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【発明の名称】 跨走型茶園管理機
【発明者】 【氏名】西野 寛行

【要約】 【課題】茶葉の収容部全体を容易に着脱できるような構造とし、これによって茶畝上面を均一に刈り取りながらも、刈り取った枝葉を走行機体に詰まらせることが、ほとんどないようにした新規な跨走型茶園管理機を提供する。

【解決手段】本発明の跨走型茶園管理機1は、走行機体2と、剪枝や摘採作業等適宜の茶園管理作業を行う管理機体3とを具え、走行機体2の後方には、管理機体3の一例である摘採機体30によって摘採された茶葉を収容する収容部4全体が、工具なしで着脱が行えるように設けられることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 茶畝を跨ぐように走行する走行機体と、この走行機体によって茶畝上面に位置するように支持され、剪枝や摘採作業等適宜の茶園管理作業を行う管理機体とを具えて成る茶園管理装置において、前記走行機体の後方には、前記管理機体の一例である摘採機体によって摘採された茶葉を収容する収容部全体が、着脱自在に設けられることを特徴とする跨走型茶園管理機。
【請求項2】 前記収容部の着脱に際しては、工具なしで着脱が行えることを特徴とする請求項1記載の跨走型茶園管理機。
【請求項3】 前記走行機体は、クローラ型であることを特徴とする請求項1または2記載の跨走型茶園管理機。
【請求項4】 前記管理機体は、前記走行機体のほぼ中央上部から後方までの間を、前後位置設定自在に取り付けられることを特徴とする請求項1、2または3記載の跨走型茶園管理機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一つの走行機体に対して、茶の幹枝を剪除する剪枝機体や茶葉(茶芽)を摘採する摘採機体あるいは薬液散布を行う防除機体等種々の管理機体を作業に応じて選択的に取り付けて茶園管理を行う管理機に関するものであって、特に摘採作業時に使用される収容部全体を容易に着脱できるようにしたことによって、種々の管理作業の効率化を図った新規な跨走型茶園管理機に係るものである。
【0002】
【発明の背景】例えば茶畝を跨ぐように走行するクローラ型の走行機体に対して、作業に応じて剪枝機体、摘採機体、防除機体等適宜の管理機体を茶畝上面に位置するように支持した跨走型の茶園管理機が存在するが、通常このような管理機は、摘採作業時に使用される茶葉の収容部が管理機体の後方に設けられている。そしてこのような管理機によって例えば剪枝作業の一つである中刈作業を行うにあたっては、中刈機体を摘採機体取付位置すなわち走行機体のほぼ中央部分、あるいは走行機体の後方位置に取り付けることが多かった。
【0003】このように、中刈機体を摘採機体取付位置に取り付ける場合には、中刈機体が、走行体のほぼ中央に位置するため、畑地の凹凸に対して平均した位置で刈り取りを行えるが、刈り取られた枝葉についてみると、このものが、例えば茶葉の収容部を構成している茶葉収容台等によって跳ね返され、周辺に飛散するなどして、走行機体のクローラ等に詰まる傾向があり、その修復等に大変な手間を要するという問題があった。一方このような茶葉収容台についてみると、このものをほぼ水平方向からほぼ鉛直方向に回動自在とし、言わば後方から逃がすようにした管理機も存在するが、これは本来管理機の後方張出寸法を短縮し、旋回等の取り回しやすさを向上させることを主眼に採られた手法であった。このため多くの場合回動自在に構成されるのは茶葉収容台の後部のみであり、茶葉収容台の前部いわゆるアール台は、元々管理機体を昇降自在に支持するスライダーに固定状態に取り付けられる形態がほとんどであり、このアール台が中刈機体の直後方に存在する以上、上述した枝葉の詰まりの問題は解消し切れていないのが現状であった。
