| 【発明の名称】 |
根菜類用収穫機 |
| 【発明者】 |
【氏名】矢野 典弘
【氏名】切手 肇
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| 【要約】 |
【課題】圃場においてニンジンを掘取りするに際して、掘起装置の土切り刃が圃場の土を上方に持ち上げることがなく、ニンジンを引き抜いても挟持搬送ベルトの先端部で泥を掻き込むことがなく、引抜性能が優れて、寿命の長い挟持搬送ベルトを持つ根菜類用収穫機を提供すること。
【解決手段】根菜類用収穫機の掘起装置5の土切り刃27bを、圃場の畦面と土切り刃27bとのなす角度θを90度以上の直角もしくは鈍角に前傾した構成にしたので、収穫機1の前進走行に伴いニンジン(イ)の両側の土壌を切り分けて掘起こすが、掘起した土壌を押し下げるように作用して、持ち上げるように作用しないので、ニンジン(イ)を引き抜く挟持搬送ベルト28aの先端部で泥を掻き込むことがなく、また泥が付着しないので挟持搬送ベルト28aの引抜性能が低下がすることなく、引抜搬送装置28の損傷を少なくして、その寿命を延長することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 根菜近傍の土壌を掘起す土切り刃を備えた掘起手段と、掘起こした根菜の茎葉を挟持して引抜き、後方へ搬送し、少なくとも根部を収納する手段を有する根菜類用収穫機において、掘起手段は根菜の掘取り作業時には、圃場面と土切り刃とのなす角度が90度以上になるように構成したことを特徴とする根菜類用収穫機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ニンジンなどの根菜類用収穫機に関する。 【0002】 【従来の技術】根菜としてニンジンを例にして従来の根菜類用収穫機の一例を以下説明する。従来のニンジン収穫機は、圃場においてニンジン収穫機の前進走行にともない、引起手段によりニンジンの茎葉を引起した後、掘起手段によりニンジンの両側面の土壌を掘り起こし、互いに逆回転する一対の無端ベルトからなる挟持搬送ベルトでニンジンの茎葉を挟持した状態で引き抜いて掘り取り、その後、前記挟持搬送ベルトで収穫機後方に搬送する過程で茎葉を切断し、さらに後方に搬送してニンジンを収納コンテナに収納する機械である。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記従来技術のニンジン収穫機では、掘起しに際して掘起装置の土切り刃が圃場の土を上方に持ち上げるために、ニンジンを引き抜く挟持搬送ベルトの先端部で泥を掻き込み、泥の付着により引抜性能が低下するとともに、挟持搬送ベルトの寿命を短縮し、引抜搬送装置にも損傷を与えることがあった。 【0004】本発明の課題は圃場においてニンジンを掘取りするに際して、掘起装置の土切り刃が圃場の土を上方に持ち上げることがなく、ニンジンを引き抜いても挟持搬送ベルトの先端部で泥を掻き込むことがなく、引抜性能が優れて、寿命の長い挟持搬送ベルトを持つ根菜類用収穫機を提供することである。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、根菜近傍の土壌を掘起す土切り刃を備えた掘起手段と、掘起こした根菜の茎葉を挟持して引抜き、後方へ搬送し、少なくとも根部を収納する手段を有する根菜類用収穫機において、掘起手段は根菜の掘取り作業時には、圃場面と土切り刃とのなす角度が90度以上になるように構成した根菜類用収穫機によって達成される。 【0006】 【発明の効果】本発明によれば、根菜類用収穫機の掘起手段(掘起装置5)の土切り刃(27b)を、圃場の畦面と土切り刃とのなす角度θを90度以上の直角もしくは鈍角に前傾した構成としたので、根菜類用収穫機の前進走行にともないニンジン(イ)の両側の土壌を切り分けて掘起こすが、掘起した土壌を押し下げるように作用して、持ち上げるように作用しないので、ニンジン(イ)を引き抜く挟持搬送手段(挟持搬送ベルト28a)の先端部で泥を掻き込むことがなく、また泥が付着しないので挟持搬送手段(挟持搬送ベルト28a)の引抜性能が低下することなく、引抜搬送手段の損傷を少なくして、その寿命を延長することができる。 【0007】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面とともに説明する。図1に本発明の実施の形態の根菜類用収穫機の作業状態の側面図を示し、図2に図1の根菜類用収穫機の非作業状態の側面図を示し、図3に図1の根菜類用収穫機の上面図を示す。 【0008】本実施の形態の根菜類用収穫機により、根菜野菜(イ)として、ニンジン(イ)を収穫する場合について説明する。