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【発明の名称】 甘藷の蔓切り機
【発明者】 【氏名】安達 淳次

【氏名】難波 信章

【要約】 【課題】畝に被覆されているマルチフィルムをアットランダムに細かく破らず、しかも蔓の根元部まで確実に切断できる甘藷の蔓切り機を提供する。

【解決手段】蔓切り用フレールモアー本体(A)を形作る多数のフレール刃(22)のうち、その畝(10)の上面へ最も接近する数組の中間フレール刃(22a)だけは、畝(10)の上面にへばり付いている蔓(M)の根元部(M1)を切断するものとして、その刃先部(a)を畝(10)の垂直中心線(O−O)とほぼ平行なストレート状に形成すると共に、そのストレート状刃先部(a)をこれからの分岐状刃先部(b)よりも一定長さ(L)だけ長く寸法化した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】畝(10)上を横断する蔓切り用フレールモアー本体(A)と、その畝(10)の上面に対するフレールモアー本体(A)の設置高さ調整装置(B)とを備え、上記フレールモアー本体(A)の回転刃軸(20)から放射対称形態に植立する多数のフレール刃(22)を、その牽引用のトラクター機体(T)から取り出した動力により回転駆動する甘藷の蔓切り機において、上記多数のフレール刃(22)のうち、その畝(10)の上面へ最も接近する数組の中間フレール刃(22a)だけは、畝(10)の上面にへばり付いている蔓(M)の根元部(M1)を切断するためのものとして、その刃先部(a)を畝(10)の垂直中心線(O−O)とほぼ平行なストレート状に形成すると共に、そのストレート状刃先部(a)をこれからの分岐状刃先部(b)よりも一定長さ(L)だけ長く寸法化したことを特徴とする甘藷の蔓切り機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は甘藷の蔓切り機に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明に最も近似すると思われる甘藷の蔓切り機として、実公平6−18417号が公知であり、これでは畝(A)の表面を被覆しているマルチフィルム(F)の両側部(f)と、その畝裾部分(B)に繁茂している甘藷(C)の蔓(D)とを、左右一対のデバイダー(16)により畝(A)の上面まで押し上げ、その押し上げられた蔓(D)を蔓刈体(9)の刈刃(11)によって切断するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記公知考案の蔓刈体(9)を形作っている多数の刈刃(11)は、ハンマーナイフ又はフレール刃として、その刃先のV字型又はレ字型に分岐されており、しかも回転軸(10)から悉く同じ長さに植立しているため、畝溝に沿って走行する左右一対の尾輪(39)を昇降操作することにより、畝(A)の上面に対する蔓刈体(9)の設置高さを予じめ好適に調整セットしたとしても、その畝(A)の上面には実際上高低差がある結果、上記蔓刈体(9)の刈刃(11)が必らずやマルチフィルム(F)に触れて、その分岐状態の刃先によりマルチフィルム(F)がいたづらに細かく、且つアット・ランダムに破られてしまい、追って畝(A)からマルチフィルム(F)の全体をすばやく完全に剥ぎ取り作業できなくなる。
【0004】又、それだからと言って、上記高低差を予じめ見込む如く、畝(A)の上面に対する蔓刈体(9)の設置高さを高い目に調整セットして使用すると、畝(A)の上面にへばり付いている甘藷(C)の蔓(D)を、その刈刃(11)によって切断することができず、追って鎌などの手作業により細かく切断しなければ、長いままに残る蔓(D)が引続く圃場の耕耘作業時に、そのロータリー耕耘軸へ巻き付くこととなる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような課題の改良を企図しており、そのための構成上畝上を横断する蔓切り用フレールモアー本体と、その畝の上面に対するフレールモアー本体の設置高さ調整装置とを備え、上記フレールモアー本体の