| 【発明の名称】 |
刈取り作業車のアクセル制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】二宮 伸治
【氏名】松沢 宏樹
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| 【要約】 |
【課題】作業負荷が急に増大する刈取り開始時に、エンジンの回転数が急激に落ち込んで制御遅れが発生する不具合を回避する。
【解決手段】コントローラ11の入力側に機体前部の刈取部に設けて穀稈列の有無を検出する穀稈センサ(前左)(前右)12、13と、自動スイッチ14と、エンジン回転センサ15と、アクセルポジションセンサ16を接続し、出力側にアクセル開リレー17と、アクセル閉リレー18を接続し、穀稈センサ12、13がオフからオンに切り換わったときに刈取り開始と判断し、エンジンの回転数を所定値より高くする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 スロットルを自動的に開閉してエンジンの回転数を所定値に維持するアクセル制御を有する刈取り作業車において、刈取りの開始を検出する刈取り開始検出手段を備え、刈取り開始を検出したときは、その後所定時間の間、スロットルを開いてエンジンの回転数を所定値より高くし、所定時間経過後はスロットルを戻してエンジンの回転数を所定値に維持することを特徴とするアクセル制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、スロットルを自動的に開閉してエンジンの回転数を所定値に維持するアクセル制御を有するコンバインやハーベスタのような刈取り作業車に関し、特にそのアクセル制御装置に関する。 【0002】 【発明が解決しようとする課題】アクセル制御は、作業負荷が増大してエンジンの回転数が落ちると、自動的にスロットル(絞り弁)を開いてエンジンの回転数を所定値に維持する。 【0003】ところが、エンジンの回転数減を検出してからスロットルを開くと、エンジンの回転が直ぐには回復しないので、エンジンを動力とする刈取、脱穀、搬送などの作業に制御遅れが発生し、引継ぎ部の詰まりやエンジン故障あるいは劣化の原因となる。特に、刈取り開始直後は作業負荷が急に増大し、エンジンの回転数が急激に落ち込む。また、刈取り終了後は作業負荷が軽くなるので、エンジンの回転数が所定値より高くなることが分かっている。エンジンの回転数をあまり高くすると、燃費の無駄や騒音の原因となる。 【0004】そこで本発明は、作業負荷が急に増大する刈取り開始時に、エンジンの回転数が急激に落ち込んで制御遅れが発生する不具合を回避することを目的になされたものである。なお、作業負荷が軽くなる刈取り終了時は、エンジンの回転数を低くすることにより、エンジンの回転数を不必要に上げないようにする。 【0005】 【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するために、本発明は以下のように構成した。 【0006】すなわち、スロットルを自動的に開閉してエンジンの回転数を所定値に維持するアクセル制御を有する刈取り作業車において、刈取りの開始を検出する刈取り開始検出手段を備え、刈取り開始を検出したときは、その後所定時間の間、スロットルを開いてエンジンの回転数を所定値より高くし、所定時間経過後はスロットルを戻してエンジンの回転数を所定値に維持することを特徴とする。 【0007】 【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。 【0008】図1に、本発明を実施したコンバインの全体側面図を示す。図中、aはコンバインのクローラで、bはクローラ駆動軸、cは刈取部、dは刈取った穀稈を搬送しながら脱穀機に供給するフィードチェーン、eは脱穀した穀物を貯留する穀物タンクを示す。 【0009】図2に、本発明を実施したアクセル制御装置のブロック図を示す。アクセル制御装置1は、コントローラ11の入力側に機体前部の刈取部に設けて穀稈列の有無を検出する穀稈センサ(前左)(前右)12、13と、自動スイッチ14と、エンジン回転センサ15と、アクセルポジションセンサ16を接続し、出力側にアクセル開リレー17と、アクセル閉リレー18を接続する。 