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【発明の名称】 コンバイン
【発明者】 【氏名】南 龍一

【氏名】西 輝雄

【氏名】木目 修

【要約】 【課題】刈取前処理装置の支持構造や動力分配構造を強度的に高く簡易なものにできるコンバインを提供する。

【解決手段】機台2の前端部に作動油タンク8を固定設置するとともに、該作動油タンク8に、刈取前処理装置3を横軸芯P周りで昇降揺動自在に支持する支持部9を設け、前記作動油タンク8とその後方の脱穀装置4との間に、エンジンEからの動力を分配する動力分配ケース16を配設してあるコンバイン。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 機台の前端部に作動油タンクを固定設置するとともに、該作動油タンクに、刈取前処理装置を横軸芯周りで昇降揺動自在に支持する支持部を設け、前記作動油タンクとその後方の脱穀装置との間に、エンジンからの動力を分配する動力分配ケースを配設してあるコンバイン。
【請求項2】 前記脱穀装置の扱室部分を前方に突出させて前方突出部を設けるとともに、該前方突出部と前記機台との間に、前記動力分配ケースを少なくとも部分的に入り込ませた状態に配置してある請求項1に記載のコンバイン。
【請求項3】 前記動力分配ケースと、前記脱穀装置の前記前方突出部との間に、該前方突出部を支える支え部材を介装してある請求項2に記載のコンバイン。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、刈取前処理装置を機台の前端部に横軸芯周りで昇降揺動自在に設けるとともに、その後方に機台上に脱穀装置を搭載装備してあるコンバインに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のコンバインにあっては、刈取前処理装置を揺動昇降自在に支持するための機台側の支持台として、作動油を貯留する作動油タンクを利用したものが周知である。そして、従来においては、その作動油タンク内にエンジンからの動力を分配する動力分配機構を内装し、その作動油タンクから脱穀装置の各部への伝動を行うようにしたものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来構造のコンバインにあっては、作動油タンク内に動力分配機構が内装されていたので、その動力分配機構からの伝動出力位置と脱穀装置の位置とが前後に比較的離れた位置となって、その連係を行うための構造が必要となることで構造的に複雑になるという課題を有しているとともに、その動力分配機構を内装している分、強度的に低くなる虞れがあるので、作動油タンクを強度的に高めるための補強構造等を設ける必要性があり、コスト高を招き易いという課題を有していた。
【0004】本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、刈取前処理装置の支持構造や動力分配構造を強度的に高く簡易なものにできるコンバインの提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】(構成) 本発明の請求項1にかかるコンバインは、機台の前端部に作動油タンクを固定設置するとともに、該作動油タンクに、刈取前処理装置を横軸芯周りで昇降揺動自在に支持する支持部を設け、前記作動油タンクとその後方の脱穀装置との間に、エンジンからの動力を分配する動力分配ケースを配設してあることを特徴構成とする。
【0006】(作用) 本発明の請求項1にかかる構成によれば、作動油タンクが機体の前端側に固定設置されているとともに、その作動油タンクとは別にその後方に動力分配ケースを設けているので、作動油タンク内に動力分配機構を配設しないものとなっており、それによってその作動油タンクの強度も高く維持できるとともに、動力分配ケースは脱穀装置寄りに近くに配置されることになるので、脱穀装置への動力分配の連係機構は比較的構造簡単なものとなる。
【0007】(効果) 従って、本発明の請求項1にかかる構成によれば、作動油タンクの強度が高くできることから、例えば鋳物で作動油タンクを構成しなくも鋼板等によって簡易に構成でき、割れ等を生じにくくできる利点があるとともに、動力分配ケースから脱穀装置への伝動構造も比較的簡単なものにできて、コストの軽減を図ることができる。
【0008】(構成) 本発明の請求項2にかかるコンバインは、請求項1に記載のものにおいて、前記脱穀装置の扱室部分を前方に突出させて前方突出部を設けるとともに、該前方突出部と前記機台との間に、前記動力分配ケースを少なくとも部分的に入り込ませた状態に配置してあることを特徴構成とする。
【0009】(作用) 本発明の請求項2にかかる構成によれば、脱穀装置の扱室部分を前方に突出させて前方突出部を設けているとともに、該前方突出部と機台との間に、動力分配ケースを少なくとも部分的に入り込ませた状態に配置してあるから、作動油タンクと脱穀装置の前面の下部との間に生じるスペースを有効利用して動力分配ケースを配置できることになるとともに、動力分配ケースは脱穀装置側に近接する状態で配置されることで、その分配動力の脱穀装置への伝動機構を一層簡易なものにできる。
【0010】(効果) 従って、本発明の請求項2にかかる構成によれば、動力分配ケースをスペースを有効利用して配置できるとともに、そのケースの保護が図れ、さらに、伝動系を簡易なものにできる等の利点がある。
