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【発明の名称】 コンバイン
【発明者】 【氏名】浜 田 昌 宏

【氏名】川 崎 晃 一

【氏名】織 田 正 明

【氏名】町 田 睦

【氏名】小 松 真 弥

【氏名】佐 藤 昇 一

【氏名】岡 崎 正 晴

【要約】 【課題】運転席の作業者から刈取作業状態を容易且つ正確に確認可能とさせる。

【解決手段】運転操作部(18)前方に刈取部(8)を昇降自在に装備させたコンバインにおいて、刈取部(8)の引起し装置(185)を駆動する引起し駆動ケース(186)を、運転操作部(18)の操向ハンドル(19)の下方に配置させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 運転操作部前方に刈取部を昇降自在に装備させたコンバインにおいて、刈取部の引起し装置を駆動する引起し駆動ケースを、運転操作部の操向ハンドルの下方に配置させたことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】 運転操作部前方に刈取部を昇降自在に装備させたコンバインにおいて、運転操作部の運転席をこの前方の操向ハンドルの傾斜角度に略沿って上下高さ調節自在に設けたことを特徴とするコンバイン。
【請求項3】 運転操作部前方に刈取部を昇降自在に装備させたコンバインにおいて、運転操作部の操向ハンドルを丸形形状に形成し、刈取部の引起し装置前端に配備させる分草板の1つを、丸形ハンドルの内径巾内前方に配置させたことを特徴とするコンバイン。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は刈取部、脱穀部、運転操作部などを有し、機体の走行中圃場の穀稈を連続的に刈取って脱穀するコンバインに関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来、運転操作部前方に刈取部を装備させる例えば3条以上の多条刈り用コンバインにあっては、昇降可能な引起し装置と運転操作部との干渉を回避させるため、引起し装置と運転操作部との間に一定のスペースを確保している。しかしこのような場合運転席と引起し装置とは離れて、運転席位置の作業者からは引起し装置前端の分草板の作業状況の確認などが容易に行えないばかりでなく、機体全長が長くなって機体が大型且つ重量化するなどの不都合があった。
【0003】また、運転席の高さ調節を行った場合操向ハンドルの相対位置関係も変化して、ハンドルの操作がしずらくなったり、ハンドルによって運転席からの作業視野が妨げられるなどの不都合があった。
【0004】さらに、操向ハンドルの把手部を丸形とした場合、丸形の把手部によって、運転席位置の作業者の視野が妨げられて、分草板などによる刈取部の作業状況の確認が容易に行えないなどの不都合があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】したがって本発明は、運転操作部前方に刈取部を昇降自在に装備させたコンバインにおいて、刈取部の引起し装置を駆動する引起し駆動ケースを、運転操作部の操向ハンドルの下方に配置させて、刈取部の上昇及び下降の何れにあっても、引起し装置上端の引起し駆動ケースを操向ハンドル(把手部)より常に下方に位置させる状態とさせて、運転席位置からの引起し装置前端の分草板などの作業確認を容易とさせると共に、機体全長を短くして機体の小型軽量化を可能とさせるものである。
【0006】また、運転操作部前方に刈取部を昇降自在に装備させたコンバインにおいて、運転操作部の運転席をこの前方の操向ハンドルの傾斜角度に略沿って上下高さ調節自在に設けて、運転席の上下高さ調節時にも常に運転席と操向ハンドルとの関係位置を略一定に保って、ハンドルの操作性を良好に保持させると共に、運転席位置からハンドルを通して略一定範囲で刈取部の作業状況の確認を常に可能とさせて、運転席からの作業者の作業視界を良好とさせるものである。
【0007】さらに、運転操作部前方に刈取部を昇降自在に装備させたコンバインにおいて、運転操作部の操向ハンドルを丸形形状に形成し、刈取部の引起し装置前端に配備させる分草板の1つを、丸形ハンドルの内径巾内前方に配置させて、操向ハンドルが丸形形状のものにおいても、運転席からの作業者の視野を狭めたり妨げるなどの不都合なく、分草板による作業状況を容易に確認して、刈取作業精度を向上させるものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1は3条刈取用コンバインの全体側面図、図2は同平面図であり、図中(1)は左右一対の走行クローラ(2)を装設するトラックフレーム、(3)は前記トラックフレーム(1)に架設する機台、(4)はフィードチェン(5)を左側に張架し扱胴(6)及び処理胴(7)を内蔵している脱穀部、(8)は刈刃(9)及び穀稈搬送機構(10)などを備える刈取部、(11)は刈取フレーム(12)を介して刈取部(8)を昇降させる油圧シリンダ、(13)は排藁チェン(14)終端を臨ませる排藁処理部、(15)は脱穀部(4)からの穀粒を揚穀筒(16)を介して搬入する穀物タンク、(17)は前記タンク(15)の穀粒を機外に搬出する排出オーガ、(18)は旋回用操作用丸形操向ハンドル(19)及び運転席(20)などを備える運転操作部である運転台、(21)は運転席(20)下方に設けるエンジンであり、連続的に穀稈を刈取って脱穀するように構成している。
