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【発明の名称】 コンバインにおける排出オ―ガ構造
【発明者】 【氏名】安井 明司

【要約】 【課題】伸縮する排出オーガの中途部から排出先端部に至る部位を折曲することにより、コンパクトにコンバインを格納することができるコンバインにおける排出オーガ構造を提供する。

【解決手段】脱穀部10に近接配置したグレンタンク9の後方に縦搬送パイプ11を立設し、その頂部に設けた水平方向回動自在な排出オーガ12を排出方向に伸縮可能に構成すると共に、上記排出オーガ12の中途部から排出先端部に至る部位を折曲可能にした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 脱穀部に近接配置したグレンタンクの後方に縦搬送パイプを立設し、その頂部に設けた水平方向回動自在な排出オーガを排出方向に伸縮可能に構成すると共に、上記排出オーガの中途部から排出先端部に至る部位を折曲可能にしたことを特徴とするコンバインにおける排出オーガ構造。
【請求項2】 脱穀部に近接配置したグレンタンクの後方に縦搬送パイプを立設し、その頂部に設けた水平回動自在な基端側オーガ部に、排出方向に伸縮する伸縮オーガ部を水平状に併設して排出オーガを構成したことを特徴とするコンバインにおける排出オーガ構造。
【請求項3】 上記伸縮オーガ部を基端側オーガ部の側面に水平状に併設する際に、当該伸縮オーガ部の排出方向軸芯位置を、前記グレンタンクの前方に設けた運転席から見て、基端側オーガ部の排出方向軸芯位置より後方に位置させたことを特徴とする請求項2に記載のコンバインにおける排出オーガ構造。
【請求項4】 上記伸縮オーガ部を排出方向に進退する伸縮機構を、隣接する当該各オーガ部間に形成される上下凹部に臨ませて配置したことを特徴とする請求項2または3に記載のコンバインにおける排出オーガ構造。
【請求項5】 上記基端側オーガ部と伸縮オーガ部との間で籾を継送する出入口に、基端側オーガ部からの籾排出方向に倣うガイド板を、伸縮オーガ部側に向けて上傾状に跨設したことを特徴とする請求項2、3または4に記載のコンバインにおける排出オーガ構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、刈取脱穀作業中に脱穀部から揚穀筒を介してグレンタンクに貯留された籾を順次機外に放出するコンバインの排出オーガに係り、特に伸縮する排出オーガにより籾排出位置を自由に設定して作業性の向上を図ることができるものでありながら、非作業時には、排出オーガの中途部から排出先端部に至る部位を折曲することにより、コンパクトにコンバインを格納することができるコンバインにおける排出オーガ構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、脱穀した籾を揚穀筒からグレンタンク内に一旦貯留し、その後に貯留された籾を排出オーガから機外に放出するように構成したコンバインでは、該排出オーガの先端部での排出位置を適切に位置決めする必要があり、排出位置が大きくずれている場合には、いちいちコンバイン自体を移動させて位置決め調整を行う、という煩わしい作業を伴うものであった。そこで、上述の排出オーガを排出方向に伸縮自在に構成して、コンバイン自体の移動を要することなく排出オーガの排出位置を調整できるように構成したものが提案されている。
【0003】しかしながら上記構成のものでは、排出オーガの伸長作動を十分に確保することを最優先させて、排出オーガに付設する伸縮機構の配置や非作業時における排出オーガの収納性を犠牲にしているため、コンバインを操作するオペレータに対して作業上の無理な操作空間あるいは作業空間を強いることとなって、伸縮する排出オーガの機能向上に相反する不具合を未だ残すものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の如き実情に鑑み従来の不具合を解消すべく創案されたものであって、その目的とするところは、コンバイン本体の煩わしい機体移動を要することなく、伸縮する排出オーガにより籾排出位置を自由に設定し得て作業性の向上を図ることができるものでありながら、非作業時には、排出オーガの中途部から排出先端部に至る部位を折曲させて、コンバインに搭乗するオペレータの乗降を容易にし、かつコンパクトにコンバインを格納することができるコンバインにおける排出オーガ構造を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】課題を解決するため、本発明が採用した第1の技術的手段は、脱穀部に近接配置したグレンタンクの後方に縦搬送パイプを立設し、その頂部に設けた水平方向回動自在な排出オーガを排出方向に伸縮可能に構成すると共に、上記排出オーガの中途部から排出先端部に至る部位を折曲可能にしたことを特徴とし、【0006】第2の技術的手段として、脱穀部に近接配置したグレンタンクの後方に縦搬送パイプを立設し、その頂部に設けた水平回動自在な基端側オーガ部に、排出方向に伸縮する伸縮オーガ部を水平状に併設して排出オーガを構成したことを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の構成を、図面に示した一実施例について詳細に説明する。