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【発明の名称】 穀粒排出装置の排出口カバー構造
【発明者】 【氏名】大本 啓一

【要約】 【課題】穀粒や塵埃等の側方への漏出を防止しながら、また、穀粒の詰り等を生じないで穀粒の排出を良好に行なうことができる穀粒排出装置の排出口カバー構造を提供する。

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 穀粒タンク7等に収容された穀粒を、オーガ筒8を介してその先端部に形成された排出口80から排出するように構成された穀粒排出装置2において、前記排出口80の周囲を可撓性を有する板状のカバー体9で覆うとともに、該カバー体9に縦方向に重なり合って側方に向けて拡開可能な重接部9aを形成してなる穀粒排出装置の排出口カバー構造。
【請求項2】 カバー体9を穀粒の排出方向下手側と上手側において平面視コ字状の下手側カバー90と上手側カバー91とに分割形成するとともに、下手側カバー90を上手側カバー91の内側に設けて重接部9aを形成した請求項1記載の穀粒排出装置の排出口カバー構造。
【請求項3】 カバー体9を1枚板状に形成するとともに、その両端を重ね合せて重接部9aを形成する請求項1記載の穀粒排出装置の排出口カバー構造。
【請求項4】 カバー体9を両端を突合せて排出口80の略全周を囲繞する全周カバー95と、該全周カバー95の突合部96を外側から覆って重接部9aを形成する外側カバー97とで構成する請求項1記載の穀粒排出装置の排出口カバー構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンバインやハーベスタ等の排出装置に利用可能な排出口カバーの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、穀粒タンク付のコンバインは格納姿勢と穀粒排出作業姿勢とに切換可能なオーガ筒を有する穀粒排出装置を備えている。そして、このオーガ筒の先端に形成された排出口には、透明プラスチック材からなる可撓性の排出カバーを吊下げて囲繞することにより、穀粒の排出を誘導案内するとともに、排出口内への器物や手指の侵入を防止するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような従来の構成による排出口カバーは、外周が閉塞された筒状に形成したので穀粒排出作業時に側方への穀粒や塵埃の漏出等がないが、穀粒の排出充填に伴って排出口カバーの開口端が排出穀粒で閉鎖される満杯充填状態になると、排出口に穀粒詰りが生ずる等のトラブルを伴なう欠点があり、更に、従来の排出口カバーでは排出口を充分に覆うことができない等の問題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記従来技術の問題点を解決するためになされたものであって、穀粒タンク7等に収容された穀粒を、オーガ筒8を介してその先端部に形成された排出口80から排出するように構成された穀粒排出装置2において、前記排出口80の周囲を可撓性を有する板状のカバー体9で覆うとともに、該カバー体9に縦方向に重なり合って側方に向けて拡開可能な重接部9aを形成している。
【0005】また、カバー体9を穀粒の排出方向下手側と上手側において平面視コ字状の下手側カバー90と上手側カバー91とに分割形成し、下手側カバー90を上手側カバー91の内側に設けて重接部9aを形成させている。そして、カバー体9を1枚板状に形成するとともに、その両端を重ね合せて重接部9aを形成するようにしている。
【0006】また、カバー体9を両端を突合せて排出口80の略全周を囲繞する全周カバー95と、該全周カバー95の突合部96を外側から覆って重接部9aを形成する外側カバー97とで構成するようにしている。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の穀粒排出装置の排出口カバー構造の実施の形態につき説明する。図1に示す1は本発明に係る穀粒排出装置2の排出口カバー構造3を備えたコンバインであり、このコンバイン1は走行装置1aを有する機台1bの前部に刈取部4を設け、その後部に脱穀部5を搭載し、この脱穀部5の側方に操縦部6と上記穀粒排出装置2を後部に備えた穀粒タンク(グレンタンク)7とを設け、刈取部4で刈取った穀稈を脱穀部5で脱穀し、脱穀された穀粒を穀粒タンク7内に一旦収容したのち、その満杯時において上記穀粒排出装置2を介して機外に待機しているトラック(図示せず)等の荷台に排出するように構成している。
【0008】そして、上記穀粒排出装置2は刈取作業時(通常時)には同図に示ように格納姿勢に姿勢維持し、穀粒排出作業時には上下傾動及び旋回回動操作可能に設けられて、排出姿勢に動作する、オーガ螺旋8b(図3)を内装したオーガ筒(穀粒排出筒)8を備えている。そしてこのオーガ筒8の先端に形成されている排出口80には前記排出口カバー構造3を設けて穀粒の詰り等を生じさせることなく、且つ排出口80内への器物の侵入や手の侵入を適切に防止することができるようにしている。
