| 【発明の名称】 |
甘藷の蔓切り機 |
| 【発明者】 |
【氏名】難波 信章
|
| 【要約】 |
【課題】畝に被覆されたマルチフィルムの覆土を畝溝の地面と切り離し分解して、そのフィルムの全体を畝から簡便にすばやく剥ぎ取り作業できるようにする。
【解決手段】蔓切り用フレールモアー本体(A)の後端部へ左右一対の蔓掬い上げアーム(24)を一定傾斜角度(α)の前下がり状態に取付ける一方、畝溝(G)を転動する左右一対の尾輪(34)の吊持支柱(43)に、各々覆土分解刃取付アーム(57)をやはり一定傾斜角度(β)の前下がり状態として付属設置すると共に、その各取付アーム(57)の下端部からマルチフィルム(22)における裾野部の真下へ切り込み進入して、そのフィルム(22)の覆土(g)をほぐす覆土分解刃(59)を内向きに張り出した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】マルチフィルム(22)により被覆された畝(10)上を横断する蔓切り用フレールモアー本体(A)と、その後端部へ昇降操作自在に吊持されて、畝溝(G)を転動する左右一対の尾輪(34)とから成り、上記フレールモアー本体(A)の回転刃軸(20)から植立するフレール刃(21)を、その牽引用のトラクター機体(T)から取り出した動力により回転駆動する甘藷の蔓切り機において、上記畝(10)の両裾野部に繁茂している蔓(M)をフレール刃(21)まで掬い上げ誘導する左右一対の蔓掬い上げアーム(24)を、上記フレールモアー本体(A)の後端部へ一定傾斜角度(α)の前下がり状態に取付ける一方、上記各尾輪(34)の吊持支柱(43)に左右一対の覆土分解刃取付アーム(57)を、やはり一定傾斜角度(β)の前下がり状態として付属設置すると共に、その各覆土分解刃取付アーム(57)の下端部から上記マルチフィルム(22)における裾野部の真下へ切り込み進入して、そのフィルム(22)の覆土(g)をほぐす覆土分解刃(59)を内向きに張り出したことを特徴とする甘藷の蔓切り機。 【請求項2】各覆土分解刃取付アーム(57)を尾輪(34)の吊持支柱(43)へ、複数の進退調整ボルト(58)によって位置決め固定し、その前後方向への進退操作によりマルチフィルム(22)下の地面に対する覆土分解刃(59)の切り込み深さを調整できるように定めたことを特徴とする請求項1記載の甘藷の蔓切り機。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は甘藷の蔓切り機に関する。 【0002】 【従来の技術】本発明に最も近似すると思われる甘藷の蔓切り機として、実公平6−18417号が公知であり、これでは畝(A)の表面を被覆しているフィルム(F)の両側部(f)と、その畝裾部分(B)に繁茂している甘藷(C)の蔓(D)とを、左右一対のデバイダー(16)により畝(A)の上面まで押し上げ、その押し上げられた蔓(D)を蔓刈体(9)の刈刃(11)によって切断すると共に、フィルム押え土(E)を外方へ排除するようになっている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところが、上記公知考案のデバイダー(16)は蔓刈体(9)を被覆するカバー体(12)の取付枠(15)から、その蔓刈体(9)の前下方へ傾斜設置状態に突出されている一方、尾輪(39)は吊持アーム(23)の支持筒(34)から垂下する尾輪アーム(35)の下端部に軸支されており、そのデバイダー(16)と尾輪(39)とが別個独立している関係上、尾輪(39)を調節杆(27)の回動操作により昇降させて、畝(A)に対する蔓刈体(9)の設置高さを調整した場合には、これに応じてデバイダー(16)も特別に調整作業する必要があり、さもなければ上記デバイダー(16)による蔓(D)の押し上げやフィルム押え土(E)の排除を正しく行なわせることができない。 【0004】又、畝(A)の幅が広狭変化した場合にも、上記デバイダー(16)と尾輪(39)との取付位置を各別に調整作業する必要があり、殊更デバイダー(16)の調整位置次第では蔓刈体(9)の刈刃(11)と干渉することを防ぐために、その刈刃(11)の付け替え作業も行なわなければならなくなり、甚だ煩雑である。