| 【発明の名称】 |
穀物処理設備 |
| 【発明者】 |
【氏名】岩下 正弘
【氏名】大島 康広
【氏名】中村 慈光
【氏名】清水 健二
【氏名】木津 晴彦
【氏名】細川 和彦
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| 【要約】 |
【課題】荷受管理を簡単にするとともに、乾燥用貯留部の設置台数を少なくする。
【解決手段】1回の荷受に対応する期間の間に乾燥用貯留部Dに供給される設定量の穀物を、設定期間の間に、水分含有率が仕上げ乾燥状態よりも高い予備乾燥状態にまで乾燥するように、攪拌手段M及び通風手段32を作動させて乾燥処理し、乾燥処理後の穀物を貯蔵用貯留部Sにて貯蔵処理する攪拌乾燥状態と、複数回の荷受に対応する期間の間に複数回にわたって乾燥用貯留部Dに供給される穀物を、先に供給されて予備乾燥状態にまで乾燥した穀物とその上に重ねる状態で新たに供給される穀物とを攪拌して予備乾燥状態にまで乾燥することを繰り返すように、攪拌手段M及び通風手段32を作動させて乾燥処理する累積乾燥状態とに運転状態を切り換え自在に構成されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 上部から供給される穀物を貯留するとともに、貯留穀物を攪拌する攪拌手段及び貯留穀物に乾燥用気体を通流する通風手段を備えた乾燥用貯留部と、前記乾燥用貯留部で乾燥処理された穀物を貯蔵する貯蔵用貯留部が設けられ、複数回にわたって荷受される穀物を前記乾燥用貯留部及び前記貯蔵用貯留部を用いて乾燥処理並びに貯蔵処理するように構成された穀物処理設備であって、1回の荷受に対応する期間の間に前記乾燥用貯留部に供給される設定量の穀物を、設定期間の間に、水分含有率が仕上げ乾燥状態よりも高い予備乾燥状態にまで乾燥するように、前記攪拌手段及び前記通風手段を作動させて乾燥処理し、乾燥処理後の穀物を前記貯蔵用貯留部にて貯蔵処理する攪拌乾燥状態と、複数回の荷受に対応する期間の間に複数回にわたって前記乾燥用貯留部に供給される穀物を、先に供給されて前記予備乾燥状態にまで乾燥した穀物とその上に重ねる状態で新たに供給される穀物とを攪拌して前記予備乾燥状態にまで乾燥することを繰り返すように、前記攪拌手段及び前記通風手段を作動させて乾燥処理する累積乾燥状態とに運転状態を切り換え自在に構成されている穀物処理設備。 【請求項2】 前記貯蔵用貯留部が満杯になるか、又は、前記貯蔵用貯留部の貯留可能量が少なくなるまでは、前記攪拌乾燥状態で運転し、それ以降は、前記累積乾燥状態で運転するように構成されている請求項1記載の穀物処理設備。 【請求項3】 前記乾燥用貯留部が、複数の貯留空間を備えるように構成され、前記通風手段が前記貯留空間夫々に対して設けられている請求項1又は2記載の穀物処理設備。 【請求項4】 前記乾燥用貯留部が、前記貯留空間の貯留穀物を前記通風手段による乾燥用気体の通流に基づいて外部に排出するように構成され、複数の前記通風手段のうちの全部又は選択した複数の通風手段による通流気体を合流させて、複数の前記貯留空間のうちの選択した1個の貯留空間に通流させることにより、穀物を排出するように構成されている請求項3記載の穀物処理設備。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、上部から供給される穀物を貯留するとともに、貯留穀物を攪拌する攪拌手段及び貯留穀物に乾燥用気体を通流する通風手段を備えた乾燥用貯留部と、前記乾燥用貯留部で乾燥処理された穀物を貯蔵する貯蔵用貯留部が設けられ、複数回にわたって荷受される穀物を前記乾燥用貯留部及び前記貯蔵用貯留部を用いて乾燥処理並びに貯蔵処理するように構成された穀物処理設備に関する。 【0002】 【従来の技術】かかる穀物処理設備においては、従来は、攪拌乾燥状態のみで運転するように構成するか、あるいは、累積乾燥状態のみで運転するように構成していた。尚、攪拌乾燥運転は、1回に荷受した設定量以内の穀物を乾燥用貯留部に供給して、その穀物を、設定期間の間に、水分含有率が仕上げ乾燥状態よりも高い予備乾燥状態にまで乾燥するように、攪拌手段及び通風手段を作動させて乾燥処理し、乾燥処理後の穀物を貯蔵用貯留部にて貯蔵処理するように運転する。