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【発明の名称】 普通形コンバイン
【発明者】 【氏名】中 村 正 美

【氏名】上 窪 啓 太

【氏名】正 野 潤 一

【氏名】梶 原 康 一

【氏名】宮 本 宗 徳

【氏名】衛 藤 哲 郎

【氏名】関 和 雄

【要約】 【課題】進行方向に対し直交する2つのスクリュ形扱胴を備えた普通形コンバインにおける脱穀性能を向上させる。

【解決手段】進行方向に対し直交する2つのスクリュ形第1及び第2扱胴(5)(6)を備えた普通形コンバインにおいて、第1扱胴(5)外周の螺旋羽根(87)のピッチ(P1)より第2扱胴(6)外周の螺旋羽根(88)のピッチ(P2)を大とさせる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 進行方向に対し直交する2つのスクリュ形第1及び第2扱胴を備えた普通形コンバインにおいて、第1扱胴外周の螺旋羽根のピッチより第2扱胴外周の螺旋羽根のピッチを大とさせたことを特徴とする普通形コンバイン。
【請求項2】 第1及び第2扱胴の螺旋羽根に扱歯を略等間隔に固設すると共に、扱歯の作用側の逃げ角を第1扱胴より第2扱胴側を大とさせたことを特徴とする請求項1記載の普通形コンバイン。
【請求項3】 進行方向に対し直交させるスクリュ形扱胴を備えた普通形コンバインにおいて、扱胴の扱室上方に配設する略同一形状の送塵弁を、扱室入口側とそれ以外とでは別操作で弁角度調節可能に設けたことを特徴とする普通形コンバイン。
【請求項4】 進行方向に対し直交させるスクリュ形第1及び第2扱胴を備えた普通形コンバインにおいて、第1及び第2扱胴の扱室上方に各別に送塵弁を配設させ、第1及び第2扱胴側の何れか一方の送塵弁に弁角度調節用レバーを設け、第1及び第2扱胴側の送塵弁間を連結部材で連動連結させると共に、送塵弁の弁開度を第1扱胴より第2扱胴側に大とさせたことを特徴とする普通形コンバイン。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】刈取部で刈取った稲、麦、豆類など穀物をフィーダハウスを介し脱穀部に全量投入して脱穀処理する普通形コンバインに関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】進行方向に対し直交する扱胴軸を有するスクリュ形扱胴を前後に2つ並設する脱穀構造において、スクリュにより扱胴の軸芯方向に穀物の横送り中に脱穀を行う手段にあっては、スクリュである螺旋羽根のピッチが小さいと滞留時間が長くなって長時間扱ぎ作業が行われるが、ピッチが小さくなる分作業能率が悪くなったり、扱ぎ残しや刺り粒が増大するなどの不都合がある。
【0003】また、螺旋羽根に設ける扱歯作用側の逃げ角を小とさせる程穀物に対する扱歯の引掛け度合を大とさせて、脱穀機能を向上させるか、穀稈が離れ難い状態となって稈の持ち回りなど発生する不都合があった。
【0004】さらに、扱室上方に設ける送塵弁が同一形状で同一弁開度調整構造の場合、扱室の入口側の弁開度を開勝手に調整すると、扱室への穀物取込性を向上させることができるが、送塵弁による穀物の送りが促進される結果扱ぎ残しが発生する不都合があり、一方送塵弁による穀物の送りを適正とさせるように弁開度を調整した場合、穀物の取込性を低下させる不都合があった。
【0005】またさらに、第1及び第2扱胴側の両方に送塵弁を設けた場合、第1及び第2扱胴側の両方に弁角度調節用レバーを設けて、その都度個別に送塵弁の開度調整を行う手間の煩わしさや、構造上の複雑さがある。
【0006】
【課題を解決するための手段】したがって本発明は、進行方向に対し直交する2つのスクリュ形第1及び第2扱胴を備えた普通形コンバインにおいて、第1扱胴外周の螺旋羽根のピッチより第2扱胴外周の螺旋羽根のピッチを大とさせて、第1扱胴では長時間扱ぎ作業を行って、より多くの穀粒を脱粒させると共に、第2扱胴では周速を大きくして扱ぎ残し及び刺り粒を減少させて、脱穀性能を向上させるものである。
【0007】また、第1及び第2扱胴の螺旋羽根に扱歯を略等間隔に固設すると共に、扱歯の作用側の逃げ角を第1扱胴より第2扱胴側を大とさせて、第1扱胴では扱歯による脱粒作業を助長させると共に、第2扱胴では扱歯によって主に刺り粒を落とし稈の搬送性を向上させて、脱穀性能を向上させるものである。
【0008】さらに、進行方向に対し直交させるスクリュ形扱胴を備えた普通形コンバインにおいて、扱胴の扱室上方に配設する略同一形状の送塵弁を、扱室入口側とそれ以外とでは別操作で弁角度調節可能に設けて、扱胴の取込部では送塵弁を開き側にして穀物の戻りを無くし、それ以外では送塵弁を閉め側にして扱ぎ残しなどのない適正な脱穀作業を行うものである。
【0009】またさらに、進行方向に対し直交させるスクリュ形第1及び第2扱胴を備えた普通形コンバインにおいて、第1及び第2扱胴の扱室上方に各別に送塵弁を配設させ、第1及び第2扱胴側の何れか一方の送塵弁に弁角度調節用レバーを設け、第1及び第2扱胴側の送塵弁間を連結部材で連動連結させると共に、送塵弁の弁開度を第1扱胴より第2扱胴側に大とさせた、第1及び第2扱胴(5)(6)両方の送塵弁(112)(113)の角度調節を単一のレバー(118)によって容易に可能とさせたり作業性を向上させると共に、第1扱胴(5)では脱粒を促進させ、第2扱胴(6)では稈の送りを促進させ刺り粒を減少させるなどして脱穀性能を向上させるものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1はコンバインの全体側面図、図2は同平面図であり、図中(1)は走行クローラ(2)をトラックフレーム(3)に装備する機台、(4)は機体の進行方向に対し軸芯を直交させる大径及び小径2つのスクリュ形第1及び第2扱胴(5)(6)や揺動選別盤(7)などを備える脱穀部、(8)は脱穀部(4)の上方に配備して揚穀筒(9)を介して取出す脱穀部(4)の穀粒を貯留する穀物タンク、(10)は機体右側に備えて穀物タンク(8)内の穀粒を取出す上部搬出オーガ、(11)は穀物タンク(8)の後方に配備してエンジン(12)を内設するエンジンルーム、(13)は運転席(14)及び操向ハンドル(15)などを運転台(16)に備えて脱穀部(4)の前部上方に配設する運転操作部、(17)は運転台(16)の左右両側に配備する左右の作業者乗降用ステップ、(18)は脱穀部(4)の下部前方に油圧昇降シリンダ(19)を介し昇降可能に装備する刈取部である。
【0011】そして、前記刈取部(18)は、未刈り穀稈を取入れる穀物刈取ヘッダー(20)と、該ヘッダー(20)の後部略中央に連結させて刈取穀稈を脱穀部(4)に送給するフィーダハウス(21)によって構成すると共に、未刈り穀稈掻込み用リール(22)と、往復駆動型刈刃(23)と、穀稈掻込オーが(24)とを前記穀物ヘッダー(20)に備え、前記フィーダハウス(21)を運転台(16)の下方で運転台(16)中央の運転席(14)より左側に偏位して配設させ、前記ヘッダー(20)に取込まれる刈取穀稈をフィーダハウス(21)に内設する供給チェンコンベア(25)を介し脱穀部(4)の左側に送り込んで脱穀処理するように構成している。
【0012】図4乃至図6に示す如く、前記脱穀部(4)の上方に扱室(26)を形成し、進行方向に対し直交する扱胴軸(27)(28)を同一軸芯高さで支持させる大径及び小径のスクリュ形第1及び第2扱胴(5)(6)を扱室(26)の前後に左右幅略一杯に設けると共に、第1扱胴(5)と前記供給チェンコンベア(25)の送り終端部との間に穀稈受継用ビータ(29)を設けるもので、フィーダハウス(21)の後端部と扱室(26)左側の扱口(30)間に形成するビータ室(31)に、扱胴軸(27)(28)と平行にビータ(29)のビータ軸(32)を支持させて、前記ヘッダー(20)に取込まれる刈取穀稈の全量をフィーダハウス(21)からビータ室(31)に受継いで脱穀部(4)に送り込むように構成している。
【0013】また、前記脱穀部(4)の第1及び第2扱胴(5)(6)の下側に第1及び第2受網(33)(34)を張設すると共に、これら受網(33)(34)の下方に揺動選別盤(7)を備えるもので、第1及び第2受網(33)(34)の下方に位置させる第1フィードパン(35)と、該フィードパン(35)の後端に設ける篩い線(36)と、篩い線(36)後方に連設するチャフシーブ(37)と、チャフシーブ(37)の前部下方に張設するグレンシーブ(38)と、1番及び2番流穀板(39)(40)とを揺動選別盤(7)に備え、後端側の揺動駆動軸(41)の回転によって前後方向に選別盤(7)を揺動駆動するように構成している。
【0014】さらに、前記フィードパン(35)の下方に配設してチャフシーブ(37)及びグレンシーブ(38)方向に選別風を送給する唐箕(42)と、グレンシーブ(38)からの穀粒を受取って揚穀筒(9)に送出する1番樋(43)及び1番コンベア(44)と、2番流穀板(40)からの2番還元物を2番還元筒(45)に送出する2番樋(46)及び2番コンベア(47)と、揺動選別盤(7)の後端を臨ませる3番口(48)とを備え、1番樋(43)の穀粒をタンク(8)に、また2番樋(46)の2番還元物をフィードパン(35)に送出するように構成している。
【0015】また、前記揺動選別盤(7)の篩い線(36)及びチャフシーブ(37)は、第2扱胴(6)の軸心である扱胴軸(28)より後方に配設して、第1及び第2受網(33)(34)より落下した穀粒や塵など漏下物が直接的に第2扱胴(6)後方の1番コンベア(44)部に落下するのを防止して、脱穀精度を向上させるように構成している。
【0016】図7にも示す如く、脱穀部(4)の左側板(4a)外側に突出させる第1及び第2扱胴軸(27)(28)とビータ軸(32)とをエンジン(12)の出力軸(49)に連動連結させるもので、エンジン出力軸(49)に第2扱胴軸(28)をプーリ(50)(51)及びベルト(52)を介し直接的に連動連結させると共に、第2扱胴軸(28)に第1扱胴軸(27)をプーリ(53)(54)及びベルト(55)を介し、また第1扱胴軸(27)にビータ軸(32)をプーリ(56)(57)及びベルト(58)を介しそれぞれ連動連結させて、図4に示す如く側面視反時計方向(同一方向)にビータ(29)と第1及び第2扱胴(5)(6)を回転させるように構成している。
【0017】また、第1扱胴軸(27)とビータ軸(32)とを連動連結するベルト(58)にベルトテンション式刈取クラッチ(59)を設けて、第1扱胴(5)で詰まり事故が発生した場合などにクラッチ(59)を切とすることによって、ビータ(29)からの穀稈供給を停止させるように構成している。
【0018】さらに、前記フィーダハウス(21)の左外側に突出させる刈取入力軸である供給チェンコンベア(25)の駆動軸(60)にスプロケット(61)(62)及びチェン(63)を介しビータ軸(32)を連動連結させて、コンベア(25)と駆動軸(60)を介する刈取部(18)の駆動を行うように構成している。
