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【発明の名称】 コンバインの脱穀部穀稈供給装置
【発明者】 【氏名】吉邨 文夫

【氏名】二宮 伸治

【氏名】水本 俊彦

【氏名】平山 秀孝

【要約】 【課題】畦際制御が働いても、できるだけ扱深さ制御を機能させることにより、浅扱ぎや深扱ぎの発生を未然に防止する。

【解決手段】畦際スイッチ53と扱深さスイッチ54がオンの状態において、刈取ポジションセンサ51の出力信号に基づいて所定の刈上げ高さを検出したら、調節チェーン深リレー56bを出力して供給調節チェーン24の供給位置を深扱ぎ側の所定の位置に移動する。供給調節チェーン24の供給位置を所定の位置に移動している間は穀稈センサ26の出力信号を無視して扱深さ制御を一時中断する。そして、調節チェーンポジションセンサ52の出力信号に基づいて供給調節チェーン24の供給位置の移動完了を検出したら、その後は穀稈センサ26の出力信号に基づいて調節チェーン浅リレー56aあるいは調節チェーン深リレー56bを出力して供給調節チェーン24の供給位置を浅扱ぎ側あるいは深扱ぎ側へ移動して扱深さを適正に調節する扱深さ制御を再開する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 刈取った穀稈の長さに応じて脱穀部フィードチェーンに穀稈を供給する搬送部の穀稈供給位置を移動して扱深さを適正に調節する扱深さ制御手段と、刈取部の刈上げ高さを検出する刈上げ高さ検出手段と、前記刈上げ高さ検出手段に基づき、刈上げ高さが所定量を越えたときは、前記搬送部の穀稈供給位置を深扱ぎ側の所定の位置に移動する畦際制御手段と、を備え、前記畦際制御手段により前記搬送部の穀稈供給位置が所定の位置に移動している間は前記扱深さ制御を一時中断し、移動を完了した後に前記扱深さ制御を再開することを特徴とするコンバインの脱穀部穀稈供給装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、穀物を刈取る刈取部と刈取った穀稈を脱穀部に供給するフィードチェーンを有するコンバインの脱穀部穀稈供給装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】コンバインが畦際に達して枕地の刈取りに移ると、圃場より高く盛り上がっている畦に分草杆を衝突させないように刈取部を順次上昇させて刈取る。このとき、穀稈を刈取る位置が高くなる高刈りに移行する。高刈りになると、刈取った穀稈は長さが正規のものより短い、いわゆる短稈となる。
【0003】この短稈を脱穀機にそのまま供給すると、穂先が扱胴に届かないので脱穀されないまま藁くずとして処理されてしまう。
【0004】そこで、畦際では刈上げに応じて短稈になることが分かっているので、刈取部の刈上げ高さが所定量を越えると、扱深さ調節チェーンの供給位置を深扱側に移動し、供給調節チェーンの供給位置を深扱ぎ側の所定の位置に移動する畦際制御を行う。
【0005】一方、湿田では走行部のクローラが沈下するので、その分刈取部を高く上げて作業を行う。このため、畦際制御を選択する畦際スイッチを入れたままにしておくと、畦際でなくても畦際制御が働いてしまうことがある。
【0006】畦際制御が働くと、穀稈の長さに応じて扱深さ調節チェーンと供給調節チェーンの供給位置を移動して扱深さを適正に調節する扱深さ制御が効かなくなる。このため浅扱ぎや深扱ぎが発生し、穂先が扱胴に触れないで脱穀されるので、脱穀効率が落ちるという問題があった。
【0007】そこで本発明は、畦際制御が働いても、できるだけ扱深さ制御を機能させることにより、浅扱ぎや深扱ぎの発生を未然に防止することを目的になされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するために、本発明は以下のように構成した。