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明はこのような課題の改良を企図しており、そのための構成上マルチフィルムにより被覆された畝上を横断する蔓切り用フレールモアー本体と、その後端部へ昇降操作自在に吊持されて、畝溝を転動する左右一対の尾輪とから成り、上記フレールモアー本体の回転刃軸から植立するフレール刃を、その牽引用のトラクター機体から取り出した動力により回転駆動する甘藷の蔓切り機において、【0006】上記畝の両裾野部に繁茂している蔓をフレール刃まで掬い上げ誘導する左右一対の蔓掬い上げアームを、上記フレールモアー本体の後端部へ一定傾斜角度の前下がり状態に取付ける一方、【0007】上記各尾輪の吊持支柱に左右一対の覆土分解刃取付アームを、やはり一定傾斜角度の前下がり状態として付属設置すると共に、その各覆土分解刃取付アームの下端部から上記マルチフィルムにおける裾野部の真下へ切り込み進入して、そのフィルムの覆土をほぐす覆土分解刃を内向きに張り出したことを特徴とするものである。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、図面に基いて本発明の具体的構成を詳述すると、その甘藷の蔓切り機は図1〜4のような畝(10)上を横断する蔓切り用フレールモアー本体(A)と、その設置高さの調整装置(B)とを備えており、トラクター機体(T)によって牽引されるようになっている。 【0009】(11)はフレールモアー本体(A)の左右方向に沿い長く延在する水平なメインフレームであって、丸パイプ材から成り、その中間部には伝動用ベベルギヤケース(12)が固定設置されている。(13)はそのベベルギヤケース(12)から前方へ派出する入力軸であり、一定長さのユニバーサルジョイント軸(14)を介して、トラクター機体(T)の動力取出軸(15)と着脱自在に伝動連結されることとなる。 【0010】(16)(17)は上記メインフレーム(11)の両端部を支持する左右一対のサイドプレートであり、その一方が伝動用ベルトケース(18)の取付ベースをなしている。(19)は両サイドプレート(16)(17)における後端部同志の相互間に固定横架された角パイプ材の補強ビーム、(20)は他方のサイドプレート(17)における下端部と、上記ベルトケース(18)の下端部との相互間を横架する状態に軸受けされた水平な回転刃軸であり、上記入力軸(13)からの動力により伝動ベルト(図示省略)を介して、図2の矢印(F)で示す方向へ回転駆動されるようになっている。 【0011】(21)は上記回転刃軸(20)の長手方向に沿う一定間隔ピッチでの配列分布として、且つその刃軸(20)の円周面から枢支状態に植立された多数の蔓切り用フレール刃(ハンマーナイフ)であり、畝(10)とその両サイドの畝溝(G)に対応する全体的な有効切断作用幅(W)と、一定の回転軌跡(R)とを備えている。 【0012】更に言えば、そのフレールモアー本体(A)を形作る多数の蔓切り用フレール刃(21)は、図4、5のような180度の直径線上に正しく向かい合い並列する1組づつとして、その1組づつが交互に直交する側面視の十文字型をなす放射対称形態に植立されているのである。 【0013】しかも、その多数のフレール刃(21)のうち、畝(10)の上面へ最も接近する位置にある数組の中間フレール刃(21a)だけは、好ましくは畝(10)の垂直中心線(O−O)を挟む2組の中間フレール刃(21a)だけは、畝(10)の上面にへばり付いている蔓(M)の根元部(a)を切断するために、その刃先が上記垂直中心線(O−O)とほぼ平行な比較的長いストレート形態に設定されており、畝(10)に被覆されているマルチフィルム(22)までも、アットランダムに細かく切断しないようになっている。 【0014】つまり、畝(10)の上面へ臨む中間フレール刃(21a)によって、蔓(M)の根元部(a)を切断する際、その刃先が万一フィルム(22)に触れたとしても、上記垂直中心線(O−O)とほぼ平行なストレート形態をなすため、その1組づつの180度だけ回転する毎に、上記マルチフィルム(22)へ点線状態となる切り目を与えるに過ぎず、その結果マルチフィルム(22)の全体を追って畝(10)からすばやく確実に剥ぎ取り作業することができる。 