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【発明の名称】 作業車の作業部昇降装置
【発明者】 【氏名】大塚 浩司

【要約】 【課題】作業車において作業部を昇降させる油圧回路に、昇降作用時のサージ圧を吸収するサージ圧吸収装置を設ける。

【解決手段】作業部1(刈取装置)を昇降させる刈取昇降電磁弁4及び刈取昇降シリンダ5等を有する油圧回路2に、昇降作用時のサージ圧を吸収するサージ圧吸収装置3を設けたことを特徴とする作業車の作業部昇降装置の構成とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 作業部1を油圧力により昇降させる油圧回路2に、昇降作用時のサージ圧を吸収するサージ圧吸収装置3を設けたことを特徴とする作業車の作業部昇降装置。
【請求項2】 前記作業部1としての刈取装置を昇降させる刈取昇降電磁弁4及び刈取昇降シリンダ5等を有する油圧回路2に、昇降作用時のサージ圧を吸収するサージ圧吸収装置3を設けたことを特徴とする請求項1記載の作業車の作業部昇降装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、作業車の作業部昇降装置に関し、作業部(例えばコンバイン等における刈取装置)を油圧シリンダの伸縮作動により昇降させる油圧回路を有するもの等の分野に属する。
【0002】
【従来の技術、及び発明が解決しようとする課題】従来、作業部として、例えばコンバイン等における刈取装置を、その上部側を車台の前側部上方に設けた支軸回りに支承すると共に、その下部側と車台先端部とを油圧により伸縮作動する刈取昇降シリンダによって連結装架して構成し、この刈取昇降シリンダを、刈取油圧回路において刈取昇降電磁弁の微少ONタイム(例えば40ミリセカンド程度)の作用により伸縮作動させ、刈取装置を土壌面に対し昇降制御を行わせるものが一般的であった。
【0003】しかし、該刈取装置を刈取昇降電磁弁の微少ONタイムにより昇降作用させるときに、刈取油圧回路に瞬間的にサージ圧が発生することにより、このサージ圧によるショックのため昇降作用時のフィーリングが悪くなると共に、刈高さの位置決め精度が安定しないと言う難点があった。そこでこの発明は、作業部(例えばコンバイン等の刈取装置)を昇降させる油圧回路に、昇降作用時のサージ圧を吸収するサージ圧吸収装置を設ける。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、作業部1を油圧力により昇降させる油圧回路2に、昇降作用時のサージ圧を吸収するサージ圧吸収装置3を設けたことを特徴とする作業車の作業部昇降装置の構成とする。請求項2の発明は、前記作業部1としての刈取装置を昇降させる刈取昇降電磁弁4及び刈取昇降シリンダ5等を有する油圧回路2に、昇降作用時のサージ圧を吸収するサージ圧吸収装置3を設けたことを特徴とする請求項1記載の作業車の作業部昇降装置の構成とする。
【0005】
【作用】請求項1の発明では、上記の構成により、作業部1を昇降させる油圧回路2にインライン型のサージ圧吸収装置3を設けることにより、例えば、作業部1を昇降させる昇降用電磁弁を微少ONタイムで作用させたときに、油圧回路2に発生するサージ圧を吸収抑制することができる。
【0006】請求項2の発明では、上記の構成により、作業部1としてコンバイン等の刈取装置において、その後部下側と車台前端部とを連結している刈取昇降シリンダ5により、刈取装置1を上部側の支軸回りに土壌面に対し昇降させるが、この昇降時に、油圧回路2において刈取昇降電磁弁4の微少ONタイム、例えば40ミリセカンド程度の作用により該刈取昇降シリンダ5を伸縮作動させるとき、瞬間的に発生するサージ圧を該油圧回路2に設けているインライン型のサージ圧吸収装置3により吸収抑制することができる。
