| 【発明の名称】 |
野菜収穫機 |
| 【発明者】 |
【氏名】寺元 省二
【氏名】松井 幹夫
【氏名】渡邊 章人
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| 【要約】 |
【課題】切断刃26で切断されたマルチフィルムmの開口から掘起こし刃16の要部16aを土中に進入させ、この掘起こし刃16をマルチフィルムmに強く干渉させることなく前方へ移動させる。
【解決手段】圃場に植生している野菜wの茎葉部w1を分草する分草部1と、この分草部1で分草された野菜wの根部w2を掘り起こすものとした堀起こし刃16とを備えた野菜収穫機に於いて、前記分草部2と前記掘起こし刃16との間に、圃場面を被ったマルチフィルムmを切断するものとした切断刃26を設ける。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 圃場に植生している野菜の茎葉部を分草する分草部と、この分草部で分草された野菜の根部を掘り起こすものとした堀起こし刃とを備えた野菜収穫機に於いて、前記分草部と前記掘起こし刃との間に、圃場面を被ったマルチフィルムを切断するものとした切断刃を設けたことを特徴とする野菜収穫機。 【請求項2】 圃場に植生している野菜の根部を掘り起こすものとした堀起こし刃を備え、この掘起こし刃が動力で前後へ振動されるものとなされた野菜収穫機に於いて、前記掘起こし刃の前方に、圃場面を被ったマルチフィルムを切断するものとした切断刃を設け、この切断刃が掘起こし刃に連動して振動されることを特徴とする野菜収穫機。 【請求項3】 圃場に植生している野菜の茎葉部を分草する分草部と、この分草部で分草された野菜の根部を掘り起こすものとした堀起こし刃と、この堀起こし刃で掘り起こされた野菜をその茎葉部を挟持して引き抜くように作動する挟持搬送手段と、前記茎葉部を根部側から切り離すための茎葉切断装置とを備えた野菜収穫機に於いて、前記分草部と前記掘起こし刃との間に切断刃を設け、この切断刃が野菜の植生している畝の上面を被ったマルチフィルムの巾方向途中箇所を切り離し、掘起こし刃がこの切り離された箇所から地中に進入されることを特徴とする野菜収穫機。 【請求項4】 圃場に植生している野菜の根部の下方に水平部を進入され動力により横向き軸回りへ振動される掘起こし刃を備えた野菜収穫機に於いて、前記掘起こし刃の地上側部位で横向き軸回りへ振動される箇所に、圃場面を被ったマルチフィルムの掘起こし刃前方箇所を切り込むものとした切断刃を装着したことを特徴とする野菜収穫機。 【請求項5】 圃場に条植された野菜の茎葉部を分草する分草部と、この分草部で分草された野菜の根部を掘り起こすものとした堀起こし刃とを備えた野菜収穫機に於いて、前記分草部と前記掘起こし刃との間に、圃場面を被ったマルチフィルムを切断するものとした切断刃を設け、前記マルチフィルム部分の切断刃による切口から掘起こし刃を土中に進入させ、この掘起こし刃が複数条の野菜の根部周辺の土を掘り起こすことを特徴とする野菜収穫機。 【請求項6】 圃場に植生している野菜の茎葉部を分草する分草部と、この分草部で分草された野菜の根部を掘り起こすものとした堀起こし刃とを備えた野菜収穫機に於いて、前記分草部と前記掘起こし刃との間に、圃場面を被ったマルチフィルムを切断するものとした切断刃を設け、この切断刃の外周と掘起こし刃との間に一定大きさ以上の空間を介在させたことを特徴とする野菜収穫機。 【請求項7】 圃場に植生している野菜の茎葉部を分草する分草部と、この分草部で分草された野菜の根部を掘り起こすものとした堀起こし刃とを備えた野菜収穫機に於いて、前記分草部と前記掘起こし刃との間に、圃場面を被ったマルチフィルムを切断するものとした切断刃を設けると共に、この切断刃を掘起こし刃の地面近傍部位から機体進行方向の左右何れか適当な側へ一定長離して位置させたことを特徴とする野菜収穫機。 【請求項8】 圃場に植生している野菜の茎葉部を分草する分草部と、この分草部で分草された野菜の根部を掘り起こすものとした堀起こし刃とを備えた野菜収穫機に於いて、前記分草部と前記掘起こし刃との間に、圃場面を被ったマルチフィルムを切断するものとした円盤形切断刃を設け、この際、円盤形切断刃はその側面を機体進行方向の縦向きとなされ且つこの側面の中心部に位置された横向き軸を介し回転自在に支持されていることを特徴とする野菜収穫機。 【請求項9】 圃場に植生している野菜の茎葉部を分草する分草部と、この分草部で分草された野菜の根部を掘り起こすものとした堀起こし刃とを備えた野菜収穫機に於いて、前記分草部と前記掘起こし刃との間に、圃場面を被ったマルチフィルムを切断するものとした切断刃を設け、この際、切断刃が掘起こし刃の地面高さ部位の進行方向線上に位置されることを特徴とする野菜収穫機。 【請求項10】 圃場に植生している野菜の茎葉部を分草する分草部と、この分草部で分草された野菜の根部を掘り起こすものとした堀起こし刃とを備えた野菜収穫機に於いて、前記分草部と前記掘起こし刃との間に、圃場面を被ったマルチフィルムを切断するものとした切断刃を設け、この際、切断刃が一定高さ範囲内で上下動自在に支持されることを特徴とする野菜収穫機。 【請求項11】 圃場に植生している野菜の茎葉部を分草する分草部と、この分草部で分草された野菜の根部を掘り起こすものとした堀起こし刃とを備えた野菜収穫機に於いて、前記分草部と前記掘起こし刃との間に、圃場面を被ったマルチフィルムを切断するものとした切断刃を設け、この際、切断刃が一定高さ範囲内で上下動自在に支持され、且つ、弾力の大きさを変更調整されるバネ力で下方へ付勢されることを特徴とする野菜収穫機。 