トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 甘藷用蔓切り機における対畝高さの自動制御装置
【発明者】 【氏名】難波 信章

【氏名】安達 淳次

【要約】 【課題】畝に被覆されているマルチフィルムを破るおそれなく、しかも甘藷の蔓を極力細かく切断できるようにする。

【解決手段】畝(A)の上面に沿い転動する畝高さ検知用センサーローラー(60)を、蔓切り用フレールモアー本体(18)の後端部から吊り下げて、そのセンサーローラー(60)による畝高さの検知信号を機械的なリンク運動機構又は電気配線によりトラクター機体(T)における油圧シリンダー装置(10)の油圧コントロールバルブへフィードバックさせて、その油圧シリンダー装置(10)により上記フレールモアー本体(18)の対畝高さ(H)を常時一定に保つべく、そのフレール刃(28)を上記センサーローラー(60)の上下移動量と同じ量だけ昇降制御するように構成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】トラクター機体(T)の油圧シリンダー装置(10)によって昇降作動される牽引装置(L)へ、畝(A)上を横断する蔓切り用フレールモアー本体(18)を連結使用し、そのフレールモアー本体(18)の回転刃軸(26)から植立する多数の蔓切り用フレール刃(28)を、上記トラクター機体(T)からの取り出し動力により回転駆動する甘藷用蔓切り機(I)において、上記フレールモアー本体(18)の後端部から吊り下がるローラー吊持アーム(61)の下端部へ、畝(A)の上面に沿い転動する畝高さ検知用センサーローラー(60)を軸支して、そのセンサーローラー(60)による畝高さの検知信号を機械的なリンク運動機構又は電気配線により上記油圧シリンダー装置(10)の油圧コントロールバルブへフィードバックさせて、その油圧シリンダー装置(10)により上記フレールモアー本体(18)の対畝高さ(H)を常時一定に保つべく、そのフレールモアー本体(18)のフレール刃(28)を上記センサーローラー(60)の上下移動量とほぼ同じ量だけ自動的に昇降制御するように構成したことを特徴とする甘藷用蔓切り機における対畝高さの自動制御装置。
【請求項2】蔓切り用フレールモアー本体(18)の回転刃軸(26)から植立する多数のフレール刃(28)のうち、その畝(A)の上面に最も接近する位置の中間フレール刃(28a)を、畝(A)の垂直中心線(O−O)とほぼ平行なストレート状刃先部(a)がこれからの分岐状刃先部(b)よりも一定長さ(Y)だけ長い全体的なレ字型に造形することにより、甘藷の蔓(M)をその畝(A)の上面にへばり付いている根元部(M1)から細かく切断できるように定めたことを特徴とする請求項1記載の甘藷用蔓切り機における対畝高さの自動制御装置。
【請求項3】蔓切り用フレールモアー本体(18)におけるフレール刃(28)の上面全体を覆うカバーレート(34)から斜め前下方へ、左右一対の取付ステー(76)を一体的に派出させて、その各派出先端部へ側面視のほぼL字型揺動フレーム(77)の中途高さ位置を枢着し、畝溝(G)に沿って転動する丸鋸形態の蔓掬い上げディスク(79)を、上記各揺動フレーム(77)の下端部へ軸支すると共に、その各揺動フレーム(77)の下端部付近から上記蔓掬い上げディスク(79)の後面とほぼ平行に弯曲する円弧形態の蔓掬い上げガイド(81)を一体的に張り出す一方、上記蔓掬い上げディスク(79)と蔓掬い上げガイド(81)に常時畝溝(G)への接地弾圧力を付与する引張りコイルバネ(82)を、上記各揺動フレーム(77)の上端部と各取付ステー(76)の基端部との前後相互間へ連繋掛架させたことを特徴とする請求項1記載の甘藷用蔓切り機における対畝高さの自動制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は甘藷用蔓切り機における対畝高さの自動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