【0009】さらに、図3に示す如く、前記走行クローラ(2)を駆動するミッションケース(22)は、1対の第1油圧ポンプ(23)及び第1油圧モータ(24)を備えて走行主変速用の油圧式無段変速機構を形成する変速部材(25)と、1対の第2油圧ポンプ(26)及び第2油圧モータ(27)を備えて旋回用の油圧式無段変速機構を形成する操向部材(28)とを備え、前記エンジン(21)の出力軸(21a)に第1及び第2油圧ポンプ(23)(26)の各駆動軸(29a)(29b)を伝達ベルト(30a)(30b)によって連結させ、前記各油圧ポンプ(23)(26)を駆動するように構成している。
【0010】また、前記第1油圧モータ(24)の出力軸(31)に、副変速機構(32)及び差動機構(33)を介して左右走行クローラ(2)の各駆動輪(34)を連動連結させるもので、前記差動機構(33)は左右対称の1対の遊星ギヤ機構(35)(35)を有し、各遊星ギヤ機構(35)は1つのサンギヤ(36)と、該サンギヤ(36)の外周で噛合う3つのプラネタリギヤ(37)と、これらプラネタリギヤ(37)に噛合うリングギヤ(38)などで形成している。
【0011】前記プラネタリギヤ(37)はサンギヤ軸(39)と同軸線上とのキャリヤ軸(40)のキャリヤ(41)にそれぞれ回転自在に軸支させ、左右のサンギヤ(36)(36)を挾んで左右のキャリヤ(41)を対向配置させると共に、前記リングギヤ(38)は各プラネタリギヤ(37)に噛み合う内歯(38a)を有してサンギヤ軸(39)とは同一軸芯上に配置させ、キャリヤ軸(40)に回転自在に軸支させ、キャリヤ軸(40)を延設して車軸を形成して駆動輪(34)を軸支させている。
【0012】また、走行用の油圧式無段変速部材(25)は、第1油圧ポンプ(23)の回転斜板の角度変更調節により第1油圧モータ(24)の正逆回転と回転数の制御を行うもので、第1油圧モータ(24)の回転出力を出力軸(31)の伝達ギヤ(42)より各ギヤ(43)(44)(45)及び副変速機構(32)を介して、サンギヤ軸(39)に固定したセンタギヤ(46)に伝達してサンギヤ(36)を回転するように構成している。前記副変速機構(32)は、前記ギヤ(44)を有する副変速軸(47)と、前記ギヤ(45)を介してセンタギヤ(46)に噛合うギヤ(48)を有する駐車ブレーキ軸(49)とを備え、副変速軸(47)とブレーキ軸(49)間に各1対の低速用ギヤ(50)(51)・中速用ギヤ(52)(53)・高速用ギヤ(54)(48)を設けて、低中速スライダ(55)及び高速スライダ(56)のスライド操作によって副変速の低速・中速・高速の切換を行うように構成している。なお低速・中速間及び中速・高速間には中立を有する。また前記ブレーキ軸(49)に駐車ブレーキ(57)を設けると共に、刈取部(8)に回転力を伝達する刈取PTO軸(58)にギヤ(59)(60)及び一方向クラッチ(61)を介して副変速軸(47)を連結させ、刈取部(8)を車速同調速度で駆動している。
【0013】上記のように、前記センタギヤ(46)を介しサンギヤ軸(39)に伝達された第1油圧モータ(24)からの駆動力を、左右の遊星ギヤ機構(35)を介して左右キャリヤ軸(40)に伝達させると共に、左右キャリヤ軸(40)に伝達された回転を左右の駆動輪(34)にそれぞれ伝え、左右走行クローラ(2)を駆動するように構成している。
【0014】さらに、旋回用の油圧式無段変速機構で形成する操向部材(28)は、第2油圧ポンプ(26)の回転斜板の角度変更調節により第2油圧モータ(27)の正逆回転と回転数の制御を行うもので、操向出力ブレーキ(62)を有するブレーキ軸(63)と、操向出力クラッチ(64)を有するクラッチ軸(65)と、前記の左右リングギヤ(38)の外歯(38b)に常時噛合させる左右入力ギヤ(66)(67)を設け、第2油圧モータ(27)の出力軸(68)に前記ブレーキ軸(63)及び操向出力クラッチ(64)を介してクラッチ軸(65)を連結させ、クラッチ軸(65)に正転ギヤ(69)を介して右入力ギヤ(67)を連結させ、またクラッチ軸(65)に正転ギヤ(69)及び逆転ギヤ(70)を介して左入力ギヤ(66)を連結させている。そして、副変速スライダ(55)(56)の中立によって前記ブレーキ(62)を入にしかつクラッチ(64)を切にする一方、前記中立以外の副変速出力時にブレーキ(62)を切にしかつクラッチ(64)を入にし、右側のリングギヤ(38)の外歯(38b)に正転ギヤ(69)を介してモータ(27)回転力を伝え、また左側のリングギヤ(38)の外歯(38b)に正転ギヤ(69)及び逆転ギヤ(70)を介してモータ(27)回転を伝え、第2油圧モータ(27)を正転(逆転)時、左右同一回転数で、左リングギヤ(38)を逆転(正転)させ、かつ右リングギヤ(38)を正転(逆転)とさせるように構成している。