【請求項12】 圃場に植生している野菜の茎葉部を分草する分草部と、この分草部で分草された野菜の根部を掘り起こすものとした堀起こし刃とを備えた野菜収穫機に於いて、前記分草部と前記掘起こし刃との間に、圃場面を被ったマルチフィルムを切断するものとした切断刃を設けると共に、この切断刃の一定高さ位置に保持される接地体を装設し、この際、切断刃及び接地体が一定高さ範囲内で上下動自在に支持され、且つ、弾力の大きさを変更調整されるバネ力で下方へ付勢されることを特徴とする野菜収穫機。 【請求項13】 畝を跨いで移動される左右一対の走行駆動車輪と、機体後部に張り出させた操縦ハンドルと、前記走行駆動車輪の各々へ供給される回転動力を独立的に断続させるための一対のサイドクラッチレバーとを備えた歩行形の野菜収穫機に於いて、畝を被ったマルチフィルムを残したまま、畝に条植された野菜の根部を一定高さまで引き上げては降下させてそれを抜き取り状態となすように作動する野菜処理部を形成するほか、前記左右一対のサイドクラッチレバーを操縦ハンドルの機体巾方向部位の一側に片寄せて配置したことを特徴とする野菜収穫機。 【請求項14】 圃場に植生している野菜の茎葉部を分草する分草部と、この分草部で分草された野菜の根部周囲の土を掘り起こすものとした堀起こし刃と、この掘起こし刃の上方から斜め後上方へ前記野菜の茎葉部を挟持搬送するものとした挟持搬送手段と、前記掘起こし刃の後方箇所に設けられ前記挟持搬送手段で挟持搬送される野菜の茎葉部を切り離すものとした茎葉切断装置とを備えた野菜収穫機に於いて、前記茎葉切断手段の高さを根部が地面から抜き上げられる最小高さ程度となすと共に、前記分草装置の下部から茎葉切断手段下部までの前後方向範囲に亘って、圃場面を被ったマルチフィルムの浮き上がり高さを規制するための案内具を設けたことを特徴とする野菜収穫機。 【請求項15】 畝上に植生している野菜の茎葉部を分草する分草部と、この分草部で分草された野菜の根部を掘り起こすものとした堀起こし刃とを備えた野菜収穫機に於いて、前記分草部と前記掘起こし刃との間で、前記分草部のうち畝肩から最も離れて位置される最外の分草部箇所の後方位置に、圃場面を被ったマルチフィルムを切断するものとした切断刃を設けると共に、この切断刃の横方で分草部の存在しない側に植生した野菜の茎葉部を、前記最外の分草部箇所に続けてさらに高く案内して切断刃による切断から回避させるものとしたサイドデバイダを設けたことを特徴とする野菜収穫機。 【請求項16】 上縁を後上り傾斜となされた案内体を機体巾方向の適当間隔位置に複数配置すると共に畝上に植生している野菜の茎葉部を前記案内体で分草するものとした分草部を備えた野菜収穫機に於いて、各案内体をこれの後端部回りの一定範囲内で上下揺動自在となしたことを特徴とする野菜収穫機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、圃場にマルチ栽培された玉葱や蕪等を収穫するものとした野菜収穫機に関する。 【0002】 【従来の技術】圃場に植生している野菜の茎葉部を分草する分草部と、この分草部で分草された野菜の根部周囲の土を掘り起こすものとした堀起こし刃と、この掘起こし刃の上方から斜め後上方へ前記野菜の茎葉部を挟持搬送するものとした挟持搬送手段と、前記掘起こし刃の後方箇所に設けられていて前記挟持搬送手段で挟持搬送される野菜の茎葉部を切り離すものとした茎葉切断装置とを備えた野菜収穫機は存在している。 【0003】この収穫機では、茎葉切断手段により茎葉部を切り離された根部は適宜な根部搬送手段により比較的高い位置から地面近傍まで搬送された後に解放されるのであり、また茎葉部は挟持搬送手段により特定箇所から畝間溝等へ落下される。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上記した従来の収穫機をマルチフィルムで被われた畝で栽培された玉葱等の収穫に使用すると、マルチフィルムが野菜処理部に絡みつく等して円滑な収穫処理を行うことができない。本発明は、このような実状に鑑みて創案されたもので、マルチフィルムで被われた圃場に栽培された玉葱や蕪を円滑に収穫することを可能となす野菜収穫機を提供することを目的とするものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、請求項1に記載した発明では、圃場に植生している野菜の茎葉部を分草する分草部と、この分草部で分草された野菜の根部を掘り起こすものとした堀起こし刃とを備えた野菜収穫機に於いて、前記分草部と前記掘起こし刃との間に、圃場面を被ったマルチフィルムを切断するものとした切断刃を設けた構成となす。これによれば、切断刃で切断されたマルチフィルムの開口が、掘起こし刃の要部をマルチフィルムに強く接触させることなく土中に進入させ且つ、この進入状態で前方へ移動させることを可能となす。この結果、玉葱等の茎葉部を切り除く処理を行うと共に、土面を被ったマルチフィルムの下方に、引き抜かれ状態の根部を残していくような態様の収穫処理が円滑に実施されるようになる。 【0006】請求項2に記載した発明では、圃場に植生している野菜の根部を掘り起こすものとした堀起こし刃を備え、この掘起こし刃が動力で前後へ振動されるものとなされた野菜収穫機に於いて、前記掘起こし刃の前方に、圃場面を被ったマルチフィルムを切断するものとした切断刃を設け、この切断刃が掘起こし刃に連動して振動される構成となす。これによれば、切断刃が専用の駆動力源を要することなく振動されるようになり、またマルチフィルムが強い切断力で切断されるようになる。 