明に最も近似すると思われる甘藷の蔓切り機として、実公平6−18417号が公知であり、これでは畝(A)の表面を被覆しているマルチフィルム(F)の両側部(f)と、その畝裾部分(B)に繁茂している甘藷(C)の蔓(D)とを、左右一対のデバイダー(16)により畝(A)の上面まで押し上げ、その押し上げられた蔓(D)を蔓刈体(9)の刈刃(11)によって切断するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記公知考案の蔓刈体(9)を形作っている多数の刈刃(11)は、ハンマーナイフ又はフレール刃として、その刃先のV字型又はレ字型に分岐されており、しかも回転軸(10)から悉く同じ長さに植立しているため、畝溝に沿って走行する左右一対の尾輪(39)を昇降操作することにより、蔓刈体(9)の対畝高さを予じめ好適に調整セットしたとしても、その畝(A)の上面には実際上高低差がある結果、上記蔓刈体(9)の刈刃(11)が必らずやマルチフィルム(F)に触れて、その分岐状態の刃先によりマルチフィルム(F)がいたづらに細かく、且つアット・ランダムに破られてしまい、追って畝(A)からマルチフィルム(F)の全体をすばやく完全に剥ぎ取り作業できなくなる。
【0004】又、それだからと言って、上記高低差を予じめ見込む如く、蔓刈体(9)の対畝高さを高い目に調整セットして使用すると、畝(A)の上面にへばり付いている甘藷(C)の蔓(D)を、その刈刃(11)によって切断することができず、追って鎌などの手作業により細かく切断しなければ、長いままに残る蔓(D)が引続く圃場の耕耘作業時に、そのロータリー耕耘軸へ巻き付くこととなる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような課題を改良するために、甘藷用蔓切り機における対畝高さの自動制御装置として、トラクター機体の油圧シリンダー装置によって昇降作動される牽引装置へ、畝上を横断する蔓切り用フレールモアー本体を連結使用し、そのフレールモアー本体の回転刃軸から植立する多数の蔓切り用フレール刃を、上記トラクター機体からの取り出し動力により回転駆動する甘藷用蔓切り機において、【0006】上記フレールモアー本体の後端部から吊り下がるローラー吊持アームの下端部へ、畝の上面に沿い転動する畝高さ検知用センサーローラーを軸支して、そのセンサーローラーによる畝高さの検知信号を機械的なリンク運動機構又は電気配線により上記油圧シリンダー装置の油圧コントロールバルブへフィードバックさせて、その油圧シリンダー装置により上記フレールモアー本体の対畝高さを常時一定に保つべく、そのフレールモアー本体のフレール刃を上記センサーローラーの上下移動量とほぼ同じ量だけ自動的に昇降制御するように構成したことを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図面に基いて本発明の詳細を説明すると、図1はマルチ栽培された甘藷の蔓切り機(I)をトラクター機体(T)に連結した使用状態を示しており、(10)はトラクター機体(T)の後部上面に搭載された油圧シリンダー装置であって、これに付属する図外の油圧コントロールバルブにより、左右一対のリフトアーム(11)が昇降作動されるようになっている。
【0008】(L)は蔓切り機吊持用の牽引装置であって、図例では1本のトップリンク(12)と左右一対のロワーリンク(13)とから成る3点リンク機構を示しており、その両ロワーリンク(13)がリフトロッド(14)を介して上記リフトアーム(11)に枢支連結されている。(15)はトップリンク用取付台、(16)はトラクター機体(T)から後方へ派出された動力取出軸であり、その取り出し回転動力がユニバーサルジョイント軸(17)(図例ではそのカバーブーツによって示唆している。)を経て、蔓切り機(I)の後述する入力軸へ伝達されることになる。
