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【発明の名称】 コットンカバー
【発明者】 【氏名】長門 慶治

【氏名】中島 和政

【要約】 【課題】防水性、防風性にすぐれ、着脱が容易でコンタミの虞がないコットンカバーを提供する。

【解決手段】直方体状のコットンモジュールを被覆するカバーであって、天井面と、両側壁を被覆する両側面と、前後壁を被覆する前後面とを有し、両側面および前後面には周囲を水平方向に緊締する紐体を内包する少なくとも1の袋体を形成し、前後面には該紐体の先端に連結された緊締部材を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 直方体状コットンモジュールを被覆するカバーであって、天井面と、両側壁を被覆する両側面と、前後壁を被覆する前後面とを有し、両側面および前後面には周囲を水平方向に緊締する紐体を内包する少なくとも1の袋体が水平方向に形成されており、前後面には該紐体の先端には緊締部材が連結されていることを特徴とするコットンカバー。
【請求項2】 該カバーの材料が合成繊維布帛の両面に合成樹脂シート層を積層した積層シートからなる請求項1記載のコットンカバー。
【請求項3】 該カバーの材料がポリオレフィン製のフラットヤーンの織布の両面にポリオレフィン層を積層した積層シートからなる請求項1記載のコットンカバー。
【請求項4】 該カバーの材料が高密度ポリエチレン製のフラットヤーンを経緯糸に用いて織成した織布の両面に低密度ポリエチレン層を積層した積層シートからなる請求項1記載のコットンカバー。
【請求項5】 該カバーの天井面と両側壁が接合部のない一枚の積層シートによって構成されている請求項1記載のコットンカバー。
【請求項6】 両側面および前後面に形成された袋体がカバー本体を構成する積層シートと同じ積層シートからなり且つカバー本体に熱融着されている請求項2記載のコットンカバー。
【請求項7】 該緊締部材が、フック体とバックル体から構成されている請求項1〜6のいずれか1項に記載のコットンカバー。
【請求項8】 該カバーが、さらに、間欠的に連結孔または連結部材を設けた帯状体からなる係止部材を両側面に水平方向に接合して有し、この係止部材を介してスカート材を取りつけてなる請求項1記載のコットンカバー。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コットンカバーに関し、さらに詳しくは、原綿を圧縮して所定形状に形成したコットンモジュールを所定期間野積みして保管する間、防水、防風のためにコットンモジュールを被覆するコットンカバーに関する。
【0002】
【従来の技術】綿花畑から採取された原綿は、製綿工場に送られる前に、圧縮して所定形状に形成されたコットンモジュールとして2週間乃至半年間野積みして保管されることが多い。コットンモジュールは、まだ原綿の種子を含んでおり、雨水等の水分により発芽して原綿の品質を低下させるために防水処理が必要であり、また、野積みしてあるため、風による飛散を防止する対策等が必要である。コットンモジュールとしては、通常、そのままトラックコンテナで搬送するのに好適な数〜10トン程度の直方体であり、例えば、縦横2.5m×10m、高さ2.3mのような形状を呈している。
【0003】このコットンモジュールを被覆する方法としては、防水性を有する合成樹脂からなるシートまたはクロスシートでその表面を被覆しロープ等で縛って固定する方法が考えられるが、1枚のシートを表面に覆って直方体に密着させて折り畳んでロープを巻き付けて固定する方法では、シートの位置決めが困難で作業性も悪く、シートが風圧によりまたは風を含んで剥がれたりする問題があった。そこで、直方体の形状に合わせた種々の形状のカバーの使用が試みられている。
【0004】従来知られたカバーの多くは1枚のシートを縫製して直方体の上部を被覆できるようにしたものだが、またカバーが浅い場合には横方からの風を含んでカバーが持ち上げられるという問題があり、カバーが深い場合には装着が面倒であるとともに、このコットンモジュールを、トラックコンテナで搬送する際に、コットンモジュールの下部がコンテナ下部に備えられたコンベアで掻き上げられて長手方向に引っ張られて伸びそれに伴って破損してしまうという問題があった。
