トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 刈取結束機
【発明者】 【氏名】矢田 猛

【要約】 【課題】刈取結束装置5及びエンジン6aとトランスミッション6を安定よく支持し、簡潔で剛性高く構成することができる刈取結束機を提供する。

【解決手段】ハンドル2の下方に設けたエンジン6aと連結するトランスミッション6から伝動ケース60内に設けたチエン伝動装置を介して車輪3aを駆動するとともに、トランスミッション6から前方に延出させた伝動筒70内の伝動軸を介して刈取部5aと結束部5bとからなる刈取結束装置5を駆動させる刈取結束機であって、刈取部5aと結束部5bを伝動する縦伝動ケース71と伝動筒70とを下向きL字状に連結するとともに、ハンドル2で縦伝動ケース71の下部と伝動筒70の後部を連結することにより、縦伝動ケース71および伝動筒70とハンドル2より側面視で三角形状の枠組構造に構成した刈取結束機にしている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ハンドル2の下方に設けたエンジン6aと連結するトランスミッション6から伝動ケース60内に設けたチエン伝動装置を介して車輪3aを駆動するとともに、前記トランスミッション6から前方に延出させた伝動筒70内の伝動軸を介して刈取部5aと結束部5bとからなる刈取結束装置5を駆動させる刈取結束機において、前記刈取結束装置5の刈取部5aと結束部5bに伝動する伝動軸を内装する縦伝動ケース71と伝動筒70とを下向きL字状に連結し、更にハンドル2で縦伝動ケース71の下部と伝動筒70の後部を連結することにより、縦伝動ケース71および伝動筒70とハンドル2より側面視で三角形状の枠組構造に構成した刈取結束機。
【請求項2】 ハンドル2をループ状に形成するとともに、ハンドル2のハンドル杆21,21の中間部を伝動筒70に連結固定する請求項1の刈取結束機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、刈取結束機の枠組構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ハンドルの下方に設けたエンジンと伝動連結するトランスミッションから伝動ケースを介して車輪を駆動するとともに、前記トランスミッションから前方に延出させた伝動筒を介して刈取部と結束部とからなる刈取結束装置を駆動させるようにした刈取結束機は、一般にハンドルを刈取結束装置の刈取フレームに設けたハンドル支持枠に固定することによりエンジンの上方で後方側に向けて延長して設けた構造を採用している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記のような従来のハンドルの支持構造は、刈取部から延長した支持枠にハンドルの下端を取付けた構造を採用する関係で、取付部の剛性構造が複雑になり大型のものなっている。また、刈取結束作業中に車輪が溝に落ち込んだりあるいは湿田で沈下したとき、更に畦を乗り越えるときハンドルの後端を持上げたり押したりする力によって、ハンドル全体が片持梁状の長いスパンを形成していることから撓み易い等の問題がある。
【0004】そこでハンドルの後端とトランスミッションとを補強部材で連結する手段も講じられるが、この場合は枠組構造が複雑になるとともに機体重量が増大する等の問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するための本発明に係る刈取結束機は、ハンドル2の下方に設けたエンジン6aと伝動連結するトランスミッション6から伝動ケース60内に設けたチエン伝動装置を介して車輪3aを駆動するとともに、上記トランスミッション6から前方に延出させた伝動筒70内の伝動軸を介して刈取部5aと結束部5bとからなる刈取結束装置5を駆動させる刈取結束機において、前記刈取結束装置5の刈取部5aと結束部5bに連結伝動する伝動軸を内装する縦伝動ケース71と伝動筒70とを下向きL字状に連結するとともに、ハンドル2で縦伝動ケース71の下部と伝動筒70の後部を連結することにより、縦伝動ケース71および伝動筒70とハンドル2より側面視で三角形状の枠組構造に構成している。また、ハンドル2をループ状に形成するとともに、ハンドル2のハンドル杆21の中間部を伝動筒70に連結固定するようにしている。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の刈取結束機の形態を説明する。1は平面視でコ字状のループ状のハンドル2と1輪走行用の車輪3aを有する機体3の前部に1条刈取り用の刈取部5aと結束部5bとからなる刈取結束装置5を備えた刈取結束機である。