回転刃軸から放射対称形態に植立する多数のフレール刃を、その牽引用のトラクター機体から取り出した動力により回転駆動する甘藷の蔓切り機において、【0006】上記多数のフレール刃のうち、その畝の上面へ最も接近する数組の中間フレール刃だけは、畝の上面にへばり付いている蔓の根元部を切断するためのものとして、その刃先部を畝の垂直中心線とほぼ平行なストレート状に形成すると共に、そのストレート状刃先部をこれからの分岐状刃先部よりも一定長さだけ長く寸法化したことを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図面に基いて本発明の具体的構成を詳述すると、その甘藷の蔓切り機は図1、2のような畝(10)上を横断する蔓切り用フレールモアー本体(A)と、その設置高さの調整装置(B)並びにフレールモアー本体(A)への蔓掻き上げ装置(C)とを備えており、トラクター機体(T)によって牽引されるようになっている。
【0008】(11)はフレールモアー本体(A)の左右方向に沿い長く延在する水平なメインフレームであって、丸パイプ材から成り、その中間部には伝動用ベベルギヤケース(12)が固定設置されている。(13)はそのベベルギヤケース(12)から前方へ派出する入力軸であり、一定長さのユニバーサルジョイント軸(14)を介して、トラクター機体(T)の動力取出軸(15)と着脱自在に伝動連結されることとなる。
【0009】(16)(17)は上記メインフレーム(11)の両端部を支持する左右一対のサイドプレートであり、その一方が伝動用ベルトケース(18)の取付ベースをなしている。(19)は両サイドプレート(16)(17)における後端部同志の相互間へ水平に固定横架された角パイプ材の補強ビーム、(20)は他方のサイドプレート(17)における下端部と、上記ベルトケース(18)の下端部との相互間を横架する状態に軸受けされた水平な回転刃軸であり、上記入力軸(13)からの動力により伝動ベルト(図示省略)を介して、図1の矢印(F1)で示す方向へ回転駆動されるようになっている。
【0010】(21)は上記回転刃軸(20)の長手方向に沿う一定間隔ピッチでの配列分布状態として、その刃軸(20)の円周面に固着一体化された多数の刃挟持片、(22)はその各刃挟持片(21)への植込み状態に枢着された蔓切り用フレール刃(ハンマーナイフ)であり、上記フレールモアー本体(A)を形作るものとして、畝(10)とその両サイドの畝溝(G)に対応する全体的な有効切断作用幅(W)を備えている。(23)は各刃挟持片(21)に対するフレール刃(22)の枢支ボルトであり、上記回転刃軸(20)と平行している。
【0011】更に言えば、上記回転刃軸(20)の刃挟持片(21)から植立するフレール刃(22)の多数は、図3、4のような180度の直径線上に正しく向かい合う1組づつとして、その1組づつが回転刃軸(20)の長手方向に沿う隣り合う同志では、交互に直交する側面視の十文字型をなす放射対称形態に配列されているのである。
【0012】しかも、上記フレール刃(22)の多数は蔓(M)を極力細かく切断するため、その刃先部の悉く分岐するV字型又はレ字型に形成されているが、殊更畝(10)の上面へ最も接近する位置にある数組の中間フレール刃(22a)(好ましくは畝(10)の垂直中心線(O−O)を挟む2組の中間フレール刃(22a))だけは、畝(10)の上面にへばり付いている蔓(M)の根元部(M1)を切断するものとして、畝(10)の垂直中心線(O−O)とほぼ平行なストレート状刃先部(a)を備え、且つそのストレート状刃先部(a)がこれからの分岐状刃先部(b)よりも一定長さ(L)だけ若干長く形成されており、畝(10)を被覆しているマルチフィルム(24)までも、アットランダムに細かく切断しないようになっている。
【0013】つまり、畝(10)の上面へ臨む中間フレール刃(22a)によって、蔓(M)の根元部(M1)を切断する際、そのストレート状刃先部(a)が万一フィルム(24)に触れたとしても、1組づつの180度だけ回転する毎に、上記マルチフィルム(24)へ点線状態となる切り目を付与するに過ぎず、その後マルチフィルム(24)の全体を畝(10)からすばやく円滑に剥ぎ取り作業できるようになっているのである。