【0009】次に、甘藷を収穫するための蔓切り機(I)について言えば、図1〜4において、(18)は畝(A)上を横断する蔓切り用フレールモアー本体、(19)はそのフレールモアー本体(18)の左右方向に沿い長く延在する水平なメインフレームであって、丸パイプ材から成り、その中間部には伝動用ベベルギヤケース(20)が固定設置されている。(21)はそのベベルギヤケース(20)から前方へ派出する入力軸であり、上記トラクター機体(T)の動力取出軸(16)と着脱自在に伝動連結されることとなる。
【0010】(22)(23)は上記メインフレーム(19)の両端部を支持する左右一対のサイドプレートであり、その一方が伝動用ベルトケース(24)の取付ベースをなしている。(25)は両サイドプレート(22)(23)における後端部同志の相互間へ水平に固定横架された角パイプ材の補強ビーム、(26)は他方のサイドプレート(23)における下端部と、上記ベルトケース(24)の下端部との相互間を横架する状態に軸受けされた水平な回転刃軸であり、上記入力軸(21)からの動力により伝動ベルト(図示省略)を介して、図1、2の矢印(F)で示す方向へ回転駆動されるようになっている。
【0011】(27)は上記回転刃軸(26)の長手方向に沿う一定間隔ピッチでの配列分布状態として、その刃軸(26)の円周面に固着一体化された多数の刃取付台、(28)はその各刃取付台(27)への植込み状態に枢着された蔓切り用フレール刃(ハンマーナイフ)であり、上記フレールモアー本体(18)を形作るものとして、畝(A)とその両サイドの畝溝(G)に対応する全体的な有効切断作用幅(W)を備えている。(29)は各刃取付台(27)に対するフレール刃(28)の枢支ボルトであり、上記回転刃軸(26)と平行している。
【0012】更に言えば、上記回転刃軸(26)の刃取付台(27)から植立するフレール刃(28)の多数は、図5〜7のような180度の直径線上に正しく向かい合う1組づつとして、その1組づつが回転刃軸(26)の長手方向に沿う隣り合う同志では、交互に直交する側面視の十文字型をなす放射対称形態に配列されているのである。
【0013】しかも、上記フレール刃(28)の多数は蔓(M)を極力細かく切断するため、その刃先部の悉く分岐するV字型又はレ字型に形成されているが、殊更畝(A)の上面へ最も接近する位置にある数組の中間フレール刃(28a)(好ましくは畝(A)の垂直中心線(O−O)を挟む2組の中間フレール刃(28a))だけは、畝(A)の上面にへばり付いている蔓(M)の根元部(M1)を切断するものとして、畝(A)の垂直中心線(O−O)とほぼ平行なストレート状刃先部(a)を備え、且つそのストレート状刃先部(a)がこれからの分岐状刃先部(b)よりも一定長さ(Y)だけ若干長く形成されており、畝(A)を被覆しているマルチフィルム(30)までも、アットランダムに細かく切断しないようになっている。
【0014】つまり、畝(A)の上面へ臨む中間フレール刃(28a)によって、蔓(M)の根元部(M1)を切断する際、そのストレート状刃先部(a)が万一フィルム(30)に触れたとしても、1組づつの180度だけ回転する毎に、上記マルチフィルム(30)へ点線状態となる切り目を付与するに過ぎず、その後マルチフィルム(30)の全体を畝(A)からすばやく円滑に剥ぎ取り作業できるようになっているのである。
【0015】尚、上記中間フレール刃(28a)との比較から言えば、畝(A)の上面から徐々に遠ざかる残余位置の周辺フレール刃(28b)が、畝(A)の両裾野部から掬い上げられる蔓(M)の中途部(M2)を細かく切断することになる。
【0016】(31)は両サイドプレート(22)(23)の上記補強ビーム(25)へ下方から取付け固定された左右一対の蔓掬い上げアーム用抱持鞘であり、何れも一定角度(α)の前下がり傾斜姿勢に貫通している。(32)はその各抱持鞘(31)に差し込まれた蔓掬い上げアームであり、その尖鋭な下端部が畝溝(G)を進行することによって、畝(A)の上面から両サイドの畝溝(G)まで繁茂している蔓(M)の中途部(M2)を引っ掛け、上記フレールモアー本体(18)のフレール刃(28)に向かって掬い上げ誘導する。