【0019】またさらに、第1及び第2扱胴(5)(6)間下方の脱穀左側板(4a)外側に走行用カウンタ軸(64)を設け、エンジン出力軸(49)にプーリ(65)(66)及びベルト(67)を介し前記カウンタ軸(64)を連動連結させると共に、機台(1)前側に配備させる走行ミッションケース(68)の入力軸(69)にプーリ(70)(71)及びベルト(72)を介し前記カウンタ軸(64)を連動連結させて、ミッションケース(68)の出力軸(73)の走行出力でもって走行クローラ(2)を駆動するように構成している。
【0020】また、脱穀部(4)の右側板(4b)外側に突出させる1番及び2番コンベア(44)(47)のコンベア軸(44a)(47a)をプーリ(74)(75)(76)及びベルト(77)を介し、また唐箕(42)の駆動軸(78)をプーリ(79)(80)及びベルト(81)を介し左側板(4b)外側の第2扱胴軸(28)にそれぞれ連動連結させて、唐箕(42)と1番及び2番コンベア(44)(47)の各駆動を行うと共に、前記揺動駆動軸(41)をプーリ(82)(83)及びベルト(84)を介し2番コンベア軸(47a)に連動連結させて揺動選別盤(7)の駆動を行うように構成している。
【0021】そして図5、図7、図8にも示す如く、2番コンベア(47)に連動連結する2番還元筒(45)を脱穀左側板(4a)の外側面に前高後低の傾斜状に密着固定させると共に、1番コンベア(44)に連動連結する揚穀筒(9)を左側板(4a)より間隔を空けて、還元筒(45)及び各ベルト(52)(67)より外側で略垂直に立設させて、脱穀部(4)上方に配備させる穀物タンク(8)に1番コンベア(44)からの穀粒を投入するように構成している。
【0022】図9乃至図13にも示す如く、脱穀部(4)は左右側板(4a)(4b)間の上部に第1及び第2扱胴(5)(6)を、下部に揺動選別盤(7)を設けて、上部の脱穀巾と下部の選別巾を同一巾に形成したもので、第1及び第2扱胴は左右側板(4a)(4b)間巾と略等しい長さの円筒形胴部(85)(86)に螺旋方向の異なる螺旋羽根(87)(88)を巻装し、胴部(85)(86)の右端及び左端の羽根(87)(88)非形成部に、円周方向に等間隔(120゜間隔)に3枚の板状排稈羽根(89)(90)を取付けて、第1扱胴(5)では扱口(30)から投入される穀稈を右方向終端の連通樋(91)に横送りすると共に、連通樋(91)で排稈羽根(89)によって第1扱胴(5)から投出される排稈を第2扱胴(6)に受継ぎ、第2扱胴(6)では受継いだ排稈を左方向に横送りして、左横送り終端の排稈口(92)より後方に排稈を排出させるように構成している。
【0023】図9に示す如く、第1扱胴(5)の螺旋羽根(87)のピッチ(P1)より第2扱胴(6)の螺旋羽根(88)のピッチ(P2)大に形成するもので、例えば各ピッチP1=100ミリメートル、P2=150ミリメートルとすることによって、第1扱胴(5)では穀稈の滞留時間を長くする状態とさせて長時間扱ぎ作用を行って脱粒を促進させ、一方、第2扱胴(6)では該扱胴(6)の周速を上げる状態とさせて扱ぎ残し及び刺り粒を減少させ、これら第1及び第2扱胴(5)(6)による脱粒性能を向上させるように構成している。
【0024】また、前記螺旋羽根(87)(88)の非搬送面側で円周方向に略等間隔(α1)(α2)(第1扱胴(5)α1=45゜、第2扱胴(6)α2=60゜)に先端が山形状の扱歯(93)(94)をボルト(95)を介し取外し自在に固定させるもので、図12に示す如く第1扱胴(5)の扱歯(93)の先端山形部を左右非対称の立上り角度が急で逃げ角(φ1)の小さな急扱歯面(93a)と、立上り角度が緩で逃げ角(φ2)の大きな緩扱歯面(93b)に形成して、前記扱歯(93)を表裏逆取付けすることによって脱穀性能を小或いは大に調節可能とさせるように構成している。なお、第2扱胴(6)の扱歯(94)は先端山形部を左右対称の台形状としているが、第1扱胴(5)と同じ扱歯(93)を用いても良い。
【0025】前記第1及び第2扱胴(5)(6)の受網(33)(34)を取付ける第1及び第2網枠(96)(97)は略半円状に形成して、図24に示す如く第1扱胴(5)と第2扱胴(6)の隙間より上方に網枠(96)(97)の取出しを可能とさせるもので、左右側板(4a)(4b)間を連結する前後横フレーム(98)(99)の位置規制ピン(100a)(100b)に、左右の第1網枠(96)の前端側及び第2網枠(97)の後端側を係脱自在に連結させると共に、左右側板(4a)(4b)に固定する円弧状の左網枠ガイドレール(101a)(101b)・(102a)(102b)及び右網枠ガイドレール(101c)・(102c)に左右の第1及び第2網枠(96)(97)の外周縁部を下側より支持させ、第1及び第2扱胴(5)(6)の第1及び第2扱胴カバー(103)(104)の取外し時に、各ガイドレール(101a)(101b)(101c)・(102a)(102b)(102c)に沿って網枠(96)(97)を上方にスライド操作することによって、機外にこれら網枠(96)(97)を取出すように構成している。
【0026】また、左右網枠ガイドレール(101a)(101b)(101c)・(102a)(102b)(102c)は長孔(105)及びボルト(106)を介し左右側板(4a)(4b)に取付けるもので、各ガイドレール(101a)(101b)(101c)(102a)(102b)(102c)を扱胴軸(27)(28)を中心とする半径方向に取付位置調節自在に設けて、網枠(96)(97)の溶接歪やバラツキに対して扱胴(5)(6)と受網(33)(34)間の隙間を一定に調節保持するように構成している。
【0027】さらに図12に示す如く、扱室(26)の前壁である脱穀前側板(4c)及び第1扱胴カバー(103)の前側板(103c)を一定の半径(R)で円弧に形成し、前側板(103c)と第1扱胴(5)間の上部隙間(a)から脱穀前側板(4c)下部の受網(33)と第1扱胴(5)間の隙間(b)まで徐々に狭くする扱室前隙間(107)を形成して、脱穀作業中での稈詰まりなどを防止するように構成している。
