板15cにより整流された空気流は合流して矢印Tのように流れて最終的にコンバイン1の外部に放出される。 【0040】以上のように、脱穀装置15の扱胴29の内周側を送風通路とし、扱胴26を支持するスポーク29dおよび29fを軸流羽根車型形状の送風手段とし、扱室26の後方の脱穀装置15内部に送風ガイド15a、第一整流板15bおよび第二整流板15cからなる整流手段を設ける構成としたので、扱胴29が回転することにより、送風手段は刈取装置6と供給搬送装置7で発生する塵埃を吸引して扱胴26内を軸方向に送風し、その後、整流手段において唐箕送風機39からの送風と合流して、脱穀装置15内の塵埃を含む空気をコンバイン1の外部に放出する。 【0041】こうして従来技術で必要とした脱穀装置15の後部の横断流ファン71または多翼送風機を設けることなく、脱穀装置15の排塵処理室28および揺動棚21の塵埃を含む空気を吸引してコンバイン1の外部へ放出することができ、また従来技術で処理できなかった刈取装置6と供給搬送装置7で発生する塵埃を吸引排除することができ、コンバイン1を小型化し、コンバイン内部の駆動機構を簡単化しながら、コンバイン1の運転席20のキャビン90内への塵埃の侵入を大幅に低減して、オペレータの作業環境を向上することができる。 【0042】図9および図10に上記送風手段と整流手段の変形例を示す。図9は扱歯29aを省略して示した扱胴29の側面部分断面図であり、図10は図9のD−D線矢視図である。本変形例によれば、後方スポーク29fに広幅の軸流羽根29iを付設することにより、扱室26前方の空気を矢印Pのように吸い込み扱胴29の内周側を通過して、矢印Qの方向に送風する能力を増大することができる。なお、後方スポーク29fの外周に円筒状フランジ部29hを設けることにより、円盤状の底板を廃止した円筒状の回転胴29bの構造強度を強化し、回転胴29bの変形を防止することができる。 【0043】図11には別の変形例を示す。図11は扱歯29aを省略して示した扱胴29の側面部分断面図であり、本変形例によれば、後方スポーク29fに広幅の軸流羽根29iを付設するほかに、回転胴29bの内部に軸流羽根車29kを設け、該軸流羽根車29kのボス部29jを回転軸29cに軸着することにより、扱室26前方の空気を矢印Pのように吸い込み扱胴29の内周側を通過して、矢印Qの方向に送風する能力を更に増大することができる。軸流羽根車29kの外周部は、回転胴29bの内周に固着する構造とするか、固着することなく非接触とする構造とするか、任意であり、また複数段の軸流羽根車29kを設けることも可能である。 【0044】また、扱胴29の内周側を通風路とし、ここに送風手段を設けて送風能力を付与し、かつ脱穀装置15の後部に横断流ファン71を設ける構成として、刈取装置6、供給搬送装置7付近の塵埃を含む空気を吸引することもできる。さらに、扱胴29の前後両端部を開口し、回転胴29bを送風能力のないスポーク29d、29fで支持して、扱胴29の内周側を単なる通風路とする構成とし、脱穀装置15の後部に設ける横断流ファン71だけで刈取装置6、供給搬送装置7付近の塵埃を含む空気を吸引することもできる。 【0045】次に図12ないし図18に示す脱穀装置15の扱室26に設けた送塵弁手段の制御手段に関する構成の説明をする。図12は送塵弁80を有する扱室26および扱胴29の断面図であり、図13は送塵弁80の回動機構図であり、図14は連れ回り量と連れ回り量センサ出力との関係を示す線図であり、図15は連れ回り量と送塵弁角度θとの関係を示す線図であり、図16は送塵弁制御のフローチャートである。 【0046】脱穀装置15で脱穀作業をおこなうと、脱穀作用にともない、いわゆる稈切れ(切断された穀稈)が発生し、稈切れは扱歯29aにからみついて連れ回りすることがある。稈切れによる連れ回りが発生すると脱穀作用が低下するので、扱室26に送塵弁80を設けて、扱歯29aにからまった稈切れを離脱させ、稈切れを扱胴29の軸方向に搬送して扱室26から排除している。 【0047】図12および図13に示すように、送塵弁80は扱室26の上部、扱胴29の外周の円周方向で、かつ扱歯29aの列の間に設けられ、ブレード状の弁体80aのほぼ中央部を支持軸80bに固着支持し、支持軸は扱室天井板26gを貫通して図示しない軸受で回動自在に支持されている。 