| 【発明の名称】 |
移動農機 |
| 【発明者】 |
【氏名】日 高 茂 實
【氏名】川 崎 晃 一
【氏名】織 田 正 明
【氏名】小 松 真 弥
【氏名】町 田 睦
【氏名】橘 田 晃 廣
【氏名】佐 藤 昇 一
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| 【要約】 |
【課題】左右走行クローラによって機体の直進及び旋回走行を行う移動農機における走行駆動構造のコンパクト化を図る。
【解決手段】左右走行クローラ(2)を差動機構(33)を介し駆動する油圧式走行用無段変速機構(25)と、左右走行クローラ(2)の駆動に速度差を生じさせる油圧式旋回用無段変速機構(28)とを備えた移動農機において、機体前部でエンジン(21)より前方位置に走行用及び旋回用無段変速機構(25)(28)を配設する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 左右走行クローラを差動機構を介し駆動する油圧式走行用無段変速機構と、左右走行クローラの駆動に速度差を生じさせる油圧式旋回用無段変速機構とを備えた移動農機において、機体前部でエンジンより前方位置に走行用及び旋回用無段変速機構を配設したことを特徴とする移動農機。 【請求項2】 走行用無段変速機構より旋回用無段変速機構を前方位置に配設して、エンジンと走行用無段変速機構とを左外側位置で走行用ベルト伝動手段により連動連結させたことを特徴とする請求項1記載の移動農機。 【請求項3】 走行用無段変速機構と旋回用無段変速機構とを左外側で旋回用ベルト伝動手段により連動連結させると共に、走行用ベルト伝動手段より機体右側に旋回用ベルト伝動手段を配置させたことを特徴とする請求項2記載の移動農機。 【請求項4】 走行用及び旋回用無段変速機構を無段階に変速動作させる操作制御部材を、各無段変速機構の最上部位置に配置させたことを特徴とする請求項1記載の移動農機。 【請求項5】 運転台左側のサイドコラム下方に操作制御部材を配置させたことを特徴とする請求項4記載の移動農機。 【請求項6】 操作制御部材に操作力を出力する操作出力部材を運転台の運転コラム下方に配置させ、これら制御部材と出力部材間をロッドで連結させたことを特徴とする請求項5記載の移動農機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は例えば圃場の穀稈を連続的に刈取って脱穀するコンバインまたは耕耘トラクタまたは圃場管理車などの移動農機に関する。 【0002】 【発明が解決しようとする課題】従来、左右走行クローラを装設したコンバインを圃場の未刈り穀稈列に沿わせて走行移動させ乍ら収穫作業を行うと共に、圃場枕地で前記コンバインを方向転換させて次工程の未刈り穀稈列に移動させていたが、エンジン出力を変速伝達するミッションケースの左右走行出力を左右サイドクラッチを介して左右走行クローラに伝達させ、左右サイドクラッチの継断操作により左右走行クローラの一方を一時的に停止させて旋回させることにより、左右サイドクラッチ操作と走行変速操作の両方を作業者が略同時期に行う必要があり、また圃場枕地で方向転換するときの旋回半径が大きくなる不具合がある。 【0003】また、エンジンの動力を各別に伝える左右油圧無段変速機を設けて左右走行クローラを駆動することにより、旋回時の減速並びに旋回半径の縮少などを容易に行えるが、直進性能が低下し易く、未刈り穀稈列に沿わせて走行移動させる操向操作が面倒になる不具合がある。 【0004】そこで、左右走行クローラに差動機構を介しエンジン動力を変速伝達する単一の油圧式走行用無段変速機構と、差動機構を介し旋回内側の走行クローラを減速し且つ旋回外側の走行クローラを増速させる油圧式旋回用無段変速機構とを設けて、直進性を良好に維持し、且つ旋回半径も容易に縮少する手段があるが、走行用及び旋回用無段変速機構の駆動を同一駆動軸で行うように設けて、該駆動軸をベルトでエンジンに連動連結させる構造の場合、ベルトが破損すると各無段変速機構も停止し、直進及び旋回の何れもが行えなくなるという不都合があった。また、各無段変速機構を無段階に変速動作させるトラニオンなどの操作制御部材は各無段変速機構の側面部に通常設けられる構造のため、操向ハンドルや主変速レバーなど操作部材との連結構造が複雑となるばかりでなく、調整・交換・点検などメンテナンス作業時にあっては機体上方から容易に行うことが難しく作業性の悪いものであった。さらに走行用及び旋回用無段変速機構は通常同一形状(容量)のため、例えば機体前側のミッションケース上部にこれら無段変速機構を前後に配置させる場合にあっては、走行用或いは旋回用無段変速機構の最前端部が前方に突出する状態となって、この前方の刈取部と干渉するなどの不都合があった。 【0005】 【課題を解決するための手段】したがって本発明は、左右走行クローラを差動機構を介し駆動する油圧式走行用無段変速機構と、左右走行クローラの駆動に速度差を生じさせる油圧式旋回用無段変速機構とを備えた移動農機において、機体前部でエンジンより前方位置に走行用及び旋回用無段変速機構を配設して、エンジンより走行用及び旋回用無段変速機構の駆動力を容易に得ると共に、機体前部の運転操作部に設けるこれら操作部材に容易にこれら変速機構を連結させて、構造のコンパクト化を図るものである。 【0006】また、走行用無段変速機構より旋回用無段変速機構を前方位置に配設して、エンジンと走行用無段変速機構とを左外側位置で走行用ベルト伝動手段により連動連結させて、走行用無段変速機構を旋回用無段変速機構より優先してエンジンに容易に連結させて走行性能を安定維持させるものである。 【0007】さらに、走行用無段変速機構と旋回用無段変速機構とを左外側で旋回用ベルト伝動手段により連動連結させると共に、走行用ベルト伝動手段より機体右側に旋回用ベルト伝動手段を配置させて、旋回用無段変速機構を容易に走行用無段変速機構に連結させて、この駆動系の簡素化を図ると共に、旋回用ベルト伝動手段の左側域に空きスペースを有効に形成して、例えばコンバインにあっては旋回用ベルト伝動手段とこれに近接する刈取部右側部との干渉を防止し、刈取部を本機無段変速機構に近接させて、本機全体のコンパクト化を可能とさせるものである。 【0008】またさらに、走行用及び旋回用無段変速機構を無段階に変速動作させる操作制御部材を、各無段変速機構の最上部位置に配置させて、主変速レバーや操向ハンドルなどの操作部材との連結操作系を簡潔なものとさせると共に、操作制御部材のメンテナンス性の向上を図るものである。 