| 【発明の名称】 |
コンバインの姿勢変更装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】香本 信美
|
| 【要約】 |
【課題】後進状態で畦際を昇る場合に刈取部が圃面に接触しないように、かつ、刈取作業時は刈取部が前上がりにならないように、ローリング作動及びピッチング作動可能に構成し、かつ、その為の構成を簡単に構築できるコンバインの姿勢制御装置を提供する点にある。
【解決手段】クローラベルト11を案内する遊転輪12を軸支した左右の可動フレーム10,10夫々の前後二箇所に、主フレーム7,7とに亘る駆動アーム17,17を架設するとともに、個々の駆動アーム17,17を駆動する駆動シリンダ19,19を設けて、走行機体2をクローラ式走行装置1,1に対してローリング作動及びピッチング作動可能に構成してある。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 独立して作動する4つの昇降リンク機構を介してクローラ式走行装置を走行機体に取り付けるとともに、各昇降リンク機構に対してそれらを専用に駆動する4つのアクチュエータを設け、前記走行機体をローリング作動及びピッチング作動可能に構成してあるコンバインの姿勢変更装置。 【請求項2】 独立して作動する2つの昇降リンク機構を前後に備えているクローラ走行装置を左右に一対配置するとともに、前後左右に配置された前記4つの昇降リンク機構を介して前記左右一対のクローラ式走行装置を走行機体に取り付け、各昇降リンク機構に対してそれらを専用に駆動する4つのアクチュエータを設け、前記走行機体をローリング作動及びピッチング作動可能に構成してあるコンバインの姿勢変更装置。 【請求項3】 請求項1又は2にかかるコンバインの姿勢変更装置において、走行機体の姿勢変化を検出する姿勢検出手段を設けるとともに、走行機体の目標姿勢を設定する姿勢設定手段を設け、姿勢検出手段の検出結果に基づいて前記目標姿勢を維持するように、前記アクチュエータを駆動制御する制御手段を設けてあるコンバインの姿勢変更装置。 【請求項4】 前記アクチュエータが単動シリンダである請求項1〜3のうちのいずれか一つに記載のコンバインの姿勢変更装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、走行機体をローリング作動及びピッチング作動可能に構成してあるコンバインの姿勢変更装置に関する。 【0002】 【従来の技術】この種のコンバインの姿勢変更装置として、例えば、特開平3‐297317号公報で示すように、左右にローリング用シリンダを各一個づつ配置し、後部にピンチング用シリンダを一個配置した構成のものがあった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】従来構成によれば、■ ピッチング用シリンダが一つであるので、走行機体の前端に設けた横向き軸芯を中心として走行機体の後端部を上下に揺動させるピッチング制御形態を採る為に、シリンダのストロークに限界があり余り大きなピッチングストロークを確保することはできなかった。 ■ 左右に夫々一つのローリング用シリンダを配置してあるだけであるので、進行方向に沿って長くなるクローラ式走行装置を走行機体に対して昇降させるには、昇降リンク機構のリンクを二股状に前後二箇所に向けて延設し、夫々延設したリンク端を、遊転輪を支承したトラックフレームに連結する必要があるところから、走行機体の前後方向に沿った長尺部分でリンク機構を配置構成しなければならなかった。そうすると、走行機体とクローラ走行装置との、走行用の伝動機器や各種制御機器が立て込む狭い足回り空間に、さらに、昇降リンク機構を前後方向に長く設けなければならず、配置スペースを確保するのに難渋していた。本発明の目的は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、機器の配置構成を比較的容易に行うことができ、かつ、ローリング及びピッチング作動を行うことのできるコンバインの姿勢変更装置を提供する点にある。 【0004】 【課題を解決するための手段】〔構成1〕請求項1にかかる本発明による特徴構成は、独立して作動する4つの昇降リンク機構を介してクローラ式走行装置を走行機体に取り付けるとともに、各昇降リンク機構に対してそれらを専用に駆動する4つのアクチュエータを設け、前記走行機体をローリング作動及びピッチング作動可能に構成してある点にあり、その作用効果はつぎの通りである。 