【0007】請求項3に記載した発明では、圃場に植生している野菜の茎葉部を分草する分草部と、この分草部で分草された野菜の根部を掘り起こすものとした堀起こし刃と、この堀起こし刃で掘り起こされた野菜をその茎葉部を挟持して引き抜くように作動する挟持搬送手段と、前記茎葉部を根部側から切り離すための茎葉切断装置とを備えた野菜収穫機に於いて、前記分草部と前記掘起こし刃との間に切断刃を設け、この切断刃が野菜の植生している畝の上面を被ったマルチフィルムの巾方向途中箇所を切り離し、掘起こし刃がこの切り離された箇所から土中に進入される構成となす。これによれば、簡易な構成により、玉葱等からこれの茎葉部を切り除き、且つ、地面を被ったマルチフィルムの下方に、引き抜かれた状態の根部を残すような態様の収穫処理が円滑に実施されるようになる。 【0008】請求項4に記載した発明では、圃場に植生している野菜の根部の下方に水平部を進入され動力により横向き軸回りへ振動される掘起こし刃を備えた野菜収穫機に於いて、前記掘起こし刃の地上側部位の横向き軸回りへ振動される箇所に、圃場面を被ったマルチフィルムの掘起こし刃前方箇所を切り込むものとした切断刃を装着した構成となす。上記切断刃は掘起こし刃の振動により上下変位され、この上下変位が圃場面を被ったマルチフィルムを円滑且つ確実に切断するものとなる。 【0009】請求項5に記載した発明では、圃場に条植された野菜の茎葉部を分草する分草部と、この分草部で分草された野菜の根部を掘り起こすものとした堀起こし刃とを備えた野菜収穫機に於いて、前記分草部と前記掘起こし刃との間に、圃場面を被ったマルチフィルムを切断するものとした切断刃を設け、前記マルチフィルム部分の切断刃による切口から掘起こし刃を土中に進入させ、この掘起こし刃が複数条の野菜の根部周辺の土を同時に掘り起こす構成となす。これによれば、複数条の野菜が単一の切断刃及び単一の掘起こし刃により円滑に収穫されるものとなる。 【0010】請求項6に記載の発明では、圃場に植生している野菜の茎葉部を分草する分草部と、この分草部で分草された野菜の根部を掘り起こすものとした堀起こし刃とを備えた野菜収穫機に於いて、前記分草部と前記掘起こし刃との間に、圃場面を被ったマルチフィルムを切断するものとした切断刃を設け、この切断刃を掘起こし刃から一定距離以上前方に位置させた構成となす。これによれば、掘起こし刃で掘り起こされた土が切断刃と掘起こし刃との間に挟まって滞留する現象が防止されるものとなる。 【0011】請求項7に記載の発明では、圃場に植生している野菜の茎葉部を分草する分草部と、この分草部で分草された野菜の根部を掘り起こすものとした堀起こし刃とを備えた野菜収穫機に於いて、前記分草部と前記掘起こし刃との間に、圃場面を被ったマルチフィルムを切断するものとした切断刃を設けると共に、この切断刃を掘起こし刃の地面近傍部位から機体進行方向の左右何れかの側へ一定長離して位置させた構成となす。これによれば、請求項6のものと同様に、掘起こし刃で掘り起こされた土が切断刃と掘起こし刃との間に挟まって滞留する現象が防止されるものとなり、この際、切断刃が掘起こし刃からこれの側方に離して位置されることは、切断刃と掘起こし刃との前後方向距離を短縮化させる上で寄与するものである。 【0012】請求項8に記載の発明では、圃場に植生している野菜の茎葉部を分草する分草部と、この分草部で分草された野菜の根部を掘り起こすものとした堀起こし刃とを備えた野菜収穫機に於いて、前記分草部と前記掘起こし刃との間に、圃場面を被ったマルチフィルムを切断するものとした円盤形切断刃を設け、この際、円盤形切断刃はその側面を機体進行方向の縦向きとなされ且つこの側面の中心部に位置された横向き軸を介し回転自在に支持された構成となす。これによれば、円盤形切断刃はマルチフィルムの切断中、土面に食い込むと共に土との間で生じる摩擦抵抗で回転駆動され、マルチフィルムを円滑に切断するものとなる。また円盤形切断刃の周縁が均等に消耗して刃寿命を長くなす。 【0013】請求項9に記載の発明では、圃場に植生している野菜の茎葉部を分草する分草部と、この分草部で分草された野菜の根部を掘り起こすものとした堀起こし刃とを備えた野菜収穫機に於いて、前記分草部と前記掘起こし刃との間に、圃場面を被ったマルチフィルムを切断するものとした切断刃を設け、この際、切断刃が掘起こし刃の地面高さ部位の進行方向線上に位置される構成となす。これによれば、切断刃がマルチフィルムを切断して形成される開口が掘起こし刃の進行位置上に形成されるようになるため、マルチフィルムと掘起こし刃との引っ掛かりが効果的に回避される状態となる。 【0014】請求項10に記載した発明では、圃場に植生している野菜の茎葉部を分草する分草部と、この分草部で分草された野菜の根部を掘り起こすものとした堀起こし刃とを備えた野菜収穫機に於いて、前記分草部と前記掘起こし刃との間に、圃場面を被ったマルチフィルムを切断するものとした切断刃を設け、この際、切断刃が一定高さ範囲内で上下動自在に支持される構成となす。これによれば、切断刃が土中の石等に乗り上がったときに上方へ逃げ移動し、石等によるその損傷が回避されるようになる。 【0015】請求項11に記載した発明では、圃場に植生している野菜の茎葉部を分草する分草部と、この分草部で分草された野菜の根部を掘り起こすものとした堀起こし刃とを備えた野菜収穫機に於いて、前記分草部と前記掘起こし刃との間に、圃場面を被ったマルチフィルムを切断するものとした切断刃を設け、この際、切断刃が一定高さ範囲内で上下動自在に支持され、且つ、弾力の大きさを変更調整されるバネ力で下方へ付勢される構成となす。これによれば、切断刃の土への食い込み力が適当大きさとなされてマルチフィルムの切断が的確に行われ、また切断刃がバネ力に抗して上方へ逃げるため、切断刃が石等と強く接触して損傷する現象が回避される。 