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【発明の名称】 野菜収穫機の摘果装置
【発明者】 【氏名】有馬 誠一

【要約】 【課題】キュウリの果柄部が切断されたか否かを判定することなく、このキュウリを把持した状態で所定位置へ移動させることにより、切断されていないときは、このキュウリの主茎の損傷、又、栽培用の支柱等を破損することがあった。

【解決手段】エンドエフェクタ16の把持プレート53で把持した果菜類(イ)の果柄部(ニ)を摘果プレート50に設けたカッタ刃50dにより、この摘果プレート50が前後、及び上下方向へスライド移動して切断するが、該摘果プレート50が上端部位置への移動を検出スイッチ51が検出すると、果柄部(ニ)が検出できなかったと制御装置19で判定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 左右両側へ開閉自在で果菜類(イ)を把持する把持プレ−ト53と、カッタ刃50dを装着して前後及び上下方向へスライド移動自在で平面視U字形状の摘果プレ−ト50と、該摘果プレ−ト50が上端部位置へ移動を検出する検出スイッチ51等とよりなり該果菜類(イ)の果柄部(ニ)の検出及び切断等を行うエンドエフェクタ16を設けた果菜収穫機において、該検出スイッチ51が該摘果プレ−ト50が上端部位置への移動を検出に伴い該果柄部(二)が検出できなかったと判定する制御装置19を設けたことを特徴とする野菜収穫機の摘果装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、エンドエフェクタの把持プレ−トで把持した果菜類の果柄部を摘果プレ−トに設けたカッタ刃により、この摘果プレ−トが前後、及び上下方向へスライド移動して切断するが、該摘果プレ−トが上端部位置への移動を検出すると、該果柄が検出できなかったと制御装置で判定する技術であり、野菜収穫機の摘果装置として利用できる。
【0002】
【従来の技術】果菜類が、例えば、キュウリであり、このキュウリを収穫するときは、検出したこのキュウリの位置までエンドエフェクタが移動され、このエンドエフェクタの左右両側の開閉する把持プレ−トの閉作動により、このキュウリの果実の所定位置である上端部から略30mm程度下方部位置が把持され、U字形状の摘果プレ−トが上方へスライド移動すると共に、更に前方へスライド移動して、把持したこのキュウリの果柄部は、この摘果プレ−トに設けたカッタ刃によって押し切りされ、切断済みキュウリは把持プレ−トで把持した状態で所定位置へ移動して排出する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】エンドエフェクタの把持プレ−トにより、キュウリの果実の上端部から略30mmよりも下方部を把持した場合は、このキュウリの果柄部が切断されないことがあるが、切断できたか否かを判定することなく、切断に関係なくこのキュウリを把持プレ−トで把持した状態で所定位置への移動が行われることにより、このキュウリの主茎を損傷したり、又、このキュウリを栽培用の支柱等を破損することがあったが、この発明により、これらの問題点を解決しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】このためにこの発明は、左右両側へ開閉自在で果菜類(イ)を把持する把持プレ−ト53と、カッタ刃50dを装着して前後及び上下方向へスライド移動自在で平面視U字形状の摘果プレ−ト50と、該摘果プレ−ト50が上端部位置へ移動を検出する検出スイッチ51等とよりなり該果菜類(イ)の果柄部(ニ)の検出及び切断等を行うエンドエフェクタ16を設けた果菜収穫機において、該検出スイッチ51が該摘果プレ−ト50が上端部位置への移動を検出に伴い該果柄部(二)が検出できなかったと判定する制御装置19を設けたことを特徴とする野菜収穫機の摘果装置の構成とする。
【0005】
【発明の作用】キュウリ(イ)を収穫するときは、検出したこのキュウリ(イ)の位置までエンドエフェクタ16が移動され、このエンドエフェクタ16の左右両側の開閉する把持プレ−ト53の閉作動により、このキュウリ(イ)の果実の所定位置である上端部から略30mm程度下方部位置が把持され、U字形状の摘果プレ−ト50が上方へスライド移動すると共に、更に前方へスライド移動して、把持したこのキュウリ(イ)の果柄部(ニ)は、この摘果プレ−ト50に設けたカッタ刃50dによって押し切りされ、切断済みキュウリ(イ)は該把持プレ−ト53で把持した状態で所定位置へ移動して排出する。