【0028】また、前記脱穀右側板(4b)より内側の受網(33)(34)の一部を一定巾切欠いて連通口(108)を開設し、底面が目無しの連通樋(91)を連通口(108)に形成して、第1扱胴(5)を有する第1扱室(26a)と第2扱胴(6)を有する第2扱室(26b)とを連通させるもので、第1受網(33)の接線方向で第2扱胴軸(28)より下方向に向かう角度に前低後高状に連通樋(91)の平滑案内面(91a)を傾斜させて、第1扱胴(5)で第1扱室(26a)の右端まで横送りされた排稈をこの連通樋(91)でこの後方の第2扱室(26b)内に受継ぎ搬入するように構成している。
【0029】図19乃至図20にも示す如く、前記連通樋(91)は前後端部で分割させて、第1及び第2受網(33)(34)と連通樋(91)間にそれぞれ第1及び第2案内樋(109)(110)を設けるもので、第1案内樋(109)は第1網枠(96)に固設して、連通樋(91)の案内面(91a)と同一傾斜で、該案内面(91a)より一定段差(H1)高く案内面(109a)を設けると共に、第2案内樋(110)は第2網枠(97)に固設して、連通樋(91)の案内面(91a)と略同一傾斜で、該案内面(91a)より一定段差(H2)低く案内面(110a)を設けて、第1扱室(26a)から第2扱室(26b)への連通樋(91)を介した排稈の受継ぎ搬入をスムーズなものとさせると共に、連通樋(91)を取外すことなく残したままで網枠(96)(97)のみの容易な機外取出しを可能とさせるように構成している。
【0030】また、前記連通口(108)の左側壁(108a)を構成する第1及び第2網枠(96)(97)及び連通樋(91)の連通左側板(96a)(97a)(111)にも段差(h1)(h2)を設けるもので、第2網枠(96)の側板(96a)より連通樋(91)の側板(111)を一定段差(h1)左側に、また連通樋(91)の側板(111)より第2網枠(97)の側板(97a)を一定段差(h2)左側に後退させる状態に設け、排稈方向となる程連通樋(91)の横巾を広くするように設けて、第1扱室(26a)から連通樋(91)を介し第2扱室(26b)への穀稈受継ぎ搬入時には、これら側板(96a)(111)(97a)に排稈が引掛かることのないスムーズな搬入を行うように構成している。
【0031】図10、図12、図13、図14にも示す如く、前記第1及び第2扱室(26a)(26b)上方の第1及び第2扱胴カバー(103)(104)の裏面に排稈を右及び左方向にそれぞれ案内する各3つ1組の第1及び第2送塵弁(112)(113)を設けるもので、各3つの送塵弁(112a)(112b)(112c)・(113a)(113b)(113c)はそれぞれ略同一形状に形成し、図14仮想線に示す如く第1及び第2扱胴(5)(6)の取込部となる扱口(30)及び連通口(108)上方位置の左及び右側の第1送塵弁(112a)(113a)を、右側及び左側2つの第2及び第3送塵弁(112b)(112c)・(113b)(113c)より開き勝手(送りが大)に角度調節可能に設けて、第1及び第2扱胴(5)(6)入口側での取込性を向上させるように構成している。
【0032】各送塵弁(112a)(112b)(112c)・(113a)(113b)(113c)は中央の弁軸(114)(115)を中心として回動自在に設けるもので、第1送塵弁(112a)(113a)とは弁軸(114)を介し一体連結させる入口側弁角度調節レバー(116)(117)を扱胴カバー(103)(104)上面外側に配設して、該調節レバー(116)(117)操作で第1送塵弁(112a)(113a)の傾斜角度を調節する一方、第1扱胴(5)側の第2送塵弁(112b)及び第2扱胴(6)側の第3送塵弁(113c)に弁軸(114)を介し一体連結させる出口側弁角度調節レバー(118)(119)を扱胴カバー(103)(104)上面外側に配設すると共に、第1扱胴(5)側の第2及び第3送塵弁(112b)(112c)間と、第2扱胴(6)側の第2及び第3送塵弁(113b)(113c)間を扱胴カバー(103)(104)内で一体連結させる弁連係リンク(120)(121)を設けて、出口側弁角度調節レバー(118)(119)操作で第2及び第3送塵弁(12b)(112c)・(113b)(113c)を略同一適正傾斜角度にそれぞれ調節するように構成している。
【0033】また、出口側の調節レバー(118)(119)に位置決め用立上り片(118a)(119a)を折曲形成して、扱胴カバー(103)(104)に固設する門形状のレバー位置決め部材(122)(123)の位置決めノッチ(122a)(123a)に、前記立上り片(118a)(119a)を係合させて第2及び第3送塵弁(112b)(112c)・(113b)(113c)の適宜弁角度での位置固定を図るように構成している。
【0034】図4、図15に示す如く、第1及び第2扱胴(5)(6)の下方に揺動選別盤(7)のフィードパン(35)を配設して、第1及び第2扱胴(5)(6)の受網(33)(34)より落下する穀粒をフィードパン(35)に受取ると共に、1番コンベア(44)を第2扱胴(6)後方に配置させ、フィードパン(35)後方に連設する篩い線(36)とチャフシーブ(37)を第2扱胴軸(28)より後方に配置させて、第2扱胴(6)の受網(6)よりの穀粒及び塵などの漏下物が直接的に1番樋(43)上に落下するのを防いで、脱穀精度を向上させるように構成している。
