| 【発明の名称】 |
挟持搬送装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】平岡 実
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| 【要約】 |
【課題】静粛な駆動が可能で製作が容易で低廉化も可能な挟持搬送装置を合理的に構成する。
【解決手段】駆動輪体14に歯車状に形成された突起14Aに係合する多数の凹部21Aを内周面に形成した可撓性の素材で搬送ベルトDVを形成すると共に、この搬送ベルトDVの搬送面の側に挟持レール15を配置することで、茎桿Kの搬送時には搬送ベルトDVが弾性変形して茎桿Kを抱き込む形態となるよう構成した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 輪体に巻回され、この輪体の回転力で駆動される無端回動帯と、この無端回動帯の搬送面に配置された挟持部材との間に茎桿を挟持して搬送する挟持搬送装置であって、前記輪体が外周に歯車状の突起を備えて構成されると共に、前記無端回動帯が、この輪体の突起に係合する連続した凹部を巻回内面側に形成した可撓性の素材で構成されている挟持搬送装置。 【請求項2】 前記無端回動帯の外周の複数箇所に茎桿に搬送力を作用させる突起部が形成されている請求項1記載の挟持搬送装置。 【請求項3】 前記突起部に対し、無端回動帯の移動方向に沿う溝が形成され、この溝に嵌まり込む位置に前記挟持部材を配置してある請求項2記載の挟持搬送装置。 【請求項4】 前記無端回動帯が、該無端回動帯の移動方向に沿う方向への伸縮が抑制された巻回内面側の第1部材と、この第1部材の外面に対して直交する方向への圧縮変形が許された巻回外面側の第2部材とで構成されている請求項1記載の挟持搬送装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、輪体に巻回され、この輪体の回転力で駆動される無端回動帯と、この無端回動帯の搬送面に配置された挟持部材との間に茎桿を挟持して搬送する挟持搬送装置に関する。 【0002】 【従来の技術】上記のように構成された挟持搬送装置として従来から脱穀装置に備えられているものを例に挙げると、この従来からの挟持搬送装置は突起が形成された金属製のフィードチェーンと、このフィードチェーンの搬送面の側に配置された挟持搬送用ガイドレールとを備えると共に、夫々の間に茎桿を挟持してフィードチェーンの駆動力で茎桿を搬送するよう構成されている(例えば、実開平3‐67529号公報)。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】公報番号を挙げた従来例にも示されるように、従来からの挟持搬送装置では金属製のチェーンを用いるため、駆動時に騒音を発生しやすいものとなっており、又、搬送する茎桿のボリュームに対応して変位するよう、折れ曲がり自在となるよう複数の部材を用いてガイドレールを構成すると共に、夫々の部材をフィードチェーンの側に付勢するよう複数のバネを設けたものとなっており、部品点数が増大するばかりでなく、構造が複雑となって製造に手間が掛かり、製品のコストの上昇にも繋がるものであった。 【0004】本発明の目的は、静粛な駆動を可能にすると共に、製作が楽で低廉化も可能な挟持搬送装置を合理的に構成する点にある。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明の第1の特徴(請求項1)は冒頭に記載したように、輪体に巻回され、この輪体の回転力で駆動される無端回動帯と、この無端回動帯の搬送面に配置された挟持部材との間に茎桿を挟持して搬送する挟持搬送装置において、前記輪体が外周に歯車状の突起を備えて構成されると共に、前記無端回動帯が、この輪体の突起に係合する連続した凹部を巻回内面側に形成した可撓性の素材で構成されている点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。 【0006】本発明の第2の特徴(請求項2)は請求項1において、前記無端回動帯の外周の複数箇所に茎桿に搬送力を作用させる突起部が形成されている点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。 