【0007】この刈取結束機1の走行機体3は、機体の後部において従来ハンドル2の中央に設けていたエンジン6aを植立穀稈の既刈地側に寄せて配置し、また、未刈地側にこのエンジン6aの動力を入力してチエン伝動装置を介して車輪3a及び刈取結束機1を変速可能に伝動するトランスミッション(トランスミッションケース)6をハンドル2の幅内に納まるようにエンジン6aを近接させて左右に併設した構造としている。
【0008】そしてトランスミッション6の未刈地側に車輪3aの車軸とトランスミッション6を連結する伝動ケース60を出力軸部60aを介して回動可能に設け、これらを後述する枠組構造7を介してハンドル2を連結補強部材に兼ねて安定よく支持する構造にしている。
【0009】上記刈取結束装置5は、図3及び図4に示すように刈取部5aと結束部5bを前後に一体的にするとともに、前記枠組構造7を介して走行機体3に強固な枠剛性により機体の軽量化並びに良好な機体バランスを図ることができるように構成している。
【0010】即ち、前方の刈取部5aは1条分の植立穀稈を受け入れて刈取作業をさせる引起ケース61と引起ガイド61aと、後方下部の刈刃62を刈取フレーム6fに設け、この刈刃62の右側一側には、パッカー63,ニードル63a及び結節部等からなる結束部5bを配設し、このノッタケース6nを刈取フレーム6fの両側で支持枠体を兼ねるように形成させたそり枠65に固定している。そして、前記トランスミッション6から前側に向けて延出させた伝動筒70と縦伝動ケース71をT形に連結して引起ケース61に内装される引起装置と刈刃62と結束部5bを伝動するようにしている。
【0011】なお、この縦伝動ケース71の下端には、結束部5bと刈刃62と刈刃62を駆動させるカウンターケース66を、ノッタケース6nと刈取フレーム6fに固着し、更に縦伝動ケース71の上部は前端下部をそり枠65に固着した引起ケース61の上部と安定よく固着している。
【0012】また、図示例のハンドル2は把持部20をループ状に形成し、ハンドル杆21,21の前方の両端部を前記刈取結束装置5のそり枠65に、図3のように取付部65aを介して着脱可能に取付固定しているとともに、このハンドル杆21,21の中途部を図4のように連結杆22で連結し、左側のハンドル杆21に設けた取付ブラケット80を、後述する車輪調節機構8を介して伝動ケース60と連結することにより剛体枠に構成している。また、把持部20には通常の装置と同様に各種の操作レバーやエンジンスロットルレバー等の操作具を取付けている。
【0013】そして、前記枠組構造7は、前記伝動筒70と縦伝動ケース71とハンドル2のハンドル杆21を側面視において「略三角形状」に枠組みすることによって、枠崩れ等を生ずることのない剛体枠を、各取付部の強度や重量をことさら大きくすることなく形成している。
【0014】即ち、枠組構造7の伝動筒70は略水平に配置され、その先端部を刈取部5aに強固に縦方向支持されている縦伝動ケース71に、後端部を伝動ケース60に安定支持されているトランスミッション6にそれぞれ連結し、その内部に伝動軸70a(図4)を内装している。
【0015】そして、ハンドル2は左右のハンドル杆21,21の先端を下向きに屈曲し、その下端を縦伝動ケース71の下部近傍でそり枠65の後部に形成した取付部65aに固定し、且つその上方に設けた取付片21a(図3)を刈取フレーム6fとカウンターケース66に共締めして固定している。また、前記ハンドル杆21の中間部の連結杆22に設けた取付片22aで伝動筒70に設けた取付片70bと固定し、下向きL字状に一体的に形成された縦伝動ケース71と伝動筒70に対してハンドル杆21を筋かい状に配置して両者を連結し、これらの三者によって側面視で「略三角形状」の剛性を有する剛体枠構造に構成している。なお、右側のハンドル杆21の取付片21aはノッタケース6nとも連結させて強度の向上を図っている。