【0035】図4、図9、図10、図11に示す如く、前記排稈口(92)を除いた第2受網(34)の後方近傍位置に穀粒を揺動選別盤(7)上に落下させる穀粒落下用仕切板(124)を配置させるもので、第2扱胴(6)より後方で扱胴軸(28)と略同一高さ位置に配設する脱穀後天板(124a)より下方に前記仕切板(124)を垂設させて、第2受網(34)を漏下し、この後方の3番口(48)に向け飛散する穀粒を仕切板(124)によって揺動選別盤(7)上に落下させて、穀粒ロスの低減と選別精度の向上を図るように構成している。
【0036】図9、図16、図17に示す如く、前記脱穀部(4)の前側板(4c)の左右略中央より前方にビータ室(31)の右側板となる中側板(125)を突設させ、左側板(4a)と中側板(125)に前記ビータ軸(32)の左右両端を回転自在に支持させるもので、前記供給チェンコンベア(25)の駆動軸(60)両端を取付ける左右回動支点軸ケース(127a)(127b)を、左及び中側板(4a)(125)の刈取用左右取付フレーム(128a)(128b)のケース受け部材(129a)(129b)にメタル(130)を介して回動自在に支持させて、脱穀部(4)前方に前記駆動軸(60)を中心として刈取部(18)を昇降自在に設けるように構成している。
【0037】そして、前記フィーダハウス(21)及びビータ室(31)の左右巾を略同一とし、脱穀部(4)の左右巾に対しては略1/2に形成して、前記取付フレーム(128a)(128b)の後端側を脱穀部(4)前側の上部及び下部の左右連結フレーム(131)及びパイプ(132)に連結支持させて、刈取部(4)の支持強度や剛性の向上を図るように構成している。
【0038】また図17、図18に示す如く、中側板(125)の右外側と脱穀部(4)の前側と間に形成される余剰スペース(133)に、昇降シリンダ(19)など各種油圧装置に油圧を供給する作動油タンク(134)と、これら油圧装置及びタンク(134)間の油圧回路に介設する油圧バルブ(135)とを配設するもので、余剰スペース(133)のビータ(29)の略右側方にタンク(134)を、またタンク(134)上方にバルブ(135)を配設して、余剰スペース(133)を有効利用したタンク(134)及びバルブ(135)のコンパクトな設置と、タンク(134)及びバルブ(135)間を接続する油圧回路の短縮化を図るように構成している。
【0039】さらに図16、図18に示す如く、ビータ(29)と第1扱胴(5)間下方の脱穀左右側板(4a)(4b)間で、唐箕(42)とミッションケース(68)間の余剰スペース(136)にエンジン燃料を貯留する燃料タンク(137)を配設するもので、左右側板(4a)(4b)間巾略一杯にタンク(137)を設けると共に、右側板(4b)より外側で運転台(16)より下方の低位置にエンジン給油口(138)を配置させて、機体を低重心とさせ、燃料の貯留量変化に関係なく機体の左右バランスを安定化させ、且つ給油も容易とさせるように構成している。
【0040】図5、図8、図16にも示す如く、前記穀物タンク(8)は脱穀部(4)上方に配設させ、穀物タンク(8)内の穀粒を取出す底部排出オーガ(139)を脱穀部(4)の右外側の前後方向に配設させて、底部排出オーガ(139)のオーガ軸(140)を中心として右外側に穀物タンク(8)を回動自在に設けて、穀物タンク(8)の右回動時に脱穀部(4)上方を開放可能とさせるように構成している。
【0041】前記穀物タンク(8)の回動支点部を支持する前後軸受ケース(141)(142)を脱穀部(4)前後の左右連結フレーム(131)(143)の水平右延設端に固設すると共に、これらフレーム(131)(143)の右延設端とこの下方の本機機枠とを正面視傾斜状の前後補強部材(144)(145)で連結させて、タンク支持フレーム構造の軽量化を剛性向上を図るように構成している。なお(146)は穀物タンク(8)の左側底部に設ける支脚フレームであり、穀物タンク(8)の収納時に前記フレーム(146)下端の規制ピン(147)を前記フレーム(131)の受け部材(148)などに係合させてその位置保持を図るものである。
【0042】図5、図6、図21、図22に示す如く、前記底部排出オーガ(139)は、エンジンルーム(11)下部の中継排出オーガ(149)を介し縦排出オーガ(150)に連動連結させ、前記エンジン(12)の右出力軸(49)にベベルケース(151)を介し縦排出オーガ(150)を連動連結させて、エンジン出力で縦排出オーガ(150)を駆動することによって該オーガ(150)に連結する上部及び底部排出オーガ(10)(139)を駆動するもので、前記ベベルケース(151)の入力軸(152)とエンジン(12)の右出力軸(49)とをプーリ(153)(154)及びベルト(155)を介し連動連結させると共に、ベベルケース(151)の縦出力軸(156)と縦排出オーガ(150)のオーガ軸(157)とをスプロケット(158)(159)及びチェン(160)を介し連動連結させて、穀物タンク(8)のオーガ軸(140)を中心とする回動時にその都度伝動ベルトなど取外すことのない回動を可能とさせると共に、これら伝動部品点数を削減させて構成の簡素化やコスト低減を図るように構成している。
【0043】また、前記ベベルケース(121)は、エンジン(12)右側に配備するラジエータ(161)及びオイルクーラ(162)より後方に位置させて、これらラジエータ(161)及びオイルクーラ(162)を回避させた縦排出オーガ(150)へのエンジン出力の伝達を行うように構成する一方、図4、図5に示す如く、脱穀左側板(4a)より外側でエンジンルーム(11)と2番コンベア(47)間の余剰スペースにバッテリ(163)を配備させて、バッテリ(163)のエンジン(12)との簡潔な接続やコンパクトな組込みを行うように構成している。