【0009】すなわち、刈取った穀稈の長さに応じて脱穀部フィードチェーンに穀稈を供給する搬送部の穀稈供給位置を移動して扱深さを適正に調節する扱深さ制御手段と、 刈取部の刈上げ高さを検出する刈上げ高さ検出手段と、前記刈上げ高さ検出手段に基づき、刈上げ高さが所定量を越えたときは、前記搬送部の穀稈供給位置を深扱ぎ側の所定の位置に移動する畦際制御手段と、を備え、前記畦際制御手段により前記搬送部の穀稈供給位置が所定の位置に移動している間は前記扱深さ制御を一時中断し、移動を完了した後に前記扱深さ制御を再開することを特徴とするコンバインの脱穀部穀稈供給装置である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0011】図1に、本発明を実施したコンバインの側面図を示す。コンバインは、穀物を刈取る刈取部1と、刈取った穀稈を搬送する搬送部2と、搬送した穀稈を脱穀機に供給する供給部3と、左右一対のクローラを有する走行部4で構成する。
【0012】刈取部1は、先端で穀稈を分草する分草杆11と、分草した穀稈を引起す引起体12と、引起した穀稈を刈取る刈刃部13から成る。
【0013】搬送部2は、掻込搬送部21、前搬送部22、扱深さ調節チェーン23、供給調節チェーン24から成り、刈取った穀稈を途中で横に倒しながら後方へ順次受継ぎ搬送する。
【0014】掻込搬送部21は、下部の掻込輪体21aと上部の掻込無端帯21bから成り、刈取り穀稈条列毎に刈刃部13の上方に設け、刈取った穀稈を後方に掻込搬送する。
【0015】前搬送部22は、株元搬送チェーン22aと穂先搬送ラグ22bから成り、その始端部を掻込搬送部21の終端部に受継ぎ可能に臨ませ、多条の刈取り穀稈を後方上方に搬送して終端部において左右の搬送穀稈を合流する構成としている。
【0016】穂先搬送ラグ22bは、進行方向に向かって前部の右側から供給部3の始端部側に平面視傾斜させて刈取部1の後部まで延長し、連続して穀稈穂部を搬送する構成としている。
【0017】扱深さ調節チェーン23は、始端部を前部搬送チェーン22の終端部に搬送穀稈の株元を受継ぎ可能に臨ませ、後方上方に延長して終端部を供給調節チェーン24の始端部に臨ませる。そして、扱深さセンサ25の出力信号に基づいて扱深さモータ23aを回転し、始端部を軸に終端部を搬送穀稈の稈身方向に沿って上下する構成としている。
【0018】扱深さセンサ25は、図2に示すように、穂先センサ25aと株元センサ25bから成り、穀稈の搬送経路に垂下して搬送穀稈の長さを検出する。そして、穂先センサ25aと株元センサ25bが共に穀稈を検出するときは扱深さ調節チェーン23を浅扱ぎ側に制御し、共に穀稈を検出しないときは深扱ぎ側に制御する。つまり、穀稈穂部の先端が穂先センサ25aと株元センサ25bの間を通過する位置を適正な扱深さ位置と判断して制御する。
【0019】供給調節チェーン24は、穀稈センサ26の出力信号に基づいて供給調節モータ24aを回転し、供給部3に対して遠近移動して扱深さ調節チェーン23から受継いだ穀稈を供給部3の始端部に受渡す位置を変更する構成としている。受渡す位置が供給部3に近いと後述するフィードチェーン31が株元の上側を挟持するので浅扱ぎとなり、遠いと株元の下側を挟持するので深扱ぎとなる。
【0020】穀稈センサ26は、上部穀稈センサ26aと下部穀稈センサ26bから成り、引起体12の背面の上部と下部にそれぞれ配置し、刈取り穀稈の穂先側と株元側をそれぞれ検出する構成としている。そして、上部穀稈センサ26aと下部穀稈センサ26bが共に穀稈を検出したときは、長稈と判断して供給調節チェーン24をフィードチェーン31に近い浅扱ぎ側に位置付け、下部穀稈センサ26bが穀稈を検出して上部穀稈センサ26aが穀稈を検出しないときは、短稈と判断して供給調節チェーン24をフィードチェーン31から遠い深扱ぎ側に位置付ける。
