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【発明の名称】 自走式草刈機およびその草刈方法
【発明者】 【氏名】土屋 正美

【氏名】中里 勇

【氏名】比留間 治雄

【要約】 【課題】地上の障害物からカッタを保護し、かつ、障害物を乗り越えて前進可能な自走式草刈機を提供する。

【解決手段】一対のクローラ3、3を有する車体2の前方に衝撃緩和手段20をピン5により上下方向に回動可能に取着する。衝撃緩和手段20の前端部にカッタ13を有するアタッチメント10を固設し、アタッチメント10の下部のカッタ13の外径D1より下方に、障害物を乗り越えるためにそり状の棒材からなるガイド31を進行方向に並列に少なくとも3個配設したガード30を設ける。衝撃緩和手段20と車体2とをリフトシリンダ6で連結しアタッチメント10を昇降可能にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車体(2) 前方に灌木、雑草等の刈取り用のカッタ(13)と、カッタ(13)を保護するガードとを備えたアタッチメント(10)を有する自走式草刈機において、ガード(30 、30a)は障害物に当接した時に障害物を乗り越えて進むため、進行方向に向けて並列で、かつ、カッタ(13)の間に転動あるいは滑動するガイド(31、36) を有することを特徴とする自走式草刈機。
【請求項2】 車体(2) 前方に灌木、雑草等の刈取り用のカッタ(13)と、カッタ(13)を保護するガードとを備えたアタッチメント(10)を有する自走式草刈機において、ガード(30 、30a)が障害物に当接した時に、アタッチメント(10)を車体(2) 側の後方に所定量移動させて衝撃を緩和する衝撃緩和手段(20)を有することを特徴とする自走式草刈機。
【請求項3】 車体(2) 前方に灌木、雑草等の刈取り用のカッタ(13)と、カッタ(13)を保護するガードとを備えたアタッチメント(10)を有する自走式草刈機において、ガード(30)が障害物に当接した時に、ガード(30)を車体(2) に対して後方に所定量移動させて衝撃を緩和する衝撃緩和手段(20a) を有することを特徴とする自走式草刈機。
【請求項4】 請求項2又は3記載の自走式草刈機において、ガード(30)が障害物に当接し、アタッチメント(10)又はガード(30)が所定量後方に移動した時に車両を停止させる車両自動停止手段(80)を有することを特徴とする自走式草刈機。
【請求項5】 車体(2) 前方に灌木、雑草等の刈取り用のカッタ(13)と、カッタ(13)を保護するガードとを備えたアタッチメント(10)を有する自走式草刈機において、アタッチメント(10)が自重で下降し、ガード(30)がアタッチメント(10)の自重より少ない荷重で地面に接し、地面に倣って進む倣い機構(70)を有することを特徴とする自走式草刈機。
【請求項6】 請求項1記載の自走式草刈機において、ガード(30a) は、カッタ軸(11)に並列に配設された複数個のカッタ(13)の間に、適宜挿入された円板よりなることを特徴とする自走式草刈機。
【請求項7】 請求項6記載の自走式草刈機において、円板よりなるガイド(36)は、カッタ軸(11)に回転自在に取着されていることを特徴とする自走式草刈機。
【請求項8】 請求項1記載の自走式草刈機において、ガード(30)は、カッタ(13)を覆い、進行方向に向けて並列に配設され、かつ、複数個のカッタ(13)の間に、適宜挿入されたたそり状の棒材のガイド(31)よりなる枠組(33)なることを特徴とする自走式草刈機。
【請求項9】 車体(2) 前方に灌木、雑草等の刈取り用のカッタ(13)と、カッタ(13)を保護するガードとを備えたアタッチメント(10)を有する自走式草刈機の草刈方法において、ガード(30 、30a)が地面の倣って進むとともに、障害物に当接した時に、カッタの間に配設された円板が転動し、あるいは、カッタの間に配設されたそり状の棒材のガイドが滑動して、この障害物を乗り越えて進むことを特徴とする自走式草刈機の草刈方法。