【0016】また、ハンドル2は、図2及び図3に示すようにハンドル杆21,21の中途部を伝動ケース60と車輪調節機構8を介して支持することにより、ハンドル2と車輪3aとの間隔を変更して車輪3aを上下調節可能に構成しており、刈取結束機1を乾田及び湿田における刈取結束作業に適宜対応することができるようにしている。
【0017】この車輪調節機構8は、ハンドル杆21に垂設した取付ブラケット80と伝動ケース60から上向きに突設した長孔81付きの取付ブラケット82とを、操作レバー83を設けた取付軸84で緩緊可能に締着して伝動ケース60とトランスミッション6の出力軸部60aを中心に、前記長孔81の範囲内でハンドル2に対する車輪3aの距離を調節できるように回動可能に支持している。
【0018】なお、9は刈取部5aの刈刃62の上方から結束部5b側に向けて刈取穀稈を誘導案内することができるように設けた案内板であり、9aはこの案内板9の後方で伝動筒70の上方に設けた結束紐の受台である。
【0019】以上のように構成した刈取結束機1は、車輪調節機構8を調節して車輪3aの機体3に対する高さを圃場の乾湿田の状態に合せて位置決めして走行させることにより、刈取部5aで植立穀稈を刈取りながら結束部5bで所定の重量に結束して機外に放出して一連の刈取結束作業を円滑に行うことができる。
【0020】このような刈取結束作業を行うとき車輪3aが溝に落ち込んだり、湿田で沈下したり、あるいは畦を越える際には、作業者が強い力でハンドル2の手元を持上げたり押し下げたりする操作を行なっているが、この刈取結束機1は刈取結束装置5の刈取部5aと結束部5bを連結して伝動する縦伝動ケース71と伝動筒70とを下向きL字状ないしT字形に連結するとともに、ハンドル2で縦伝動ケース71の下部と伝動筒70の後部を連結することにより、縦伝動ケース71および伝動筒70とハンドル2より側面視で「略三角形状」の枠組構造7に構成している。
【0021】従って、この枠組構造7により、刈取結束装置5とエンジン6aとトランスミッション6とは、車輪3aを中心とする機体3の前後でバランスよく安定して支持されており、またハンドル2の手元に加えられる力は、このハンドル2を大きく撓ませることなく、前記の三角形状の枠組構造7に分散させることができ、その結果、枠組構造7の変形を防止しながら機体3の溝から簡単に脱出させたり、畦を越えたりすることができる。
【0022】さらに、ハンドル2をループ状に形成するとともに、ハンドル2のハンドル杆21の中間部を伝動筒70に連結固定することにより、力が取付部の特定な局部に集中することがなく、従って、機体3の各構成部材を利用して単に連結する等の簡単な手段で枠組構造7を簡潔に構成できるので、軽量で廉価な刈取結束機1を提供することができる。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る刈取結束機では、刈取結束装置5の刈取部5aと結束部5bを連結し、伝動する縦伝動ケース71と伝動筒70とを下向きL字状に連結するとともに、ハンドル2で縦伝動ケース71の下部と伝動筒70の後部を連結することにより、縦伝動ケース71および伝動筒70とハンドル2より側面視で三角形状の枠組構造に構成している。
【0024】従って、機体3の前後で刈取結束装置5及びエンジン6aとトランスミッション6を安定よく支持することができ、更にハンドル2の手元に加えられる力を三角形状の枠組構造7で分散させ、この枠組構造7の変形等を良好に防止することができる。
【0025】また、ハンドル2をループ状に形成するとともに、ハンドル2のハンドル杆21の中間部を伝動筒70に連結固定することにより、ハンドル2の剛性を高めた簡潔で廉価な構成の刈取結束機1を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成11年1月26日(1999.1.26)
【代理人】 【識別番号】100066865
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 信一 (外2名)
【公開番号】 特開2000−209929(P2000−209929A)
【公開日】 平成12年8月2日(2000.8.2)
【出願番号】 特願平11−16615