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【発明の名称】 自走式茶葉摘採機
【発明者】 【氏名】松村 鋼司

【氏名】斎木 雅宏

【要約】 【課題】走行装置および高さ調整部に対する操作性が悪いことに鑑み、このような不具合を改善できる構成を備えた自走式茶葉摘採機を提供する。

【解決手段】茶樹畝2を跨ぐ門型フレーム3の前後及び左右の各脚部の下端部に走行装置6、7を装備し、該走行装置6.7を駆動して茶樹畝を跨いだ状態で前後方向に走行する走行台車4に茶葉摘採機5を吊持し、この茶葉摘採機5の近傍に茶葉収容部を装着して茶樹畝の茶葉を摘採するようにした自走式茶葉摘採機1において、上記走行台車4には、4隅にて上記走行装置6,7の起動および停止の各操作が行える操作部50が設けられていることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 茶樹畝を跨ぐ門型フレームの前後及び左右の各脚部の下端部に走行装置を装備し、該走行装置を駆動して茶樹畝を跨いだ状態で前後方向に走行する走行台車に茶葉摘採機を吊持し、この茶葉摘採機の近傍に茶葉収容部を装着して茶樹畝の茶葉を摘採するようにした自走式茶葉摘採機において、上記走行台車には、4隅にて上記走行装置の起動および停止の各操作が行える操作部が設けられていることを特徴とする自走式茶葉摘採機。
【請求項2】 上記操作部には、起動および停止用手段が設けられていることを特徴とする請求項1記載の自走式茶葉摘採機。
【請求項3】 上記走行台車には、これに吊持されている茶葉摘採機の摘採位置を調整する調節操作部が上記走行装置および茶葉摘採機の制御盤と相対位置に設けられていることを特徴とする請求項1記載の自走式茶葉摘採機。
【請求項4】 茶樹畝を跨ぐ門型フレームの前後及び左右の各脚部の下端部に走行装置を装備し、該走行装置を駆動して茶樹畝を跨いだ状態で前後方向に走行する走行台車に茶葉摘採機を吊持し、この茶葉摘採機の近傍に茶葉収容部を装着して茶樹畝の茶葉を摘採するようにした自走式茶葉摘採機において、上記走行台車には、相対位置に上記走行装置の起動および停止用操作部が設けられ、上記走行装置には、操舵可能な構成が備えられていることを特徴とする自走式茶葉摘採機。
【請求項5】 上記走行装置は、駆動部が転回可能な構成とされていることを特徴とする請求項4記載の自走式茶葉摘採機。
【請求項6】 上記走行装置は、相対位置に駆動部が設けられた構成とされていることを特徴とする請求項4記載の自走式茶葉摘採機。
【請求項7】 上記起動および停止の各操作を行う操作部の一つと上記操舵部とが同一箇所に設けられていることを特徴とする請求項1または4記載の自走式茶葉摘採機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、茶樹園において各茶樹畝の両側の畝間を自走可能な走行装置を備えた自走式茶葉摘採機に関し、さらに詳しくは、1畝を1往復することによって摘採を初めとする茶園管理作業が行える構成を備えた茶葉摘採機における走行および茶園管理作業のための操作構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、走行装置を備えた自走式茶葉摘採機として、例えば、図8に示すように地面に敷設したレール上を移動可能な自走式茶葉摘採機Aが本出願人により提案されている。この従来のレール式茶葉摘採機Aは、図示しない茶樹畝を跨ぐ門型フレームBの前後及び左右の各脚部Cの下端部に前輪D,D及び後輪E,Eを装備し、これら前輪D,D及び後輪E,Eを茶樹畝の両側の畝間に敷設された左右のパイプ状のレールF,Fに転接させ、後輪E,Eを走行モータG,Gにより駆動して茶樹畝を跨いだ状態で前後方向に走行する自走式の走行台車Hを構成している。そして、この走行台車Hに茶葉摘採機Iを吊持し、この茶葉摘採機Iの後部に図示しない茶葉収容袋(部)を装着して、矢印方向に移動しながら茶樹畝上の茶葉を摘採するようにしている。
【0003】一方、上述した茶葉摘採機は、摘採作業だけでなく、刈りならし作業や剪枝作業等の茶園管理作業を行うことも可能であり、この場合には、茶樹畝の幅方向中心を挟んで茶葉摘採機Iが対面していた茶樹畝と反対側の茶樹に対面するように、例えば、ならし機を設置することが行われている。