【0007】本発明の第3の特徴(請求項3)は請求項2において、前記突起部に対し、無端回動帯の移動方向に沿う溝が形成され、この溝に嵌まり込む位置に前記挟持部材を配置してある点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。 【0008】本発明の第4の特徴(請求項4)は請求項1において、前記無端回動帯が、該無端回動帯の移動方向に沿う方向への伸縮が抑制された巻回内面側の第1部材と、この第1部材の外面に対して直交する方向への圧縮変形が許された巻回外面側の第2部材とで構成されている点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。 【0009】〔作用〕上記第1の特徴によると、無端回動帯が可撓性の素材で構成され、この素材の巻回内面側に形成された凹部に対して駆動用の輪体の歯車状の突起が係合することになるので、輪体が金属製であっても、この輪体の歯車状の突起と凹部とが係脱する際の騒音の発生が抑制されるものとなる。 【0010】上記第2の特徴によると、茎桿を挟持して搬送する際には無端回動帯に形成された突起部から茎桿に搬送力を作用させることができるので、無端回動帯と穀桿との間で滑りを発生させることなく確実な搬送を行うものとなる。 【0011】上記第3の特徴によると、無端回動帯で茎桿を搬送する際には、茎桿が挟持部材によって突起部の溝に対して押しつけれた状態で搬送することになるので、茎桿の長手方向に沿って力が作用することがあっても、茎桿は溝と挟持部材とによる保持力で移動が阻止されるものとなる。 【0012】上記第4の特徴によると、無端回動帯の外面側に圧縮変形が許された第1部材が配置されるので、ボリュームの大きい茎桿を搬送する場合でも第1部材が弾性変形することで搬送を許すことも可能となり、従来例のように挟持部材を複数の部材で構成しなくて済むばかりでなく、従来から必要としていたバネも不要となる。 【0013】〔発明の効果〕従って、静粛な駆動が可能な挟持搬送装置が合理的に構成されたのである(請求項1)。又、茎桿の搬送が確実で(請求項2)、外力が作用しても茎桿の長手方向での位置を保持して搬送でき(請求項3)、部品点数が少なく製作が楽で低廉化も可能なものとなった(請求項4)。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1,図2に示すように、クローラ走行装置1を備えた車体2の前端に刈取前処理部Aを油圧シリンダ3の作動で昇降自在に備え、この刈取前処理部Aの後方位置で車体2の左側部に脱穀装置Bを搭載し、又、車体2の右側部前部に搭乗運転部Cを配置し、この搭乗運転部Cの後部位置にグレンタンク4を配置してコンバインが構成されている。 【0015】前記刈取前処理部Aは茎桿としての植立穀桿を引き起こす引起し装置5と、植立穀桿の株元を後方に送る補助搬送ベルト6と、植立穀桿の株元を切断するバリカン型の刈取装置7と、刈取装置7で株元が切断された刈取穀桿K(茎桿の一例)の株元を掻き込む掻込み回転体8とを有すると共に、刈取穀桿Kの株元を挟持して前記脱穀装置Bに送る株元挟持搬送装置Dと、刈取穀桿Kの穂先側に接当して搬送する穂先係止搬送装置Eとを備えて構成されている。又、株元挟持搬送装置Eは樹脂製の搬送ベルトDV(無端回動帯の一例)と、この搬送ベルトDVの搬送面側に配置される挟持ロッド9とを備えて構成され、穂先係止搬送装置Eは無端チェーン10に対して起伏自在な多数の係止爪11を備えて構成されている。 【0016】図1〜図3に示すように、株元挟持搬送装置Dの搬送ベルトDVは、掻込み回転体8の上部位置で縦軸芯周りで回転自在に支承された遊転輪体12から、この遊転輪体12の後方側に傾斜姿勢の軸芯周りで回転自在に支承された複数の遊転輪体13を介して脱穀装置Bの後部側面位置で横軸芯周りで回転自在に支持された駆動輪体14に亘って巻回されることで、搬送面を略縦向き姿勢から水平姿勢まで滑らかに変化させるものとなっている。又、脱穀装置Bの側面には搬送ベルトDVの上面に位置を設定して挟持レール15(挟持部材の一例)が配置され、刈取穀桿Kが脱穀装置Bに供給される際には搬送ベルトDVと挟持レール15との間に刈取穀桿Kの株元が挟持された状態で後方に送られるものとなっている。このように刈取穀桿Kの搬送経路を形成したことから、刈取穀桿Kは縦姿勢から穂先側が車体の内側に向かう横向き姿勢まで滑らかに変化し、この横向き姿勢で脱穀装置Bに送り込まれるものとなっている。 