〔作用効果〕つまり、機体前後方向に所定の間隔を持って二つの昇降リンク機構とアクチュエータとを配置し、機体横方向にも所定の間隔を持って二つの昇降リンク機構とアクチュエータとを配置することによって、機体前後方向に位置するアクチュエータの作動長を異なる長さに設定することによって走行機体にピンチング作動を行わせることができ、機体左右方向に位置するアクチュエータの作動長を異なる長さに設定することによって走行機体にローリング作動を行わせることができる。したがって、各4つのアクチュエータの作動長を異なるものに設定することによって、ピッチング作動、ローリング作動、ピッチング及びローリングの同時作動を行わせることができる。しかも、4つのアクチュエータと昇降リンク機構とを対で設けることができるので、アクチュエータと一対をなす対応する昇降リンク機構を他のアクチュエータが設けられていた部位までは長く伸ばす必要がなく、それだけ、足回りでの機器配置を簡素化できる。このようにピンチング作動等が可能であるので、後進状態で畦際等を昇る場合に刈取部を最大上昇位置に設定しても圃面と接触する状態を避けられないような状態の場合に、ピッチング作動させて刈取部を走行機体毎持ち上げ十分圃面より離間させるできるので有効である。 【0005】〔構成2〕請求項2にかかる本発明による特徴構成は、独立して作動する2つの昇降リンク機構を前後に備えているクローラ走行装置を左右に一対配置するとともに、前後左右に配置された前記4つの昇降リンク機構を介して前記左右一対のクローラ式走行装置を走行機体に取り付け、各昇降リンク機構に対してそれらを専用に駆動する4つのアクチュエータを設け、前記走行機体をローリング作動及びピッチング作動可能に構成してある点にあり、その作用効果はつぎの通りである。 〔作用効果〕左右のクローラ走行装置の走行機体に対する上下間隔を異なるものに設定することによって、走行機体をローリング作動させることができる。前後に位置するアクチュエータの作動量を異なるものに設定することによってピッチング作動を行わせることができる。さらに、4つのアクチュエータの作動量を全て異なるものに設定することによってローリングとピッチングを同時に行わせることができるのである。特に、左右のクローラ式走行装置夫々前後にアクチュエータと昇降リンク機構とを対で配置してあるので、クローラ式走行装置の走行方向に沿った長い間隔に亘って昇降リンク機構を配置する必要がなく、アクチュエータと昇降リンク機構とを近接した状態で配置するだけでよく、それだけ、配置構成が容易になる。 【0006】〔構成3〕請求項3にかかる本発明による特徴構成は、請求項1又は2にかかる発明において、走行機体の姿勢変化を検出する姿勢検出手段を設けるとともに、走行機体の目標姿勢を設定する姿勢設定手段を設け、姿勢検出手段の検出結果に基づいて前記目標姿勢を維持するように、前記アクチュエータを駆動制御する制御手段を設けてある点にあり、その作用効果はつぎの通りである。 〔作用効果〕ローリング及びピッチング作動可能な走行機体に対して、姿勢検出手段と姿勢設定手段とを設けることによって、自動的に走行機体の姿勢制御が可能になり、刈り高さ制御等の作業制御を容易に行い得る。 【0007】請求項4にかかる本発明による特徴構成は、請求項1〜3のうちのいずれか一つに記載の発明において、前記アクチュエータが単動シリンダである点にあり、その作用効果はつぎの通りである。 〔作用効果〕複動型を用いる場合に比べてシリンダ自体の構造が簡素で低コスト化できるとともに、周辺の制御バルブや配線等を簡素化できる為に、機器が輻輳している足回りにシリンダを配置する場合にも、構成が容易になる。 【0008】 【発明の実施の形態】図1に示すように、コンバインは、左右のクローラ式走行装置1,1を備えた走行機体2の前部に、昇降自在に刈取前処理部3を取り付けるとともに、走行機体2に脱穀装置4、走行操縦部5、穀粒貯留部6を設けて、構成されている。 【0009】図2及び図3に示すように、上面視で枠体を矩形状に配置した主フレーム7の前部フレーム7Aの中間位置に走行用のミッションケース8を取り付けるとともに、前部フレーム7Aを伝動ケースに兼用しその左右両端にクローラ式走行装置1用の駆動スプロケット9を取り付けてある。主フレーム7の側部フレーム7Bよりさらに左右外側には昇降自在な可動フレーム10,10を配置してあり、可動フレーム10,10にクローラベルト11を案内する複数個の遊転輪12を設けてある。遊転輪12の上方にクローラベルト11に緊張力を与える上方緊張輪13が主フレーム7の側部フレーム7Bに取り付けてある。