【0004】自走式茶葉摘採機Aは、走行台車の幅方向一方側に搭載されている制御盤Jおよび走行台車の幅方向中心を挟んで制御盤Jと対向する側にそれぞれ設けられている起動および停止スイッチ(図示されず)により走行装置の制御が行われ、また、制御盤Jに設けられている高さ調整操作部材により茶樹頂面に対する摘採機あるいはならし機の高さ調整が行われるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の自走式茶葉摘採機においては、次のような問題があった。つまり、走行装置の起動および停止を司るスイッチや茶園管理作業に用いられる機器の高さ調整のための操作部材が限られた位置に設置されているために作業性が極めて悪い。例えば、刈りならし作業を行う場合でいうと、摘採作業と刈りならし作業とでは自走式茶葉摘採機の走行方向が逆であるので、刈りならし作業時に上述した各スイッチあるいは操作部材の操作が行いにくくなる。特に、走行台車の幅方向両側ではなく、一方に設置されている制御盤に集中して各スイッチや操作部材を装備していることが多いことから、作業者は操作の際に手が届かなかったり、あるいは一々反対側に回り込んで操作指令作業を行わなければならない。このため、走行装置の暴走や労力負担の増加を招く虞がある。
【0006】本発明の目的は、上記従来の自走式茶葉摘採機における問題、特に、走行装置および高さ調整部に対する操作性が悪いことに鑑み、このような不具合を改善できる構成を備えた自走式茶葉摘採機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するための請求項1記載の発明は、茶樹畝を跨ぐ門型フレームの前後及び左右の各脚部の下端部に走行装置を装備し、該走行装置を駆動して茶樹畝を跨いだ状態で前後方向に走行する走行台車に茶葉摘採機を吊持し、この茶葉摘採機の近傍に茶葉収容部を装着して茶樹畝の茶葉を摘採するようにした自走式茶葉摘採機において、上記走行台車には、4隅にて上記走行装置の起動および停止の各操作が行える操作部が設けられていることを特徴としている。
【0008】請求項2記載の発明は、上記操作部には、起動および停止用手段が設けられていることを特徴としている。
【0009】請求項3記載の発明は、上記走行台車には、これに吊持されている茶葉摘採機の摘採位置を調整する調節操作部が上記走行装置および茶葉摘採機の制御盤と相対位置に設けられていることを特徴としている。
【0010】請求項4記載の発明は、茶樹畝を跨ぐ門型フレームの前後及び左右の各脚部の下端部に走行装置を装備し、該走行装置を駆動して茶樹畝を跨いだ状態で前後方向に走行する走行台車に茶葉摘採機を吊持し、この茶葉摘採機の近傍に茶葉収容部を装着して茶樹畝の茶葉を摘採するようにした自走式茶葉摘採機において、上記走行台車には、相対位置に上記走行装置の起動および停止用操作部が設けられ、上記走行装置には、操舵可能な構成が備えられていることを特徴としている。
【0011】請求項5記載の発明は、上記走行装置は、駆動部が転回可能な構成とされていることを特徴としている。
【0012】請求項6記載の発明は、上記走行装置は、相対位置に駆動部が設けられた構成とされていることを特徴としている。
【0013】請求項7記載の発明は、上記起動および停止の各操作を行う操作部の一つと上記操舵部とが同一箇所に設けられていることを特徴としている。
【0014】
【作用】請求項1乃至3記載の発明では、走行装置の起動および停止スイッチが走行台車の4隅に設置されているので作業者が走行台車のいずれの位置にいても作業者の手が届く位置にて走行装置の起動および停止を制御することができる、また、茶園管理機器の高調整、特に摘採機とは逆の位置に設置されて摘採地とは逆方向に進行する刈りならし作業時には、摘採作業時での操作部と対角位置で刈りならし機が設置されている側に相当する箇所で高さ調整できるので、作業者が一々制御盤に回り込んで調整操作する必要がなくなる。特に、傾斜地などでは茶畝の両側での高さが異なっている場合があるが、このような場合でもならし機が茶樹に対面している箇所で視認しながらならし機の高さ調整を行うことができる。
【0015】請求項4乃至7記載の発明では走行装置が操舵可能であり、また、駆動部が転回可能であるので、操舵量以上の旋回半径を得ることができ、狭い枕地であっても隣り合う茶畝への乗り入れが可能になる。
【0016】