【0021】供給部3は、搬送部2から受取った穀稈をフィードチェーン31に対向する挟扼杆32で株元を挟持して脱穀機(図示しない)に供給する。そして、脱穀した穀粒は選別して穀粒タンク(図示しない)に貯留する。
【0022】図3に、本発明を実施した脱穀部穀稈供給装置のブロック図を示す。脱穀部穀稈供給装置は、マイクロコンピュータ5の入力側に入力インタフェース5aを介して刈取ポジションセンサ51と、調節チェーンポジションセンサ52と、畦際制御を選択する畦際スイッチ53と、扱深さ制御を選択する扱深さスイッチ54と、穀稈センサ26と、車速センサ55を接続し、出力側に出力インタフェース5bを介して調節チェーン浅リレー56aと、調節チェーン深リレー56bを接続する。
【0023】本発明の脱穀部穀稈供給装置は以上のような構成で、畦際スイッチ53と扱深さスイッチ54がオンの状態において、図4に示すように、刈取ポジションセンサ51の出力信号に基づいて所定の刈上げ高さを検出したら、調節チェーン深リレー56bを出力して供給調節チェーン24の供給位置を深扱ぎ側の所定の位置に移動する。供給調節チェーン24の供給位置を所定の位置に移動している間は穀稈センサ26の出力信号を無視して扱深さ制御を一時中断する。そして、調節チェーンポジションセンサ52の出力信号に基づいて供給調節チェーン24の供給位置の移動完了を検出したら、その後は穀稈センサ26の出力信号に基づいて調節チェーン浅リレー56aあるいは調節チェーン深リレー56bを出力して供給調節チェーン24の供給位置を浅扱ぎ側あるいは深扱ぎ側へ移動して扱深さを適正に調節する扱深さ制御を再開する。
【0024】本発明の脱穀部穀稈供給装置は、図5に示すように、供給調節チェーン24の供給位置の移動完了を検出したら、直ちに扱深さ制御を再開するのではなく、車速センサ55の出力信号に基づいて走行距離を検出し、一定距離走行後に扱深さ制御を再開してもよい。あるいは、図6に示すように、車速センサ55によって車速を検出し、車速が一定速度以上になったら扱深さ制御を再開してもよい。
【0025】実際に畦際で刈上げているときは車速が遅く、また、搬送穀稈も少ないので、調節チェーンを扱深さ制御に従って動かすより、深扱ぎ側の所定位置に固定した方が安定性がよい。しかし、畦際から離れた通常の圃場では扱深さ制御を効かせた方が脱穀効率がよくなる。このため、走行距離あるいは車速によって機体が畦際から離れたことを検出し、これにより扱深さ制御を再開する。
【0026】次に、本発明に関連して、刈取り作業中にパワステを操作してエンジン回転数が一時的に落ちてもアクセル制御出力をしないコンバインのアクセル制御装置について説明する。
【0027】図7に、このアクセル制御装置のブロック図を示す。アクセル制御装置は、マイクロコンピュータ5の入力側に入力インタフェース5aを介してアクセル制御を選択するアクセル制御スイッチ57と、脱穀プーリを断続する脱穀クラッチ58と、穀稈センサ26と、刈取部の上げ下げと機体の旋回を操作するパワステスイッチ59と、エンジン回転センサ60を接続し、出力側に出力インタフェース5bを介してアクセル閉リレー61aと、アクセル開リレー61bを接続する。
【0028】このアクセル制御装置は以上のような構成で、脱穀クラッチ58と穀稈センサ26がオンのとき、刈取り作業中と判断する。そして、アクセル制御スイッチ57がオンのとき、図8■に示すように、パワステスイッチ59がオンになり、エンジン回転センサ60がエンジン回転数の低下を検出しても、このときはアクセル制御出力をしない。パワステ操作以外の何らかの原因でエンジン回転センサ60がエンジン回転数の低下を検出したときは、アクセル開リレー61bを出力してエンジン回転数を上昇する。
