| 【発明の名称】 |
コンバインの湿田状態検出装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】白方 幹也
【氏名】平山 秀孝
【氏名】水本 寛和
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| 【要約】 |
【課題】コンバインが走行して刈取脱穀作業を行なう圃場面において、湿田状態の度合い自動的に検出して作業者の作業効率を向上させるようにする。
【解決手段】走行装置1を駆動する走行伝動装置8には走行装置1の回転数を検出する回転数検出手段9を設け、コンバインの任意の位置にはGPS衛星12からの電波を受信可能な受信装置10を設け、前記回転数検出手段9による走行装置1の回転数と前記GPS衛星12からの電波による移動距離とを比較して走行装置1の空転状況から圃場の湿田状態を検出することを特徴とする湿田状態検出装置の構成とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行装置1を有する車台2の前方には、植立穀稈を刈り取って後方に搬送する刈取装置3と、該刈取装置3から搬送されてきた穀稈を受け継いでさらに後方に搬送する供給搬送装置4を設け、前記車台2上には供給搬送装置4から搬送されてきた穀稈を脱穀選別する脱穀装置5と、該脱穀装置5にて脱穀選別した穀粒を一時貯溜するグレンタンク6と、操作部7とを設けたコンバインにおいて、前記走行装置1を駆動する走行伝動装置8には走行装置1の回転数を検出する回転数検出手段9を設け、コンバインの任意の位置にはGPS衛星12からの電波を受信可能な受信装置10を設け、前記回転数検出手段9による走行装置1の回転数と前記GPS衛星12からの電波による移動距離とを比較して走行装置1の空転状況から圃場の湿田状態を検出することを特徴とする湿田状態検出装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、コンバインの湿田状態検出装置に関し、農業機械の技術分野に属する。 【0002】 【従来の技術】従来のコンバインの湿田状態検出手段は、作業者が圃場の状態を認識して操作部に設けているスイッチを入り状態とする構成であった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】前述のようなコンバインの湿田状態検出装置では、湿田状態の度合いが正確に検出できなかった。本発明は、このような問題点を解消しようとするものである。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は、上述した課題を解決するために、次の如き技術手段を講ずるものである。すなわち、走行装置1を有する車台2の前方には、植立穀稈を刈り取って後方に搬送する刈取装置3と、該刈取装置3から搬送されてきた穀稈を受け継いでさらに後方に搬送する供給搬送装置4を設け、前記車台2上には供給搬送装置4から搬送されてきた穀稈を脱穀選別する脱穀装置5と、該脱穀装置5にて脱穀選別した穀粒を一時貯溜するグレンタンク6と、操作部7とを設けたコンバインにおいて、前記走行装置1を駆動する走行伝動装置8には走行装置1の回転数を検出する回転数検出手段9を設け、コンバインの任意の位置にはGPS衛星からの電波を受信可能な受信装置10を設け、前記回転数検出手段9による走行装置1の回転数と前記GPS衛星12からの電波による移動距離とを比較して走行装置1の空転状況から圃場の湿田状態を検出することを特徴とする湿田状態検出装置としている。 【0005】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1には、コンバインの左側面の全体図が示されている。走行装置1を有する車台2の前方には、植立穀稈を刈り取って後方に搬送する刈取装置3と、該刈取装置3から搬送されてきた穀稈を受け継いでさらに後方のフィードチェン11向けて搬送する供給搬送装置4が設けられている。前記車台2上には供給搬送装置4から搬送されてきた穀稈をフィードチェン10で受け継ぎ搬送しながら脱穀選別する脱穀装置5、該脱穀装置5にて脱穀選別した穀粒を一時貯溜するグレンタンク6と、操作部7が載置されている。そして、エンジンは、車台2の前部に搭載して各装置の回転各部を伝動できる構成としている。 【0006】前記走行装置1は、エンジンから走行伝動装置8を介して駆動する構成としている。該走行伝動装置8には走行装置1の回転数を検出する回転数検出手段(以下、回転数センサという)9が設けられている。また、コンバインの任意の位置(本実施例では操作部7のキャビン7aの上面部には、GPS衛星12からの電波を受信可能な受信装置10を設けている。 【0007】このようなコンバインを走行させて作業を開始すると、植立穀稈は刈取装置3で刈り取られて後方へ搬送され、その後、フィードチェン11の始端部に引き継がれて挾持搬送されながら脱穀装置5にて脱穀選別される。該脱穀装置5にて脱穀選別された穀粒は、グレンタンク6内へと搬送されて一時貯溜される。このようにコンバインが圃場内を走行して作業するときにおいて、圃場が湿田状態であると湿田に対応して脱穀装置5等の制御条件を切り換えなければならない。