トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 茎稈刈取作業機
【発明者】 【氏名】卜蔵 克俊

【要約】 【課題】補助引起ケース内に多量の泥や藁屑が堆積して引起チェンの駆動負荷を増大させる不都合を解消する。

【解決手段】補助引起ケース12に、引起チェン16の下降経路を臨む排出口12dを形成すると共に、該排出口12dを、閉方向に付勢される開閉自在な排出カバー19で外側から覆蓋する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 側方に突出する引起爪で茎稈を引き起す引起ケースの前側に、前方に突出する引起爪で茎稈を引き起す補助引起ケースを設けるにあたり、該補助引起ケースの上下に内装される駆動輪と従動輪との間に、複数の引起爪が起伏自在に枢着された引起チェンを懸回し、該引起チェンの上昇経路では、引起爪を起立させて補助引起ケースから前方に突出させる一方、下降経路では、引起爪を倒伏させて補助引起ケース内に収容する茎稈刈取作業機において、前記補助引起ケースに、引起チェンの下降経路を臨む排出口を形成すると共に、該排出口を、閉方向に付勢される開閉自在な排出カバーで外側から覆蓋したことを特徴とする茎稈刈取作業機。
【請求項2】 請求項1の排出カバーを、排出口の一側部を支点として開閉自在に支持すると共に、補助引起ケースの外面側に設けた弾機で閉方向に付勢したことを特徴とする茎稈刈取作業機。
【請求項3】 請求項1の排出カバーを、上下方向に並ぶ複数のカバーに分割し、各カバーを独立的に開閉させることを特徴とする茎稈刈取作業機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、補助引起ケースを備えるコンバイン、バインダ等の茎稈刈取作業機の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種茎稈刈取作業機においては、デバイダで分草された茎稈を、引起ケースから側方に突出する引起爪で引き起すが、茎稈が引起爪の突出方向に倒伏していると、茎稈に対する引起作用が不十分になるため、前方に突出する引起爪で茎稈を引き起す補助引起ケースを設ける場合がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記補助引起ケースは、内装される駆動輪と従動輪との間に、複数の引起爪が起伏自在に枢着された引起チェンを懸回し、該引起チェンの上昇経路では、引起爪を起立させて補助引起ケースから前方に突出させる一方、下降経路では、引起爪を倒伏させて補助引起ケース内に収容するように構成されるが、前記引起爪は、上昇経路で付着した泥や藁屑を下降経路まで持ち回るため、補助引起ケース内に多量の泥や藁屑が堆積して引起チェンの負荷増大を招き、その結果、変形や破損が生じる可能性があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、側方に突出する引起爪で茎稈を引き起す引起ケースの前側に、前方に突出する引起爪で茎稈を引き起す補助引起ケースを設けるにあたり、該補助引起ケースの上下に内装される駆動輪と従動輪との間に、複数の引起爪が起伏自在に枢着された引起チェンを懸回し、該引起チェンの上昇経路では、引起爪を起立させて補助引起ケースから前方に突出させる一方、下降経路では、引起爪を倒伏させて補助引起ケース内に収容する茎稈刈取作業機において、前記補助引起ケースに、引起チェンの下降経路を臨む排出口を形成すると共に、該排出口を、閉方向に付勢される開閉自在な排出カバーで外側から覆蓋したことを特徴とするものである。つまり、引起爪が下降経路まで持ち回った泥や藁屑を排出口を介して外部に排出することができるため、補助引起ケース内に多量の泥や藁屑が堆積して引起チェンの駆動負荷を増大させる不都合がない。しかも、前記排出口は、閉方向に付勢される開閉自在な排出カバーで外側から覆蓋されるため、補助引起ケース内の泥や藁屑が所定量を越える毎に間欠的に排出動作を行うことになり、その結果、排出口を常に開放させた場合の如く、泥や藁屑の飛散を防止することができる。