左右可動フレーム10,10の夫々の後端には、後方に向けて出退自在なスライドフレーム10A,10Aを設けてあり、スライドフレーム10A,10Aにクローラベルト11に対して緊張力を与える後方緊張輪14,14を取り付け、ネジ軸15によって後方緊張輪14,14をスライド調節して、クローラベルト11に対する緊張力を変更調節可能に構成してある。 【0010】可動フレーム10の昇降作動構造について説明する。図2及び図3に示すように、側部フレーム7Bの長手方向における前後二箇所に支持ボス16,16を設けるとともに、支持ボス16,16に対して支持ボス軸芯X回りで揺動自在に駆動アーム17,17を夫々軸支してある。一方、可動フレーム10の長手方向前後二箇所にブラケット18,18を固定してあり、ブラケット18,18を駆動アーム17,17の先端部に夫々ピン連結してある。駆動アーム17,17に対しては、アクチュエータとしての駆動シリンダ19,19が側部フレーム10B,10Bに取り付けられ、ピストン部を駆動アーム17,17に連結され、駆動シリンダ19,19個々によって駆動アーム17,17が独立して駆動揺動できるようになっている。 【0011】以上のような構成により、左右の可動フレーム10,10に対して夫々前後一対の駆動シリンダ19,19が4個配置してあり、各駆動シリンダ19,19を独立して作動させ、作動量を制御することによって、走行機体2をピッチング作動及びローリング作動を行わせるようにしてある。尚、各駆動シリンダ19は単動シリンダである。可動フレーム10,10の作動制御形態としては、図4(イ)(ロ)に示すように、左右の可動フレーム10の走行機体2に対する相対高さを異なる状態に設定することによって、ローリング作動を行わせる単純ローリング制御形態がある。この場合には、前後の駆動アーム17,17の揺動量、揺動方向は同一である。図5に示すように、可動フレーム10の長手方向前後端の走行機体2に対する高さを異なるものに設定すると、ピッチング作動を行わせる単純ピッチング制御形態をとることができる。この場合には、左右後方側の駆動アーム17,17の揺動量は同一であり、左右前方側の駆動アーム17,17の揺動量は同一である。図6に示すように、各4つの駆動アーム17の揺動量を異なる動作量に設定するとローリングとピッチングの複合制御形態をとることができる。 【0012】次に、ローリング制御等を行わせる制御構造について説明する。図7に示すように、マイクロコンピュータ等を備えた制御装置20によって制御を行う。走行機体2に対してローリング作動を検出するローリングセンサ21及びピッチング作動を検出するピッチングセンサ22、走行機体2の左右傾斜角を設定するローリング設定器23,走行機体2の前後傾斜角を設定するピッチング設定器24を設けるとともに、各駆動シリンダ19に対しては駆動ストロークを検出し制御装置20にフィードバック信号を送るストロークセンサ25を設けてある。又、各駆動シリンダ19に対しては、油圧源から送られる油を制御する電磁弁26を設けてある。 【0013】以上のような構成によって、ローリング及びピッチング設定器23,24の設定値に維持するように、ローリングセンサ21及びピッチングセンサ22からの情報に基づいて、各駆動シリンダ19の作動量を制御し、走行機体2の姿勢を任意に変更できることになる。ここに、ローリングセンサ21及びピッチングセンサ22を姿勢検出手段と称し、ローリング設定器23及びピッチング設定器24を姿勢設定手段と称する。駆動アーム17とブラケット18とで昇降リンク機構を構成する。 【0014】以上、アクチュエータとして駆動シリンダ19を昇降リンク機構を介して可動フレーム10を駆動する形態をとっているが、駆動シリンダ19を直接可動フレーム10と主フレーム7に亘って取り付けてもよい。このような構成によって、昇降リンク機構等を必要とせず、構造の簡素化を図ることができる。 【0015】〔別実施の形態例〕 (1) アクチュエータとしては、油圧シリンダ以外に電動シリンダ等を使用してもよい。 (2) 上記した構成においては、可動フレーム10の前後二箇所に昇降リンク機構とアクチュエータとを配置した構成をとっているが、ローリング用として二つのシリンダを配置し、ピッチング用として二つのシリンダを配置してもよい。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ
|
| 【出願日】 |
平成11年3月19日(1999.3.19) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
|
| 【公開番号】 |
特開2000−262134(P2000−262134A) |
| 【公開日】 |
平成12年9月26日(2000.9.26) |
| 【出願番号】 |
特願平11−75700 |
|