図1ないし図3に示す根菜類用収穫機1は、ニンジン(イ)を圃場から掘起し、この掘起したニンジン(イ)を移送しながら葉部の反対側の下部の所定位置から直根を切断し、ついで葉部を切断して、箱形の収納コンテナ15に一次貯留する。 【0009】前記根菜類用収穫機1は、走行車両2の車体7の左側に収穫用作業装置3を設け、この収穫用作業装置3は前部の引起装置4、掘起装置5及び後部の根菜搬送装置6等から構成される。 【0010】前記走行車両2は、車体7の下側の左右両側には、クローラ8を張設し、該車体7上部の右前方側には、走行操作、及び収穫操作等を行う操作装置9、及び作業者が搭乗して各種操作を行う操縦席10等を設け、この操縦席10の下部には、原動機(エンジン)11等を設けている。この原動機11から走行ケース11a内の伝動機構11bを介して上記クローラ8を駆動する構成である。 【0011】前記車体7の後部の上側には、後述する葉切断装置12でニンジン(イ)の葉部の所定位置が切断され、葉部切断済み、及び葉部の反対側の下部の所定位置を切断済みニンジン(イ)の供給を受けて、操縦席10側の横方向へ向けて移送する搬送コンベア13を設け、搬送コンベア13は移送終端部へ向けて上り傾斜させて設けている。この搬送コンベア13の移送終端部の下側で、該車体7の上側には、この搬送コンベア13から葉部切断済みニンジン(イ)の供給を受けて、収納して一次貯留する収納コンテナ15を載置した構成である。 【0012】前記車体7の後部の左側には、上方へ突出するコ字形状の支持板16を設け、この支持板16の上部には、伝動機構17aを内装した伝動ケース17を回動自在に設けている。この伝動ケース17には前方下部へ突出する支持板18を設け、この支持板18の前端部には左右両側に前方下部へ突出する受板19aを固着した取付板19bを装着して設けると共に、この受板19a、19aの前端部には、前方下部へ突出する補助受板19cを固着している。 【0013】前記左右両側の引起装置4は、上部を伝動ケース17から前方へ突出する伝動機構20cを内装する上受杆20aで支持すると共に、回転駆動させる構成であり、下部を補助受板19cから前方へ突出する下受杆20bで支持させている。 【0014】前記引起装置4は、根菜搬送装置6の前部の左右両側に設け、該引起装置4は、左右両側の引起ケース21、22に内装して回転自在な引起チェン22aを設け、この引起チェン22aには、所定間隔で引起ラグ22bを設け、この引起ラグ22bは引起ケース21、22の前方下端部から前方上端部の間は、該引起ケース21、22間から突出して、ニンジン(イ)の葉部を引起す作用部とし、又、後方部は引起さない不作用部としている。 【0015】前記引起ケース21、22の下部外側面には、ニンジン(イ)の葉部を分離する分草具23、23を前方へ突出させて設けてあり、図1で示すように畝の凸凹を検出する凸凹センサ24をニンジン(イ)を掘起す条とこの条に隣接する隣接条との間に設けている。この凸凹センサ24は、該引起ケース21の外側面に回動自在に設けた支持板25aに接地プレート25bを接着すると共に、該支持板25aの上端部とポテンショメータ25cとを連結する連結ロッド25dより構成されている。 【0016】前記接地プレート25bが圃場の凸凹を検出して上下回動し、この回動が該ポテンショメータ25cで検出され、この検出によって、伝動ケース17の中心位置を上下回動中心26位置として上下シリンダ26aの作動により、左右両側の引起装置4、後述する掘起装置5及び根菜搬送装置6等を上下回動制御する。該接地プレート25bの後端部は、該根菜搬送装置6の後述する引抜搬送装置28の下部前端位置より、前部に位置させて検出性能の向上を図っている。 【0017】前記掘起装置5は、左右両側の補助受板19cに取り付けて、手動または自動によって掘起装置5全体を一斉に、上下回動調節可能に自在に設けている。この掘起装置5は補助受け板19cに支持杆27a、27aの後端部を取り付けて、該支持杆27a、27aを前方下部へ突出する。支持杆27a、27aの前端部に、上下方向に所定長さの土切り刃27b、27bを装着し、この左右両側の土切り刃27b、27bでニンジン(イ)の左右両側の土壌を掘起す構成である。 【0018】前記車体7の支持板16の前部には、前支持板16aを設け、この前支持板16aには、前方へ突出させて支持杆16bを設け、この支持杆16bの前端部には、L字形状の回動板16cを回動自在に装着して設け、この回動板16cの一方側の下端部と、上下シリンダ26aの前端部とを連接させ、他方側の前端部には、支持杆16dの一方側の端部を装着して設け、この支持杆16dの他方側の端部と、受板19aの前端の近傍部とを連接させた構成である。 