【0015】而して、旋回用の第2油圧モータ(27)を停止させて左右リングギヤ(38)を静止固定させた状態で、走行用の第1油圧モータ(24)を駆動すると、第1油圧モータ(24)からの回転出力はセンタギヤ(46)から左右のサンギヤ(36)に同一回転数で伝達され、左右遊星ギヤ機構(35)のプラネタリギヤ(37)・キャリヤ(41)を介して左右の走行クローラ(2)が左右同一回転方向で同一回転数によって駆動され、機体の前後方向直進走行が行われる。一方、走行用の第1油圧モータ(24)を停止させて左右のサンギヤ(36)を静止固定させた状態で、旋回用の第2油圧モータ(27)を正逆回転駆動すると、左側の遊星ギヤ機構(35)が正或いは逆回転、また右側の遊星ギヤ機構(35)が逆或いは正回転し、左右走行クローラ(2)を逆方向に駆動し、機体を左或いは右に旋回させる。また、走行用の第1油圧モータ(24)を駆動させながら、旋回用の第2油圧モータ(27)を駆動することにより、機体が左右に旋回して進路が修正されるもので、機体の旋回半径は第2油圧モータ(27)の出力回転数によって決定される。
【0016】さらに、図2、図4乃至図13に示す如く、前記運転台(18)の前部上面にステアリングコラム(71)を立設固定させ、ステアリングコラム(71)上面上方側に操向ハンドル(19)を縦軸回りに回転自在に取付けると共に、運転台(18)左側にサイドコラム(72)を設け、サイドコラム(72)下方にミッション(22)を配設させ、主変速レバー(73)、副変速レバー(74)、刈取クラッチレバー(75)、脱穀クラッチレバー(76)を前記サイドコラム(72)に取付ける。また、前記ステアリングコラム(71)は、アルミニウム合金鋳物を成形加工して形成し、左右に分割自在な2つ割れ構造で複数のボルト(77)で締結して箱形に形成している。
【0017】また、前記ステアリングコラム(71)上部にチルト台(78)を一体形成し、チルト台(78)に支点ボルト(79)を介してチルトブラケット(80)を回転自在に軸支させ、チルトレバー(81)によってチルトブラケット(80)を角度調節自在に固定させる。前記チルトブラケット(80)に軸ケース(82)下部を一体固定させ、コラム(71)上面に固定させる上面カバー(83)上方に軸ケース(82)を延設させ、軸ケース(82)内部に上ハンドル軸(84)を回転自在に軸支させ、上ハンドル軸(84)上端に操向ハンドル(19)を固定させ、チルトレバー(81)操作によりチルト支点である支点ボルト(79)回りにハンドル(19)を前後方向に移動調節して一定位置に支持させ、ハンドル(19)取付け位置を前後方向に調節して作業者が操作し易い位置に固定させる。
【0018】また、前記上ハンドル軸(84)の下端部に自在継手(85)を介して下ハンドル軸(86)上端側を連結させ、下ハンドル軸(86)をステアリングコラム(71)上部に回転自在に軸支させると共に、ステアリングコラム(71)上部に操向入力軸(87)上端部を回転自在に軸支させ、下ハンドル軸(86)のギヤ(88)と操向入力軸(87)のセクタギヤ(89)を噛合させて各軸(86)(87)を連結させ、ステアリングコラム(71)内部の略中央で上下方向に操向入力軸(87)を延設させる。
【0019】さらに、前記ステアリングコラム(71)の左側面で上下幅略中間に軸受部(90)を一体形成し、変速入力軸(91)の一端部を軸受部(90)にボルト(92)を介して回転自在に片持ち支持させ、変速入力軸(91)を左右方向に略水平に軸支させると共に、操向入力軸(87)下端に自在継手(93)を介して入力支点軸(94)上端側を連結させ、入力支点軸(94)下端側を前記変速入力軸(91)に回転自在に軸支させる。また、前記入力支点軸(94)上端側に操向入力部材(95)を固定させ、変速入力軸(91)上面と操向入力部材(95)下面の間に変速入力部材(96)を挾持させ、入力支点軸(94)回りに変速入力部材(96)を回転自在に取付けると共に、変速入力部材(96)に着脱自在に固定させる連係ボルト(97)によって前記各入力部材(95)(96)を連結させ、また変速入力軸(91)に設ける挾みバネ(98)の両端を変速入力部材(96)に係止させ、変速入力部材(96)を前記バネ(98)によって直進中立位置に支持させる。また、前記操向入力軸(87)の正逆転によって前記各入力部材(95)(96)をバネ(98)に抗して略垂直な入力軸(87)芯線回りに正逆転させると共に、前記変速入力軸(91)の正逆転によって略水平な左右方向の入力軸(91)芯線回りに入力支点軸(94)及び前記各入力部材(95)(96)を前後方向に傾動させるもので、垂直方向の操向入力軸(87)芯線と左右水平方向の変速入力軸(91)芯線とが直角交叉する交点に自在継手(93)を取付け、操向ハンドル(19)の操向入力軸(87)正逆転操作により操向入力軸(87)芯線回りに前記各入力部材(95)(96)を正逆転させる。
【0020】さらに、前記ステアリングコラム(71)の下部前側に主変速軸(99)を回転自在に軸支させ、左右方向に略水平に横架させる主変速軸(99)の左側端をステアリングコラム(71)の左側外方に突設させると共に、サイドコラム(72)下方の機台(3)に回転自在に設ける中介軸(100)に、リンク(101)(102)並びに長さ調節ターンバックル(103)付きロッド(104)を介して主変速軸(99)を連結させる。また、レバー支点軸(105)を介して機台(3)に回転自在に支点板(106)を取付け、支点板(106)に筒軸(107)を介して主変速レバー(73)基部を左右方向に揺動自在に取付けると共に、支点板(106)にリンク(108)(109)を介して中介軸(100)を連結させ、主変速レバー(73)をレバー支点軸(105)回りに前後方向に揺動させる変速操作によって主変速軸(99)を正逆転させる。また、ロッド形主変速部材(110)及び上下リンク(111)(112)を介して変速入力軸(91)に主変速軸(99)を連結させ、主変速レバー(73)の主変速軸(99)正逆転操作により前記各入力部材(95)(96)を変速入力軸(91)芯線回りに前後に傾動させる。
