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【発明の名称】 作物の残物回収装置
【発明者】 【氏名】喜多 毅

【要約】 【課題】圃場の土に埋まった作物の残物を効率良く回収する。

【解決手段】走行機体1に、進行方向の前端が低く後端を高くなるように搬送コンベヤ手段5を配置し、該搬送コンベヤ手段5には、圃場から作物の残物25を掬い上げるタイン9を設け、搬送コンベヤ手段5の後方には回収バケット17を設ける一方、走行機体1には前記搬送コンベヤ手段5の前端より前方にて土壌を掘り起こす堀起し刃体15を配置した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行機体に、進行方向の前端が低く後端を高くなるように搬送コンベヤ手段を配置し、該搬送コンベヤ手段には、圃場から作物の残物を掬い上げるタインを設け、前記搬送コンベヤ手段の後方には回収バケットを設ける一方、前記走行機体には前記搬送コンベヤ手段の前端より前方にて土壌を掘り起こす堀起し刃体を配置したことを特徴とする作物の残物回収装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人参等の作物を収穫した後の残物を圃場から掘り起こして除去する残物回収装置の構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】実開平4−97928号公報では、海水浴場等の砂浜等に散らばっている流木片やゴミを回収するための装置として、走行機体に前下向き傾斜状に塵移送機構を設け、その後部に塵集積バケットを設ける一方、塵移送機構は無端ベルトの表面に多数のタインを植設するように構成し、塵移送機構の後部には、前記塵集積バケットの上方に伸びる多数のふるい線からなる分別装置を設けた構成が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の装置では、圃場に埋まっている作物であって、収穫作業後に残った残物(未熟なものや、腐ったもの)を掘り起こして除去することができなかった。また、圃場に埋まっているジャガイモ等の作物を掘り起こして収穫する装置(実開平5−37015号参照)を利用して、前記の残物の掘り起こし除去作業を実行すると、この収穫装置では、作物を傷めないようにするため作業速度が極めて遅くなるように設計されているので、作業効率が悪くなるという問題があった。
【0004】本発明では、従来の装置の欠点を解消して容易に圃場に埋設された作物の残物を掘り起こして除去できる残物回収装置を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、請求項1に記載の作物の残物回収装置は、走行機体に、進行方向の前端が低く後端を高くなるように搬送コンベヤ手段を配置し、該搬送コンベヤ手段には、圃場から作物の残物を掬い上げるタインを設け、前記搬送コンベヤ手段の後方には回収バケットを設ける一方、前記走行機体には前記搬送コンベヤ手段の前端より前方にて土壌を掘り起こす堀起し刃体を配置したことを特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】次に、本発明を具体化した実施形態について説明する。図1は作物の残物回収装置全体の側面図、図2は正面図である。この作物の残物回収装置は左右一対の走行クローラ2を備えた走行機体1の右側には、運転席や操縦ハンドル3を備えた運転部4を設ける。走行機体1の左側には、搬送コンベヤ手段5がその後端のプーリ6の箇所を中心にして上下回動可能に枢着されている。
【0007】この搬送コンベヤ手段5は、前記後端の駆動プーリ6と前端の従動プーリ7と図示しない中間のテンションプーリとに巻掛けられた多数本のベルトコンベヤ8と、隣接するベルトコンベヤ8の間で前記プーリに巻掛けられたチェン(図示せず)に装着されたピックアップ兼搬送用タイン9とからなり、ベルトコンベヤ8は図1において時計方向に回動移動する。これと同じ方向に回動移動するピックアップ兼搬送用タイン9は、搬送コンベヤ手段5の前部の下辺部位で搬送方向と略直角の下向きに起立し、従動プーリ7の箇所で前方から上向きに反転し、上辺部位では上向き状態を保持して後方に移動し、後端部(駆動プーリ6)の箇所で下向きに反転してから寝かせた状態で搬送コンベヤ手段5の下辺部位に移動するように循環する。
【0008】この搬送コンベヤ手段5の側面フレーム5aと走行機体1との間には、昇降用アクチュエータとしての油圧シリンダ11が配置されている。さらに、走行機体1の左右一対のブラケット12から搬送コンベヤ手段5の左右両側を挟んで前方向に伸びる平行リンク機構13の前端側には、下向きに伸びる左右一対の支持杆14を突設し、各支持杆14の下端には走行機体1の正面視にてL字状の堀起し刃体15を下向きに突設する。そして、搬送コンベヤ手段5の左右両側面フレーム5aから突設した偏心ローラ16,16を前記平行リンク機構13の下リンク13a等に当接させる。
【0009】また、前記搬送コンベヤ手段5より後部側には、回収バケット17が左右一対の昇降リンク18及び油圧シリンダ19を介して走行機体1に対して昇降可能に装着されており、下降位置では、前記搬送コンベヤ手段5より後方に伸びる篩線20の後端の下方に位置される。昇降リンク18と回収バケット17の側面との間に装架された姿勢制御用油圧シリンダ21により、当該回収バケット17の上面開口部が図示するように、ほぼ上向きの姿勢と図示しないが後方に位置する塵回収車の塵入口に向かうように後方下向き姿勢等を採ることができるものである。