攪拌乾燥状態は、1回の荷受で荷受された穀物を乾燥用貯留部に供給して、次の荷受までの間に予備乾燥状態にまで乾燥し、そのように乾燥した穀物の上に重ねる状態で次の荷受で荷受された穀物を供給し、それらを攪拌して次の荷受までの間に予備乾燥状態にまで乾燥することを繰り返すように、攪拌手段及び通風手段を作動させて、複数回にわたって荷受した穀物を乾燥処理するように運転する。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の穀物処理設備では、下記のような問題があった。攪拌乾燥状態のみで運転するように構成されたものは、累積乾燥状態での乾燥処理に比べて1回の乾燥処理に要する期間が短いので、効率よく乾燥処理できるという特長があるものの、1回の荷受量が設定量以下になるように荷受管理する必要があり、荷受管理が複雑になるという問題があった。一方、累積乾燥状態のみで運転するように構成されたものでは、1回の乾燥処理で処理する処理量が攪拌乾燥状態での乾燥処理に比べて多いので、必ずしも1回の荷受量を設定量以下になるように管理する必要がなく、荷受管理は簡単になるものの、1回の乾燥処理期間が長くなるので、例えば、複数の品種の穀物を乾燥処理するためには、複数の台数の乾燥用貯留部を設けて、複数の台数の乾燥用貯留部を並行して運転して乾燥処理する必要があり、乾燥用貯留部の設置台数を多くする必要があった。 【0004】本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、荷受管理を簡単にするとともに、乾燥用貯留部の設置台数を少なくすることにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】請求項1に記載の特徴構成によれば、攪拌乾燥状態と累積乾燥状態とに運転状態が切り換え自在であるので、荷受量が設定量以下のときは、主として攪拌乾燥状態で運転して、荷受した穀物を荷受品種が複数種あっても短期間で効率よく乾燥処理することができ、一方、荷受量が設定量を越えると、累積乾燥状態で運転することにより、設定量以上で荷受した穀物を乾燥処理することができる。従って、乾燥用貯留部の設置台数を少なくすることができるようにしながら、1回の荷受量が設定量以下になるように荷受管理する必要がないようにすることができる。つまり、荷受量や荷受品種数等に応じて、攪拌乾燥状態及び累積乾燥状態夫々の運転状態の特長を生かしながら夫々の問題点を回避するように、運転状態を攪拌乾燥状態と累積乾燥状態とに切り換えることができるので、荷受管理を簡単にするとともに、乾燥用貯留部の設置台数を少なくすることができるようになった。 【0006】請求項2に記載の特徴構成によれば、貯蔵用貯留部が満杯になるか、又は、貯蔵用貯留部の貯留可能量が少なくなるまでは、主として攪拌乾燥状態で運転し、それ以降、つまり、荷受期間の終期になると、累積乾燥状態で運転するので、荷受期間の終期に荷受して累積乾燥状態で乾燥処理した穀物は、そのまま乾燥用貯蔵部で貯蔵処理することができる。ちなみに、荷受期間の終期になっても、荷受した穀物を攪拌乾燥状態で乾燥処理する場合、そのように攪拌乾燥状態で乾燥処理した穀物を貯蔵用貯留部で貯留する必要があるので、貯蔵用貯留部の貯留容量を多くする必要がある。従って、請求項2に記載の特徴構成によれば、貯蔵用貯留部の貯留容量を少なくすることができるので、穀物処理設備のコストダウン及び省スペース化を図ることができるようになった。 【0007】請求項3に記載の特徴構成によれば、乾燥用貯留部が、複数の貯留空間を備えるように構成され、通風手段が貯留空間夫々に対して設けられているので、荷受量や荷受品種数等に応じて、運転する貯留空間の数を適宜調節したり、複数の貯留空間を並行して運転したりすることができるので、荷受量や荷受品種数等にかかわらず、効率よく乾燥処理することができる。ちなみに、乾燥用貯留部を、複数の貯留空間を備えるように構成して、複数の貯留空間に対して乾燥用気体を通風する共通の1個の通風手段を設ける場合が想定される。