【0044】図5、図6、図9に示す如く、前記穀物タンク(8)に1番コンベア(44)からの穀粒を投入する揚穀筒(9)は底部排出オーガ(139)とは反対側の脱穀部(4)の左外側位置で、エンジン(2)の動力駆動系である前記ベルト(52)(67)より外側に配備させ、前記ベルト(52)(67)を脱穀左側板(4a)に最大近接させて、プーリ(51)の軸受(164)からのオフセット量を減少させて、軸受(164)の小形軽量化などを図るように構成している。
【0045】また図23に示す如く、揚穀筒(9)の穀粒投口(165)と、該投口(165)を臨ませる穀物タンク(8)の投入後側板部(8a)は、上部程後位の傾斜状に設け、投口(165)の天板部(165a)より底板部(165b)を前方に延出させると共に、該底板部(165b)を穀物タンク(8)の投入口(166)下縁より一定寸法(T)上方に位置させ、投口(165)の外側周囲に取付板(167)を介し付設するシール部材(168)をタンク(8)の投入口(166)周縁部に接合させて、投口(165)と投入口(166)間を常時は密封させて穀粒洩れのない良好なタンク(8)への穀粒投入作業を行うと共に、タンク(8)回動時にはその都度部品を取外す必要のない、また投口(165)から穀粒洩れのない良好な回動を行うように構成している。
【0046】本発明は上記の如く構成するものにして、刈取穀稈を脱穀する2つのスクリュ形第1及び第2扱胴(5)(6)を備えた普通形コンバインにおいて、フィーダハウス(21)の送り終端部と第1扱胴(5)間に穀稈受継用のビータ(29)を配設すると共に、脱穀部(4)の略中央に設けた中側板(125)で、ビータ室(31)の右側面と刈取部の取付フレームを形成したことによって、フィーダハウス(21)と第1扱胴(5)間の距離が例え離れていても、ビータ(29)によって途中の穀物詰まりを防いで脱穀部(4)における穀物の取込性を向上させると共に、中側板(125)をビータ室(31)の右側面と刈取部(18)の取付フレームに有効に用いて、部品点数の削減と重量の軽減化を図ることができるものである。
【0047】また、ビータ室(31)の右側面外側に各種油圧装置の作動油タンク(134)を配設したことによって、ビータ右側方の余剰スペース(133)に作動油タンク(134)をコンパクトに装備させることができるものである。
【0048】さらに、作動油タンク(134)に配管接続させる油圧バルブ(135)を作動油タンク(134)の上方近傍位置に配設したことによって、作動油タンク(134)とともに油圧バルブ(135)をビータ右側方の余剰スペース(133)にコンパクトに装備させることができると共に、作動油タンク(134)と油圧バルブ(135)間の配管を短縮させて構造の簡素化を図ることができるものである。
【0049】またさらに、第1扱胴(5)からビータ(29)に駆動力を伝達するベルト(58)にクラッチ(59)を介設したことによって、例えば第1扱胴(5)などで穀物の詰まり事故など発生した場合でも、クラッチ(59)の切操作によって第1扱胴(5)への穀物供給を停止させて、速やかな復帰を促進させることができるものである。
【0050】また、ビータ(29)とこの前方に配備する駆動軸(60)間をチェン(63)を介し連動連結させたことによって、ビータ(29)と駆動軸(60)の軸中心間距離が短い場合でも小径のスプロケットなどを用いたチェン(63)によって、必要な駆動力を確実にチェンコンベア(25)や刈取部(18)に伝達して、刈取性能を安定維持させることができるものである。
【0051】さらに、フィーダハウス(21)の送り終端部と第1扱胴(5)間に穀稈受継用のビータ(29)を配設すると共に、ビータ(29)と第1扱胴(5)間下方で左右脱穀側板(4a)(4b)間略中央に燃料タンク(137)を配設したことによって、燃料タンク(137)内の燃料貯留量が増減した場合でも、この影響を受けることなく、機体を低重心化させて機体の左右バランスを安定化させると共に、給油口(138)も低位置とさせて給油作業の容易化を図ることができるものである。
【0052】またさらに、進行方向に対し直交する2つのスクリュ形第1及び第2扱胴(5)(6)を備えた普通形コンバインにおいて、第1扱胴(5)外周の螺旋羽根(87)のピッチ(P1)より第2扱胴(6)外周の螺旋羽根(88)のピッチ(P2)を大とさせたことによって、第1扱胴(5)では長時間扱ぎ作業を行って、より多くの穀粒を脱粒させると共に、第2扱胴(6)では周速を大きくして扱ぎ残し及び刺り粒を減少させて、脱穀性能を向上させることができるものである。
【0053】また、扱胴(5)(6)の扱室(26)上方に配設する略同一形状の送塵弁(112a)(112b)(112c)・(113a)(113b)(113c)を、扱室入口側とそれ以外とでは別操作で弁角度調節可能に設けたことによって、扱胴(5)(6)の取込部では送塵弁(112a)(113a)を開き側(送り大)にして穀物の戻りを無くし、それ以外では送塵弁(112b)(112c)・(113b)(113c)を閉め側(送り小)にして扱ぎ残しなどのない適正な脱穀作業を行うことができるものである。
【0054】さらに、第1及び第2扱胴(5)(6)の扱室(26a)(26b)間を連通する連通樋(91)の前後端部を分割して第1及び第2扱胴(5)(6)の案内樋(109)(110)に形成して、第1及び第2扱胴(5)(6)の受網(33)(34)の網枠(96)(97)に案内樋(109)(110)を一体的に設けたことによって、連通樋(91)を扱室(26)内に残したままで受網(33)(34)及び網枠(96)(97)の容易な一体取出しを可能とさせて、受網(33)(34)を脱着させての保守点検作業などの能率を向上させることができるものである。