【0017】図8,図9に示すように、搬送ベルトDVは、布やワイヤのように伸縮が抑制されながら柔軟に変形し得る素材で成る第1部材18を内面側に配置し、この第1部材18の外面側に発泡ウレタンや軟質なゴムのように第1部材18の長手方向と直交する方向への弾性的な圧縮変形が許された外面側の第2部材19とを貼り合わせて一体化すると共に、この第2部材18の外周面側に先端形状が鋸歯状となる多数の突起部20を形成し、更に、第1部材18の内面側に前記駆動輪体14に形成された歯車状の突起14Aに係合する凹部21Aを連続的に形成した可撓性の樹脂製の係合部材21を設けて構成されている。尚、挟持レール15と搬送ベルトDVとで請求項1の挟持搬送機構が構成されている。 【0018】又、挟持レール15は単一の板状部材を脱穀装置Bの側面に対して固定して成り、又、搬送ベルトDVの搬送域の下面側には案内板16を配置してあり、刈取穀桿Kを搬送する際には図8に示す如く搬送ベルトDVが弾性変形して刈取穀桿Kの株元を抱き込む形態で搬送を行うものとなっている。 【0019】図2〜図5に示すように、前記脱穀装置Bは、脱粒室BRの内部に刈取穀桿Kの穂先の着粒部から穀粒を分離する分離機構として刈取穀桿Kの穂先部を上下から挟み込む一対の脱粒ベルト22を配置することで上下寸法の縮小化を図ったものにしている。つまり、夫々の脱粒ベルト22は伸縮が抑制されながら柔軟に変形し得る樹脂製の素材の外周面に多数の小突起22Aを形成して成り、上下夫々の脱粒ベルト22,22は前後位置に配置されたローラ23,23に巻回されている。又、下部位置の前後一対のローラ23,23は脱粒室BRに対して移動不能に支持され、上部の脱粒ベルト22は前後のローラ23,23を揺動型のアーム24,24の揺動端に支承することで、上方向に変位自在に支持してあり、この上方の一対のローラ23,23を下方に付勢するバネ25を備えることで、上下夫々の脱粒ベルト23,23を接触状態に配置し、更に、供給される刈取穀桿Kのボリュームの増大に対応して上方に退避し得るものとなっている。尚、前後のローラ23,23の中間位置に脱粒ベルト22の対向面を平行姿勢に維持する姿勢保持板26が配置されている。 【0020】図6に示すように脱粒ベルト22の駆動機構が構成されている。つまり、エンジン(図示せず)からの動力で駆動される一対の偏芯プーリ27,27を設け、夫々の脱粒ベルト22,22が巻回する後部のローラ23,23の駆動軸23A,23Aに円形プーリ28,28を設け、夫々の円形プーリ28と偏芯プーリ27とに亘って無端ベルト29を巻回し、この無端ベルト29に対して張力を作用させるよう揺動アーム30の揺動端に支承したテンションローラ31を備えると共に、夫々の偏芯プーリ27の回転作動によって脱粒ベルト22の一方が増速する際に他方の脱粒ベルト22が減速するよう夫々の偏芯プーリ27,27の回転位相を設定することで夫々の脱粒ベルト22,22の対向する面が後方に送られるよう駆動方向が設定され、このように送られる際に脱粒ベルト22,22の相対的な駆動速度が増加と減少を短時間のうちに繰り返すよう速度差が設定され、更に、夫々の脱粒ベルト22,22とも平均された搬送速度が前記搬送ベルトDVの搬送速度と一致するよう駆動系が構成されている。この駆動系を備えたことにより、図7に示すように上部の脱粒ベルト22の駆動速度Vaと下部の脱粒ベルト22の駆動速度Vbとの速度関係が一方の送り速度が最大となるタイミングで他方の送り速度が最小となる。 【0021】図3に示すように、夫々の脱粒ベルト22,22の下方位置に揺動選別機構34を配置してあり、下方の脱粒ベルト22,22の搬送端から落下状態で送り出される穀粒を揺動選別機構34の前部位置に送る案内板35を配置してある(案内板35は揺動選別機構34に一体形成しても良い)。この揺動選別機構34の下方の前部位置に選別風を送る唐箕36を備え、揺動選別機構34の前部側に穀粒を回収する1番スクリュー37を備え、この後方位置にワラ混じりの穀粒を回収する2番スクリュー38を備え、揺動選別機構の後方位置に脱穀装置内の塵埃を吸引して排出する排塵ファン39を備えている。又、脱穀装置Bの後端位置には搬送ベルトDVの搬送端からの刈取穀桿Kが供給される排ワラカッター40を備えている。又、1番スクリュー37で回収された穀粒は揚穀装置41で前記グレンタンク4に貯留され、2番スクリュー38で回収されたワラ混じりの穀粒は還元装置42で揺動選別板34の前部に戻されるものとなっている。 