しかしながら、この場合は、荷受量が少なくても1回の乾燥処理で複数の貯留空間が占有されることになり、又、複数の品種に対応するためには、乾燥用貯留部の設置台数を多くする必要があるので、乾燥処理効率が低くなる。従って、本発明の実施コストのアップを可及的に抑制しながら、荷受量や荷受品種数等にかかわらず、荷受穀物を効率よく乾燥処理することができる。 【0008】請求項4に記載の特徴構成によれば、乾燥用貯留部が、貯留空間の貯留穀物を通風手段による乾燥用気体の通流に基づいて外部に排出するように構成され、複数の通風手段のうちの全部又は選択した複数の通風手段による通流気体を合流させて、複数の貯留空間のうちの選択した1個の貯留空間に通流させることにより、穀物を排出するように構成されている。つまり、攪拌手段にて乾燥用貯留部内の貯留穀物を全体にわたって攪拌するためには、乾燥用貯留部の床面を水平にするのが好ましいが、乾燥用貯留部の床面が水平であっても、通風手段による乾燥用気体の通風により貯留穀物を流動させて外部に排出することができる。この場合、穀物を効率よく排出するためには、通常、穀物を排出するときの通風量は穀物を乾燥処理するときの通風量に比べて多くする必要がある。そこで、1個の通風手段にて1個の貯留空間の穀物を排出するように構成すると、通風手段としては、穀物を排出することができるだけの大きい通風能力を備えた大型の高価格のものを設ける必要がある。これに対して、請求項4に記載の特徴構成によれば、通風手段として、穀物を乾燥処理することができるだけの通風能力を備えたものを設ければよいので、本発明の実施コストのアップを可及的に抑制しながら、効率よく穀物を外部に排出することができる。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、本発明に係る穀物処理設備について図面に基づいて説明する。図1に示すように、穀物処理設備は、納入者が投入する穀物の荷受け処理が行われる荷受け部1、上部から供給される穀物を貯留するとともに、貯留穀物を攪拌する攪拌手段としての攪拌装置M(図2参照)及び貯留穀物に乾燥用空気を通流する通風手段としての送風機32を備えた乾燥用貯留部D、その乾燥用貯留部Dで乾燥処理された穀物を貯蔵する貯蔵用貯留部S、穀物の籾摺調整を行う籾摺調整部4、及び、出荷処理を行う出荷部5等を備えて構成されている。 【0010】乾燥用貯留部Dは、平面視で矩形形状の貯留空間を夫々備えた複数の貯留ビン2にて構成され、送風機32は貯留ビン2夫々に対して設けられている。尚、一つの貯留ビン2が一つの貯留空間に相当する。貯蔵用貯留部Sは、平面視で矩形形状の貯留空間を夫々備えた複数のサイロ3にて構成されている。 【0011】荷受け部1は、穀物を受け入れる荷受けホッパー6、荷受けホッパー6からの穀物を横送りする荷受けコンベア7、穀物を揚送する第1揚送コンベア8、穀物を一旦貯留する流量調整タンク9、穀物から藁屑等の異物を除去するための粗選機10、精選処理時には、粗選機10から排出される穀物を精選別する精選機11、荷受け処理時には粗選機10から排出される穀物を、そして、精選処理時には、精選機11から排出される穀物を計量する荷受け用計量機12、粗選機10から排出される枝梗付き籾等から枝梗等を除去する脱芒機13、精選機11から排出される脱ぷ米を貯留する脱ぷ米タンク14等が備えられる。そして、籾摺調整部4には、調整タンク15、籾摺調整装置16、石抜機17等が備えられ、出荷部5には、計量タンク18、出荷用計量機19、自動給袋機20等が備えられている。 【0012】荷受け時において、荷受け用計量機12から排出される計量後の穀物は、第2揚送コンベア21によって揚送され、供給用コンベア22によりいずれかの貯留ビン2に貯留されることになる。貯留ビン2に貯留されて乾燥処理された穀物は、各下端部の排出部33から後述するように送風によって排出されて横送りコンベア24によって搬送され、第3揚送コンベア25により揚送搬送されて、第4揚送コンベア26を経由して、供給コンベア27によりいずれかのサイロ3へ供給されることになる。