【0006】上記の切断のときに、前記摘果プレ−ト50が上端部位置まで移動すると、この移動を検出スイッチ51で検出され、この検出に伴ってキュウリ(イ)の果柄部(ニ)が検出できなかったと制御装置19で判定され、この判定により、エンドエフェクタ16が再移動され、このエンドエフェクタ16の各把持プレ−ト53でキュウリ(イ)の果実の所定位置が把持され、摘果プレ−ト50が再度上方、及び前方へスライド移動され、把持したキュウリ(イ)の果柄部(ニ)は、カッタ刃50dで押し切りされ、切断済みキュウリ(イ)は所定位置へ移動して排出する。
【0007】
【発明の効果】キュウリ(イ)の果柄部(ニ)を検出できなかったと判定できると共に、キュウリ(イ)の果実の上方の所定位置が再度把持され、再度このキュウリ(イ)の果柄部(ニ)を検出して、この果柄部(ニ)を押し切りすることにより、このキュウリ(イ)の主茎の損傷を防止したり、又、栽培用の主柱等の破損を防止することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。図例は、果菜類(イ)は、例えば、キュウリ(イ)であり、圃場の畝(ロ)上に傾斜状態に栽培したこのキュウリ(イ)を収穫する農業用ロボットである野菜収穫機1を図示して説明すると共に、この野菜収穫機1の収穫装置10の摘果装置を図示して説明する。
【0009】前記野菜収穫機1の走行車両8の走行車台2下側の左右両側の前後両側には、一対の前輪3と後輪4を各々配設し、これら前輪3と後輪4の4輪に対し各別に車輪駆動用モータ5を連動連結すると共に、進行方向に対して操縦旋回自在に軸支し、これら前・後輪3,4を各別に舵取り制御するための操向角度を検出する操向角度センサ6を各別に設けると共に、これら前・後輪3,4の間には、動力電源としてのバッテリ7を収納して該走行車両8を構成し、これら前・後輪3,4は、畝(ロ),(ロ)間で形成する溝(ハ)内を走行する。
【0010】前記走行車台2上の前部には、この野菜収穫機1の操作制御を行うコントローラ等を内装した前カバー9を設け、この前カバー9の後方には、キュウリ(イ)を収穫する収穫装置10を設け、この収穫装置10はキュウリ(イ)の画像を撮像するCCDカメラ11aによる視覚センサ11と、この視覚センサ11の撮像によるキュウリ(イ)を把持して摘果するマニピュレータ12とを装架した、略円筒形状でその一部を直角状に切り欠いだ作業旋回胴13を旋回可能に設けた構成であり、該視覚センサ11、及び該マニピュレータ12は、該作業旋回胴13内を上下移動自在に構成している。
【0011】前記作業旋回胴13の後方部で走行車台2の上側に設けた後カバー17内には、収穫したキュウリ(イ)を収納するためのキャリーの格納と放出とを行うキャリー収納部18を設け、該後カバー17の後側面には、野菜収穫機1の走行操作、及び各種制御操作する操作装置19aを設けた構成である。前記マニピュレータ12は、多関節による人間の腕と手先の動きに近い作用を行わせるために、基部の回動メタル14で形成するショルダ関節部(A)、伸縮直動アーム15で形成するアーム関節部(B)、先端の把持、及び切断するエンドエフェクタ16部を連結形成するリスト関節部(C)、及び水平旋回させるウエスト関節部(D)等よりなり、これらの各関節部を相互に連結配置した構成であり、傾斜状態に栽培した収穫適期のキュウリ(イ)を視覚センサ11のCCDカメラ11aで検出し、この検出したキュウリ(イ)をマニピュレータ12で把持して摘果する構成としている。
【0012】前記エンドエフェクタ16の先端部には、図7で示す如く植物、例えば、キュウリ(イ)に強く反応するON−OFFスイッチ方式の近接センサ16aを設けると共に、キュウリ(イ)に当接して回動するセンサプレート16b、及びキュウリ(イ)を検出するON−OFFスイッチ方式の接触センサ16cを設けた構成である。
【0013】前記近接センサ16aがキュウリ(イ)を検出しなく、この近接センサ16aがOFF状態で、このOFF状態が後述する摘果部コントロ−ラ56cの制御装置19へ入力されているときは、エンドエフェクタ16は前進の所定位置までは、高速度でアプローチされる。又、該近接センサ16aが、キュウリ(イ)を検出して、この近接センサ16aがON状態となり、このON状態が該制御装置19へ入力されると、該エンドエフェクタ16は前進の所定位置からキュウリ(イ)を把持する位置までは、低速度でアプローチされる構成である。
