| 【発明の名称】 |
コンバインの車高制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】戸波 照喜
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| 【要約】 |
【課題】左右一対の走行装置と、該走行装置に支持する機体の左右支持高さを調節する左右一対の昇降駆動手段と、該機体の左右支持高さを検出する車高センサと、機体の左右傾斜角を検出する水平センサを備えた従来のコンバインにおいて、作業終了時には機体の左右支持高さを車高の最下限となるよう制御していたため、機体の下部が地面につかえる場合がある、という問題があった。
【解決手段】左右一側を基準として作業終了時の基準終了高さを設定し、終了時における基準側の支持高さが、基準終了高さよりも高い場合には、該基準終了高さに機体を昇降制御し、一方、基準側の支持高さが前記基準終了高さよりも低い場合には、該基準側支持高さに機体を昇降制御し、基準となる側の基準側支持高さの作業終了直前の値に係数を乗じた基準終了高さに機体2を昇降制御する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 左右一対の走行装置に支持する機体の左右支持高さを可変調節する左右一対の昇降駆動手段を備え、機体の左右支持高さを検出する車高センサ及び機体の左右傾斜角を検出する水平センサを備えるとともに、機体の左右傾斜角を設定された傾斜角になるようにする制御手段を備えたコンバインにおいて、左右一側を基準として作業終了時の基準終了高さを設定し、終了時における基準側の支持高さが、基準終了高さよりも高い場合には、該基準終了高さに機体を昇降制御し、一方、基準側の支持高さが前記基準終了高さよりも低い場合には、該基準側支持高さに機体を昇降制御したことを特徴とするコンバインの車高制御装置。 【請求項2】 前記基準終了高さを、昇降駆動手段の全ストロークの約20%となるように設定したことを特徴とする請求項1記載のコンバインの車高制御装置。 【請求項3】 左右一対の走行装置に支持する機体の左右支持高さを可変調節する左右一対の昇降駆動手段を備え、機体の左右支持高さを検出する車高センサ及び機体の左右傾斜角を検出する水平センサを備えるとともに、機体の左右傾斜角を設定された傾斜角になるようにする制御手段を備えたコンバインにおいて、作業終了時の車高を、基準となる側の基準側支持高さの作業終了直前の値に係数を乗じた基準終了高さに機体を昇降制御したことを特徴とするコンバインの車高制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、左右一対の走行装置を機体に備え、該機体に対して前記走行装置をそれぞれ昇降操作する昇降駆動手段と左右傾斜角を検出する水平センサを具備し、機体の左右傾斜角を設定された傾斜角になるよう制御するコンバインにおいて、作業終了時の機体の車高制御(以下「作業終了制御」とする)を安全に行えるようにする技術に関する。 【0002】 【従来の技術】従来から、クローラー式走行装置等の左右一対の走行装置に機体を支持し、該機体の左右支持高さを可変調節する左右一対の昇降駆動手段と、機体の左右支持高さを検出する車高センサと、機体の左右傾斜角を検出する水平センサとを備えるとともに、機体の左右傾斜角を設定された傾斜角になるよう自動姿勢制御するコンバインは公知となっている。 【0003】このコンバインは、圃場での作業中に機体が左右いずれか一方に傾斜した際に、前記走行装置の一方を機体に対して昇降させ、機体を所望の左右傾斜姿勢に維持することとしている。特に、機体を水平に維持するよう設定した場合は、刈取作業時に、左右の刈り高さが同一となって穀稈長のバラツキが小さくなり、刈取性能を良好とするとともに、脱穀装置の揺動選別部における被選別物の偏在を少なくして、選別性能の向上を図ることができる。 