【実施例】以下、図示実施例により本発明の詳細を説明する。図1乃至図5は、請求項1乃至3記載の発明の実施例を示す図であり、同図に示されている実施例は、走行装置として畝間に敷設されたパイプレール上を転動する車輪を備えたレール式茶葉摘採機を対象としている。つまり、レール式茶葉摘採機1は、茶樹畝2を跨ぐ形態の門型フレーム3を有する走行台車4と、この走行台車4に吊持される茶葉摘採機5とを備えている。上記走行台車4は、門型フレーム3の左右両脚部の下端部に設置された左右一対の駆動輪である後輪6,6び従動輪である前輪7,7が茶樹畝2の左右両側の畝間に所定の地上高をもって敷設された左右のパイプレール8,8上を転動することで、茶樹畝2に沿って走行できる。
【0017】上記門型フレーム3は、アルミニウム合金製の角パイプの溶接構造物であり、前後に所定間隔をあけて平行配置された前部横フレーム3a及び後部横フレーム3bと、上記前部横フレーム3aの両端部からほぼ直角に下方に延びる左右一対の前部脚部フレーム3c,3cと、上記後部横フレーム3bの両端部から略直角に下方に延びる左右一対の後部脚部フレーム3d,3dと、前部脚部フレーム3c,3cの上端部と後部脚部フレーム3d,3dの上端部とをそれぞれ前後に連結する左右一対の上部サイドフレーム3e,3eと、前部脚部フレーム3c,3cの下端部と後部脚部フレーム3d,3dの下端部とをそれぞれ前後に連結する左右一対の下部サイドフレーム3f,3fとを有している。そして、上記左右一対の後部脚部フレーム3d,3dの下端部に走行装置の一つをなす後輪6,6が設置され、上記左右一対の前部脚部フレーム3c,3cの下端部に走行装置の他の一つをなす前輪7,7が設置されている。
【0018】上記後輪6,6及び前輪7,7は、いずれも両側にツバ部を有するU字溝付きのものであり、パイプレール8,8上を転動する際に、左右方向に傾動しても不用意に脱輪しないようになっている。また、後輪6,6は、トルクの大きい直流の走行モータ9,9により減速機構を介して回転駆動され、この走行モータ9,9は、門型フレーム3上に搭載された制御盤に相当するコントロールボックス10を介してバッテリ11及び発電機12に連繋されており、コントロールボックス10の操作に応じて回転が制御される。なお、上記発電機12は小型で高出力が得られる交流発電機であり、コントロールボックス10内に配置された整流器を介してバッテリ11及び走行モータ9,9に接続されている。なお、走行モータ9は、上述した後輪6の両方に設けることに限らず、対角位置などの相対位置にある車輪を対象として設けることも可能である。
【0019】前輪7,7は、図1および図3に示すように、前部脚部フレーム3c,3cの下端部で下部サイドフレーム3f,3fに取付けられた前輪ステー7aによって回転軸7cを介して軸支されている。前輪ステー7a,7aから前方にリミットスイッチ26,26が突出しており、パイプレール8,8の終端部に設けたストッパに接触したとき走行モータ9,9の電源を切り、走行台車4の走行を停止させる。後輪6,6から後方にもリミットスイッチ27,27が突出しており、走行台車4が後進してパイプレール8,8の終端部に設けたストッパに接触したとき走行モータ9,9の電源を切り、走行台車4の走行を停止させる。
【0020】一方、図1において上記門型フレーム3には、その前部脚部フレーム3c,3cと後部脚部フレーム3d,3dとに跨って昇降自在な左右一対の昇降フレーム13,13が設けられている。この昇降フレーム13,13は左右対称に配置された同一構造のものであり、その一方について説明すると、昇降フレーム13の前後両端部には、それぞれ左右の支持板14,14を介して3つの転動輪15が回転自在に支持され、前端側の3つの転動輪15が前部脚部フレーム3cを前後方向から挟持し、後端側の3つの転動輪15が後部脚部フレーム3dを前後方向から挟持することで、昇降フレーム13は前部脚部フレーム3cと後部脚部フレーム3dとに跨って昇降自在である。さらに、昇降機構としては、門型フレーム3における前部脚部フレーム3cおよび後部脚部フレーム3dにも適用されている。つまり、詳細を図示しないが、一対の下部サイドフレーム3fに対して前部および後部の各脚部フレーム3c、3dが挿嵌されており、挿嵌部には両フレーム同士を係脱するための係合ピン3hが挿通されている。このため、係合ピン3hをぬくことで前部および後部の各脚部フレーム3c、3dを下部サイドフレーム3fに対して上下位置を調整することができるようになっている。