【0004】また中刈機体を走行機体の後方位置に取り付ける場合には、刈り取った枝葉がクローラ等に詰まることがない点で、良好であるものの、摘採機体取付位置に取り付けた場合に比べると、進行方向におけるピッチング(縦揺れ)が大きく、畑地に凸部などがあると、刈り面の前後に段差ができやすいという欠点があった。加えてアール台が、昇降自在に形成されたスライダーに固定状態に取り付けられている多くの管理機では、たとえ茶葉収容台の後部を回動させてほぼ鉛直方向に立ち上げても、中刈機体をアール台の後方に取り付ける形態を余儀なくされるため、管理機の後方張出寸法は必然的に長くなり、管理機を旋回させるスペースも広く要求され、管理機の取り回し性を低下させる要因ともなっていた。
【0005】
【開発を試みた技術的課題】本発明はこのような背景を認識してなされたものであって、アール台を含め茶葉の収容部全体を容易に着脱できるような構造とし、これによって茶畝上面を均一に刈り取りながらも、刈り取った枝葉を走行機体に詰まらせることが、ほとんどないようにした新規な跨走型茶園管理機の開発を試みたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち請求項1記載の跨走型茶園管理機は、茶畝を跨ぐように走行する走行機体と、この走行機体によって茶畝上面に位置するように支持され、剪枝や摘採作業等適宜の茶園管理作業を行う管理機体とを具えて成る茶園管理装置において、前記走行機体の後方には、前記管理機体の一例である摘採機体によって摘採された茶葉を収容する収容部全体が、着脱自在に設けられることを特徴として成るものである。この発明によれば、剪枝作業時などの摘採作業時以外には、茶葉を収容する収容部全体を取り外す形態が可能であり、例えば中刈り作業時などに刈り取った枝葉が走行機体に詰まることをほぼ完全に防止できる。
【0007】また請求項2記載の跨走型茶園管理機は、前記請求項1記載の要件に加え、前記収容部の着脱に際しては、工具なしで着脱が行えることを特徴として成るものである。この発明によれば、収容部の着脱が工具を必要とせずに行えるため、着脱が容易であり、工具を常備する必要もない。
【0008】更にまた請求項3記載の跨走型茶園管理機は、前記請求項1または2記載の要件に加え、前記走行機体は、クローラ型であることを特徴として成るものである。この発明によれば、走行機体がクローラ型であっても、刈り取った枝葉がほとんど詰まることがなく、作業者は本来の刈り取り作業に専念することができ、管理作業の効率化が図れる。
【0009】更にまた請求項4記載の跨走型茶園管理機は、前記請求項1、2または3記載の要件に加え、前記管理機体は、前記走行機体のほぼ中央上部から後方までの間を、前後位置設定自在に取り付けられることを特徴として成るものである。この発明によれば、剪枝機体等の管理機体の位置を、前後自在に設定できるため、例えば刈り込みの深さやその仕上げ程度などの種々の条件に対応できる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。まず本発明の跨走型茶園管理機1の説明に先立ち、本発明の名称中及び本明細書に記載する「茶園管理」について説明する。この「茶園管理」とは、樹形を整え樹勢の回復を図るために枝幹を剪除する剪枝作業や、実際に茶葉を摘採する摘採作業や、茶畝Tに薬液を散布する防除作業等のいわゆる茶園管理作業を総合的に示すものである。因みに剪枝作業は、いわゆる刈ならし機による整枝作業、浅刈機による浅刈り作業、軽剪枝機による深刈り作業、中刈機による中刈り作業、刈込機による台刈り作業、裾刈機による裾刈り作業すべてを総称するものである。本発明の跨走型茶園管理機1は、一例として図1に示すように茶畝T上を跨ぐように走行する走行機体2と、この走行機体2によって茶畝T上面に位置するように支持される管理機体3とを具えて成るものである。なお管理機体3は、作業に応じて剪枝機体、摘採機体、防除機体などが適用される。そしてこの管理機体3の直ぐ後方には、摘採作業時に摘採した茶葉を収容する収容部4が設けられる。以下各構成部について説明する。
