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【発明の名称】 コンバインの脱穀駆動構造
【発明者】 【氏名】浜田 健二

【要約】 【課題】脱穀系動力伝達路と選別系動力伝達路の修理やメンテナンスを極めて容易に行えるようにすること。

【解決手段】脱穀装置の一側方に原動機を配設すると共に、同脱穀装置の下部に選別部を配設し、脱穀装置と原動機との間に介設して脱穀装置に動力を伝達する脱穀系動力伝達路と、選別部に動力を伝達する選別系動力伝達路との間に選別系カウンター軸を介設すると共に、同選別系カウンター軸は、脱穀系動力伝達路と選別系動力伝達路とにそれぞれ略直交状態に配設した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 脱穀装置(3)の一側方に原動機(7)を配設すると共に、同脱穀装置(3)の下部に選別部(4)を配設し、脱穀装置(3)と原動機(7)との間に介設して脱穀装置(3)に動力を伝達する脱穀系動力伝達路(20)と、選別部(4)に動力を伝達する選別系動力伝達路(22)との間に選別系カウンター軸(21)を介設すると共に、同選別系カウンター軸(21)は、脱穀系動力伝達路(20)と選別系動力伝達路(22)とにそれぞれ略直交状態に配設したことを特徴とするコンバインの脱穀駆動構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンバインにおいて、脱穀系動力伝達路と選別系動力伝達路のメンテナンスを容易に行うことができる、コンバインの脱穀駆動構造に関する。
【0002】
【従来の技術】図6に、従来におけるコンバインBの脱穀駆動構造を示す。
【0003】図示するように、コンバインBは、脱穀装置100 の右側に、前後方向に、それぞれ原動機101 とグレンタンク102 とを配設している。
【0004】また、脱穀装置100 の下部には選別部103 が配設されている。
【0005】一方、脱穀装置100 は、その下方に、最終駆動系路として、扱胴104 を回転するための扱胴駆動軸105 を具備するとともに、選別部103 は、最終駆動系路として、唐箕106 を回転するための唐箕駆動軸107 、一番揚穀オーガ108 を回転するための一番揚穀オーガ駆動軸109 、二番揚穀オーガ110 を回転するための二番揚穀オーガ駆動軸111 、揺動盤112 を揺動するための揺動盤駆動軸113 等を具備している。
【0006】さらに、原動機101 から扱胴駆動軸105 へ動力を伝達する脱穀系動力伝達路114 と、唐箕駆動軸107 等へ動力を伝達するための選別系動力伝達路115 とを、脱穀装置100 と、原動機101 及びグレンタンク102 との間に形成した空間S内に一体的に配設している。
【0007】かかる構成によって、原動機101 から、それぞれ、脱穀系動力伝達路114 と選別系動力伝達路115 を介して、脱穀装置100 と選別部103 に動力を伝達して、脱穀作業と選別作業を行わせることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したコンバインBの脱穀駆動構造は、未だ、以下の課題を有していた。
【0009】即ち、上述したように、それぞれ、多数のプーリー群とベルト群とからなる脱穀系動力伝達路114 と選別系動力伝達路115 とを、ともに、脱穀装置100 と、原動機101 及びグレンタンク102 との間に形成した狭隘な空間内に配設しているので、ベルト切れ等の事故が発生した場合、ベルトの脱着作業等のメンテナンスが困難であった。
【0010】本発明は、上記した課題を解決することができるコンバインの脱穀駆動構造を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、脱穀装置の一側方に原動機を配設すると共に、同脱穀装置の下部に選別部を配設し、脱穀装置と原動機との間に介設して脱穀装置に動力を伝達する脱穀系動力伝達路と、選別部に動力を伝達する選別系動力伝達路との間に選別系カウンター軸を介設すると共に、同選別系カウンター軸は、脱穀系動力伝達路と選別系動力伝達路とにそれぞれ略直交状態に配設したことを特徴とするコンバインの脱穀駆動構造に係るものである。
【0012】
【実施例】以下、添付図に示す実施例に基づいて、本発明を詳説する。
【0013】図1及び図2に、本発明が適用可能なコンバインの一形態として汎用コンバインAの全体構成を示しており、クローラ2により走行する如くした機体1は、その上部に、脱穀装置3と選別部4とを設けると共に、その前方に刈取装置5を油圧昇降装置6を介して昇降可能に支持する一方、前記脱穀装置3の右側方の前部に原動機7を並設しており、同原動機7の直後方にはグレンタンク8が配設されている。
【0014】上記構成において、脱穀装置3は、本実施例では、図1〜図4に示すように、実質的に、扱胴9から形成されている。一方、脱穀装置3の下部に配設した選別部4は、図1〜図4に示すように、唐箕10と、一番揚穀コンベア11と、二番揚穀コンベア12と、揺動選別盤13とから形成されている。