【0021】上記昇降フレーム13を昇降駆動するため、門型フレーム3の前部脚部フレーム3cの上端部には、上記コントロールボックス10によって回転制御される減速機構付きの昇降モータ16が付設されると共に、この昇降モータ16によって回転駆動されるドライブシャフト(図示せず)が上部サイドフレーム3e内に回転自在に挿通支持され、また、上記ドライブシャフトに伝動されて同一方向に同期回転する2本のネジシャフト(図示せず)が前部脚部フレーム3c及び後部脚部フレーム3d内にそれぞれ回転自在に挿通支持されている。
【0022】そして、上記ネジシャフトに螺合する各ナット(図示せず)が前部脚部フレーム3c及び後部脚部フレーム3dの外側面に開口されたスリット3g,3gを貫通する連結部材(図示せず)を介して昇降フレーム13の前後両端部の各支持板14,14に連結されることで、昇降フレーム13が昇降モータ16の回転に応じ前部脚部フレーム3c及び後部脚部フレーム3dに沿って昇降駆動される。
【0023】上記門型フレーム3は、前部横フレーム3a及び後部横フレーム3bがそれぞれ長手方向中央で2分割され、その分割端がそれぞれ連結ピン17,17を介して枢着されており、この連結ピン17,17を屈折点として左右幅方向中央で上下に屈折自在な中折れ構造となっている。そして、上記連結ピン17,17と一体のブラケット18,18に上方に延びるスライド支柱19,19が立設され、各スライド支柱19,19には、連結金具20,20の摺動筒部20a,20aがそれぞれ摺動自在に嵌合し、ストップレバー20bの操作で任意の摺動位置に固定できる。
【0024】上記連結金具20,20は、摺動筒部20a,20aを中心にして左右方向に若干斜め上方に突出する左右対称形をなすもので、門型フレーム3の上方に配置される連結フレーム21の前後両端部に固定されている。そして、上記連結金具20,20を介して連結フレーム21を門型フレーム3の左右幅方向中央上方に支持し、かつ門型フレーム3が連結ピン17,17を屈折点として左右対称に屈折するように、左右一対の支持ステー22,22がそれぞれ前後に配置して設けられている。
【0025】これらの支持ステー22は、中間部が下方に若干屈曲した等長のものであり、各内端部は連結金具20,20の左右両端部にそれぞれ上下方向に回動自在に枢着されている。そして、前側に配置された左右一対の支持ステー22,22の外端部は前部横フレーム3aの両端部付近にそれぞれ上下方向に回動自在に枢着され、後側に配置された左右一対の支持ステー22,22の外端部は後部横フレーム3bの両端部付近にそれぞれ上下方向に回動自在に枢着されている。
【0026】一方、上記茶葉摘採機5は、茶樹畝2の幅方向半分を摘採対象としたバリカン式のもので、茶樹畝2の上面頂部側にエンジン5a、送風機5b及び刈刃駆動部5cを上下に重設している。上記刈刃駆動部5cから茶樹畝2の一側端側に円弧状のバリカン刃(刈刃)5dが延びており、また、送風機5bからバリカン刃5dの上方に沿って延び、バリカン刃5dで摘採された茶葉を後方に吹き飛ばすための複数のノズルを有する送風ダクト5eを設けている。なお、図示しないが、バリカン刃5dの後方には、バリカン刃5dにより摘採され、送風ダクト5eにより後方に向け吹き飛ばされる茶葉を収容する茶葉収容袋(部)が着脱される。これらの構成は、従来周知の2人用茶葉摘採機と同様である。
【0027】そして、茶葉摘採機5には、走行台車4に対する吊持用の部材として、送風機5bの外側寄り外周部分に半円状のフレームパイプ5fを取付け、このフレームパイプ5fの両端部で刈刃駆動部5cの上方に位置して支持金具5g,5gをネジ止めし、この支持金具5g,5gに軸5h,5hを介して前後一対の支持フレーム5i,5iの下端部を上下回動可能に支持している。支持フレーム5i,5iの上端部は水平支持杆5jの両端部に枢着され、この水平支持杆5jの長さ方向中間位置に回動支持部材5kが取付けられている。回動支持部材5kには、茶葉摘採機に代えてならし機(図示されず)を取り付けることもでき、この場合には、回動支持部材5kを回動させて摘採対象の茶樹と反対側の茶樹に対してならし機を対面させる。
【0028】上記バリカン刃5d及び送風ダクト5eの外端部には、図3に示すように、上下調節ハンドル5lを有する係止部5mを設けている。そして、上記係止部5mを、上記昇降フレーム13,13の中間部に設けた係止枠23に嵌挿し、固定ノブ23aにより固定、固定解除するようにしている。従って、茶葉摘採機5は、その係止部5mを係止枠23に固定した状態で、上下調節ハンドル5lの回動及び昇降フレーム13の昇降により、外端側が上下調節される。