【0029】刈取り作業中にパワステ操作を行うと、一時的に負荷が増大してエンジン回転数が落ちる。このとき、アクセルを開いてエンジン回転数を上げると、パワステ操作を終了した後はエンジン回転数が高くなり過ぎる。このため、直ぐにアクセルを閉じる必要があり、制御が頻繁になる。このアクセル制御装置は、パワステ操作によるエンジン回転数の低下を検出してもその度に無駄なアクセル制御をしないので、エンジン回転数が安定する。
【0030】このアクセル制御装置は、図8■に示すように、パワステスイッチ59がオンになり、エンジン回転センサ60が一定値以上のエンジン回転数の低下を検出したときは、アクセル開リレー61bを出力してエンジン回転数を上昇する。
【0031】パワステ操作によってエンジン回転数が所定量より大きくダウンした場合は、パワステ操作以外の原因でエンジン回転数が落ちたと考えられ、このまま放置すると脱穀に悪影響を与える。従って、このときは通常のアクセル制御を行ってエンジン回転数を速やかに回復させる。
【0032】次に、本発明に関連して、畦際ではシーブを一段閉じて選別制御を行うコンバインの選別制御装置について説明する。図9に、この選別制御装置のブロック図を示す。選別制御装置は、マイクロコンピュータ5の入力側に入力インタフェース5aを介してウインド/シーブダイヤル62と、ウインド/シーブポジションセンサ63と、畦際スイッチ53と、自動選別を選択する選別スイッチ64と、穀稈センサ26を接続し、出力側に出力インタフェース5bを介してウインド/シーブ開閉リレー65を接続する。
【0033】図10に示すフローチャートを参照してこの選別制御装置の処理について説明する。処理を開始すると、まず、ウインド/シーブダイヤル62の設定値と(ステップ101)、ウインド/シーブポジションセンサ63のポジション値を読み込み(ステップ102)、畦際スイッチ53のオンによる自動畦際制御と(ステップ103)、選別スイッチ64のオンによる自動選別制御を検出したときは(ステップ104)、ウインド/シーブ開閉リレー65を出力してウインドは通常で、シーブは一段閉側で選別制御を行う(ステップ105)。
【0034】畦際では短稈となるので、穀稈を全て脱穀部に投入する全稈投入が基本となっているが、畦際は穀物の植え付けが薄く雑草が多いため、シーブをあまり開くと一番ラセンに雑草が混入して選別効率が落ちる。この選別制御装置は、畦際ではシーブを一段閉じるので、雑草の混入を防いで脱穀選別機の選別性能を維持する。この選別制御装置は、畦際スイッチ53がオンのときシーブを一段閉じるが、エンジン回転数が所定の回転数より低下したらシーブを一段閉じるように構成してもよい。
【0035】次に、本発明に関連して、穀稈終了付近でエンジン回転数が一定回転アップしたとき、あるいは、刈取部が一定高さ以上上昇したときのいずれか早い方で刈取り自動停止を行うコンバインの刈取り自動停止装置について説明する。図11に、この刈取り自動停止装置のブロック図を示す。刈取り自動停止装置は、マイクロコンピュータ5の入力側に入力インタフェース5aを介してエンジン回転センサ60と、刈取ポジションセンサ51と、刈取り自動停止を選択する刈取り自動停止スイッチ66と、穀稈センサ26を接続し、出力側に出力インタフェース5bを介して刈取り停止手段67を接続する。