【0021】さらに、筒軸形の操向出力軸(113)を前記主変速軸(99)に回転自在に取付け、リンク形操向出力部材(114)を操向出力軸(113)に固定させると共に、ロッド形操向結合部材(115)の上端部を前記操向入力部材(95)に自在継手形操向入力連結部(116)を介して連結させ、球関継手形操向出力連結部(117)を介して操向結合部材(115)の下端部を操向出力部材(114)に連結させ、走行進路を変更させる操向機構(118)を構成している。
【0022】さらに、前記操向出力軸(113)の上方で該軸(113)と略平行に変速出力軸(119)をステアリングコラム(71)内部に回転自在に軸支させ、リンク形変速出力部材(120)を変速出力軸(119)に固定させると共に、ロッド形変速結合部材(121)の上端部を前記変速入力部材(96)に自在継手形変速入力連結部(122)を介して連結させ、球関継手形変速出力連結部(123)を介して変速結合部材(121)の下端部を変速出力部材(120)に連結させ、走行速度の変更並びに前後進の切換を行う変速機構(124)を構成している。
【0023】さらに、互に回転自在な二重軸構造の内側の変速操作軸(125)並びに外側の操向操作軸(126)をステアリングコラム(71)の下部後側で左右幅中央の軸受部(127)に回転自在に取付けるもので、長さ調節自在な球関継手軸(128)及び変速リンク(129)(130)を介して前記変速出力軸(119)に変速操作軸(125)上端部を連結させると共に、長さ調節自在な球関継手軸(131)及び操向リンク(132)(133)を介して前記操向出力軸(113)に操向操作軸(126)上端部を連結させる。
【0024】また、前記各操作軸(125)(126)は同一軸芯上に略垂直にステアリングコラム(71)底部に立設させ、各操作軸(125)(126)上端部をステアリングコラム(71)内部に延設させて各出力軸(113)(119)に連結させると共に、ステアリングコラム(71)底面下方に各操作軸(125)(126)下端部を突設させ、前記運転台(20)の作業者搭乗ステップ(134)下面側に各操作軸(125)(126)下端側を延設させるもので、前記変速部材(25)の出力制御軸(135)に車速制御アーム(136)を固定させ、ターンバックル(137)付き長さ調節自在ロッド(138)及びリンク(139)を介して前記変速操作軸(125)下端部に車速制御アーム(136)を連結させ、出力制御軸(135)の正逆転操作により第1油圧ポンプ(23)斜板角調節を行って第1油圧モータ(24)の回転数制御及び正逆転切換を行い、走行速度(車速)の無段階変更並びに前後進の切換を行う。また、前記操向部材(28)の出力制御軸(140)に操向制御アーム(141)を固定させ、ターンバックル(142)付き長さ調節自在ロッド(143)及びリンク(144)を介して操向操作軸(126)下端部に操向制御アーム(141)を連結させ、出力制御軸(140)の正逆転操作により第2油圧ポンプ(26)斜板角調節を行って第2油圧モータ(27)の回転数制御及び正逆転切換を行い、操向角度(旋回半径)の無段階変更並びに左右旋回方向の切替を行う。
【0025】さらに、前記ステアリングコラム(71)の右側外面にアクセルレバー(145)を前後方向回転自在に設け、エンジン(21)にアクセルレバー(145)を連結させるアクセルワイヤ(146)をステアリングコラム(71)前面内側に沿わせて下方から延出させ、アクセルレバー(145)によってエンジン(21)回転数を手動調節すると共に、前記ステアリングコラム(71)後面にメンテナンス窓(147)を開設させ、着脱自在な蓋(148)によってメンテナンス窓(147)を閉鎖している。
【0026】上記から明らかなように、エンジン(21)の駆動力を左右走行クローラ(2)に伝える差動機構(33)と、左右走行クローラ(2)の駆動速度を無段階に変更させる変速部材(25)と、左右走行クローラ(2)の駆動速度の差を無段階に変化させる操向部材(28)を設けると共に、操向ハンドル(19)によって回転させる操向入力軸(87)と、主変速レバー(73)によって回転させる変速入力軸(91)と、変速入力軸(91)を変速部材(25)に連結させる変速機構(124)と、操向入力軸(87)を操向部材(28)に連結させる操向機構(118)を設け、変速機構(124)動作量に比例させて操向機構(118)操向量を変化させるもので、高速側走行変速によって操向量を自動的に拡大させ、かつ低速側走行変速によって操向量を自動的に縮少させ、操向ハンドル(19)の一定量の操作によって走行速度に関係なく左右走行クローラ(2)の旋回半径を略一定に維持させ、農作業走行速度の変更並びに作物列などに機体を沿わせる進路修正などを行わせる。また、操向入力軸(87)に操向入力部材(95)と変速入力部材(96)を設け、変速入力軸(91)芯線回りに変速入力部材(96)と操向入力部材(95)を回転自在に取付け、変速出力軸(119)に設ける変速出力部材(120)に変速結合部材(121)を介して変速入力部材(96)を連結させ、操向出力軸(113)に設ける操向出力部材(114)に操向結合部材(115)を介して操向入力部材(95)を連結させ、変速機構(124)並びに操向機構(118)を形成し、操向操作によって操向入力軸(87)を回転させて操向入力部材(95)及び変速入力部材(96)を作動させ、例えば旋回させ乍ら走行速度を減速させる動作を行わせると共に、変速操作によって変速入力軸(91)を回転させて変速入力部材(96)及び操向入力部材(95)を作動させ、走行変速による旋回半径の拡大縮少並びに走行変速中立による旋回出力の中止などの操作を行わせる。