【0015】また、上記した構成において、図3に示すように、扱胴9は扱胴駆動軸9aを具備しており、一方、唐箕10と、一番揚穀コンベア11と、二番揚穀コンベア12と、揺動選別盤13とは、それぞれ、唐箕駆動軸10a と、一番揚穀コンベア駆動軸11aと、二番揚穀コンベア駆動軸12a と、揺動選別盤駆動軸13a とを具備する。
【0016】なお、図1において、刈取装置5は、未刈穀稈を取入れる穀物ヘッダー14と、同穀物ヘッダー14間に取付ける往復駆動形刈刃15と、穀稈掻込ドラム16及び前記穀物ヘッダー14に連結され、前記刈刃15で刈り取った穀稈を脱穀装置3に搬送するコンベヤ17をもつ搬送部18並びに前記穀物ヘッダー14に支持される穀物掻込リール19とからなる。
【0017】本発明は、上記した構成において、原動機7をグレンタンク8の前方に配置したこと、及び、以下に説明するように、汎用コンバインAの脱穀駆動構造Cを、メンテナンスを容易に行えるレイアウトとしたことを特徴とする。
【0018】即ち、図1及び図に示すように、重量物である原動機7はグレンタンク8の直前方に配置されており、かかる構成によって、汎用コンバインAの全体重量のバランスを取ることができ、安定した走行及び転倒事故防止を図ることができる。
【0019】また、図3に示すように、本発明は、実質的に、脱穀装置3の右側面と、原動機7及びグレンタンク8の左側面との間に脱穀系動力伝達路20を介設し、同脱穀系動力伝達路20によって原動機7から脱穀装置3の扱胴駆動軸9aに動力を伝達可能とし、かつ、脱穀装置3の後部において、同脱穀系動力伝達路20の後部と脱穀装置3の左側面に配設した選別系動力伝達路22の後部との間に選別系カウンター軸21を介設すると共に、同選別系カウンター軸21は脱穀系動力伝達路20と選別系動力伝達路22とにそれぞれ略直交状態に配設して、原動機7から、脱穀系動力伝達路20→選別系カウンター軸21→選別系動力伝達路22を介して、脱穀装置3の下部に配置した選別部4の各駆動軸10a,11a,12a,13a に動力を伝達可能としたことを特徴とする。
【0020】以下、図3を参照して、上記した構成をさらに具体的に説明する。
【0021】図示するように、原動機7の出力軸7aには、第1動力伝達軸23がカップリング23a によって連動連結されている。
【0022】この第1動力伝達軸23の先端にはプーリー24が固着されており、同プーリー24は、以下の構成からなる脱穀系動力伝達路20を介して、扱胴駆動軸9aに連動連結している。
【0023】即ち、プーリー24は脱穀クラッチ25を介して脱穀系カウンター軸26の一端に固着したプーリー27に伝動ベルト28によって連結されている。脱穀系カウンター軸26の他端にはベベル歯車29が固着されており、同ベベル歯車29は、脱穀系カウンター軸26を直交し脱穀装置3の後方に伸延する動力伝達軸3 0の前端に固着したベベル歯車31と噛合している。そして、同動力伝達軸30の後端に固着したプーリー32は、伝動ベルト33を介して変速機構の一部を形成する動力伝達軸34の一端に固着したプーリー35に連結されている。一方、動力伝達軸34の他端側には軸方向に摺動噛み合わせ自在に一対の減速・増速用歯車36,37 が取付けられており、これらの歯車36,37 は、選択的に、扱胴駆動軸9aの後端に固着した歯車38,39 と噛合することができる。
【0024】かかる脱穀系動力伝達路20を介して、原動機7から最小距離で動力を扱胴9に伝達することができる。
【0025】次に、脱穀系カウンター軸26及び脱穀系動力伝達路22について説明すると、脱穀系カウンター軸26は、その外部延長部に、プーリー27と同軸をなすプーリー40を固着しており、同プーリー40は、脱穀装置3の後部に配設した長尺の選別系カウンター軸21の右端に固着したプーリー41と、伝動ベルト41a によって連結されている。
【0026】一方、選別系カウンター軸21の左端にはプーリー42を固着しており、同プーリー42は、揺動選別盤駆動軸13a の一端であって、脱穀装置3の左側面側に取出した部分に固着したプーリー43と、伝動ベルト44によって連結している。
【0027】さらに、揺動選別盤駆動軸13a の一端には、プーリー43と同軸的にプーリー45が固着されており、同プーリー45は、それぞれ、二番揚穀コンベア駆動軸12a,一番揚穀コンベア駆動軸11a の一端であって、脱穀装置3の左側面側に取り出した部分に固着したプーリー46,47 及びテンションプーリー48に、伝動ベルト45a によって連結されている。
【0028】さらに、テンションプーリー48を固着した動力伝達軸49には、同プーリー48を同軸をなすプーリー50が固着されており、同プーリー50は、唐箕駆動軸10a の一端であって、脱穀装置3の左側面側に取り出した部分に固着したプーリー51と伝動ベルト52によって連結されている。
【0029】かかる構成によって、脱穀系動力伝達路20→選別系カウンター軸21→選別系動力伝達路22を介して、選別部4の各駆動軸10a,11a,12a,13a に動力を伝達することができる。
【0030】また、本発明では、図2及び図3からも明らかなように、グレンタンク8は、旋回軸60を中心として横方向に旋回することができ、脱穀系動力伝達路20を外部に露出することができる。従って、伝動ベルト28が切れた場合等、脱穀系動力伝達路20に故障が生じた場合、速やかに修理を行うことができ、メンテナンスを容易に行うことができる。