図1ないし図3において、1はコンバインであって、該コンバイン1はクローラ走行装置2を備えた機体3フレームの前部に、穀稈梳起し体4、分草体5等からなる前処理部6が昇降自在に装着されており、その後方には、運転操作部7を前部および側部に設けた運転席8が配設されていると共に、上記運転席8後部の一側にはグレンタンク9が配設され、かつ該グレンタンク9の他側には揚穀筒10aを併設した脱穀部10が配けられている。
【0008】上記グレンタンク9の後方には、縦搬送螺旋軸11aを内装した縦搬送パイプ11が立設されており、脱穀部10で脱穀選別処理された籾を、揚穀筒10aにより揚上搬送してグレンタンク9に貯留した後、グレンタンク9の底部に配設した横送りラセン9aから縦搬送パイプ11の縦搬送螺旋軸11aを経て後述する伸縮自在な排出オーガ12の排出口12aから機外に放出するように構成されている。
【0009】上記排出オーガ12は、横搬送螺旋軸13aを内装した基端側オーガ部13と排出方向に伸縮する伸縮オーガ部14とからなり、該伸縮オーガ部14の排出方向軸芯位置Aを、運転席8から見て基端側オーガ部13の排出方向軸芯位置Bより後方に位置させた状態で、当該基端側オーガ部13の側面に伸縮オーガ部14が水平状に併設される。
【0010】すなわち、上記伸縮オーガ部14は、上記基端側オーガ部13の長手方向側面に並設される固定パイプ14aに、横搬送螺旋軸15を内装した伸縮パイプ14bを内挿して構成され、かつ上記固定パイプ14aおよび基端側オーガ部13の基端は、縦搬送パイプ11の頂部に水平回動自在に配設されると共に、上記縦搬送パイプ11の上部には、継送螺旋軸16、ベベルギヤ17およびチェン伝動部18で構成される伝動機構19が配設されており、縦搬送螺旋軸11aの回転動力を伝動機構19を介して基端側オーガ部13と伸縮オーガ部14にそれぞれ伝達するようになっている。
【0011】また、上記伸縮パイプ14bには、その伸縮基端側に嵌装した取付けケース面14cの軸芯位置に弾性体からなる軸受け部20が嵌着されており、当該軸受け部20に横搬送螺旋軸15の軸端を内挿した状態で、伝動機構19のチェン伝動部18に連動連結される駆動軸21を横搬送螺旋軸15内にスプライン嵌合させると共に、上記固定パイプ14aの外面と、該固定パイプ14aから突出する伸縮パイプ14bの外面との間には、油圧シリンダ22で形成される伸縮機構23が跨設されており、その伸縮作動により伝動機構19を介した回転動力を横搬送螺旋軸15に伝達しながら、これを内装した伸縮パイプ14bを排出方向に伸縮させる構成となっている。
【0012】ここで上記基端側オーガ部13の先端側と伸縮オーガ部14との間で籾を継送する出入口24には、図4に示すように、横搬送螺旋軸13aからの籾排出の回転方向に倣うガイド板25a、25bが、伸縮オーガ部14側に向けて上傾状に跨設されており、上記入出口24における籾の滞留を伴うことなく速やかに籾継送を行えると共に、伸縮機構23の油圧シリンダ22と、そのガイド杆22aが、上記各オーガ部13、14間に形成される上下凹部26a、26bに臨ませて配置されており、該伸縮機構23の配設に要するスペースを最小とすることが可能となっている。
【0013】一方、前記固定パイプ14aから排出方向に突出する伸縮パイプ14bは、図2の点線で示す伸張位置Cから縮入させて実線で示す折畳み位置Dで折曲可能に構成されている。すなわち、上記伸縮パイプ14bの中途部には、図5に示すように、操作レバー27、係止リング28、係止爪29および蝶番部30からなるロック機構31が装着されており、当該ロック機構31の装着部位に位置する横搬送螺旋軸15は、ジョイント部32を介して水平方向に折曲する構成となっている。
【0014】上記の如き構成において、刈取脱穀作業を行うに当り、コンバイン1の機体を立毛穀稈中に進入させれば、前処理部6で刈取った穀稈を脱穀部10が脱穀処理し、脱穀選別後の籾は運転席8の後方に配設されたグレンタンク9に貯留され、該グレンタンク9の底部に配設した横送りラセン9aから縦搬送パイプ11の縦搬送螺旋軸11aを経て排出オーガ12の排出口12aから機外に放出される。