また、排出カバーを、排出口の一側部を支点として開閉自在に支持すると共に、補助引起ケースの外面側に設けた弾機で閉方向に付勢したことを特徴とするものである。つまり、補助引起ケース内に堆積する泥や藁屑が弾機に付着することを回避できるため、泥等の付着による排出カバーの開閉不良を防止することができる許りでなく、耐久性の向上を計ることができる。また、排出カバーを、上下方向に並ぶ複数のカバーに分割し、各カバーを独立的に開閉させることを特徴とするものである。つまり、排出口を部分的に開放させて泥や藁屑を排出するため、排出口を全体的に開放させる場合に比して泥や藁屑の飛散を抑えることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態の一つを図面に基づいて説明する。図面において、1はコンバインであって、該コンバイン1は、茎稈を刈取る刈取部2、刈取茎稈から穀粒を脱穀し、かつ脱穀した穀粒を選別する脱穀部3、選別した穀粒を貯溜する穀粒タンク4、脱穀済みの排稈を排出する後処理部5、左右一対のクローラ走行装置を備える走行部6、運転席7および各種の操作具が設けられる操作部8等で構成されている。そして、前記刈取部2は、未刈り茎稈を分草するデバイダ9、分草された茎稈を引き起す引起ケース10、茎稈の株元側を掻き込む掻き込み装置(図示せず)、掻き込まれた茎稈の株元を切断する刈刃(図示せず)、刈取茎稈を集稈し、かつ後方に搬送する株元搬送装置(図示せず)、縦姿勢の茎稈を横姿勢に変姿させながら脱穀部3に向けて搬送する扱深さ搬送体(図示せず)等を備えるが、これらの基本構成は何れも従来通りである。
【0006】前記引起ケース10は、図示しない駆動輪および遊動輪を上下に内装すると共に、両輪体間に、複数の引起爪11が所定間隔を存して起伏自在に枢着された引起チェン(図示せず)を懸回し、該引起チェンの上昇経路では、引起爪11を起立させて引起ケース10から側方に突出させる一方、下降経路では、引起爪11を倒伏させて引起ケース10内に収容するように構成されている。つまり、刈取部2の前端部に左右方向に沿って立設される引起ケース10は、側方に突出する引起爪11を上昇作動させて茎稈を引き起すが、引起ケース10の上側前面部には、駆動輪の駆動軸から動力を取出可能な動力取出口(図示せず)が形成されている。
【0007】12は前記引起ケース10の前面側に所定間隔を存して並設される補助引起ケースであって、該補助引起ケース12は、駆動輪(スプロケット)13および遊動輪(プーリ)14を上下に内装すると共に、両輪体13、14間に、複数の引起爪15が所定間隔を存して起伏自在に枢着された引起チェン16を懸回し、該引起チェン16の上昇経路では、引起爪15を起立させて補助引起ケース12から前方に突出させる一方、下降経路では、引起爪15を倒伏させて補助引起ケース12内に収容するように構成されている。つまり、引起ケース10の前側に前後方向に沿って立設される補助引起ケース12は、前方に突出する引起爪15を上昇作動させて茎稈を引き起すため、引起ケース10の引起爪11では引き起し難い左右方向に倒伏した茎稈も引き起すことができるようになっている。尚、15aは引起爪15の基端部に形成される起立カム、12aは起立カム15aを起立ガイドする起立ガイド、17は引起ケース10の動力取出口から取出した動力を駆動輪13に伝動するジョイントケースである。
【0008】前記補助引起ケース12は、左右一対のケースパネル12bをスペーサ18を介して一体的に連結して構成され、その前端部には、前記引起爪15を突出させるための突出口12cが形成されるが、後端部にも、引起チェン16の下降経路を臨む排出口12dが形成されている。そして、排出口12dは、引起爪15が下降経路まで持ち回った泥や藁屑を外部に排出することが可能であるため、補助引起ケース12内に多量の泥や藁屑が堆積して引起チェン16の駆動負荷を増大させる不都合を回避することができるようになっている。