【0029】上記支持フレーム21の中間位置には、制御盤に相当するコントロールボックス10によって回転制御されるブレーキ機構及び減速機構付きの吊持モータ24と、この吊持モータ24により駆動されるピニオン・ラック機構25とが設けられ、該ピニオン・ラック機構25に挿通されて上下方向に駆動されるラックシャフト25aの下端部に、上記回動支持部材5kが連結されている。従って、茶葉摘採機5は、刈刃駆動部5cを中心に、ラックシャフト25a及び支持フレーム5i,5iによる上下移動、回動支持部材5kによる水平回動及び支持フレーム5i,5iによる上下回動が可能である。また、支持フレーム5i,5iが茶葉摘採機5の原動機5aの外側寄り部分を支持しているので、茶葉収容袋の着脱の邪魔にならない。以上のような構成は、本願出願人の先願に係る特開平9−298931号公報に詳細が示されている。
【0030】前記コントロールボックス10は、走行モータ9,9、昇降モータ16、及び昇降モータ24の回転を制御するマイクロコンピュータを内蔵したもので、その操作面は、図5に示す構成とされている。上記操作面には、走行台車4を低速前進または低速後退させるよう左右の走行モータ9,9を同期して回転制御する前進走行ボタン50A及び後退走行ボタン50A’、走行モータ9,9の停止用ボタン50B、バッテリ11の電圧表示計51,走行モータ9,9により駆動される車輪の回転数を設定して走行距離を割り出すための刈り取りカウンター53、走行速度を設定する速度計54、左右の昇降フレーム13,13を各別に昇降させるよう各昇降モータ16を個別に回転制御して刈り取り高さを設定する昇降スイッチ55、後輪6,6および前輪7,7を対象として設けられているリミットスイッチ26,27が作動していることを表示する前進表示灯56および後退表示灯57、後述する操作部50でのスイッチ類の断線などの故障表示を行うパルス表示灯58、バッテリ11の充電時に充電満了までの間を表示する充電モニターランプ59、コントロールボックス10に有する回路の故障を表示する走行コントローラ表示ランプ60、走行モータ9,9による駆動される車輪が停止されているときのオーバーランを防止するための制動装置を駆動するブレーキスイッチ61および主電源スイッチ62が備えられている。また、コントロールボックス10には、図示しないが遠隔操作を可能にするために図示しないリモートコントローラ操作部からの信号を受信できる受信部が設けられている。
【0031】門型フレーム3におけるコントロールボックス10が設置されている個所を含めて4隅には、走行モータ9,9の起動および停止を行わせるための操作部50が設けられている。図1において、門型フレーム3におけるコントロールボックス10が配置されている位置を除く他の隅部には、起動および停止用手段の一つである操作スイッチ50A、50Bを備えた操作ボックス51がそれぞれ設けられている。この起動および停止用手段としてのスイッチには、押しボタン形式やレバー形式が採用される。上記操作ボックス51は、門型フレーム3における進行方向前側の両側では、図1および図2に示すように、各スイッチ50A、50Bが進行方向前方に向け露呈しており、門型フレーム3における進行方向後側の隅部では、図3に示すように、各スイッチ50A、50Bが進行方向後方に向け露呈している。コントロールボックス10には、図3および図4に示すように、操作面とは別に、進行方向後方の面に各スイッチ50A、50Bが設けられている。各スイッチ50A、50Bは、コントロールボックス10に装備されている起動(前進・後退)および停止スイッチと並列に接続されており、いずれの位置の操作部50において各スイッチのいずれかが操作された場合に走行モータ9,9への駆動制御指令が出力できるようになっている。