【0027】また、操向入力部材(95)と操向結合部材(115)を連結させる操向入力連結部(116)を変速入力軸(91)芯線上に配設させ、変速入力部材(96)と変速結合部材(121)を連結させる変速入力連結部(122)を、変速入力軸(91)芯線と交叉する直線(A)上に配設させ、操向入力軸(87)及び変速入力軸(91)を中心とする操向入力部材(95)及び変速入力部材(96)の相対的な運動を容易に設定でき、設計及び組立及び構造の簡略化並びに動作の信頼性向上などを図れると共に、変速入力軸(91)芯線と操向入力軸(87)芯線が交叉する軸芯交点(B)を中心とする円周(C)上に、変速入力連結部(122)並びに操向入力連結部(116)を配設させ、操向入力部材(95)及び変速入力部材(96)などの構造の簡略化及びコンパクト化などを図るもので、変速出力部材(120)と変速結合部材(121)を連結させる変速出力連結部(123)と、操向出力部材(114)と操向結合部材(115)を連結させる操向出力連結部(117)を、操向入力軸(87)芯線上に配設させ、前進時と後進時の変速切換による逆ハンドル現像を容易に防止し、変速出力部材(120)及び操向出力部材(114)の設計及び組立及び構造の簡略化並びに動作の信頼性向上などを図ると共に、変速入力軸(91)と操向入力軸(87)の軸芯交点(B)に対する変速出力連結部(123)の距離と、操向出力連結部(117)の距離を異ならせ、変速出力連結部(123)と操向出力連結部(117)を同一直線(D)上で離間させることによって各連結部(117)(123)の干渉防止並びに移動範囲の設定などを容易に行え、変速結合部材(121)及び操向結合部材(115)を狭少場所に設置できるように構成している。
【0028】また、変速入力連結部(116)と、操向入力連結部(122)を、変速入力軸(91)と操向入力軸(87)の軸芯交点(B)を中心とする円周(C)上で約90度離間させ、変速入力軸(91)の回転によって操向入力連結部(116)を一定位置に維持させかつ変速入力連結部(122)の変位量を最大にして走行変速を行わせると共に、前記各入力連結部(116)(122)を移動させる平面上に変速入力軸(91)を配置させる構造で各連結部(116)(122)の移動量を容易に確保し、コンパクトで機能的に変速入力部材(96)及び操向入力部材(95)を配置させるもので、操向入力軸(87)回りに約90度の範囲内で変速入力連結部(122)及び操向入力連結部(116)を移動させ、前後進切換による逆ハンドル現像の防止並びに各入力連結部(116)(122)の移動量の確保と共に、操向入力軸(87)を回転させる操向角度に応じて変速入力連結部(122)を減速方向に移動させる動作と、旋回内側の走行クローラ(2)を中心に方向転換させるスピンターン動作を容易に行わせ、コンパクトな構造で機能的に構成している。変速出力軸(119)及び操向出力軸(113)を変速入力軸(91)と略平行に設け、前記各出力軸(113)(119)を複数に分割自在なケースを形成するコラム(71)に高精度で軸支させると共に、変速入力軸(91)並びに前記各出力軸(113)(119)を左右方向に延設させることによって機体前後方向の連結構造を容易に得られ、主変速レバー(73)と変速入力軸(91)の連結、並びに変速部材(25)及び操向部材(28)と前記出力軸(113)(119)との連結を容易に行え、操作構造の簡略化並びに取扱い性向上などを図れるように構成している。
【0029】さらに、図14、図15に示す如く、前記連係ボルト(97)を遊嵌挿通させる位相調節孔(149)を操向入力部材(95)に開設させると共に、操向入力軸(87)芯線を中心とする同一放射線上に複数(3個)のネジ孔(150)を設け、前記放射線を中心に操向入力軸(87)側を底辺とする台形に前記位相調節孔(149)を形成するもので、直進位置の操向ハンドル(19)を左右回転操作したとき、前記ネジ孔(150)に固定させた連係ボルト(97)が位相調節孔(149)縁に当接するまで、変速入力部材(96)を挾みバネ(98)によって一定位置に固定させた状態で、操向入力部材(95)だけを回転させ、走行速度を略一定に保ち乍ら左右に旋回させて進路を修正する。そして、連係ボルト(97)が位相調節孔(149)縁に当接したとき、操向ハンドル(19)をさらに同一方向に回転操作することにより、連係ボルト(97)の連結によって操向入力部材(95)と変速入力部材(96)の両方がバネ(98)に抗して回転し、走行速度を減速させ乍ら進路修正を行うもので、操向ハンドル(19)操作によって決定される旋回半径と走行速度の減速量が比例して変化すると共に、操向ハンドル(19)を直進位置に戻すことにより、挾みバネ(98)によって変速入力部材(96)が中立位置に戻され、元の走行速度に自動的に復帰する。また、連係ボルト(97)を各ネジ孔(150)に付け換えることにより、位相調節孔(149)縁に連係ボルト(97)が当接するまでの操向入力部材(95)の回転角度が変化し、操向ハンドル(19)操作による走行速度の減速開始時期を調整できると共に、操向ハンドル(19)を直進支持しているとき、挾みバネ(98)によって変速入力部材(96)が変速入力軸(91)に固定され、機械振動などによって変速入力部材(96)が遊動するのを防ぎ、変速入力部材(96)のふらつきによって走行速度が減速変化するのを阻止している。