そして、サイロ3に供給されている穀物は、下方の排出口45から横送りコンベア29によって横送りされ第5揚送コンベア30によって揚送された後、精選処理時には、荷受け部1の第1揚送コンベア8に搬送されて精選処理されたのち、戻され、又、出荷処理時には、籾摺調整部4に供給され更に出荷部5を通して出荷されるようになっている。ちなみに、貯留ビン2は、サイロ3が満杯のときなどにおいては、サイロとしても用いられるものであって、上記サイロ3と同様に、荷受け部1の第1揚送コンベア8や籾摺調整部4に向けて、貯留穀物を搬送できるように構成されている。 【0013】7台のサイロ3が所定方向に沿って直線状に並設されるとともに、左右夫々に7台、合計14台の貯留ビン2が前記サイロ3に対して左右両側に隣接して振り分け配置される状態で所定方向に沿って並設されて構成されている。そして、供給コンベア22、横送りコンベア24及び第3揚送コンベア25は、貯留ビン2の各列に対して同様に設けられている。以下の説明では、貯留ビン2の列を系列を記載する場合があり、本発明では、2系列が設けられていることになる。 【0014】次に、各貯留ビン2の構成について説明を加える。図2に示すように、所定方向に並列配置された7台の貯留ビン2夫々に対して多孔状で通気可能な床部31の下方側から導入して貯留ビン2の上部から排出するように通風させる送風機32を設け、7台の貯留ビン2夫々の上部に対して排気作用する排風機(図示せず)を設けている。そして、各貯留ビン2の下部に設けられた穀物の排出部33にはそれを開閉する排出用シャッター23(図1参照)を設けてある。前記送風機32は7台の貯留ビン2夫々に対して設けられ、送風機32による通流空気を貯留ビン2の床部31に導入する状態と、7台の送風機32のうちの選択した3台の送風機32による通流空気を合流して、7台の貯留ビン2のうちの選択した1つの貯留ビン2の下方側に導入する状態とに切り換え自在に構成されている。 【0015】詳述すると、貯留ビン2の床部31と下方側の底部34との間を隔壁35により上下二つに仕切り、隔壁35と底部34との間を、隔壁36,37により貯留ビン2の並設方向に直行する方向に3つに仕切ってある。貯留ビン2内において床部31と隔壁35とによって仕切られる空間と、隔壁35の下方に隔壁36,37とによって仕切られる空間とは、連通口38によって互いに連通させてあり、これら互いに連通する二つの空間によって、送風機32からの空気を床部31の下方側から貯留ビン2に導入するための導風路39を形成している。隔壁35、隔壁36、貯留ビン2の前壁及び底部34にて仕切られる仕切空間に臨む部分には、送風機32の連通口が形成され、前記仕切空間を7台の貯留ビン2にわたって一連に連通させて連通風路40が形成されている。又、前記貯留ビン2の隣接するもの同士の間に位置する側壁41における前記連通風路40を形成するための開口には、開閉操作される合流制御用ダンパ42を設け、各貯留ビン2の隔壁36に形成した連通口には各貯留ビン2の導風路39と連通風路40とを連通する状態と遮断する状態とに切り換えるための通風制御用ダンパ43を設けてある。尚、送風機32夫々の吸い込み口付近には、吸い込み口に吸い込まれる空気を加熱するヒータ44を設けている。 【0016】隔壁35、隔壁37、貯留ビン2の後壁及び底部34にて仕切られる空間を、7台の貯留ビン2にわたって一連に連通させて、そのように連通した通路内に排出用の横送りコンベア24を配置してある。 【0017】そして、図3に示すように、貯留ビン2における穀物貯留空間の床部31は、金属板を打ち抜いて多数の通気孔31aを形成するとともに、打ち抜きの際に舌片31bが排出部33側に延びる状態で形成されるようにして、下方側から供給される空気を上方側に通過させるとともに、排出部33側に変向するように構成している。 【0018】前記各サイロ3は、貯蔵される穀物を自然流下によるホッパー式排出部より外部に排出するように構成されている。つまり、図1に示すように、サイロ3の底部が下窄まりの漏斗状に形成され、その先端部に穀物排出口45が形成されており、この穀物排出口45には排出用シャッター46が備えられ、この排出用シャッター46を開操作させると自然流下により穀物が下方側の横送りコンベア29上に排出されるように構成されている。 