【0014】尚、上記中間フレール刃(22a)との比較から言えば、畝(10)の上面から徐々に遠ざかる残余位置の周辺フレール刃(22b)が、畝(10)の両裾野部から蔓掻き上げ装置(C)により掻き上げられる蔓(M)の中途部(M2)を細かく切断することになる。
【0015】(25)は上記蔓切り用フレール刃(22)の上面全体を覆うカバープレートであって、フレール刃(22)に沿い弯曲するアーチ型をなしており、その後端部が両サイドプレート(16)(17)の上記補強ビーム(19)に被着一体化されている。(26)は同じくフレール刃(22)の後面全体を覆うゴム垂れである。
【0016】又、(27)は上記伝動用ベベルギヤケース(12)から斜め前上方へ一体的に派出されたトップリンクホルダーであり、その派出先端部の水平なトップピン(28)がトラクター機体(T)のトップリンク(29)と係脱自在に係止される。
【0017】(30)は上記フレールモアー本体(A)のメインフレーム(11)から前方へ一体的に派出された左右一対のロワーリンクホルダーであり、その両ロワーリンクホルダー(30)の派出先端部から横向きに突出する水平なロワーピン(31)が、トラクター機体(T)のロワーリンク(32)と係脱自在に係止され、そのトラクター機体(T)上に搭載の油圧シリンダー装置(33)によって、蔓切り機の全体が昇降作動されるようになっている。
【0018】次に、畝(10)に対するフレールモアー本体(A)の設置高さ調整装置(B)を説明すると、これは図1のような左右一対の尾輪(34)を吊持する平行リンク運動機構として形作られている。
【0019】即ち、両サイドプレート(16)(17)における上記補強ビーム(19)の中間部からは、角パイプ材の固定マスト(35)が一体的に垂立されている。(36)(37)はその固定マスト(35)の中途高さ位置を安定良く挟持する上側支持ステーと下側支持ステーとの一対づつであり、何れも上記ベベルギヤケース(12)から後方へ一体的に派出されている。
【0020】(38)は上記補強ビーム(19)の後方位置に横架する水平なツールバーであって、これも角パイプ材から成り、左右一対の第1リンクアーム(39)を介して両サイドプレート(16)(17)の水平な補強ビーム(19)と枢支連結されている。(40)(41)はその前後一対づつの枢支ボルト、(42)は両第1リンクアーム(39)の中途連結バーである。
【0021】(43)は上記ツールバー(38)に左右方向へのスライド自在として套嵌された左右一対の尾輪支持杆であり、その各個の下端部に軸支された尾輪(34)が、畝(10)の両サイドに位置する畝溝(G)を転動するようになっている。その際、尾輪(34)はマルチフィルム(24)の裾野部を上方から押えている覆土(g)の横外方へ言わば退避しており、その覆土(g)を踏圧することなく、畝溝(G)に沿って転動する位置関係にある。(44)はその尾輪支持杆(43)を位置決め固定するための調整ボルトである。尚、左右一対の尾輪(34)は言うまでもなくゴムタイヤ車輪から成る。
【0022】又、上記ツールバー(38)の中間部からは固定マスト(35)と平行な角パイプ材の吊持杆(45)が、一体的に垂立されている。しかも、その吊持杆(45)の上端部と上記した上側支持ステー(36)の派出後端部との相互間が、第1リンクアーム(39)と平行な第2リンクアーム(46)を介して枢支連結されている。(47)(48)はその前後一対の枢支ボルトである。
【0023】(49)は上記第2リンクアーム(46)の中途部から一体的に垂立する挟持片であり、その上端部にはナット(50)が介挿設置されている。(51)は上記尾輪(34)の昇降調整ハンドルであって、その先端部のネジ軸(52)が上記ナット(50)に螺合締結されているため、これを回動操作すれば、上記第1、2リンクアーム(39)(46)とこれにより吊持された尾輪(34)が、昇降することとなる。その結果、上記畝(10)に対するフレールモアー本体(A)の設置高さが調整されるのである。