【0015】他方、畝(10)の上面から徐々に遠ざかる残余位置の周辺フレール刃(21b)は、畝(10)の両裾野部から掬い上げられる蔓(M)の中途部(b)を切断するために、その刃先が悉くV字型又はレ字型の分岐形態として設定されており、これによって蔓(M)を極力細かく切断できるようになっている。 【0016】(23)は両サイドプレート(16)(17)の上記補強ビーム(19)へ下方から取付け固定された左右一対の蔓掬い上げアーム用抱持鞘であり、何れも一定傾斜角度(α)の前下がり状態に保たれている。(24)はその各抱持鞘(23)へ差し込み貫通された蔓掬い上げアームであり、その尖鋭な下端部が図3〜5のように、マルチフィルム(22)の覆土(g)から横外方へ退避した位置において、畝溝(G)を進行することにより、畝(10)の上面から両サイドの畝溝(G)まで繁している蔓(M)の中途部(b)を引っ掛け、上記フレールモアー本体(A)のフレール刃(21)に向かって掬い上げ誘導する。 【0017】そのため、これを蔓切り機の横方向から見た場合、その蔓掬い上げアーム(24)は上記フレール刃(21)の後端部から、そのフレール刃(21)の回転軌跡(R)に対して接線となるオーバーラップ状態に張り出している。但し、蔓掬い上げアーム(24)がフレール刃(21)と干渉しないように、そのフレール刃(21)の隣り合う左右相互間に配置されていることは、言うまでもない。 【0018】(25)は上記蔓切り用フレール刃(21)の上面全体を覆うカバープレートであって、フレール刃(21)の回転軌跡(R)に沿うアーチ型をなしており、その後端部が両サイドプレート(16)(17)の上記補強ビーム(19)に被着一体化されている。(26)は同じくフレール刃(21)の後面全体を覆うゴム垂れである。 【0019】又、(27)は上記伝動用ベベルギヤケース(12)から斜め前上方へ一体的に派出されたトップリンクホルダーであり、その派出先端部の水平なトップピン(28)がトラクター機体(T)のトップリンク(29)と係脱自在に係止される。 【0020】(30)は上記フレールモアー本体(A)のメインフレーム(11)から前方へ一体的に派出された左右一対のロワーリンクホルダーであり、その両ロワーリンクホルダー(30)の派出先端部から横向きに突出する水平なロワーピン(31)が、トラクター機体(T)のロワーリンク(32)と係脱自在に係止され、そのトラクター機体(T)上に搭載の油圧シリンダー装置(33)によって、蔓切り機の全体が昇降作動されるようになっている。 【0021】次に、畝(10)に対するフレールモアー本体(A)の設置高さ調整装置(B)を説明すると、これは図1、2のような左右一対の尾輪(34)を吊持する平行リンク運動機構として形作られている。 【0022】即ち、両サイドプレート(16)(17)における上記補強ビーム(19)の中間部からは、角パイプ材の固定マスト(35)が一体的に垂立されている。(36)(37)はその固定マスト(35)の中途高さ位置を安定良く挟持する上側支持ステーと下側支持ステーとの一対づつであり、何れも上記ベベルギヤケース(12)から後方へ一体的に派出されている。 【0023】(38)は上記補強ビーム(19)の後方位置に横架する水平なツールバーであって、これも角パイプ材から成り、左右一対の第1リンクアーム(39)を介して両サイドプレート(16)(17)の補強ビーム(19)と枢支連結されている。(40)(41)はその前後一対づつの枢支ボルト、(42)は両第1リンクアーム(39)の中途連結バーである。 【0024】(43)は上記ツールバー(38)に左右方向へのスライド自在として套嵌された左右一対の尾輪吊持支柱であり、その各個の下端部に軸支された尾輪(34)が、畝(10)の両サイドに位置する畝溝(G)を転動するようになっている。その際、尾輪(34)は図3〜5のようにマルチフィルム(22)の覆土(g)から横方向へ言わば退避しており、その覆土(g)を踏圧することなく、畝溝(G)に沿って転動する位置関係にある。