【0014】前記センサプレート16bがキュウリ(イ)に接触して回動し、この回動によって接触センサ16cがON状態となり、このON状態が制御装置19へ入力されると、該エンドエフェクタ16を該制御装置19で停止制御する構成である。これにより、接触センサ16cはキュウリ(イ)の自重によってONされ、葉等ではONしない構成である。これによって、キュウリ(イ)がエンドエフェクタ16で把持されたことも認識できて便利である。又、近接センサ16aを設けたことにより、障害物が明らかに無い部分では、高速アプローチして収穫時間の短縮を図り、障害物がある可能性が大きい付近では、低速アプローチすることで葉、及び茎の損傷を防止できる。更にキュウリ(イ)へ高速での衝突を防ぎ、損傷を防止することができる構成である。
【0015】前記マニピュレータ12とキュウリ(イ)を補助的に収納する補助収納ケース20とは、上下方向にスライド移動させるネジ部を有するスライド軸21を作業旋回胴13の直角状の切り欠き部壁面の内側に沿って回動可能に支承すると共に、このスライド軸21の回動により、上下移動自在にスライドガイド22を軸支した構成である。このスライドガイド22にマニピュレータ12のベース部23を、該作業旋回胴13の直角状の切り欠き部壁面に沿って設けた2条の摺動溝13bを貫通して結合すると共に、該スライド軸21を回動させるスライドモータ24をこのスライド軸21の下端部に連動連結し、該作業旋回胴13と共に、視覚センサ11のCCDカメラ11a、及び該マニピュレータ12を略180度旋回させる車台モータ25は、前記走行車台2の該作業旋回胴13の中心位置に配置すると共に、連動連結した構成である。
【0016】前記視覚センサ11のCCDカメラ11aは、上下方向にスライド移動させるネジ部を有するスライド軸26は、作業旋回胴13の直角状に切り欠き部壁面の内側に沿って回動可能に支承すると共に、このスライド軸26の回動により、上下移動自在にスライドガイド27を軸支した構成である。このスライドガイド27の上面部には、マニピュレータ12の摺動溝13aを有する壁面に対して略直角位置に変化させる壁面に沿って設けた摺動溝13bを貫通して、該CCDカメラ11aの結合アーム11bを結合させると共に、スライド軸26を回動させるためのスライドモータ28をこのスライド軸26の下端部に連動連結し、該摺動溝13bには、該CCDカメラ11aの姿勢を保持させると共に、摺動可能なガイドレールを設けた構成である。
【0017】前記マニピュレータ12は、図5、及び図6で示す如く多関節による人間の腕と手先の動きに近い作用を行わせるために、その基部から先端側にかけて各々ショルダ関節部A、アーム関節部B、リスト関節部C等の各関節部を相互に連結配置した構成である。前記ショルダ関節部Aは、マニピュレータ12を上下回動させるためのショルダ関節として、サーボモータによるショルダモータ29を組み込み連動連結した構成である。
【0018】前記アーム関節部Bは、2段階に伸縮させる前記伸縮直動アーム15の基部に組み込んだサーボモータによるアームモータ30から、該伸縮直動アーム15基部の固定筒15aに内装したボールネジ等からなるスライダ31に連動連結すると共に、このスライダ31の回動により、該固定筒15a内に、1段目の伸縮筒15bを収納可能にガイドレール32を該スライダ31と並行して内装配置する。該アームモータ30から1段目の該伸縮筒15b内に張設したタイミングベルト32aを介して、ボールネジ等からなるスライダ33に連動連結すると共に、このスライダ33の回動により、1段目の該伸縮筒15b内に、2段目の伸縮筒15cを収納可能にガイドレール34を該スライダ33と並行して内装配置した構成である。リスト関節部Cは、2段目の該伸縮筒15cの基部側に組み込んだサーボモータによるリストピッチモータ35から、該伸縮筒15cの先端部まで延長したリスト駆動軸36の端部にウォームギヤ37aを軸止すると共に、このウォームギヤ37aと直角交差して、噛み合うウォームホイル37bにリストピッチ関節軸38を軸止して各々連動連結すると共に、このリストピッチ関節軸38が該伸縮筒15cの外部に突出した軸端に、角筒状のエンドエフェクタ16の回動を支持するL字状の回動支持アーム39を軸止した構成である。