【0016】請求項12に記載した発明では、圃場に植生している野菜の茎葉部を分草する分草部と、この分草部で分草された野菜の根部を掘り起こすものとした堀起こし刃とを備えた野菜収穫機に於いて、前記分草部と前記掘起こし刃との間に、圃場面を被ったマルチフィルムを切断するものとした切断刃を設けると共に、この切断刃の一定高さ位置に保持される接地体を装設し、この際、切断刃及び接地体が一定高さ範囲内で上下動自在に支持され、且つ、弾力の大きさを変更調整されるバネ力で下方へ付勢される構成となす。これによれば、接地体が切断刃の一定以上の土への食い込みを阻止し、切断刃によるマルチフィルムの切断を効率的に行わせるようになり、また請求項11と同様に、切断刃がバネ力に抗して上方へ逃げるため、切断刃が石等と強く接触して損傷する現象が回避される。 【0017】請求項13に記載した発明では、畝を跨いで位置される左右一対の走行駆動車輪と、機体後部に張り出させた操縦ハンドルと、前記走行駆動車輪の各々へ供給される回転動力を独立的に断続させるための一対のサイドクラッチレバーとを備えた歩行形の野菜収穫機に於いて、畝を被ったマルチフィルムを残したまま、畝に条植された野菜の根部を一定高さまで引き上げては降下させてそれを抜き取り状態となすように作動する野菜処理部を形成するほか、前記一対のサイドクラッチレバーを操縦ハンドルの機体巾方向部位の一側に片寄せて配置した構成となす。これによれば、マルチフィルムを残したまま玉葱等の根部を土面上に抜き取り状態とする収穫処理が根部を踏むことなく、しかも無理な操縦姿勢を要することなく行われるものとなる。 【0018】請求項14に記載した発明では、圃場に植生している野菜の茎葉部を分草する分草部と、この分草部で分草された野菜の根部周囲の土を掘り起こすものとした堀起こし刃と、この掘起こし刃の上方から斜め後上方へ前記野菜の茎葉部を挟持搬送するものとした挟持搬送手段と、前記掘起こし刃の後方箇所に設けられ前記挟持搬送手段で挟持搬送される野菜の茎葉部を切り離すものとした茎葉切断装置とを備えた野菜収穫機に於いて、前記茎葉切断手段の高さを根部が地面から抜き上げられる最小高さ程度となすと共に、前記分草装置の下部から茎葉切断手段までの前後方向範囲に亘って、圃場面を被ったマルチフィルムの浮き上がり高さを規制するための案内具を設けた構成となす。これによれば、分草部周辺がマルチフィルムに接触してその機能を損なわれる等の現象が阻止されるものとなり、また挟持搬送手段で引き上げられた野菜の根部が落下するときの衝撃が小さくなって根部の損傷が防止されるものとなる。 【0019】請求項15に記載の発明では、畝上に植生している野菜の茎葉部を分草する分草部と、この分草部で分草された野菜の根部を掘り起こすものとした堀起こし刃とを備えた野菜収穫機に於いて、前記分草部と前記掘起こし刃との間で、前記分草部のうち畝肩から最も離れて位置される最外の分草部箇所の後方位置に、圃場面を被ったマルチフィルムを切断するものとした切断刃を設けると共に、この切断刃の横方で分草部の存在しない側に植生した野菜の茎葉部を、前記最外の分草部箇所に続けて持ち上げて切断刃による切断から回避させるものとしたサイドデバイダを設けた構成となす。これによれば、切断刃が未収穫の野菜の茎葉部を切り離す現象がサイドデバイダにより阻止され、その未収穫野菜の後の収穫に支障を生じさせないものとなる。 【0020】請求項16に記載の発明では、前後向き後上がり傾斜となされた案内体を機体巾方向の適当間隔位置に複数配置すると共に畝上に植生している野菜の茎葉部を前記案内体で分草するものとした分草部を備えた野菜収穫機に於いて、各案内体をこれの後端部回りの一定範囲内で上下揺動自在となす。これによれば、各案内体の先端が凹凸のある土面を被ったマルチフィルムの上面に接した状態を保持するようになり、各案内体は倒伏した茎葉部を的確に掬い上げて分草すると共に引き起こすように作用するものとなる。 【0021】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を説明する。図1は本発明に係る野菜収穫機の側面図、図2は前記収穫機の平面図、図3は前記収穫機の正面図、図4は前記収穫機の側面視作用説明図、図5は前記収穫機の動力系統図、図6は前記収穫機の一部を示す平面図、図7は前記収穫機の一部を示す斜視図、図8は前記切断刃及びこれの近傍に設けられた部材の正面視断面図、図9は前記収穫機の掘起こし刃と切断刃との関係を正面から見た図である。 【0022】図1〜図3に示すように、本発明に係る野菜収穫機は分草部1、縦向き引起こし装置2、掻込み装置3、挟持搬送手段4及び茎葉切断装置5を具備した野菜処理部6と、この野菜処理部6の各部を支持した走行車両部7からなっている。 【0023】先ず、分草部1は、上縁が前後向き斜め後上りに傾斜された3本の案内体8を備えたものとなされている。各案内体8は、その対応する各引起こし装置2の先端部に横向き軸9を介して一定範囲内の上下揺動自在に装着された支持板部材10の上縁から、棒部材11を斜め前方下向きへ延出させると共に、先端部を円弧状に折り曲げたものとなす。 【0024】縦向き引起こし装置2は機体の最前部に左右方向の一定間隔毎に3つ設けられており、その各々が機体の進行中、斜め上方f1へ移動される係止突起2aにより玉葱などの作物wの茎葉部w1を掻き分けて引き起こすようになしてある。 【0025】掻込み装置3は左右一対の掻込み要部12、12からなるもので、各掻込み要部12の係止突起12aを掻込み装置3の先端部外方から中央個所へ向けて周回移動させ、続いて斜め上方へ移動させることにより、縦向き引起こし装置2の引き起こした茎葉部w1を下部中央へ掻き込んで図4に示す斜め上方f2へ押し上げる構成となしてある。 