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【発明の名称】 穀稈切断装置
【発明者】 【氏名】山形 彰

【要約】 【課題】ねじりモーメントに強い刈刃を有する穀稈切断装置を提供することを課題としている。

【解決手段】駆動機構7の駆動部31により、左右のスライド移動により穀稈を刈り取る刈刃4,6を左右スライドせしめる、刈刃4,6側に一体的に設けられた駆動部材12,13に隣接する刈刃4,6側に一体的に設けられた杆状のガイド杆を左右スライド自在にガイドするスライドガイド14aを、駆動部材12,13のスライドガイド14a側の端部に近接するように延出した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 左右のスライド移動により穀稈を刈り取る刈刃(4),(6)と、該刈刃(4),(6)を左右スライドせしめる駆動機構(7)とを備え、該駆動機構(7)が、刈刃(4),(6)側に一体的に固定される駆動部材(12),(13)と、該駆動部材(12),(13)を左右方向にスライドせしめる駆動部(31)とからなり、上記刈刃(4),(6)側には杆状のガイド杆(8),(9)を一体的に設け、該ガイド杆(8),(9)を左右スライド自在にガイドするスライドガイド(14)を固定フレーム(3)側に固定し、該スライドガイド(14)をガイド杆(8),(9)に沿って1つ以上設けたものにおいて、駆動部材(12),(13)に隣接するスライドガイド(14a)を駆動部材(12),(13)のスライドガイド(14a)側の端部に近接するように延出せしめた穀稈切断装置。
【請求項2】 スライドガイド(14a)における駆動部材(13)側の延出端部(30)を固定フレーム(3)側に固定せしめた請求項1の穀稈切断装置。
【請求項3】 穀稈切断装置を穀稈刈取作業機側に係止せしめる係止具(41)をスライドガイド(14)側に取り付けた請求項1又は2の穀稈切断装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はコンバイン等の圃場の穀稈を刈り取ることが可能な穀稈刈取作業機に取り付けられる穀稈切断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来トラクタ等の穀稈を刈り取ることができる穀稈刈取作業機には、穀稈を刈り取る(切断する)穀稈切断装置が刈り取り進行方向前方に取り付けられているが、該穀稈切断装置として左右のスライド移動により穀稈を刈り取る刈刃と、該刈刃を左右スライドせしめる駆動機構とを備え、該駆動機構が、刈刃側に一体的に固定される駆動部材と、該駆動部材を左右方向にスライドせしめる駆動部とからなり、上記刈刃側には杆状のガイド杆を一体的に設け、該ガイド杆を左右スライド自在にガイドするスライドガイドを固定フレーム側に固定し、該スライドガイドをガイド杆に沿って1つ以上設けたものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし駆動機構による刈刃の左右スライド駆動時に、駆動部材の駆動支点から刈刃側と駆動部材との固定点とのスライド方向に交差する方向の距離に因りスライド方向に対するねじりモーメントが発生するため、該モーメントを受けるためにガイド杆側の強度を必要以上に大きくする必要があるという欠点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明の穀稈切断装置は、第1に左右のスライド移動により穀稈を刈り取る刈刃4,6と、該刈刃4,6を左右スライドせしめる駆動機構7とを備え、該駆動機構7が、刈刃4,6側に一体的に固定される駆動部材12,13と、該駆動部材12,13を左右方向にスライドせしめる駆動部31とからなり、上記刈刃4,6側には杆状のガイド杆8,9を一体的に設け、該ガイド杆8,9を左右スライド自在にガイドするスライドガイド14を固定フレーム3側に固定し、該スライドガイド14をガイド杆8,9に沿って1つ以上設けたものにおいて、駆動部材12,13に隣接するスライドガイド14を駆動部材12,13のスライドガイド14側の端部に近接するように延出せしめたことを特徴としている。
【0005】第2にスライドガイド14における駆動部材13側の延出端部を固定フレーム3側に固定せしめたのことを特徴としている。
【0006】第3に穀稈切断装置を穀稈刈取作業機側に係止せしめる係止具41をスライドガイド14側に取り付けたのことを特徴としている。
【0007】