【0019】前記回動支持アーム39に、エンドエフェクタ16の後端部を支承して略180度範囲で鉛直平面内をピッチ回動させると共に、このエンドエフェクタ16を略180度範囲でロール回動させるサーボモータによるリストロールモータ40を、該回動支持アーム39を介して該エンドエフェクタ16の後端部に連動連結した構成である。
【0020】前記マニピュレータ12を水平旋回させるウエスト関節部Dにおけるサーボモータによるウエストモータ41の回動軸心を、ショルダ関節部Aが装着されるベース部23において、エンドエフェクタ16の作業中心軸が伸縮直動アーム15の基部に向けて延長した軸線と交わる位置に組み込み連動連結して設ける。このベース部23の下面にキュウリ(イ)を数個収納可能で、キュウリ(イ)の摘果時に該エンドエフェクタ16の位置までスライド延出すると共に、その底面を開閉可能に設けた補助収納ケース20を、ラックとピニオンにより駆動するケーススライドモータ42を組み込んで作業旋回胴13の上面に配置した構成である。
【0021】前記エンドエフェクタ16は、図1、及び図8〜図12に示す如く角筒状の箱体43を有し、この箱体43内の上部一側にキュウリ(イ)を摘果する摘果モータ44を配置し、このモータ44にスライドネジ45を前方に向け延長して連結すると共に、このスライドネジ45の回転方向により前進、又は後進するスライドアーム45aを、該摘果モータ44の側部に平行して前後方向に延設したガイドレール46によって摺動案内される断面U字状の摘果ベース47に接合し、この摘果ベース47のU字状の片側後端部の側部突起47aを、前後に配置したリミットスイッチ前46a、及びリミットスイッチ後46bとに各々係合可能な構成である。
【0022】4点平行リンクによる左右の摘果リンク48によって、摘果ベース47の前端部と摘果アーム49の後部とを連結すると共に、該摘果ベース47のリンクピン47bに該摘果リンク48による該摘果アーム49の上動を一定の荷重で抑える抑えバネ47cを張設し、該摘果アーム49の前端部に、キュウリ(イ)の果柄の検出と切断を行う平面視U字形状の摘果プレート50のU字基部を支持した構成である。
【0023】前記摘果プレート50は、摘果アーム49に支持するU字基部から前端の開口端部50aに亘り、キュウリ(イ)への押圧力を上方向への分力により逃して適正な圧力を保持できる角度θとなるよう傾斜させると共に、左右の該開口端部50aの先端には各々該摘果プレート50のキュウリ(イ)への押圧上動を円滑にするための摺動ローラ50bを軸支し、キュウリ(イ)の果柄部(ニ)を取り入れるU字形状の長孔部50cを平面視斜めに遮断する状態に薄刃状のカッタ刃50dを、果柄部(ニ)の押し切りを容易とするよう傾斜姿勢の該摘果プレート50に対し水平状態に取り付けた構成である。
【0024】前記箱体43内の中央下部にキュウリ(イ)を把持する把持モータ51を配置し、この把持モータ51から前方側にウォームギヤ51aを固着し、このウォームギヤ51aと噛合する左右のウォームホイル51bを各々左右対称位置に配設すると共に、この左右のウォームホイル51bから各々上方に向けて支承した左右の把持軸52に、この把持軸52の回動によりキュウリ(イ)を把持可能な長さ前方へ延出した左右の把持プレート53を連動可能に設け、この把持プレート53には、リターン用の戻しバネ53aと、キュウリ(イ)を傷つけないための緩衝パット53bを各々取り付けた構成である。図12で示す如く左右両側の該把持軸52には、該ウォームホイル51bの上側に、該把持プレート53の開閉と同時に開閉する把持プレートカム52aを固着し、この左右両側の把持プレートカム52aの開閉状態を検出する把持プレート閉スイッチ52bを左右両側に設けている。又、左右両側の該把持軸52には、該戻しバネ53aの上側に、該把持プレート53の開閉と同時に開閉する果実径用カム52cを回動自在に設け、この果実径用カム52cの閉状態位置により、ONする果実径検出用スイッチ52dを左右両側に設け、この果実径検出用スイッチ52dのONにより、検出したキュウリ(イ)は設定径より小径であると検出する構成である。