【0026】挟持搬送手段4は左右一対の挟持搬送要部13、13を備えている。各引抜き搬送要部13は前後配置された複数のプーリ14、14(図5参照)に搬送ベルト15を掛け回して形成したものであり、この際、これら要部13、13の搬送ベルト15、15を対向状に配置して搬送ベルト15、15間を挟持搬送経路kとなす。 【0027】この挟持搬送手段4は、掻込み装置3の掻き込んだ茎葉部w1の比較的上部を挟持搬送経路kの搬送始端に受け取り、続いて搬送ベルト15で挟持して図4に示す斜め上方f3へ搬送し、この搬送過程で、図6等に示す掘起こし刃16が先に掘り起した畝上面Uの作物wを土中から引き抜く構成となしてある。 【0028】搬送ベルト15、15の下方には下部送り装置17が設けてある。この下部送り装置17は図6に示すように左右一対の下部送り要部17a、17aからなり、これの送り方向は挟持搬送装置4のそれよりも緩やかになすと共に、前後一対の端部プーリ18、19に多数の突起tの列設された無端状の下部送りベルト20を掛け回して形成する。このさい、一対の下部送りベルト20、20は対向させ、これらベルト20、20間を茎葉下部の送り経路k1となす。 【0029】茎葉切断装置5は図6等に示すように挟持搬送手段4の前部下方で下部送り装置17の下側近傍に設けてあって、下部送り装置17に概ね沿わせた茎葉下部案内板21と、この茎葉下部案内板21の後部に横向きに装着したバリカン式カッタ22とを備えてなる。この際、茎葉下部案内板21は各条列の野菜の茎葉部w1が上下方向へ通過するに足るもので且つその根部w2は上方へ通り抜けることのできない程度の巾を有する二つの案内路21a、21aを形成したものとなし、またバリカン式カッタ22は受刃aと切刃bで形成し、前記案内路21aの最後部に達した茎葉部w1を根部w2から切り離すものとなす。 【0030】前記掘起こし刃16は土中を前方へ切り進むものとした水平状の要部16aとこの要部16aを支持する縦向きアーム部16bとを備えたもので、挟持搬送手段4の搬送始端下方にその要部16aが位置するように配置され、縦向きアーム部16bの長さ途中を横向き軸23を介して機体固定部(車両フレーム37)に支持させてある。この掘起こし刃16は動力により横向き軸23回りへ振動される構成となし、また縦向きアーム部16bは収穫中の野菜の条列R1、R2とこれらの条列に隣接した未収穫野菜の条列R3との間に位置させる。 【0031】上記縦向きアーム部16bの一部で前記横向き軸23よりも下方箇所には支持アーム24が横向き軸25介して一定範囲内の上下揺動自在に装着されると共に、前方斜め下向きに延出させてある。この支持アーム25の上下揺動範囲は収穫処理時に一般的に存在する土の凹凸に対応する程度の大きさでよいのであって、機体移動の際に障害をなす程に下方へ垂れ下がらないものとなす。 【0032】この支持アーム25の先端には円盤形切断刃26が側面を前後方向の縦向きとなされ且つ側面中心を支持した横向き軸27の回りへ回転自在に装着されている。この切断刃26は外周囲に先鋭状の波形切刃を形成されたものとなし、また図3に示すように縦向きアーム部16bから機体側方へ数cm程度離してこれらの間に、土詰まりを防止するための空間cを形成すると共に、図1及び図7等に示すように機体前方へも離して縦向きアーム16bと切断刃26の周縁との間にも土詰まりを防止するための空間dを形成する。また切断刃26の上部には波形刃を被うためのカバー28が設けられ、このカバー28は支持アーム24に固定させる。なお、切断刃26は掘起こし刃16の側方へ変位させないで図9に示すように縦向きアーム部16bの進行位置上に位置させることも差し支えないのであり、このようにすれば縦向きアーム部16bとマルチフィルムmとの接触の回避が一層確実となる。 【0033】29は切断刃26の側面近傍でこれの外周よりも内方箇所に位置された帯板部材からなる円弧状の接地体であり、カバー28に固定されている。この接地体29は図8に示すようなドラム形のもの29aとなしてこれを切断刃26側面に同心に固定することも差し支えないのであり、また切断刃26の片面だけに固定しても或いは両面に固定してもよいものである。30は支持アーム24を横向き軸25回りの下方へ引張するためのスプリングであり、車両フレーム37側部位とカバー28との間に張り掛けてある。この際、スプリング30の引張力はネジナット機構により調整変更可能となす。 【0034】上記分草部1と茎葉切断装置22との間には畝Uを被ったマルチフィルムmを案内するためのフィルム案内手段が設けてあり、この案内手段は切断刃26近傍で切断刃26よりも挟持搬送経路k側に位置される端部案内具31と、挟持搬送経路kの延長線上近傍に位置される中寄り案内具32からなっている。 【0035】この際、端部案内具31は、分草部1の切断刃26側最外方に位置する引起こし装置2の下部に、前部を円弧状となされた案内棒31aの前端を軸着すると共に、案内棒31aの後端部を一定範囲内の上下動自在に支持する支持手段33で支持させ、この支持手段33に案内棒を下方へ押し下げるように作用するスプリングを装着し、案内棒31aがマルチフィルムmを押さえつつ前方へ滑り移動するものとなされる。 【0036】そして、中寄り案内具32は中央の引起こし装置2の下部に、前部を円弧状となされた案内棒32aの前端を固定すると共に、この案内棒32aを茎葉下部案内板21に向け延伸させ、その後端部を茎葉下部案内板21に結合させ、さらにこの茎葉下部案内板21の下面を案内部となし、中央の引起こし装置2の下部から茎葉切断手段装置22後側までマルチフィルムmを案内するものとなされる。 