【請求項10】 請求項9の自走式草刈機の草刈方法において、ガード(30 、30a)はアタッチメント(10)の自重より軽い重量で地面に接地し、かつ、地面に倣って進むことを特徴とする自走式草刈機の草刈方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自走式草刈機およびその草刈方法に係わり、特に、山林等の灌木や雑草等を刈取る凹凸の大きい箇所での下刈り用の自走式草刈機およびその草刈方法に関する。
【0002】
【従来の技術】山林等での灌木や雑草等の下刈作業を行う場合、石、岩や伐根等の障害物が下方に隠れており、作業者がこれらを見逃してカッタを障害物に当接させ、損傷する恐れがある。これを防止するための下刈り用の自走式草刈機の一例としては、実開昭61−92239号に提示された刈刃装置の供給口の前方に硬質のくし状体を垂下した下刈用刈取機の刈刃保護装置がある。
【0003】また、他の例として、図10に従来の自走式草刈機100の外観斜視図を示す。左右一対のクローラ3を有する車体2の前方には図示しないカッタを内設したアタッチメント101が昇降自在に取着されている。アタッチメント101のカッタカバー102の両側面にはそり状の一対のガード103、103が備えられ、ガード103の下端部を図示しないカッタの外径より下方に位置させ、ガード103を接地させることによりカッタの障害物への当接を防止し、カッタを保護している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構成においては以下のような問題がある。
(1)実開昭61−92239号に提示されたものにおいては、刈刃装置の供給口の前方に硬質のくし状体を垂下したため、小石等の障害物を排除して刈刃を保護することができるが、伐根等に当接した場合にはこれを乗り越えることは不可能であり、車両が停止して作業効率を低下させるという問題がある。
(2)他の例においては、アタッチメントの両側面にそり状のガードを備えているため、左右のガードの中間に位置する障害物は直接カッタに当接し、カッタを破損する恐れがあるとともに、若干大きい障害物では乗り越えて進むことは不可能な場合がある。
【0005】本発明は、上記の問題点に着目してなされたもので、自走式草刈機およびその草刈方法に係わり、特に、アタッチメント前方の地上の障害物に対し、カッタを保護しながら乗り越えて進むことができ、かつ、障害物に当接した時の衝撃を緩和してアタッチメントの破損を防止するとともに、地形に倣って進むことが可能な作業効率の良い自走式草刈機を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段、作用および効果】上記の目的を達成するために、本発明に係る自走式草刈機の第1発明は、車体前方に灌木、雑草等の刈取り用のカッタと、カッタを保護するガードとを備えたアタッチメントを有する自走式草刈機において、ガードは障害物に当接した時に障害物を乗り越えて進むため、進行方向に向けて並列で、かつ、カッタの間に転動あるいは滑動するガイドを有する構成としている。上記構成によれば、カッタを保護するガードを進行方向に向けて、カッタの間に転動あるいは滑動するガイドを設けたため、アタッチメントの幅方向の中間部に伐根等の障害物が存在してもガードは障害物に当接し、ガイドによって障害物を乗り越えて進むことができ、カッタの保護と作業の継続性とが確保されて作業効率が向上する。
【0007】第2発明は、車体前方に灌木、雑草等の刈取り用のカッタと、カッタを保護するガードとを備えたアタッチメントを有する自走式草刈機において、ガードが障害物に当接した時に、アタッチメントを車体に対して後方に所定量移動させて衝撃を緩和する衝撃緩和手段を有する構成としている。上記構成によれば、ガードが障害物に当接した時にアタッチメントは所定量後方に移動することにより衝突の衝撃は緩和され、アタッチメントおよびカッタの損傷は防止される。