【0009】また、運転台左側のサイドコラム下方に操作制御部材を配置させて、サイドコラムに設置する主変速レバーや、サイドコラムに近接させる運転コラムの操向ハンドルなど操作部材とこれら制御部材との連結操作系を簡潔なものとさせると共に、操作制御部材のメンテナンス性を向上させるものである。 【0010】さらに、操作制御部材に操作力を出力する操作出力部材を運転台の運転コラム下方に配置させ、これら制御部材と出力部材間をロッドで連結させて、操向ハンドルからの旋回操作系や主変速レバーからの連動操作系などの操作出力部材を運転コラム下方に簡潔に配置させると共に、操作制御部材に操作出力部材を簡潔に連結させて、これらの操作系コンパクトな機体組込みを可能とさせるものである。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1はコンバインの全体側面図、図2は同平面図であり、図中(1)は左右一対の走行クローラ(2)を装設するトラックフレーム、(3)は前記トラックフレーム(1)に架設する機台、(4)はフィードチェン(5)を左側に張架し扱胴(6)及び処理胴(7)を内蔵している脱穀部、(8)は刈刃(9)及び穀稈搬送機構(10)などを備える刈取部、(11)は刈取フレーム(12)を介して刈取部(8)を昇降させる油圧シリンダ、(13)は排藁チェン(14)終端を臨ませる排藁処理部、(15)は脱穀部(4)からの穀粒を揚穀筒(16)を介して搬入する穀物タンク、(17)は前記タンク(15)の穀粒を機外に搬出する排出オーガ、(18)は旋回用操作部材である丸形操向ハンドル(19)及び運転席(20)などを備える運転台、(21)は運転席(20)下方に設けるエンジンであり、連続的に穀稈を刈取って脱穀するように構成している。 【0012】さらに、図3に示す如く、前記走行クローラ(2)を駆動するミッションケース(22)は、1対の第1油圧ポンプ(23)及び第1油圧モータ(24)を備えて走行主変速用の油圧式無段変速機構を形成する変速部材(25)と、1対の第2油圧ポンプ(26)及び第2油圧モータ(27)を備えて旋回用の油圧式無段変速機構を形成する操向部材(28)とを備え、前記エンジン(21)の出力軸(21a)に第1及び第2油圧ポンプ(23)(26)の入力軸(29a)(29b)を伝達ベルト(30a)(30b)によって連結させ、前記各油圧ポンプ(23)(26)を駆動するように構成している。 【0013】また、前記第1油圧モータ(24)の出力軸(31)に、副変速機構(32)及び差動機構(33)を介して左右走行クローラ(2)の各駆動輪(34)を連動連結させるもので、前記差動機構(33)は左右対称の1対の遊星ギヤ機構(35)(35)を有し、各遊星ギヤ機構(35)は1つのサンギヤ(36)と、該サンギヤ(36)の外周で噛合う3つのプラネタリギヤ(37)と、これらプラネタリギヤ(37)に噛合うリングギヤ(38)などで形成している。 【0014】前記プラネタリギヤ(37)はサンギヤ軸(39)と同軸線上とのキャリヤ軸(40)のキャリヤ(41)にそれぞれ回転自在に軸支させ、左右のサンギヤ(36)(36)を挾んで左右のキャリヤ(41)を対向配置させると共に、前記リングギヤ(38)は各プラネタリギヤ(37)に噛み合う内歯(38a)を有してサンギヤ軸(39)とは同一軸芯上に配置させ、キャリヤ軸(40)に回転自在に軸支させ、キャリヤ軸(40)を延設して車軸を形成して駆動輪(34)を軸支させている。 【0015】また、走行用の油圧式無段変速部材(25)は、第1油圧ポンプ(23)の回転斜板の角度変更調節により第1油圧モータ(24)の正逆回転と回転数の制御を行うもので、第1油圧モータ(24)の回転出力を出力軸(31)の伝達ギヤ(42)より各ギヤ(43)(44)(45)及び副変速機構(32)を介して、サンギヤ軸(39)に固定したセンタギヤ(46)に伝達してサンギヤ(36)を回転するように構成している。前記副変速機構(32)は、前記ギヤ(44)を有する副変速軸(47)と、前記ギヤ(45)を介してセンタギヤ(46)に噛合うギヤ(48)を有する駐車ブレーキ軸(49)とを備え、副変速軸(47)とブレーキ軸(49)間に各1対の低速用ギヤ(50)(51)・中速用ギヤ(52)(53)・高速用ギヤ(54)(48)を設けて、低中速スライダ(55)及び高速スライダ(56)のスライド操作によって副変速の低速・中速・高速の切換を行うように構成している。なお低速・中速間及び中速・高速間には中立を有する。また前記ブレーキ軸(49)に駐車ブレーキ(57)を設けると共に、刈取部(8)に回転力を伝達する刈取PTO軸(58)にギヤ(59)(60)及び一方向クラッチ(61)を介して副変速軸(47)を連結させ、刈取部(8)を車速同調速度で駆動している。 【0016】上記のように、前記センタギヤ(46)を介しサンギヤ軸(39)に伝達された第1油圧モータ(24)からの駆動力を、左右の遊星ギヤ機構(35)を介して左右キャリヤ軸(40)に伝達させると共に、左右キャリヤ軸(40)に伝達された回転を左右の駆動輪(34)にそれぞれ伝え、左右走行クローラ(2)を駆動するように構成している。 【0017】さらに、旋回用の油圧式無段変速機構で形成する操向部材(28)は、第2油圧ポンプ(26)の回転斜板の角度変更調節により第2油圧モータ(27)の正逆回転と回転数の制御を行うもので、操向出力ブレーキ(62)を有するブレーキ軸(63)と、操向出力クラッチ(64)を有するクラッチ軸(65)と、前記の左右リングギヤ(38)の外歯(38b)に常時噛合させる左右入力ギヤ(66)(67)を設け、第2油圧モータ(27)の出力軸(68)に前記ブレーキ軸(63)及び操向出力クラッチ(64)を介してクラッチ軸(65)を連結させ、クラッチ軸(65)に正転ギヤ(69)を介して右入力ギヤ(67)を連結させ、またクラッチ軸(65)に正転ギヤ(69)及び逆転ギヤ(70)を介して左入力ギヤ(66)を連結させている。そして、副変速スライダ(55)(56)の中立によって前記ブレーキ(62)を入にしかつクラッチ(64)を切にする一方、前記中立以外の副変速出力時にブレーキ(62)を切にしかつクラッチ(64)を入にし、右側のリングギヤ(38)の外歯(38b)に正転ギヤ(69)を介してモータ(27)回転力を伝え、また左側のリングギヤ(38)の外歯(38b)に正転ギヤ(69)及び逆転ギヤ(70)を介してモータ(27)回転を伝え、第2油圧モータ(27)を正転(逆転)時、左右同一回転数で、左リングギヤ(38)を逆転(正転)させ、かつ右リングギヤ(38)を正転(逆転)とさせるように構成している。 【0018】而して、旋回用の第2油圧モータ(27)を停止させて左右リングギヤ(38)を静止固定させた状態で、走行用の第1油圧モータ(24)を駆動すると、第1油圧モータ(24)からの回転出力はセンタギヤ(46)から左右のサンギヤ(36)に同一回転数で伝達され、左右遊星ギヤ機構(35)のプラネタリギヤ(37)・キャリヤ(41)を介して左右の走行クローラ(2)が左右同一回転方向で同一回転数によって駆動され、機体の前後方向直進走行が行われる。