【0037】34は分草部1の切断刃26側最外方の案内体8から後向き斜め外上方へ向け延伸させたサイドデバイダで、左右向きに倒伏した茎葉部w1を掻き上げることによりその茎葉部w1が切断刃26で切断されるのを阻止するものとなしてある。35は分草部1の切断刃26側の反対側最外方の案内体8から後向き斜め外上方へ向け延伸させたサイドデバイダ35で、畝間溝n内に倒伏した茎葉部w1を掻き上げることによりその茎葉部w1が畝間溝nまで達するのを防止するものとなしてある。 【0038】走行車両部7は左右一対の走行駆動車輪36、36、これに支持される車両フレーム37、この車両フレーム37の前部を支持するためのゲージ輪38、車両フレーム38の後部に固定されたエンジン39、及び、エンジン39の後方へ張り出させた操縦ハンドル40を備えている。 【0039】エンジン39の下部寄り側部にミッション41が設けられ、このミッション41及びエンジン39の下側に左右向きの伝動ケース42が装設されている。この際、伝動ケース42のゲージ輪38側でない側の一部箇所を左右方向の伸縮可能部43となし、この伸縮可能部43を伸縮駆動するための操作装置44を設ける。伝動ケース42の両端部にはファイナルケース45,45が設けてあり、このファイナルケース45の先端部に走行駆動車輪36、36が装着されている。 【0040】ゲージ輪38は車両フレーム37と同体に固定された傾斜状支持筒部46の下端に回転自在に軸着されており、傾斜状支持筒部46の上部と操縦ハンドル40との間に回転操作ハンドル47が架設されている。このハンドル47の回転操作により傾斜状支持筒部46の長さが変化されて、車両フレーム37に対するゲージ輪38の高さが変化されるものとなされている。 【0041】操縦ハンドル40後部の機体巾方向部位には左右一対のサイドクラッチレバー47、47がゲージ輪38側に片寄せて固定してある。この一対のサイドクラッチレバー47、47はその対応している各走行駆動車輪36、36に供給される回転動力をそれぞれ独立して断続させるものであり、図5に示す操向クラッチ48、48と連動連結されている。 【0042】エンジン39の動力伝達系統は次のようになされている。即ち、図5に示すように、エンジン39の回転をミッション41に伝達させ、次にミッション41から左右向きの伝動ケース42、ファイナルケース45、45及び操向クラッチ48、48を経て走行駆動車輪36、36に伝達させる。 【0043】ミッション41の前部では前後向きの作業出力軸49とミッション41内の伝動系統とを結合させる。そして作業出力軸49にはベベルギヤ51を介して横向き駆動軸50を連動連結させる。 【0044】上記横向き駆動軸50の左右各端部にはクランク52、52を形成する。また横向き駆動軸50の中央にはウオーム53を設け、これに噛み合わさせたウオームホイール54を介して、横向き駆動軸50と挟持搬送手段用の駆動軸55とを連動連結させる。 【0045】この駆動軸55は各挟持搬送要部の後側のプーリ14の中心軸56、56にチェーン伝動機構等を介して結合させ、また中心軸56の回転を搬送ベルト15を介して伝達される前側のプーリ14の中心軸57を、掻込み装置3と下部送り装置16のそれぞれの後側のプーリ58、18の中心軸59、59aに連動連結させる。 【0046】横向き駆動軸50の右端部からは前後向き伝動筒ケース60を延出させ、この伝動筒ケース60内の前後向き駆動軸61と前記横向き駆動軸50をベベルギヤ62を介して結合させ、また前後向き駆動軸61と、引起こし装置2を回転させるための上部スプロケット軸63とをベベルギヤ64を介して結合させる。 【0047】また横向き駆動軸50の一つのクランク52の前後向き連結ロッド65の一端を結合させると共に、このロッド65の他端を掘起こし刃16の縦向き支持アーム部16bの上端に結合させ、クランク52による連結ロッド65の前後変位が掘起こし刃16に伝達されるようになす。他の一つのクランク52にも前後向き連結ロッド66の一端を結合し、このロッド66の他端を支点軸67回りに揺動される鈎状アーム68に結合し、さらに鈎状アーム68とバリカン式カッタ22の入力部とを横向き連結ロッド69で連結し、クランク52による連結ロッド66の前後変位がバリカン式カッタ22に伝達されてこれを往復作動させるものとなす。 【0048】次に、上記のように構成した収穫機を使用して、マルチフィルムmで被われた畝U上に植生した玉葱wを収穫する際の作動について説明する。図1〜図3に示すように機体を畝Uの長手方向に沿わせ、左右の走行駆動車輪36、36を一つの畝Uの左右の畝間溝nに位置させ、機体が畝Uを跨いだ状態とする。この際、一対の走行駆動車輪36、36の間隔が左右の畝間溝nに合致してないときは操作装置を操作し伸縮可能部43を伸縮変形させて合致させる。 【0049】次に必要に応じて回転操作ハンドル47を回転操作してゲイジ輪38を上方又は下方へ変位させ、引起こし装置2、掻込み装置3、掘起こし刃16、切断刃26、バリカン式カッタ22及び挟持搬送装置4を玉葱wの収穫処理に最適な高さとする。これにより、車両フレーム37は走行駆動車輪36、36とゲイジ輪38で一定高さに安定的に支持された状態となる。 【0050】この後、各部を作動状態として機体を走行させる。この走行中、操縦ハンドル40を操作する作業者はゲージ輪38の位置された畝間溝n内を歩行し、左手は左側のサイドクラッチレバー47に添え、また右手は右側のサイドクラッチレバー47に添える。この際、操縦ハンドル40の左側に片寄せて装着された一対のサイドクラッチレバー47、47は作業者に無理な姿勢を強要するものとならない。 