【0031】更に、本発明では、上述したように、脱穀系動力伝達路20と選別系動力伝達路22とは同一個所ではなく、脱穀装置3の左右側面にそって、それぞれ、別個独立に並設されているので、伝動ベルトやプーリーの配置を整然としたものとすることができ、この面からも脱穀系動力伝達路20のメンテナンスを極めて容易に行うことができるとともに、選別系動力伝達路22のメンテナンスも極めて容易に行うことができる。
【0032】なお、図示の実施例におけるその他の構成上の特徴について、以下、具体的に説明する。
【0033】まず、図3に示すように、原動機7から取り出した第1動力伝達軸23には、プーリー24と同軸的にプーリー53が固着されており、同プーリー53は、HSTポンプ54の入力軸55に固着したプーリー56と、伝動ベルト57によって連結されている。
【0034】かかる構成によって、原動機7の動力によって、HSTポンプ54も作動することができる。
【0035】次に、図4に示すように、クローラ2は、クローラフレーム69に突設した枢軸70周りに揺動自在な揺動プレート71と、同揺動プレート71の両端に回動自在に取付けた転動輪72,73 とからなるイコライザーDを具備する。
【0036】しかして、本実施例では、イコライザーDによるクローラ2の接地性をさらに良好なものとするため、枢軸70に揺動アーム74の基端を枢支するとともに、その他端に、上記した転動輪72,73 間で、クローラ2に当接可能な補助転動ローラ75を回動自在に枢支し、さらに、揺動プレート71と揺動アーム74との間に、圧縮コイルばね76等の付勢手段を介設している。
【0037】かかる構成によって、畦畔越え及びトラックの積み降ろし時の機体1の動きをスムースなものとすることができる。また、補助転動ローラ75が中転動輪として働くので、クローラ2の脱落を確実に防止することができる。
【0038】さらに、本発明では、図5に示す模式図において、原動機7における各種冷却装置の配置を、排熱エネルギーの大きいものがより下方に位置する順序で配置している。
【0039】即ち、一番排熱エネルギーの大きい原動機7が一番下方に位置しており、次に、二番目に排熱エネルギーが大きいラジエータ80がその上方に位置し、さらに、三番目に排熱エネルギーが大きいHSTオイルクーラー81及びインタークーラー82が位置している。
【0040】従って、排熱による空気の流れが下から上に向けて形成できるため、熱溜まりがなく、これら装置の冷却効率を向上することができる。また、外気に接する表面積を大きく取れるため、冷却性能が高まる。さらに、ラジエータ80と、オイルクーラ81又はインタークーラー82に独立のファンを設けることにより、風速を低く抑えることができ、防塵網への塵の付着を減少することができる。
【0041】また、本実施例では、図1に示すように、扱胴9は、その周面にスパイラ90を、ピッチを二重にして巻きつけた、いわゆる二重巻構造を具備しており、従って、扱胴9での穀稈の処理速度を高めることができ、ひいては、脱穀処理能力を高めることができる。
【0042】さらに、本実施例では、図1及び図2に示すように、原動機7の前方に運転キャビン91を配設し、同運転キャビン91を、機体1の前部に立設した原動機支持枠92に、原動機7とともに、一体的に固定支持している。従って、運転キャビン91専用の支持構造を別途設ける必要がなく、汎用コンバインAの全体構造の簡素化を図ることができる。
【0043】
【効果】以上に述べてきたように、本発明では、コンバインの脱穀駆動構造を、脱穀装置の一側方に原動機を配設すると共に、同脱穀装置の下部に選別部を配設し、脱穀装置と原動機との間に介設して脱穀装置に動力を伝達する脱穀系動力伝達路と、選別部に動力を伝達する選別系動力伝達路との間に選別系カウンター軸を介設すると共に、同選別系カウンター軸は、脱穀系動力伝達路と選別系動力伝達路とにそれぞれ略直交状態に配設した構成としている。
【0044】このようにして、本発明では、脱穀系動力伝達路と選別系動力伝達路とを同一個所ではなく、脱穀装置の左右側面にそって別個独立に並設すると共に、両動力伝達路にそれぞれ略直交状態に配設した選別系カウンター軸により連動連結しているため、両動力伝達路間に所要の間隔を保持して、各動力伝達路における伝動ベルトやプーリーの配置を整然としたものとすることができ、その結果、各動力伝達路の修理やメンテナンスを極めて容易に行えるようにすることができる。
【0045】しかも、脱穀系動力伝達路と選別系動力伝達路との間に略直交状態に配設した選別系カウンター軸により、脱穀系動力伝達路から選別系動力伝達路への動力伝達性能を良好に確保することができる。
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【出願日】 平成5年2月26日(1993.2.26)
【代理人】 【識別番号】100080160
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 憲一郎
【公開番号】 特開2000−157037(P2000−157037A)
【公開日】 平成12年6月13日(2000.6.13)
【出願番号】 特願2000−21922(P2000−21922)