【0036】図12に示すフローチャートを参照してこの刈取り自動停止装置の処理について説明する。処理を開始すると、まず、エンジン回転センサ60のセンサ値と(ステップ201)、刈取ポジションセンサ51のポジション値を読み込み(ステップ202)、刈取り自動停止スイッチ53のオンによる刈取り自動停止と(ステップ203)、穀稈センサ26がオンからオフに変わる刈取り終了を検出したときは(ステップ204)、エンジン回転数が一定回転アップし(ステップ205)、刈取ポジションが一定高さ以上上昇したかどうかを判定し(ステップ206)、エンジン回転数が一定回転アップし、あるいは、刈取ポジションが一定高さ以上上昇したときは、刈取り自動停止を行う(ステップ207)。
【0037】コンバインは、刈取部をいったん上げて旋回するが、このとき、刈取り自動停止制御により刈取りをいったん停止して刈取部、供給搬送装置、脱穀部フィードチェーンなどが駆動しないようにする。従来の刈取り自動停止制御は、刈取ポジションが、例えば、30cm以上高くなると効くようにしていたが、刈取り自動停止スイッチをオフにしていたり、オペレータが直ぐ刈取部の下げ操作をしたときは、刈取り自動停止が効かないことがある。また、刈取り自動停止の際に制御が遅れると、フィードチェーンの引き継ぎ部まで穀稈が流れてしまい、そこで搬送乱れや稈こぼれが発生する。
【0038】この刈取り自動停止装置は、エンジン回転数が穀稈終了付近のエンジン回転数より、例えば、400rpmアップしたとき、あるいは、刈取部が一定高さ以上上昇したときのいずれか早い方のタイミングで刈取り自動停止を行う。穀稈終了付近では負荷が軽くなり、必ずエンジン回転数のアップを検出できるので、確実に、かつ、素早く刈取り自動停止を行うことができ、刈取り自動停止の制御遅れや不作動を防止できる。
【0039】次に、本発明に関連して、オートリフト制御時の刈取部上昇と車体水平制御を同時に行わないコンバインの車体水平制御装置について説明する。図13に、この車体水平制御装置のブロック図を示す。車体水平制御装置は、マイクロコンピュータ5の入力側に入力インタフェース5aを介してオートリフトを選択するリフトスイッチ68と、車体水平制御を選択する車体水平スイッチ69と、穀稈センサ26と、刈取ポジションセンサ51と、車体左右ストロークセンサ70L、70Rと、車体前後ストロークセンサ71を接続し、出力側に出力インタフェース5bを介して刈取上昇/下降ソレノイド72U、72Dと、車体左右上昇/下降ソレノイド73LU、73LD、73RU、73RDと、車体後上昇/下降ソレノイド74U、74Dを接続する。
【0040】この車体水平制御装置は以上のような構成で、リフトスイッチ68がオンで、穀稈センサ26がオンからオフに変わる未刈部端での刈り終りを検出すると、一定時間経過するまで、あるいは、刈取ポジションセンサ51が刈取部の一定高さを検出するまで、車体水平制御のソレノイド出力を停止する。
【0041】コンバインは、畦際のコーナ部で刈取りを終わって旋回する際、刈取部が接地して損傷するのを防ぐため、オートリフト制御により刈取部をいったん上げて旋回する。このとき車体水平制御を行うと、油圧出力が重なって刈取部の上昇スピードが遅くなり、作業能率が低下する。この車体水平制御装置は、刈取部が上昇して一定時間経過、あるいは、一定高さになるまで車体水平出力を行わないので、刈取部がスムーズに上昇して作業能率が低下しない。
【0042】あるいは、穀稈センサ26が未刈部端での刈り終りを検出したとき、刈取ポジションセンサ51が刈取部の高さが上昇側に変化しているのを検出している間は、車体水平制御のソレノイド出力を停止するようにしてもよい。これにより、同じようにオートリフトによる刈取部上昇と車体水平制御の油圧出力が重なるのを回避できる。
【0043】次に、本発明に関連して、刈高さが低刈りに設定されているときは、1回当たりの刈高さ修正量を小さくするコンバインの刈高さ制御装置について説明する。刈高さ制御は、刈取部の対地高さを検出して刈高さを設定した高さに維持するが、この刈高さ制御装置は、図14のグラフに示すように、設定した刈高さに応じて1回当たりの刈高さ修正量を高刈りに比べて低刈りを小さくする。