【0007】
【発明の効果】請求項1の発明では、上記作用の如く、作業部1を昇降させる油圧回路2にサージ圧吸収装置3を設けていることにより、作業部1の昇降用電磁弁の微少ONタイムの作用により発生するサージ圧を吸収抑制することができるから昇降操作時のショックを軽減してフィーリングを向上させることができる。
【0008】請求項2の発明では、上記作用の如く、作業部1としての刈取装置を土壌面に対し昇降させる油圧回路2において、刈取昇降電磁弁4の微少ONタイムの作用により刈取昇降シリンダ5を伸縮作動させるときに、瞬間的に発生するサージ圧をサージ圧吸収装置3により吸収抑制することができるから、該刈取装置1の昇降作用時のショックを軽減してフィーリングを向上させることができると共に、刈高さの位置決めを精度良く安定させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の実施例を作業車としてのコンバインについて図面に基づき説明する。図16はコンバインの全体構成を示すもので、車体6の車台7下部側に土壌面を走行する左右一対の走行クロ−ラ8を張設した走行装置9を配設すると共に、該車台7上にフィ−ドチェン10に挟持搬送して供給される刈取り穀稈の脱穀を行い、この脱穀された穀粒を選別回収して一時貯留するグレンタンク11と、この貯留した穀粒を機外へ排出する排穀オーガ12とを備えた脱穀装置13を載置構成している。
【0010】該脱穀装置13の前方に、その前端側から植立穀稈を分草する分草体14と、分草された穀稈を引き起こす引起部15と、引き起こされた穀稈を刈り取る刈刃部16と、この刈り取られた穀稈を後方側へ搬送しながら扱深さを調節する調節搬送部17と、この調節搬送された穀稈を該フィ−ドチェン10へ供給する供給搬送部18等を有する作業部1としての刈取装置を、油圧駆動による刈取昇降シリンダ5により土壌面に対し昇降自在に作用するよう配置構成している。
【0011】該刈取装置1の一側にコンバインの操作制御を行う操作装置19と、この操作のための操作席20とを設け、この操作席20の下方側にはエンジン21を搭載し、後方側には前記グレンタンク11を配置すると共に、操作装置19と操作席20とを覆うキャビン22を設けて構成し、これらの刈取装置1,走行装置9,脱穀装置13,操作装置19,エンジン21,キャビン22等によって前記車体6を構成させている。
【0012】図6に示す如く、前記刈取装置1は車台7の前端部に装架した走行用ミッションケース23の上端部に刈取架台24を固定すると共に、この刈取架台24に刈取入力ケース25を上下回動可能に支承して設け、この刈取入力ケース25から下方側に向け延長したパイプ状の刈取主フレーム26とを接合し、この刈取主フレーム26の適宜位置と車台7前端部との間に前記刈取昇降シリンダ5を連結して構成させる。
【0013】該刈取主フレーム26と、刈取装置1の下部にその全幅に亘って設けた下部横伝動ケ−ス27とを接合し、該下部横伝動ケ−ス27の左端部近傍から前方斜上方へ向けて中間縦フレーム28を延設し、この中間縦フレーム28と、刈取装置1の上部にその全幅に亘って設けた上部横伝動ケ−ス29とを接合すると共に、上部横伝動ケ−ス29から引起駆動ケ−ス30を介し植立穀稈を引き起す前記引起部15を接合して構成させる。
【0014】前記各分草体14の後方側に刈り取った穀稈の株元側を掻き込む各掻込ラグベルト31と、この各掻込ラグベルト31により掻き込んだ穀稈を、更に掻き込み保持させる各掻込スターホイル32を配設し、この各掻込スターホイル32から各株元搬送チェン33及び扱深さ調節チェン34に引き継ぎ搬送させると共に、この両チェン33,34の上方側に穀稈の穂先側を搬送させる各穂先搬送ラグ35を配設し前記調節搬送部17を構成させる。