【0005】原綿は先に述べたように防水が必要であり、コットンモジュールの天井面への降水は中に浸みこんで品質低下の原因となるが、コットンモジュールの側面への降水は、処理前の原綿には油脂分が付着していて撥水性を有するので、高品質の綿花以外では、必ずしもコットンモジュールの下部周囲には被覆を必要としないものもある。
【0006】また風を含んでカバーが剥がれるのを防止するために、カバー側面の下縁部に連結紐を設けてコットンモジュールの下端部に設けられた係止部材に係止するものやカバー側面をメッシュシートにしたもの等も知られているが、取り扱いが困難であるとか、係止効果が不十分であるとか、製造にコストがかかりすぎる等の問題があり、更なる改良が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、防水性、防風性にすぐれ、着脱が容易でコンタミの虞のないコットンカバーを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は第1に、直方体状コットンモジュールを被覆するカバーであって、天井面と、両側壁を被覆する両側面と、前後壁を被覆する前後面とを有し、両側面および前後面には周囲を水平方向に緊締する紐体を内包する少なくとも1の袋体が水平方向に形成されており、前後面には該紐体の先端には緊締部材が連結されていることを特徴とするコットンカバーである。本発明は第2に、該カバーの材料が合成繊維布帛の両面に合成樹脂シート層を積層した積層シートからなる上記のコットンカバーである。本発明は第3に、該カバーの材料がポリオレフィン製のフラットヤーンの織布の両面にポリオレフィン層を積層した積層シートからなる上記のコットンカバーである。本発明は第4に、該カバーの材料が高密度ポリエチレン製のフラットヤーンを経緯糸に用いて織成した織布の両面に低密度ポリエチレン層を積層した積層シートからなる上記のコットンカバーである。本発明は第5に、該カバーの天井面と両側壁が接合部のない一枚の積層シートによって構成されている上記のコットンカバーである。本発明は第6に、両側面および前後面に形成された袋体がカバー本体を構成する積層シートと同じ積層シートからなり且つカバー本体に熱融着されている上記のコットンカバーである。本発明は第7に、該緊締部材が、フック体とバックル体から構成されている上記のコットンカバーである。本発明は第8に、該カバーが、さらに、間欠的に連結孔または連結部材を設けた帯状体からなる係止部材を両側面に水平方向に接合して有し、この係止部材を介してスカート材を取りつけてなる上記のコットンカバーである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を一実施例に基づいて図面を参照して詳細に説明する。
【0010】図1には、本発明の一実施例に係るコットンカバーがコットンモジュールを被覆している状態が示されている。コットンカバー2はほぼ直方体のコットンモジュール1を被覆するカバーであって、天井面3と、両側壁を被覆する両側面4と、前後壁を被覆する前後面5とを有している。天井面はコットンモジュールの天井面とほぼ同じか若干の余裕を有する面積に設定され、両側面および前後面はコットンモジュールの高さの上方から多くとも中間部までの所定部分を被覆可能な高さに設定されている。両側面および前後面の高さが中間部までより高いと、コットンカバーが風を含んで被覆が剥がれ易くなるとともに、コットンモジュールをコンテナ車などに引き上げて積み込む際に、コットンモジュールが長手方向に伸びてコットンカバーが引っ張られて破損する虞があり好ましくない。
【0011】本発明のコットンカバーは、少なくとも天井面と両側面との連接縁は連続した一素材でなるものが好ましい。しかし、上記に限定されるものではなく、境界面を溶着加工等により防水処理が施されるているものであれば差し支えない。天井面と前後面は製造の容易性から別途その境界面を溶着加工により一体化することが好ましい。