【0025】これにより、一方側の前記果実径検出用スイッチ52dがONすれば、キュウリ(イ)が把持されているか、もしくは収穫対称外(小径)のキュウリ(イ)と判定できる。又、一方側が主茎と共に、キュウリ(イ)を把持したときでも、他方側がキュウリ(イ)に接触するために小径のキュウリ(イ)と判定できる。前記把持モータ51の上側で左右の把持軸52の間に、キュウリ(イ)を把持する際に吸引固定するための吸着パット54を配置し、この吸着パット54を前後に移動させるスライドネジ54aを後方に向け延長し、このスライドネジ54aと連動連結させた吸着モータ55は、摘果モータ44と反対側の上部位置側に配設した構成である。なお、エンドエフェクタ16はオフセットにより交換を可能とする。
【0026】前記各把持プレート53は、1個の把持モータ51で開閉させる構成であり、開閉何れの場合にも左右独立して回動自在な各把持軸52の回動により、この回動運動を各戻しバネ53aを介して、該各把持プレート53へ伝達し、この各戻しバネ53aを介することにより、該把持プレート53は回動自在な構成である。
【0027】これにより、一方側の前記把持プレート53のみでも、キュウリ(イ)に接触するために、キュウリ(イ)の固定ができて、収穫作業ができる。更に該把持プレート53は左右独立で回動自在であることにより、キュウリ(イ)の主茎を把持したままマニピュレータ12を縮めれば、主茎は該把持プレート53から外れ、その瞬間にキュウリ(イ)を把持できる。
【0028】前記摘果プレート50は、図1で示す如く所定の上端部位置へ移動すると、この上端部位置を検出するON−OFFリミットスイッチ方式の検出スイッチ51を設けている。この検出スイッチ51が該摘果プレート50が上端部位置へ移動して、摘果アーム49を介してON状態となると、このON状態が後述する摘果部コントローラ56cに内装した制御装置19へ入力され、この入力により、キュウリ(イ)の果柄部(ニ)が検出できなかったと判定する構成である。この判定に基づいてエンドエフェクタ16はキュウリ(イ)の果実を把持しなおすべく再度移動制御され、果実の上端部から略30mm程度位置を各把持プレート53で把持しなおす構成である。
【0029】前記検出スイッチ51により、キュウリ(イ)の果柄部(ニ)を検出できなかったと判定でき、果実の上方部を把持しなおして、再度果柄部(ニ)を検出することができる構成であり、果実や主茎部を損傷することなく、又、栽培用の支柱等を破損しない構成である。前記摘果プレート50は、図1で示す如く前後スライドする領域の内で、キュウリ(イ)の果柄部(ニ)を検出する検出部エリアと、果柄部(ニ)を切断する切断部エリアとに別れる構成であり、果柄部(ニ)の検出部エリア内で、該摘果プレート50の上端部位置を検出する検出スイッチ51がON状態になったときは、果柄部(ニ)が検出できなかったと判定する構成である。又、果柄部(ニ)を切断する切断部エリア内で、該検出スイッチ51がON状態になったときは、果柄部(ニ)を切断中でこの果柄部(ニ)が、該摘果プレート50に設けたカッタ刃50dを後方へ押していると判定する構成である。更に切断部エリア内で、該検出スイッチ51が一度でもOFF状態になったときは、果柄部(ニ)の切断が終了したと検出する構成とするもよい。
【0030】これにより、果柄部(ニ)の検出、前記摘果プレート50の動作状況(果柄部(ニ)を検出中か、又は切断中か)を把握できて、確実な切断動作を行うことができる。更に、無駄な果実の持ち替えは行わないし、持ち替え中に果実を落すことがない。前記摘果プレート50は、キュウリ(イ)の果柄部(ニ)を検出する検出部エリアと、果柄部(ニ)を切断する切断部エリアとの境界位置を、該摘果プレート50の前方スライド中に、この摘果プレート50が最短で上端部位置へ移動する位置に設定した構成である。更に、残りの前後スライド量は、カッタ刃50dが果柄部(ニ)の水平面分布域を移動可能なスライド量以上とした構成とするもよい。
【0031】これにより、前記摘果プレート50が果柄部(ニ)を検出する検出エリア内で上端部位置まで移動しなければ(果柄部(ニ)の位置が検出できれば)、果柄部(ニ)の水平面位置まで確実にカッタ刃50dが移動可能となり、確実に果柄部(ニ)を切断できる。図14に示す如く制御機構として前記走行車両8の車輪駆動用モータ5,操向角度センサ6,キャリー制御部18a等を制御する走行部コントローラ56aと、CCDカメラ11aを制御する視覚部コントローラ56bと、マニピュレータ12を制御する摘果部コントローラ56cの制御装置19と、これら各コントローラ56a,56b,56cと共に、操作装置19a、及び安全装置57等を統括制御するメインコントローラ56とを前カバー9に内装して構成する。