【0010】本発明を実施したアクセル制御装置は以上のような構成で、各種スイッチ、センサ類の値に基づいてアクセル開リレー17とアクセル閉リレー18を操作し、エンジンの回転数を適正にするアクセル制御を行う。図3に示すフローチャートを参照して、このアクセル制御装置の処理について説明する。 【0011】処理を開始すると、まず、コントローラ11に接続した各種スイッチ、センサ類の値を読み込み(ステップ101)、アクセル制御自動かどうかを判定する(ステップ102)。アクセル制御自動であれば、次に、穀稈センサ12、13がオフからオンに切り換わったかどうかを判定し(ステップ103)、オフからオンに切り換わっていれば、アクセル制御の刈取り開始前処理としてエンジンの回転数を、例えば、所定値より200rpm高くする(ステップ104)。オフからオンに切り換わっていなければ、逆に、穀稈センサ12、13がオンからオフに切り換わったかどうかを判定し(ステップ105)、オンからオフに切り換わっていれば、アクセル制御の刈取り終了後処理としてエンジン回転数を、例えば、所定値より200rpm低くする(ステップ106)。オンからオフに切り換わっていなければ、次に、穀稈センサ12、13がオンかどうかを判定し(ステップ107)、オンであれば、アクセル制御の刈取り開始前処理がすでに終了しているかどうかを判定し(ステップ108)、終了していれば、アクセル制御の刈取り中処理としてエンジンの回転数を所定値に維持する(ステップ109)。 【0012】次に、本発明に関連して、刈取り開始から終了までアクセルレバーの異常を監視するアクセル制御装置について説明する。図4に示すフローチャートを参照して、このアクセル制御装置の処理について説明する。 【0013】処理を開始すると、まず、コントローラ11に接続した各種スイッチ、センサ類の値を読み込み(ステップ201)、アクセル制御セルフチェック中かどうかを判定する(ステップ202)。アクセル制御セルフチェック中でなければ、次に、穀稈センサ12、13がオフからオンに切り換わったかどうかを判定し(ステップ203)、オフからオンに切り換わっていれば、アクセル制御セルフチェック中をセットする(ステップ204)。オフからオンに切り換わっていなければ、逆に、穀稈センサ12、13がオンからオフに切り換わったかどうかを判定し(ステップ205)、オンからオフに切り換わっていれば、アクセル制御セルフチェック中をリセットする(ステップ206)。アクセル制御セルフチェック中であれば、次に、アクセル制御中かどうかを判定し(ステップ207)、アクセル制御中であれば、エンジンの回転数が所定値の範囲に入っているかどうかを判定する(ステップ208)。エンジンの回転数が所定値の範囲に入っていなければ、次に、アクセルレバーが全閉あるいは全開かを判定し(ステップ209)、全閉あるいは全開であれば、アクセル制御の異常を報知して制御を停止する(ステップ210)。 【0014】このアクセル制御装置は、刈取り開始から終了までの間、アクセルレバーを操作してもエンジンの回転数が所定値の範囲に入らない場合は、異常を報知して制御を停止する。従って、アクセル制御不能を逸早く検出して、エンジントラブルや脱穀部の詰まりなどの二次障害を未然に回避できる。 【0015】次に、本発明に関連して、図5のスイッチ配置図に示すHST(無段変速)レバー2とアクセルレバー3が自動車速制御時に正しく連動するかセンサチェックするアクセル制御装置について説明する。図6に、このアクセル制御装置のブロック図を示す。アクセル制御装置は、図2のアクセル制御装置の入力側にセンサチェックスイッチ19とHSTポジションセンサ20を接続し、出力側にHST前進リレー21とHST後進リレー22を接続する。図7に示すフローチャートを参照して、このアクセル制御装置の処理について説明する。 【0016】処理を開始すると、まず、コントローラ11に接続した各種スイッチ、センサ類の値を読み込み(ステップ301)、エンジン停止中かどうかを判定する(ステップ302)。エンジン停止中であれば、次に、センサチェックスイッチ19がオフからオンに切り換わったかどうかを判定し(ステップ303)、オフからオンに切り換わっていれば、アクセル制御センサチェック中をセットする(ステップ304)。そして、次に、アクセル制御センサチェック中かどうかを判定し(ステップ305)、アクセル制御センサチェック中であれば、HSTレバー2を自動的に傾動してアクセルレバー3を連動させアクセルを開閉する(ステップ306)。 