【0030】さらに、図16乃至図20に示す如く、前記ギヤ(88)は、270度の外周範囲に複数の歯(151)を形成し、90度の外周範囲を円弧(152)に形成し、操向ハンドル(19)の全回転角度を270度とし、左操向回転または右操向回転の角度を135度に設定し、操向ハンドル(19)回転操作を片手で作業者が容易に行えるように形成する。また、前記セクタギヤ(89)は、130度の外周範囲に複数の歯(153)を形成し、230度の外周範囲を円弧カム(154)に形成し、前記ギヤ(88)の歯(151)とセクタギヤ(89)の歯(153)を噛合せ、各ギヤ(88)(89)の最大正逆転時、前記円弧(152)両端のストッパ(155)と前記円弧カム(154)両端のストッパ(156)を当接させ、操向ハンドル(19)の回転を規制すると共に、操向入力軸(87)芯線回りに操向入力部材(95)及び変速入力部材(96)を65度の範囲で正転または逆転させ、各入力部材(95)が回転移動する平面上に変速入力軸(91)及び主変速部材(110)上端部を配置させる空間を確保し、変速入力軸(91)芯線上に操向入力連結部(116)を設ける構造、並びに同一円周上で前記各入力連結部(116)(122)を90度離間させる構造を容易に得られ、構造のコンパクト化、設計組立の簡略化などを図れるように構成している。
【0031】また、前記セクタギヤ(89)の円弧カム(154)中央に直進ノッチ(157)を形成すると共に、前記ステアリングコラム(71)上面壁にデテント軸(158)を回転自在に軸支させ、デテント軸(158)下端部にデテントアーム(159)を固定させ、デテントアーム(159)にローラ軸(160)を介してデテントローラ(161)を回転自在に軸支させ、前記円弧カム(154)にデテントローラ(161)を当接させ、直進ノッチ(157)に係脱自在にデテントローラ(161)を係合させ、操向ハンドル(19)を直進位置に支持させる。また、前記デテント軸(158)上端側にデテントレバー(162)を固定させ、デテント軸(158)に巻装させる中立バネ(163)の一端をデテントレバー(162)に係止させ、ステアリングコラム(71)の受板(164)に中立バネ(163)の他端を当接させ、円弧カム(154)及び直進ノッチ(157)にデテントローラ(161)を中立バネ(163)によって弾圧当接させている。また、操向ハンドル(19)の直進位置をオンオフ切換によって電気的に検出するマイクロスイッチ型直進センサ(165)をデテントレバー(162)に取付けている。
【0032】而して、前記主変速レバー(73)が中立のとき、操向ハンドル(19)の正転(逆転)操作により、操向入力軸(87)芯線回りに前記各入力部材(95)(96)及び各結合部材(115)(121)が円錐軌跡上で移動し、前記各出力部材(114)(120)及び各出力軸(113)(119)が停止した状態が維持される。
【0033】また、主変速レバー(73)を前方(後方)に倒す前進(後進)操作により、前記各入力部材(95)(96)が変速入力軸(91)芯線回りに前方(後方)に傾き、操向入力連結部(116)が一定位置に停止した状態を維持し乍ら、変速入力連結部(122)を上方(下方)に移動させ、変速出力部材(120)の上方(下方)揺動によって変速出力軸(119)を正転(逆転)させ、変速部材(23)の第1油圧ポンプ(23)の斜板角切換によって第1油圧モータ(24)を正転(逆転)させ、第1油圧モータ(24)の出力軸(31)の正転(逆転)によって左右走行クローラ(2)を前進(後進)駆動する。また、主変速レバー(73)の倒し角に比例して出力軸(31)の回転数が変化し、走行クローラ(2)の前進(後進)速度が無段階に変速される。
【0034】さらに、主変速レバー(73)を前方(後方)に倒して前進(後進)操作を行っている状態下で、操向ハンドル(19)を左方向(右方向)に回転させることにより、変速入力軸(91)芯線回りに操向入力部材(95)が前方(後方)に傾いた姿勢で操向入力軸(87)芯線回りに正転(逆転)し、操向入力連結部(116)が下方(上方)に移動し、操向出力部材(114)の下方(上方)揺動によって操向出力軸(113)を正転(逆転)させ、操向部材(28)の第2油圧ポンプ(26)の斜板角切換によって第2油圧モータ(27)を正転(逆転)させ、第2油圧モータ(27)の出力軸(68)の正転(逆転)により、左走行クローラ(2)を減速(増速)させ、かつ右走行クローラ(2)を増速(減速)させ、左方向(右方向)に機体を旋回させて左方向(右方向)に進路を修正する。また、前記の進路修正動作と同時に、操向ハンドル(19)の左方向(右方向)回転により、変速入力軸(91)芯線回りに変速入力部材(96)が前方(後方)に傾いた状態で操向入力軸(87)芯線回りに正転(逆転)し、変速入力連結部(122)が下方(上方)に移動し、変速出力部材(120)の下方(上方)揺動によって変速出力軸(119)を逆転(正転)させ、変速部材(25)を中立方向に戻す制御を行って出力軸(31)の回転数を低下させ、走行速度(車速)を減速させる。