【0032】該視覚部コントローラ56bは、図15に示す如く、OCR58から信号を受けた駆動パルス発生回路59からドライバ60を介してレシーバ61へ、このレシーバ61からCCDカメラ11aへ接続する。該CCDカメラ11aの駆動により検出された信号をビデオ信号に交換する信号処理回路62と該CCDカメラ11aとを接続し、この信号処理回路62からA/D変換器63を経て画像メモリ64へ接続すると共に、この画像メモリ64と高速画像処理を行う画像処理回路65とCPU66とを相互通信可能に接続する。該CPU66からビデオ信号を基にランプ発光タイミングと該A/D変換器63の開始タイミングを設定するタイミング回路67へ接続し、このタイミング回路67と該A/D変換器63、及びランプ駆動回路68とを接続すると共に、該タイミング回路67へ該信号処理回路62を接続させ、該ランプ駆動回路68を介してハロゲンランプ69を駆動させるべく接続し、フォトセンサ70からA/D変換を経てCPU66へ接続して構成する。
【0033】前記摘果コントローラ56cは、図16に示す如く、サーボモータとしての前記ウエストモータ41、スライドモータ24、スライドモータ28、ショルダモータ29、アームモータ30、リストピッチモータ35、リストロールモータ40、及び把持モータ51cを各々コントロールドライバ71を介して接続すると共に、摘果モータ44、吸着モータ55を各々接続して構成する。なお、該各サーボモータ41,24,28,29,30,35,40には各々エンコーダ、及び原点検出センサを組み合わせて設ける。
【0034】前記野菜収穫機1により作業対象物としてのキュウリ(イ)の収穫を行うときは、図14で示す如く走行部コントローラ56aによる車輪駆動モータ5や走行角度センサ6等の制御により畝(ロ)間に形成した溝(ハ)に沿って走行を行いながら、傾斜棚Tに栽培された収穫適期のキュウリ(イ)をCCDカメラ11aの上下スライド移動によって撮像し、この撮像により入力した画像を視覚部コントローラ56bによって画像処理を行い、この画像情報による摘果部コントローラ56cの演算によって、マニピュレータ12の伸縮直動アーム15を、ウエスト関節部Dによる左右旋回とショルダ関節部Aによる上下移動とを行わせると共に、アーム関節部Bを伸縮させ、その先端部に位置するリスト関節部Cによりエンドエフェクタ16を制御して収穫アプローチを行う。
【0035】この収穫アプローチ時に、エンドエフェクタ16のピッチ回動、又はロール回動により、吸着モータ55を駆動させて吸着パット54を前方へスライドさせ、真空ポンプ72から供給されるバキュームによりキュウリ(イ)を吸着した後、把持位置まで後退させると同時に、把持モータ51cを駆動させて把持プレート53によりキュウリ(イ)を把持する。このキュウリ(イ)の把持により摘果モータ44を駆動させて、スライドネジ45によりスライドアーム45aを介して摘果ベース47をリミットスイッチ前46aによる規制位置まで前進を可能とし、この摘果ベース47の前進と共に摘果リンク48により連結される摘果アーム49を介して摘果プレート50を前進させる。
【0036】前記吸着パット54と真空ポンプ72との間には、図13で示す如く電磁バルブ73、及び圧力センサ74を設け、各把持プレート53を開状態に操作して、キュウリ(イ)をリリースするときには、該電磁バルブ73をオープンにする構成である。これにより、キュウリ(イ)をリリースするときに、キュウリ(イ)の放置姿勢を前記エンドエフェクタ16の向きに規制することができる。
【0037】前記吸着パット54を真空ポンプ72で作動させるときに、例えば、該吸着パット54を前方へ約20mmスライドさせて、キュウリ(イ)へアプローチする。該真空ポンプ72をONして、キュウリ(イ)を吸着する。該吸着パット54を後方へスライドさせて、把持部内へ誘導する構成である。該真空ポンプ72内の空気圧が上がれば、該吸着パット54の移動速度と、エンドエフェクタ16の前進速度とを同速度にした構成である。該吸着パット54が初期位置にきたときに、各把持プレート53により、キュウリ(イ)を把持する構成である。