【0017】自動車速制御は、刈取り中エンジンに余裕があって回転数が所定値に維持される場合、HSTレバー2を自動的に傾動して増速し、刈取り作業の能率を上げる。 このアクセル制御装置は、エンジン停止中の電気的にオンの状態で、HSTレバー2を自動的に傾動し、これに合わせて制御モータを駆動してアクセルレバー3を傾動する。このアクセルレバー3の傾動角度をポテンショメータで計測してLCDモニタに表示する。これにより、従来はそれぞれ単独で行っていたアクセル出力ラインの対応や断線の有無などの出力チェックを、HSTレバー2とアクセルレバー3を連動させて一度に行うことができる。 【0018】次に、本発明に関連して、車体が前低後高に傾斜して前進するときは、HSTレバーを自動的に戻して減速するアクセル制御装置について説明する。図8に、このアクセル制御装置のブロック図を示す。アクセル制御装置は、図6のアクセル制御装置の入力側に傾斜センサ23と、車速センサ24を接続する。図9に示すフローチャートを参照して、このアクセル制御装置の処理について説明する。 【0019】処理を開始すると、まず、コントローラ11に接続した各種スイッチ、センサ類の値を読み込み(ステップ401)、エンジンの回転数が500rpm以上かどうかを判定する(ステップ402)。エンジンの回転数が500rpm以上であれば、次に、車体が前低後高に傾斜しているかどうかを判定し(ステップ403)、車体が前低後高に傾斜していれば、次に、HSTレバーが前進かどうかを判定する(ステップ404)。そして、HSTレバーが前進であれば、次に、車速が一定値以上かどうかを判定し(ステップ405)、車速が一定値以上であれば、HSTレバーを戻して減速する(ステップ406)。 【0020】傾斜面を下るときは危険が大きく、熟練者でも慎重な操作を必要とする。このアクセル制御装置は、傾斜センサが車体の前低後高を検出してHSTレバーが前進であれば、傾斜面を下り中と判断して車速が上がりすぎないように減速するので、走行安全性を高めることができる。また、速度調節のためにHSTレバーを頻繁に操作する必要がないので、刈取り作業を行うパワステレバーの操作に専念できる。 【0021】次に、本発明に関連して、車体が前高後低に傾斜して前進するときにエンジンの回転数が高くなったときは、HSTレバーを自動的に戻して減速するアクセル制御装置について説明する。図10に示すフローチャートを参照して、このアクセル制御装置の処理について説明する。 【0022】処理を開始すると、まず、コントローラ11に接続した各種スイッチ、センサ類の値を読み込み(ステップ501)、エンジンの回転数が2000rpm以上かどうかを判定する(ステップ502)。エンジンの回転数が2000rpm以上であれば、次に、車体が傾斜したかどうかを判定し(ステップ503)、車体が傾斜していれば、傾斜前のエンジンの回転数をメモリに記憶する(ステップ504)。そして、次に、車体が前高後低に傾斜しているかどうかを判定し(ステップ505)、車体が前高後低に傾斜していれば、次に、HSTレバーが前進かどうかを判定する(ステップ506)。HSTレバーが前進であれば、次に、メモリに記憶した傾斜前のエンジンの回転数と現在の回転数を比較してエンジンの回転数が増加したかどうかを判定し(ステップ507)、エンジンの回転数が増加していれば、HST減速フラグをセットし(ステップ508)、減速前のHSTレバー位置をメモリに記憶し(ステップ509)、HSTレバーを戻して減速する(ステップ510)。エンジンの回転数が増加していなければ、HST減速フラグがセットされているかどうかを判定し(ステップ511)、HST減速フラグがセットされていれば、HSTレバー位置が減速前と減速後の1/2かどうかを判定し(ステップ512)、HSTレバー位置が減速前と減速後の1/2になるまでパルス出力して徐々にHSTレバーを倒しながら増速する(ステップ513)。 【0023】このアクセル制御装置は、傾斜センサが車体の前高後低を検出してHSTレバーが前進で、エンジンの回転数が増加していれば、クローラがスリップしていると判断して、HSTレバーを自動的に戻して減速する。従って、傾斜面を上るとき過剰にアクセルを開いてクローラをスリップさせないので、走行がスムーズになって燃費がよくなる。