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【発明の名称】 コンバイン
【発明者】 【氏名】渡部 高広

【要約】 【課題】排稈搬送装置に設けられる挟扼レールの両側部に、屑溜りを防止するゴム板状のレールカバーを垂下状に設けたものにおいて、レールカバーの始端部が排稈との接触で捲れる不都合を解消する。

【解決手段】排稈フィードチェン11との間で排稈を挟持する挟扼レール13の両側部に、ゴム板状のレールカバー25を垂下状に設けて挟扼レール13の下部に藁屑やささり粒が溜まる不都合を防止するにあたり、前記レールカバー25の始端部に、捲れ防止用の折曲部25aを形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 脱穀搬送装置の終端部まで搬送された脱穀済みの排稈を、上下に並列する排稈フィードチェンと挟扼レールとの間で挟持搬送する排稈搬送装置を備えたコンバインにおいて、前記挟扼レールの両側部に、ゴム板状のレールカバーを垂下状に設けて挟扼レール下部の屑溜りを防止するにあたり、前記レールカバーの始端部に、捲れ防止用の折曲部を形成したことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】 請求項1において、挟扼レールの両側部からゴム板状のレールカバーを裾広がり状に垂下させて挟扼レール下部の屑溜りを防止するにあたり、前記挟扼レールの両側部に、挟扼レールの始端部で折曲させた一枚のレールカバーを固定すると共に、前記折曲部の下側に、レールカバーの裾広がりを許容するスリットを形成したことを特徴とするコンバイン。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排稈フィードチェンと挟扼レールとの間で排稈を挟持搬送する排稈搬送装置を備えたコンバインの技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種コンバインは、脱穀搬送装置の終端部まで搬送された脱穀済みの排稈を、上下に並列する排稈フィードチェンと挟扼レールとの間で挟持搬送する排稈搬送装置を備えている。しかるに、排稈搬送経路においては、藁屑が発生すると共に、これが挟扼レールの下部に溜まるため、清掃作業が煩雑になる不都合があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、前記挟扼レールの両側部に、ゴム板状のレールカバーを垂下状に設けて挟扼レール下部の屑溜りを防止することが提案されているが、従来のレールカバーは、排稈との接触で始端部が捲れてしまうため、挟扼レールの基端側下部には依然として藁屑が溜まる不都合があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、脱穀搬送装置の終端部まで搬送された脱穀済みの排稈を、上下に並列する排稈フィードチェンと挟扼レールとの間で挟持搬送する排稈搬送装置を備えたコンバインにおいて、前記挟扼レールの両側部に、ゴム板状のレールカバーを垂下状に設けて挟扼レール下部の屑溜りを防止するにあたり、前記レールカバーの始端部に、捲れ防止用の折曲部を形成したことを特徴とするものである。つまり、レールカバーの始端部は、折曲部によって曲げ強度が増すため、排稈と接触しても捲れ難くなり、その結果、挟扼レール下部の屑溜りを防止して清掃作業を容易にすることができる。また、挟扼レールの両側部からゴム板状のレールカバーを裾広がり状に垂下させて挟扼レール下部の屑溜りを防止するにあたり、前記挟扼レールの両側部に、挟扼レールの始端部で折曲させた一枚のレールカバーを固定すると共に、前記折曲部の下側に、レールカバーの裾広がりを許容するスリットを形成したことを特徴とするものである。つまり、一枚のレールカバーで挟扼レールの両側部をカバーするため、部品点数を削減することができ、しかも、折曲部の下側には、スリットが形成されているため、レールカバーを従来と同様に裾広がり状に取り付けることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】次に、本発明の第一の実施形態を図面に基づいて説明する。図面において、1はコンバインであって、該コンバイン1は、茎稈を刈取る前処理部2、刈り取った茎稈から穀粒を脱穀し、かつ穀粒を選別する脱穀部3、選別済みの穀粒を貯溜する穀粒タンク4、脱穀済みの排稈を排出処理する後処理部5、左右一対のクローラ走行体を備える走行部6、各種の操作具が配置される操作部7等で構成されているが、これらの基本構成は何れも従来通りである。