このように、走行移動中の操向ハンドル(19)の左右操向操作により、操向ハンドル(19)の回転角度に比例して、進路を修正する旋回半径(角度)と、走行速度の減速量が変化し、操向ハンドル(19)を大きく回転させることによって左右走行クローラ(2)の速度差を大きくして旋回半径を小さくすると同時に、走行速度の減速量が多くなって車速が遅くなると共に、前進時と後進時とでは、操向ハンドル(19)の回転に対して旋回入力連結部(116)の動きを逆方向にし、前後進の何れにおいても操向ハンドル(19)の回動操作方向と機体の旋回方向とを一致させ、回転操作する丸形の操向ハンドル(19)の回転操作によって例えばトラクタまたは田植機など四輪自動車と同様の運転感覚で進路修正及び方向転換などを行う。
【0035】ところで図19乃至図22に示す如く、左右走行クローラ(2)の左右駆動輪(34)を支持する車軸ケース(166)の略中央で前記サイドコラム(72)下方位置にミッションケース(22)を、また該ミッションケース(22)の後方にエンジン(21)をそれぞれ配備させ、ミッションケース(22)上部の前側に操向部材(28)を、後側に変速部材(25)を一体的に固設して、ミッションケース(22)を構成する変速部材(25)の左外側に突出させる第1油圧ポンプ(23)の駆動軸(29a)左端を前記エンジン(21)左側のエンジン出力軸(21a)にプーリ(167)(168)及びベルト(30a)及びテンションプーリ(169)を介して連動連結させると共に、前記変速部材(25)内を左右に挿通させる駆動軸(29a)の右端を、前記操向部材(28)の右外側に突出させる第2油圧ポンプの駆動軸(29b)にプーリ(170)(171)及びベルト(30b)及びテンションプーリ(172)を介して連動連結させて、変速部材(25)の駆動系(173)を左側に、また操向部材(28)の駆動系(174)を右側に配設し、旋回より走行を優先させた駆動を行うように構成している。
【0036】また、前記変速部材(25)下方でミッションケース(22)の左外側に突出させる刈取PTO軸(58)の刈取出力プーリ(175)に、変速部材(25)後側上方に配備させる刈取入力軸(176)の刈取入力プーリ(177)をベルト(178)及びテンションプーリ式刈取クラッチ(179)を介し連動連結させて、刈刃(9)及び穀稈搬送機構(10)など刈取部(8)の駆動を行うと共に、エンジン(21)の後方に配備させる脱穀入力軸(180)にプーリ(181)(182)及びベルト(183)及びテンションプーリ式脱穀クラッチ(184)を介して前記エンジン出力軸(21a)を連動連結させて、扱胴(6)及び処理胴(7)など脱穀部(4)の駆動を行うように構成している。
【0037】さらに、刈取部(8)前側の穀稈引起し装置である穀稈引起しケース(185)の各上端間を穀稈引起し駆動ケース(186)で連結させて、該ケース(186)内の引起し駆動軸(187)に前記刈取入力軸(176)からの駆動力を刈取フレーム(12)及び引起しパイプ(188)を介し伝達させて、各引起しケース(185)の駆動を行うもので、前記引起し駆動ケース(186)を各コラム(71)(72)の前方位置で、操向ハンドル(19)より下方位置に配設して、刈取部(8)下降時の通常の刈取作業中においては、運転席(20)位置の作業者からハンドル(19)前端と右引起しケース(185)前側の右分草板(189)前端とを結ぶ目線(190)より後方に駆動ケース(186)を配置させて、運転席(20)位置より各ケース(185)(186)によって視界を妨げられることのない、常に分草板(189)前端の作業状況など容易に確認しながらの刈取作業を可能とさせるように構成している。
【0038】また、図25にも示す如く、前記引起し駆動ケース(186)は刈取部(8)の最大上昇時にも、各コラム(71)(72)やハンドル(19)に干渉させることなく、ハンドル(19)の下方で軸ケース(82)の前側近傍に位置させて、刈取部(8)を最大本機側に近接させる状態とさせて、運転席(20)から刈取部(8)によって視界が妨げられることなく視界良好な走行を可能とさせると共に、機体全長の短縮化を図って従来に比べ機体の小型軽量化を可能とさせるように構成している。
【0039】図20、図26にも示す如く、最右側の分草板(189)は丸形操向ハンドル(19)の中心延長線上に傾斜前端部(189a)を一致させ、円輪形状のハンドル(19)の内径巾(W)内にこの分草板(189)が入るように配設して、運転席(20)から分草板(189)の前端部(189a)を容易に目視して分草板(189)の作業状況を正確に確認すると共に、条合せ時にも右分草板(189)を合わせることなくハンドル(19)中心部を見ることにより容易な条合せを可能とさせるように構成している。そして図21、図26に示す如く、前記支点ボルト(79)を中心とした操向ハンドル(19)の前方側への最大角度調節時などにあっては、ハンドル(19)前側とハンドルアーム(19a)間に形成される空間域(191)を通して、運転席(20)の作業者の一定間隔巾(M)の左右目線(190a)を右分草板(189)の前端部(189a)に一致させてこの分草板(189)の作業状況を確認するもので、ハンドル(19)の前方傾き時には距離(L)だけ作業者が前傾き姿勢となって目線(190)を移動させ、ハンドル(19)の前外側を通して右分草板(189)の前端部(189a)を目視するのに対し、通常姿勢で目線(190b)をハンドル(19)内側を通して右分草板(189)の前端部(189a)を容易に目視して、この丸形操向ハンドル(19)における前方作業視界を良好とさせるように構成している。