【0024】(53)は昇降調整ハンドル(51)の基端部を受け持つ支持片であり、上記トップリンクホルダー(27)から一体的に派出されている。(54)は同じく昇降調整ハンドル(51)の中途部を受け持つ駒であり、上記固定マスト(35)の上端部から垂立する挟持片(55)に介挿設置されている。
【0025】更に、(56)は上記尾輪支持杆(43)に軸支された尾輪(34)よりも内側にあって、その左右一対の尾輪支持杆(43)へ付属一体化された覆土分解刃取付アーム用抱持鞘、(57)はその各抱持鞘(56)に一定角度(α)の前下がり傾斜状態として差し込み貫通された覆土分解刃取付アームであり、その下端部には上記マルチフィルム(24)の覆土(g)をほぐす分解刃(58)が、何れもほぼ水平の内向き張り出し状態に設置されている。
【0026】上記畝(10)を被覆しているマルチフィルム(24)との位置関係上、図5から明白なように、そのフィルム(24)における両裾野部の真下へ上記覆土分解刃(58)を切り込み進入させることにより、その両裾野部の覆土(g)を畝溝(G)の硬質な地面から切り離しほぐすように分解し、追ってフィルム(24)の全体を畝(10)から剥ぎ取り作業しやすく準備するようになっているのである。
【0027】その場合、覆土分解刃(58)はその取付アーム(57)を介して尾輪支持杆(43)に付属しているため、尾輪(34)の昇降操作により、畝(10)の上面に対する上記フレールモアー本体(A)の設置高さが調整されたとしても、その覆土分解刃(58)はこれによる影響を受けず、畝溝(G)に常時接地する尾輪(34)と一体動作する関係上、マルチフィルム(24)下の地面に対する切り込み深さが、その尾輪(34)の接地面を基準として一定に保たれることとなり、確実・安定な覆土(g)の分解作用を営なむことができる。
【0028】(59)は上記覆土分解刃取付アーム(57)の上端部に各々開口分布された複数の進退調整孔であり、ここへ上記抱持鞘(56)から固定ボルト(60)を抜き差し自在に差し替えれば、その覆土分解刃(58)の切り込み深さを調整することもできる。
【0029】先に一言したフレールモアー本体(A)への蔓掻き上げ装置(C)を説明すると、これの明らかな図1、2において、(61)は上記フレールモアー本体(A)のカバープレート(25)から斜め前下方へ一体的に派出された左右一対の取付ステー、(62)は側面視のほぼL字型に屈曲する左右一対の揺動フレームであり、その中途高さ位置が取付ステー(61)の派出先端部に各々枢着されている。(63)はその水平な枢支ボルトを示している。
【0030】そして、上記揺動フレーム(62)の下端部には各々支軸(64)を介して、畝溝(G)を転動する蔓掻き上げディスク(65)が取付けられている。その蔓掻き上げディスク(65)は金属板材から丸鋸形態に打抜き加工されたものであり、その円周面の鋸歯(66)によって畝(10)の裾野部に繁茂している蔓(M)を引っ掛け、これをフレールモアー本体(A)の蔓切り用フレール刃(22)に向かって掻き上げる。
【0031】つまり、蔓掻き上げディスク(65)の左右一対は上記尾輪(34)と同じく、マルチフィルム(24)の覆土(g)から横外方へ退避した位置を、その畝溝(G)に沿い転動する回転体として、蔓切り機の横方向から見た場合上記フレール刃(22)の回転軌跡とオーバーラップする関係状態にあり、その円周面の鋸歯(66)に引っ掛けた蔓(M)をフレール刃(22)まで掻き上げることができるようになっている。
【0032】そのために、蔓掻き上げディスク(65)の何れも上記フレールモアー本体(A)を形作るフレール刃(22)の隣り合う左右相互間に臨まされており、そのフレール刃(22)と干渉しないようになっていることは言うまでもない。(67)はその蔓掻き上げディスク(65)の板面に開口分布された軽量化のための抜き孔である。
【0033】又、上記揺動フレーム(62)の上端部とその取付ステー(61)の基端部との前後相互間には、蔓掻き上げディスク(65)を常に畝溝(G)へ接地させるべく弾圧付勢する引張りコイルバネ(68)の左右一対が、各々連繋掛架されている。そのため、上記蔓掻き上げディスク(65)が図1の矢印(F2)で示す方向へ回転される転動体であることとも相俟って、畝(10)に対する上記フレールモアー本体(A)の設置高さが調整されたとしても、これに応じて蔓掻き上げディスク(65)を特別に調整作業する必要がない。