一方、走行用の第1油圧モータ(24)を停止させて左右のサンギヤ(36)を静止固定させた状態で、旋回用の第2油圧モータ(27)を正逆回転駆動すると、左側の遊星ギヤ機構(35)が正或いは逆回転、また右側の遊星ギヤ機構(35)が逆或いは正回転し、左右走行クローラ(2)を逆方向に駆動し、機体を左或いは右に旋回させる。また、走行用の第1油圧モータ(24)を駆動させながら、旋回用の第2油圧モータ(27)を駆動することにより、機体が左右に旋回して進路が修正されるもので、機体の旋回半径は第2油圧モータ(27)の出力回転数によって決定される。 【0019】さらに、図2、図4乃至図13に示す如く、前記運転台(18)の前部上面にステアリングコラム(71)を立設固定させ、ステアリングコラム(71)上面上方側に操向ハンドル(19)を縦軸回りに回転自在に取付けると共に、運転台(18)左側にサイドコラム(72)を設け、サイドコラム(72)下方にミッション(22)を配設させ、走行用操作部材である主変速レバー(73)、副変速レバー(74)、刈取クラッチレバー(75)、脱穀クラッチレバー(76)を前記サイドコラム(72)に取付ける。また、前記ステアリングコラム(71)は、アルミニウム合金鋳物を成形加工して形成し、左右に分割自在な2つ割れ構造で複数のボルト(77)で締結して箱形に形成している。 【0020】また、前記ステアリングコラム(71)上部にチルト台(78)を一体形成し、チルト台(78)に支点ボルト(79)を介してチルトブラケット(80)を回転自在に軸支させ、チルトレバー(81)によってチルトブラケット(80)を角度調節自在に固定させる。前記チルトブラケット(80)に軸ケース(82)下部を一体固定させ、コラム(71)上面に固定させる上面カバー(83)上方に軸ケース(82)を延設させ、軸ケース(82)内部に上ハンドル軸(84)を回転自在に軸支させ、上ハンドル軸(84)上端に操向ハンドル(19)を固定させ、チルトレバー(81)操作によりチルト支点である支点ボルト(79)回りにハンドル(19)を前後方向に移動調節して一定位置に支持させ、ハンドル(19)取付け位置を前後方向に調節して作業者が操作し易い位置に固定させる。 【0021】また、前記上ハンドル軸(84)の下端部に自在継手(85)を介して下ハンドル軸(86)上端側を連結させ、下ハンドル軸(86)をステアリングコラム(71)上部に回転自在に軸支させると共に、ステアリングコラム(71)上部に操向入力軸(87)上端部を回転自在に軸支させ、下ハンドル軸(86)のギヤ(88)と操向入力軸(87)のセクタギヤ(89)を噛合させて各軸(86)(87)を連結させ、ステアリングコラム(71)内部の略中央で上下方向に操向入力軸(87)を延設させる。 【0022】さらに、前記ステアリングコラム(71)の左側面で上下幅略中間に軸受部(90)を一体形成し、変速入力軸(91)の一端部を軸受部(90)にボルト(92)を介して回転自在に片持ち支持させ、変速入力軸(91)を左右方向に略水平に軸支させると共に、操向入力軸(87)下端に自在継手(93)を介して入力支点軸(94)上端側を連結させ、入力支点軸(94)下端側を前記変速入力軸(91)に回転自在に軸支させる。また、前記入力支点軸(94)上端側に操向入力部材(95)を固定させ、変速入力軸(91)上面と操向入力部材(95)下面の間に変速入力部材(96)を挾持させ、入力支点軸(94)回りに変速入力部材(96)を回転自在に取付けると共に、変速入力部材(96)に着脱自在に固定させる連係ボルト(97)によって前記各入力部材(95)(96)を連結させ、また変速入力軸(91)に設ける挾みバネ(98)の両端を変速入力部材(96)に係止させ、変速入力部材(96)を前記バネ(98)によって直進中立位置に支持させる。また、前記操向入力軸(87)の正逆転によって前記各入力部材(95)(96)をバネ(98)に抗して略垂直な入力軸(87)芯線回りに正逆転させると共に、前記変速入力軸(91)の正逆転によって略水平な左右方向の入力軸(91)芯線回りに入力支点軸(94)及び前記各入力部材(95)(96)を前後方向に傾動させるもので、垂直方向の操向入力軸(87)芯線と左右水平方向の変速入力軸(91)芯線とが直角交叉する交点に自在継手(93)を取付け、操向ハンドル(19)の操向入力軸(87)正逆転操作により操向入力軸(87)芯線回りに前記各入力部材(95)(96)を正逆転させる。 【0023】さらに、前記ステアリングコラム(71)の下部前側に主変速軸(99)を回転自在に軸支させ、左右方向に略水平に横架させる主変速軸(99)の左側端をステアリングコラム(71)の左側外方に突設させると共に、サイドコラム(72)下方の機台(3)に回転自在に設ける中介軸(100)に、リンク(101)(102)並びに長さ調節ターンバックル(103)付きロッド(104)を介して主変速軸(99)を連結させる。また、レバー支点軸(105)を介して機台(3)に回転自在に支点板(106)を取付け、支点板(106)に筒軸(107)を介して主変速レバー(73)基部を左右方向に揺動自在に取付けると共に、支点板(106)にリンク(108)(109)を介して中介軸(100)を連結させ、主変速レバー(73)をレバー支点軸(105)回りに前後方向に揺動させる変速操作によって主変速軸(99)を正逆転させる。また、ロッド形主変速部材(110)及び上下リンク(111)(112)を介して変速入力軸(91)に主変速軸(99)を連結させ、主変速レバー(73)の主変速軸(99)正逆転操作により前記各入力部材(95)(96)を変速入力軸(91)芯線回りに前後に傾動させる。 【0024】さらに、筒軸形の操向出力軸(113)を前記主変速軸(99)に回転自在に取付け、リンク形操向出力部材(114)を操向出力軸(113)に固定させると共に、ロッド形操向結合部材(115)の上端部を前記操向入力部材(95)に自在継手形操向入力連結部(116)を介して連結させ、球関継手形操向出力連結部(117)を介して操向結合部材(115)の下端部を操向出力部材(114)に連結させ、走行進路を変更させる操向機構(118)を構成している。 【0025】さらに、前記操向出力軸(113)の上方で該軸(113)と略平行に変速出力軸(119)をステアリングコラム(71)内部に回転自在に軸支させ、リンク形変速出力部材(120)を変速出力軸(119)に固定させると共に、ロッド形変速結合部材(121)の上端部を前記変速入力部材(96)に自在継手形変速入力連結部(122)を介して連結させ、球関継手形変速出力連結部(123)を介して変速結合部材(121)の下端部を変速出力部材(120)に連結させ、走行速度の変更並びに前後進の切換を行う変速機構(124)を構成している。 