【発明の実施の形態】図1,図2は従来同様前方に前処理部が設けられ、該前処理部により圃場の穀稈を刈り取ることができる穀稈刈取作業機であるコンバインに取り付けられた本発明の穀稈切断装置Sの平面図及び要部側面図であり、該穀稈切断装置Sは、従来同様上記前処理部における左右方向の横フレーム1から前方に突設されたデバイダフレーム2側に支持されて、前処理部の下方に取り付けられている。
【0008】このとき該穀稈切断装置Sは図1,図3に示されるように、前記横フレーム1の略全幅にわたって取り付けられた左右方向のプレート状の固定フレーム(受刃台)3上に構成されており、該受刃台3上に各左右スライド自在に載置されている上刈刃4と下刈刃6を駆動機構7(図1,図2参照)により左右逆方向にスライドさせることで、上記デバイダフレーム2の先端に取り付けられ、穀稈切断装置Sより前方に位置するデバイダ(図示せず)で掻き分けられた穀稈の刈取動作を行う構造となっている。
【0009】そして図3,図4(a)に示されるように上記上刈刃4の上面及び下刈刃6の下面には、上刈刃4又は下刈刃6の略全幅にわたってプレート杆状のガイド杆(ナイフバー)8,9がリベット11等により固着されており、両ナイフバー8,9にはそれぞれプレート状のナイフヘッド12,13がリベット11に共締めされて固着されている。このとき上刈刃4側のナイフヘッド12はナイフバー8の略真上に、下刈刃6側のナイフヘッド13はナイフバー9から所定方向後方位置にオフセットしてそれぞれコの字状の切り欠きからなる受け12a,13aが形成せしめられている。
【0010】また上下のナイフバー8,9が受刃台3側に固定されたスライドガイド14により左右スライド自在に支持されており、これにより上下の刈刃4,6が左右スライド自在に受刃台3側に取り付けられている。そして後述するように該受け12a,13aを介して上記駆動機構7によりナイフヘッド12,13を左右にスライド駆動せしめることで、上下の刈刃4,6を左右スライド移動させ、穀稈を切断せしめる構造となっている。
【0011】なおスライドガイド14は上刃側のナイフバー8を左右スライド自在に支持する上刃ガイド17と下刃側のナイフバー9を左右スライド自在に支持する下刃ガイド18とがユニット化されて1組となって構成されており、上刃ガイド17は、前端面がナイフバー8の後端面と当接するように後端側が受刃台3に固定されたプレート状のガイド(後ガイド)19と、該後ガイド19にナイフクリップ21を介して固定され、後端面がナイフバー8の前端面と当接するガイド(前ガイド)22とから構成されている。
【0012】また下刃ガイド18は、前端面がナイフバー9の後端面と当接するように後端側が受刃台3に固定されたプレート状のガイド(後ガイド)23と、後端面がナイフバー9の前端面と当接するように受刃台3に固定されたガイド(前ガイド)26とから構成されている。つまり上下の刈刃4,6は各ナイフバー8,9の前後が前ガイド22,26及び後ガイド19,23に左右スライド自在に狭持されて、受刃台3に左右スライド自在に位置決め取り付けされている。そしてスライドガイド14はナイフバー8,9に沿って複数設けられている。
【0013】なお上下の後ガイド19,23は共通のボルト27により受刃台3に固定されており、これにより上刃ガイド17と下刃ガイド18をユニット化して1つのスライドガイド14を構成せしめ、該スライドガイド14を受刃台3側に固定せしめている。また両後ガイド19,23間には上記ボルト27に外嵌されてスペーサ28が設けられており、上刈刃4と下刈刃6とを背面同士スライド自在に当接せしめている。
【0014】このとき前述のように両ナイフヘッド12,13は、ナイフバー8,9に固定されているが、上刈刃側のナイフヘッド12は、該ナイフヘッド12に隣接するスライドガイド14aの上刃ガイド17aに近接する位置(スライドスペースは確保されている)でナイフバー8に固定されており、また下刈刃側のナイフヘッド13のナイフバー8との固定側に隣接するスライドガイド14aにおける後ガイド23aが、ナイフヘッド13とナイフバー9との固定位置近傍まで延出するとともに、図3,図4(b)に示されるように上記延出部30の端部側がボルト25等を介して受刃台3に固定されている。
【0015】一方図1,図2に示されるように前述の駆動機構7は上記受刃台3の後方側に配置されており、前述のナイフヘッド8,9と、該ナイフヘッド8,9に連係されてナイフヘッド8,9を左右方向にスライド駆動する駆動部31とからなり、該駆動部31は従来同様前処理部側から駆動力が入力されるように構成されている。そして上記駆動部31は上刈刃4側のナイフヘッド12(受け12a)にピン32を介して連結されるアーム33と下刈刃側のナイフヘッド13(受け13a)にピン34を介して連結されるアーム36とを、回転駆動される回転部材37によりロッド38を介して駆動することでナイフヘッド12,13を左右スライド移動させる従来公知の構造となっている。