【0034】(69)は上記揺動フレーム(62)の下端部付近から蔓掻き上げディスク(65)の後面に沿う円弧形態として、そのディスク(65)との平行に下方へ張り出し屈曲された蔓掻き上げガイドアームの左右一対であり、これにも上記引張りコイルバネ(68)の接地弾圧力が与えられているため、その張り出し先端部は畝溝(G)へ常に接地する。
【0035】上記蔓掻き上げディスク(65)により掻き上げられる蔓(M)が脱落することを、その蔓掻き上げガイドアーム(69)によって防止し、その蔓(M)を挟持し乍ら上記フレールモアー本体(A)のフレール刃(22)まで確実に誘導できるようになっているのである。
【0036】次に、図6は本発明の第2実施形態を示しており、これでは上記フレールモアー本体(A)への蔓掻き上げ装置(C)を一定長さのストレートな蔓掻き上げアーム(70)のみから具体化している。
【0037】つまり、その図6の符号(71)はフレールモアー本体(A)を形作る両サイドプレート(16)(17)の水平な補強ビーム(19)へ、下方から取付け固定された左右一対の蔓掻き上げアーム用抱持鞘であって、これに蔓掻き上げアーム(70)が一定角度(β)の前下がり傾斜状態として差し込み貫通されており、これを蔓切り機の横方向から見た場合、その蔓掻き上げアーム(70)はフレール刃(22)の回転軌跡に対して接線となるオーバーラップ状態にある。
【0038】しかも、その蔓掻き上げアーム(70)の下端部はやはりマルチフィルム(24)の覆土(g)から横外方へ退避した位置にあって、その畝溝(G)と接地することにより、蔓切り機の進行に連れて、蔓(M)をフレールモアー本体(A)のフレール刃(22)まで掻き上げ誘導するようになっている。その蔓掻き上げアーム(70)がフレール刃(22)と干渉しないように、そのフレール刃(22)の隣り合う左右相互間に配置されていることは、言うまでもない。
【0039】(72)は上記蔓掻き上げアーム(70)の上端部に開口分布された複数の進退調整孔であり、ここへ上記抱持鞘(71)から固定ボルト(73)を抜き差し自在に差し替えることによって、蔓掻き上げアーム(70)を常時畝溝(G)に接地させるべく、その設置高さを調整することもできるようになっている。
【0040】更に、第2実施形態の場合尾輪支持杆(43)から上記覆土分解刃取付アーム用抱持鞘(56)に代るベースプレート(74)を斜め前向き一体に張り出して、これに覆土分解刃取付アーム(57)の上端部を抜き差し可能な固定ボルト(60)の複数により、やはり地面に対する覆土分解刃(58)の切り込み深さを進退調整できるように取付けている。
【0041】尚、第2実施形態におけるその他の構成は上記第1実施形態と実質的に同一であるため、その図6に図1〜5との対応符号を記入するにとどめて、その詳細な説明を省略する。
【0042】図1〜5の第1実施形態に基いて、その甘藷の蔓切り作業法を説明すると、上記フレールモアー本体(A)におけるトップリンクホルダー(27)のトップピン(28)と、同じく両ロワーリンクホルダー(30)のロワーピン(31)とを、各々トラクター機体(T)のトップリンク(29)と両ロワーリンク(32)へ係止させ、そのトラクター機体(T)の油圧シリンダー装置(33)により昇降作動できる状態に保つ一方、上記フレールモアー本体(A)の入力軸(13)をトラクター機体(T)の動力取出軸(15)に伝動連結して、そのトラクター機体(T)から取り出した動力により、フレールモアー本体(A)の回転刃軸(20)を図1の矢印(F1)で示す方向へ回転させるのである。
【0043】又、上記フレールモアー本体(A)への蔓掻き上げ装置(C)を形作る左右一対の蔓掻き上げディスク(65)と、同じくフレールモアー本体(A)の設置高さ調整装置(B)をなす左右一対の尾輪(34)は、これらを図2、5のような畝溝(G)に沿って転動し得る位置関係に定めると共に、その尾輪(34)の昇降調整ハンドル(51)を回動操作することにより、畝(10)に対する上記フレールモアー本体(A)の設置高さを適正に調整セットする。