【0017】その場合、蔓掬い上げアーム(32)はこれを抱持鞘(31)に沿って、前後方向へ進退操作することにより、その下端部を畝溝(G)へ常時沈下させるべく、作用長さを調整することもできるようになっている。(33)はその蔓掬い上げアーム(32)の作用長さを位置決め固定するための調整ボルトである。
【0018】蔓掬い上げアーム(32)は蔓切り機(I)の横方向から見ると、上記フレール刃(28)に対して言わば接線となるオーバーラップ状態にあるが、そのフレール刃(28)の隣り合う左右相互間へ配置されることにより、フレール刃(28)と干渉しないようになっていることは、言うまでもない。
【0019】(34)は上記蔓切り用フレール刃(28)の上面全体を覆うカバープレートであって、フレール刃(28)に沿い弯曲するアーチ型をなしており、その後端部が両サイドプレート(22)(23)の上記補強ビーム(25)に被着一体化されている。(35)は同じくフレール刃(28)の後面全体を覆うゴム垂れである。
【0020】又、(36)は上記伝動用ベベルギヤケース(20)から斜め前上方へ一体的に派出されたトップリンクホルダーであり、その派出先端部の水平なトップピン(37)がトラクター機体(T)のトップリンク(12)と係脱自在に係止される。
【0021】(38)は上記フレールモアー本体(18)のメインフレーム(19)から前方へ一体的に派出された左右一対のロワーリンクホルダーであり、その両ロワーリンクホルダー(38)の派出先端部から横向きに突出する水平なロワーピン(39)が、トラクター機体(T)のロワーリンク(13)と係脱自在に係止され、そのトラクター機体(T)の油圧シリンダー装置(10)によって、蔓切り機(I)の全体が昇降作動されることとなる。
【0022】尚、蔓切り機(I)の全体が上記トラクター機体(T)の油圧シリンダー装置(10)によって昇降作動されるならば、そのトラクター機体(T)に対する蔓切り機(I)の吊持用牽引装置(L)としては、図示の3点リンク機構のみに限らず、その他の型式を採用しても良い。
【0023】(40)は上記フレールモアー本体(18)における対畝高さ(H)の下限を規定する左右一対の尾輪であり、次のような平行リンク運動機構を介して、そのフレールモアー本体(18)の後端部へ昇降調整自在に吊持されている。
【0024】即ち、両サイドプレート(22)(23)における上記補強ビーム(25)の中間部からは、角パイプ材の固定マスト(41)が一体的に垂立されている。(42)はその固定マスト(41)の中途高さ位置を安定良く挟持する支持ステーであり、上記ベベルギヤケース(20)から後方へ一体的に派出されている。
【0025】(43)は上記補強ビーム(25)の後方位置に横架する水平なツールバーであって、これも角パイプ材から成り、左右一対の第1リンクアーム(44)を介して両サイドプレート(22)(23)の水平な補強ビーム(25)と枢支連結されている。(45)(46)はその前後一対づつの枢支ボルトである。
【0026】(47)は上記ツールバー(43)に左右方向へのスライド自在として套嵌された左右一対の尾輪支持杆であり、その各個の下端部に軸支された尾輪(40)が、畝(A)の両サイドに位置する畝溝(G)を転動するようになっている。(48)はそのツールバー(43)に沿う尾輪支持杆(47)のスライド位置を固定するための調整ボルトである。尚、左右一対の尾輪(40)は言うまでもなくゴムタイヤ車輪から成る。
【0027】又、上記ツールバー(43)の中間部からは固定マスト(41)と平行な角パイプ材の吊持杆(49)が、一体的に垂立されている。しかも、その吊持杆(49)の上端部と上記支持ステー(42)の派出後端部との相互間が、第1リンクアーム(44)と平行な第2リンクアーム(50)を介して枢支連結されている。(51)(52)はその前後一対の枢支ボルトである。