【0019】前記上下シリンダ26aの作動により、伝動ケース17の上下回動中心26を回動中心として、回動板16c、支持杆16d、受板19a、補助受板19c、及び後述する連結板29等を介して、引起装置4、掘起装置5、及び根菜搬送装置6等を自動で一斉に上下回動制御する構成で、図2は根菜類用収穫機の非作業状態で、引起装置4などを上昇した状態を示している。 【0020】前記引起装置4の後部の左右両側には、根菜搬送装置6の引抜搬送装置28を設け、この引抜搬送装置28の上端部の移送終端部は伝動ケース17の後側に連結板29を介して接続している。また、引抜搬送装置28の上端部は伝動機構30aを内装した伝動ケース30に前方上部へ突出する伝動機構31aを内装した支持杆31の上側に設けた伝動ケース32に内装した伝動機構32aで支持される。この伝動ケース30は伝動ケース17の上下回動によって、前記連結板29を介して同時に上下回動する構成である。 【0021】前記引抜搬送装置28は、前方から後方に向けて上昇傾斜していて、その上・下端部に回転自在に軸支して設けた 上・下プーリ28b、28cに挟持搬送ベルト28a、28aを掛け渡した構成であり、掘起装置5で掘起したニンジン(イ)の葉部は、この引抜搬送装置28の挟持搬送ベルト28a、28a間に挟持され、後方上部へ向けて移送される。 【0022】ニンジン下部切断装置47は、掘起装置5後方上部で、引抜搬送装置28中間部の下側に設けられている。このニンジン下部切断装置47は、左右方向に所定間隔で、上下方向2箇所に山形状の案内杆48aを複数個設けると共に、この2箇所の山形状内には、回転外周部に複数個の切断刃48bを装着した回転具48cを回転自在に軸支している。 【0023】前記ニンジン下部切断装置47の案内杆48aの下側の山形状部で全長の短い形状のニンジン(イ)は、挟持搬送ベルト28a、28aで挟持されて上部へ向けて移送中に、葉部の反対側の下部所定位置が、切断刃48bによって切断される構成である。ニンジン(イ)の全長によって所定位置を切断する。 【0024】前記根菜搬送装置6の首揃移送装置33、タッピング移送装置34、葉部移送装置35及び葉切断装置12は、ニンジン(イ)の収穫作業状態時には、圃場面に略平行状態に設けられている(図1)。 【0025】前記首揃移送装置33は、引抜搬送装置28の後側で移送終端部から所定距離下方に位置させて、平面視左右両側に設けている。この首揃移送装置33の移送終端部は、伝動ケース30に上方へ向けて突出させて設けた伝動機構37aを内装した下支持ケース37上側に設けた上伝動ケース38に内装した伝動機構38aで支持すると共に、回転駆動する。 【0026】前記首揃移送装置33は、支持プレート39の前・後端部に回転自在に軸支した前・後プーリ39a、39bを設けると共に、これら前・後プーリ39a、39b間には、複数個のV字形状の支持板とテンションローラを設け、これら前・後プーリ39a、39b及び各テンションローラに首揃移送ベルト39cを掛け渡している。 【0027】平面視左右両側に設けたこれら首揃移送ベルト39c、39c間には、所定の隙間を設け、これら首揃移送ベルト39c、39c間にニンジン(イ)の葉部を挟持する構成であるが、この挟持力は引抜搬送装置28の挟持搬送ベルト28a、28aの挟持力より弱くしている。 【0028】前記首揃移送装置33は、引抜搬送装置28の挟持搬送ベルト28a、28aにニンジン(イ)の葉部を挟持して上部へ移送する途中で、この首揃移送装置33の首揃移送ベルト39c、39cにもニンジン(イ)の葉部下部を挟持させる構成であり、ニンジン(イ)の葉部を両者で挟持しながら、挟持搬送ベルト28a、28aにより更に上部へ移送されることにより、ニンジン(イ)の胴部側の上端部(肩部)が首揃移送ベルト39c、39cの下端部位置まで引き上げられて、ニンジン(イ)の首揃えが行われる。 【0029】前記タッピング移送装置34の移送終端部は、上伝動ケース38に上下に突出させて設けた上支持ケース41に内装した伝動機構41aの下部側で支持すると共に、回転駆動する構成である。このタッピング移送装置34は、首揃移送装置33の上側に側面視所定間隔を設けて平行状態に設けると共に、移送始端部は該首揃移送装置33の前後方向略中央部に位置させ、前・後端部に回転自在に軸支して設けた前・後プーリ42a、42bにタッピング移送ベルト42cを掛け渡してあり、平面視左右両側の該タッピング移送ベルト42c、42cの間に、ニンジン(イ)の葉部を挟持する。 