(44)はそのツールバー(38)に沿う尾輪吊持支柱(43)のスライド位置を固定するための調整ボルトである。尚、左右一対の尾輪(34)は言うまでもなくゴムタイヤ車輪から成る。 【0025】又、上記ツールバー(38)の中間部からは固定マスト(35)と平行な角パイプ材のハンガーマスト(45)が、一体的に垂立されている。しかも、そのハンガーマスト(45)の上端部と上記した上側支持ステー(36)の派出後端部との相互間が、第1リンクアーム(39)と平行な第2リンクアーム(46)を介して枢支連結されている。(47)(48)はその前後一対の枢支ボルトである。 【0026】(49)は上記第2リンクアーム(46)の中途部から一体的に垂立する挟持片であり、その上端部にはナット(50)が介挿設置されている。(51)は上記尾輪(34)の昇降調整ハンドルであって、その先端部のネジ軸(52)が上記ナット(50)に螺合締結されているため、これを回動操作すれば、上記第1、2リンクアーム(39)(46)とこれにより吊持された尾輪(34)が、昇降することとなる。その結果、上記畝(10)に対するフレールモアー本体(A)の設置高さが調整されるのである。 【0027】(53)は昇降調整ハンドル(51)の基端部を受け持つ支持片であり、上記伝動用ベベルギヤケース(12)から一体的に派出されている。(54)は同じく昇降調整ハンドル(51)の中途部を受け持つ駒であり、上記固定マスト(35)の上端部から垂立する挟持片(55)に介挿設置されている。 【0028】更に、(56)は上記尾輪吊持支柱(43)の左右一対から各々前下方へ一体的に張り出された覆土分解刃取付アーム用支持ベースであり、図2、3から示唆されるように、その尾輪吊持支柱(43)に軸支された尾輪(34)よりも畝(10)へ近づく内側に位置している。(57)はその各支持ベース(56)へ一定傾斜角度(β)の前下がり状態として、複数の進退調整ボルト(58)により位置決め固定された覆土分解刃取付アームであり、その下端部には上記マルチフィルム(22)の覆土(g)をほぐす分解刃(59)が、ほぼ水平の内向き張り出し状態に設置されている。そのほぼ水平な覆土分解刃(59)の前縁部が鋭利な刃先として加工されている。 【0029】つまり、左右一対の覆土分解刃(59)は図4、5から明白なように、上記畝(10)を被覆しているマルチフィルム(22)との相関々係上、そのフィルム(22)における両裾野部の真下へ切り込み進入されることによって、その両裾野部に位置するフィルム(22)の覆土(g)を畝溝(G)の硬質な地面から切り離しほぐすように分解し、追って畝(10)からフィルム(22)の全体を剥ぎ取り作業しやすく準備するようになっているのである。 【0030】その場合、覆土分解刃(59)は上記のようにその取付アーム(57)を介して、尾輪吊持支柱(43)に付属されているため、畝(10)の上面に対するフレールモアー本体(A)の設置高さが、尾輪(34)の昇降操作により調整されたとしても、その覆土分解刃(59)はこれによる影響を受けず、畝溝(G)に常時接地する尾輪(34)と一体動作する関係上、マルチフィルム(22)下の地面に対する切り込み深さが、その尾輪(34)の接地面を基準として一定に保たれることとなり、フィルム(22)の覆土(g)を確実に安定良く分解することができる。 【0031】しかも、上記支持ベース(56)に対する覆土分解刃取付アーム(57)の位置決め固定用進退調整ボルト(58)を抜き出して、その取付アーム(57)を前後方向へ進退させた上、再度進退調整ボルト(58)を差し込み固定することにより、上記覆土分解刃(59)の切り込み深さを調整することもできるようになっている。 【0032】又、畝(10)の幅が広狭変化した場合には、その畝溝(G)を転動する尾輪(34)の吊持支柱(43)も、これに応じて上記調整ボルト(44)により位置決め変更されるが、これには覆土分解刃(59)の取付アーム(57)が付属しているため、その覆土分解刃取付アーム(57)までも特別に調整作業する必要がない。尾輪吊持支柱(43)の調整に追従して、覆土分解刃(59)がマルチフィルム(22)下の地面へ正しく切り込み進入し得るように、自づと位置決めされることとなり、著しく便利である。 