【0051】分草部1の各案内体8は先端がマルチフィルムm上面に接した状態で機体と共に前進するのであり、この際、案内体8の先端が円弧状となされていることがマルチフィルムmへの案内体8の突き刺さりを阻止し、また案内体8が上下変位自在であることが地面形状に起因したマルチフィルムmの凹凸に沿って案内体8の先端を上下変位させるものとなり、案内体8の先端は常にマルチフィルムm上面に接した状態となって茎葉部w1を的確に掬い上げ引起こし装置2の引起こし位置に到達させる。 【0052】引起こし装置2は分草部1で分草された玉葱wの茎葉部w1を掻き上げ起立させた後、これを掻込み装置3に送る。掻込み装置3はこれに達した茎葉部w1を挟持搬送手段4の挟持搬送始端近傍に送り込む。これにより、挟持搬送手段4はその送り込まれた茎葉部w1を挟持搬送始端で挟持し、続いて後方斜め上向きに搬送するものとなる。 【0053】一方では、切断刃26がスプリング30の弾力で横向き軸25回りの下方へ押し下げられると共に掘起こし刃16の強制的な振動を付与されてマルチフィルムmの上方から土面に切り込んだ状態となり、この状態で前後振動されつつ前方へ押され、土との摩擦で回転し、マルチフィルムmを切り離すように作動する。この際、接地体29が土面で支持されるため、切断刃26の切り込み深さは常に適当な特定大きさに保持されるのであり、このことと、掘起こし刃16で付与される前後振動とで、良好なマルチフィルムmの切断が持続される。また切断刃26の進行位置上に石等が存在したとき、切断刃26はスプリング30の弾力に抗して上方へ変位され石等の上を転がり移動し、石等による切刃の損傷を防止されるのであり、石等の上を通り過ぎた後にはスプリング30の弾力で再び特定大きさの切り込み深さとなり、元の切断状態に復帰する。 【0054】掘起こし刃16は切断刃26で切り離されたマルチフィルムm部分に形成された開口から土中に進入し、その要部16aが収穫中の2条列R1、R2分の玉葱wの根部w2の下方を前後振動しつつ切り進み根部w2周辺の土を掘り起こして膨軟となす。この際、掘起こし刃16の縦向きアーム部16bの前方に切断刃26が存在するため、縦向きアーム部16bは切断刃26により切断されたマルチフィルムm部分の開口内にマルチフィルムmに強く接触することなく位置することができ、マルチフィルムmの後処理を困難になすようなマルチフィルムの変形を生じさせるものとならない。また単一の掘起こし刃16で複数条の玉葱wの根部w2周囲の土を掘り起こすことは構造の簡略化に寄与するものである。 【0055】また掘起こし刃16で掘り起こされた土は切断刃26や縦向きアーム部16bの周辺に盛り上がるようになる。この際、切断刃26を縦向きアーム部16bから左右何れかへ離して配置したこと及び、切断刃26を縦向きアーム部16bから前方へ離して配置したことが、切断刃26と縦向き支持部16bとの間に土が付着して滞留するのを阻止するものとなる。 【0056】この後、挟持搬送手段4による茎葉部w1の挟持搬送が進行すると、茎葉部w1は漸次上昇され、その根部w2に上方への引張力が作用するようになる。この時点では、その根部w2周囲の土は既に掘起こし刃16で膨軟となされているため、根部w2は無理なく引き抜かれるのであり、その後、さらに挟持搬送手段4による茎葉部w2の挟持搬送が進行すると、収穫中の各条列の根部w2は茎葉下部案内板21の下面に達し、下部送り装置17から茎葉部w1下部に付与される送り力に補助されつつ、その案内路21aを通じてバリカン式カッタ22に到達される。 【0057】根部w2が茎葉下部案内板21に達した後にもその茎葉部w1は挟持搬送手段4により後斜め上方へ搬送されるようになるが、根部w2は茎葉下部案内板21よりも上方へ移動するのをこの案内板21の案内路21aで規制されるため、その茎葉部w1は緊張状態となってバリカン式カッタ22に達し、ここで茎葉部21は根部w2から切り離される。 【0058】このような根部w2の処理中、畝Uを被ったマルチフィルムmは根部w2の上側に存在するようになるのであり、従って根部w2が機体後方へ搬送される程、マルチフィルムmは根部w2と一緒に漸次高く持ち上げられるようになる。このように持ち上げられたマルチフィルムmは切断刃26で切断された切断端縁を引き上げる傾向となるが、端部案内具31が切断端縁を土面上に押さえ付けるため、マルチフィルムmの切断端縁が捲れ上がることは防止される。なおマルチフィルムmの畝間溝n内に位置された端縁はマルチフィルムmの被覆処理時に被せられた土で捲れ上がりを阻止される。 【0059】またマルチフィルムmがバリカン式カッタ22近傍まで持ち上げられると、このマルチフィルム22の掻込み装置3や引起こし装置2等の直下付近もそれに関連して浮き上がるものとなり、この浮き上がった部分が掻き込み装置3や引起こし装置2等の処理を損なわせる傾向となるが、中寄り案内具33や端部案内具31がマルチフィルムmのこのような浮き上がりを阻止するため、掻き込み装置3や引起こし装置2等の処理が損なわれる事態は防止されるのである。 【0060】バリカン式カッタ22で茎葉部w1を切り離され自由状態となった根部w2はこれの上部に接しているマルチフィルムmと共に落下し畝U上に残される。この際、バリカン式カッタ22は必要最小限の高さ(例えば10cm程度)となされているため、根部w2は落下時に損傷するものとならない。 【0061】また収穫中の2条の玉葱wの外方で切断刃26が存在する側に隣接した玉葱wの条列の茎葉部w1が切断刃26側へ倒伏していると、分草部1や引起こし装置2のみの案内作用では茎葉部w1が十分に持ち上げられないために切断刃26で切断されることが生じるが、サイドデバイダ34がその茎葉部w1を大きく持ち上げるため、この茎葉部w1が切断刃26で切り離される事態は回避される。