【0009】19は前記排出口12dを外側から覆蓋する開閉自在な排出カバーであって、該排出カバー19は、左側ケースパネル12bの後端部にヒンジピン20を介して前後揺動自在に設けられるが、後述する弾機(捻りコイルバネ)21の付勢力を閉方向に受けるため、常時は排出口12dを閉状態に維持するようになっている。つまり、補助引起ケース12内に泥や藁屑が溜まり、その押圧力が弾機21の付勢力を越えた段階で排出動作(間欠的な開動作)を行うため、排出口12dを常時開放させた場合の如く、泥や藁屑の飛散を防止することができるようになっている。
【0010】前記弾機21は、ヒンジピン20に巻装され、一端部が左側ケースパネル12bに係合する一方、他端部が排出カバー19に係合するが、弾機21およびヒンジピン20は、左側ケースパネル12bの外側面に設けられるため、補助引起ケース12内に堆積する泥や藁屑が弾機21およびヒンジピン20に付着することを回避でき、その結果、泥等の付着による排出カバー19の開閉不良を防止することができる許りでなく、耐久性の向上を計ることができるようになっている。
【0011】ところで、本実施形態の排出カバー19は、上下方向に並ぶ複数のカバーに分割されており、該分割された各排出カバー19は、補助引起ケース12内に溜った泥や藁屑の圧力を受けて独立的に開閉するようになっている。即ち、排出口12dを部分的に開放させて泥や藁屑を排出するため、排出口12dを全体的に開放させる場合に比して泥や藁屑の飛散を抑えることができるようになっている。尚、Bは排出カバー19の分割位置である。
【0012】叙述の如く構成されたものにおいて、側方に突出する引起爪11で茎稈を引き起す引起ケース10の前側に、前方に突出する引起爪15で茎稈を引き起す補助引起ケース12を設けるにあたり、該補助引起ケース12の上下に内装される駆動輪13と遊動輪14との間に、複数の引起爪15が起伏自在に枢着された引起チェン16を懸回し、該引起チェン16の上昇経路では、引起爪15を起立させて補助引起ケース12から前方に突出させる一方、下降経路では、引起爪15を倒伏させて補助引起ケース12内に収容するものであるが、前記補助引起ケース12に、引起チェン16の下降経路を臨む排出口12dを形成すると共に、該排出口12dを、閉方向に付勢される開閉自在な排出カバー19で外側から覆蓋したため、引起爪15が下降経路まで持ち回った泥や藁屑を排出口12dを介して外部に排出することができ、その結果、補助引起ケース12内に多量の泥や藁屑が堆積して引起チェン16の駆動負荷を増大させる不都合を解消することができる。しかも、前記排出口12dは、閉方向に付勢される開閉自在な排出カバー19で外側から覆蓋されるため、補助引起ケース12内の泥や藁屑が所定量を越える毎に間欠的に排出動作を行うことになり、そのため、排出口12dを常に開放させた場合の如く、排出口12dから泥や藁屑が飛散する不都合も防止することができる。
【0013】また、前記排出カバー19は、排出口12dの一側部を支点として開閉自在に支持され、補助引起ケース12の外側面に設けた弾機21で閉方向に付勢されるため、補助引起ケース12内に堆積する泥や藁屑が弾機21に付着することがなく、その結果、泥等の付着による排出カバー19の開閉不良を防止することができる許りでなく、耐久性の向上を計ることができる。
【0014】また、前記排出カバー19は、上下方向に並ぶ複数のカバーに分割されると共に、それぞれ独立的に開閉するため、必要に応じて排出口12dを部分的に開放させることができ、その結果、排出口12dを全体的に開放させる場合に比して泥や藁屑の飛散を抑えることができる。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成10年10月14日(1998.10.14)
【代理人】 【識別番号】100085394
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 哲夫
【公開番号】 特開2000−116225(P2000−116225A)
【公開日】 平成12年4月25日(2000.4.25)
【出願番号】 特願平10−292299