【0019】前記各貯留ビン2の内部の穀物貯留空間には、穀物を攪拌する攪拌装置Mが設けられている。図2,図4及び図5に示すように、攪拌装置Mは、垂直方向の軸心周りに回転自在に支持された一対のスクリューOと、そのスクリューOを夫々回転駆動する一対の攪拌用モータ52と、一対のスクリューOを貯留ビン2の並設方向(以下、X方向とする)に移動操作するX方向移動操作機構Ixと、一対のスクリューOを貯留ビン2の並設方向に直交する方向(以下、Y方向とする)に移動操作するY方向移動操作機構Iyと、それら各移動操作機構Ix,Iyを駆動するための移動用モータ53と、その移動用モータ53の減速機54と、その減速機54の出力をX方向移動操作機構Ix及びY方向移動操作機構Iy夫々に伝動する伝動機構G等を備えて構成されている。 【0020】伝動機構Gが、移動用モータ53の出力をX方向移動操作機構Ixのみに伝動する状態に制御されると、一対のスクリューOはX方向に移動し、移動用モータ53の出力をY方向移動操作機構Iyのみに伝動する状態に制御されると、一対のスクリューOはY方向に移動し、移動用モータ53の出力をX方向移動操作機構Ix及びY方向移動操作機構Iy両方に伝動する状態に制御されると、一対のスクリューOは、斜め方向(X,Y両方向成分を含む方向)に移動する。又、移動用モータ53の回転方向を切り換えることにより、X方向、Y方向及び斜め方向夫々における移動方向が切り換えられる。そして、貯留ビン2内の貯留穀物を全体にわたって攪拌することができるように、攪拌用モータ52により回転駆動される一対のスクリューOを所定の経路で移動操作すべく、予め設定された条件で前記の各状態を実行し、且つ、各状態での移動方向を切り換えるように、伝動機構G及び移動用モータ53が制御されるように構成されている。つまり、1台の移動用モータ53によって、一対のスクリューOをX方向及びY方向夫々に移動操作できるようにして、構成の簡略化を図っているのである。 【0021】X方向移動操作機構Ixについて、説明を加える。貯留ビン2の上方には、X方向に延びる一対のX方向レール55が貯留ビン2におけるX方向の全長にわたる状態で設けられ、X方向移動操作機構Ixは、その一対のX方向レール55上に、一対の駆動輪56及び一対の遊転輪57を介してX方向に沿って移動自在に載置支持されたX方向移動台車58と、駆動輪56と夫々一体回転する一対のX方向用スプロケット59等を備えて構成されている。そのX方向移動台車58には、上下方向に貫通する開口部が貯留ビン2におけるY方向の略全長にわたって延びる状態で形成され、その開口部におけるY方向に沿う両開口縁夫々には、Y方向に延びるY方向レール部58rが、貯留ビン2におけるY方向の略全長にわたる状態で形成されている。 【0022】Y方向移動操作機構Iyについて説明を加える。Y方向移動操作機構Iyは、一対のY方向レール部58r上に二対の遊転輪60を介してY方向に移動自在に載置されたY方向移動台車61等を備えて構成されている。 【0023】移動用モータ53、減速機54及び伝動機構Gは、X方向移動台車58上のY方向一端側に設けられている。伝動機構Gについて、説明を加える。伝動機構Gは、減速機54のY方向に沿った出力軸に連結されたX方向用電磁クラッチ62と、そのX方向用電磁クラッチ62に連結されたX方向用スプロケット63と、前記出力軸に固着された傘歯車64と、その傘歯車64に噛み合う傘歯車65とその傘歯車65に連結されたY方向用電磁クラッチ66と、そのY方向用電磁クラッチ66に連結されたY方向用スプロケット67等を備えて構成されている。 【0024】伝動機構GとX方向移動操作機構Ixとは、伝動機構GのX方向用スプロケット63とX方向移動操作機構Ixのスプロケット59とにわたってチェーン68を掛け回すことにより伝動連結されている。X方向移動台車58上において、伝動機構Gの設置側とはY方向に反対側の端部に、回転自在にスプロケット69が設けられている。伝動機構GとY方向移動操作機構Iyとは、両端部をY方向移動台車61に接続したチェーン70を、伝動機構GのY方向スプロケット67とスプロケット69とにわたって掛け回すことにより伝動連結されている。 