【0026】さらに、互に回転自在な二重軸構造の内側の変速操作軸(125)並びに外側の操向操作軸(126)をステアリングコラム(71)の下部後側で左右幅中央の軸受部(127)に回転自在に取付けるもので、長さ調節自在な球関継手軸(128)及び変速リンク(129)(130)を介して前記変速出力軸(119)に変速操作軸(125)上端部を連結させると共に、長さ調節自在な球関継手軸(131)及び操向リンク(132)(133)を介して前記操向出力軸(113)に操向操作軸(126)上端部を連結させる。 【0027】また、前記各操作軸(125)(126)は同一軸芯上に略垂直にステアリングコラム(71)底部に立設させ、各操作軸(125)(126)上端部をステアリングコラム(71)内部に延設させて各出力軸(113)(119)に連結させると共に、ステアリングコラム(71)底面下方に各操作軸(125)(126)下端部を突設させ、前記運転台(20)の作業者搭乗ステップ(134)下面側に各操作軸(125)(126)下端側を延設させるもので、前記変速部材(25)の出力制御軸(135)に操作制御部材である車速制御アーム(136)を固定させ、ターンバックル(137)付き長さ調節自在ロッド(138)及び操作出力部材であるリンク(139)を介して前記変速操作軸(125)下端部に車速制御アーム(136)を連結させ、出力制御軸(135)の正逆転操作により第1油圧ポンプ(23)斜板角調節を行って第1油圧モータ(24)の回転数制御及び正逆転切換を行い、走行速度(車速)の無段階変更並びに前後進の切換を行う。また、前記操向部材(28)の出力制御軸(140)に操作制御部材である操向制御アーム(141)を固定させ、ターンバックル(142)付き長さ調節自在ロッド(143)及び操作出力部材であるリンク(144)を介して操向操作軸(126)下端部に操向制御アーム(141)を連結させ、出力制御軸(140)の正逆転操作により第2油圧ポンプ(26)斜板角調節を行って第2油圧モータ(27)の回転数制御及び正逆転切換を行い、操向角度(旋回半径)の無段階変更並びに左右旋回方向の切替を行う。 【0028】さらに、前記ステアリングコラム(71)の右側外面にアクセルレバー(145)を前後方向回転自在に設け、エンジン(21)にアクセルレバー(145)を連結させるアクセルワイヤ(146)をステアリングコラム(71)前面内側に沿わせて下方から延出させ、アクセルレバー(145)によってエンジン(21)回転数を手動調節すると共に、前記ステアリングコラム(71)後面にメンテナンス窓(147)を開設させ、着脱自在な蓋(148)によってメンテナンス窓(147)を閉鎖している。 【0029】上記から明らかなように、エンジン(21)の駆動力を左右走行クローラ(2)に伝える差動機構(33)と、左右走行クローラ(2)の駆動速度を無段階に変更させる変速部材(25)と、左右走行クローラ(2)の駆動速度の差を無段階に変化させる操向部材(28)を設けると共に、操向操作具である操向ハンドル(19)によって回転させる操向入力軸(87)と、変速操作具である主変速レバー(73)によって回転させる変速入力軸(91)と、変速入力軸(91)を変速部材(25)に連結させる変速機構(124)と、操向入力軸(87)を操向部材(28)に連結させる操向機構(118)を設け、変速機構(124)動作量に比例させて操向機構(118)操向量を変化させるもので、高速側走行変速によって操向量を自動的に拡大させ、かつ低速側走行変速によって操向量を自動的に縮少させ、操向ハンドル(19)の一定量の操作によって走行速度に関係なく左右走行クローラ(2)の旋回半径を略一定に維持させ、農作業走行速度の変更並びに作物列などに機体を沿わせる進路修正などを行わせる。また、操向入力軸(87)に操向入力部材(95)と変速入力部材(96)を設け、変速入力軸(91)芯線回りに変速入力部材(96)と操向入力部材(95)を回転自在に取付け、変速出力軸(119)に設ける変速出力部材(120)に変速結合部材(121)を介して変速入力部材(96)を連結させ、操向出力軸(113)に設ける操向出力部材(114)に操向結合部材(115)を介して操向入力部材(95)を連結させ、変速機構(124)並びに操向機構(118)を形成し、操向操作によって操向入力軸(87)を回転させて操向入力部材(95)及び変速入力部材(96)を作動させ、例えば旋回させ乍ら走行速度を減速させる動作を行わせると共に、変速操作によって変速入力軸(91)を回転させて変速入力部材(96)及び操向入力部材(95)を作動させ、走行変速による旋回半径の拡大縮少並びに走行変速中立による旋回出力の中止などの操作を行わせる。 【0030】また、操向入力部材(95)と操向結合部材(115)を連結させる操向入力連結部(116)を変速入力軸(91)芯線上に配設させ、変速入力部材(96)と変速結合部材(121)を連結させる変速入力連結部(122)を、変速入力軸(91)芯線と交叉する直線(A)上に配設させ、操向入力軸(87)及び変速入力軸(91)を中心とする操向入力部材(95)及び変速入力部材(96)の相対的な運動を容易に設定でき、設計及び組立及び構造の簡略化並びに動作の信頼性向上などを図れると共に、変速入力軸(91)芯線と操向入力軸(87)芯線が交叉する軸芯交点(B)を中心とする円周(C)上に、変速入力連結部(122)並びに操向入力連結部(116)を配設させ、操向入力部材(95)及び変速入力部材(96)などの構造の簡略化及びコンパクト化などを図るもので、変速出力部材(120)と変速結合部材(121)を連結させる変速出力連結部(123)と、操向出力部材(114)と操向結合部材(115)を連結させる操向出力連結部(117)を、操向入力軸(87)芯線上に配設させ、前進時と後進時の変速切換による逆ハンドル現像を容易に防止し、変速出力部材(120)及び操向出力部材(114)の設計及び組立及び構造の簡略化並びに動作の信頼性向上などを図ると共に、変速入力軸(91)と操向入力軸(87)の軸芯交点(B)に対する変速出力連結部(123)の距離と、操向出力連結部(117)の距離を異ならせ、変速出力連結部(123)と操向出力連結部(117)を同一直線(D)上で離間させることによって各連結部(117)(123)の干渉防止並びに移動範囲の設定などを容易に行え、変速結合部材(121)及び操向結合部材(115)を狭少場所に設置できるように構成している。 