【0032】上記操作部のうちで、コントロールボックス10と相対位置の一つである対角位置に配置されている操作部(便宜上、図1および図2において符号50’で示す)には、コントロールボックス10に設けられているものと同様に、昇降モータ16を個別に昇降させるための昇降スイッチ63,64(図1,図2参照)が設けられている。この昇降スイッチ51,52は、先に説明した起動および停止スイッチ50A、50Bと同様にコントロールボックス10に装備されているものと並列接続されており、いずれの位置でも操作されることにより昇降モータ16を駆動できるようになっている。また、上述したコントロールボックス10に装備されている受信部に対して走行台車4の近傍で上記操作部50に代えて遠隔操作可能なコントロール部、いわゆる、リモートコントローラの操作部を設け、このリモートコントローラの操作部を用いて上記操作部50と同様な操作を行うようにすることも可能である。さらに、リモートコントローラの操作部においては、上記起動および停止操作だけでなく、速度設定を行うようにすることも可能である。
【0033】本実施例は以上のような構成であるから、走行モータ9,9の起動および停止操作を行う場合、門型フレーム3の4隅に位置する操作部50のいずれにおいても起動スイッチ50Aあるいは停止スイッチ50Bを操作することができる。例えば、茶葉摘採作業に代えて刈りならし作業を行うような場合には、ならし機が茶葉摘採機5の設置位置に対して水平方向で反転した状態に取り付けられる関係上、作業者はコントロールボックス10が配置されている側から反対側の位置に移ることが必要となる。このため、刈りならし作業を行うために走行モータ9,9を起動する際には、コントロールボックス10と反対側に位置する操作部50、つまり、進行方向前方あるいは後方のいずれかの操作部50に有する起動スイッチ50Aを操作することで一々コントロールボックス10の位置まで回り込むことなく刈りならし作業を開始することができる。また、走行台車4を停止させたい場合においてもならし機が茶樹に対面している側、つまり、コントロールボックス10と反対側の位置で操作部50に有する停止スイッチ50Bを操作することができるので、即座胃にていし動作に切り換えることができ、これにより走行台車4の暴走を未然に防止することができる。
【0034】刈りならし作業を行う場合には、ならし機を茶樹の高さに応じて高さ調整する必要があるが、コントロールボックス10と相対位置に配置されている操作部50’には、コントロールボックス10に設けられているものと同様な昇降スイッチ63,64が設けられているので、ならし機と茶樹との対向状態を最も近い位置で視認しながら高さ調整を行うことができる。これにより、ならし機の高さ調整を一々コントロールボックス10の位置まで回り込まなくても実行することができるので、作業者の労力負担が軽減できる。
【0035】次に請求項4乃至7記載の発明の実施例について説明する。図6は、請求項4乃至7記載の発明の実施例を示す図であり、同図に示されている実施例は、走行装置として転回可能なキャスタ付き車輪を前輪として用い、図1に示したパイプレールのない場合でも自走可能な自走式茶葉摘採機を対象としている。図6において、門型フレーム(便宜上、符号3で示す)は、図1に示した構成と異なり、垂直方向に屈曲しないで水平方向に伸縮することができる構成を備えている。つまり、進行方向前後において横架されている前部横フレーム3aおよび後部横フレーム3bは、幅方向中央において支持フレーム21と一体とされた箇所を基準にして左右各端部側が分割されて側端部フレーム3a1,3b1として構成された角柱パイプが用いられており、側端部フレーム3a1,3b1における一端部が幅方向中央に位置する前部横フレーム3a、後部横フレーム3bに対してそれぞれ挿入されている。幅方向中央に位置する前部横フレーム3aおよび後部横フレーム3bに対する側端部フレーム3a1、3b1の挿入端部には横フレーム3a、3bと一体化されるためのピン係合穴3a2、3b2が形成されており、側端部フレーム3a1、3b1側には、このピン結合穴3a2、3b2が幅方向に沿って複数形成されている。これにより、側端部フレーム3a1、3b1は、横フレーム3a、3bに対して引き出しあるいは収納される方向に移動することができ、移動した位置でピン結合穴に対してピン(図示されず)が挿入されるとお互いに一体化されるので、茶畝の幅方向で下部サイドフレーム3fの位置を変更することができるようになっている。
【0036】一方、下部サイドフレーム3fには、進行方向前側にキャスタ付きの前輪(便宜上、図6において符号7Aで示す)が設けられており、これら前輪7Aは、コントロールボックス10側とこのコントロールボックス10と対角位置に設けられている側端部フレーム3a1の一方における前面に設けられている操舵操作部60によって操舵されるようになっている。図6においては、操舵操作部60が側端部フレーム3a1の一方のみに示されているが、コントロールボックス10側では、コントロールボックス10の後方位置で後部横フレーム3bに挿入されている側端部フレーム3b1あるいは上部サイドフレーム3e若しくはコントロールボックス10の後部壁面のうちでいずれかに設けられる。本実施例での操舵操作部60には、スイッチあるいはハンドルが設けられて操舵角を設定できるようになっている。