【0025】そして、X方向用電磁クラッチ62を断続することにより、X方向移動操作機構Ixへの移動用モータ53の出力の伝動を断続し、Y方向用電磁クラッチ66を断続することにより、Y方向移動操作機構Iyへの移動用モータ53の出力の伝動を断続するように構成されている。 【0026】一対のスクリューOは、Y方向移動台車61に下向きに支持されている。スクリューOの支持構造について説明を加える。図6及び図7に示すように、揺動支持体71が、Y方向移動台車61にX方向に沿わせて設けたX方向軸体72に対して、その軸芯周りに揺動自在に支持されて設けられ、その揺動支持体71には、Y方向に沿わせて、Y方向軸体73が取り付けられている。そして、攪拌用モータ52を支持し、スクリューOを回転自在に支持するスクリュー支持部74が、一対のブラケット75により、Y方向軸体73に対して、その軸芯周りに揺動自在に支持されている。つまり、スクリューOが移動操作されるときにスクリューOにかかる応力を、スクリューOの上端部を支点にしてX方向軸体72やY方向軸体73により揺動させることにより吸収するように構成されている。 【0027】スクリューOについて、説明を加える。スクリューOは、図8にも示すように、Y方向移動台車61に対して、回転自在に下向きに支持された金属製の主螺旋体76と、その主螺旋体76の下端に、上下方向に移動自在で且つ下方側に復帰付勢される状態で支持されたゴム製の補助螺旋体77を備えて構成されている。主螺旋体76の下端部には、下向きに開く凹部76aが形成され、補助螺旋体77の上端部は、主螺旋体76の凹部76aに嵌め込み可能に形成され、その補助螺旋体77の上端部には、横方向に貫通し且つ上下方向に長い長孔77aが形成されている。そして、コイルバネ78を押圧して収縮させる状態で、補助螺旋体77の上端部が主螺旋体76の凹部76aに嵌め込まれ、ピン79が補助螺旋体77の長孔77aに挿通された状態で主螺旋体76に固定されている。もって、補助螺旋体77が、コイルバネ78により下方側に復帰付勢される状態で、上下方向に移動自在に主螺旋体76に支持されている。 【0028】従って、スクリューOは、その下端の補助螺旋体77が常に貯留ビン2の床部31に接当する状態で移動操作されるので、貯留ビン2内の貯留穀物がその上下方向の全体にわたって攪拌されることになる。 【0029】次に、乾燥処理運転における制御作動について、説明を加える。図9に示すように、穀物処理設備の各種制御を司る制御装置80に、各種運転モードを指令する操作盤81が接続され、その操作盤81からの指令に基づいて、各運転モードを実行するように、攪拌装置M(具体的には、攪拌用モータ52、移動用モータ53、X方向用電磁クラッチ62、Y方向用電磁クラッチ66)、送風機32、排出用シャッター23、合流制御用ダンパ42、通風制御用ダンパ43等の作動を制御するように構成されている。 【0030】図10ないし図12に示すように、操作盤81には、貯留ビン2内の貯留穀物を攪拌乾燥状態で乾燥処理する攪拌乾燥モードを指令す攪拌乾燥モードスイッチ81a、累積乾燥状態で乾燥処理する累積乾燥モードを指令する累積乾燥スイッチ81b、貯留穀物を排出する排出モードを指令する排出スイッチ81c、及び、1系列中の7台の貯留ビン2のうちから処理対象となるものを選択する7個の選択スイッチ81dが、貯留ビン2の系列毎に設けられている。尚、図10ないし図12においては、1系列について示している。 【0031】以下、各モードにおける制御構成について説明する。図10に示すように、攪拌乾燥モードが指令されると、全ての合流制御用ダンパ42を閉じ状態とし、選択スイッチ81dにて選択された貯留ビン2に対応する排出用シャッター23を閉じ状態とし、通風制御用ダンパ43を開状態とするとともに、送風機52及び攪拌装置Mを作動させる。尚、図10では、図面上、左から5番目までの5台の貯留ビン2が処理対象として選択されている状態が示されている。送風機52は、貯留ビン2内の設定量の貯留穀物Rを、設定期間の間に予備乾燥状態にまで乾燥することができる送風量にて作動させる。 【0032】例えば、水分含有率26%の籾を水分含有率が17%の半乾状態にまで乾燥処理する場合を例に説明する。