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【発明の名称】 コンバインの運転部構造
【発明者】 【氏名】河瀬 宗之

【要約】 【課題】座席支持台によってエンジンを覆うコンバインの運転部において、座席支持台を穀粒タンクに極力寄せられながら、原動部を大きく開放できるようにする。

【解決手段】座席支持台12と運転部床14とが一体の構造体になり、運転部床14の前端側で長孔付きの連結機構を介して機体フレーム8に連結している。座席支持台12と運転部床14とを機体フレーム8に対して機体前後方向に移動させるとともに揺動させることにより、座席支持台12が機体フレーム8に連結してエンジン2を覆う使用状態と、機体フレーム8から離間してエンジン2を開放する開き状態とに切り換えられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行機体の機体フレームに支持されるとともに運転座席を支持する座席支持台と、この座席支持台の前方に位置する運転部床とを備えているコンバインの運転部構造であって、前記座席支持台と前記運転部床とが運転部床の前端側で一体に機体前後方向に移動自在及び揺動自在に前記機体フレームに支持される連結機構を設けるとともに、座席支持台と運転部床とを、一体に機体フレームに対して機体前後方向に移動させるとともに揺動させることによって、座席支持台が機体フレームの使用用取付け位置に連結する使用状態と、座席支持台が機体フレームから離間する開き状態とに切り換えるように構成してあるコンバインの運転部構造。
【請求項2】 前記連結機構を、前記運転部床と前記機体フレームとの一方に支持される連結部と、この連結部が有する機体前後方向の長孔に摺動自在に係入する機体横方向の連結軸と、この連結軸を介して前記連結部に相対回動及び摺動自在に連結する状態で前記運転部床と前記機体フレームとの他方に支持される連結部とを備え、前記両連結部の相対摺動によって前記座席支持台と前記運転部床とが機体フレームに対して機体前後方向に移動するように、前記両連結部の相対回動によって前記座席支持台と前記運転部床とが機体フレームに対して揺動するように構成してある請求項1記載のコンバインの運転部構造。
【請求項3】 前記座席支持台の前方に位置する操縦塔を備えるとともに、この操縦塔が前記座席支持台及び前記運転部床と一体に前記機体フレームに対して前後移動及び揺動するように構成してある請求項1又は2記載のコンバインの運転部構造。
【請求項4】 前記使用状態に切り換わった座席支持台に支持作用して座席支持台を補強する支持体を前記機体フレームに固定してある請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンバインの運転部構造。
【請求項5】 前記支持体から外れた状態にある前記座席支持台に当接する当たり部を、エンジンに燃焼用空気を供給する弾性管に備えてある請求項4記載のコンバインの運転部構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行機体の機体フレームに支持されるとともに運転座席を支持する座席支持台と、この座席支持台の前方に位置する運転部床とを備えているコンバインの運転部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】上記コンバインにおいて、従来、たとえば実開昭62‐112612号公報に示されるように、座席支持台がエンジンボンネットになるとともに、座席支持台の下端部が機体フレームに機体前後向きの軸芯まわりで回動自在に連結しているものがあった。すなわち、座席支持台を前記軸芯まわりで揺動させることにより、座席支持台が機体フレーム上に連結してエンジンを覆う状態と、機体フレームから横外側に離間してエンジンを開放する状態とに切り換わるものがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、原動部を点検するとか修理するとかの作業を行う際、座席支持台を開放状態に切り換えても、エンジンの周囲にあまり大きな作業用スペースが得られないとか、座席支持台がエンジンの近くや機体の横外側に位置して作業の障害になりやすいとかにより、作業が行いにくくなっていた。