【0028】(53)は上記第2リンクアーム(50)の中途部から一体的に垂立する挟持片であり、その上端部にはナット(54)が介挿設置されている。(55)は上記尾輪(40)の昇降調整ハンドルであって、その先端部のネジ軸(56)が上記ナット(54)に螺合締結されているため、これを回動操作すれば、上記第1、2リンクアーム(44)(50)とこれにより吊持された尾輪(40)が、昇降することとなる。その結果、上記フレールモアー本体(18)の対畝高さ(H)が予じめ調整セットされるのである。
【0029】(57)は昇降調整ハンドル(55)の基端部を受け持つ支持片であり、上記ベベルギヤケース(20)から一体的に派出されている。(58)は同じく昇降調整ハンドル(55)の中途部を受け持つ駒であり、上記固定マスト(41)の上端部から垂立する挟持片(59)に介挿設置されている。
【0030】上記のような蔓切り機(I)には、更に畝(A)の上面を転動する畝高さ検知用センサーローラー(60)も装備されており、これにより検知した信号を上記トラクター機体(T)における油圧シリンダー装置(10)の油圧コントロールバルブへフィードバックさせて、蔓切り用フレールモアー本体(18)の対畝高さ(H)を常時一定に保つべく、そのフレール刃(28)における殊更中間フレール刃(28a)をセンサーローラー(60)の上下移動量とほぼ同じ量だけ自動的に昇降制御するようになっている。
【0031】即ち、図1〜4において、引続く符号(61)は一定のローラー吊持アームであり、その上端部が上記サイドプレート(22)(23)の左右相互間を横架する補強ビーム(25)の中途部へ、ローラー吊持アーム用取付台(62)を介して枢着されている。(63)はその水平な枢支ボルトである。
【0032】そして、その後下がり傾斜状態にあるローラー吊持アーム(61)の下端部に、上記センサーローラー(60)が支軸(64)を介して遊転自在に取付けられているのである。そのセンサーローラー(60)としては畝(A)の上面に沿って安定良く転動させるため、これを図示のような鼓型に造形することが好ましい。
【0033】(65)は上記ローラー吊持アーム(61)の上端部と対応する前後位置関係として、上記フレール刃(28)の上面全体を覆うカバープレート(34)の中途部へ、やはりセンサーアーム用取付台(66)を介して枢着されたセンサーアームであって、側面視のほぼL字型又はV字型を呈しており、その中途部の水平な枢支ボルト(67)を中心として前後方向へ回動作用する。
【0034】(68)はそのセンサーアーム(65)の一端部(後端部)と、上記ローラー吊持アーム(61)の上端部との前後相互間を枢支連結する一定長さのセンサーリンクであり、センサーローラー(60)の上下移動に連れて前後方向へ進退作用する。
【0035】(69)は可撓性を有する長いセンサーワイヤーであって、その後端部が上記センサーアーム(65)の他端部(前端部)に連結されている。同じくセンサーワイヤー(69)の前端部は上記トラクター機体(T)における油圧シリンダー装置(10)のケース外壁面を通じ、その油圧コントロールバルブから派出されたアクティブレバー(70)へ、応答アーム(71)と応答リンク(72)を介して連結されている。
【0036】茲に、応答アーム(71)は側面視のほぼ倒立L字型をなし、その中途部が上記油圧シリンダー装置(10)のケース外壁面へ、水平な枢支ボルト(73)を介して回動自在に取付けられていると共に、同じく応答アーム(71)と上記アクティブレバー(70)との前後相互間が、進退作用する一定長さの応答リンク(72)によって枢支連結されているのである。そして、そのアクティブレバー(70)の動きが電気信号に変換され、油圧シリンダー装置(10)の油圧コントロールバルブへ伝達されるようになっている。
【0037】その場合、上記蔓切り機(I)側のローラー吊持アーム(61)と、トラクター機体(T)側のアクティブレバー(70)とを連結する配線系統は、そのトラクター機体(T)側の動力取出軸(16)と、蔓切り機(I)側の入力軸(21)とを連結する伝動軸線よりも、左右何れか一方へ偏心した位置にある。