【0015】該扱深さ調節チェン34から引き継いで前記脱穀装置13へ供給する穀稈を、その稈長に応じて通常では標準状態のフィードチェン10側へ、また特に畦際制御時における極短稈等では深扱ぎ側へ供給位置を変更する前記供給搬送部18を構成するとともに、未刈穀稈を刈り取る前記刈刃部16を、該各掻込スターホイル32の下方側で各分草体14を支持する分草杆36aを固着した下部フレーム36に、刈取装置1の全幅に亘り左右に分割配設して構成させる。
【0016】該分草杆36aの適宜位置に、未刈稈への接当により車体6の進行方向を検出する方向センサ37を配設すると共に、同じくこの分草杆36aの後側に、超音波を発射しその反射波を受けて刈取り穀稈の刈高さを検出する刈高センサ38を土壌面に向け配設して構成させる。前記走行装置9を駆動する走行用ミッションケース23を車台7の前端側に装架し、このミッションケース23のギヤ伝動機構を説明の都合上、図7(a)と(b)に示す如く2系統に分け、まず、図7(a)では、第1軸の入力軸39に軸止した入力ギヤ39aと、第2軸の変速軸40に軸止する入力伝動ギヤ40aとを噛合連動させ、この変速軸40に横並びに二連の変速駆動ギヤ40bを軸回転摺動して構成させる。
【0017】該変速駆動ギヤ40bと噛合接続する高速駆動ギヤ40cを変速軸40に遊転軸承し、この高速駆動ギヤ40cと、第3軸のカウンタ軸41に軸止する高速ギヤ41aとを噛合連動させ、同じくカウンタ軸41に軸止した中速ギヤ41b及び低速ギヤ41cと、該変速駆動ギヤ40bとを各々切り替え噛合連動させて3速の副変速を構成させる。
【0018】該低速ギヤ41cと第4軸の操向軸42に軸止する操向センタギヤ42aとを噛合連動させると共に、この操向センタギヤ42aの両側面に各々噛合接続する左右の操向クラッチ43を操向軸42に遊転摺動可能に軸承して構成させる。該左右の操向クラッチ43に、センタ側から各々ギヤ部43aとシフタ溝部43bとボス部とを設け、左右のシフタ溝部43bに、図8に示す如く、操向クラッチ43を油圧駆動の左右の操向シリンダ44により左右摺動させる左右の操向シフタ45を係合し、左右のボス部に、油圧駆動のクラッチにより制動させる左右の走行ブレーキ46の回転ディスク側を軸止し、停止ディスク側を内壁に固定させた構成とする。
【0019】該操向クラッチ43の左右のギヤ部43aと、第5軸の減速軸47に遊転軸承した左右の二連の操向伝動ギヤ47aとを各々噛合連動させ、この操向伝動ギヤ47aの他方の小径ギヤ47bと、第6軸の左右のホイル軸48の一端部に軸止した左右のホイルギヤ48aとを各々噛合連動させ、該ホイル軸48の他端部に前記走行クローラ8を駆動する左右の駆動輪49を各々軸止して構成させる。
【0020】次に、図7(b)では、第1軸の入力軸39から第2軸の変速軸40を経て第3軸のカウンタ軸41に至る間は前記と同じ伝動経路となるが、このカウンタ軸41に軸回転摺動する旋回切替ギヤとしての一方側のスピン旋回ギヤ50aと、第7軸の旋回中間軸51に軸止したスピン中間ギヤ51aとを噛合連動させると共に、同じく旋回中間軸51に軸止したスピン駆動ギヤ51bと、第8軸の旋回軸52に軸止した旋回ギヤ53とを噛合連動させた構成とする。
【0021】第3軸の旋回切替ギヤとしての他方側のマイルド旋回ギヤ50bと、旋回軸52の旋回ギヤ53とを噛合連動させ、旋回軸52の左右端部に、油圧駆動の左右の旋回クラッチ54の回転ディスク側を軸止すると共に、停止ディスク側から内側に向けて延長したボス部に軸止した左右の旋回駆動ギヤ55と、前記減速軸47の操向伝動ギヤ47aとを噛合連動させた構成とする。