前記設定量を26tとし、前記設定期間を40時間とすると、1時間当たり0.23%ずつ水分含有率を低下させる必要がある。従って、1t当たりの風量比は、0.2m3 /secとなり、送風機32による送風量は、310m3 /minとなる。 【0033】攪拌乾燥モードでの運転が終了すると、図12に示すように、排出モードが指令されて、貯留ビン2から貯留穀物が排出部33を通じて横送りコンベア24に対して排出され、第4揚送コンベア26を経由して、供給コンベア27によりいずれかのサイロ3へ供給されて、そこで貯蔵されることになる。排出モードでは、選択スイッチ81dにて選択されている貯留ビン2の排出用シャッター23及び通風制御用ダンパ43を開状態と、その貯留ビン2に最も近い2台の貯留ビン2の排出用シャッター23及び通風制御用ダンパ43を閉状態とし、それら3台の貯留ビン2の送風機32を作動させるとともに、それら3台の貯留ビン2の送風機32の通流空気を合流して選択された貯留ビン2の床部31の下方側から導入するように各合流制御用ダンパ42を開閉操作する。尚、図12では、図面上、左から2番目の貯留2ビンが選択され、その貯留ビン2の送風機32と、その貯留ビン2の両側の貯留ビン2の送風機32の3台の送風機32の通流空気を合流して、左から2番目の貯留2ビンに導入される状態が示されている。このようにして、3台の送風機32の通流空気を合流して、1台の貯留ビン2に導入して、その空気によって穀物を排出口側に流動させることにより、貯留ビン2内の穀物を全て排出することができる。 【0034】図11に示すように、累積乾燥モードが指令されると、全ての合流制御用ダンパ42を閉じ状態とし、選択スイッチ81dにて選択された貯留ビン2に対応する排出用シャッター23を閉じ状態とし、通風制御用ダンパ43を開状態とする。そして、1回目の穀物が供給されると、次の2回目の穀物が供給されるまでの間、攪拌装置Mを作動させて貯留穀物を攪拌しながら、送風機52を、貯留ビン2内の貯留穀物Rに対してその品質を維持することができる安全貯留限界風量の乾燥用空気を通流させることができる送風量にて作動させて、乾燥処理する。2回目の穀物は、上述のように乾燥処理されている1回目の穀物の上に重ねる状態で供給され、攪拌装置Mを作動させて、乾燥処理されている1回目の穀物と新たに供給された2回目の穀物を攪拌混合しながら、送風機52を、貯留ビン2内の貯留穀物Rに対して安全貯留限界風量の乾燥用空気を通流させることができる送風量にて作動させて、乾燥処理する。尚、図11では、図面上、左から5番目までの5台の貯留ビン2が処理対象として選択されている状態が示されている。以後、同様に、乾燥処理されている穀物の上に新たに穀物を供給して、それらを攪拌装置Mにて攪拌混合しながら、送風機52により安全貯留限界風量の乾燥用空気を通流させて乾燥処理することを繰り返す。 【0035】最終回の穀物が供給されると、攪拌乾燥モードにより、半乾状態(籾の場合は、水分含有率が17%の状態)にまで乾燥処理した後、サイロ3へ供給して貯蔵してもよいし、仕上げ乾燥状態(籾の場合は、水分含有率が15%の状態)にまで乾燥処理した後、そのまま、貯留ビン2で貯蔵してもよい。 【0036】毎回14.4tの籾を8回にわたって供給して攪拌乾燥モードを行う場合、最終の8回目の穀物が供給された状態では、貯留ビン2には約115tの籾が貯留されることになる。そこで、1tの籾に対する安全貯留限界風量を0.04m3/sとすると、115tの籾に対しては、送風機32を、276m3 /minの送風量にて作動させる。従って、上述のような条件で攪拌乾燥モード及び累積乾燥モードを行う場合、送風機としては、送風量が310m3 /minの能力を備えたものを設置する必要がある。 【0037】次に、上述のように構成した穀物処理設備の運転方法の一例を説明する。1台の貯留ビン2には、水分含有率が17%の籾を174t程度貯留することができ、1日に、水分含有率が26%程度の籾を130t程度荷受するとする。7台のサイロ3が満杯になるか、貯留可能量が少なくなるまでの間は、主として攪拌乾燥モードにて運転する。即ち、1日に荷受した130tの籾(すべて同品種とする)を一方の系列(A系列とする)の5台の貯留ビン2に26tずつ分配供給して、40時間かけて半乾状態にまで乾燥処理し、サイロ3に供給して貯蔵する。