本発明の目的は、機体側を大きく開放できるとともに、閉じた状態では座席支持台とこの後側に位置する穀粒タンクなどとが極力近接するようにできるコンバインの運転部構造を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0005】〔構成〕走行機体の機体フレームに支持されるとともに運転座席を支持する座席支持台と、この座席支持台の前方に位置する運転部床とを備えているコンバインの運転部構造において、前記座席支持台と前記運転部床とが運転部床の前端側で一体に機体前後方向に移動自在及び揺動自在に前記機体フレームに支持される連結機構を設けるとともに、座席支持台と運転部床とを、一体に機体フレームに対して機体前後方向に移動させるとともに揺動させることによって、座席支持台が機体フレームの使用用取付け位置に連結する使用状態と、座席支持台が機体フレームから離間する開き状態とに切り換えるように構成してある。
【0006】〔作用〕座席支持台を開き状態に切り換える際、座席支持台と運転部床とを機体フレームに対して機体前方側に移動させた後に揺動させるとか、機体前方側に移動させながら揺動させるとかし、前記使用用取付け位置がこの位置に連結した座席支持と後方側に位置する穀粒タンクとが近接するものになっていても、座席支持台が揺動する際に穀粒タンクとかに干渉しないようにして座席支持台と運転部床とを機体フレームに対して開き状態の側に揺動させ、座席支持台を機体フレームから大きく離間させるとともに運転部床も機体フレームから離間させて、通常時は座席支持台によって覆われる走行機体側部分が大きく開放するとともにその付近も開放する状態を得られる。
【0007】〔効果〕したがって、座席支持台がエンジンボンネットになっていてその原動部を点検したり修理するとかの作業を行う際、あるいは、座席支持台で横側を覆われている伝動装置や刈取り部部分を点検したり修理するとかの作業を行う際、通常時は座席支持台で覆われている機体側部分を大きく開放するとともにその付近をも開放して、かつ、座席支持台が機体フレームから大きく離れて作業の障害物になりにくく、楽に能率よく作業できる。
【0008】しかも、座席支持台を使用状態にすると、座席支持台と後方側に位置する穀粒タンクなどとが近接し、本機の前後長さが極力短くなって操縦がしやすいなどコンパクトな状態に得られる。
【0009】請求項2による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0010】〔構成〕請求項1による発明の構成において、前記連結機構を、前記運転部床と前記機体フレームとの一方に支持される連結部と、この連結部が有する機体前後方向の長孔に摺動自在に係入する機体横方向の連結軸と、この連結軸を介して前記連結部に相対回動及び摺動自在に連結する状態で前記運転部床と前記機体フレームとの他方に支持される連結部とを備え、前記両連結部の相対摺動によって前記座席支持台と前記運転部床とが機体フレームに対して機体前後方向に移動するように、前記両連結部の相対回動によって前記座席支持台と前記運転部床とが機体フレームに対して揺動するように構成してある。
【0011】〔作用〕運転部床の前端側を回動自在に支持する支持部材を機体フレームに前後摺動自在に支持させるとか、前後揺動自在に支持させることによっても、座席支持台と運転部床とが運転部床の前端側で一体に機体前後方向に移動自在及び揺動自在に機体フレームに支持されるようにできるが、この場合に比し、前記長孔と連結軸とを備える構造簡単な連結機構により、座席支持台と運転部床とが運転部床の前端側で一体に機体前後方向に移動自在及び揺動自在に機体フレームに支持されることを可能にするものである。
【0012】〔効果〕座席支持台と運転部床とを比較的構造簡単な連結機構で前後移動及び揺動自在に機体フレームに支持させ、機体側部分を大きく開放できるとともに本機の前後長さを極力短くできるものを構造面及び経済面で有利に得られる。
【0013】請求項3による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0014】〔構成〕請求項1又は2による発明の構成において、前記座席支持台の前方に位置する操縦塔を備えるとともに、この操縦塔が前記座席支持台及び前記運転部床と一体に前記機体フレームに対して前後移動及び揺動するように構成してある。
【0015】〔作用〕座席支持台を開き状態に切り換える際、操縦塔も座席支持台や運転部床と共に揺動し、操縦塔を固定式に構成するに比し、操縦塔が座席支持台や運転部床の揺動に対する障害物になりにくくて座席支持台及び運転部床が機体フレームからより大きく離間する状態を得やすいものである。