【0030】ニンジン(イ)の葉部は、引継のはじめには、挟持搬送ベルト28a、28a、首揃移送ベルト39c、39cおよびタッピング移送ベルト42c、42cの三者で挟持し、所定位置から後方では首揃移送ベルト39c、39cと、タッピング移送ベルト42c、42cとの両者で挟持し移送する。 【0031】前記葉部移送装置35の移送終端部は、上支持ケース41に内装した伝動機構41aの上部側で支持すると共に、回転駆動する構成である。この葉部移送装置35は、タッピング移送装置34の上側に側面視所定間隔を設けて平行状態に設けると共に、移送始端部は該タッピング移送装置34の移送始端部より、所定距離後方に位置させ、前・後端部に回転自在に軸支して設けた前・後プーリ43a、43bに葉部移送ベルト43cを掛け渡し、平面視左右両側の該葉部移送ベルト43c、43cの間にニンジン(イ)の葉部を挟持する。 【0032】引継のはじめは、ニンジン(イ)の葉部を、首揃移送ベルト39c、39c、タッピング移送ベルト42c、42cおよび葉部移送ベルト43c、43cの三者で挟持し、首揃移送ベルト39c、39cの後端部から後方では、タッピング移送ベルト42c、42cと葉部移送ベルト43c、43cとの両者で挟持し、かつ後述する葉切断装置12の後部からは、この葉切断装置12で切断された切断葉のみを移送し、これらタッピング移送装置34、及び葉部移送装置35の両者の移送終端部から切断葉を圃場へ排出する。 【0033】前記葉切断装置12は上伝動ケース38から垂直下方へ突出させて設けた回転軸46の軸端部に水平面内で回転する切断刃46aを装着した構成であり、この葉切断装置12は上下回動中心26位置である伝動ケース17に近接させると共に首揃移送装置33の移送終端部にも近接させている。この切断刃46aは、タッピング移送装置34の下側で、該首揃移送装置33の所定位置下位に位置させた構成である。前記タッピング移送装置34と葉部移送装置35との両者により、ニンジン(イ)の葉部を挟持して移送する首揃したニンジン(イ)の葉部の所定位置をこの切断刃46aにより切断する。 【0034】前記車体7の後部には、図1に示すように補助キャリア49を設け、この補助キャリア49の上側には、収穫したニンジンを一時貯留する収納コンテナ15や、切断済みの切断葉を一時貯留する葉収納コンテナを載置できる構成としている。 【0035】図4には上記構成からなる根菜類収穫機の掘起装置4部分の側面図であり、以下に掘起装置4の土切り刃に関する実施の形態を説明する。図1ないし図4で説明したように、掘起装置5の土切り刃27bは支持杆27aの前端部に取り付け、掘起作業状態で引起装置4の後方下部で、引抜搬送装置28の前方下部に位置して、畦面より下方の土壌中に貫入するように構成する、支持杆27aの後端部は補助受け板19cに取り付け、圃場条件などに対応して土切り刃27bの上下方向の位置を調節できるように、支持杆27aの取付孔27c、27cを、補助受け板19cに設けた複数個の取付孔19d、19d・・・を選択して、ボルトナットなどの締結具により締着している。 【0036】図4に示す例では、掘起装置5の土切り刃27bを、圃場の畦面と土切り刃27bとのなす角度θ(図4)が90度以上の直角もしくは鈍角に前傾した構成とすることにより、土切り刃27bが進行方向に対して前傾しているので、根菜類用収穫機1の前進走行にともない土壌を掘起し、かつ掘起した土壌を押し下げる事ができる。 【0037】根菜類用収穫機1は、非作業時には図2のように引起装置4、掘起装置5などを上昇位置に置く。収穫作業時には、根菜類用収穫機1の走行方向を分草具23、23の中央にニンジン(イ)が来るように操舵して、図1に示すように引起装置4、掘起装置5などを下降位置に降下させる。掘起装置5の土切り刃27b、27bは圃場の畦面下の土壌中に貫入するから、根菜類用収穫機1の前進走行にともないニンジン(イ)の両側の土壌を切り分けて掘り起こす。 【0038】従来例では掘起装置5の土切り刃27bは、圃場の畦面と土切り刃27bとのなす角度θ(図4)が90度未満の鋭角で、進行方向に対して後傾していたので、根菜類用収穫機1の前進走行にともない土壌を掘起すとともに、掘起した土壌を持ち上げていた。 【0039】しかし、図4に示す構成による土切り刃27bは、収穫作業時には、圃場の畦面と土切り刃27bとのなす角度θが進行方向に対して前傾した構成であるので、根菜類用収穫機1の前進走行にともない土壌を掘起し、かつ掘起した土壌を押し下げ、土を上方に持ち上げることがないので、ニンジン(イ)を引き抜く挟持搬送ベルト28aの先端部で泥を掻き込むことがない。また、泥が付着しないので挟持搬送ベルト28aの引抜性能が低下することなく、挟持搬送ベルト28aを含む引抜搬送装置の損傷を少なくして寿命を延長する効果が得られる。 