【0038】尚、上記センサーワイヤー(69)はボーデンケーブルやレリーズワイヤーなどと通称される形態品であり、その作用長さを適当な緊張状態に調整セットできることは言うまでもない。
【0039】先の図1〜7に説示した第1実施形態では、畝高さ検知用センサーローラー(60)により検知した信号を、トラクター機体(T)側の油圧コントロールバルブへフィードバックさせる手段として、機械的なリンク運動機構を採用したが、そのセンサーローラー(60)による畝高さの検知信号を図8、9の第2実施形態に示唆する如く、上記トラクター機体(T)側の油圧コントロールバルブへ電気信号としてフィードバックさせても良い。
【0040】つまり、畝(A)の上面に沿うセンサーローラー(60)の上下移動を電圧の大小に変換する回動型ポテンショメーターやその他の回動角度センサー(74)を、上記センサーアーム(65)に代えて採用すると共に、その蔓切り機(I)側の回動角度センサー(74)とトラクター機体(T)側の油圧コントロールバルブとを、上記センサーワイヤー(69)に代る通電ケーブル(75)により接続配線して、やはり蔓切り用フレールモアー本体(18)の対畝高さ(H)を常時一定に維持すべく、そのフレール刃(28)を上記センサーローラー(60)の上下移動量とほぼ同じ量だけ自動的に昇降制御するのである。
【0041】そうすれば、上記第1、2実施形態の何れにあっても、その蔓切り用フレールモアー本体(18)のフレール刃(28)が畝(A)の高低差に応じて昇降動作するため、その畝(A)に被覆されているマルチフィルム(30)を破るおそれがなく、しかも甘藷の蔓(M)を確実に安定良く切断することができる。
【0042】殊更、上記フレールモアー本体(18)を形作る多数のフレール刃(28)のうち、その畝(A)の上面に最も接近する位置の中間フレール刃(28a)を、その畝(A)の垂直中心線(O−O)とほぼ平行なストレート状刃先部(a)が、これからの分岐状刃先部(b)よりも一定長さ(Y)だけ長い全体的なレ字型に造形するならば、上記マルチフィルム(30)に点線状態の切り目さえも与えることなく、甘藷の蔓(M)をその畝(A)の上面にへばり付いている根元部(M1)から極力細かく切断できることとなり、ますます有益であると言える。
【0043】又、図1〜7の第1実施形態ではフレールモアー本体(18)の後端部に位置する補強ビーム(25)から、左右一対の蔓掬い上げアーム(32)を一定角度(α)の前下がり傾斜状態に張り出し設置して、これにより引っ掛けた蔓(M)の中途部(M2)を、その畝溝(G)からフレール刃(28)まで掬い上げ誘導するようになっているが、その蔓掬い上げ手段としても図8、9の第2実施形態に併記するような構成を採用することができる。
【0044】即ち、図8、9の符号(76)は上記フレール刃(28)のカバープレート(34)から斜め前下方へ一体的に派出された左右一対の取付ステー、(77)は側面視のほぼL字型に屈曲する左右一対の揺動フレームであり、その中途高さ位置が水平な枢支ボルト(78)によって、上記取付ステー(76)の派出先端部に各々枢着されている。
【0045】(79)は各揺動フレーム(77)の下端部へ支軸(80)を介して遊転自在に取付けられた蔓掬い上げディスクであり、畝溝(G)を転動するものとして、金属板材から丸鋸形態に打抜き加工されている。(81)は同じく各揺動フレーム(77)の下端部付近から蔓掬い上げディスク(79)の板面と平行に、且つそのディスク(79)の後面に沿い弯曲する円弧形態として下方へ一体的に張り出された蔓掬い上げガイドであり、これにより畝溝(G)から掬い上げられた蔓(M)が、上記蔓掬い上げディスク(79)の回転によって、フレール刃(28)まで脱落のおそれなく確実に誘導されるようになっている。
【0046】(82)は上記各揺動フレーム(77)の上端部と、各々取付ステー(76)の基端部との前後相互間に連繋掛架された引張りコイルバネであり、これによって上記蔓掬い上げガイド(81)と蔓掬い上げディスク(79)には、常時畝溝(G)へ接地する弾圧付勢力が与えられている。