【0033】更に、上記覆土分解刃取付アーム(57)は一定傾斜角度(β)の前下がり状態に設置されているため、フレール刃(21)により切断された蔓(M)がその取付アーム(57)へ引っ掛かり滞留するおそれもなく、自づと確実に放擲されることとなる。 【0034】尚、覆土分解刃取付アーム(57)が尾輪吊持支柱(43)に一定傾斜角度(β)の前下がり状態として付属一体化される限りでは、その尾輪吊持支柱(43)から覆土分解刃取付アーム用支持ベース(56)を張り出す代りに、上記蔓掬い上げアーム用抱持鞘(23)と同様な覆土分解刃取付アーム用抱持鞘(図示省略)を尾輪吊持支柱(43)に付属固定して、その抱持鞘へ覆土分解刃取付アーム(57)をやはり前後方向への進退調整自在に差し込み貫通させてもさしつかえない。 【0035】上記のような本発明の蔓切り機を使用して、甘藷の蔓切り作業を行なうに当っては、そのフレールモアー本体(A)におけるトップリンクホルダー(27)のトップピン(28)と、同じく両ロワーリンクホルダー(30)のロワーピン(31)とを、図1のように各々トラクター機体(T)のトップリンク(29)と両ロワーリンク(32)へ係止させ、そのトラクター機体(T)の油圧シリンダー装置(33)により昇降作動できる状態に保つ一方、上記フレールモアー本体(A)の入力軸(13)をトラクター機体(T)の動力取出軸(15)に伝動連結して、そのトラクター機体(T)から取り出した動力により、フレールモアー本体(A)の回転刃軸(20)を図2の矢印(F)で示す方向へ回転させるのである。 【0036】又、上記フレールモアー本体(A)のフレール刃(21)に対する蔓掬い上げアーム(24)と、同じくフレールモアー本体(A)の設置高さ調整装置(B)をなす左右一対の尾輪(34)は、これらを図3〜5のような畝溝(G)に沿って進行し得る位置関係に定めると共に、その尾輪(34)の昇降調整ハンドル(51)を回動操作することにより、畝(10)に対する上記フレールモアー本体(A)の設置高さを適正に調整セットする。 【0037】そうすれば、トラクター機体(T)の牽引による蔓切り機の進行に連れて、フレールモアー本体(A)を形作る蔓切り用フレール刃(21)のうち、その中間フレール刃(21a)が畝(10)の上面にへばり付いている蔓(M)の根元部(a)を確実に切断することとなる。 【0038】その際、中間フレール刃(21a)の刃先が畝(10)を被覆しているマルチフィルム(22)に万一触れたとしても、その中間フレール刃(21a)はストレート形態をなすため、これによる切り目がマルチフィルム(22)へ点線状態として付与されるに過ぎず、アットランダムに細かく切断されることはない。その結果、追ってマルチフィルム(22)の全体を畝(10)から円滑に剥ぎ取り作業することができ、そのフィルム(22)の細かい切断片が残るおそれもない。 【0039】他方、左右一対の蔓掬い上げアーム(24)は畝溝(G)を接地進行するため、畝(10)の両裾野部に繁茂している蔓(M)の中途部(b)が、上記蔓掬い上げアーム(24)により自づと掬い上げられて、上記フレールモアー本体(A)のフレール刃(21)まで誘導され、その刃先のV字型又はレ字型に分岐する周辺フレール刃(21b)によって、確実に細かく切断されることとなり、その結果引続く圃場の耕耘作業時にも、そのロータリー耕耘軸に蔓(M)の巻き付くおそれがない。 【0040】更に、蔓切り機の進行に連れて、左右一対の尾輪吊持支柱(43)から斜め前下方へ張り出す覆土分解刃取付アーム(57)の覆土分解刃(59)が、図4、5のようにマルチフィルム(22)における両裾野部の真下へ切り込み、その両裾野部に位置するフィルム(22)の覆土(g)をほぐし分解することになるため、上記フィルム(22)の細かく切断されるおそれがないこととも相俟って、そのフィルム(22)の全体を畝(10)からすばやく完全に剥ぎ取り作業することができる。 