【0004】また、刈取作業を行わず走行移動する際、すなわち脱穀作業等を終了して路上走行や畔越え等を行う時(以下「作業終了時」とする)は、機体の左右両側の支持高さが最下限となるように走行装置を機体の最近接位置に制御して、機体の重心高さを低くして走行安定性の確保及び転倒の防止を図ることとしたコンバインも公知となっている。また、脱穀装置等の各種装置が稼動中か否かを検出する手段を設け、装置が停止された場合は作業終了時であると判断して、上述の如き機体の低姿勢制御を自動的に行うコンバインも公知となっている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の如きコンバインは、作業終了時には機体の左右支持高さを車高の最下限となるように制御しているため、その高さのまま作業を行うと、機体の下部が圃場面の凸部につかえる場合がある。特に、湿田での作業中では走行装置が地面に沈み込みやすいため、作業が終了したときには機体が最下限まで下降するので、機体下部が地面に接触して損傷したり、機体下部が地面に乗り上げて走行不能となる、という問題があった。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に課題を解決するための手段を説明する。即ち、請求項1においては、左右一対の走行装置に支持する機体の左右支持高さを可変調節する左右一対の昇降駆動手段を備え、機体の左右支持高さを検出する車高センサ及び機体の左右傾斜角を検出する水平センサを備えるとともに、機体の左右傾斜角を設定された傾斜角になるようにする制御手段を備えたコンバインにおいて、左右一側を基準として作業終了時の基準終了高さを設定し、終了時における基準側の支持高さが、基準終了高さよりも高い場合には、該基準終了高さに機体を昇降制御し、一方、基準側の支持高さが前記基準終了高さよりも低い場合には、該基準側支持高さに機体を昇降制御したものである。 【0007】請求項2においては、前記基準終了高さを、昇降駆動手段の全ストロークの約20%となるように設定したものである。 【0008】請求項3においては、左右一対の走行装置に支持する機体の左右支持高さを可変調節する左右一対の昇降駆動手段を備え、機体の左右支持高さを検出する車高センサ及び機体の左右傾斜角を検出する水平センサを備えるとともに、機体の左右傾斜角を設定された傾斜角になるようにする制御手段を備えたコンバインにおいて、作業終了時の車高を、基準となる側の基準側支持高さの作業終了直前の値に係数を乗じた基準終了高さに機体を昇降制御したものである。 【0009】 【発明の実施の形態】次に、発明の実施例を説明する。図1は本発明に係るコンバインの全体構成を示す側面図、図2はオーガの駆動構成を示す側面図、図3は同じく平面図、図4は制御ブロック図、図5は姿勢制御手段を示す制御ブロック図、図6はオーガ旋回制御手段を示す制御ブロック図、図7は操作盤の構成例を示す平面図、図8は姿勢制御全体のシステム構成図、図9は姿勢制御のフローチャート図、図10は自動姿勢制御のフローチャート図、図11は全体車高制御のフローチャート図、図12は傾斜角制御のフローチャート図、図13は手動姿勢制御のフローチャート図、図14は作業終了制御Aのフローチャート図、図15は作業終了制御Bのフローチャート図、図16は作業終了制御Aにおいて基準支持高さが基準終了高さよりも高い場合の制御方法を示す説明図であり、(a)は制御前を示す説明図、(b)は制御後を示す説明図、図17は作業終了制御Aにおいて基準支持高さが基準終了高さよりも低い場合の制御方法を示す説明図であり、(a)は制御前を示す説明図、(b)は制御後を示す説明図、図18は作業終了制御Bにおける制御方法を示す説明図であり、(a)は制御前を示す説明図、(b)一回目制御後を示す説明図、(c)二回目制御後を示す説明図である。 【0010】まず、コンバインの全体構成について、図1乃至図3により説明する。