【0047】そのため、上記フレールモアー本体(18)の対畝高さ(H)が畝(A)の高低差に応じて昇降制御されるも、その蔓掬い上げディスク(79)と蔓掬い上げガイド(81)はこれによる影響を一切受けず、畝溝(G)と常に接地して、蔓(M)を自づと安定良く掬い上げ作用することになり、その設置高さの特別な調整作業を要しない利点がある。
【0048】尚、本発明の第2実施形態におけるその他の構成は上記第1実施形態と実質的に同一であるため、その図8、9に図1〜7との対応符号を記入するにとどめて、その詳細な説明を省略する。
【0049】次に、マルチ栽培された甘藷の蔓切り作業法を、図1〜7の第1実施形態に基いて説明すると、上記蔓切り用フレールモアー本体(18)における対畝高さ(H)の下限を規定する左右一対の尾輪(40)を図1のように、その昇降調整ハンドル(55)の回動操作により予じめ畝溝(G)から浮上する状態に調整セットするか、又はその尾輪(40)を取りはずすことによって、上記対畝高さ(H)の下限を解除しておく。
【0050】そして、蔓切り機(I)をそのフレールモアー本体(18)が畝(A)の上面に横断し、左右一対の蔓掬い上げアーム(32)が畝溝(G)に沈下する関係状態として、トラクター機体(T)により牽引使用すれば、その蔓切り機(I)の進行に連れて、畝(A)の上面を転動するセンサーローラー(60)が、自づと畝高さを検知することになり、その検知信号はセンサーローラー(60)からローラー吊持アーム(61)やセンサーアーム(65)、センサーワイヤー(69)、応答アーム(71)、応答リンク(72)などを経て、トラクター機体(T)における油圧シリンダー装置(10)の油圧コントロールバルブへフィードバックされ、その油圧シリンダー装置(10)により蔓切り機(I)側の上記フレールモアー本体(18)が、センサーローラー(60)の上下移動量とほぼ同じ量だけ自動的に昇降制御されるのであり、その対畝高さ(上記フレール刃(28)の刃先部と畝(A)の上面との上下相互間隔)(H)が常時一定に保たれる。
【0051】上記蔓切り用フレールモアー本体(18)を形作るフレール刃(28)の刃先部が畝(A)の高低差に応じて、その上面をなぞる如く昇降作動するため、上記畝(A)の上面へ最も接近する位置の中間フレール刃(28a)を、畝(A)の垂直中心線(O−O)とほぼ平行なストレート形態に形成して、その刃先部の比較的長く寸法化したとしても、これによって畝(A)を被覆しているマルチフィルム(30)の破られるおそれがなく、しかも蔓(M)をその畝(A)の上面にへばり付いている根元部(M1)から、極力細かく確実に切断することができ、上記フィルム(30)の全体を追って畝(A)から円滑にすばやく剥ぎ取り作業することも可能となる。
【0052】他方、左右一対の蔓掬い上げアーム(32)は上記フレールモアー本体(18)の昇降量を予じめ見越して、その下端部を畝溝(G)へ深い目に沈下するよう調整セットしておくことにより、蔓切り機(I)の進行に連れて、畝溝(G)から蔓(M)を支障なく掬い上げることができ、その蔓(M)の中途部(M2)を上記周辺フレール刃(28b)によって、やはり細かく切断し得るのである。
【0053】この点、図8、9の第2実施形態に示した蔓掬い上げ手段を採用するならば、その蔓掬い上げディスク(79)と蔓掬い上げガイド(81)には常時畝溝(G)への接地弾圧力が付与されているため、上記フレールモアー本体(18)の昇降量を予じめ見越した蔓掬い上げアーム(32)の長さ調整作業すらも不要となり、それにも拘らず畝溝(G)から蔓(M)を確実に安定良く掬い上げることができる。
【0054】尚、第1、2実施形態の何れにあっても、上記対畝高さ(H)の自動制御作用を電気的にオン・オフ操作するための切替スイッチ(図示省略)を、トラクター機体(T)における後輪フエンダーの上面やその他の運転席周辺へ設置しておくことができ、そうすればその切替スイッチのオフ操作により上記自動制御作用を解除し、左右一対の尾輪(40)が畝溝(G)に接地した状態として、その甘藷の蔓切り作業に供することも可能となる。