【0011】まず走行機体2について説明する。このものは一例として図1、2に示すように茶畝Tを跨ぐように概ね門形状に形成されたフレーム部21を骨格部材とし、このフレーム部21に対し下方にクローラ22を設けるとともに、このクローラ22の上方に管理機体3が取り付けられる。そして管理機体3を操作するためのコントロールユニット23、クローラ22等を駆動させるためのエンジンユニット24、管理機体3及び収容部4の等の昇降に関与するスライダ25、作業者が座る操縦者用シート26等がフレーム部21に設けられる。なおこの実施の形態では、走行機体2はクローラ型のものが適用されるが、この他にも例えば作業者が搭乗することなく管理作業が行えるいわゆるレール走行式のものを適用することも可能である。
【0012】また走行機体2の両サイドに設けられるスライダ25は、後述する収容部4を着脱自在に保持することから、一例として図3に示すように収容部4を実質的に保持する保持ブラケット27と、収容部4の先端部分を受ける円柱状等の当接受け部28とが管理機の内側に張り出すように設けられる。保持ブラケット27は、スライダ25からほぼ水平方向に張り出すように形成された板状部材27aに対し、収容部4を案内するガイド27bがほぼ鉛直方向に立ち上げ形成されるとともに必要に応じて板状部材27aの下方が適宜補強されて成るものである。また板状部材27aのほぼ中央部分には、保持する収容部4の位置決め作用を担う係合孔27cが開孔されている。
【0013】次に管理機体3について説明する。この管理機体3は上述したように剪枝機体、摘採機体、防除機体などを適用し、種々の茶園管理作業を実質的に行うものであり、前記スライダ25によって、昇降自在に支持されるものである。なおここでは管理機体3の一例である摘採機体30について説明する。摘採機体30は、一例として図1、2に示すようにその上方に平行に二本の摘採機フレームパイプ31を配設するとともに、その下方に茶畝T上面の円弧に沿うような摘採機フレーム基板32をほぼ平行に設け、更に摘採機フレームパイプ31の片側の寄った位置に摘採機エンジン33を搭載する。そしてこの摘採機エンジン33によって一例としてバリカン刃を適用した刈刃34が駆動されるとともに、摘採機エンジン33の下方に一体的に組み付けたファンからの送風を摘採機フレーム基板32上に吹き出すための送風ダクト35を刈刃34の斜め上前方に配設する。なお刈刃34は、摘採機フレーム基板32の前方ほぼ延長上に設けられる。
【0014】次に収容部4について説明する。収容部4は、摘採された茶葉を収容する部分であって、種々の管理作業の中、通常摘採作業時に使用されるものである。そして収容部4は、茶畝T上面にほぼ沿うような曲面状に形成されるものであり、一例として図1、2に示すように刈刃34のほぼ後方に位置するように、前記スライダ25に対し着脱自在に設けられるアール台41と、茶葉を収容する収葉袋等を実質的に載置する収容台42とを具えて成るものである。アール台41は、摘採機フレーム基板32と、収容台42とを接続するものであり、先端部分にスライダ25の当接受け部28に掛止される当接部43が形成されるとともに、左右両端ほぼ中央部分にスライダ25の係合孔27cに係合する係合突起44が形成されており、保持ブラケット27と、当接受け部28とによって簡単且つ確実に保持されるものである。収容台42は、アール台41の後方に接続され、一例としてスライダ25から固定状態に設けられた油圧シリンダ45の摺動子45aの伸縮によって回動自在に構成され、輸送時等にはほぼ鉛直方向に立ち上げた状態で格納されるものである。因みに本明細書中「発明の背景」で述べた茶葉収容台とは、上述したアール台41及び収容台42とを併せて意味するものである。
【0015】次に以上のように構成された跨走型茶園管理機1における収容部4の着脱態様について説明する。説明にあたっては、収容部4を摘採機体30の後方に張り出すようにした取り付け状態を初期状態として説明する。
(1)初期状態この取り付け状態は、通常茶葉を摘採する作業時などにおける状態であり、後方張り出し状態に展開された収容台42上には、摘採した茶葉を収容する収葉袋等が載置される。そしてこの初期状態にあっては、図4(a)に示すようにアール台41の左右両端部がスライダ25の当接受け部28と保持ブラケット27との間に挟まれた状態となって保持されている。もちろんこの状態で、アール台41の係合突起44が、スライダ25の係合孔27cに嵌め込まれた状態となっている。