コンバイン1の機体2前部には、引起し装置や、該引起し装置で引き起こされた穀稈を刈り取る刈取装置や、脱穀装置35に穀稈を搬送する搬送装置等からなる刈取部3が配置され、該刈取部3は刈取フレーム4によって支持され、昇降回動可能としている。 【0011】前記機体2には刈取部支持軸5が回動可能に左右水平方向に横架されており、上記刈取フレーム4は該刈取部支持軸5に固設されていて、刈取部3が該刈取部支持軸5を中心に上下揺動可能な構成としている。そして、刈取フレーム4には刈り高さ調節用昇降シリンダ6が連結され、該シリンダ6の伸縮作動により刈取部3が上下に昇降駆動される構成としている。 【0012】そして、前記機体2の下部にはクローラ式走行装置7L・7Rが左右一対で配置され、該クローラ式走行装置7L・7Rは、機体2の前後方向にトラックフレーム8を配置し、このトラックフレーム8の前端には駆動スプロケット10が取り付けられ、後端にはテンションスプロケット11が枢支されている。前記トラックフレーム8には可動フレーム9を相対上下動可能に連結しており、可動フレーム9に複数個の遊転輪体12・12・・を枢支している。 【0013】前記トラックフレーム8の前部及び後部にはそれぞれ略L字状に構成したベルクランク13a・13bの中途部が枢支され、両ベルクランク13a・13bの上端は連結ロッド14により連結されている。そして両ベルクランク13a・13bの他端には前記可動フレーム9を枢支している。 【0014】左右のトラックフレーム8後部のベルクランク13bにはクローラ式走行装置7L・7Rの昇降駆動手段たる姿勢制御用昇降シリンダ15L・15Rが連結されており、該姿勢制御用昇降シリンダ15L・15Rにはシリンダの伸縮動作を検出するストロークセンサ17L・17Rを設けている(図1においては図示省略)。この姿勢制御用昇降シリンダ15L・15Rの伸縮動作により、可動フレーム9がトラックフレーム8に対して相対的に上下に駆動され、この可動フレーム9の相対高さの変更によって機体2の左右一側の支持高さが調節される。 【0015】上記構成のクローラ式走行装置7L・7Rは、機体2の左右に配置され、左右のクローラ式走行装置7L・7Rに設けられた姿勢制御用昇降シリンダ15L・15Rはそれぞれ独立に伸縮可能としている。従って、左右の両シリンダ15L・15Rを各別に伸縮制御することによって、機体2の左右傾斜姿勢を制御することができる構成となっている。また、左右の姿勢制御用昇降シリンダ15L・15Rを同一方向に作動するよう制御することにより、機体2の地面に対する高さを制御することもできる。また、機体2の適宜位置には水平センサ16を配置しており、該水平センサ16により機体2の左右傾斜角を検出することとしている。 【0016】また、前記脱穀装置35においては、搬送装置によって搬送された穀稈の株元をフィードチェーン36によって挟持して後方へ搬送しながら、扱胴37によって脱粒が行われる。脱殻装置35の下部には選別装置が配置され、該選別装置によって選別された後の二番物は再度前記扱胴37又は処理胴へ還元され、籾は一番コンベアや揚穀コンベア38を介して操作部19の後部に配置したグレンタンク39に搬送される。該グレンタンク39内の下部に下部コンベア40が前後方向に設けられ、該下部コンベア40はスクリューコンベアより構成され、該下部コンベア40の後端が穀粒を排出する排出用のオーガ41に連通され、該オーガ41は縦送りする縦オーガ筒42と、その上部に水平方向に連通される横オーガ筒43より構成されている。 【0017】該縦オーガ筒42と横オーガ筒43とは筒内にスクリューコンベアを収納し、横オーガ筒43の先端には排出口44を設け、前記下部コンベア40の他端にエンジン45から動力伝達機構等を介して動力が伝達され、オーガ41内のコンベアを駆動する構成としている。この駆動によりグレンタンク39内の穀粒が下部コンベア40及びオーガ41を介して排出口44より排出されるのである。 