【0022】車体6の前後傾斜によるピッチング制御と左右傾斜によるローリング制御を行う前記走行装置9は、図9に示す如く、前記車台7の中央左右側に縦方向に接合した、左右の縦フレ−ム56の前側下部に設けた左右のローリングメタル57に前部ローリングアーム58を回動可能に軸支し、この左右の前部ローリングアーム58の下端部位置と、左右の縦フレ−ム56の外側下方に各々位置する左右の転輪フレーム59の前部側位置とを回動可能に連結して構成させる。
【0023】該左右の縦フレ−ム56の後側下部に各々設けた左右のピッチングメタル60にピッチング軸61を回動可能に軸支し、このピッチング軸61の左右側に各々左右のピッチングアーム62を軸止して構成させる。該左右のピッチングアーム62と平面視H字状の連結アーム63の左右側一端部とを回動可能に連結すると共に、その他端部と左右の後部ローリングアーム64とを回動可能に連結し、この後部ローリングアーム64の下端部位置と、該左右の転輪フレーム59の後部側位置とを各々回動可能に連結して構成させる。
【0024】該左右の転輪フレーム59の後端部上側に、各々左右の後部転輪65を回動可能に軸支すると共に、左右の転輪フレーム59の外側面下部側に各々所定の間隔にて複数個の接地転輪66を遊転自在に軸支し、これら左右の後部転輪65及び複数個の接地転輪66と、前記車台7の前端部に装架した走行用ミッションケ−ス23から動力を伝達する駆動輪49とに、前記左右の走行クロ−ラ8を各々巻掛け張設した構成とする。
【0025】該右のピッチングアーム62の上端部に、油圧駆動によるピッチングシリンダ67の可動先端部を連結すると共に、該左右の前部ローリングアーム58と該左右の後部ローリングアーム64とを各々4点平行リンクを形成可能に左右の連結杆68によって回動可能に連結し、左右の後部ローリングアーム64の上部側を連結杆68の連結位置より更に上方へ延長した上端部に、油圧駆動による左右のローリングシリンダ69の可動先端部を連結して構成させる。
【0026】前記車台7の適宜位置に各々配設した車体6の前後及び左右傾斜を検出する静電容量形式の前後傾斜センサ70aと左右傾斜センサ70bの検出値により、該ピッチングアーム62とピッチングシリンダ67等の作用によって車体6を前後傾斜させるピッチング制御を構成すると共に、該左右の前部及び後部ローリングアーム58,64と左右のローリングシリンダ69等の作用によって車体6を昇降又は左右傾斜させるローリング制御を構成させる。
【0027】前記脱穀装置13のグレンタンク11の後方下部側から、排穀オーガ12の縦方向の排穀オーガ支筒12aを上方へ向け立ち上げ、この排穀オーガ支筒12aに対し横方向の排穀オーガ横筒12bを上下回動可能なるよう、油圧駆動のオーガ昇降シリンダ71を、排穀オーガ支筒12aと排穀オーガ横筒12bの連結部近傍に配設して構成させる。(図16参照)
図1に示す如く、パワステレバー72の前後傾動操作による刈取装置1の昇降作用及び前記刈高センサ38による刈高さの自動制御を行う刈取用油圧回路2Aと、該レバー72の左右傾動操作による車体6の左右操向・旋回作用及び前記方向センサ37による方向・旋回作用の自動制御を行う操向用油圧回路2Bとを構成させる。
【0028】これらの刈取用油圧回路2Aと、操向用油圧回路2Bと、姿勢制御レバー73の操作による車体6の前後・左右傾斜作用及び前後・左右傾斜センサ70a,70bによるピッチング・ローリング制御を行う車体姿勢用油圧回路2Cと、脱穀装置13の排穀オーガ12の姿勢制御を行うオーガ用油圧回路2Dと、アンロード油圧回路2Eとにより油圧回路2を構成させる。
【0029】該油圧回路2は、油圧タンク74から油圧ポンプ75により供給される圧油を優先分流電磁弁(フロープライオリティバルブ)76によって、制御流xと余剰流yとに約3:7の比率で分流し、この制御流xを操向用油圧回路2Bに供給する。該制御流xの供給により操向用油圧回路2Bにおいて、前記方向センサ37の検出により左又は右の方向切替電磁弁77を作用側に切り替えたときは、まず操向シリンダ44を作動させ操向シフタ45により操向クラッチ43を切りとし、この切りに伴い作用切替電磁弁78を走行ブレーキ46側に切り替えているときは、走行ブレーキ46を制動させて車体6の直進時の左右操向又はブレーキ旋回を行わせる。