【0016】〔効果〕通常時は座席支持台で覆われている機体側部分をより大きく開放するとともに座席支持台や運転部床が作業の障害物に一層なりにくく、点検とか修理とかの作業がより楽に能率よくできる。
【0017】請求項4による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0018】〔構成〕請求項1〜3のいずれか1項による発明の構成において、前記使用状態に切り換わった座席支持台に支持作用して座席支持台を補強する支持体を前記機体フレームに固定してある。
【0019】〔作用〕座席支持台を軽小なものにすると、座席支持台や運転部床を軽く揺動切り換えできるようになる。この結果、座席支持台そのものの強度が低下することがあっても、座席支持台を使用状態に切り換えた状態では、座席支持台が支持体で支持されて補強され、運転座席を所定の支持強度で支持するとか、原動部や伝動装置を所望のカバー強度で覆うようにすることができる。
【0020】〔効果〕座席支持台が支持体で補強されて運転座席の支持などを強固に行わせられながら、座席支持台を軽小なものにして、座席支持台や運転部床を使用状態と開き状態とに軽い操作力で楽に切り換えられる。
【0021】請求項5による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0022】〔構成〕請求項4による発明の構成において、前記支持体から外れた状態にある前記座席支持台に当接する当たり部を、エンジンに燃焼用空気を供給する弾性管に備えてある。
【0023】〔作用〕座席支持台を軽小なものにすると、座席支持台や運転部床を軽く揺動切り換えできるようになる。この結果、座席支持台が強度低下するなどによって揺れ動きやすいものになることがあっても、座席支持台を開き状態に切り換える際、座席支持台が開き側に移動していくに伴って前記支持体から外れてこの支持体による支持を受けなくなっても、前記弾性管の当たり部に当接しており、この当たり部による支持作用と弾性とのために揺れ動きにくいように支持されながら開き側に移動していくようにすることができる。また、座席支持台を使用状態に切り換える際、座席支持台がまだ支持体に当接する位置に至らなくてこの支持体による支持を受けていなくても、前記弾性管の当たり部に当接しており、この当たり部による支持作用と弾性とのために揺れ動きにくいように支持されながら、かつ、機体フレームの使用用取付け位置に合致させやすいように当たり部によって位置決めしながら使用側に移動していくようにすることができる。
【0024】〔効果〕したがって、座席支持台が支持体で補強されて運転座席の支持などを強固に行わせられながら、座席支持台を軽小なものにして、さらには、支持体から外れた状態にある座席支持台を揺れ動きにくいように、使用用取付け位置に合致しやすいように弾性管に支持や位置決めをさせて、座席支持台や運転部床を使用状態と開き状態とに楽に切り換えられる。しかも、燃焼用空気供給のための弾性管を支持手段や位置決め手段に利用して構造簡単に得られる。
【0025】
【発明の実施の形態】図1及び図2に示すように、クローラ式走行装置1によって自走し、かつ、運転座席11が備えられている運転部10、運転座席11の下方に位置するエンジン2が備えられている原動部をそれぞれ有する走行機体の運転部10の横側に、引き起こし装置3aが備えられている刈取り部3を昇降操作自在に取り付け、この刈取り部3が備える供給搬送装置3cの後側に位置する脱穀装置4、及び、運転座席11の直後方に位置する穀粒タンク5を前記走行機体に設け、脱穀装置4の後側に排ワラ処理装置6を設け、穀粒タンク5の後端部に穀粒搬出装置7を連結して、コンバインを構成してある。
【0026】すなわち、刈取り部3は、稲などの植立穀稈を前記引き起こし装置3aによって引き起こし処理するとともにバリカン型刈取り装置3bによって刈取り処理し、刈取り穀稈を前記供給搬送装置3cによって搬送して脱穀装置4の脱穀フィードチェーン4aの始端部に供給する。
【0027】脱穀装置4は、脱穀フィードチェーン4aによって刈取り穀稈の株元側を挟持搬送させながら穂先側を脱穀部に供給して脱穀処理し、スクリューコンベアで成る揚穀装置4bによって脱穀粒を前記穀粒タンク5に供給し、脱穀排ワラを前記排ワラ処理装置6に供給する。この排ワラ処理装置6は、細断処理状態に切り換え操作されることによって脱穀排ワラを細断して圃場に放出していき、長ワラ処理状態に切り換え操作されることによって脱穀排ワラを長ワラ状態のままで圃場に放出していく。穀粒搬出装置7は、前記穀粒タンク5の内部に位置する底スクリューに接続する縦スクリューコンベア7aと、この縦スクリューコンベア7aの上端側に接続する横スクリューコベア7bとで成り、前記底スクリューからの脱穀粒を縦スクリューコンベア7aによって揚送して横スクリューコンベア7bに供給し、この横スクリューコンベア7bの吐出口7cから排出する。