そこで、湿田状態の度合いを自動的に検出するために、前記走行装置1の回転数センサ9の回転数と、受信装置10にて受信したGPS衛星12からの電波により算出したコンバインの移動距離とを比較して、湿田状態の度合いを検出しようとするものである。即ち、走行装置1の回転数値に対してコンバインの移動距離が少なければ少ないほど湿田状態の度合いが大きいということである。 【0008】このように自動的に湿田状態を検出できるので、作業者がわざわざスイッチを入り状態とする手間が省けるようになる。前述のようにして、圃場が所定以上の湿田であると検出したときには、図2に示している脱穀装置5の選別制御を湿田モードに自動的に変更するようにする。湿田のときは、刈取装置3にて刈り取る穀稈は湿っている状態である。このような湿っている穀稈を脱穀装置5にて脱穀選別すると、揺動棚13や脱穀装置5内の壁面に藁屑が蓄積してくるので、穀粒の選別性能が低下してくる。そこで、唐箕14の回転数を増大させると共に、揺動棚13のシーブ15の開き角度を大きくする(シーブ15間の隙間を大きくする)ように制御変更する。従って、唐箕14からの選別風が増大すると共に、シーブ15から後方へ良く吹き抜けるようになるので、選別性能が向上すると共に揺動棚13や脱穀装置5内の壁面に付着している藁屑類を取り除くことができる。 【0009】次に、コンバインに設けているピッチングとローリングについて説明する。前記車台2には、該車台2を昇降する昇降手段17と、前後方向に傾斜する前後傾斜手段18が設けられている。まず、走行装置1について図3〜図4に基づいて説明する。走行装置1は、無端帯状のクローラ19と、該クローラ19を回転させる駆動スプロケット20と、所定間隔をおいて設けられていてクローラ19を地面に接地させる複数の接地転輪21と、地面の凹凸に対応する可動転輪22と、前記接地転輪21と可動転輪22を支持するトラックローラフレーム23と、クローラ19に張力を与える移動スプロケット24と、該移動スプロケット24を移動調節する調節装置25と、クローラ19の垂れ下がりを防止する支持転輪26等から構成されている。これと同じ構成のものが左右一対に設けられている。 【0010】前記昇降手段17は前述の左右の走行装置1に各々設けられている。昇降手段17について説明する。トラックローラフレーム23には、その前部に前部アーム27がピン28に遊嵌連結し、後部には後部アーム29がピン30に遊嵌連結している。前部アーム27の他端は、車台2に固定されている支持台31の前部ローリング軸32に遊嵌連結していて、さらに、前部ローリング軸32にはアーム33が遊嵌連結している。前部アーム27とアーム33は連結固定されている。前記後部アーム29の他端は、車台2に固定している連結アーム34の後部ローリング軸35に遊嵌連結していて、さらに、後部ローリング軸35には、アーム36が遊嵌連結している。後部アーム29とアーム36は連結固定されている。また、アーム33とアーム36は、連結ロッド37で遊嵌連結していて、さらに、前記アーム36の端部には、油圧シリンダ38のピストンロッド39の端部が遊嵌連結している。油圧シリンダ38は、車台2に対して遊嵌しているプレート38aに遊嵌していて、その遊嵌軸芯からプレート38bが設けられ、その端部はピッチングアーム40に連結している。 【0011】前記プレート38bは、油圧シリンダ38のピストンロッド39を移動可能にするためのものである。また、前記プレート38aにて油圧シリンダ38を吊り下げ状態としているのは、ピッチング油圧シリンダ41を作動させた時において、油圧シリンダ38のピストンロッド39が移動しないためのもである。従って、油圧シリンダ38のピストンロッド39を伸ばすと、図4の左側面図において、アーム36は時計方向に回転して連結ロッド37を引っ張り、該連結ロッド37はアーム33を時計方向に回転させる。すると、後部アーム29と前部アーム27は共に時計方向に回転して、これにより、トラックローラアーム23は車台2に対して下方へと下がる。左右の油圧シリンダ38のピストンロッド39を同時に伸ばすと、対地面に対しては、車台2は上昇することとなる。 【0012】また、油圧シリンダ38のピストンロッド39を縮めると、前述の動きと反対の動きとなるので、トラックローラアーム23は車台2に対して上方へと上がる。左右の油圧シリンダ38のピストンロッド39を同時に短縮すると、対地面に対しては、車台2は下降することとなる。前記油圧シリンダ38はコンバインが左右傾斜(ローリング)した時において、その修正にも使用する。例えば、圃場の影響でコンバインの走行装置1が左側に傾斜すると、車台2も左側に傾斜してしまい、該車台2に載置されている操作部7も左側に傾斜するので、操作部7に乗っているオペレータの乗りごこちは悪くなると共に、脱穀装置5も左側に傾斜して脱穀した穀粒の選別も悪くなる。そこで、このような時は、左側の油圧シリンダ38のピストンロッド39を伸ばして、車台2の左側を上昇させて車台2を略平行にするのである(ローリング制御)。コンバインの傾斜状態は、車台2上に設置している傾斜センサ42で検出する。コンバインが右側に傾斜した時は、右側の油圧シリンダ38のピストンロッド39を伸長して、車台2の右側を上昇させるのである。 【0013】次に、車台2の前後方向を傾斜させる前後傾斜手段18について説明する。