【0038】これにより、キュウリ(イ)の果柄の長短に関係なく、このキュウリ(イ)を確実に把持部内へ誘導できて、確実な把持が可能になる。前記真空ポンプ72の圧力を検出する圧力センサ74が所定値以下の検出に伴い、キュウリ(イ)を吸着したと判定する構成である。これにより、キュウリ(イ)の主茎、及び葉部には、細かなヒゲがあり、前記吸着パット54は吸着しない。真空ポンプ72内の圧力が下がれば、キュウリ(イ)の上端部近傍に該吸着パット54が吸着したと判定できる。又、圧力が下降しないときには、アプローチ方向が違うとして再アプローチ動作へ移行できる。
【0039】前記吸着パット54がキュウリ(イ)へ吸着する位置は、収穫しようとするキュウリ(イ)の上端部から略30mm程度下方位置近傍を吸着する構成とし、このキュウリ(イ)のイボのない、又、表面が光沢のある位置とした構成である。これにより、確実な吸着ができる。又、イボのない位置は他部より外力に強く、高い圧力で吸引できる。
【0040】前記吸着パット54は、エンドエフェクタ16内に設け、真空ポンプ72で作動させ、キュウリ(イ)を吸着後に把持部内へ誘導する構成としている。これにより、キュウリ(イ)のみを把持でき、更に把持スペースを確保できる。前記吸着パット54の中心のスライドネジ54aの中心位置をリストロールの回転軸75と一致させ、更に把持部中央に位置させた構成である。
【0041】これにより、傾斜したキュウリ(イ)もリストロールを回転することにより、対応できる。又、前記緩衝パット53bでキュウリ(イ)を把持したときに、クッションになる。前記摘果プレート50の前進によりその開口端部50aに軸支した摺動ローラ50bをキュウリ(イ)の表面に押圧させるが、この押圧時に該摘果プレート50を、押圧力を上方向への分力により逃して上動できる角度θだけ傾斜させていることにより、この傾斜による上方向への分力を抑えバネ47cによる一定の荷重で抑えてキュウリ(イ)の表面に適正な圧力を保持して押圧させながら、該開口端部50aの摺動ローラ50bの回動と共に摘果リンク48により平行上昇スライドさせる。
【0042】前記摘果プレート50が上昇スライドによりキュウリ(イ)の表面に沿って果柄部(ニ)に達したときは、この果柄部(ニ)が開口端部50aから長孔部50cへ取り込まれ、水平姿勢のカッタ刃50dによる押し切りにより摘果される。この摘果されたキュウリ(イ)をキャリーに収納し満杯になった時点でキャリー制御部18aにより地上に放出する。
【0043】前記メインコントローラ56の制御において、設定した設定時間内に設定した設定回数以上、自動リセットを繰り返したときは、不具合が発生した不具合部をシステムダウンさせ、その他の制御部をスリープ状態にして、設定時間後に再度立ち上げする構成である。更に不具合発生したときは、回復不能として全システムダウンする構成とするもよい。
【0044】これにより、自動リセットのタイミングをずらして行うことで、システムの回復を促し、作業の停滞をできるだけ少なくすることができる。又、上記の処理においても回復しないときは、全システムダウンさせて、野菜収穫機1の暴走を防ぐことができる。前記視覚部コントローラ56bにおいて、不具合発生毎に画像データを不揮発メモリである画像メモリ64内へ保在させて、不具合のときの画像データを全て保存する構成とするもよい。
【0045】これにより、不具合発生したときの画像の状態が把握でき、不具合対策が容易に行える。前記視覚部コントローラ56bにおいて、画像入力毎にカウントして、このカウント毎(画像毎)のキュウリ(イ)の収穫本数をメモリし、更に枕地の回行回数をメモリする事で、エリア毎(畦毎)の収穫状況を把握できる構成とするもよい。
【0046】これにより、画像入力の番号と枕地の回行回数により、圃場内の位置が把握でき、その各位置での収穫本数をカウントすることで、一定エリア内の収穫本数が把握できる。又、多いエリアと少ないエリアとが把握できることにより、追肥作業等の管理作業における作業計画の立案が容易にできる。更に次回の栽培時の土作り作業計画も容易にできる。
【0047】前記メインコントローラ56、走行部コントローラ56a、視覚部コントローラ56b、及び摘果部コントローラ56cにおいて、互いに制御、及び処理状況を把握できるように構成し、該各コントローラ56,56a,56b,56cの暴走、及び処理不具合を監視できる構成とするもよい。これにより、互いが監視を行う事で、不具合発生時に自動リセットをかけて、自動回復後に引き続き作業の継続が可能になる。又、作業の停滞を防止する事ができる。