【0008】第3発明は、車体前方に灌木、雑草等の刈取り用のカッタと、カッタを保護するガードとを備えたアタッチメントを有する自走式草刈機において、ガードが障害物に当接した時に、ガードを車体に対して後方に所定量移動させて衝撃を緩和する衝撃緩和手段を有する構成としている。上記構成によれば、ガードが障害物に当接した時にガードは所定量後方に移動することにより衝突の衝撃は緩和され、アタッチメントおよびカッタの損傷は防止される。
【0009】第4発明は、第2又は第3発明の自走式草刈機において、ガードが障害物に当接し、アタッチメント又はガードが所定量後方に移動した時に車両を停止させる車両自動停止手段を有する構成としている。上記構成によれば、ガードが大きな岩等に当接し、乗り越え不可能な状態になった場合には当接時の衝撃を緩和するとともに、車両停止手段は車両を停止させる。したがって、車両やアタッチメントに無理な荷重が加わることはなく、アタッチメントやカッタの損傷を防止する。
【0010】第5発明は、車体前方に灌木、雑草等の刈取り用のカッタと、カッタを保護するガードとを備えたアタッチメントを有する自走式草刈機において、アタッチメントが自重で下降し、ガードがアタッチメントの自重より少ない荷重で地面に接し、地面に倣って進む倣い機構を有する構成としている。上記構成によれば、アタッチメントは小さな押し上げ荷重で上昇するため応答性が良く、ガードは常に地面に倣って接しながら進むために地面に倣った刈取り高さを確保でき、良好な刈取り作業を行うことができる。
【0011】第6発明は、第1発明の自走式草刈機において、ガードは、カッタ軸に並列に配設された複数個のカッタの間に、適宜挿入された円板よりなる構成としている。上記構成によれば、円板状のガードをカッタの間に適宜挿入したため、カッタの近傍にガードを配置することとなり、任意の位置にある障害物に対してカッタを保護することができる。
【0012】第7発明は、第6発明の自走式草刈機において、円板よりなるガイドは、カッタ軸に回転自在に取着された構成としている。上記構成によれば、ガードである円板はカッタ軸回りに回転自在であるため、障害物の乗り越えは容易で作業性が向上する。
【0013】第8発明は、第1発明の自走式草刈機において、ガードは、カッタを覆い、進行方向に向けて並列に配設され、かつ、複数個のカッタの間に、適宜挿入されたたそり状の棒材のガイドよりなる枠組なる構成としている。上記構成によれば、ガードは複数個のカッタの間に、適宜挿入されたそり状の棒材のガイドにより構成した枠組であるため、幅方向の中間部にある障害物にもガイドが当接し、カッタの破損を防止するとともに、障害物の乗り越えが容易となり、作業性が向上する。
【0014】自走式草刈機の草刈方法の第1発明は、車体前方に灌木、雑草等の刈取り用のカッタと、カッタを保護するガードとを備えたアタッチメントを有する自走式草刈機において、ガードが地面に倣って進むとともに、障害物に当接した時に、カッタの間に配設された円板が転動し、あるいは、カッタの間に配設されたそり状の棒材のガイドが滑動して、この障害物を乗り越えて進む草刈方法としている。上記方法によれば、アタッチメントは障害物を乗り越え、かつ、地面に倣って進むため、運転操作は極めて容易であり、車両は停止することなく連続的に草刈作業が可能で作業性が向上する。
【0015】自走式草刈機の草刈方法の第1発明における第2発明は、ガードはアタッチメントの自重より軽い重量で地面に接地し、かつ、地面に倣って進む草刈方法としている。上記方法によれば、アタッチメントは小さな押し上げ荷重で上昇するため応答性が良く、ガードは常に地面に倣って接しながら進むために地面に倣った刈取り高さを確保でき、良好な刈取り作業を行うことができる。
【0016】