【0037】一方、走行モータ9,9に駆動される後輪(便宜上、符号6Aで示す)は、下部サイドフレーム3fに対してヒンジ結合(便宜上、ヒンジ結合部を符号6Bで示す)されており、通常、図示しないロック手段により後輪6Aが進行方向に平行する向きを設定されている。後輪6Aは、ロック手段を解除することにより向きを変更できるようになっており、例えば、90度転回させることで狭い枕地での旋回半径を小さくして転回させることができる。また、走行モータ9,9を用いた駆動部の構成としては、上記したように後輪6Aを対象とすることに限らず、茶袋を引き動かすための駆動力が良好に車輪に作用することを考慮して、後輪6Aのうちの一方、例えば、コントロールボックス10の可部に位置する後輪6Aと、この後輪6Aの対角位置の前輪、つまり、操舵操作部60が設けられている側の下部フレーム3fに位置する前輪7Aを対象として走行モータ9,9を設置することも可能である。この走行モータ9,9および昇降モータ16に対する起動および停止さらには昇降モータ16を用いた高さ調整のための操作部の構成は、図1において符号50で示した操作部および遠隔操作が可能な構成を備えたコントロールボックス10の構成と同様であり、操作部50は、少なくともコントロールボックス10の相対位置、つまり、コントロールボックス10と反対側あるいは対角位置に少なくとも設けられている。
【0038】本実施例は以上のような構成であるから、茶畝幅に対応させて下部サイドフレーム3fの位置を変更することができる。つまり、中央フレーム3m1に対して側端部フレーム3m2を挿脱方向に移動させることで下部サイドフレーム3fの対向間隔が変更される。一方、茶畝内での作業時には図1に示した実施例と同様に、操作部50による走行装置の起動および停止制御が行えるとともに、操舵操作部60での操作により茶畝の向きに応じて茶葉摘採機1を移動させることができる。
【0039】茶畝内を移動して枕地に出ると、操舵操作部60により走行台車4を転回させて隣り合う茶畝に乗り入れることができるが、枕地が狭く、操舵操作部60の操作により前輪7Aを転回させても旋回半径が十分でない場合には、後輪6Aのヒンジ結合部6Bにおけるロック手段を解除して後輪6Aを90度回転させる。これにより、旋回半径を極めて小さくすることができるので、走行車輪を容易に旋回させて隣り合う茶畝に乗り込ませることができる。隣り合う茶畝に入ると、後輪6Aでのヒンジ結合部6Bのロックを行い、後輪6Aを茶畝方向に平行させることで操舵操作部60による操舵に応じた角度で茶葉摘採機1を移動させることができる。
【0040】以上のような実施例によれば、茶畝の向きに応じた操舵が行え、しかも、その操舵作業がコントロールボックス側10側およびこれの相対位置でそれぞれ行えるので、一々コントロールボックス10側に作業車が移動しなくても容易に操舵が行えることになる。
【0041】なお、図1および図6に示した実施例においては、走行装置の構成として、パイプレール上を転動する車輪あるいはパイプレールを用いないで直接接地する車輪を例示したが、本発明ではこのような構成に限るものでない。例えば、キャタピラやベルトクローラ等の無端ベルト状走行装置を用いた構成とすることも可能であり、さらに、各車輪あるいは無端ベルト状走行装置を用いた場合において、各車輪あるいは無端状ベルト走行装置の打ちのいずれかの移動速度を変更して操舵できるようにすることも勿論可能である。