【0022】このように構成されたので、植立穀桿を収穫する際には引起し装置5が植立穀桿を立ち姿勢に設定し、この穀桿の株元を刈取装置7で切断し、このように切断された縦姿勢の刈取穀桿Kの株元を株元挟持搬送装置Dで挟持すると同時に穂先係止搬送装置Eで係止して後方に搬送するものとなっており、この搬送時には株元挟持搬送装置Dの搬送ベルトDVの搬送面が縦向き姿勢から横向き姿勢に連続的に変化して刈取穀桿Kを脱穀装置Bに送り込むので、従来からのコンバインのように刈取前処理部Aと脱穀装置Bのフィードチェーンとの間で穀桿の受け渡し不良を発生する不都合を発生させず、刈取穀桿Kは滑らかに縦姿勢から横姿勢に姿勢変更して脱穀装置Bに対して供給されるものとなっている。 【0023】又、脱穀装置Bは上下の脱粒ベルト22,22の間に刈取穀桿Kの穂先を挟み込み、脱粒ベルト22,22夫々の相対的な速度変化により刈取穀桿Kの穂先部に捻り力を作用させることで刈取穀桿Kから穀粒を分離するものとなっているので、扱胴を有した脱穀装置と比較して上下方向の寸法を小さくできるばかりでなく、穀粒の分離の際には、従来からの扱歯を有した扱胴のように強い打撃力が作用して穀粒を傷める不都合や、穀桿を巻き込む不都合を発生させることは無く、脱粒室内BRに発生する塵埃も低減するものとなっており、更に、この脱穀装置Bでは脱粒ベルト22,22の全幅で脱粒を行えるので従来からのコンバインのように扱深さを調節する必要もなく、前述のように単一の搬送ベルトDVで刈取穀桿Kを搬送し得るものとなっており、上下の脱粒ベルト22,22を駆動する伝動系も偏芯プーリ27,27を用いることで簡単な構造でありながら、脱粒ベルト22,22の相対速度差を大きくして良好な脱粒を行えるものとなっている。 【0024】特に、本発明では可撓性素材で搬送ベルトDVを構成することによって、この搬送ベルトDVを駆動する輪体14との接触部位で騒音を発生させることが無く、又、穀桿Kの搬送時には穀桿Kのボリュームに応じて弾性的に変形するので、従来からの挟持レールのように複数部材を屈曲自在に構成し、しかも、夫々の部材を付勢するバネを備えるような複雑で部品点数も多い構造を採用しなくて済み、前述のように挟持レール15を単一の部材で形成することが可能で製作も容易で低廉に構成できるものとなっている。 【0025】〔別実施の形態〕本発明は上記実施の形態以外に、例えば、以下のように構成することも可能である(前記実施の形態と同じ機能を有するものには実施の形態と共通の番号、符号を附する)。 【0026】(イ)図10に示すように、搬送ベルトDVを前述した実施の形態と同じ構造に形成すると共に、挟持レール15の下端部を茎桿に対する接触面積を拡大するよう折り曲げて円滑面15Aを形成し、搬送ベルトDVの外周面に形成された突起部20の幅方向の中央位置に対して、挟持レール15の下端の円滑面15Aが嵌まり込む1条の溝20Aを形成することで、搬送ベルトDVの挟持力を高めるよう実施する。 【0027】(ロ)図11、図12に示すように、搬送ベルトDVを周方向への伸縮が抑制されながら柔軟に変形し得る素材を用いると共に、この搬送ベルトDVの内周面側に駆動輪体14に形成された多数の突起部14Aに係合する凹部DVAを形成し、この凹部DVAが形成された部位の搬送ベルトDVの外周面に突起部DVBを形成することで、凹部DVAと突起部DVBとを等しいピッチで形成して製作を容易にする。又、この別実施の形態では挟持レール15の下端を折り曲げて左右一対の挟持部15B,15Bを形成し、又、この一対の挟持部15Bが嵌まり込む2条の溝F,Fを突起部DVBに形成している。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ
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| 【出願日】 |
平成10年6月19日(1998.6.19) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
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| 【公開番号】 |
特開2000−4649(P2000−4649A) |
| 【公開日】 |
平成12年1月11日(2000.1.11) |
| 【出願番号】 |
特願平10−172603 |
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