【発明の実施の形態及び実施例】以下に、本発明に係る自走式草刈機の実施例について、図1〜図9を参照して詳述する。図1は第1実施例の衝撃緩和手段20を備えた自走式草刈機1の側面図であり、図2は平面図である。左右一対のクローラ3、3を有する車体2の前方に設けたブラケット4にはアタッチメント10が連結ピン5により上下方向に回動自在に取着されている。左右のクローラ3、3はそれぞれ左走行用油圧モータ55および右走行用油圧モータ56により駆動される。アタッメント10は、ハンマナイフ式カッタ13と、カッタ軸11を回転自在に取着したハンマナイフ式カッタ13を囲うカッタカバー12と、カッタカバー12とブラケット4とを連結する衝撃緩和手段20と、カッタカバー12に取着されたガード30とにより構成されている。衝撃緩和手段20と車体2とはリフトシリンダ6により連結され、リフトシリンダ6の伸縮により衝撃緩和手段20は連結ピン5を中心として回動し、アタッチメント10を昇降させる。
【0017】ガード30は進行方向に向けて並列に沿って、ハンマナイフ式カッタ13の間に、所定の間隔で配設されたそり状の棒材のガイド31と、ガイド31を連結する連結材32により構成される枠組33より成っており、枠組33の両側面に固設された各一対のブラケット34、34はカッタカバー12の両側面にボルト35により締着されている。このとき、ガイド31は、若干大きい石を乗り上げるためには、ハンマナイフ式カッタ13の間に、少なくとも3個以上が適宜配設されていることが望ましい。ガイド31の底面はカッタ13の外径D1より下方に突出するようになっており、ガイド31が接地してカッタ13を障害物から保護する。地上に石あるいは伐根等の障害物が有る場合、ガイド31は前方側の傾斜が大きいそり状であるためと、ハンマナイフ式カッタ13の間に、適宜配設されているために、これを容易に乗り越えて前進することができる。しかもガイド31は若干大きい石、あるいは障害物を乗り越え、かつ、ハンマナイフ式カッタ13を保護するように、幅方向に所定の間隔で配設されているためほとんどの障害物に当接し、カッタ13の損傷を防止するとともに車両を停止することなく作業を継続することができ、作業性を向上する。
【0018】図3は第1実施例の衝撃緩和手段20の側面断面図であり、図4は図3のA−A矢視図である。図3および図4において、ブラケット4には連結ピン5により外筒21の一端部が上下方向に回動自在に取着されている。外筒21は矩形断面であり、その開口した他端部からは外周部にライナ23を有する矩形断面の内筒22が摺動自在に挿入されている。内筒22の先端部には蓋24が固設され、基端部にはフランジ25が固設されてカッタカバー12にボルト26により締着されている。内筒22と外筒21とは内筒22に内設されたバネ27により常に伸長する方向に付勢されており、外筒21と内筒22との長さ方向の相対位置は内筒22と外筒21とを連結するロッド28により規制されている。アタッチメント10に前方から矢印X方向の外力が加わるとバネ27は縮小し、内筒22は外筒21内を摺動して移動する。その最大ストロークはL1である。ガード30が前方の障害物に当接し、大きな外力が加わるとアタッチメント10は所定量だけ後方に移動し、衝突の衝撃を緩和してアタッチメント10の破損を防止する。
【0019】外筒21の上面には車両自動停止手段80の衝突検出器40が設けられている。衝突検出器40のケース41には一端部に斜面43を有するくさび42が長手方向に摺動自在に内設され、くさび42の他端部のロッド44は内筒22のフランジ25に連結している。ケース41の上部にはリミットスイッチ45が取着され、くさび42が移動すると斜面43がリミットスイッチ45に接触してスイッチONとなるようになっている。その移動量はL2であり、第1衝撃緩和手段20の最大ストロークL1より小さい所定の値に定められる。