【0009】以下、この排出口80について図2〜図6を参照して説明する。先ず、図2を参照して本発明の第1実施形態に係る排出口カバー構造3について説明する。この排出口カバー構造3は、オーガ筒8の先端部に下向きに延設した断面四角形状の口筒81によって形成される排出口80の周囲を可撓性を持った板状のカバー体9で覆っている。
【0010】そしてこのカバー体9をオーガ筒8の穀粒の排出方向下手側と上手側において平面視コ字状に分割形成した下手側カバー90と上手側カバー91とで形成し、上記下手側カバー90側の両側片90a,90aが上手側カバー91側の両側片91a,91aの内側に位置させて縦方向に重ねた重接部9aを形成している。そしてこの重接部9aは図3に示すように、その重接部9aの幅をオーガ筒8の排出姿勢において前記荷台上に穀粒が排出されて満杯状になった際に、穀粒の充填圧によって両カバー90、91が前後方に拡開されても、穀粒を側方から漏出させることのないように重ねている。なお、下手側カバー90と上手側カバー91を口筒81の下端部に取付部材92で取付けている。
【0011】以上のように構成した排出口カバー構造3は、オーガ筒8の排出姿勢においてオーガ螺旋8bが回転して排出口80から穀粒を排出する際に、下手側カバー90と上手側カバー91はそれ自体の弾力で充分な重接幅を有してが重接しているので、重接部9aの重接した隙間から穀粒や塵埃等を側方に向けて吹き出させたり漏出させることなく、穀粒を下方に向けて良好に排出することができるものである。
【0012】また、図3で示したように排出満杯時には、下手側カバー90と上手側カバー91はそれ自体の可撓性によりオーガ筒8による穀粒の排出移送方向(前後方向)に下部側が互いに拡開する。従って、穀粒を排出口80部分で詰らせたりすることなく、前後方向側に向けて円滑に拡開させることができるとともに、この際にも重接部9aは両カバー90、91の重り部に大きな隙間を生じさせないので穀粒の排出を良好に行なうことができ、両カバー90、91で形成されたカバー体9から手指等の侵入を適切に防止することができる等の特徴がある。従ってカバー体9を長く形成しても穀粒の排出を詰りなく良好に行なうことができる等の利点がある。
【0013】なお、両カバー90、91は図2(B)に示すように重接させる他、図4に示すように排出口80から排出される穀粒の排出方向が矢印Aのような曲流になる場合には、この穀粒の曲流に対向する側の側片90aを外側にして側片91aと重ねて重接部9aを形成すると、側片90aと91aとの間への穀粒や塵埃の入り込みを的確に防止することができるものである。
【0014】次に、図5において排出口カバー構造3の第2実施形態について説明する。このカバー体9は口筒81を1周以上巻付ける長さの1枚板状に形成したもので、「の字形」に曲げてその両端を内外に重ねて形成する重接部9aを、この排出方向下手側(前側)に位置させるとともに、前述のような穀粒の曲流(排出方向)Aに対しカバー体9の端部を対向させないように重ねている。
【0015】この構造によると1枚のカバー体9で排出口カバー構造3を簡単に構成にすることができるとともに、第1実施形態のものと同様に穀粒の排出を良好に行なうことができる。次に図6に示す第3実施形態の排出口カバー構造3について説明する。この排出口カバー構造3は口筒81をほぼ1周囲繞する全周カバー95と、その両端で縦方向に形成される突合部96を外側から充分な重接部9aを有して覆う外側カバー97で構成しており、上記両者で形成される重接部9aを第2実施形態のものと同様に前側に位置させている。
【0016】この構造によると、上記の排出満杯時に穀粒充填圧で突合部96を容易に拡開することができるとともに、これによって形成される隙間を外側カバー97で穀粒の排出を防げることなく適切に覆いながら穀粒排出を良好に行なうことができる等の利点がある。なお、この場合、穀粒の排出方向の曲流Aが図6(C)に示す方向であるようなときは、曲流Aの下手側方向の外側カバー97端を突合部96から内側に向けて挿入して重接部9aを形成すると、突合部96と外側カバー97間への穀粒等の入り込みを的確に防止することができるものである。
【0017】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明による穀粒排出装置の排出口カバー構造によれば、オーガ筒8の排出口80から穀粒を排出するとき、重接部9aから穀粒や塵埃等を漏出したり吹き出させたりすることなく良好に排出することができる。
【0018】また、排出満杯時においてカバー体9の可撓性を利用して重接部9aから穀粒の充填圧によって適切に拡開させることができるので、排出口80部における詰り等を生じさせることなく穀粒の排出作業を良好に行なうことができる。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成10年8月5日(1998.8.5)
【代理人】 【識別番号】100066865
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 信一 (外2名)
【公開番号】 特開2000−50725(P2000−50725A)
【公開日】 平成12年2月22日(2000.2.22)
【出願番号】 特願平10−221226