【0048】前記メインコントローラ56、走行コントローラ56a,視覚部コントローラ56b、及び摘果部コントローラ56cにおいて、該各コントローラ56,56a,56b,56c間で、互いに各処理毎に処理開始信号、及び処理終了信号を発信、及び受信して、互いに処理状況を把握するように構成して、その処理位置を保存する構成とするもよい。
【0049】又、処理開始信号、又は処理終了信号が予め設定した時間以上経過しても受信されないときは、信号送信側に不具合が発生したとして、リセットする構成とするもよい。これにより、不具合発生のときに、何の処理をおこなっていたかが把握でき、補修時に何の不具合かを容易に判定できる。又、各コントローラ56,56a,56b,56cの自動リセットができる事により、作業の停滞がなくなり、処理毎の不具合状況を細かく把握できる。
【0050】前記メインコントローラ56、走行部コントローラ56a、及び摘果部コントローラ56c内に各不揮発メモリ(図示せず)を設け、この各不揮発メモリと、視覚部コントローラ56bの不揮発メモリである画像メモリ64とには、不具合が発生時の処理位置をこれら各不揮発メモリ、及び該画像メモリ64内へ保存して、不具合発生後に、表示部(図示せず)へ表示させる構成とするもよい。
【0051】これにより、いずれか、例えば、走行部コントローラ56aが自動リセットした後に、監視側のメインコントローラ56の不具合により、自動リセットしたときであっても、前の不具合状況(不具合の履歴)も表示されることにより、不具合内容も把握できる。前記メインコントローラ56、走行部コントローラ56a、視覚部コントローラ56b、及び摘果部コントローラ56cにおいて、該各コントローラ56,56a,56b,56cが互いに制御、及び処理状況を把握して、自動リセットしても初期設定値似よって、作動開始できるように作業者が初期設定した値を不揮発メモリ(図示せず)に保存する構成とするもよい。
【0052】これにより、自動リセットした後にも、作業開始以前に作業者が設定した初期設定値を使用することで、不具合発生以前の設定と同様な作業ができることにより、作業の停滞を防止できると共に、作業精度の低下を防止することができる。キュウリ(イ)を栽培する圃場の栽培用の傾斜棚(T)は、図17、及び図18で示す如く圃場には、支持枠77を設け、この支持枠77の上軸77aと下軸77bとには、上下方向に所定長さの分離プレート78をキュウリ(イ)の株位置ごとに装着させている。
【0053】前記分離プレート78は左右方向に略150〜180mm幅の長孔78a部を設け、又、左右両側の枠部78bは、略30mm程度に構成して、キュウリ(イ)のヒゲが巻きつかない幅としている。この分離プレート78は該長孔78aの左右方向の中心部位置からV字形に折曲させた構成とし、該分離プレート78上に茎葉をのせ、該長孔78a部からキュウリ(イ)が垂れ下がる構成であり、キュウリ(イ)の収穫、及びつる降ろし作業を容易に行える構成である。
【0054】前記分離プレート78の長孔78aの上端部を支持枠77の上軸77aに引っ掛けて支持させ、下部には、挿入部78cを設け、この挿入部78cを該支持枠77の下軸77bへ挿入して支持させた構成である。左右両側の前記分離プレート78の上端部には、断面形状コ字形状の主茎支持枠79を支持軸80で支持させて設け、該分離プレート78と一体にした構成であり、主茎を屈曲させることなく生育させる構成である。この主茎支持枠79の左右両側の縦枠部79aは略垂直状態に支持させて、支持枠77から突出させない状態として、作業者の頭近傍のスペースを確保する構成としている。
【0055】前記主茎支持枠79には、所定幅の長孔79b部を設けると共に、中央部には紐79cを設けた構成とするもよい。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成10年12月25日(1998.12.25)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−188928(P2000−188928A)
【公開日】 平成12年7月11日(2000.7.11)
【出願番号】 特願平10−370599