【0020】図5はガード30aを示すカッタ軸11の断面図である。カッタ軸11は軸受14によりカッタカバー12に回転自在に取着されている。カッタ軸11には複数個のハンマナイフ式のカッタ13が並列に取着され、その間には3個以上の円板式のガイド36が適宜配設されている。ガイド36はカッタ軸11に軸受37を介して回転自在に取着され、ガード30aを構成している。ガイド36の外径寸法D2はカッタ13の外径寸法D1より大きく設定されており、ガイド36が接地してカッタ13を保護する。ガイド36が障害物に当接した場合、ガイド36は回転自在であるため小さな抵抗で障害物を乗り越えることが可能であるとともに、カッタ13の間に適宜配設したためほとんどの障害物に当接し、カッタの損傷を防止することができる。
【0021】次に自走式草刈機1の油圧装置について説明する。図6は油圧回路図である。エンジン50は可変容量型の左走行用油圧ポンプ51および右走行用油圧ポンプ52を駆動する。また、同時にチャージ用油圧ポンプ53および作業機用油圧ポンプ54を駆動する。左走行用油圧ポンプ51は左走行用油圧モータ55とクローズド回路を構成し、右走行用油圧ポンプ52は右走行用油圧モータ56とクローズド回路を構成している。以下に作業機用の油圧装置について説明する。アタッチメント10を昇降させるリフトシリンダ6と作業機用油圧ポンプ54との間にはアタッチメント10のガード30を地面に倣って接地しながら前進させる倣い機構70が設けられている。即ち、リフトシリンダ6と作業機用油圧ポンプ54とは電磁式の方向切換弁60を介して接続されている。方向切換弁60は中立(N)位置、上げ(A)位置、下げ(B)位置を有し、通常時はバネ61、61により中立位置に保持されている。中立(N)位置では作業機用油圧ポンプ54の吐出回路58とオイルタンク57とをタンク回路59により接続し、リフトシリンダ6のボトム側に接続する上げ側回路62およびリフトシリンダ6のヘッド側に接続する下げ側回路63は、共にブロックされている。上げ側回路62と下げ側回路63との間にはアタッチメント10の昇降時の油圧を制限する回路リリーフ弁64が介装されている。回路リリーフ弁64のリリーフ圧力P1は例えば140kg/cm2である。上げ側回路62上にはアタッチメント10の降下スピードを調整する流量制御弁71およびアタッチメント10の保持用電磁ポペット弁74を介装している。流量制御弁71はリフトシリンダ6に向けて開く一方向弁72およびこれと並列に配設された可変絞り73より構成されている。保持用電磁ポペット弁74はリフトシリンダ6に向けて開く一方向弁75を有するC位置と、回路を連通するD位置とを有し、通常はバネ76によりC位置に保持されている。上げ側回路62から分岐してタンク回路59と接続する第1分岐回路65上にはリリーフ安全弁66が介装されている。リリーフ安全弁66のリリーフ圧力P2は例えば210kg/cm2である。また、上げ側回路62から分岐してタンク回路59と接続する第2分岐回路67上にはフローティング用電磁ポペット弁77とリリーフ弁68とが介装されている。リリーフ弁68のリリーフ圧力P3は例えば60kg/cm2に設定される。フローティング用電磁ポペット弁77は両方向チェック弁78を備えたE位置と、回路を連通するF位置とを有し、通常はバネ79によりE位置に保持されている。
【0022】次に、作業機用の油圧装置の作動について説明する。アタッチメント10を上昇させる場合には方向切換弁60を上げ(A)位置にする。作業機用油圧ポンプ54の圧油は吐出回路58から方向切換弁60を経て保持用電磁ポペット弁74の一方向弁75および流量制御弁71の一方向弁72を開いて上げ側回路62からリフトシリンダ6のボトム側に供給され、リフトシリンダ6の下げ側回路63は方向切換弁60を介してタンク回路59に接続する。したがって、リフトシリンダ6は伸長してアタッチメント10を上昇させる。このときの回路の最大圧力は回路リリーフ弁64のリリーフ圧力P1である。