なお、上述の如く3条刈取用コンバインにあっては、最右側の分草板(189)をハンドル(19)の内径巾(W)内に位置させる構成を示したが、例えば4条刈取用コンバインにあっては最右端或いは最右端より1番目の分草板(189)を、また5〜6条刈取用コンバインにあっては最右端或いは最右端より1〜3番目の分草板(189)をハンドル(19)の内径巾(W)内に位置させる構成とするものである。
【0040】図23、図24、図25に示す如く、前記運転席(20)は座席台(192)に設けるベースフレーム(193)に左右ガイド軸(194)を介して前後移動調節自在にベース台(195)を取付け、該ベース台(195)の後部上面に一定の傾斜角度(θ)を有して立設させる左右ガイドレール(196)に、運転席(20)の背凭れ部(20a)に固設するガイドフレーム(197)をローラ軸(198)及びガイドローラ(199)を介して上下移動自在に支持させて、運転席(20)の前後及び上下方向の取付位置の調節を行うように構成している。
【0041】また、左右ガイドレール(196)の上端間に固設する横フレーム(200)のバネ取付板(201)とガイドフレーム(197)に固設するバネ取付片(202)間に、運転席(20)持上げ用引張バネ(203)を介設すると共に、横フレーム(200)の中央支点ピン(204)に複数のノッチ(205)を有する運転席固定用フック(206)を左右揺動自在に取付けて、ノッチ(205)側のガイドレール(196)とフック(206)間に張設するバネ(207)力でガイドフレーム(197)のロックピン(208)にフック(206)のノッチ(205)を係合させるとき、運転席(20)を上下適正位置で固定するように構成している。なお(209)は運転席(20)の前側底部と左ガイドレール(196)間に設ける運転席前部支持用ロッドである。
【0042】さらに図25にも示す如く、前記ガイドレール(196)の傾斜角度(θ)を標準姿勢のハンドル軸(84)の傾斜角度(α)に一致(θ=α)させて、運転席(20)の上下方向の移動角度(θ)をハンドル(19)の傾斜角度に一致させて、運転席(20)の上下位置調節時にもハンドル(19)との関係位置を略一定に保つ状態とさせて、運転席(20)からのハンドル操作性を良好に保持させると共に、運転席から刈取作業を確認する作業者の作業視界を良好とさせるように構成している。
【0043】
【発明の効果】以上実施例から明らかなように本発明は、運転操作部(18)前方に刈取部(8)を昇降自在に装備させたコンバインにおいて、刈取部(8)の引起し装置(185)を駆動する引起し駆動ケース(186)を、運転操作部(18)の操向ハンドル(19)の下方に配置させたものであるから、刈取部(8)の上昇及び下降の何れにあっても、引起し装置(185)上端の引起し駆動ケース(186)を操向ハンドル(19)(把手部)より常に下方に位置させる状態とさせて、運転席(20)位置からの引起し装置(185)前端の分草板(189)などの作業確認を容易とさせることができると共に、機体全長を短くして機体の小型軽量化を可能とさせることができるものである。
【0044】また、運転操作部(18)前方に刈取部(8)を昇降自在に装備させたコンバインにおいて、運転操作部(18)の運転席(20)をこの前方の操向ハンドル(19)の傾斜角度(α)に略沿って上下高さ調節自在に設けたものであるから、運転席(20)の上下高さ調節時にも常に運転席(20)と操向ハンドル(19)との関係位置を略一定に保って、ハンドル(19)の操作性を良好に保持させることができると共に、運転席(20)位置からハンドル(19)を通して略一定範囲で刈取部(8)の作業状況の確認を常に可能とさせて、運転席からの作業者の作業視界を良好とさせることができるものである。
【0045】さらに、運転操作部(18)前方に刈取部(8)を昇降自在に装備させたコンバインにおいて、運転操作部(18)の操向ハンドル(19)を丸形形状に形成し、刈取部(8)の引起し装置(185)前端に配備させる分草板(189)の1つを、丸形ハンドル(19)の内径巾(W)内前方に配置させるものであるから、操向ハンドルが丸形形状のものにおいても、運転席(20)からの作業者の視野を狭めたり妨げるなどの不都合なく、分草板(189)による作業状況を容易に確認して、刈取作業精度を向上させることができるものである。
【出願人】 【識別番号】000005164
【氏名又は名称】セイレイ工業株式会社
【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【出願日】 平成10年10月29日(1998.10.29)
【代理人】 【識別番号】100062270
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 忠治
【公開番号】 特開2000−135018(P2000−135018A)
【公開日】 平成12年5月16日(2000.5.16)
【出願番号】 特願平10−325986