【0015】このような刈取脱穀作業で、排出オーガ12先端の排出口12aからの排出位置を調整する場合は、排出オーガ12全体を水平回動させた後に適切な位置まで伸縮オーガ部14を伸縮機構23を介して伸縮作動する。この時、伸縮パイプ14bの排出方向への伸縮作動に伴って、横搬送螺旋軸15は駆動軸21とのスプライン嵌合で伝動機構19からの回転動力の伝達を受けて回転駆動しながら伸縮することになる。
【0016】またコンバイン1の非作業時には、ロック機構31を操作レバー27の操作で解除すれば、伸縮オーガ部14は内装した縦搬送螺旋軸15と共に中途部から水平方向に折曲されてコンパクトに収納される。したがって、コンバイン1本体の煩わしい機体移動を要することなく、排出オーガ12の籾排出位置を自由に設定し得て作業性の向上を図ることができ、加えて非作業時におけるコンバインの格納を、排出オーガの中途部から排出先端部に至る部位を折曲させることによりコンパクトに行うことができる。
【0017】なお本実施例では、固定パイプ14aの外面と、該固定パイプ14aから突出する伸縮パイプ14bの外面との間に、油圧シリンダ22からなる伸縮機構23を跨設した構成を示したが、図6(a)に示すように、固定パイプ14a側にモータ33の駆動力で正逆回転する螺軸34を平行状に設け、該螺軸34の先端を伸縮パイプ14b側に固定した雌螺子部35に螺入させて、螺軸34の正逆回転駆動で伸縮パイプ14bを伸縮する構成、あるいは同図(b)に示すように、図示しない駆動モータに連動連結したピニオンギヤ36に噛合するラックギヤ37を、固定パイプ14aの長手方向に沿って配設し、その先端を伸縮パイプ14bに固定させて、上記ピニオンギヤ36の正逆回転駆動で伸縮パイプ14bを伸縮駆動させるように構成しても良い。
【0018】
【発明の効果】これを要するに本発明は、脱穀部に近接配置したグレンタンクの後方に縦搬送パイプを立設し、その頂部に設けた水平方向回動自在な排出オーガを排出方向に伸縮可能に構成すると共に、上記排出オーガの中途部から排出先端部に至る部位を折曲可能にしたから、■コンバイン本体の煩わしい機体移動を要することなく、伸縮する排出オーガにより籾排出位置を自由に設定し得て作業性の向上を図ることができるものでありながら、非作業時には、排出オーガの中途部から排出先端部に至る部位を折曲させることができるので、コンバインに搭乗するオペレータの乗降を容易にし、かつコンパクトにコンバインを格納することができる。脱穀部に近接配置したグレンタンクの後方に縦搬送パイプを立設し、その頂部に設けた水平回動自在な基端側オーガ部に、排出方向に伸縮する伸縮オーガ部を水平状に併設して排出オーガを構成したから、■基端側オーガ部に伸縮オーガ部が水平状に併設されるので、従来の排出オーガに比してほぼ同等の高さ位置を維持することができ、当該排出オーガの下方に位置するグレンタンクの設置高およびタンク容量を従来と変わらずに確保することができる。上記伸縮オーガ部を基端側オーガ部の側面に水平状に併設する際に、当該伸縮オーガ部の排出方向軸芯位置を、前記グレンタンクの前方に設けた運転席から見て、基端側オーガ部の排出方向軸芯位置より後方に位置させたから、■排出方向に進退する伸縮オーガ部が、運転席から見て基端側オーガ部より遠方に位置するので、コンバインに搭乗するオペレータの操作スペースを十分に確保することができる。上記伸縮オーガ部を排出方向に進退する伸縮機構を、隣接する当該各オーガ部間に形成される上下凹部に臨ませて配置したから、■伸縮オーガ部を進退する伸縮機構を、隣接する基端側オーガ部との間に形成される上下凹部に臨ませて配置するので、該伸縮機構の配設に要する上下スペースを最小にすることができる。上記基端側オーガ部と伸縮オーガ部との間で籾を継送する出入口に、基端側オーガ部からの籾排出方向に倣うガイド板を、伸縮オーガ部側に向けて上傾状に跨設したから、■基端側オーガ部から伸縮オーガ部への籾の継送を、出入口での滞留を伴うことなく速やかに行うことができる。等という極めて有用な新規的効果を奏するものである。
【0019】
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成10年12月26日(1998.12.26)
【代理人】 【識別番号】100066876
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 昭治
【公開番号】 特開2000−188939(P2000−188939A)
【公開日】 平成12年7月11日(2000.7.11)
【出願番号】 特願平10−376721