【0040】また、図5に示すように、根菜類用収穫機1の掘取り作業時の姿勢で、引起ラグ22bの外周の軌跡の最下部(一点鎖線(b))を圃場畦面(c)より若干上方で、分草具23の下端部(a)よりも低く突出した構成とすることにより、分草具23を常に圃場畦面(c)よりも離れた高い位置において作業できるようになり、分草具23の取付部などに泥の抱え込み、抱き込みを惹起することなくなる。 【0041】また上記構成により、かつ分草具23に泥が蓄積しないので、引起ラグ22bは分草具23に蓄積した泥による障害を受けることがなく、ニンジン(イ)の葉の引起性能が向上し、また、分草具23に蓄積した泥を排除するための作業中断がなくなり、連続作業を行うことができるので収穫作業の能率が向上する。 【0042】図6ないし図8に示す例は、従来の根菜類用収穫機が、収穫した根菜は一括してコンテナに収納され、収穫作業を終了した後に、収穫作業とは別途に選別作業を行っていたため、高級品あるいは不良品の選別のために多大の人手と時間を要していたことを改良するものである。 【0043】図6は根菜類用収穫機の上面図であり、図7および図8は根菜類用収穫機の選別用キャリア部分の斜視図である。図6に示すように操縦席10の側方に選別用キャリア50または選別用キャリア51を設ける。選別用キャリア50は、図7の操縦席10の後方より見た斜視図に示すように、軽量形鋼材またはパイプ材などで成形したフレーム50aを、操縦席10の側方で、側方キャリア52の前方の車体7に架設したもので、選別したニンジン(イ)を、フレーム50aに吊り下げたコンテナ袋50b(図7に参考線で示す)の上部の開口部から投入する構成としている。 【0044】選別用キャリア51は、図8の操縦席10の後方より見た斜視図に示すように、周辺にコンテナストッパ51bを突出させたキャリア床51aを、操縦席10の側方で、側方キャリア52の前方の車体7に架設したもので、選別したニンジン(イ)を、キャリア床51aに搭載した選別コンテナ51c(図8に参考線で示す)の上部の開口部から投入する構成としている。キャリア床51aの周辺にはストッパ51bを設けて選別コンテナ51cの落下を防止する。 【0045】本例によれば、ニンジン(イ)の収穫作業において、収穫され茎葉部を切断されたニンジン(イ)を搬送コンベア13から収納コンテナ15に収容された時点で、たとえば極上品だけを選別して取り出し、または不良品を選別して取り出し、取り出した選別品を選別用キャリア50のコンテナ袋50bまたは選別用キャリア51の選別コンテナ51cに収納できる。したがって、収納作業をしながら選別するので収穫作業の効率を低下させることなく、かつ収穫作業の後工程での選別作業を行う必要がなくなり、作業全体の省力化が可能になる。 【0046】図9ないし図11に示す例は、根菜類用収穫機の葉切断装置12により茎葉部を切断された根菜を搬送コンベア13に転載して移送する際の、落下による収穫物の損傷を防止し、かつ収穫物に泥が付着したまま移送することを防止するための構成に関するものである。 【0047】図9は根菜類用収穫機の背面一部断面立面図(図3のA−A線矢視断面図)であり、図10はガイド兼泥落としプレートの上面図であり、図11はガイド兼泥落としプレートの変形例の上面図である。本例により、根菜類用収穫機の葉切断装置12により茎葉部を切断された根菜を搬送コンベア13に転載して移送する際の、落下による収穫物の損傷を防止し、かつ収穫物に泥が付着したまま移送することを防止するという課題を解決することができる。 【0048】図1に示すように、圃場から掘起され引抜れたニンジン(イ)は、引抜搬送装置28に挟持されて搬送され、首揃移送装置33で首揃えされ、タッピング移送装置34および葉部移送装置35に引き継ぎ挟持されて移送され、葉切断装置12により所定の位置で茎葉部を切断される。茎葉部を切断されたニンジン(イ)は落下して搬送コンベア13の始端部に搭載され、搬送コンベア13により移送され、搬送コンベア13の終端部から落下して収納コンテナ15に収納される。 【0049】図9などに示すように、本例ではタッピング移送装置34および葉部移送装置35の下部で、搬送コンベア13の始端部の上部にガイド兼泥落としプレート14を設けている。搬送コンベア13は、両側の2枚のフレーム13a、13aの間の始端部および終端部にスプロケットホイール13b、13cを回転自在に軸支し、スプロケットホイール13bおよびスプロケットホイール13cの間に無端のスプロケットチェン13dを巻回し、スプロケットチェン13dに無端波形帯状の移送ベルト13eを係着する。 