このように茎葉部w1の切断を回避された玉葱wは本発明の収穫機により支障なく収穫されるものとなる。 【0062】また収穫中の2条の玉葱wのうち、ゲージ輪38側の条列R1の玉葱wの茎葉部w1が畝間溝n内に倒伏していると、案内体8や引起こし装置2のみの作用では十分に持ち上げられないため、ゲージ輪38に踏まれて、その茎葉部w1が挟持搬送手段4により挟持搬送されないことが生じると共に案内体8や引起こし装置2の作用により玉抜けが生じて収穫漏れとなる虞があるが、サイドデバイダ35が存在してその茎葉部w1を大きく持ち上げるため、この茎葉部w1がゲージ輪38で踏まれる事態は回避され、その玉葱wは的確に収穫されるものとなる。 【0063】畝上の2条R1、R2の玉葱wが収穫処理された後は、機体を反対向きとなして畝上の残りの2条R3、R4の玉葱wを収穫する。こうして機械的な収穫処理が終了した後は、作業者は手作業によりマルチフィルムmを畝Uから剥がすようにする。なお上記実施例において、切断刃26は車両フレーム37と同体部に装着してもよく、またエンジン39等の動力で強制的に回転させるようになすこともできる。 【0064】 【発明の効果】上記した本発明によれば、次のような効果が得られる。請求項1に記載した発明によれば、切断刃で切断されたマルチフィルムの開口から掘起こし刃の要部を土中に進入させ、この掘起こし刃をマルチフィルムに強く接触させることなく前方へ移動させることができる。これにより、玉葱等の茎葉部を切り除くと共に、土面を被ったマルチフィルムの下方の土面上に引き抜き状態の根部を残していくような態様の収穫処理を円滑に実施できるようになる。 【0065】請求項2に記載した発明によれば、簡易構造により掘起こし刃の振動中に切断刃を振動させて、マルチフィルムを確実に切断できるものである。 【0066】請求項3に記載した発明によれば、簡易な構成により、玉葱等からこれの茎葉部を切り除き且つ、地面に被せたマルチフィルムの下方に、引き抜かれた状態の根部を残すような態様の収穫処理が円滑に実施できるものである。 【0067】請求項4に記載した発明によれば、上下振動される切断刃により、圃場面に被せたマルチフィルムを円滑且つ確実に切断できるものとなる。 【0068】請求項5に記載した発明によれば、複数条の野菜を単一の切断刃及び単一の掘起こし刃により円滑に収穫でき、構造の簡易化に寄与するものとなる。 【0069】請求項6に記載の発明によれば、掘起こし刃で掘り起こされた土が切断刃と掘起こし刃との間に挟まって滞留する現象を防止でき、切断刃によるマルチフィルムの円滑な切断が維持されるものとなる。 【0070】請求項7に記載の発明によれば、請求項5のものと同様に、掘起こし刃で掘り起こされた土が切断刃と掘起こし刃との間に挟まって滞留する現象を防止できるのであり、この際、切断刃が掘起こし刃の側方にこれから離して位置されることは、切断刃と掘起こし刃との前後方向距離を短縮化させる上で寄与するものである。 【0071】請求項8に記載の発明によれば、土との摩擦抵抗で回転駆動される円盤形切断刃でマルチフィルムを円滑に切断することができる。また円盤形切断刃の周縁を均等に消耗させて刃寿命を長くなすことができる。 【0072】請求項9に記載の発明によれば、マルチフィルムと掘起こし刃との引っ掛かりを効果的に回避させることができる。 【0073】請求項10に記載した発明によれば、切断刃が土中の石等に乗り上がったようなときにも、石等によるその損傷を回避できるものとなる。 【0074】請求項11に記載した発明によれば、土への食い込み力を適当大きさとなされた切断刃でマルチフィルムの切断を的確に行えるようになる。また切断刃が石等と強く接触して損傷する現象を回避できるのである。 【0075】請求項12に記載した発明によれば、接地体により切断刃の一定以上の土への食い込みを阻止でき、切断刃によるマルチフィルムの切断を効率的に行わせることができる。また請求項10と同様に、切断刃が石等と強く接触して損傷する現象を回避できるものとなる。 【0076】請求項13に記載した発明によれば、マルチフィルムを残したまま玉葱等の根部を土面上に抜き取り状態とする収穫処理が根部を踏んで損傷させることなく、しかも無理な操縦姿勢を要することなく行えるものとなる。 【0077】請求項14に記載した発明によれば、分草部の作動部がマルチフィルムに干渉する等の現象を阻止でき、また挟持搬送手段で引き上げられた野菜の根部が落下するときの衝撃を小さくなして根部の損傷を防止できるものとなす。 【0078】請求項15に記載の発明によれば、切断刃が未収穫の野菜の茎葉部を切り離す現象がサイドデバイダにより阻止でき、その野菜の機械的収穫に支障を生じさせないものとなる。 【0079】請求項16に記載の発明によれば、各案内棒により、倒伏した茎葉部を的確に掬い上げて分草すると共に引き起こすことができるものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005164 【氏名又は名称】セイレイ工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年4月13日(1999.4.13) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2000−295912(P2000−295912A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月24日(2000.10.24) |
| 【出願番号】 |
特願平11−104998 |
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