【0044】従来の刈高さ制御は、1回当たりの修正量が大きいので、分草杆が土中に突込むのを防ぐには効果があるが、微妙な位置合わせを行うには不向きであった。このため、倒伏穀稈を刈取る倒伏刈りでは、分草杆による拾い残しを生じることがあった。この刈高さ制御装置は、刈高さを低刈りに設定すると1回当たりの修正量が小さくなるので、微妙な位置合わせを必要とする倒伏刈りが可能になる。
【0045】この刈高さ制御装置は、図15のグラフに示すように、車速に応じて1回当たりの刈高さの修正量を高速時に比べて低速時を小さくするようにしてもよい。低速時は制御が遅れて刈取部が接地しても被害が少ないので、1回当たりの修正量を小さくしてもよい。
【0046】あるいは、図16に示すように、立毛、倒伏を選択するスイッチを設け、倒伏を選択したときは、1回当たりの刈高さ修正量を立毛に比べて小さくするようにしてもよい。
【0047】次に、本発明に関連して、条刈方向センサのセンサ値をサンプリングして株との距離を検出するコンバインの自動方向制御装置について説明する。図17に、この自動方向制御装置のブロック図を示す。自動方向制御装置は、マイクロコンピュータ5の入力側に入力インタフェース5aを介して左右の条刈方向センサ75L、75Rと、車速センサ55と、自動方向制御を選択する方向制御スイッチ76を接続し、出力側に出力インタフェース5bを介して左右のソレノイド78L、78Rを接続する。
【0048】この自動方向制御装置は以上のような構成で、方向制御スイッチ76がオンのとき、分草杆の左右に取り付けた条刈方向センサ75L、75Rの一方が穀稈列に触れるとセンサ値(回動角)を出力し、これに基づいて株との距離を検出し、距離に応じて片側のクローラにブレーキを掛けて機体の進行方向を穀稈列より離れる方向に変更することにより、機体を穀稈列に自動的に沿わせる。このとき、図18に示すように、車速センサ55の出力信号に基づいて走行距離を検出し、一定距離走行毎に条刈方向センサ75L、75Rのセンサ値(回動角)をサンプリングする。そして、サンプリングしたセンサ値が最大値から一定値以上減少しているときは、最大値の手前から何番目かの小さいセンサ値を株との距離と判断する。
【0049】この自動方向制御装置は、条刈方向センサの回動角によって1株毎の距離を正確に検出し、サンプリングしたセンサ値の中から最大値よりやや小さい値を株との距離と判断するので、株の乱れや雑草の影響を受けずに正確な方向制御ができる。
【0050】図19に示すように、サンプリングしたセンサ値が最大値から一定値以上減少しない場合は、一定距離走行してサンプリングしたセンサ値の中から最大値の手前から何番目かの小さいセンサ値を株との距離と判断する。これにより、センサ値が最大値から一定値以上減少しないため、株との距離が検出できなくなって制御不能になるのを防ぐ。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の脱穀部穀稈供給装置は、畦際制御手段が搬送部の穀稈供給位置を移動している間は扱深さ制御を一時中断し、移動を完了した後に扱深さ制御を再開する。従って、本発明によれば、扱深さ制御を中断する時間が短くなって扱深さ制御が長時間効くようになるので、浅扱ぎや深扱ぎの発生を抑えて脱穀効率を高めることができる。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成11年3月12日(1999.3.12)
【代理人】 【識別番号】100077779
【弁理士】
【氏名又は名称】牧 哲郎
【公開番号】 特開2000−253732(P2000−253732A)
【公開日】 平成12年9月19日(2000.9.19)
【出願番号】 特願平11−66430