【0044】そうすれば、図5から示唆されるように、トラクター機体(T)の牽引による蔓切り機の進行に連れて、フレールモアー本体(A)を形作る蔓切り用フレール刃(22)のうち、その中間フレール刃(22a)の長いストレート状刃先部(a)が畝(10)の上面にへばり付いている蔓(M)の根元部(M1)を確実に切断することとなる。
【0045】その際、中間フレール刃(22a)のストレート状刃先部(a)が畝(10)を被覆しているマルチフィルム(24)に万一触れたとしても、これによる切り目がマルチフィルム(24)へ点線状態として付与されるに過ぎず、アットランダムに細かく切断されることはない。その結果、マルチフィルム(24)の覆土(g)がその覆土分解刃(58)によりほぐし分解されることとも相俟って、その後マルチフィルム(24)の全体を畝(10)から円滑に剥ぎ取り作業することができ、そのフィルム(24)の細かい切断片が残るおそれもない。
【0046】他方、蔓掻き上げ装置(C)をなす左右一対の蔓掻き上げディスク(65)は、蔓切り機の進行に連れて畝溝(G)を転動し、その後面には蔓掻き上げガイドアーム(69)も臨まされているため、畝(10)の両裾野部に繁茂している蔓(M)の中途部(M2)が、上記蔓掻き上げディスク(65)により自づと掻き上げられ、蔓掻き上げガイドアーム(69)に沿って上記フレールモアー本体(A)のフレール刃(22)まで誘導され、その刃先のV字型又はレ字型に分岐する周辺フレール刃(22b)によって、確実に細かく切断されることとなり、その結果引続く圃場の耕耘作業時にも、そのロータリー耕耘軸に蔓(M)の巻き付くおそれがない。
【0047】
【発明の効果】以上のように、本発明では畝(10)上を横断する蔓切り用フレールモアー本体(A)と、その畝(10)の上面に対するフレールモアー本体(A)の設置高さ調整装置(B)とを備え、上記フレールモアー本体(A)の回転刃軸(20)から放射対称形態に植立する多数のフレール刃(22)を、その牽引用のトラクター機体(T)から取り出した動力により回転駆動する甘藷の蔓切り機において、【0048】上記多数のフレール刃(22)のうち、その畝(10)の上面へ最も接近する数組の中間フレール刃(22a)だけは、畝(10)の上面にへばり付いている蔓(M)の根元部(M1)を切断するためのものとして、その刃先部(a)を畝(10)の垂直中心線(O−O)とほぼ平行なストレート状に形成すると共に、そのストレート状刃先部(a)をこれからの分岐状刃先部(b)よりも一定長さ(L)だけ長く寸法化してあるため、冒頭に述べた公知考案の課題を完全に改良できる効果がある。
【0049】つまり、本発明の上記構成によれば、フレールモアー本体(A)を形作る多数のフレール刃(22)のうち、その畝(10)の上面へ最も接近する位置にある数組の中間フレール刃(22a)だけは、畝(10)の上面にへばり付いている蔓(M)の根元部(a)を切断するものとして、畝(10)の垂直中心線(O−O)とほぼ平行なストレート状刃先部(a)を備え、しかもそのストレート状刃先部(a)がこれからの分岐状刃先部(b)よりも一定長さ(L)だけ長く形成されているため、上記中間フレール刃(22a)によって蔓(M)の根元部(a)を切断する際、そのストレート状刃先部(a)が万一畝(10)を被覆しているマルチフィルム(24)に触れたとしても、そのフィルム(24)へ点線状態となる切り目を与えるに過ぎず、アットランダムに細かく破られない結果、追って畝(10)からマルチフィルム(24)の全体を円滑にすばやく剥ぎ取り作業することができるのであり、甘藷の収穫作業性に著しく優れる。
【出願人】 【識別番号】398071668
【氏名又は名称】株式会社日立建機ティエラ
【出願日】 平成11年4月2日(1999.4.2)
【代理人】 【識別番号】100071548
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 賢二
【公開番号】 特開2000−287516(P2000−287516A)
【公開日】 平成12年10月17日(2000.10.17)
【出願番号】 特願平11−95794