【0031】また、変速入力連結部(116)と、操向入力連結部(122)を、変速入力軸(91)と操向入力軸(87)の軸芯交点(B)を中心とする円周(C)上で約90度離間させ、変速入力軸(91)の回転によって操向入力連結部(116)を一定位置に維持させかつ変速入力連結部(122)の変位量を最大にして走行変速を行わせると共に、前記各入力連結部(116)(122)を移動させる平面上に変速入力軸(91)を配置させる構造で各連結部(116)(122)の移動量を容易に確保し、コンパクトで機能的に変速入力部材(96)及び操向入力部材(95)を配置させるもので、操向入力軸(87)回りに約90度の範囲内で変速入力連結部(122)及び操向入力連結部(116)を移動させ、前後進切換による逆ハンドル現像の防止並びに各入力連結部(116)(122)の移動量の確保と共に、操向入力軸(87)を回転させる操向角度に応じて変速入力連結部(122)を減速方向に移動させる動作と、旋回内側の走行クローラ(2)を中心に方向転換させるスピンターン動作を容易に行わせ、コンパクトな構造で機能的に構成している。変速出力軸(119)及び操向出力軸(113)を変速入力軸(91)と略平行に設け、前記各出力軸(113)(119)を複数に分割自在なケースを形成するコラム(71)に高精度で軸支させると共に、変速入力軸(91)並びに前記各出力軸(113)(119)を左右方向に延設させることによって機体前後方向の連結構造を容易に得られ、主変速レバー(73)と変速入力軸(91)の連結、並びに変速部材(25)及び操向部材(28)と前記出力軸(113)(119)との連結を容易に行え、操作構造の簡略化並びに取扱い性向上などを図れるように構成している。 【0032】さらに、図14、図15に示す如く、前記連係ボルト(97)を遊嵌挿通させる位相調節孔(149)を操向入力部材(95)に開設させると共に、操向入力軸(87)芯線を中心とする同一放射線上に複数(3個)のネジ孔(150)を設け、前記放射線を中心に操向入力軸(87)側を底辺とする台形に前記位相調節孔(149)を形成するもので、直進位置の操向ハンドル(19)を左右回転操作したとき、前記ネジ孔(150)に固定させた連係ボルト(97)が位相調節孔(149)縁に当接するまで、変速入力部材(96)を挾みバネ(98)によって一定位置に固定させた状態で、操向入力部材(95)だけを回転させ、走行速度を略一定に保ち乍ら左右に旋回させて進路を修正する。そして、連係ボルト(97)が位相調節孔(149)縁に当接したとき、操向ハンドル(19)をさらに同一方向に回転操作することにより、連係ボルト(97)の連結によって操向入力部材(95)と変速入力部材(96)の両方がバネ(98)に抗して回転し、走行速度を減速させ乍ら進路修正を行うもので、操向ハンドル(19)操作によって決定される旋回半径と走行速度の減速量が比例して変化すると共に、操向ハンドル(19)を直進位置に戻すことにより、挾みバネ(98)によって変速入力部材(96)が中立位置に戻され、元の走行速度に自動的に復帰する。また、連係ボルト(97)を各ネジ孔(150)に付け換えることにより、位相調節孔(149)縁に連係ボルト(97)が当接するまでの操向入力部材(95)の回転角度が変化し、操向ハンドル(19)操作による走行速度の減速開始時期を調整できると共に、操向ハンドル(19)を直進支持しているとき、挾みバネ(98)によって変速入力部材(96)が変速入力軸(91)に固定され、機械振動などによって変速入力部材(96)が遊動するのを防ぎ、変速入力部材(96)のふらつきによって走行速度が減速変化するのを阻止している。 【0033】さらに、図16乃至図20に示す如く、前記ギヤ(88)は、270度の外周範囲に複数の歯(151)を形成し、90度の外周範囲を円弧(152)に形成し、操向ハンドル(19)の全回転角度を270度とし、左操向回転または右操向回転の角度を135度に設定し、操向ハンドル(19)回転操作を片手で作業者が容易に行えるように形成する。また、前記セクタギヤ(89)は、130度の外周範囲に複数の歯(153)を形成し、230度の外周範囲を円弧カム(154)に形成し、前記ギヤ(88)の歯(151)とセクタギヤ(89)の歯(153)を噛合せ、各ギヤ(88)(89)の最大正逆転時、前記円弧(152)両端のストッパ(155)と前記円弧カム(154)両端のストッパ(156)を当接させ、操向ハンドル(19)の回転を規制すると共に、操向入力軸(87)芯線回りに操向入力部材(95)及び変速入力部材(96)を65度の範囲で正転または逆転させ、各入力部材(95)が回転移動する平面上に変速入力軸(91)及び主変速部材(110)上端部を配置させる空間を確保し、変速入力軸(91)芯線上に操向入力連結部(116)を設ける構造、並びに同一円周上で前記各入力連結部(116)(122)を90度離間させる構造を容易に得られ、構造のコンパクト化、設計組立の簡略化などを図れるように構成している。 【0034】また、前記セクタギヤ(89)の円弧カム(154)中央に直進ノッチ(157)を形成すると共に、前記ステアリングコラム(71)上面壁にデテント軸(158)を回転自在に軸支させ、デテント軸(158)下端部にデテントアーム(159)を固定させ、デテントアーム(159)にローラ軸(160)を介してデテントローラ(161)を回転自在に軸支させ、前記円弧カム(154)にデテントローラ(161)を当接させ、直進ノッチ(157)に係脱自在にデテントローラ(161)を係合させ、操向ハンドル(19)を直進位置に支持させる。また、前記デテント軸(158)上端側にデテントレバー(162)を固定させ、デテント軸(158)に巻装させる中立バネ(163)の一端をデテントレバー(162)に係止させ、ステアリングコラム(71)の受板(164)に中立バネ(163)の他端を当接させ、円弧カム(154)及び直進ノッチ(157)にデテントローラ(161)を中立バネ(163)によって弾圧当接させている。また、操向ハンドル(19)の直進位置をオンオフ切換によって電気的に検出するマイクロスイッチ型直進センサ(165)をデテントレバー(162)に取付けている。 【0035】而して、前記主変速レバー(73)が中立のとき、操向ハンドル(19)の正転(逆転)操作により、操向入力軸(87)芯線回りに前記各入力部材(95)(96)及び各結合部材(115)(121)が円錐軌跡上で移動し、前記各出力部材(114)(120)及び各出力軸(113)(119)が停止した状態が維持される。 