【0028】図3〜図5に明示するように、前記運転部10には、走行機体の機体フレーム8によって支持される座席支持台12、この座席支持台12の天板部12aの上面側に連結している前記運転座席11、座席支持台12の前方に位置する操縦塔13、座席支持台12と操縦塔13の間に位置する運転部床14、座席支持台12と操縦塔13の左横端どうしの間に位置して刈取り部3や原動部で発生する塵埃とか駆動音や熱気が運転部10の居住空間に入りにくいようにこの居住空間の下側の刈取り部側を覆うサイドカバー15、このサイドカバー15の上端側と前記座席支持台12の天板部12aとにわたって連結している操作レバーガイド16、座席支持台12の後端部に支持作用するように機体フレーム8に固定した支持体17、操作レバーガイド16の前端部から延出している支持アームに支持される運転パネル18、座席支持台12と操縦塔13とサイドカバー15とによって囲われた下部側の居住空間と、運転座席11を備える上部側の居住空間とで成る操縦用の居住空間、座席支持台12と操縦塔13の右横端どうしの間に位置する乗降口のそれぞれを備えてある。
【0029】操縦塔13には、刈取り部3の昇降操作と走行機体の操向操作とを行う操作レバー20、操縦者が身体の安定化を図るべく支持する握り棒21を取り付けてある。操作レバーガイド16には、走行用主変速装置を操作する主変速レバー22、走行用副変速装置を操作する副変速レバー23、脱穀クラッチを切り換え操作する脱穀レバー24、エンジン2のアクセル装置を操作するアクセルレバー25それぞれの操作を案内するガイド溝を備えてある。
【0030】前記座席支持台12は、前記原動部にエンジン2の燃焼用空気を吸引させる吸気口26aを備える吸気塔26が後端側に連結するように、かつ、前記運転座席11を上面側に取り付けるように構成し、さらに、断熱及び遮音性が高まるように中空構造に構成した前記天板部12aと、この天板部12aの前端部に上端部が連結し、下端側が前記運転部床14に連結するように構成した前側壁部12bと、前記天板部12aと前側壁部12bとによって囲われる空間の右横側を覆うように構成した横外側壁部12cと、吸気塔26の下端側及び横外側壁部12cの後端部に連結するように構成した後側壁部12dのそれぞれによって構成してある。横外側壁部12cの前角部には、運転部に乗降する際などに使用する握り部27を備えてある。
【0031】図7及び図8に示すように、座席支持台12は、前記天板部12aと前側壁部12bと横外側壁部12cと後側壁部12dとにより、エンジン2を収容するエンジンルームERを形成するように、かつ、座席支持台12の左側端部でエンジンルームERを機体内側に向けて開放する開口18を形成するように構成してある。前記前側壁部12bには、エンジン2の燃焼用空気を吸引させる吸気口12eを設けてある。
【0032】すなわち、座席支持台12が、エンジンボンネットになり、エンジン燃焼用空気が前側壁部12bから吸引されることを可能にしながら、かつ、エンジン2の機体横方向での内側を前記開口18によって開放してこの開口18からエンジン出力を脱穀装置8などに伝達する状態でエンジン2を覆うようにしてある。
【0033】運転部床14の前端側を、操縦塔13の下部に位置する機体横向きの連結軸31を備える連結機構30によって機体フレーム8の前端部に連結してある。図3及び図9などに示すように、連結機構30は、前記機体フレーム8の前端部から延出する機体側の連結部32と、前記運転部床14の前端部に固定している左右一対の床側連結部33,33と、左側の床側連結部33が備える機体前後方向の長孔33aに一端側が、右側の床側連結部33が備える機体前後方向の長孔33aに他端側がそれぞれ摺動及び回動自在に係入し、中間部が前記機体側連結部32に支持されている前記連結軸31とによって構成してある。すなわち、連結軸31が長孔33aに沿って摺動して両連結部32と33が相対摺動することにより、運転部床14が機体フレーム8に対して機体前後方向に摺動移動するように、かつ、両連結部32,33が連結軸31を介して相対回動することにより、運転部床14が機体フレーム8に対して連結軸31の軸芯まわりで上下に揺動するように、運転部床14と機体フレーム8とを連結している。