【0050】図示しない伝動機構によりスプロケットホイール13bを回転駆動すると、スプロケットチェン13dを介して移送ベルト13eが駆動され、搭載されたニンジン(イ)を搬送コンベア13の終端部まで上昇しながら搬送する。 【0051】ガイド兼泥落としプレート14は、根菜類用収穫機1の背面立面図(図9)に示すように、搬送コンベア13のフレーム13a、13aの間に立面視「く字」形のプレート14a、14dを設けて、上面側の泥落としプレート14aは搬送コンベア13の移送方向に対して下り勾配の傾斜を持たせ、かつ図10に示す搬送コンベア13の移送方向と直角方向に向く長穴として設けられたスリット14b、または図11に示す搬送コンベア13の移送方向と平行方向に向く長穴として設けられたスリット14cを設ける。また、下面側の泥排除プレート14dは搬送コンベア13の傾斜とほぼ平行な下り勾配の傾斜を持たせ終端部は車体7の側面とほぼ一致させる。 【0052】上記構成により、タッピング移送装置34および葉部移送装置35に挟持されて葉切断装置12により所定の位置で茎葉部を切断されたニンジン(イ)は、落下して搬送コンベア13の始端部に直接に搭載されるのでなく、一旦ガイド兼泥落としプレート14に受け止められ、落下の衝撃を緩和され、かつ泥落としプレート14aの斜面を滑り降りる間に泥落としスリット14bまたは泥落としスリット14cにより付着する泥が落とされて排除され、その後に搬送コンベア13の始端部に搭載されるように作用する。 【0053】ニンジン(イ)から落とされた泥はスリット14bまたはスリット14cを通過して泥排除プレート14dに落下し、泥排除プレート14dの斜面を図9の矢印Bのように降下して、最終的に圃場に排出される。泥落としプレート14aおよび泥排除プレート14dは取付ブラケット14e、14fにより搬送コンベア13の両側のフレーム13a、13aに固着されるので、搬送コンベア13の剛性を高めることができる。 【0054】本例によれば、ガイド兼泥落としプレート14を設けたので、茎葉部を切断されて落下するニンジン(イ)の落下衝撃を緩和し、ニンジン(イ)に付着する泥を除去し、除去した泥を圃場に排出して還元するので、収穫したニンジン(イ)に損傷を与えたり、泥を付着したままにすることを防止し、搬送コンベア13や収納コンテナ15に泥を付着させることも防止できる。 【0055】図12ないし図14に示す例は、根菜類用収穫機1(図1)の搬送コンベア13から収納コンテナ15に根菜を収納する際の衝撃を緩和するダンププレートに落下する泥などを容易に排除できること、非作業時などにダンプをコンパクトに収納すること、ダンプの収納操作を容易にし、かつ安全性を高めることができるということである。 【0056】図12は実施例4の根菜類用収穫機の背面一部断面立面図であり、図13はダンプ付近の詳細を示す一部断面立面図である。図12および図13において、実線はダンプ53を使用して収穫したニンジン(イ)を収納する状態を示し、D、D’に示す参考線はダンプ53および側方キャリア52の収納状態を示し、Gに示す参考線はダンプ53と収納コンテナ15を用いてニンジン(イ)の収納を開始した状態を示す。 【0057】側方キャリア52は平面視ほぼ矩形のキャリア枠52aの根元部に回動長穴52bを設け、該回動長穴52bには車体7から突出するブラケット7aに設けた側方キャリア回動支点ピン7bを遊嵌した構成である。 【0058】ダンプ53は平面視ほぼ矩形の薄板からなるダンププレート53aの中央部付近にV形溝部53bを設け、根元部にブラケット53cを立設する。ダンプアーム53eは棒状で上部にダンプアーム回動軸53fを固設し、該ダンプアーム回動軸53fは搬送コンベア13のフレーム13aに回動自在に軸支(図示せず)され、ダンプアーム53eの下部にダンププレート回動支点53dを設けて、上記ブラケット53cを図示しないストッパーの範囲で回動自在に支承する。 【0059】ダンプアーム53eの上方でダンプアーム回動軸53fよりも若干下方にダンパー作用点53hを設け、ダンプアーム53eの下方でダンププレート回動支点53d付近の位置に車体7からダンパーブラケット7c突出させ、このダンパーブラケット7cにダンパー支点53iを設ける。ダンパーアーム53eのダンパー作用点53hとダンパーブラケット7cのダンパー支点53iとの間にダンパー53gを懸架する構成である。 【0060】側方キャリア52およびダンプ53は、まず、図12および図13のD、D’に示す収納状態から使用状態にセットするには、Dで示すほぼ垂直位置にある側方キャリア52を、回動長穴52bの穴長さだけ持ち上げてから矢印Eの方向に回動する。図示実線で示すほぼ水平位置まで回動すると側方キャリア52の側面部が車体7に当接して位置規定される。 