連結アーム34の一端はピッチングアーム40とピン43で連結されていて、該ピッチングアーム40は、車台2に対して軸44にて遊嵌連結されている。具体的には、該軸44は走行フレーム45に軸受46にて回動可能に支持されている。コンバインの前進方向に対して右側のピッチングアーム40のみ、上方に突出していて(突出部40a)、その端部には車台2に対して遊嵌しているピッチング油圧シリンダ41のピストンロッド47の端部が遊嵌している。 【0014】ピストンロッド47を伸長すると、ピッチングアーム40は軸44を支点にして時計回りに回動する。ピン43もピッチングアーム40と共に時計回りに回動するので、連結アーム34,後部ローリング軸35,後部アーム29,ピン30は上昇する。該ピン30は、トラックローラフレーム23の後部を上昇させるので、車台2の後部とクローラ19との間の間隔は短くなり、後下がり傾斜、即ち、車台2(コンバイン全体)は前上がり傾斜となる。 【0015】ピストンロッド47を短縮すると、前述の反対の動きとなり、車台2の後部とクローラ19との間隔は長くなり、後上がり傾斜、即ち、車台2(コンバイン全体)は前下がり傾斜となる。このようなピッチングの動きは、基本的にはコンバインの前後方向の傾斜を略水平にするためのものである。圃場面が湿田の時には、コンバインは前述のごとく前後方向にも傾斜するので、これを防止するためのものである。具体的な動きは、傾斜センサ42が車台2(コンバイン全体)の前後方向の移動を検出すると、水平とするものであり、例えば、走行装置1と共に車台2が前側に傾斜すると、ピッチング油圧シリンダ41のピストンロッド47を伸長して、前上がり傾斜として、車台2(コンバイン全体)を水平とするものである。 【0016】また、走行装置1と共に車台2が後側に傾斜すると、ピッチング油圧シリンダ41のピストンロッド47を短縮して、車台2の後部を走行装置1に対して上方へと移動させて、車台2(コンバイン全体)を水平とするのである。前述したコンバインのピッチング制御やローリング制御は圃場が湿田状態のときに用いるが、湿田状態が激しくなればなるほど、ピッチング油圧シリンダ41のピストンロッド47と、左右のローリング油圧シリンダ38のピストンロッド39の動き量は大きくなる。そこで、ピッチングのピストンロッド47の動き量を検出するピッチング移動量センサ47aと、と左右のローリング油圧シリンダ38のピストンロッド39の動き量を検出するローリング移動量センサ39aを設ける構成とする。ピッチング移動量センサ47aは、ピッチングアーム40の突出部40aからリンク47bを介して取り付けられ、また、ローリング移動量センサ39aは、アーム36からリンク39bを介して取付けられている構成である。 【0017】これにより、ピッチングとローリングの動き量を検出できるので、湿田状態の度合いを判断することができる。この湿田状態の度合いにおいて、所定量以上湿田状態を検出した地点を記憶するようにする。記憶の方法としては、前述したGPS衛星12からの電波を利用するようにする。即ち、コンバインはGPS衛星12からの電波を受信しながら走行していて、このとき、ピッチング移動量センサ47aやローリング移動量センサ39aが所定値以上の湿田状態を検出すると、検出した位置を記憶するようにする。この記憶した位置は、GPSにて自動走行するときにおいては通過しないようにする。また、手動操作にてコンバインを走行させるときにおいても、記憶した湿田状態の激しい所の手前にくると警報を発っしたり、強制的に走行を停止したりするようにする。 【0018】このように、圃場の湿田状態を記憶しておくことにより、グレンタンク6内の穀粒を機外へ排出するときなど、次の移動の際に湿田状態の激しい場所を避けて通過することが可能となるので、圃場を荒らすことを防止できて、また、作業効率も向上する。 【0019】 【発明の効果】本発明は上述のごとく、走行装置1を駆動する走行伝動装置8には走行装置1の回転数を検出する回転数検出手段9を設け、コンバインの任意の位置にはGPS衛星12からの電波を受信可能な受信装置10を設け、前記回転数検出手段9による走行装置1の回転数と前記GPS衛星からの電波による移動距離とを比較して走行装置1の空転状況から圃場の湿田状態を検出するように構成したので、自動的に湿田状態を検出できて、作業者がわざわざ湿田状態を認識するスイッチを入り状態とする手間が省けるようになる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000125 【氏名又は名称】井関農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年4月13日(1999.4.13) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2000−295917(P2000−295917A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月24日(2000.10.24) |
| 【出願番号】 |
特願平11−105593 |
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