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【発明の名称】 コンバインにおける排塵の風路構造
【発明者】 【氏名】野波 和好

【氏名】栗原 明弘

【要約】 【課題】揺動選別作動を介して籾から選別分離された排塵を効率良く排出することができるコンバインにおける排塵の風路構造に関するものである。

【解決手段】排塵室15側に位置する四番口開放部20の下縁20aを、その開放幅方向の略全幅に亘って下方に延出し揺動選別体7の上面または後壁フレーム2aに、上記四番口開放部20の下縁20aを近接させた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 第一扱胴の後方に、その軸芯位置から機体進行方向の左右何れか一方に偏移して第二扱胴を配設し、かつ揺動選別体を、当該第一扱胴の後部を支持する後壁フレームと第二扱胴との間に形成される四番口開放部の下方に臨ませ、その後方に設けた排塵室の吸引ファンを介して排塵を機外に放出するように構成したコンバインにおいて、上記排塵室側に位置する四番口開放部の下縁を、その開放幅方向の略全幅に亘って下方に延出すると共に、前記揺動選別体の上面または後壁フレームに、上記四番口開放部の下縁を近接させたことを特徴とするコンバインにおける排塵の風路構造。
【請求項2】 第一扱胴の後方に、その軸芯位置から機体進行方向の左右何れか一方に偏移して第二扱胴を配設し、かつ揺動選別体を、当該第一扱胴の後部を支持する後壁フレームと第二扱胴との間に形成される四番口開放部の下方に臨ませ、その後方に設けた排塵室の吸引ファンを介して排塵を機外に放出するように構成したコンバインにおいて、上記排塵室側に位置する四番口開放部の下縁に、その開放幅方向の略全幅に亘って垂下板を延設すると共に、前記揺動選別体の上面または後壁フレームに、上記垂下板の下縁を近接させたことを特徴とするコンバインにおける排塵の風路構造。
【請求項3】 上記垂下板は弾性または可撓性を有する素材からなることを特徴とする請求項2記載のコンバインにおける排塵の風路構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、扱胴の下方前方から後方の排塵室に向けて形成した選別風路内に揺動選別体を架設し、その揺動選別作動を介して籾を選別分離するコンバインに係り、特に分離された排塵を効率良く排出することができる風路構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、第一扱胴の軸芯方向後方に第二扱胴を偏移して設け、当該各扱胴の下方前方より排塵室に向けて形成した選別風路内に揺動選別体を架設してなるコンバインにおいては、揺動選別体の前後揺動運動による比重選別作用と、選別風路を吹き抜ける選別風による風選作用とによって、籾を一番物、二番物および籾屑等の夾雑物とに選別分離し、第一扱胴によって得られた一番物は一番樋に落下させたのち図示しない揚穀筒により籾タンクに回収し、二番物は二番樋に落下させたのち二番還元筒により揺動選別体上に還元して再選に供する一方、第一扱胴で未処理となった穂切穀稈は第二扱胴で再処理し、かつササリ粒は当該第一扱胴の後壁フレームと第二扱胴との間に形成される四番口開放部から、その下方の揺動選別体上に設けたリターンパンを介して揺動選別体に戻すようになっており、また脱穀選別処理後の籾屑類は、上記四番口開放部の後方に設置された排塵室で吸引ファンにより吸引して機体後方の排塵口から機外へ放出するようになっている。
【0003】しかしながら、上述のような比重選別作用および風選作用では、選別風路内の籾屑類が多量になると、吸引ファンの吸出し作用は広く開口している四番口開放部からの流れがほとんどとなり、該吸引ファンの排出能力が限界を越えると、多量の籾屑類が選別風路内に滞留することとなって脱穀粒と籾屑類との選別作用が低下する、という改善の余地を有するものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のような実状に鑑みこれを改善すべく創案されたものであって、その目的とするところは、吸引ファンの吸引作用に対する気密性を高めて、当該吸引ファンの吸出し能力を増加させ、揺動選別体の後部側における籾屑類のスムーズな流通、排出を確保することができるコンバインにおける排塵の風路構造を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】課題を解決するため、本発明が採用した技術的手段は、第一扱胴の後方に、その軸芯位置から機体進行方向の左右何れか一方に偏移して第二扱胴を配設し、かつ揺動選別体を、当該第一扱胴の後部を支持する後壁フレームと第二扱胴との間に形成される四番口開放部の下方に臨ませ、その後方に設けた排塵室の吸引ファンを介して排塵を機外に放出するように構成したコンバインにおいて、上記排塵室側に位置する四番口開放部の下縁を、その開放幅方向の略全幅に亘って下方に延出すると共に、前記揺動選別体の上面または後壁フレームに、上記四番口開放部の下縁を近接させたことを特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の実施例を添付した図面を参照して詳細に説明する。図1において、1は図示しないコンバインの走行機体上に搭載された扱室であって、該扱室1内には機体の進行前後方向に第一扱胴2が回転自在に軸架され、かつ当該第一扱胴2の後部側で機体進行方向の右方に偏移した位置に第二扱胴3が軸架されていると共に、上記各扱胴2、3の下方位置には、従来の鉄板製波板に代えて撥水性の高いウレタンゴム製波板を採用して水濡れした稲に対する選別性能と耐久性を向上させた揺動流板4、開度可変な複数のシーブ5、5…およびストローラック6等で構成される揺動選別体7が配設されている。