【0055】
【発明の効果】以上のように、本発明では甘藷用蔓切り機(I)における対畝高さ(H)の自動制御装置として、トラクター機体(T)の油圧シリンダー装置(10)によって昇降作動される牽引装置(L)へ、畝(A)上を横断する蔓切り用フレールモアー本体(18)を連結使用し、そのフレールモアー本体(18)の回転刃軸(26)から植立する多数の蔓切り用フレール刃(28)を、上記トラクター機体(T)からの取り出し動力により回転駆動する甘藷用蔓切り機(I)において、【0056】上記フレールモアー本体(18)の後端部から吊り下がるローラー吊持アーム(61)の下端部へ、畝(A)の上面に沿い転動する畝高さ検知用センサーローラー(60)を軸支して、そのセンサーローラー(60)による畝高さの検知信号を機械的なリンク運動機構又は電気配線により上記油圧シリンダー装置(10)の油圧コントロールバルブへフィードバックさせて、その油圧シリンダー装置(10)により上記フレールモアー本体(18)の対畝高さ(H)を常時一定に保つべく、そのフレールモアー本体(18)のフレール刃(28)を上記センサーローラー(60)の上下移動量とほぼ同じ量だけ自動的に昇降制御するように構成してあるため、冒頭に述べた従来技術の課題を悉く改良できる効果がある。
【0057】即ち、本発明の上記構成によれば、トラクター機体(T)に連結使用された蔓切り機(I)の進行に連れて、畝(A)の上面を転動するセンサーローラー(60)が、自づと畝高さを検知することになり、その検知信号がトラクター機体(T)における油圧シリンダー装置(10)の油圧コントロールバルブへフィードバックされて、その油圧シリンダー装置(10)により蔓切り機(I)のフレールモアー本体(18)を形作るフレール刃(28)が、上記センサーローラー(60)の上下移動量とほぼ同じ量だけ自動的に昇降制御されるのであり、その対畝高さ(H)が常時一定に保たれるため、畝(A)に被覆されているマルチフィルム(30)を破るおそれがなく、しかも甘藷の蔓(M)を確実に切断できることとなり、そのフィルム(30)の全体を追って畝(A)から円滑にすばやく剥ぎ取って、甘藷を軽快に能率良く収穫作業し得る効果がある。
【0058】特に、請求項2の構成を採用するならば、畝(A)の垂直中心線(O−O)とほぼ平行なストレート状刃先部(a)を備え、且つそのストレート状刃先部(a)がこれからの分岐状刃先部(b)よりも一定長さ(Y)だけ長く形成された中間フレール刃(28a)によって、上記蔓(M)をその畝(A)の上面にへばり付いている根元部(M1)から極力細かく切断することができ、その甘藷収穫後における圃場のロータリー耕耘作業を支障なく高能率に行なえる効果があり、その際にもマルチフィルム(30)の破られるおそれがない点で、著しく実益大であると言える。
【0059】更に、請求項3の構成を採用するならば、その蔓掬い上げディスク(79)と蔓掬い上げガイド(81)には、常時畝溝(G)への接地弾圧力が付与されており、上記蔓切り用フレールモアー本体(18)の対畝高さ(H)が畝(A)の高低差に応じて昇降制御されるも、これによる影響を一切受けないので、その畝溝(G)から蔓(M)を確実に安定良く掬い上げて、フレールモアー本体(18)のフレール刃(28)まで誘導することができ、その蔓(M)の中途部(M2)をも周辺フレール刃(28b)により細かく切断し得る効果がある。
【出願人】 【識別番号】398071668
【氏名又は名称】株式会社日立建機ティエラ
【出願日】 平成11年4月6日(1999.4.6)
【代理人】 【識別番号】100071548
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 賢二
【公開番号】 特開2000−287518(P2000−287518A)
【公開日】 平成12年10月17日(2000.10.17)
【出願番号】 特願平11−98468