【0023】アタッチメント10を上昇させた後停止する場合には、方向切換弁60を中立(N)位置にする。リフトシリンダ6の上げ側回路62および下げ側回路63は閉じられ、アタッチメント10は保持状態になる。リフトシンダ6のボトム側の上げ側回路62の圧油は保持用電磁ポペット弁74の一方向弁75により漏れが防止されるためアタッチメント10が走行中等に降下することはない。走行中の振動、あるいはアタッチメント10を昇降中にリフトシリンダ6を停止したような場合、リフトシリンダ6のボトム側に高圧が発生することがある。そのときの最大圧力はリリーフ安全弁66のリリーフ圧P2である。
【0024】アタッチメント10を下降させる場合には、方向切換弁60を下げ(B)位置にするとともに保持用電磁ポペット弁74をD位置にする。作業機用油圧ポンプ54の圧油は吐出回路62から方向切換弁60を経て下げ側回路63を通りリフトシリンダ6のヘッド側に供給され、リフトシリンダ6の上げ側回路62の油は流量制御弁71の可変絞り73を通り、方向切換弁60を介してタンク回路59に接続する。したがって、リフトシリンダ6は短縮し、アタッチメント10は降下する。このとき、可変絞り73の絞りを調整することによりアタッチメント10の下降スピードを調整することができる。この間の最大油圧は回路リリーフ弁64のリリーフ圧P1となる。
【0025】草刈り作業時には、アタッチメント10を下降させ、ガード30を接地させた後、方向切換弁60を上げ(A)位置に切り換えると同時に保持用電磁ポペット弁74をC位置に戻し、フローティング用電磁ポペット弁77をF位置に切り換える。または、方向切換弁60を上げ(A)位置に切り換えると同時に保持用電磁ポペット弁74をC位置に戻し、フローティング用電磁ポペット弁77をF位置に切り換えることにより自重でアタッチメント10を下降させ、ガード30をに接地させる。下げ側回路63は方向切換弁60を介してタンク回路59に接続する。作業機用油圧ポンプ54の吐出回路58は上げ側回路62に接続するとともに第2分岐回路67と接続する。したがって、作業機用油圧ポンプ54の吐出油圧はリリーフ弁68のリリーフ圧P2となる。前述のリリーフ弁68のリリーフ圧P2はアタッチメント10の全重量の約2/3を保持する圧力に設定されており、したがって、アタッチメント10のガード30はアタッチメント10の全重量の約1/3の力で地面に押し付けられる。そのため、アタッチメント10は、小さな力で上昇し、応答性は良好である。特に、作業機用油圧ポンプ54の吐出回路58は上げ側回路62に接続されているため、障害物に当たるとアタッチメント10は、小さな力で即時に上昇するので、障害物を容易に乗り越えることができる。したがって、ガード30は地形に倣って地面に接しながら進むこととなり、地面にならった高さでの草刈り作業が可能となり、効率的な草刈り作業を行うことができる。
【0026】次に、本発明の自走式草刈機1の草刈方法について説明する。草刈り地点までの移動時にはオペレータは方向切換弁60を上げ(A)位置にしてリフトシリンダ6を伸長し、アタッチメント10を上昇させる。アタッチメント10が所定位置に達した後、方向切換弁60を中立(N)位置にしてリフトシリンダ6を保持状態にし、所定の場所まで移動する。草刈り予定地に到着後、オペレータは方向切換弁60を下げ(B)位置に、保持用電磁ポペット弁74をD位置にしてアタッチメント10を下降させる。または、前記と同様に、方向切換弁60を上げ(A)位置に、保持用電磁ポペット弁74をC位置に、フローティング用電磁ポペット弁77をF位置にして、アタッチメント10を自重で下降させ、ガード30に接地させる。ガード30が接地した後は、方向切換弁60を上げ(A)位置に、保持用電磁ポペット弁74をC位置に、フローティング用電磁ポペット弁77をF位置にしてアタッチメント10をフローティング状態にする。次にカッタ軸11を回転させて前進する。アタッチメント10は前述のように地形に倣って地面に接しながら進み、障害物を乗り越えて前進する。