【0036】また、主変速レバー(73)を前方(後方)に倒す前進(後進)操作により、前記各入力部材(95)(96)が変速入力軸(91)芯線回りに前方(後方)に傾き、操向入力連結部(116)が一定位置に停止した状態を維持し乍ら、変速入力連結部(122)を上方(下方)に移動させ、変速出力部材(120)の上方(下方)揺動によって変速出力軸(119)を正転(逆転)させ、変速部材(23)の第1油圧ポンプ(23)の斜板角切換によって第1油圧モータ(24)を正転(逆転)させ、第1油圧モータ(24)の出力軸(31)の正転(逆転)によって左右走行クローラ(2)を前進(後進)駆動する。また、主変速レバー(73)の倒し角に比例して出力軸(31)の回転数が変化し、走行クローラ(2)の前進(後進)速度が無段階に変速される。 【0037】さらに、主変速レバー(73)を前方(後方)に倒して前進(後進)操作を行っている状態下で、操向ハンドル(19)を左方向(右方向)に回転させることにより、変速入力軸(91)芯線回りに操向入力部材(95)が前方(後方)に傾いた姿勢で操向入力軸(87)芯線回りに正転(逆転)し、操向入力連結部(116)が下方(上方)に移動し、操向出力部材(114)の下方(上方)揺動によって操向出力軸(113)を正転(逆転)させ、操向部材(28)の第2油圧ポンプ(26)の斜板角切換によって第2油圧モータ(27)を正転(逆転)させ、第2油圧モータ(27)の出力軸(68)の正転(逆転)により、左走行クローラ(2)を減速(増速)させ、かつ右走行クローラ(2)を増速(減速)させ、左方向(右方向)に機体を旋回させて左方向(右方向)に進路を修正する。また、前記の進路修正動作と同時に、操向ハンドル(19)の左方向(右方向)回転により、変速入力軸(91)芯線回りに変速入力部材(96)が前方(後方)に傾いた状態で操向入力軸(87)芯線回りに正転(逆転)し、変速入力連結部(122)が下方(上方)に移動し、変速出力部材(120)の下方(上方)揺動によって変速出力軸(119)を逆転(正転)させ、変速部材(25)を中立方向に戻す制御を行って出力軸(31)の回転数を低下させ、走行速度(車速)を減速させる。このように、走行移動中の操向ハンドル(19)の左右操向操作により、操向ハンドル(19)の回転角度に比例して、進路を修正する旋回半径(角度)と、走行速度の減速量が変化し、操向ハンドル(19)を大きく回転させることによって左右走行クローラ(2)の速度差を大きくして旋回半径を小さくすると同時に、走行速度の減速量が多くなって車速が遅くなると共に、前進時と後進時とでは、操向ハンドル(19)の回転に対して旋回入力連結部(116)の動きを逆方向にし、前後進の何れにおいても操向ハンドル(19)の回動操作方向と機体の旋回方向とを一致させ、回転操作する丸形の操向ハンドル(19)の回転操作によって例えばトラクタまたは田植機など四輪自動車と同様の運転感覚で進路修正及び方向転換などを行う。 【0038】さらに、図19、図20は機体の左右旋回時における操向ハンドル(19)の切れ角と左右走行クローラ(2)の速度の関係を示すもので、ハンドル(19)の切れ角が大となる程左右走行クローラ(2)の速度差は大となると共に、左右走行クローラ(2)の平均速度となる機体中心速度も走行速度(高速・標準・低速)状態に応じて減速される。直進位置の操向ハンドル(19)を左方向(右方向)に約15度回転させると、前記位相調節孔(149)内を連係ボルト(97)が移動し、挾みバネ(98)によって変速入力部材(96)が直進と同一位置に維持されると共に、操向部材(28)の第2油圧ポンプ(26)によって第2油圧モータ(27)を正転(逆転)させる操向出力によって左方向(右方向)に旋回させ、未刈り穀稈(作物)列の湾曲に合せる進路修正を行う。このとき、旋回内側の走行クローラ(2)の減速量と、旋回外側の走行クローラ(2)の増速量が略等しくなり、機体中心速度が直進と略同一速度に保たれる。また、操向ハンドル(19)を直進位置から15度以上回転させると、挾みバネ(98)に抗して変速入力部材(96)が左旋回及び右旋回のいずれでも減速動作し、第1油圧ポンプ(23)及びモータ(24)の走行変速出力を減速させ、左右走行クローラ(2)(2)を同一方向に回転駆動させて前進(または後進)させ、左右走行クローラ(2)(2)の走行速度差により左方向(右方向)に旋回するブレーキターン動作を行わせ、未刈り穀稈(作物)列から外れたときに元の列に戻したり隣の列に移動させる進路修正を行う。さらに、操向ハンドル(19)を約135度回転させると、機体中心速度が直進時の約4分の1に減速され、旋回内側の走行クローラ(2)が逆転駆動され、旋回内側の走行クローラ(2)を中心として機体が旋回するスピンターン動作が行われ、左右走行クローラ(2)の左右幅だけ旋回方向にずらせて機体を180度方向転換させるもので、ハンドル角度0度からハンドル角度135度の範囲で操向ハンドル(19)を回転させて左または右方向の旋回操作を行い、直進位置を中心とした左右15度のハンドル(19)回転範囲で未刈り穀稈(作物)列に沿って移動する条合せ進路修正を、直進時の走行速度を維持し乍ら行うと共に、直進位置から左右135度のハンドル(19)回転により、圃場枕地で機体を方向転換させて次作業工程に移動させるスピンターン動作を、直進時の約4分の1の走行速度に自動的に減速して行う。 【0039】さらに、副変速を標準(秒速1.5メートル)速度に保ち、操向ハンドル(19)を90度回転させたとき、主変速レバー(68)操作により主変速出力を高速及び3分の2及び3分の1に変更しても、機体の旋回半径が略一定に保たれた状態で、旋回速度(機体中心速度)だけを変化させる。また、直進位置を基準として連係ボルト(97)と位相調節孔(149)の設定範囲で第1油圧ポンプ(23)第1油圧モータ(24)を直進状態に維持させ、農作業中に作物列または畦などに機体を沿わせる操向操作を行っても走行速度が不均一に変化するのを防止し、略同一走行速度を保ち乍ら農作業中の進路修正を行え、作業者の運転感覚と機体の走行動作とを略一致させて適正な操向操作を行える。また、主変速レバー(73)の変速基準値を切換える副変速レバー(74)副変速操作の低速及び標準及び高速切換に比例させて旋回半径を小径乃至大径に変化させ、第1油圧ポンプ(23)及びモータ(24)と走行クローラ(2)間の減速比並びに第2油圧ポンプ(26)及びモータ(27)と走行クローラ(2)間の減速比の設定、或いはスピンターン動作に必要な小半径旋回に必要な走行駆動力の確保などを図ると共に、同一副変速操作位置で主変速レバー(73)を操作することによって旋回半径を略一定に保った状態で旋回時の走行速度を変化させ、作業者の熟練度などに応じた運転操作を行え、機動性の向上並びに運転操作性の向上などを図る。 