【0018】そして、前記縦オーガ筒42の上部に横オーガ筒43の基部が上下回動自在に連通して取り付けられ、該縦オーガ筒42と横オーガ筒43の間には昇降シリンダ46が介装され、該昇降シリンダ46を伸縮駆動することにより横オーガ筒43を上下回動させ、排出口44の高さを調節することができる。 【0019】また、前記縦オーガ筒42は下部パイプ42aと上部パイプ42bに分割され、下部パイプ42a上に上部パイプ42bが回転自在に支持され、下部パイプ42aの他端がグレンタンク39の後面に固設され、上部パイプ42bの中途部外周に大径ギア47が一体的に固設され、該大径ギア47には図6の旋回モータ48の出力軸に固設した小径ギアを噛合させ、該旋回モータ48の駆動によって小径ギアが回動されて、大径ギア47を介して縦オーガ筒42が回転され、横オーガ筒43が水平方向に旋回されるのである。また、前記脱穀装置35上側で機体の対角線方向位置にオーガレスト49が配置されて、横オーガ筒43の中途部を支持できるようにして、この位置を収納位置としている。 【0020】次に、以上のような構成からなる姿勢制御手段とオーガ旋回制御手段の制御構成について、図4乃至図7により説明する。図4に示すように、姿勢制御手段32とオーガ旋回制御手段33は共にコントローラ18と接続され、いずれもスイッチ・センサー部32a・33aと駆動部32b・33bとから構成されている。このうち姿勢制御手段32については、図5に示すように、上記ストロークセンサ17L・17Rと水平センサ16はコントローラ18に接続されており、該コントローラ18は前記ストロークセンサ17L・17Rの検出値から機体2の地面に対する相対高さを算出することとしている。そして後述する傾斜角制御においては、コントローラ18は、水平センサ16の検出値から得られる機体2の絶対的な左右傾斜角が所定の設定値となるようにし、全車高制御においては、算出した機体の地面に対する高さが所定の設定値となるように、両姿勢制御用昇降シリンダ15L・15Rを伸縮制御するものとする。 【0021】前記コンバインの操作部19には操作盤20が設けられ、該操作盤20にはボリューム式の左右傾斜角設定器22が配置され、該左右傾斜角設定器22はツマミを回すことによって姿勢制御用昇降シリンダ15L・15Rを伸縮させ、機体2の左右傾斜姿勢の程度を調節できるようにしている。該操作盤20の構成例を図7に示す。該左右傾斜角設定器22は上記のコントローラ18に接続され、コントローラ18はその設定値を読み取って、該設定値を基に上記の如く姿勢制御用昇降シリンダ15L・15Rを伸縮制御するのである。 【0022】また、前記の刈取部支持軸5の適宜位置には角度センサ等からなる刈取部昇降センサ23を設けて刈取部3の機体2に対する相対的な高さを検出することとしている。また、機体2の正面視中央位置かつ刈取装置下面には超音波センサ等からなる刈り高さセンサ24を設けており、刈取装置の地面に対する絶対高さ(即ち、穀稈の刈取高さ)を検出することとしている。これら二つのセンサ23・24及び前記の刈り高さ調節用昇降シリンダ6は前記コントローラ18に接続されており、刈り高さセンサ24の検出値が所定の設定値となるように刈り高さ調節用昇降シリンダ6を伸縮制御することとしている。 【0023】前記操作部19には刈り高さ設定器25が設けられていて、このツマミを回すことによって穀稈の刈取高さを調節できるようにしている。この刈り高さ設定器25は前記コントローラ18に接続され、コントローラ18は該刈り高さ設定器25の設定値に基づいて上記の如く刈り高さ調節用昇降シリンダ6を伸縮制御する。 【0024】前記操作盤20には、さらに姿勢制御の自動・手動を切り替える自動姿勢制御スイッチ26が設けられ、該自動姿勢制御スイッチ26は前記コントローラ18に接続されている。コントローラ18は、該自動姿勢制御スイッチ26の「入切」を検出して、その検出結果を基に自動による姿勢制御を行うか、又は手動による姿勢制御を行うかを選択する。また、該自動姿勢制御スイッチ26とは別に、種々の作業姿勢に臨機応変に対応すべく自動姿勢制御中であっても強制的に自動から手動への制御方式の切替えが可能な手動操作レバー34を設け、コントローラ18に接続している。