【0006】8は前記脱穀部3の側面に沿って配設される脱穀フィードチェン(脱穀搬送装置)であって、該脱穀フィードチェン8は、前処理部2の終端部まで搬送された茎稈を受け継ぐと共に、受け継いだ茎稈を、上方に並設される挟扼レール(図示せず)との間で挟持しながら後方に搬送するようになっている。そして、脱穀フィードチェン8で搬送される茎稈の穂先側は、扱胴(図示せず)が内装される扱室(図示せず)内を通過するため、扱胴の回転脱穀作用を受けて穀粒が脱穀されるようになっている。
【0007】9は前記脱穀部3の後部に平面視傾斜状に配設される排稈搬送装置であって、該排稈搬送装置9は、上方に退避揺動可能な排稈搬送フレーム10に、排稈の株元側を搬送する排稈フィードチェン11と、排稈の穂先側を搬送する穂先搬送チェン(爪付きチェン)12とを並列状に組付けて構成されている。つまり、排稈フィードチェン11は、脱穀フィードチェン8の終端部まで搬送された排稈を受け継ぐと共に、受け継いだ排稈の株元側を、下方に並設される挟扼レール13との間で挟持しながら後方の後処理部5に向けて搬送する一方、穂先搬送チェン12は、脱穀フィードチェン8から受け継いだ排稈の穂先側を搬送するが、排稈に含まれるささり粒は、穂先搬送チェン12の叩き作用を受けて落下し、後述する四番口Aを介して脱穀部3の選別室に回収されるようになっている。尚、14は脱穀部3から取出した動力で排稈フィードチェン11の始端側を駆動させる駆動スプロケット、15は排稈フィードチェン11の終端側が懸回される従動スプロケット、16は排稈フィードチェン11の中間部に噛合して穂先搬送チェン12の動力を取り出す中間スプロケット、17は中間スプロケット16が取出した動力で穂先搬送チェン12の終端側を駆動させる駆動プーリ、18は穂先搬送チェン12の始端側が懸回される従動プーリである。
【0008】前記挟扼レール13は、断面逆U字状に形成されたレール本体13aと、該レール本体13aの始端側傾斜部に一体的に溶着される入口ガイドプレート13bと、レール本体13aの終端側内周部に一体的に溶着されるガイドパイプ13cと、該ガイドパイプ13cに出没自在に挿通される切換えレール13dとで構成されるが、前記レール本体13aは、脱穀部3の後部上方を覆う後部カバー19に、複数のロッド20を介して上下動自在に支持されると共に、複数のコイルバネ21によって排稈フィードチェン11に向けて付勢されている。
【0009】前記後部カバー19は、ささり粒を四番口Aにガイドする傾斜部19aを有すると共に、該傾斜部19aと平坦部19bとの間に形成される凹部19cで前記挟扼レール13を支持しており、そのため、排稈搬送過程で後部カバー19上に落下する藁屑やささり粒は、挟扼レール13の下部(凹部19c)に溜まる可能性がある。
【0010】22は前記レール本体13aの両側部に垂下状に設けられる一対のレールカバー(ゴム板部材)であって、該レールカバー22は、レール本体13aの側部から前記傾斜部19aもしくは平坦部19bまで裾広がり状に垂下して挟扼レール13の下部(凹部19c)を覆い、それによって前述した藁屑やささり粒の溜りを防止するようになっている。
【0011】23、24は前記レール本体13aの側部にレールカバー22を固定するための押え板であって、該押え板23、24のうち、平板状に形成される第一押え板23は、レールカバー22の終端側をレール本体13aに固定するものであるが、L字状に折曲形成される第二押え板24は、レールカバー22の始端部を内側方に折曲させた状態でレール本体13aに固定するようになっている。つまり、レールカバー22の始端部に、折曲部22aを形成してレールカバー22の曲げ強度を高めているため、排稈と接触してもレールカバー22が捲れ難くなり、その結果、レールカバー22の捲れによって挟扼レール13の下部に藁屑やささり粒が溜まる不都合を解消することができるようになっている。尚、本実施形態では、第二押え板24の押え力でレールカバー22の始端部に折曲部22aを形成しているが、レールカバー22の始端部に折曲部22aを予め加工することも可能である。