【0012】図2には図1のコットンカバーの製造途中の状態の一例が示されている。天井面3および両側面4,4′を構成すべき1枚のシートと前後面5,5′を構成すべき上記と同一材料からなる2枚のシートを用意する。天井面と前後面のシートの境界は溶着加工により一体化することが好ましい。上記の計3枚のシートにはコットンカバーの周囲を水平方向に緊締する紐体を内包する少なくとも1の袋体を予め形成しておくことが好ましい。図では端部とその近傍に水平方向に上記袋体6,6′が設けられている。この袋体は端部についてはシート端部を折り返して溶着加工することにより、また端部近傍については好ましくは本体シートと同じ長尺材料を溶着加工することにより設けることができる。その際予め形成されるべき袋体内部に紐体7,7′を組み込んでおくことが望ましい。この袋体は周囲を緊締する紐体を支持する機能をもつものであり必ずしも連続した長尺体である必要はなく、水平方向に部分的に存在する複数の袋体で構成されていてもよい。図では平行する2ケ所6,6′に袋体を設けたがその個数も特に限定されない。紐体としては、ベルトまたはロープが好ましいが、取扱い性や耐久性にすぐれ、伸びの少ない点などから延伸ポリエステル製ベルトまたはポリプロピレン製ベルトが好ましい。
【0013】図2において両側面4,4′の側端部と前後面5,5′の側端部が一体化されてコットンカバーとされるが、この一体化は加工の容易性から縫製加工が好ましい。その際紐体の端部10,10′どうしも接合される。延伸ポリエステル製ベルトの場合には溶着加工または連結金具により接合することができる。
【0014】前記紐体の先端部が前面の袋体の末端部の開孔部から頭出した箇所において、紐体の先端部は緊締部材8,8′に連結される。緊締部材は、図2に示すように、ベルト体とベルト体に連結された一対のフック体8とバックル体8′とから形成される。このような構成からなる緊締部材により、紐体の緊締時にはフック体をバックル体に結合させて帯状体を引っ張ることにより容易にコットンカバーを緊締することが可能であり、解体時およびコットンモジュールのコンテナ車による搬出時には、紐体のほどき作業が不要となり、フック体を外すことにより容易にコットンカバーを弛めて取り外すことが可能となるものである。
【0015】また、図3に示すように、上記両側面に、間欠的に連結孔または連結部材を設けた帯状体からなる係止部材11を水平方向に接合するとともに、間欠的に連結部材または連結孔を設けたシート体からなるスカート部材12であって、連結部材または連結孔を設けた位置より先端部に紐体を内包する袋体を形成し、連結部材または連結孔を上記係止部に連結することによりシート体を上記両側面に係止してコットンカバーにスカート部を付着してなるコットンカバーを形成することができる。
【0016】上記係止部材としては、帯状体を両側面に水平方向に接合して形成するものであるが、接合方法は本実施例に示すように、紐体を挿通する袋体を形成するための帯状体の幅方向の延長部分を係止部材としてもよく、また、別素材の帯状体を接合してもよい。接合方向は縫製でもよいが、防水性を向上するために溶着法が好ましい。
【0017】上記帯状体には、連結孔または連結部材が間欠的に設けられている。連結孔および連結部材は、図4に示すように、一対の連結孔と連結孔に挿通して係止する連結部材であって、帯状体にその一方が設けられ、相対する後述のスカート部に他方が設けられて一対となってスカート部が係止部材に連結されるものである。
【0018】上記スカート部としては、側面を被覆可能な四方形状のシートの水平方向の上端縁部に袋体が形成されて、袋体には紐体が内包されているものが基体となっている。そのスカート部の上端縁部のやや下方近傍に、図5に示すように、連結部材が間欠的に接合されている。袋体の接合方法は縫着でも溶着でもよいが、溶着が好ましい。上記構成からなる係止部材による連結により、スカート部の上端縁部に設けられた袋体および袋体に内包された紐体がスカート部に設けられた連結孔または連結部材より上方に位置するため、雨水等に対して十分防水効果を保持できるものである。