該手動操作レバー34は前後左右に傾動可能であり、前方に傾倒することにより、両姿勢制御用昇降シリンダ15L・15Rを縮めて車高を下降させ、後方に傾倒することにより、両姿勢制御用昇降シリンダ15L・15Rを伸ばして車高を上昇させる。また、左方に傾倒させると、姿勢制御用昇降シリンダ15L・15Rの両方又は一方を伸縮制御して左傾斜させ、右方に傾倒させると同様にして右傾斜させることができ、一本の操作レバーにより、車高と傾斜角の手動操作が可能な構成となっている。なお、30・30・・・は機体の車高レベルを示す車高表示ランプを示す。 【0025】一方、オーガ旋回制御手段33については、前記操作部19に上昇スイッチ50と下降スイッチ51、左旋回スイッチ52と右旋回スイッチ53、及びオーガクラッチ入切スイッチ54が設けられ、また、前記オーガレスト49上部にはオーガレストスイッチ74、旋回モータ48にはオーガ回動センサ75、さらに前記昇降シリンダ46にはオーガ昇降センサ76が設けられており、いずれも図6に示すように、前記コントローラ18と接続されている。 【0026】コントローラ18には駆動ユニット55を介して旋回モータ48が接続され、該旋回モータ48は前記旋回スイッチ52・53を操作することにより正逆転駆動されて横オーガ筒43が旋回される構成となっている。また、コントローラ18には前記昇降シリンダ46への圧油の送油を切替えるための電磁バルブ56が接続され、該電磁バルブ56は前記昇降スイッチ50・51を操作することにより切替えられ、前記横オーガ筒43を昇降できるようにしている。 【0027】また、旋回時にオーガが慣性で回転しないように、旋回モータ48停止時に制動をかけるオーガクラッチを入切するためのモータまたはソレノイド又はシリンダ等より構成されるアクチュエータ57と接続されており、前記オーガクラッチ入切スイッチ54を操作することによって、該アクチュエータ57が作動され、オーガクラッチを「入」として下部コンベア40を駆動してグレンタンク39内の穀粒を排出したり、「切」として駆動を停止することができる。なお、オーガ旋回制御のための操作部は、このような機体2上に限定されるものではなく、図2のように、オーガ41を使った作業の際に操作しやすい位置、たとえば排出口44側面等に設けることもできる。 【0028】さらに、このような昇降と旋回を行う際のオーガ41の位置・高さは、前記オーガ回動センサ75、オーガ昇降センサ76およびオーガレストスイッチ74により検出され、オーガ41が安全位置にあるか否かが判断される。この場合の安全位置とは、図2に示すようなトラック58への穀粒の排出作業中に脱穀スイッチ28を「切」等して後述する作業終了制御に移行した場合であっても、それに伴う機体2の急下降により該機体2上に設置されたオーガ41の先端近傍が、前記トラック58や作業者77を危うい状態にすることのないオーガ41の位置を意味する。例えば、横オーガ筒43が収納位置であるオーガレスト49に載置されている場合であり、この場合はオーガレストスイッチ74は「入」となっている。また、オーガ41が機体2の上方に相当する特定角度範囲内に位置しトラック58や作業者77への接触が起こりにくい場合であり、この場合は回動センサ75により位置を確認することができる。あるいは、横オーガ筒43の先部の高さが上限まで上昇している場合であり、この場合は前記昇降シリンダ46が最大ストローク長に設定されている。いずれの場合においても、コントローラ18はオーガ41が安全位置にあるものと判断して、後述の作業終了制御に移行するようにしている。 【0029】以上のような構成からなる作業中や作業終了時の機体の姿勢制御について、フローチャートを中心に、図8乃至図18により説明する。姿勢制御全体には、図8、図9に示すように、自動姿勢制御59、手動姿勢制御60、自動待機制御61、作業終了制御62の4種類があり、各制御間の切替えは、スイッチの入切とオーガ41の配置位置との関係に応じて自動的に行われるようにする。