【0016】以上により駆動機構7により上下の刈刃4,6がナイフバー8,9を介して左右スライド駆動されるが、このスライド駆動時にナイフヘッド12,13の駆動支点(受け12a,13aに係合するピン32,34)からナイフヘッド12,13とナイフバー8,9との固定点までのスライド方向に交差する方向の距離により、ナイフバー8,9にはスライド方向に対するねじりモーメントが発生する。そしてこのねじりモーメントは上記スライドガイド14により受けられるが、このとき上記モーメントの多くはナイフヘッド12,13に隣接するスライドガイド14aにより受けられる。
【0017】そしてこのナイフヘッド12,13に隣接するスライドガイド14a(上刃ガイド17及び下刃ガイド18)は上記構造により上下のナイフヘッド12,13のナイフバー8,9との固定部分と近接するため、ナイフバー8,9側にかかる負担が小さく、上記モーメントはスライドガイド14aにより安定して受けられる。特にスライドガイド14aにおける下刃ガイド18の後ガイド23aの延出部30(端部)が受刃台3に固定されているため、上記後ガイド23aにかかる負荷も小さく、上記延出部30の破損等も防止され下刃ガイド18においても上記モーメントを安定して受ける。
【0018】このため刈刃4,6のスライド駆動により発生するねじりモーメントに起因する穀稈切断装置S側(刈刃4,6やナイフバー8,9等)の破損や、スライドガイド14とナイフバー8,9とのがたの増加等が防止され、穀稈切断装置の作動に起因した構造不良等が防止される。すなわちナイフバー8,9等の強度を必要以上に大きくすることなく上記モーメントを安定して受けることができ、ナイフバー8,9の板厚を比較的薄くすることができ、省スペース且つ低コストで穀稈切断装置Sが構成せしめられている。
【0019】一方図1〜図3,図4(c)に示されるように受刃台3の左右両端側に位置するスライドガイド14bにおける下刈刃側の後ガイド23bは、後端側が受刃台3側から後方に突出しており、この突出部分には左右方向にピン等からなる係止具(フック部材)41が固定されている。そして図1,図2に示されるように前述のコンバインの前処理部側には上記フック部材41を係脱自在に係合せしめる係合部42が設けられており、穀稈切断装置Sはフック部材41が係合部42に係合せしめられた状態で、前処理部側にボルト等で固定されている。
【0020】このため穀稈切断装置Sをコンバインから取り外す際に、ボルトの固定を解除しても穀稈切断装置Sの左右両端が係合部42を介して前処理部側に係合せしめられているため、分離せず穀稈切断装置の組付けやメンテナンス等を容易に行うことができるが、上記フック部材41がスライドガイド14側に取り付けられているため、フック部材41を穀稈切断装置に取り付けるための専用ステー等が不要であり、コストダウンが図られている。
【0021】
【発明の効果】以上のように構成される本発明の構造によれば、駆動機構による刈刃の左右スライド駆動時に、駆動部材の駆動支点から刈刃側と駆動部材との固定点とのスライド方向に交差する方向の距離に因り発生するスライド方向に対するねじりモーメントが駆動部材に近接するスライドガイドによって受けられるため、ガイド杆等の強度を必要以上に大きくすることなく、上記モーメントに起因する刈刃側の破損等を防止することができるという効果がある。
【0022】特にスライドガイドにおける駆動部材側の端部を固定フレーム側に固定せしめることにより、スライドガイド側の強度が増し、上記モーメント等をより安定して受けることができる。なお穀稈切断装置をコンバイン等の穀稈刈取作業機側に係止せしめる係止具をスライドガイドに取り付けることで、穀稈切断装置を穀稈刈り取り装置から取り外す際にボルトの固定を解除しても穀稈切断装置が穀稈刈取装置から分離しないが、このとき上記係止具を取り付けるための専用のステー等が不要であり、コストダウンが図られる。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成11年2月9日(1999.2.9)
【代理人】 【識別番号】100081673
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 誠
【公開番号】 特開2000−228906(P2000−228906A)
【公開日】 平成12年8月22日(2000.8.22)
【出願番号】 特願平11−31223