【0055】また、第1及び第2扱胴(5)(6)を内設する扱室(26)幅内に連通樋(91)を配置させたことによって、連通樋(91)を脱穀部(4)内にコンパクトに組込んで、コンバイン機体の小型化を図ることができるものである。
【0056】さらに、第1扱胴(5)の案内樋(109)・連通樋(91)・第2扱胴(6)の案内樋(110)の順に落差(段差)(H1)(H2)を設けたことによって、複数の樋(109)(91)(110)を連結させた組合構造においても、稈の流れを阻害させることなく各樋(109)(91)(110)上をスムーズに稈を移動させて、第1扱胴(5)から第2扱胴(6)への稈の受継ぎを良好とさせることができるものである。
【0057】また、第1扱胴(5)の案内樋(109)・連通樋(91)・第2扱胴(6)の案内樋(110)の順にこれら側壁(108a)に横巾を大とさせる段差(h1)(h2)を設けたことによって、各樋(109)(91)(110)上を稈の移動時各樋(109)(91)(110)の側壁(108a)で稈の流れを阻害させることなくスムーズに稈を案内して稈の受継ぎを良好とさせることができるものである。
【0058】さらに、網枠(96)(97)を支持する枠ガイドレール(101a)(101b)(101c)・(102a)(102b)(102c)を脱穀側板(4a)(4b)に設けると共に、ガイドレール(101a)(101b)(101c)・(102a)(102b)(102c)を扱胴(5)(6)の中心半径方向に移動調節可能に設けたことによって、網枠(96)(97)の溶接歪やバラツキなどで扱胴(5)(6)と受網(33)(34)間の隙間を調整する必要がある場合にも、ガイドレール(101a)(101b)(101c)・(102a)(102b)(102c)の移動調節によって隙間を容易に適正に保って、脱穀精度を安定維持させることができるものである。
【0059】またさらに、第1扱胴(5)前方の扱室(26)及び扱胴カバー(104)の内側面形状を円弧状に形成して、扱胴カバー(104)及び扱室(26)の内側面と扱胴(5)間の隙間(107)を受網(33)まで徐々に狭くするように設けることによって、フィーダハウス(21)から第1扱胴(5)に投入される穀物を詰まることなくスムーズに第1扱胴(5)と受網(33)間に送り込んで、脱穀性能を安定維持させることができるものである。
【0060】また、第1及び第2扱胴(5)(6)の下方に揺動選別盤(7)のフィードパン(35)を、また第2扱胴(6)の扱胴軸心より後方に揺動選別盤(7)のチャフシーブ(37)を配設したことによって、第2扱胴(6)からの穀粒及び塵などの漏下物が直接的に1番樋(43)上に落下するのを防止して、1番樋(43)に取出される穀粒の選別精度を向上させることができるものである。
【0061】さらに、第2扱胴(6)の下方に配備する受網(34)の後方に穀粒落下案内用の仕切板(124)を設けたことによって、簡単構成の1枚の仕切板によって、第2扱胴(6)からの漏下物を機外に飛散させることなく揺動選別盤(7)上に確実に落下させて、穀粒ロスを低減させ、選別精度を向上させることができるものである。
【0062】またさらに、第2扱胴(6)の扱胴軸(28)とエンジン(12)の出力軸(49)とをベルト(52)を介し直接的に連動連結させたことによって、エンジン(12)からの駆動力を最小本数のベルトによって第2扱胴(6)に伝達して、第2扱胴(6)を駆動する必要なベルト(52)の設置スペース巾を狭くし、本機巾を縮小させて機体の小型化を図ることができるものである。
【0063】また、脱穀粒を貯留する穀物タンク(8)を脱穀部(4)上方に備え、穀物タンク(8)の底部排出オーガ(139)を機体最右端の前後方向に配設すると共に、底部排出オーガ(139)のオーガ軸(140)を中心として穀物タンク(8)を左右回動自在に設けたことによって、脱穀部(4)上方に穀物タンク(8)を装備させる極めてコンパクトな機体構成において、穀物タンク(8)の容易な回動を可能とさせて穀物タンク(8)や脱穀部(4)の保守点検作業などの至便化を図り、機体の軽量化や剛性向上も容易に可能とさせることができるものである。
【0064】さらに、底部排出オーガ(139)に連動連結する縦排出オーガ(150)のオーガ軸(157)と、ベベルケース(151)の出力軸(156)とをチェン(160)を介し連結させると共に、ベベルケース(151)の入力軸にエンジン(12)の出力軸(49)をベルト(155)を介し連結させたことによって、ラジエータ(161)などエンジン(21)の付属部品からベルト(155)及びチェン(160)などのオーガ(150)の駆動伝動機構を回避させて、穀物タンク(8)の回動時にその都度ベルトなどを取外す必要なく、部品点数も少なく極めて簡単な構成のもので穀物タンク(8)を容易に回動させて、穀物タンク(8)や脱穀部(4)での保守点検作業などの作業性を向上させることができるものである。
【0065】またさらに、脱穀部(4)からの穀粒を投入する揚穀筒(9)を穀物タンク(8)の底部排出オーガ(139)とは左右反対側端に配設すると共に、揚穀筒(9)の投口(165)を前後方向に傾斜させたことによって、穀物タンク(8)の回動時には揚穀筒(9)との間の部品などをその都度取外す煩わしさなく、また揚穀筒(9)の投口(165)からの穀粒洩れなどを防いで、穀物タンク(8)の良好な回動を行うことができるものである。