【0030】なお、該作用切替電磁弁78を旋回クラッチ54側に切り替えているときは、旋回クラッチ54を作用させてスピン旋回ギヤ50aへの切り替えによりスピン旋回を行わせると共に、マイルド旋回ギヤ50bへの切り替えによりマイルド旋回を行わせる。該制御流xの供給によりアンロード油圧回路2Eにおいて、パイロット圧を高低に切り替えてアンロードリ用のリーフ弁79aを作用させるアンロード電磁弁79と、この電磁弁79の切替作用により該リリーフ弁79aを介して圧油を余剰流y側に合流させるか、油圧タンク74へ返油するか選択可能とする。
【0031】前記優先分流電磁弁76によって分流された余剰流yは刈取用油圧回路2Aにおいて、刈取装置1を昇降させる刈取昇降電磁弁4としての上昇用電磁弁4aと下降用電磁弁4bを介して前記刈取昇降シリンダ5へ圧油を供給するが、この圧油供給時に発生するサージ圧を抑制するため、刈取昇降電磁弁4と刈取昇降シリンダ5との間にサージ圧を吸収するインライン型のサージ圧吸収装置3を接続して構成させる。
【0032】該サージ圧吸収装置3は、図2に示す如く、外筒3aの両端内径側に、各々その中心部に通油路a,bを設けたバルブ側ポート3bとシリンダ側ポート3cを各々嵌着し、バルブ側ポート3bの内側部にスリーブ3dの一端部を嵌着すると共に、その他端部をシリンダ側ポート3cとの間に通油路cを残して蓋3eにより密閉して構成させる。
【0033】該スリーブ3dの内面側にポペット3fとスプール3gを摺動可能に遊嵌すると共に、スプール3gの摺動を規制する止め輪3hをスリーブ3d内面の適切な位置に止着する。該ポペット3fとスプール3gの各中心部に各々通油路d,eを設け、この通油路eの略中間位置に圧油を規制するオリフィスzを配設すると共に、両通油路d,eに各々復帰用のバネ3i,3jを張設して構成させる。
【0034】このような構成により、刈取装置1の上昇時には、図3(a)に示す如く、通油路aに供給される圧油に押されポペット3fと共にスプール3gがシリンダ側ポート3c側へ摺動したときは、圧油は通油路dから外径側へ通油する通油孔fを経てスリーブ3dに設けた通油孔gを通り外周側に流れ、その外周側から通油孔hを通り通油孔iを介して通油路eへの送油はオリフィスzにより規制されるため、大半の圧油は通油路cにより通油路bへ送油される。
【0035】刈取装置1の下降時には、図3(b)に示す如く、通油路bに供給される圧油は通油路cを経てスリーブ3dの外周側から通油孔hを通り通油孔iを介して通油路eへ送油され、この圧油によりポペット3fが押されてバルブ側ポート3b側へ摺動したときは、圧油はダンパー室jとなった空間を介して通油孔fを通り通油路dを経て通油路aへ送油される。
【0036】該刈取用油圧回路2Aに送油される余剰流yにより、刈取装置1の上昇時には上昇用電磁弁4aを、下降時には下降用電磁弁4bを各々40ミリセカンド程度の微少ONタイムにより刈取昇降シリンダ5を伸縮作動させることにより、図4に示す如く、瞬間的にサージ圧が発生する。このサージ圧を、上昇時にはサージ圧吸収装置3によるスリーブ3dの外周側から通油路eに流入しようとする急激な流れの圧油をオリフィスzにより規制して通油路cに逃がすと共に、下降時にもサージ圧吸収装置3によるスプール3gの通油路eからポペット3fの通油孔fに流入する急激な圧油をダンパー室jにより緩衝してサージ圧を抑え、刈取装置1の昇降作用時のショックを軽減してフィーリングの向上と、刈高さの位置決めを精度よく安定させることができる。