【0019】上記スカート部の水平方向に、緊締用の少なくとも1の紐体を内包する袋体を取り付けてもよい。図3は、帯状体に連結孔を設けてスカート部に設けた連結部材でスカート部を側面に取り付け、さらにスカート部の高さ方向のほぼ中央部に水平方向に緊締用の紐体を内包した袋体を溶着して形成したコットンカバーがコットンモジュールを被覆した状態を示している。
【0020】本発明のコットンカバーおよびスカート部を形成するシートは、合成樹脂からなるシート、合成繊維または天然繊維からなる織布または不織布、織布または不織布に合成樹脂からなるシートを積層した積層シートなどが用いられる。これらのうちでは、防水性および加工性にすぐれた合成繊維に合成樹脂からなるシートを積層した積層シートが好ましい。合成樹脂からなるシートを積層することにより、織布または不織布を用いた場合に発生する虞のあるコンタミを防止できるので好ましい方法である。積層シートの用いられる合成繊維としては、ナイロン、ポリエステル、ポリオレフィンなどの繊維が好適に用いられ、積層する合成樹脂としては、加工性にすぐれ、廉価なポリオレフィンが好適に用いられる。これらのうちでは、ポリオレフィンからなる織布にポリオレフィンからなるシートを積層したポリオレフィン積層シートが最も好ましい。
【0021】上記ポリオレフィン積層シートとしては、具体的には、高密度ポリエチレンを用いて形成したフラットヤーンを経緯糸に用いて織成した織布の両面に低密度ポリエチレン層を積層してなるものが好適に用いられる。フラットヤーンの形成方法は公知のTダイ法あるいはインフレーション法でよく、低密度ポリエチレンの積層方法は公知の押出ラミネーション法が好ましい。
【0022】上記フラットヤーンの繊度は、500〜3000デニール(以下、dと略す)が好ましく、このフラットヤーンを用いて、打込密度が5〜30本/インチが好ましく、10〜20本/インチがより好ましい。織組織は平織、綾織などにより織布を形成する。織布の目付は50〜400g/m2 が好ましく、100〜300g/m2 がより好ましい。低密度ポリエチレン層の厚みは30〜100μmが好ましく、40〜60μmがより好ましい。
【0023】本発明に用いられるシートには、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において他の熱可塑性樹脂、あるいは酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、分散剤、滑剤、帯電防止剤、顔料、無機充填剤、架橋剤、発泡剤、核剤等の通常用いられる添加剤を配合することができる。
【0024】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明のコットンカバーは、風に対してコットンカバーが風を含んで被覆が剥離することなく、また、コットンモジュールをコンテナ車に引き上げて搬送する際にも、コットンモジュールが長手方向に引き伸ばされてもコットンカバーの下端縁部は伸縮して伸びを吸収して破損に至らない。さらに、このコットンカバーは縫製箇所が最小限度に抑えられており、防水性にすぐれるとともに、製作が容易となりコストダウンを計ることができる。また、緊締作業の繰り返しによる破損も生じない。そして、紐体の緊締部材としてフック体とバックル体とからなる簡単な構成となっており、緊締時および解体時にワンタッチで作業が行えるなど作業性に著しく優れている。さらに、上記コットンカバーの別部材として、連結孔または連結部材を備えたスカート部を形成し、上記連結孔または連結部材に対して連結部材または連結孔を備えたコットンカバーに接合された係止部材に前記スカート部を連結してコットンモジュールの側面下部を被覆したコットンカバーとなすことにより、高品質の原綿に対して防水性を向上させたコットンカバーを得ることができる。
【出願人】 【識別番号】000234122
【氏名又は名称】萩原工業株式会社
【出願日】 平成10年6月16日(1998.6.16)
【代理人】 【識別番号】100071755
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 武彦 (外1名)
【公開番号】 特開2000−27(P2000−27A)
【公開日】 平成12年1月7日(2000.1.7)
【出願番号】 特願平10−168266