【0066】また、エンジン(12)の出力を各駆動部に伝達するベルト(52)(67)などの動力駆動系の外側に揚穀筒(9)を配備させたことによって、伝動ベルト(52)(67)などエンジンからの動力駆動系を脱穀側板(4a)に近接させ、これらベルト(52)(67)を支持するプーリ(51)(66)の軸受(164)部材からのオフセット量を減少させることができて、この軸受(164)部材の小型軽量化を図ることができるものである。
【0067】ところで図25に示すものは、第1及び第2扱胴(5)(6)の両方に同一の前述の扱歯(93)を用いる構成例を示すもので、第1扱胴(5)では作用側に逃げ角(φ1)の小さな(φ1≒15゜)急扱歯面(93a)を、また第2扱胴(6)では作用側に逃げ角(φ2)の大きな(φ3≒40゜)緩扱歯面(93b)をそれぞれ臨ませる状態に固設して、第1扱胴(5)の扱歯(93)の作用側の逃げ角(φ1)より第2扱胴(6)の扱歯(93)の作用側の逃げ角(φ2)を大(φ1<φ2)とさせることによって、第1扱胴(5)では扱歯(93)による脱粒作業を助長させると共に、第2扱胴(6)では扱歯(93)によって主に刺り粒を落とし稈の搬送性を向上させて、脱穀性能を向上させるように構成したものである。
【0068】また図26に示すものは、第1及び第2扱胴(5)(6)での各送塵弁(112a)(112b)(112c)・(113a)(113b)(113c)をそれぞれ略同一形状に形成し、第1扱胴(5)の右側1つの送塵弁(112c)に弁軸(114)を介し単一の弁角度調節レバー(118)を一体的に連結させ、各送塵弁(112a)〜(112c)間を連係リンク(120a)で連動連結して、前記調節レバー(118)で3つの送塵弁(112a)〜(112c)の傾斜角度を調節するように設けると共に、第2扱胴(6)の各送塵弁(113a)〜(113c)間を連係リンク(121a)で連動連結し、右側1つの送塵弁(113a)の弁軸(115)に固定するレバー(117a)にロッド(169)を介して前記レバー(118)を連動連結させて、単一のレバー(118)操作によって第1及び第2扱胴(5)(6)の両方の各送塵弁(112a)〜(11c)・(113a)〜(113c)の角度調節を容易に可能とさせるように設けている。そしてこの場合第1扱胴(5)の送塵弁(112a)〜(112c)より第2扱胴(6)の送塵弁(113a)〜(113c)を開き勝手(送りが大)とさせるように設けて第1扱胴(5)での脱粒を促進させると共に、第2扱胴(6)の送塵弁(113a)〜(113c)によって第2扱胴(6)での稈の送りを促進させ刺り粒を減少させるなどして脱穀性能を向上させるように構成したものである。
【0069】
【発明の効果】以上実施例から明らかなように本発明は、進行方向に対し直交する2つのスクリュ形第1及び第2扱胴(5)(6)を備えた普通形コンバインにおいて、第1扱胴(5)外周の螺旋羽根(87)のピッチ(P1)より第2扱胴(6)外周の螺旋羽根(88)のピッチ(P2)を大とさせたものであるから、第1扱胴(5)では長時間扱ぎ作業を行って、より多くの穀粒を脱粒させると共に、第2扱胴(6)では周速を大きくして扱ぎ残し及び刺り粒を減少させて、脱穀性能を向上させることができるものである。
【0070】また、第1及び第2扱胴(5)(6)の螺旋羽根(87)(88)に扱歯(93)を略等間隔に固設すると共に、扱歯(93)の作用側の逃げ角(φ1)(φ2)を第1扱胴より第2扱胴側を大とさせたものであるから、第1扱胴(5)では扱歯(93)による脱粒作業を助長させると共に、第2扱胴(6)では扱歯(93)によって主に刺り粒を落とし稈の搬送性を向上させて、脱穀性能を向上させることができるものである。
【0071】さらに、進行方向に対し直交させるスクリュ形扱胴(5)(6)を備えた普通形コンバインにおいて、扱胴(5)(6)の扱室(26)上方に配設する略同一形状の送塵弁(112a)(112b)(112c)・(113a)(113b)(113c)を、扱室入口側とそれ以外とでは別操作で弁角度調節可能に設けたものであるから、扱胴(5)(6)の取込部では送塵弁(112a)(113a)を開き側(送り大)にして穀物の戻りを無くし、それ以外では送塵弁(112b)(112c)・(113b)(113c)を閉め側(送り小)にして扱ぎ残しなどのない適正な脱穀作業を行うことができるものである。
【0072】またさらに、進行方向に対し直交させるスクリュ形第1及び第2扱胴(5)(6)を備えた普通形コンバインにおいて、第1及び第2扱胴(5)(6)の扱室上方に各別に送塵弁(112)(113)を配設させ、第1及び第2扱胴側の何れか一方の送塵弁(112)或いは(113)に弁角度調節用レバー(118)を設け、第1及び第2扱胴側の送塵弁間を連結部材で連動連結させると共に、送塵弁(112)(113)の弁開度を第1扱胴(5)より第2扱胴側に大(送り大)とさせるものであるから、第1及び第2扱胴(5)(6)両方の送塵弁(112)(113)の角度調節を単一のレバー(118)によって容易に可能となってこの作業性を向上させることができると共に、第1扱胴(5)では脱粒を促進させ、第2扱胴(6)では稈の送りを促進させ刺り粒を減少させるなどして脱穀性能を向上させることができるものである。
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【出願日】 平成10年7月22日(1998.7.22)
【代理人】 【識別番号】100062270
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 忠治
【公開番号】 特開2000−37128(P2000−37128A)
【公開日】 平成12年2月8日(2000.2.8)
【出願番号】 特願平10−223608