【0061】つぎにD’に示すほぼ垂直位置にあるダンププレート53aを、Gに示すニンジン(イ)収納開始状態にセットするには、ダンププレート53aを矢印E’の方向に回動し、かつダンプアーム53eを矢印Fの方向に回動する。ダンプアーム53eは回動の初期を除くと、ダンパー53gの付勢力により軽く回動することができる。ダンプアーム53eの回動の初期には若干の力を必要とするが、これは後に詳述する。 【0062】ダンププレート53aが矢印Gの位置にセットされると、作業者は収納コンテナ15をダンププレート53aの上に搭載し、搬送コンベア13で移送され、シュータ13fを滑落するニンジン(イ)を収納コンテナ15に収納する。矢印Gの位置においてはニンジン(イ)の落下距離は短く、かつダンパ−53gの緩衝作用によりニンジン(イ)に損傷を与えることは少ない。 【0063】収納コンテナ15にニンジン(イ)が蓄積されると、重量の増大によってダンパー53gの付勢力に抗して、ダンププレート53aが徐々に下降し、最終的にダンププレート53aが側方キャリア52に当接してほぼ水平となり、図12、図13の実線で示す位置に到着して停止する。 【0064】このダンププレート53aがほぼ水平となる位置ではダンパー53gの付勢力が作用しているので、収納コンテナ15を搬出した場合にダンププレート53aが跳ね上がる恐れがあるが、ダンププレート53aと側方キャリア52とを係着する留め具(図示せず)を設けておき、かつダンパー53gをガススプリング型のものとすれば急激に跳ね上がることはない。 【0065】収穫作業を終了してダンププレート53aおよび側方キャリア52を収納する作動は次のようにする。上記の留め金を外すと、ダンププレート53dおよびダンプアーム53eは、ダンパー53gの付勢力によりGで示す参考線位置まで上昇する。ここでダンププレート53aを手動で破線矢印I方向に回動し、ダンププレート53aとダンプアーム53eとを平行位置にセットする。 【0066】ついでダンプアーム53eを手動で、ダンパー53gの付勢力に抗して、破線矢印J方向に回動する。図13において、ダンプアーム回動支点53fとダンパー支点53iとを結ぶ中心線をK−K線とするとき、このK−K線はダンプアーム53eとダンパー53gに関してトグル機構の死点を通る線となる。ダンパー作用点53hがK−K線の右側手前に来ると、ダンパーアーム53eの回動は一旦停止し、さらに強い力でダンパーアーム53eを回動してはじめて死点を乗り越えることができる。 【0067】ダンパー作用点53hがK−K線の左側に来て矢印D’で示す参考線位置に到着し、ここでダンププレート53aが搬送コンベア13に当接して回動を停止する。反対に、収納状態からダンパーアーム53eを矢印F方向に回動しようとする場合も、死点通過のために若干大きい力を作用させる必要があるので、矢印D’位置に収納したダンプ53が誤って回動することがない構成である。 【0068】この後、側方キャリア52を手動で重力に抗して破線矢印L方向に回動し、垂直位置において回動長穴52bが側方キャリア回動支点7bに案内されて位置の固定が行われ、Dで示す状態となる。 【0069】ダンププレート53aには図12ないし図14に示すようにV字形溝53bを設けて、ニンジン(イ)の収納作業中に収納コンテナ15の底部から落ちた泥などを集めて除去することが可能な形状とし、ダンププレート53aをほぼ垂直のD’に示す位置に収納した状態では、該V字形溝53bを設けることにより搬送コンベア13のシューター13fに干渉しない形状とする。 【0070】本例によれば、根菜類用収穫機1の搬送コンベア13から収納コンテナ15に根菜を収納する際の衝撃を緩和するダンププレート53aを、非作業時に折り畳み収納できる構造で、かつ衝撃緩和ダンパーの作用点の位置を適切に設定して折り畳み収納時に死点を通過する構成としたので、非作業時などダンプ不使用時にコンパクトに収納すること、収納操作を容易にし、かつ収納したダンプが誤って回動することがなく安全性を高めることができるとともに、ダンププレート53aにV字形溝を設けた構成によりダンププレート53aに落下する泥などを容易に排除でき、かつこの溝によりダンププレート53aと搬送コンベア13のシューター13fとの干渉を避けてコンパクト収納することができるなどの効果も得られる。 【0071】従来の根菜類用収穫機において、収穫した根菜を収納する収納コンテナを積載するキャリア部分の面積は限られていて、可能積載数量は必ずしも十分な数量ではないために、空の収納コンテナの補給のために収穫作業を中断することがあり、可及的多数のコンテナを積載することができなかったが、図15ないし図19に示す構成により、前記従来技術の問題点を改良することができる。 