2日目に荷受した130tの籾(前日に荷受したものと別の品種の場合もある)を他方の系列(B系列とする)の5台の貯留ビン2に26tずつ分配供給して、40時間かけて半乾状態にまで乾燥処理し、サイロ3に供給して貯蔵する。3日目に荷受した籾はA系列に供給して乾燥処理するというように、以降、2系列の貯留ビン2を用いて、各系列に1日おきに穀物を供給して乾燥処理する状態を繰り返す。 【0038】この場合、1日に複数品種の籾を荷受した場合は、品種別に貯留ビン2に供給して乾燥処理し、品種別にサイロ3に供給して貯蔵する。又、攪拌運転モードを実行する期間中に、130tを越える荷受があった場合は、同様に攪拌運転モードを実行して、前記設定期間よりも長い期間をかけて半乾状態にまで乾燥処理するか、あるいは、累積乾燥モードを実行するかを、その前後の荷受状態に応じて選択することになる。 【0039】その年の荷受期間の終期になって、7台のサイロ3が満杯になるか、貯蔵可能量が少なくなると、累積乾燥モードにて運転する。累積乾燥モードでは、1日に荷受した130tの籾を、A系列の5台の貯留ビン2と、B系列の4台の貯留ビン2との9台に14.4tずつ分配供給する状態で、8日間にわたって、毎日、荷受した穀物を9台の貯留ビン2に分配供給する。尚、7台のサイロ3が満杯になった以降も、攪拌乾燥モードを実行して、そのように乾燥処理した籾を、累積乾燥モードにて運転する予定の9台以外の貯留ビン2に貯留し、それらの貯留ビン2が満杯になるか、あるいは、貯留可能量が少なくなると、累積乾燥モードに移行する運転方法を採用することができる。この場合、少なくとも1台の貯留ビン2は、空にしておいて、ローテーション用として使用するようにしてもよい。 【0040】〔別実施形態〕次に別実施形態を説明する。 (イ) 攪拌乾燥モードにおいて、設定量及び設定期間は、上記の実施形態において例示した例に限定されるものではなく、適宜設定可能である。例えば、1日単位で荷受するとして、設定期間を1日とし、設定量を1日間で半乾状態にまで乾燥できる量に設定してもよい。あるいは、貯留ビン2を3系列に設ける場合は、設定期間を3日間とすることができる。 【0041】(ロ) 累積乾燥モードにおいて、1回に供給する穀物の量、及び、供給回数は上記の実施形態において例示した例に限定されるものではなく、適宜設定可能である。 【0042】(ハ) 上記の実施形態においては、穀物の排出のために、3台の送風機32の通流空気を合流させる場合について例示したが、2台の送風機32の通流空気を合流させてもよいし、4台以上の送風機32の通流空気を合流させてもよい。 【0043】(ニ) 上記の実施形態においては、乾燥用空気通風用の乾燥機32を、穀物を排出させるための通風用として兼用する場合について例示したが、穀物排出用として専用の送風機を設けてもよい。 【0044】(ホ) 貯留ビン2やサイロ3の貯留空間の平面視での形状は、上記の実施形態において例示した矩形状に限定されるものではなく、円形状でもよい。 (ヘ) 本発明の穀物処理設備により処理することができる穀物は、上記の実施形態において例示した米に限定されるものではなく、麦等種々の穀物を処理することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ
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| 【出願日】 |
平成10年7月14日(1998.7.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
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| 【公開番号】 |
特開2000−23556(P2000−23556A) |
| 【公開日】 |
平成12年1月25日(2000.1.25) |
| 【出願番号】 |
特願平10−198698 |
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