【0034】運転部床14が機体フレーム8に対して機体前後方向に摺動移動する際には、座席支持台12、操縦塔13、サイドカバー15のそれぞれも運転部床14と共に機体フレーム8に対して摺動移動するように、かつ、運転部床14が機体フレーム8に対して揺動する際には、座席支持台12、操縦塔13、サイドカバー15のそれぞれも運転部床14と共に機体フレーム8に対して揺動するように、座座席支持台12の下端側と運転部床14の後端側とを連結してあり、運転部床14の前端部と操縦塔13の下端部とを連結してあり、サイドカバー15は、座席支持台12の天板部12aと操縦塔13の横側とにわたって連結しているとともに運転部床14にも連結している。
【0035】これにより、座席支持台12と運転部床14とサイドカバー15と操縦塔13とは、一つの構造体になった状態で前記連結機構30を介して機体フレーム8に支持されており、運転部床14の前端側で機体フレーム8に対して一体に機体前後方向に移動操作できるように、かつ、運転部床14の前端側に位置する前記連結軸31の機体横向きの軸芯31aまわりで機体フレーム8に対して一体に揺動操作できるようになっている。そして、座席支持台12と運転部床14とサイドカバー15と操縦塔13とを、機体フレーム8に対して機体前後方向に摺動移動させるとともに上下に揺動させることにより、図1及び図3に示す如く座席支持台12が機体フレーム8にエンジン2を覆うためのものとして設定してある使用用取付け位置に連結して原動部を覆う使用状態と、図4に示す如く座席支持台12が機体フレーム8から上昇離間して原動部を開放する開き状態とに切り換えられるように構成してある。
【0036】図7及び図8に示すように、前記支持体17は、両端部17aが機体上下方向に沿うように、中間部17bが機体横方向に沿うように機体前後方向視で門形に形成して機体フレーム8に立設した屈曲杆で構成するとともに、座席支持台12が前記使用状態になった場合には、図6及び図8に示す如く作用するように構成してある。すなわち、座席支持台12が前記開き状態から下降揺動するに伴ってこれの後端部の内側に入り込み、座席支持台12が前記使用状態になった状態では、中間部17bが座席支持体12の天板部12aの後端部の内面側に沿うとともにこの内面側に当接して受け止め支持する状態になる。すなわち、座席支持台12が使用状態になると、支持体17は、中間部17bで天板部12aを受け止め支持し、座席支持台12を所定の座席支持強度を発揮するように補強する。
【0037】図7に示すように、座席支持台12の内部に吸気路形成板35を付設して形成されている吸気路36をエンジン2が備えるエヤークリー37に接続して吸気塔13や吸気口12eから吸引されるエンジン燃焼用空気をエンジン2に供給する弾性管38としてのゴム管の端面38aを、前記吸気路形成板35に対して分離自在に当接するだけで吸気路36に接続するように構成し、この端面38aが弾性管38の座席支持台12に対する当たり部となるようにしてある。この当たり部38aは、座席支持台12が前記支持体17の中間部17bから浮き上がって外れた状態になっている場合でも、吸気路形成板35を介して座席支持台12に当接して座席支持台12を揺れ動きにくくしたり、座席支持台12を機体フレーム8の使用用取付け位置に合致するように位置決めしたりする。
【0038】すなわち、通常時は、座席支持台12、運転部床14、操縦塔13、サイドカバー15のそれぞれを前記使用状態にして運転座席11などの使用を可能にするとともに座席支持台12をエンジンボンネットとして使用する。この場合、座席支持台12の後端部に係止させるように構成したフック(図示せず)を作用させ、座席支持台12などを機体フレーム8に固定する。また、この場合、座席支持台12が支持体17で補強されて運転座席11の支持などを強固に行う。そして、原動部や、刈取り部3の前記縦搬送装置などサイドカバー15で覆われる装置部分を点検したり修理する際、先ず、座席支持台12、運転部床14、操縦塔13、サイドカバー15のそれぞれを機体前方側に移動させる。座席支持台12が上昇揺動してもその後端側が穀粒タンク5に干渉しない状態になると、座席支持台12、運転部床14、操縦塔13、サイドカバー15のそれぞれを連結軸31の軸芯31aまわりで揺動させて前記開き状態にし、原動部や刈取り部20の前記装置部分の横側を開放する。このとき、主変速レバー22、副変速レバー23、脱穀レバー24、アクセルレバー25は上昇揺動する操作レバーガイド16のガイド溝から抜け出る。