また、HSTレバーを気にせずに楽に傾斜面を上ることができる。 【0024】次に、本発明に関連して、アクセルレバーを操作して500ms以上経過してもエンジンの回転数が変化しないときは異常を報知するアクセル制御装置について説明する。図11に示すフローチャートを参照して、このアクセル制御装置の処理について説明する。 【0025】処理を開始すると、まず、コントローラ11に接続した各種スイッチ、センサ類の値を読み込み(ステップ601)、アクセルレバーを操作したかどうかを判定する(ステップ602)。アクセルレバーを操作していれば、次に、アクセルタイマカウント中かどうかを判定し(ステップ603)、アクセルタイマカウント中でなければ、アクセルタイマに500msをセットする(ステップ604)。次に、エンジンの回転数が変化したかどうかを判定し(ステップ605)、エンジンの回転数が変化していなければ、次に、アクセルタイマが500ms経過したかどうかを判定する(ステップ606)。そして、アクセルタイマが500ms経過していれば、アクセル異常をセットし(ステップ607)、次に、ブザー出力をセットし(ステップ608)、さらにマルチアイ表示信号をセットする(ステップ609)。 【0026】このアクセル制御装置は、アクセルレバーを操作して500ms経過しても、エンジンの回転数が変化しないときは、異常を報知する。従って、アクセルあるいはエンジンの異常を直ちにオペレータに知らせることができる。 【0027】次に、本発明に関連して、車体が前高後低に傾斜して上り斜面を前進するときは、図12のグラフに示すように、傾斜角度に応じてエンジンの回転数を調節するアクセル制御装置について説明する。図13に示すフローチャートを参照して、このアクセル制御装置の処理について説明する。 【0028】処理を開始すると、まず、コントローラ11に接続した各種スイッチ、センサ類の値を読み込み(ステップ701)、HSTレバーが前進かどうかを判定する(ステップ702)。HSTレバーが前進であれば、次に、車体が前高後低に傾斜しているかどうかを判定し(ステップ703)、車体が前高後低に傾斜していれば、傾斜角度に応じてエンジンの目標回転数を設定する(ステップ704)。そして、エンジンの回転数が目標の±50rpm以内かどうかを判定し(ステップ705)、エンジンの回転数が目標の±50rpm以内でなければ、次に、エンジンの回転数が目標をオーバしているかどうかを判定する(ステップ706)。そして、目標をオーバしていれば、アクセルを閉じて減速し(ステップ707)、目標をオーバしていなければ、アクセルを開いて増速する(ステップ708)。 【0029】このアクセル制御装置は、車体の傾斜角度に応じてエンジンの回転数を調節する。従って、エンジンの回転数が過剰にならず低く抑えられるので、クローラの接地を適切にして登坂性能を向上し、燃費を節約する。 【0030】 【発明の効果】以上説明したように本発明のアクセル制御装置は、刈取りの開始を検出する刈取り開始検出手段を備え、刈取り開始を検出したときはエンジンの回転数を所定値より高くする。従って、本発明によれば、作業負荷が急に増大する刈取り開始時にあらかじめエンジンの回転数を高くするので、負荷が増大してもエンジンの回転数の落ち込みが少なく、直ぐに回復するので、制御遅れを回避して刈取、脱穀、搬送などの作業に支障をきたすことなくスムーズに行うことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000125 【氏名又は名称】井関農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年9月29日(1998.9.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100077779 【弁理士】 【氏名又は名称】牧 哲郎 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−92948(P2000−92948A) |
| 【公開日】 |
平成12年4月4日(2000.4.4) |
| 【出願番号】 |
特願平10−274843 |
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