【0037】該余剰流yの供給により車体姿勢用油圧回路2Cにおいて、前記前後傾斜センサ70aと左右傾斜センサ70bの検出により、ピッチング制御用のピッチング切替電磁弁80とローリング制御用の左右のローリング切替電磁弁81から、一方側へはパイロットチェック弁82を介して各々前記ピッチングシリンダ67と左右のローリングシリンダ69を作用させて、車体6の前後傾斜又は左右傾斜の修正を行わせる。
【0038】該余剰流yの供給によりオーガ用油圧回路2Dにおいて、前記排穀オーガ12の昇降用オーガ切替電磁弁83からパイロットチェック弁84を介して、前記オーガ昇降シリンダ71を作用させて排穀オーガ12の昇降作用を行わせる。また、図1に示す油圧回路2の刈取用油圧回路2Aにおいて、図5に示す如く、前記刈取昇降電磁弁4と刈取昇降シリンダ5との間に、該サージ圧吸収装置3の代わりにアキュムレータ85を設け、このアキュムレータ85の容量を2cc程度とし刈取昇降電磁弁4のON出力による吐出量の約20%に設定することにより、出力による上昇・下降量は少なくなるが、サージ圧を抑えて刈取装置1の昇降作用時のショックをサージ圧吸収装置3と同様に軽減することができる。
【0039】また、図1の油圧回路2に示す如く、該油圧タンク74から油圧ポンプ75により供給される圧油を優先分流電磁弁76によって制御流xと余剰流yとに分流するものにおいて、この制御流x側に、図10に示す如く、余剰流y側に合流させるか、アンロード油圧回路2Eを経由して油圧タンク74へ返油するかを選択切替する選択切替電磁弁86を設けて構成させる。
【0040】このような構成により、自動制御時に操向用油圧回路2Bを作用させないときは、該選択切替電磁弁86を、制御流xを油圧タンク74へ逃がす側に切り替えして余剰流yのみで刈取用,車体姿勢用,オーガ用の各油圧回路2A,2C,2Dの作用を行わせると共に、手動操作時には、該電磁弁86を制御流xと余剰流yとを合流させた全量で各油圧回路2A,2C,2Dの作用を行わせる。
【0041】このような作用により、従来の如く、操向用油圧回路2Bの作用時以外は、自動制御時においても制御流xと余剰流yとを合流させた全量で各油圧回路2A,2C,2Dを作用させることによりショックが大きくなるというようなことがなく、円滑なフィーリングによる自動制御を行わせることができる。また、図1に示す油圧回路2の車体姿勢用油圧回路2Cにおいて、図11に示す如く、前記ピッチング切替電磁弁80とピッチングシリンダ67の間と、左右のローリング切替電磁弁81と左右のローリングシリンダ69の間に、各々作用速度を普通速と高速とに切り替える小・大2種類の絞り87a,87bを設け、この2種類の絞り87a,87bを同時に切り替え作用させるようパイロット用の絞り切替電磁弁88を配設して構成させる。
【0042】このような構成により、自動による湿田状態と通常状態での車体水平制御時において、該絞り87a,87bを絞り切替電磁弁88により同時に切り替えることにより作用速度の適正化を図ることができる。このため従来の如く、湿田状態と通常状態における作用速度が両立できないという矛盾がないと共に、各回路毎に各々切替電磁弁を設けて切り替えるときよりも、制御の容易さコンパクトさ等において同時に切り替える方に利点がある。
【0043】また、図1に示す油圧回路2の車体姿勢用油圧回路2Cにおいて、図12に示す如く、該ピッチング切替電磁弁80を通常用切替電磁弁80aと高速用切替電磁弁80bに分割して並列配置し、両切替電磁弁80a,80bと該ピッチングシリンダ67の間において、その一方(上昇)側に各々パイロットチェック弁89a,89bを介して小・大2種類の絞り90a,91aを設けると共に、その他方(下降)側に各々小・大2種類の絞り90b,91bを設けて構成させる。