すなわち、前記自動姿勢制御スイッチ26と脱穀クラッチレバーの近傍に設けた前記脱穀スイッチ28との両スイッチが「入」にされると(S1、S2)、接続されたコントローラ18がそれを検出して自動姿勢制御59に移行する(64)。 【0030】そして、該自動姿勢制御59を行っている途中において、前記手動操作レバー34が前後左右のいずれかに傾倒にされ「ON」になると(S4)、該手動操作レバー34に接続されたコントローラ18がそれを検出して自動姿勢制御59を一旦停止させ、自動待機制御61に移行する(65)。さらに、該自動待機制御61中において、手動操作レバー34を中央の中立位置に戻し「OFF」にすると(S3)、即座に自動姿勢制御59に復帰させることができる(66)。 【0031】また、前記自動姿勢制御スイッチ26、脱穀スイッチ28のいずれかが「切」の状態では(S1、S2)、手動姿勢制御60を行う(63)。該手動姿勢制御60中に、脱穀スイッチ28が「切」にされ、オーガ41も前記安全位置にあることをコントローラ18が検出した場合には(S6)、作業終了制御62に移行する(68)。そして、該作業終了制御62が行われて機体高さが基準終了高さに達した後、あるいは前記手動操作レバー34を「OFF」とすることで、前記手動操作制御60に移行する(69)ことができる。 【0032】ここで、これらのうち自動姿勢制御59について、図10乃至図12により説明する。なお、以下に述べる制御は全て、機体の左右一方の側の支持高さを基準とした基準側支持高さをもとに行うが、本実施例においては、分かりやすいように、右側の支持高さ(=右支持高さ)を基準とした制御について示す。従って、左側の支持高さ(=左支持高さ)を基準とする場合については左右を逆に考えて適用すればよい。 【0033】自動姿勢制御59は全体車高制御70、傾斜角制御71の順に行い、全体車高制御70においては、左右一対の車高センサたるストロークセンサ17L・17Rにより左右の支持高さを検出して、操作盤20の手動操作レバー34により設定した右支持高さと比較する(S8)。該右支持高さと異なる場合は、それに応じて左右両側の前記姿勢制御用昇降シリンダ15L・15Rを制御バルブを介して伸長(縮小)作動させる(S9)。なお、該全体車高制御70を行った時点での右支持高さ、すなわち基準側支持高さを基準高さとし、傾斜角制御71の判断値とする。傾斜角制御71については、機体に取り付けた水平センサ16により機体の左右傾斜角を検出して、操作盤20の傾斜角設定器22により設定した傾斜角と比較する(S25)。該傾斜角と異なる場合には、それに応じて左右両側の姿勢制御用昇降シリンダ15L・15Rを各別に伸縮作動させて設定傾斜角とし、自動姿勢制御の制御フローを終了する。 【0034】このうちの傾斜角制御71については、図12に示すように、基準側と反対側の車高である左支持高さが上限にあり(S10)、しかも右支持高さが前記基準高さにあって、左(下がり)傾斜させる場合は(S13)、左支持高さ昇降制御となり、左支持高さが下降され、右支持高さは停止(固定)される。そして、右(下がり)傾斜させる場合は、左側を上げることができないので、右支持高さ昇降制御となり、左支持高さを停止し、右支持高さを下降させる(S14乃至S16)。また、左支持高さが下限にあり(S11)、右支持高さが前記基準高さにあって、右(下がり)傾斜させる場合は(S12)、左支持高さ昇降制御となり、左支持高さが上昇され、右支持高さは停止される。そして、左(下がり)傾斜させる場合は、左側を下げることができないので、右支持高さ昇降制御となり、左支持高さを停止し、右支持高さを上昇させる(S14乃至S16)。そして、左支持高さが上限でも下限でもない場合(S11)で、右支持高さが基準高さの場合は、左支持高さ昇降制御となり、また、右支持高さが基準高さでない場合には右支持高さ昇降制御となり、前記同様に制御され設定傾斜角とするのである。 