【0010】走行機体1の後部側に配置されたエンジン22及びミッション23を介して前記駆動プーリ6を回転させると共に各油圧シリンダ11、19、21に対する油圧ポンプ(図示せず)を駆動する。そして、前記昇降用の油圧シリンダ11を作動させて搬送コンベヤ手段5の前端側を下降させることにより、前記ピックアップ兼搬送用タイン9の先端が搬送コンベヤ手段5の前部の下辺部位で、圃場面10に若干もぐり込むようにセットすることができる。
【0011】また、作物の残物を圃場から堀起して回収する作業時には前記偏心ローラ16を回転させることにより、前記搬送コンベヤ手段5の前端より前方にて土壌を掘り起こす堀起し刃体15が圃場面10より下方でほぼ上下方向に揺動し、固い土壌をほぐし、土壌に中に埋まっている作物の残物を圃場面10近傍に浮き上がらせることができるように構成されている。
【0012】以上の構成によれば、通常の路上走行時には、油圧シリンダ11を作動(ピストンロッドを突出)させることにより、図1の二点鎖線に示すように、搬送コンベヤ手段5を、その前端側を上方に上げるように回動させる。そのとき、搬送コンベヤ手段5の左右両側に設けた偏心ローラ16,16を介して前記平行リンク機構13の下リンク13aを上向きに押し上げるので、堀起し刃体15も路面(地面)より上方に上昇し、路面と衝突しない。
【0013】圃場に埋まっている人参等の作物の残物25を掘り起こしつつ、除去する作業を実行する時には、前記油圧シリンダ11を作動させて、搬送コンベヤ手段5の前端を下降させ、ピックアップ兼搬送用タイン9 下端が圃場面10に若干潜り込むようにし、且つ堀起し刃体15も圃場面10の下に潜るようにセットする。この状態で、搬送コンベヤ手段5を駆動させながら前進させると、偏心ローラ16,16が回転するので、平行リンク機構13はブラケット12におけるリンクの基端枢支点箇所を中心にして上下揺動振動するので、堀起し刃体15も圃場面10の下の土をほぐすように上下振動しながら前進するから、土中の残物25が圃場面10の上側に浮き上がる。この残物25は搬送コンベヤ手段5におけるピックアップ兼搬送用タイン9 で掬い上げられて、ベルトコンベヤ8にて後方に移送でき、残物25のみが篩線20上を転がって、回収バケット17に集積させることができる。
【0014】この回収バケット17に集まった残物25を塵回収車等の他の移送手段に移すには、油圧シリンダ19を作動して回収バケット17を上昇させ、その後姿勢制御用油圧シリンダ21を駆動して、回収バケット17の開口部を後方に傾ける等して残物25を排出させればよい。残物25を掘り起こして回収するとき残物25に傷が付いてもかまわないから、前記ピックアップ兼搬送用タイン9及びベルトコンベヤ8の回転速度を早くして堀起し搬送速度を早くして作業速度を高速にして効率にすることができる。
【0015】なお、図1に示すように、堀起し刃体15を単独にて昇降可能に構成するため、搬送コンベヤ手段5の側フレーム5aに昇降油圧シリンダ22の基端を回動可能に枢着する一方、該昇降油圧シリンダ22のピストンロッドの先端の上下長孔に平行リンク機構13から横向き突設したピンを遊嵌させておく。これにより、上述の作物の残物25を掘り起こす時には、昇降油圧シリンダ22を収縮させて、堀起し刃体15が圃場面10より下方にあるようにセットするが、浜辺等の塵を回収する作業を実行するときには、昇降油圧シリンダ22を伸長させて、堀起し刃体15が圃場面10より大きく上方になるようにセットする一方、搬送コンベヤ手段5におけるピックアップ兼搬送用タイン9 の先端は砂地に潜るように下降させた姿勢に保持し、これにて砂地中の塵を掬い上げるようにする。しかして、本装置により、作物の残物回収とビーチクリーナ兼用できることになる。
【0016】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の作物の残物回収装置は、走行機体に、進行方向の前端が低く後端を高くなるように搬送コンベヤ手段を配置し、該搬送コンベヤ手段には圃場から作物の残物を掬い上げるタインを設け、前記搬送コンベヤ手段の後方には回収バケットを設ける一方、前記走行機体には搬送コンベヤ手段の前端より前方にて土壌を掘り起こす堀起し刃体を配置したので、この堀起し刃体を圃場の土内に潜らせて走行機体を前進させると、土がほぐれる。この状態で搬送コンベヤ手段の前端のタインにより作物の残物を掬い上げることが簡単にでき、掬い上げられた残物は搬送コンベヤ手段にて走行機体の後方の回収バケットに容易に回収することができるから、圃場の土中や表面に残った作物の残物をしごく容易に除去回収することができるという効果を奏する。
【0017】そして、走行機体自体の前進速度及び搬送コンベヤ手段の速度も早くできるから作業効率を向上させることができるという効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【出願日】 平成11年1月19日(1999.1.19)
【代理人】 【識別番号】100079131
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 暁夫 (外2名)
【公開番号】 特開2000−209918(P2000−209918A)
【公開日】 平成12年8月2日(2000.8.2)
【出願番号】 特願平11−10435