【0040】ところで図21乃至図26に示す如く、前記操向部材(28)より出力される旋回操作力に対し、大きな走行駆動力を必要とする変速部材(25)を形状的に大形(大容量)に、操向部材(28)を小形(小容量)に形成すると共に、前記ミッションケース(22)上部の前側に操向部材(28)を、また後側に変速部材(25)を一体的に固設し、ミッションケース(22)前方に操向部材(28)が突出するのを最小に抑制して、ミッションケース(22)上部にコンパクトにこれら変速部材(25)(28)を配設させるように構成している。 【0041】そして、前記変速及び操向部材(25)(28)を出力制御する車速及び操向制御アーム(136)(141)基端のボス部(136a)(141a)を各部材(25)(28)の油圧ポンプ(23)(26)上側の制御軸(135)(136)にボルト(136b)(141b)を介し取外し自在に固定させて、各ロッド(138)(143)との連結の容易化やメンテナンス性の向上化を図ると共に、変速部材(25)及び操向部材(28)を構成する第1及び第2油圧ポンプ(23)(26)の入力軸(29a)(29b)を各部材(25)(28)の左外側に突出させて、ミッションケース(22)の後方に配設するエンジン(21)左側のエンジン出力軸(21a)に、プーリ(166)(167)及びベルト(30a)及びテンションプーリ(168)を介して前記第1油圧ポンプ(23)の入力軸(29a)を連動連結させ、第2油圧ポンプ(26)の入力軸(29b)にプーリ(167)(169)及びベルト(30b)及びテンションプーリ(170)を介して第1油圧ポンプ(23)の入力軸(29a)を連動連結させて、旋回より走行を優先させた駆動を行うように構成している。 【0042】またエンジン(21)と第1油圧ポンプ(23)間を連結する走行用ベルト(30a)より第1及び第2油圧ポンプ(23)(26)間を連結する旋回用ベルト(30b)をポンプ(23)(26)側に近接させて、走行用ベルト(30a)の前方で旋回用ベルト(30b)の左側方に空きスペース(171)を形成させ、この空きスペース(171)分刈取部(8)を干渉させることなく変速及び操向部材(25)(28)側に近接させて、機体全体をコンパクトとさせるように構成している。 【0043】また、車速制御アーム(136)とロッド(138)とは軸(172)及び長孔(173)を介して中立域で若干の融通を有して連結させ、操向制御アーム(141)とロッド(143)とは軸(174)を介して連結させ、各制御アーム(136)(141)に中立保持用デテント板(175)を一体連結させると共に、各油圧ポンプ(23)(26)外壁に固定するデテント軸(176)にデテントアーム(177)を回動自在に枢支させ、該デテントアーム(177)に軸受するデテントローラ(178)をバネ(179)力で前記デテント板(175)の凹部中立ノッチ(175a)に弾圧当接させるとき、各制御アーム(136)(141)の中立位置を保持させるように構成している。 【0044】なお、(180)は前記PTO軸(58)にプーリ(181)(182)及びベルト(183)及びテンションプーリ式刈取クラッチ(184)を介し連動連結して刈取部(8)を駆動する刈取入力軸、(185)は前記エンジン出力軸(21a)にプーリ(166)(186)及びベルト(187)及びテンションプーリ式脱穀クラッチ(188)を介し連動連結して脱穀部(4)を駆動する脱穀入力軸である。 【0045】本実施例は上記の如く構成するものにして、左右走行クローラ(2)を差動機構(33)を介し駆動する油圧式走行用無段変速機構(25)と、左右走行クローラ(2)の駆動に速度差を生じさせる油圧式旋回用無段変速機構(28)とを備えたコンバイン構造において、旋回用無段変速機構(28)の形状を走行用無段変速機構(25)より小形に設けたことによって、走行無段変速出力より小さな旋回無段変速出力の旋回用無段変速機構(28)を走行用無段変速機構(25)より小形化(小容量化)して、これら変速機構(25)(28)を一体且つコンパクトに機体内に組込むことを可能とさせることができるものである。 【0046】また、機体前部に走行用ミッションケース(22)を、また該ミッションケース(22)後方にエンジン(21)を配設すると共に、前記ミッションケース(22)の上部に各無段変速機構(25)(28)を一体的に配設したことによって、走行用及び旋回用無段変速機構(25)(28)を機体前側のミッションケース(22)上部にコンパクトに組込むことができるものである。 【0047】さらに、走行用無段変速機構(25)より旋回用無段変速機構(28)を前方位置に配設したことによって、ミッションケース(22)より前方に旋回用無段変速機構(28)が突出するのを最小に抑えて、刈取部(8)などとの干渉を防止したコンパクトな機体組込みを行うことができるものである。 【0048】またさらに、エンジン(21)に走行用無段変速機構(25)と連動連結させると共に、走行用無段変速機構(25)に旋回用無段変速機構(28)を連動連結させたことによって、常に旋回より直進を優先させて、作業性と作業の信頼性を向上させることができるものである。 【0049】また、エンジン(21)と走行用無段変速機構(25)間及び走行用無段変速機構(25)と旋回用無段変速機構(28)間をそれぞれベルト(30a)(30b)伝動手段でもって連動連結させたことによって、旋回用ベルト(30b)伝動手段にベルト(30b)の破損や無段変速機構(28)に故障が発生した場合などの異常発生時にも、走行用の無段変速機構(25)のみを支障なく駆動して、元の作業開始位置或いはその近傍までに帰還可能とさせて、緊急時などでの作業性を向上させることができるものである。 【0050】さらに、機体前部でエンジン(21)より前方位置に走行用及び旋回用無段変速機構(25)(28)を配設したことによって、エンジン(21)より走行用及び旋回用無段変速機構(25)(28)の駆動力を容易に得ることができると共に、機体前部の運転操作部に設けるこれらの操作部材(19)(73)に容易にこれら変速機構(25)(28)を連結させて、構造のコンパクト化を図ることができるものである。 【0051】またさらに、走行用無段変速機構(25)より旋回用無段変速機構(28)を前方位置に配設したことによって、エンジン(21)と走行用無段変速機構(25)とを左外側位置で走行用ベルト(50a)伝動手段により連動連結させて、走行用無段変速機構(25)を旋回用無段変速機構(28)より優先してエンジンに容易に連結させて走行性能を安定維持させることができるものである。 