【0039】図10に示すように、座席支持台12、運転部床14、操縦塔13、サイドカバー15のそれぞれを使用状態から開き状態に切り換えるべく機体前方側に移動操作して座席支持台12の天板部12aが支持体17から外れた場合や、座席支持台12、運転部床14、操縦塔13、サイドカバー15のそれぞれを開き状態から使用状態に切り換える場合であっても座席支持台12の天板部12aがまだ支持体17に当接する位置に達していない場合、座席支持台12を弾性管38の当たり部38aによって揺れ動きにくいように支持させながら移動操作できる。また、座席支持台12、運転部床14、操縦塔13、サイドカバー15のそれぞれを使用状態に切り換える場合、使用用取り付け位置に向かって移動する座席支持台12を弾性管38の当たり部38aによって機体フレーム8の使用用取付け位置に合致しやすいように位置決めさせながら移動操作できる。
【0040】図6に示すように、原動部が備えるエンジン回転センサーやスタータ装置などセンサ類や電動装置に連係する電気コード39にコイル部39aを備えさせるとともに、このコイル部39aを収容するコード収納器40を、座席支持台12の内部空間の上部で前記連結軸31の軸芯31aからの直線距離が最短になる部分に配置してある。すなわち、座席支持台12などを前記開き状態に切り換える際、電気コード39の切り離しが不要なように、座席支持台12が上昇するに伴って電気コード39がコード収納器40から伸び出るように構成し、かつ、電気コード39の必要長さを極力少なく済ませられるように構成してある。
【0041】座席支持台12、運転部床14、操縦塔13、サイドカバー15、操作レバーガイド16は、合成樹脂で作成してある。前記コード収納器40は、座席支持台12に合成樹脂で一体成型してある。
【0042】図6に示すように、運転部床14のステップ部の下にエンジン燃料用のタンク41を配置するとともに、このタンク41が運転部床14のステップ本体を支持して補強するように構成してある。タンク41の給油筒41aがステップ本体の貫通長孔を通って床面上に延出しており、座席支持台12などが揺動操作される際に座席支持台12や運転部床14の揺れ動きを抑制するべく運転部床14に支持作用することを可能にしてある。
【0043】〔別実施形態〕図11及び図12は、別の実施形態を備えるエンジン吸気構造を示し、運転部と脱穀装置4との間に前記揚穀装置4aと並べて脱穀装置4に支持されるようにして設けた鉄パイプ製の吸気塔42、この吸気塔42の上端側に接続したサブエヤクリーナ43、前記吸気塔42の下端側をエンジン2が備えるメインエヤクリーナ37に接続するゴム管44のそれぞれを備えてある。すなわち、エンジン2の吸気作用により、脱穀装置4及び穀粒タンク5の上方で燃焼用空気をサブエヤクリーナ43に吸引し、このサブエヤクリーナ43で塵埃除去された空気を吸気塔42及びゴム管44を介してメインエヤクリーナ37に吸引し、このメインエヤクレーナ37で再度塵埃を除去してからエンジン2に吸引させる。
【0044】運転部床14の前端側を機体フレーム8に連結軸31及び長孔を利用して前後移動及び揺動自在に連結するに当たり、前記連結機構30の如く、連結軸31を機体フレーム8の方に取り付け、長孔33aを備える連結部材33を運転部床14の方に取り付ける他、連結軸31を運転部床14の方に取り付け、長孔を備える連結部材を機体フレーム8の方に取り付ける構成を採用して実施してもよい。
【0045】前記座席支持台12の天板部12a、前側壁部12b、横外側壁部12c、運転部床14、サイドカバー15、操作レバーガイド16、吸気塔35のそれぞれを合成樹脂で作成して実施するに当たり、それらを個別に作成して連結する他、それらの一部の複数個をブロー成型法によって一挙に作成するとともにこの一体部品とは別にその他を作成した後にそれらを連結するとか、それらの全てをブロー成型法によって一挙に作成するとかの各種の作成方法を採用して実施してもよい。
【0046】座席支持台12、運転部床14、操縦塔13、サイドカバー15、操作レバーガイド16のそれぞれは、合成樹脂で作成する他、板金で作成して実施してもよい。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成11年3月18日(1999.3.18)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開2000−262133(P2000−262133A)
【公開日】 平成12年9月26日(2000.9.26)
【出願番号】 特願平11−73750