【0035】また、前記手動姿勢制御60については、図13に示すように、自動姿勢制御59と同様、手動全体車高制御72、手動傾斜角制御73の順に処理し、該手動全体車高制御72、手動傾斜角制御73の内容構成についても同様であるが、前記姿勢制御用昇降シリンダ15L・15Rへの傾斜出力の方法については異なる。すなわち、手動姿勢制御60時には、車高出力を連続駆動で行うのに対し、自動姿勢制御59時には、現在の傾斜が目標値に対してかけ離れている場合には連続駆動で傾斜速度を速くし、傾斜が目標値に近づくとパルス駆動(所謂PWM制御)に切り替えて傾斜速度を遅くし、手動姿勢制御60なみに設定精度を高めるようにしている。なお、前記自動待機制御61については、手動姿勢制御60と同じ構成であり、自動姿勢制御59を一時的に中断したい場合に適用する。 【0036】次に、前記作業終了制御62としての作業終了制御62Aについて説明する。基準側の姿勢制御用昇降シリンダ15(本実施例では15R)が全ストロークの特定割合だけ動作した際の基準側支持高さに相当する全ストローク基準終了高さ79と、作業終了直前の基準側支持高さである右支持高さとを比較し(S17)、該右支持高さが前記全ストローク基準終了高さ79よりも高い場合には、図16に示すように、姿勢制御用昇降シリンダ15L・15Rを伸縮作動させて、左右の支持高さを全ストローク基準終了高さ79まで昇降する(S18)。また、右支持高さが前記全ストローク基準終了高さ79よりも低い場合には(S19)、図17に示すように、右側の姿勢制御用昇降シリンダ15Rは停止したまま、左側の姿勢制御用昇降シリンダ15Lのみを伸縮作動させて、左支持高さを右支持高さまで昇降する(S20)。 【0037】このように、路上走行や畔越え等を行うために作業終了時に車高を低くするにあたり、車高を直接制御する姿勢制御用昇降シリンダ15の全ストロークを基準として車高制御を行うため、迅速かつ確実に目標車高に設定することができる。特に本発明者らが鋭意調査した結果、いかなる機体特性や作業条件などにおいても、全ストロークの特定割合が少なくとも約20%あれば、確実に適正位置に機体が保持され、機体の下部が路面の凸部につかえることもなく、重心低下により走行安定性の確保や転倒の防止を図ることができることが判明した。また、作業終了高さの右支持高さが前記全ストローク基準終了高さ79よりも低い場合には、既にそれまで該右支持高さでの作業が可能であったことから、機体の下部が路面の凸部につかえる心配はないとの判断が可能であり、目標高さを該右支持高さとしている。 【0038】さらに、別構成による作業終了制御62Bについて説明する。作業終了直前の基準側支持高さに特定の係数を乗じて直前車高基準終了高さ80を算出し(S21)、該直前車高基準終了高さ80と車高の下限高さ78とを比較し(S22)、直前車高基準終了高さ80が下限高さ78よりも高い場合には、図18(a)(b)に示すように、左右の支持高さを該直前車高基準終了高さ80まで昇降する(S24)。逆に、直前車高基準終了高さ80が下限高さ78よりも低い場合には左右の支持高さを前記基準高さまで上昇させ(S23)、前記車高制御直後の安定した初期状態に復帰させる。 【0039】このように、作業終了時に車高を低下させるにあたり作業終了直前の基準側支持高さを基準として車高制御を行うため、直前車高基準終了高さ80は、図18(b)(c)に示すように作業の開始終了を繰り返すごとにゆっくりと下限高さ78に近づくこととなり、また、事前に目標車高を予測して下限高さ78と比較することができるため、急激な車高の低下により機体下部が路面に衝突する等の問題を回避することができる。なお、前記基準側支持高さの係数については80%程度が好ましいが、特に固定する必要はなく、通常の一日あたりの作業回数などの作業条件に応じて変更することができる。 