【0011】(構成) 本発明の請求項3にかかるコンバインは、請求項2に記載のものにおいて、前記動力分配ケースと、前記脱穀装置の前記前方突出部との間に、該前方突出部を支える支え部材を介装してあることを特徴構成とする。
【0012】(作用) 本発明の請求項3にかかる構成によれば、動力分配ケースと、脱穀装置の前方突出部との間に、該前方突出部を支える支え部材を介装してあるから、ひさし状に前方に突出させた形状の脱穀装置の扱室部分を支えるのに、機台からその突出部分までにわたって支柱部材のようなものを設けなくても良いとともに、強度的にも高い動力分配ケースを利用して比較的高い位置から前方突出部の支持を行っているので、その支え部材も小型で強度的に高いものにできる。
【0013】(効果) 従って、本発明の請求項3にかかる構成によれば、構造簡単かつ安価に、脱穀装置の扱室部分の前方突出部を支持強度高く支えることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1に、コンバインの一例を示している。このコンバインは、左右一対のクローラ走行装置1,1に支持された機体フレーム2の前端部に、横軸芯P周りで昇降揺動自在に4条刈り用の刈取前処理装置3を装着するとともに、機体フレーム2上に、脱穀装置4、搭乗運転部5、原動部6、グレンタンク7等を搭載装備して構成している。
【0015】刈取前処理装置3の支持構造について説明すると、図1乃至図5に示すように、機台としての前記機体フレーム2の前端部に、スチール板すなわち鋼板製の作動油タンク8(図示しない静油圧式無段変速装置等に供される作動油を貯留する)を、ボルト連結して固定支持している。この作動油タンク8の前下がり傾斜面となっている上面8aには、図4及び図5に示すように、支持部としての左右一対の受け台9,9をボルト連結しているとともに、各受け台9,9の上面部には、刈取前処理装置3のパイプフレームFのうち横向きフレーム10を載置する半円型の受け止め部9Aを設けている。そして、横向きフレーム10を受け止め部9Aに載置した状態で、半円型の止め付け具9Bにより横向きフレーム10を挟持してこの止め付け具9Bと受け止め部9Aとをボルトで締結している。
【0016】この横向きフレーム10には、原動部6のエンジンEからベルト伝動機構12を介してベルト伝動されて回転駆動される伝動軸11が支承状態で内装されている。また、左右一対の受け台9,9の間の中間位置に横向きフレーム10から前方に、引起こし装置等を支持するとともに伝動ケースに兼用されるメイン支持フレームFを延設している。そして、図1に示すように、作動油タンク8の後方には、刈取前処理装置3の縦搬送装置13から刈取穀稈を受け渡されてフィードチェーン14で後方に搬送しながら脱穀処理する前記脱穀装置4を配置している。そして、脱穀装置4と作動油タンク8との間には、エンジンEからの動力を脱穀装置4の扱胴15と、脱穀装置4のその他の各装置とに動力を分配する動力分配ケース16を載置しボルト締結している。詳述すると、脱穀装置4における扱室17の前側部分は、選別部18よりも前方に突出した構造となっており、そのため、脱穀装置4の外装ケース19の上部箇所は前方にオーバーハングしたひさし状の前方突出部20となっている。従って、その前方突出部20と機体フレーム2との間には比較的大きな空間部が形成されることになり、その空間部に動力分配ケース16が配置されるのであって、動力分配ケース16の後半部分はその前方突出部20の下方に入り込んだ状態となっている。尚、この動力分配ケース16は鋳物製であるとともに、この動力分配ケース16の上面部と、前方突出部20の下面とにわたって、板金又はパイプ部材等により構成される支え部材21を介装し、この支え部材21をボルト等で動力分配ケース16や前方突出部20に固定しており、前方突出部20を支えるようにしている。
【0017】図2及び図3に示すように、動力分配ケース16へは刈取前処理装置3への伝動を行うベルト伝動機構12とは別のベルト伝動機構22を介してエンジンEから動力が横向き軸23に伝えられ、この横向き軸23が支承される動力分配ケース16内における左右方向での中間位置に一対のベベルギアから成るベベルギア機構24が設けられている。このベベルギア機構24により前方に分岐され、動力分配ケース16の前面より外方に突出した出力軸25には駆動プーリ26が設けられ、扱胴15を駆動するためにその駆動プーリ26と扱胴15の回転支軸15aと一体の従動プーリ27や中間プーリとにわたって伝動ベルト28を巻き掛けて扱胴15を回転駆動するようにしている。そして、横向き軸23は動力分配ケース16の左側面より左横外方に突出させているとともに、その端部に、脱穀装置4内における選別装置、回収装置、フィードチェーン14等を駆動するための伝動を行うベルト伝動機構29の駆動プーリ30を設けている。
【0018】〔別の実施の形態〕
■ 上記実施の形態においては、作動油タンクを鋼板材で構成し、受け台を鋳物で構成したものを示したが、受け台も鋼板材を加工して構成したものを採用しても良いとともに、この受け台を作動油タンクに対して溶接によって連結しても良い。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成10年9月25日(1998.9.25)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開2000−92950(P2000−92950A)
【公開日】 平成12年4月4日(2000.4.4)
【出願番号】 特願平10−272074