【0072】図15および図16は根菜類用収穫機のコンテナ用キャリアの上面図であり、図17は根菜類用収穫機の背面一部断面立面図であり、図18は空コンテナキャリアの斜視図であり、図19は側面キャリアの側面図である。 【0073】本例では、車体7の後部に補助キャリア49を設け、側方キャリア52の進行方向後方に側方補助キャリア54を設け、補助キャリア49および側方補助キャリア54を合わせた面積を、図15に示すように収納コンテナ15を3個(2段積みで6個)積載可能とするか、図16に示すように収納コンテナ15を4個(2段積みで8個)積載できる構成を特徴とする。 【0074】補助キャリア49および側方補助キャリア54はいずれも軽量型鋼などの枠に鋼板などの天板を張ったもので、詳細を図示しないが、不使用時には折り畳み可能な構造とする。このように構成することにより、収納コンテナ15を従来以上に多数積載することができるようになり、かつ作業状況などに合わせて収納コンテナ15を縦でも横でも任意に積載できるうえ、収納コンテナ15がニンジン(イ)で一杯になれば、ただちに空の収納コンテナ15と交換して、圃場のニンジン(イ)の収穫作業を中断することなく続行できるので、収穫作業の能率向上に著しい効果が得られる。 【0075】図17および図18には、更に多くの収納コンテナ15を積載できるように、搬送コンベア13の上部に空コンテナキャリア55を設けた構成を示す。図17は図9、図12と同様な根菜類用収穫機1の背面図であり、図18は空コンテナキャリア55の斜視図である。空コンテナキャリア55は、4本の柱材55a、55a・・・を搬送コンベア13のフレーム13aに立設し、各柱材55a、55aを中間部で横方向に結ぶ接続材55b、55bと、柱材55a、55aの頂部を接続し、かつ収納コンテナ15の底部を支持する後ろガイド55cと、柱材55a、55aの頂部を接続し、かつ収納コンテナ15の底部と側部を支持するストッパ55dとからなり、各接続個所は溶接などにより剛に結合する。後ろガイド55cは収納コンテナ15が滑りやすいようにパイプ材などが好適であり、ストッパ55dは収納コンテナ15が滑落しないように係止できるL形材などを用い、後ろガイド55cに比べてストッパ55dの高さを低くして、空きコンテナ15を取り出しやすい構成とする。 【0076】上記構成により、空きコンテナ15を更に多く積載できるとともに空きコンテナキャリア55を接続結合することにより搬送コンベア13のフレーム13aを剛に補強することができる。 【0077】なお、図16に示すように側方キャリア52は、補助キャリア49、側方補助キャリア54などと異なり、キャリア枠52aだけで構成し、鋼板などの床材を張らない構造とすることにより、側方キャリア52の収納時にはダンプ53と干渉することがなく、かつキャリアとして使用するときには、収納コンテナ15から落下する泥、残葉などが付着することがないようにすることができる。 【0078】また側方キャリア52の側面(図16参照、根菜用収穫機進行方向前方)に丸棒材またはパイプ材などで形成した平面視コ字形、側面視L字形のストッパ兼案内バー52cを設け、図19の側面図に示すように空の収納コンテナ15の底面2/3付近を支えて仮置きできる構成とすることにより、作業者が一杯になった収納コンテナ15の交換作業を行う時に、片手だけで空の収納コンテナ15を支えながらの交換作業ができるようにすることができ、収納コンテナの交換作業のために収穫作業を中断することがないという効果が得られる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000125 【氏名又は名称】井関農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年3月25日(1999.3.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100096541 【弁理士】 【氏名又は名称】松永 孝義
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| 【公開番号】 |
特開2000−270642(P2000−270642A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月3日(2000.10.3) |
| 【出願番号】 |
特願平11−81293 |
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