【0040】また、以上のような作業終了制御62における姿勢制御用昇降シリンダ15L・15Rへの車高出力の方法については、前記自動姿勢制御59時と同様に、車高が目標値に対してかけ離れている場合には連続駆動とし、車高が目標値に近づくとパルス駆動に切り替えて遅くなるようにし、設定精度を向上させることができる。 【0041】 【発明の効果】本発明は以上如く構成したので、次のような効果を奏するのである。すなわち、請求項1においては、左右一対の走行装置に支持する機体の左右支持高さを可変調節する左右一対の昇降駆動手段を備え、機体の左右支持高さを検出する車高センサ及び機体の左右傾斜角を検出する水平センサを備えるとともに、機体の左右傾斜角を設定された傾斜角になるようにする制御手段を備えたコンバインにおいて、左右一側を基準として作業終了時の基準終了高さを設定し、終了時における基準側の支持高さが、基準終了高さよりも高い場合には、該基準終了高さに機体を昇降制御し、一方、基準側の支持高さが前記基準終了高さよりも低い場合には、該基準側支持高さに機体を昇降制御したので、作業終了時の車高を、作業終了直前の状況を元にして適正な高さに迅速かつ確実に設定することができるため、機体下部と路面との接触等の心配がなく、安定した路上走行や畔越え等を行うことができる。すなわち、各コンバインの機体特性や作業条件に応じ、車高制御を直接行う昇降駆動手段の動作を元にし、作業終了時の一般的な適正車高として基準終了高さが決定されるので、該基準終了高さに合わせさえすれば機体は十分に安全な位置に保持することができ、また、作業終了直前の基準側支持高さが前記基準終了高さよりも低い場合、基準終了高さよりも低くても特に問題なく作業できていたことを意味するため、作業終了直前の基準側支持高さに機体を保持するようにし、この場合は、該基準側支持高さは変化させず反対側の支持高さを基準側支持高さまで昇降させるだけで済むために、制御自体を単純化できて制御に要する時間を大幅に短縮することができる。 【0042】請求項2においては、前記基準終了高さを、昇降駆動手段の全ストロークの約20%となるように設定したので、作業終了時の一般的な適正車高の目安を得ることができ、前記特定割合についてコンバインの機体特性や作業条件の検討する手間を省くことができる。 【0043】請求項3においては、左右一対の走行装置に支持する機体の左右支持高さを可変調節する左右一対の昇降駆動手段を備え、機体の左右支持高さを検出する車高センサ及び機体の左右傾斜角を検出する水平センサを備えるとともに、機体の左右傾斜角を設定された傾斜角になるようにする制御手段を備えたコンバインにおいて、作業終了時の車高を、基準となる側の基準側支持高さの作業終了直前の値に係数を乗じた基準終了高さに機体を昇降制御したので、作業終了時の基準終了高さは作業を繰り返すごとに低下していくが、下限高さに近づくにつれてその変化量は小さくなり、また、事前に目標車高を予測して下限高さと比較できるため、急激な車高低下による路面との衝突等の問題を回避することができ、より安全性に配慮した車高制御を行うことができるのである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006851 【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年1月19日(1999.1.19) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080621 【弁理士】 【氏名又は名称】矢野 寿一郎
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| 【公開番号】 |
特開2000−201522(P2000−201522A) |
| 【公開日】 |
平成12年7月25日(2000.7.25) |
| 【出願番号】 |
特願平11−10208 |
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