【0052】また、走行用無段変速機構(25)と旋回用無段変速機構(28)とを左外側で旋回用ベルト(30b)伝動手段により連動連結させると共に、走行用ベルト(30a)伝動手段より機体右側に旋回用ベルト(30b)伝動手段を配置させたことによって、旋回用無段変速機構(28)を容易に走行用無段変速機構(25)に連結させて、この駆動系の簡素化を図ると共に、旋回用ベルト(30b)伝動手段の左側域に空きスペース(171)を有効に形成して、旋回用ベルト(30b)伝動手段とこれに近接する刈取部(8)右側部との干渉を防止し、刈取部(8)を本機無段変速機構(28)側に近接させて、本機全体のコンパクト化を可能とさせることができるものである。 【0053】さらに、走行用及び旋回用無段変速機構(25)(28)を無段階に変速動作させる操作制御部材(136)(141)を、各無段変速機構(25)(28)の最上部位置に配置させたことによって、主変速レバー(73)や操向ハンドル(19)などの操作部材との連結操作系を簡潔なものとさせると共に、操作制御部材(136)(141)のメンテナンス性の向上を図ることができるものである。 【0054】またさらに、運転台(18)左側のサイドコラム(72)下方にそうさ制御部材(136)(141)を配置させたことによって、サイドコラム(72)に設置する主変速レバー(73)や、サイドコラム(72)に近接させる運転コラム(71)の操向ハンドル(19)など操作部材とこれら制御部材(136)(141)との連結操作系を簡潔なものとさせると共に、操作制御部材(136)(141)のメンテナンス性を向上させることができるものである。 【0055】また、操作制御部材(136)(141)に操作力を出力する操作出力部材(139)(144)を運転台(18)の運転コラム(71)下方に配設させ、これら制御部材(136)(141)と出力部材(139)(144)間をロッド(138)(143)で連結させたことによって、操向ハンドル(19)からの旋回操作系や主変速レバーからの連動走行操作系などの操作出力部材(139)(140)を運転コラム(71)下方に簡潔に配置させると共に、操作制御部材(136)(141)に操作出力部材(139)(140)を簡潔に連結させた、これら操作系のコンパクトな機体組込みを可能とさせることができるものである。 【0056】 【発明の効果】以上実施例から明らかなように本発明は、左右走行クローラ(2)を差動機構(33)を介し駆動する油圧式走行用無段変速機構(25)と、左右走行クローラ(2)の駆動に速度差を生じさせる油圧式旋回用無段変速機構(28)とを備えた移動農機において、機体前部でエンジン(21)より前方位置に走行用及び旋回用無段変速機構(25)(28)を配設したものであるから、エンジン(21)より走行用及び旋回用無段変速機構(25)(28)の駆動力を容易に得ることができると共に、機体前部の運転操作部に設けるこれら操作部材(19)(73)に容易にこれら変速機構(25)(28)を連結させて、構造のコンパクト化を図ることができるものである。 【0057】また、走行用無段変速機構(25)より旋回用無段変速機構(28)を前方位置に配設したものであるから、エンジン(21)と走行用無段変速機構(25)とを左外側位置で走行用ベルト(30a)伝動手段により連動連結させて、走行用無段変速機構(25)を旋回用無段変速機構(28)より優先してエンジンに容易に連結させて走行性能を安定維持させることができるものである。 【0058】さらに、走行用無段変速機構(25)と旋回用無段変速機構(28)とを左外側で旋回用ベルト(30b)伝動手段により連動連結させると共に、走行用ベルト(30a)伝動手段より機体右側に旋回用ベルト(30b)伝動手段を配置させたものであるから、旋回用無段変速機構(28)を容易に走行用無段変速機構(25)に連結させて、この駆動系の簡素化を図ると共に、旋回用ベルト(30b)伝動手段の左側域に空きスペース(171)を有効に形成して、例えばコンバインにあっては旋回用ベルト(30b)伝動手段とこれに近接する刈取部(8)右側部との干渉を防止し、刈取部(8)を本機無段変速機構(28)に近接させて、本機全体のコンパクト化を可能とさせることができるものである。 【0059】またさらに、走行用及び旋回用無段変速機構(25)(28)を無段階に変速動作させる操作制御部材(136)(141)を、各無段変速機構(25)(28)の最上部位置に配置させたことによって、主変速レバー(73)や操向ハンドル(19)などの操作部材との連結操作系を簡潔なものとさせると共に、操作制御部材(136)(141)のメンテナンス性の向上を図ることができるものである。 【0060】また、運転台(18)左側のサイドコラム(72)下方に操作制御部材(136)(141)を配置させたものであるから、サイドコラム(72)に設置する主変速レバー(73)や、サイドコラム(72)に近接させる運転コラム(71)の操向ハンドル(19)など操作部材とこれら制御部材(136)(141)との連結操作系を簡潔なものとさせると共に、操作制御部材(136)(141)のメンテナンス性を向上させることができるものである。 【0061】さらに、操作制御部材(136)(141)に操作力を出力する操作出力部材(139)(144)を運転台(18)の運転コラム(71)下方に配置させ、これら制御部材(136)(141)と出力部材(139)(144)間をロッド(138)(143)で連結させたものであるから、操向ハンドル(19)からの旋回操作系や主変速レバーからの連動操作系などの操作出力部材(139)(140)を運転コラム(71)下方に簡潔に配置させると共に、操作制御部材(136)(141)に操作出力部材(139)(140)を簡潔に連結させて、これらの操作系コンパクトな機体組込みを可能とさせることができるものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006851 【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社 【識別番号】000005164 【氏名又は名称】セイレイ工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年9月30日(1998.9.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100062270 【弁理士】 【氏名又は名称】藤原 忠治
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| 【公開番号】 |
特開2000−102317(P2000−102317A) |
| 【公開日】 |
平成12年4月11日(2000.4.11) |
| 【出願番号】 |
特願平10−294575 |
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