【0012】叙述の如く構成されたものにおいて、脱穀フィードチェン8の終端部まで搬送された脱穀済みの排稈を、上下に並列する排稈フィードチェン11と挟扼レール13との間で挟持搬送すると共に、前記挟扼レール13の両側部に、ゴム板状のレールカバー22を垂下状に設けて挟扼レール13の下部に藁屑やささり粒が溜まる不都合を防止するにあたり、前記レールカバー22の始端部に、曲げ強度を高める折曲部22aを形成したため、排稈と接触してもレールカバー22が捲れ難くなる。従って、レールカバー22の捲れによって挟扼レール13の下部に藁屑やささり粒が溜まる不都合を解消することができ、その結果、清掃作業が容易になる許りでなく、ささり粒の溜りによる穀粒損失を防止することができる。
【0013】また、本実施形態では、第二押え板24の押え力でレールカバー22の始端部に折曲部22aを形成しているため、レールカバー22の始端部に折曲部22aを予め加工する必要がなく、その結果、レールカバー22のコストアップを回避することができる。
【0014】次に、本発明の第二の実施形態を図面に基づいて説明する。但し、第一実施形態と共通する構成については、第一実施形態の図面、符号および詳細な説明を援用する。さて、図面において、25は第二実施形態のレールカバーであって、該レールカバー25は、一対のレールカバー22でレール本体13aの両側部を覆う第一実施形態とは異なり、一枚のゴム板部材でレール本体13aの両側部を覆うように形成されている。つまり、レール本体13aの両側部に、レール本体13aの始端部で折り返した一枚のレールカバー25を固定しているため、一対のレールカバー22を用いていた第一実施形態に比して部品点数を削減することができ、しかも、レールカバー25の始端部には、曲げ強度を高める折曲部25aが形成されるため、排稈との接触によるレールカバー25の捲れを防止することができる。
【0015】さらに、25bはレールカバー25の始端部(折曲部25a)に形成されるスリットであって、該スリット25bは、折曲部25aの下側が裾広がり状に弾性変形することを許容しており、そのため、一枚のレールカバー25を折返し状に取付けてレール本体13aの両側部を覆うものでありながら、第一実施形態のレールカバー22と同等のカバー性能および組付性を具備することができる。
【0016】叙述の如く構成されたものにおいて、脱穀フィードチェン8の終端部まで搬送された脱穀済みの排稈を、上下に並列する排稈フィードチェン11と挟扼レール13との間で挟持搬送すると共に、前記挟扼レール13の両側部に、ゴム板状のレールカバー25を垂下状に設けて挟扼レール13の下部に藁屑やささり粒が溜まる不都合を防止するにあたり、前記レールカバー25の始端部に、曲げ強度を高める折曲部25aを形成したため、排稈と接触してもレールカバー25が捲れ難くなる。従って、レールカバー25の捲れによって挟扼レール13の下部に藁屑やささり粒が溜まる不都合を解消することができ、その結果、清掃作業が容易になる許りでなく、ささり粒の溜りによる穀粒損失を防止することができる。
【0017】また、第二実施形態では、挟扼レール13の両側部に、挟扼レール13の始端部で折曲させた一枚のレールカバー25を固定すると共に、折曲部25aの下側に、レールカバー25の裾広がりを許容するスリット25bを形成したため、一対のレールカバー22で挟扼レール13の両側部をカバーしていた従来に比して部品点数を削減することができ、しかも、折曲部25aの下側には、スリット25bが形成されているため、レールカバー25を従来と同様に裾広がり状に取り付けることができる。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成10年9月3日(1998.9.3)
【代理人】 【識別番号】100085394
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 哲夫
【公開番号】 特開2000−69843(P2000−69843A)
【公開日】 平成12年3月7日(2000.3.7)
【出願番号】 特願平10−249901