【0007】上記揺動選別体7の下方には、唐箕8、一番流板9、二番流板10からなる選別風路11が形成されており、受網12を介して漏下した籾を、揺動選別体7の前後揺動運動による比重選別作用と、選別風路11を吹き抜ける選別風による風選作用との協働で、一番物、二番物と籾屑等の夾雑物とに選別分離し、一番物は一番ラセン13aを設けた一番樋13に落下させて図示しない揚穀筒を介して籾タンクに回収し、二番物は二番ラセン14aを設けた二番樋14に落下させた後に図示しない二番還元筒を経て揺動選別体8上に還元して再選に供すると共に、籾屑類は排塵室15に設けた吸引ファン16により吸引して機体後方の排塵口17から機外へ放出するように構成されている。なお18a、18bは一番樋13および二番樋14の上方にそれぞれ位置して選別風路11内に設けた風切板、19はストローラック6の下方から選別風を送出するシロッコファンである。
【0008】また前記第一扱胴2の後部を支持する後壁フレーム2aと第二扱胴3との間には、排塵室15の上壁15aに連接されるロート状の四番口開放部20が形成されており、その下方に位置する揺動選別体7の上面に近接させて、上記四番口開放部20の排塵室15側に位置する下縁20aが開放幅方向の略全幅に亘って下方に延出されている。
【0009】一方、前記排塵室15に設けた吸引ファン16は、図3(a)〜(b)に示すように、回転軸22の外周方向に所定間隔を存して設けた鉄薄板からなる複数の回転羽根23、23‥‥を有して構成され、当該各回転羽根23,23の回転矢印方向に向く内面には合成樹脂製の薄板24がそれぞれ貼着されており、排塵の付着、堆積を抑制して吸引ファン16の排出回転作動の低下を防止するようになっている。
【0010】本発明は叙上の如く構成されているから、図示しないコンバインの機体走行により刈取作業を行ないながら第1扱胴2および第2扱胴3で脱穀作業を開始すると、これに連繋する揺動選別体7の前後揺動運動による比重選別作用が、選別風路11を吹き抜ける選別風による風選作用と協働して行われ、一番物は一番樋13から図示しない揚穀筒を介して籾タンクに回収されると共に、二番物は二番樋14から二番還元筒を経て揺動選別体7上に還元して再選作用が行われることになり、またこれらと同時に籾屑類は排塵室15から吸引ファン16を介して排塵口17から機外へ放出される。
【0011】上述のような揺動選別作業において、本発明では特に四番口開放部20の下縁20aを、揺動選別体7の上面に近接させて開口幅方向の略全幅に亘って延出したので、当該四番口開放部20の開口域が狭められて気密性が向上し、排塵室15への空気の流れが抑制されることにより、吸引ファン16による排塵の吸出し作用が強化されて、従来のように多量の籾屑類が選別風路11内に滞留することなく、脱穀粒と籾屑類との選別作用を速やかに進行させることができる。
【0012】また、同図に点線で示すように、四番口開放部20の排塵室15側に位置する下縁20aが、後壁フレーム2aに一体に設けた水平状フレーム2a´に近接するように配設しても同様の効果を得ることができる。
【0013】図4は、四番口開放部20の排塵室15側に位置する下縁20aに、その開放幅方向の略全幅に亘って弾性ゴム板からなる垂下板21を別途延設した構成を示すものであって、該垂下板21が近接する揺動選別体7´上のリターンパン22は、これを構成する漏下フィン22a、22a‥‥を、図5に示すように、下端縁を側面視L字状に折曲形成した従来構成の漏下フィン22b、22b‥‥に代えて平板状のフィン形状とし、リターンパン22を介したササリ粒の揺動選別体7´上への漏下を促進するようになっている。
【0014】
【発明の効果】これを要するに本発明は、第一扱胴の後方に、その軸芯位置から機体進行方向の左右何れか一方に偏移して第二扱胴を配設し、かつ揺動選別体を、当該第一扱胴の後部を支持する後壁フレームと第二扱胴との間に形成される四番口開放部の下方に臨ませ、その後方に設けた排塵室の吸引ファンを介して排塵を機外に放出するように構成したコンバインにおいて、上記排塵室側に位置する四番口開放部の下縁を、その開放幅方向の略全幅に亘って下方に延出すると共に、前記揺動選別体の上面または後壁フレームに、上記四番口開放部の下縁を近接させたから、四番口開放部から排塵室に至る選別風路内での排塵の充満および逆流作用を未然に防止して吸出し作用の気密性を向上させることができ、効率良く排塵を機外に放出することができる、という有用な新規的効果を奏するものである。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成10年12月2日(1998.12.2)
【代理人】 【識別番号】100066876
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 昭治
【公開番号】 特開2000−166372(P2000−166372A)
【公開日】 平成12年6月20日(2000.6.20)
【出願番号】 特願平10−358461