【0048】送塵弁80は、複数の弁体80aを扱胴29の軸方向に配置し、そのうちの1個の弁体80aの支持軸80bを延長して回動ギヤ80cを軸着し、該回動ギヤ80cは制御モータ81のピニオン81aにより回動される。また回動ギヤ80cは回転角度センサ82のピニオン82aとも噛み合い、弁体80aの回動角度を検出できる。 【0049】各弁体80aの一端には回動ピン80dを固着し、複数の弁体80aの回動ピン80dをタイリンク80eに遊動連結して、前記制御モータ81の回転により弁体80aを一斉に回動駆動する構成である。 【0050】しかしながら、従来、送塵弁80の回動角度の制御について適切な手段がなかったため、たとえばコンバイン1の車速により制御することなどが行われていたが、穀物品種、同一穀物でも含有水分の変化などにより、車速により一律に制御しても稈切れの連れ回りを効果的に排除することができなかった。 【0051】しかし図12に示す構成では、送塵弁80の扱胴29回転方向(矢印B)後方の扱室26の側部壁板26eの内面側に連れ回り量センサ83を設け、図14に示す連れ回り量に比例して発生する連れ回り量センサ83の出力を用い、図示しない制御装置を用い、図15に示すように連れ回り量に比例して送塵弁80の角度θを制御する。送塵弁80の角度θの制御のフローを図16に示す。 【0052】このように連れ回り量を直接連れ回り量センサ83で検出して送塵弁80の角度θを制御することで、コンバイン1の車速、刈り取り穀物の品種、成育状況、穀粒の含水量などに関係なく、稈切れによる連れ回りの増大に伴い送塵弁80を回動させて早期に稈切れを排出でき、扱歯29aによる脱穀作用が低下せず、したがって脱穀装置の能率を安定して維持できる。 【0053】なお、連れ回りセンサ83は、扱歯29aによる稈切れの連れ回りを検出できるセンサであればいかなる形式の物でも良いが、光電検出式のセンサでは検出対象以外の反射光の影響を受けることがあり、図17以下に示すセンサを用いることが望ましい。 【0054】連れ回りセンサ80は、扱胴29の回転方向が図6および図12に示す矢印B方向の下扱ぎの場合、図12に示す扱胴29の上半部側面の扱室26の内面に取り付ける。図17は、図12の連れ回りセンサ80付近の詳細図であり、図18は図17のE−E線矢視図である。 【0055】連れ回りセンサ80の主要部は、回転型ポテンシオメータ83aの回転軸83bに変位部材83cの一端を固着し、該変位部材83cの他端は扱胴29の外周から若干離隔して位置させ、かつ図18に示すように扱歯29aと扱歯29aの列の中間に位置させる。変位部材83cの中間部にスプリング83dを当接させ、変位部材83cの他端部を扱胴29の外周方向に付勢する構成とする。 【0056】したがって、扱歯29aに稈切れが付着して連れ回りが発生すると、稈切れによりスプリング83dの付勢力に抗して変位部材83cの他端部が扱胴29から離隔する方向に変位し、変位量に比例してポテンシオメータ83aが信号を発生する。ポテンシオメータ83aとスプリング83dにかえて、圧電型センサに変位部材83cを取り付けても良い。 【0057】次に図19に示す運転席20を覆うキャビン90に関する実施の形態について説明する。図19はコンバイン1の前部の左側面図であり、図20は本発明実施例3の乗り出し制御のフローシートである。 【0058】コンバイン1の運転席20はキャビン90を設けて覆い、搭乗するオペレータを日照、風雨又は寒暑などから保護し、作業環境を良好に維持している。オペレータがキャビン90内でコンバイン1の運転操作を行う限り、作業安全性も確保される。しかしながら、キャビン90の窓90a、90bは開閉可能であり、実際の作業において、オペレータがキャビン90の窓90a、90bから身を乗り出して引き起こし装置9の上部や、供給搬送装置7に堆積した雑草などを除去する作業を行うことがある。 【0059】オペレータがキャビン90の窓90a、90bから身を乗り出して作業を行うことは危険を伴うことがあるので、作業中はコンバイン1の車速を減速する必要がある。もし、オペレータが減速操作を行わないままキャビン90の窓90a、90bから身を乗り出して作業しようとした場合に、自動的にコンバイン1の車速を減速する制御装置の設置が必要である。 