【0042】さらに、操舵に用いる機構としては、例えば、図7に示す構成とすることも可能である。図7に示す構成は、進行方向前後の車輪を同時に転回させて旋回半径をさらに小さくし、旋回させなくても斜行移動や進行方向と直角な方向に移動できるようにしたものである。図7は、図6に示した構成のうちで、進行方向前側に位置するキャスタ付き車輪(符号7Aで示した車輪)の構成を除いて他の構成を同じとしたものであり、同図において、前輪(便宜上、符号7Bで示す)は、図6に示されているように、下部サイドフレーム3fに取り付けられている位置を支点として揺動する旋回構造からなる支持ブラケットに代えて、下部サイドフレーム3fに取り付けられた位置で回転可能な構造からなる支持ブラケット(便宜上、符号3f1で示す)に回転軸が軸支されている。支持ブラケット3f1には、側方に延出した取り付け部が設けられており、この取り付け部にはシリンダ部材70のロッド70Aの一端が取り付けられている。シリンダ部材70は、前輪7Bおよび後述する後輪6Aの転回角度を45〜90°に設定できる伸長量が設定されている。シリンダ部材70には、上記ロッド70Aと相対方向でこのロッド70Aと同じ方向に伸縮可能なロッド70Bが設けられており、このロッド70Bは後輪6Aの軸支部に連結されている。シリンダ部材70は、空気あるいは油圧制御により駆動され、その駆動のための操作部はコントロールボックス10および操舵操作部60あるいは図示しないリモートコントローラ操作部において実行される。上記構成においては、シリンダ部材70のロッド70Aおよび70Bを伸縮させることで前輪7Aおよび後輪6Aが同位相で転回することができる。しかも、転回角度が45〜90°に設定されているので、移動しようとする箇所の状態に応じて斜行移動あるいは横移動が行える。この場合の操作部においては、単なる操舵を対象とする操作部のみでなく、左右各輪での速度制御が行える速度設定部を設けておくと、傾斜地などの移動時に谷側と山側とで異なる速度を設定して移動のための最適トルク配分を左右各輪間で設定できるようにすることができる。さらに、走行装置での走行駆動に関しては、上述した実施例のように後輪6,あるいは6Aに対して駆動源となる走行モータ9を設けることに限らず、前輪を含めて各車輪を対象として走行モータを設け、いわゆる、4輪駆動とすることも可能である。このように4輪駆動とすることで、例えば、上述した操舵機構を用いて車輪を90゜転回させて横方向に移動する場合でも、駆動されない車輪を無くして走行移動させることができる。この場合においても、前述した場合と同様に、各車輪毎での速度制御を行うようにすること勿論可能である。
【0043】さらに、本発明は、上記実施例の茶樹畝2の片面を摘採する茶葉摘採機5を吊持したものに限らず、例えば、茶樹畝2の全面を摘採する全面摘採機、あるいは各種管理用装置等を装着して使用する場合にも同様に適用できるものである。また、走行駆動源としては、上述した走行モータ9,9に代えて、油圧モータを用いることも可能である。
【0044】
【発明の効果】以上の実施例からも明らかなように、請求項1乃至3記載の発明によれば、走行装置の起動および停止スイッチが走行台車の4隅に設置されているので作業者が走行台車のいずれの位置にいても作業者の手が届く位置にて走行装置の起動および停止を制御することができ、さらに、摘採作業時とは逆の位置に機器類を設置するならし作業等の場合には、その機器類が設置されている側で高さ調整などができるので、機器類と茶樹との対面状態を最も近い位置で視認しながら調整作業を行うことが可能となる。これにより、走行装置に対する操作を迅速に行え、しかも、作業する位置から遠ざかることなく操作が行えることにより、走行装置の暴走や作業者の労力負担の増加を防止することが可能となる。
【0045】請求項4乃至7記載の発明によれば、走行装置が操舵可能であり、また、駆動部が転回可能であるので、操舵量以上の旋回半径を得ることができ、狭い枕地であっても隣り合う茶畝への乗り入れが可能になる。しかも、このような操舵による転回操作は、本来、このような転回操作を行うために設けられている制御盤と対角位置にあって、走行装置の起動および停止操作を行う箇所と同一箇所に設けられていることにより、作業者が茶畝の幅方向いずれの位置にいる場合でも迅速に操作することが可能となる。これにより、操舵転回による旋回半径を小さくすることができることによって、狭い枕地での転回が可能となり、作業に取りかかるまでの移動時間を短縮でき、作業者の労力負担、つまり長時間の作業を低減することができる。
【出願人】 【識別番号】000250270
【氏名又は名称】落合刃物工業株式会社
【出願日】 平成11年4月15日(1999.4.15)
【代理人】 【識別番号】100063565
【弁理士】
【氏名又は名称】小橋 信淳
【公開番号】 特開2000−300041(P2000−300041A)
【公開日】 平成12年10月31日(2000.10.31)
【出願番号】 特願平11−107667