【0044】このような構成により、通常状態における作業時には通常用切替電磁弁80aから小の絞り90a,90bを介して作用させ通常の自動制御を行わせ、湿田等における作業時には高速用切替電磁弁80bから大の絞り91a,91bを介して作用させ高速での自動制御を行わせることにより、従来の如く、湿田等における作業時にピッチングシリンダ67の作動が遅れるようなことがなく、作動速度の適正化を図ることができる。
【0045】なお、高速用切替電磁弁80bの上昇回路と通常用切替電磁弁80aの下降回路とを同時に作用させることにより中速の上昇を行うことができると共に、高速用切替電磁弁80bの下降回路と通常用切替電磁弁80aの上昇回路とを同時に作用させることにより中速の下降を行わせることができる。また、図1に示す如き油圧回路2に準じる回路において、図13に示す如く、一方の油圧ポンプ92により操向用油圧回路2Bを、他方の油圧ポンプ93により刈取用,車体姿勢用,オーガ用の各油圧回路2A,2C,2Dを作用させる2ポンプ形態とし、前記優先分流電磁弁76の余剰流yを、合流切替電磁弁94を介して操向用油圧回路2Bと各油圧回路2A,2C,2Dへの合流乃至油タンク95への返油とを切替可能に構成させる。2Eはアンロード油圧回路を示す。
【0046】このような構成により、基本的には各油圧回路2A,2C,2Dを該油圧ポンプ93の圧油量のみで作用させることにより、自動による刈高さ制御を行うときに圧油のピーク圧によるショックを軽減することができると共に、ピッチング制御とローリング制御とを同時に作用させるときには、該油圧ポンプ92の余剰流yを合流させることにより、従来の如く、湿田等においてピッチング制御とローリング制御を同時に作用させるときに作用速度が遅くなるということがない。
【0047】なお、手動により刈取装置1の昇降作用と車体6の昇降作用とを行わせるときに、該両油圧ポンプ92,93による合流圧油量によって余裕をもって作用を行わせることができると共に、該合流切替電磁弁94のON状態をパルスやデューティ制御を行うことにより合流圧油量を比例的に変化させることも可能であり、圧油量が少なくなることで前記アンロード電磁弁79の容量を小さくすることができる。
【0048】また、図14に示す如く、スロットルレバー96と前記エンジン21のガバナに連結したガバナアーム96aとをスロットルワイヤ96bにより接続し、該レバー96の作用を検出するスロットルセンサ96cの検出値によりスロットルモータ96dによって該レバー96を自動的に作動させると共に、エンジン回転数を検出する回転センサ96eを適宜位置に設けて構成させる。
【0049】このような構成と共に、図1に示す如き油圧回路2において、刈取装置1の昇降制御と車体6の操向旋回制御とを行うマルチ操作や、車体6の水平制御と車体6の操向旋回制御とを行うマルチ操作時等に、該エンジン21の低速アイドル回転数を予め設定した一定回転数まで上昇させるアイドルアップ制御を設けて構成させる。
【0050】これらの構成によって、従来から低速アイドル回転数においてもマルチ操作を可能としているため、容量の大きい油圧ポンプ75を必要としていたものを、アイドルアップ制御を行うことにより油圧ポンプ75の容量を小さくすることが可能となり、車体6の操向による急旋回時のパワーロスの低減や、アンロード電磁弁79の切替力の低減等に効果がある。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成10年12月25日(1998.12.25)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−188917(P2000−188917A)
【公開日】 平成12年7月11日(2000.7.11)
【出願番号】 特願平10−370596