【0060】そこで図19に示すように、キャビン90の側面窓90bの上方にセンサ91a、側面窓90bの窓枠下方でコンバイン1の後方側にセンサ91b、側面窓90bの窓枠下方でコンバイン1の前方側にセンサ91c、前面窓90aの上方にセンサ91dを設置する。前記各センサ91a〜91dは広い角度範囲に存在する物体の検出能力を持つものであれば、その感知形式は任意であるが、たとえば、超音波式あるいは焦電子式のセンサを用いる。 【0061】超音波式センサの場合は、センサの発信する超音波の物体による反射波を検出する。焦電子式のセンサの場合は、物体の発生する熱または赤外線を感知して物体の存在を検出する。したがって、図19に示すように、センサ91aは斜線(a)の範囲、センサ91bは斜線(b)の範囲、センサ91cは斜線(c)の範囲、センサ91dは参考線(d)を含む面内の範囲の、それぞれ物体の存在を検出する。すなわち、キャビン90の窓90a、90bからオペレータが身を乗り出すと、いずれかのセンサがオペレータの存在を検出できる。 【0062】前記のセンサ91a〜91dによりキャビン90からオペレータが身を乗り出したことを検出すると、図示しない制御装置は、コンバイン1の車速を減速させる。その制御のフローは図20に示すようであり、オペレータが身を乗り出した時間が長いほどコンバイン1の車速の減速量(または減速率)を大にするように制御する。 【0063】こうしてキャビン90からオペレータが身を乗り出した時間が長いほど、オペレーターの作業の困難性が高いと推定し、かつ作業時間と共に安全性が低下するので、キャビン90の窓枠周辺に設けるセンサと制御装置とにより、作業困難性、安全性低下に応じてコンバイン1の車速減速を行うので、未熟練のオペレータであっても、また手動操作を行うことなく、安全にコンバイン1を運転操作できる。またセンサは、広角度型のものを用いて設置場所を吟味し、窓枠の底辺側には設置しない構成としているので、外乱光、ほこりの堆積などによる誤作動、作業に対する障害などを招かないから、常に安定した検出精度を維持できて、安全操作の向上に寄与することができる。 【0064】また、前記センサ91a〜91dによりキャビン90からオペレータが身を乗り出した状態で、乗り出し量を検出し、乗り出し量に比例して、図示しない制御装置により、コンバイン1の車速を減速するように制御することもできる。その場合の制御のフローは図21に示すようであり、オペレータが身を乗り出した量が大であるほどコンバイン1の車速の減速量(または減速率)を大にするように制御する。 【0065】本例では、キャビン90からオペレータが身を乗り出した量が大であるほど、オペレーターの作業の困難性が高く、かつ安全性が低下するので、乗り出し量が大であるほどコンバイン1の車速減速を大きくするから、手動操作を行うことなく、未熟練のオペレータであっても、安全にコンバイン1を運転操作できる。 【0066】前記センサ91a〜91dによりキャビン90からオペレータが身を乗り出し状態を検出し、ただちにコンバイン1の車速を減速するように制御することもできる。この制御のフローは図22に示すようであり、オペレーターの乗り出しを検出量すればコンバイン1の車速減速を行う。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000125 【氏名又は名称】井関農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年2月2日(1999.2.2) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100096541 【弁理士】 【氏名又は名称】松永 孝義
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| 【公開番号】 |
特開2000−217417(P2000−217417A) |
| 【公開日】 |
平成12年8月8日(2000.8.8) |
| 【出願番号】 |
特願平11−24838 |
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