【0027】次に、自走式草刈機1の車両自動停止手段80について説明する。図7は車両自動停止手段80のブロック図であり、制御装置81は図3で説明した衝突検出器40と接続しており、また、制御装置81はオペレータに走行停止を通報する走行停止表示灯82と、可変容量型の左右走行用油圧ポンプ51、52の斜板角を制御する左サーボモータ83および右サーボモータ84に接続している。
【0028】以下に作動について説明する。前述の衝突検出器40の説明の通り、アタッチメント10のガード30が障害物に当接し、アタッチメント10が車体2に対して所定量(L2)後退するとリミットスイッチ45はONとなる。制御装置81はこの信号を入力し、走行停止表示灯82に信号を出力して点灯し、オペレータにアタッチメント10が乗り越え不可能な障害物に当接したことを通報する。同時に、左サーボモータ83および右サーボモータ84に制御信号を出力し、左右走行用油圧ポンプ51、52の斜板角を0にして油圧ポンプの吐出量を0にし、車両の走行を停止する。オペレータは走行停止表示灯82の点灯を確認し、所定の処置を取る。これにより、アタッチメト10に無理な外力が加わることは防止されるため破損の恐れは無い。
【0029】図8は第2実施例の衝撃緩和手段20aを備えたアタッチメント10aの側面図である。アタッチメント10aのカッタカバー12に一端部を固設されたアーム15の他端部は、車体2に固設されたブラケット4に連結ピン5により回動自在に取着されている。アーム15と車体2とはリフトシリンダ6により連結され、リフトシリンダ6の伸縮によりアタッチメント10は昇降する。カッタカバー12の下方にはガード30が配設され、ガード30はカッタカバー12の両側面に一対の第2実施例の衝撃緩和手段20aを介して取着されている。また、カッタカバー12の片側側面の衝撃緩和手段20aの上部には衝突検出器40が取着されている。
【0030】図9は衝撃緩和手段20aおよび衝突検出器40の詳細断面図である。アタッチメント10のカッタカバー12の側面にはケース90が固設されている。ガード30の枠組32の両側面の前後に固設されたブラケット34はほぼ中央部にフランジ92を有するロッド91によりピン93、93を介して連結されており、フランジ92を含むロッド91はケース90に摺動自在に収納されている。フランジ92の一端面とケース90の一内面との間にはバネ94が配設され、ガード30を前方に向けて常に付勢している。カッタカバー12の側面のケース90の上方には図3で説明した衝突検出器40が取着され、くさび42のロッド44はガード30の前部に連結している。
【0031】次に、衝撃緩和手段20aの作動について説明する。前述のようにガード30はロッド91を介してケース90に支持されており、バネ94により前方に付勢されている。ガート30が前方の障害物に当接するとガード30はバネ94を圧縮してカッタカバー12に対して後方に移動し、衝突の衝撃を緩和する。ガード30の最大ストロークはL1である。同時に衝突検出器40のくさび42は後方に移動し、移動量が予め定められた値L2になるとリミットスイッチ45はONとなり、前述したように車両自動停止手段80は作動して車両を停止させ、アタッチメント10の損傷を防止する。上記実施例では、リミットスイッチを用いているが、シリンダあるいは衝撃緩衝手段にストロークセンサを設けて、ストロークで検出するようにしても良い。
【出願人】 【識別番号】000184632
【氏名又は名称】小松ゼノア株式会社
【出願日】 平成10年12月25日(1998.12.25)
【代理人】 【識別番号】100073863
【弁理士】
【氏名又は名称】松澤 統
【公開番号】 特開2000−188919(P2000−188919A)
【公開日】 平成12年7月11日(2000.7.11)
【出願番号】 特願平10−376693