【0041】 【発明の効果】以上のように、本発明ではマルチフィルム(22)により被覆された畝(10)上を横断する蔓切り用フレールモアー本体(A)と、その後端部へ昇降操作自在に吊持されて、畝溝(G)を転動する左右一対の尾輪(34)とから成り、上記フレールモアー本体(A)の回転刃軸(20)から植立するフレール刃(21)を、その牽引用のトラクター機体(T)から取り出した動力により回転駆動する甘藷の蔓切り機において、【0042】上記畝(10)の両裾野部に繁茂している蔓(M)をフレール刃(21)まで掬い上げ誘導する左右一対の蔓掬い上げアーム(24)を、上記フレールモアー本体(A)の後端部へ一定傾斜角度(α)の前下がり状態に取付ける一方、【0043】上記各尾輪(34)の吊持支柱(43)に左右一対の覆土分解刃取付アーム(57)を、やはり一定傾斜角度(β)の前下がり状態として付属設置すると共に、その各覆土分解刃取付アーム(57)の下端部から上記マルチフィルム(22)における裾野部の真下へ切り込み進入して、そのフィルム(22)の覆土(g)をほぐす覆土分解刃(59)を内向きに張り出した構成であるため、冒頭に述べた公知考案の課題を確実に改良できる効果がある。 【0044】即ち、本発明の上記構成によれば、畝(10)に被覆されたマルチフィルム(22)下の地面に切り込み進入して、そのフィルム(22)の覆土(g)をほぐす覆土分解刃(59)の左右一対が、一定傾斜角度(β)の前下がり状態に保たれた覆土分解刃取付アーム(57)を介して、尾輪(34)の吊持支柱(43)に付属しているため、畝(10)に対するフレールモアー本体(A)の設置高さが、その尾輪(34)の昇降操作により変えられたとしても、これに応じて上記覆土分解刃(59)までも特別に調整作業する必要がない。その面倒な調整作業を行なわなくとも、上記マルチフィルム(22)の覆土(g)を畝溝(G)の硬質な地面から確実に切り離し分解することができ、そのフィルム(22)の全体を追って畝(10)からすばやく完全に剥ぎ取り作業し得るのである。 【0045】しかも、上記覆土分解刃(59)の取付アーム(57)は尾輪(34)の吊持支柱(43)に付属しており、その畝溝(G)に常時接地する尾輪(34)と一体動作することになるため、上記マルチフィルム(22)下の地面に対する覆土分解刃(59)の切り込み進入深さが、尾輪(34)の接地面を基準として一定に保たれることとなり、上記フィルム(22)の覆土(g)をほぐし分解する作用の確実さと安定性にも著しく優れる。 【0046】又、上記覆土分解刃(59)の取付アーム(57)は尾輪(34)の吊持支柱(43)から、一定傾斜角度(β)の前下がり状態に張り出されており、フレールモアー本体(A)のフレール刃(21)と干渉しないため、畝(10)の幅が広狭変化した場合にも、上記フレール刃(21)を覆土分解刃取付アーム(57)との位置関係上、特別に付け替え作業する必要がなく、その尾輪(34)の吊持支柱(43)を上記ツールバー(38)に沿って左右方向へスライド操作し、調整ボルト(44)により畝(10)の幅と対応するように位置決め固定しさえすれば、上記覆土分解刃(59)も畝(10)の幅と対応する調整状態に保たれ、そのマルチフィルム(22)の覆土(g)を支障なくほぐし分解できることとなり、頗る便利である。 【0047】特に、請求項2の構成を採用するならば、上記覆土分解刃取付アーム(57)を前後方向へ進退操作することにより、マルチフィルム(22)下の地面に対する覆土分解刃(59)の切り込み深さを調整することができるため、その地面の硬軟度合いやその他の条件に対する対応性が広がる効果もある。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】398071668 【氏名又は名称】株式会社日立建機ティエラ
|
| 【出願日】 |
平成11年4月2日(1999.4.2) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100071548 【弁理士】 【氏名又は名称】山下 賢二
|
| 【公開番号】 |
特開2000−287517(P2000−287517A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月17日(2000.10.17) |
| 【出願番号】 |
特願平11−95795 |
|