【0016】(2)収容台の取り外しこの状態から収容部4を取り外すには、図4(b)に示すように収容台42を回動自在に支持する油圧シリンダ45の摺動子45aの接続を解除する。
【0017】(3)アール台の取り外しそしてこのような収容台42の解除作業に伴い、アール台41をスライダ25から取り外すが、これにはまず当接受け部28を基点として、アール台41の後方を幾分持ち上げるように回動させることにより、位置決め作用を担っていた係合突起44と、係合孔27cとの係合を解除する。その後図4(c)に示すように収容台42とともにアール台41をガイド27bに沿って後方に引き抜き、収容部4全体を管理機から取り外す。このように収容部4を取り外した後、例えば摘採機体30を取り付けていた位置に剪枝機体を取り付け、剪枝作業を行えば剪枝機体は、走行機体2のほぼ中央上部に位置するため比較的均一な刈取りが行えるとともに、アール台41が存在しないために刈り取った枝葉がクローラ22等に詰まることもほとんどない。
【0018】なお通常アール台41と収容台42とは一体的に活用されることから、この実施の形態では、アール台41の取り外しにあたっては、アール台41と収容台42との接続そのものは解除せずに、両者を一体的に取り外す形態を採るものであるが、必要に応じてアール台41と収容台42との接続を解除して、各々別々に取り外す形態も可能である。もちろんその場合には、アール台41と収容台42との接続または解除作業は工具なしで容易に行える形態が好ましい。またこのように収容部4を管理機から取り外した状態から取り付ける場合には、上述した順序を逆に行うものである。
【0019】
【他の実施の形態】本発明は以上述べた実施の形態を一つの基本的な技術思想とするものであるが、更に次のような改変が考えられる。すなわち先の図1〜4に示した実施の形態は、スライダ25に対して管理機体3の前後位置がほぼ一義的に決定されるものであった。しかしながら、例えば図5に示すように剪枝機体等の管理機体3の左右両端部に転動自在な車輪36を設け、一方スライダ25にはこの車輪36を受けるレール29を形成し、管理機体3をモータシリンダ等によって前後移動させる形態等が採り得る。そしてこのような構造を上述した跨走型茶園管理機1に併せ持たせることによって、クローラ22の後方すなわちアール台41を取り付けていた位置まで管理機体3を移動させることが容易にでき、刈り込み深さやその仕上げ程度などの種々の条件に応じた刈り込み作業等が行える。
【0020】また先の図1〜4に示した実施の形態は、アール台41をスライダ25に取り付ける際、アール台41の左右両端部を保持ブラケット27と、当接受け部28によって保持する形態を基本構造とするものである。しかしながら、例えば図6に示すようにきざみ付きボルトや蝶ボルト等のボルトBを手動操作するこによって取り付ける形態も可能であるし、あるいはピン状部材をスライダ25とアール台41とに嵌め込んだ後クリップ等によって抜け止めを図る手法等種々の取り付け形態が採り得るものである。要は工具を使用せずにアール台41の着脱が容易に行えれば、どのような形態であっても構わないのである。
【0021】
【発明の効果】この発明によれば、剪枝作業時などの摘採作業時以外には茶葉を収容する収容部4全体を取り外す形態が可能であり、例えば中刈り作業時などに刈り取った枝葉がクローラ22等に詰まることをほぼ完全に防止できる。また収容部4の着脱にあたっては、工具を必要とせずに行えるため、着脱作業が容易であり、工具を常備する必要もない。更にまた剪枝機体等の管理機体3の位置は、前後自在に設定できるため、例えば刈り込みの深さやその仕上げ程度などの種々の条件に対応できる。
【出願人】 【識別番号】000104386
【氏名又は名称】カワサキ技研株式会社
【出願日】 平成11年2月5日(1999.2.5)
【代理人】 【識別番号】100086438
【弁理士】
【氏名又は名称】東山 喬彦
【公開番号】 特開2000−224911(P2000−224911A)
【公開日】 平成12年8月15日(2000.8.15)
【出願番号】 特願平11−28477